JPH11255805A - β−グルカン認識蛋白活性化抑制剤 - Google Patents

β−グルカン認識蛋白活性化抑制剤

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JPH11255805A
JPH11255805A JP35550998A JP35550998A JPH11255805A JP H11255805 A JPH11255805 A JP H11255805A JP 35550998 A JP35550998 A JP 35550998A JP 35550998 A JP35550998 A JP 35550998A JP H11255805 A JPH11255805 A JP H11255805A
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compound
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JP35550998A
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Yoichi Katsumi
洋一 勝見
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Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な昆虫体液中のβ−グルカン認識蛋白(β
GRP)活性化抑制剤、これを用いた活性化抑制方法、
昆虫体液の処理剤、これを用いた処理方法、及びペプチ
ドグリカン(PG)測定方法並びにPG測定用試薬の提
供。 【解決手段】β1→3結合を有する糖化合物であって該
糖化合物を構成する糖残基として6位に置換基を有する
糖残基を含む化合物を含有してなる、昆虫体液中のβG
RPの活性化抑制剤、これを用いた活性化抑制方法、該
化合物を含有してなる昆虫体液の処理剤、これを用いた
処理方法、該化合物の存在下に昆虫体液と試料とを反応
させるPGの測定方法、及び昆虫体液と該化合物を含有
してなるPG測定用試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、昆虫体液中のβ−
グルカン認識蛋白の活性化抑制剤及び活性化抑制方法、
昆虫体液の処理剤及び処理方法、並びに新規なペプチド
グリカン測定方法及び測定試薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ペプチドグリカン(以下、PGと略記す
る。)は、N−アセチルムラミン酸又はN−グリコリル
ムラミン酸とD−アミノ酸を含む糖タンパクであり、細
菌の細胞壁成分として菌の形状の保持に重要な働きをし
ている。
【0003】PGは、例えば、マクロファージ,Bリン
パ球,Tリンパ球等の免疫応答細胞に対する種々の作
用、血小板の破壊、繊維芽細胞の増殖促進、骨吸収の促
進、補体の活性化、体液性免疫応答の増進又は抑制、細
胞性免疫の増強、細胞内皮系の刺激、一過性の白血球減
少並びにその後の白血球増加、インターフェロン誘導因
子の作用増強、自然抵抗力の強化、自己免疫疾患の実験
的誘導、発熱誘発、エンドトキシン(以下、ETと略記
する。)の毒性に対する感受性向上、睡眠の促進乃至抑
制、類上皮肉芽腫形成、結核菌等で処理した部位での出
血壊死性炎症の惹起、急性並びに慢性毒性等、種々の生
物活性を持っている。
【0004】また、ETがグラム陰性菌のみに存在する
のに対して、PGはグラム陽性菌とグラム陰性菌の両方
に存在し、グラム陽性菌では細胞壁の最外殻に分厚い層
を、グラム陰性菌では外膜の内側に薄い層を形成してい
る。ETもPGも持っていない古細菌(例えばメタン細
菌、高度好酸性好熱菌等)を除くと、殆どの原核生物が
PGをその細胞壁に持っている。一方、哺乳動物等の真
核生物の細胞成分中にはPGは存在しないため、PGが
存在するところには細菌が存在すると考えられる。
【0005】従ってPGの測定は、PGを細胞壁の構成
成分としている細菌類、藍藻類等の微生物の微量検出に
有用であり、医薬品等の安全性試験、水や食品等の微生
物試験、感染症の診断等への応用が期待されている。
【0006】そして、PGの測定方法としては、昆虫体
液由来の試薬を用いる方法(特公平7ー114707号)等が報
告されている。昆虫体液中には、フェノール酸化酵素前
駆体(以下、proPOと略記する。)カスケードに関与す
る因子が存在し、通常は活性化が起こっていない状態
(不活性型因子)である。この因子の一つに、PGと結
合してproPOカスケードを活性化する物質(PG認
識蛋白)がある。上記方法は、試料中のPGが、昆虫体
液中のこのPG認識蛋白と結合してproPOカスケー
ドを活性化する性質を利用する方法である。しかしなが
ら、昆虫体液中には、もう一つの因子としてβ―1,3
―グルカン(以下、βGと略記する、)と結合してpr
oPOカスケードを活性化する物質(βG認識蛋白。以
下、βGRPと略記する。)も存在する(Yoshida,H.,O
chiai,M., and Ashida,M.(1986) Biochem.Biophys.Res.
Commun.141,1777-1184)。そのため、上記方法でPGの
みを測定するには、試薬を調製するために用いる昆虫体
液から、アフィニティークロマトグラフィー法等により
βGRPを除去しなければならず、手間のかかる方法で
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
した如き状況に鑑みなされたもので、新規な昆虫体液中
のβGRP活性化抑制剤、これを用いた活性化抑制方
法、昆虫体液の処理剤、これを用いた処理方法、及び簡
便なPGの測定方法並びにPG測定用試薬を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、β1→3結合
を有する糖化合物であって該糖化合物を構成する糖残基
として6位に置換基を有する糖残基を含む化合物を含有
してなる、昆虫体液中のβGRPの活性化抑制剤の発明
である。
【0009】また、本発明は、昆虫体液を、β1→3結
合を有する糖化合物であって該糖化合物を構成する糖残
基として6位に置換基を有する糖残基を含む化合物で処
理することを特徴とする、昆虫体液中のβGRPの活性
化抑制方法の発明である。
【0010】更に、本発明は、β1→3結合を有する糖
化合物であって該糖化合物を構成する糖残基として6位
に置換基を有する糖残基を含む化合物を含有してなる、
昆虫体液の処理剤の発明である。
【0011】更にまた、本発明は、昆虫体液と、β1→
3結合を有する糖化合物であって該糖化合物を構成する
糖残基として6位に置換基を有する糖残基を含む化合物
を接触させることを特徴とする、昆虫体液の処理方法の
発明である。
【0012】また、本発明は、β1→3結合を有する糖
化合物であって該糖化合物を構成する糖残基として6位
に置換基を有する糖残基を含む化合物の存在下に、昆虫
体液と試料とを反応させることを特徴とする、PGの測
定方法の発明である。
【0013】更に、本発明は、昆虫体液と、β1→3結
合を有する糖化合物であって該糖化合物を構成する糖残
基として6位に置換基を有する糖残基を含む化合物を含
んでなるPG測定用試薬の発明である。
【0014】即ち、本発明者等は、昆虫体液中のβGR
Pの活性化を抑制し得る物質を求めて鋭意研究を重ねた
結果、β1→3結合を有する糖化合物であって該糖化合
物を構成する糖残基として6位に置換基を有する糖残基
を含む化合物がその作用を有することを見出した。更
に、本発明者等は、これを昆虫体液中のβGRP活性化
抑制剤として使用すれば、当該βGRPの活性化を抑制
することができ、PGに特異的な測定試薬が簡便に得ら
れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】本発明に於いて用いられる、β1→3結合
を有する糖化合物であって該糖化合物を構成する糖残基
として6位に置換基を有する糖残基を含む化合物(以
下、本発明に係る糖化合物と略記する。)としては、少
なくとも1以上のヘキソース残基を有し、βGRPの活
性化を抑制し得るものであればよく、特に限定されな
い。
【0016】また、本発明に係る糖化合物を構成する糖
残基としては、例えばトレオース残基,エリトロース残
基,エリトルロース残基等のテトロース残基、例えばリ
ボース残基,デオキシリボース残基,アラビノース残
基,キシロース残基,リキソース残基,リブロース残
基,キシルロース残基,アラビヌロース残基,リクスロ
ース残基等のペントース残基、例えばグルコース残基,
マンノース残基,アロース残基,アルトロース残基,ガ
ラクトース残基,タロース残基,イドース残基,グロー
ス残基,フコース残基,フルクトース残基,ソルボース
残基,タガトース残基,プシコース残基等のヘキソース
残基、例えばグルコサミン残基,ガラクトサミン残基,
アセチルグルコサミン残基等のアミノ糖残基、例えばア
セチルノイラミン酸残基等のシアル酸残基、例えばソル
ビトール残基,イノシトール残基,マンニトール残基,
リビトール残基,エリトリトール残基,アラビトール残
基,キシルトール残基等の糖アルコール残基等が挙げら
れ、なかでも、ヘキソース残基が好ましく、特にグルコ
ース残基が好ましい。
【0017】本発明に係る糖化合物に於ける、β1→3
結合の数としては、通常2個以上、好ましくは2〜1000
個、より好ましくは10〜600個、更に好ましくは20〜600
個の範囲から適宜選択される。尚、β1→3結合として
は、β1→3グルコシド結合が好ましい。
【0018】尚、本発明に係る糖化合物としては、βG
RPの活性化を抑制し得る作用を有するものであれば、
直鎖状でも分岐状でも何れでもよい。
【0019】本発明に係る糖化合物に於ける、該糖化合
物を構成する6位に置換基を有する糖残基としては、例
えばグルコース残基,マンノース残基,アロース残基,
アルトロース残基,ガラクトース残基,タロース残基,
イドース残基,グロース残基,フコース残基,フルクト
ース残基,ソルボース残基,タガトース残基,プシコー
ス残基等のヘキソース残基が挙げられるが、なかでも、
グルコース残基が好ましい。
【0020】また、6位の置換基としては、本発明に係
る糖化合物の溶解性を著しく低下させないものであれば
特に限定されないが、例えば親水性基、親水性を損なわ
ない基等が好ましい。
【0021】本発明に於ける親水性基としては、例えば
カルボキシメチル基,カルボキシエチル基等のカルボキ
シ低級アルキル基、例えばヒドロキシエチル基,ヒドロ
キシプロピル基等のヒドロキシ低級アルキル基、例えば
スルホプロピル基等のスルホ低級アルキル基、硫酸基等
が挙げられる。また、親水性を損なわない基としては、
例えばメチル基等の低級アルキル基、例えばアセチル基
等のカルボン酸由来の低級アシル基、例えばグルコース
残基,マンノース残基,ガラクトース残基等の糖残基、
これら糖残基からなる糖鎖等が挙げられる。
【0022】本発明に係る糖化合物に於ける置換基の数
としては、βGRPの活性化を抑制する作用を有し、本
発明に係る糖化合物の溶解性を著しく低下させない範囲
であれば特に限定されないが、糖化合物を構成する糖残
基に10%以上の割合で置換基が導入されているものが特
に好ましい。
【0023】本発明に係る糖化合物としては、例えばβ
1→3結合を有する糖化合物であって該糖化合物を構成
する糖残基として6位に上記した如き置換基を有する糖
残基を含む糖類が挙げられるが、なかでも、多糖類が好
ましい。これら多糖類の具体例としては、例えばシゾフ
ィラン、ラミナリン、ラミナラン、クレスチンTM(かわ
らたけ由来多糖体製剤,呉羽化学工業(株)商品名)、パ
キマン、ザイモザンA等が挙げられる。尚、これらの多
糖類は、例えば各種細菌類(例えば、Alcaligenes属,A
grobacterium属,Rhizobium属等)、酵母類(例えば、S
accharomyces属等)、キノコ類(例えば、シイタケ,ス
エヒロタケ,カワラタケ等)等の細胞壁或いは藻類(例
えば、Eisenia属,Laminaria属等)等から得られるもの
等が挙げられる。
【0024】また、本発明に係る糖化合物には、例えば
カルボキシメチル化カードラン等の、β1→3結合を有
する糖化合物であるが、該糖化合物を構成する糖残基が
6位に置換基を有さない糖類に自体公知の方法に準じて
上記した如き置換基を導入することにより得られる糖類
が包含される。
【0025】これらβ1→3結合を有する糖化合物であ
るが、該糖化合物を構成する糖残基の6位に置換基を有
さない糖類としては、特に限定されないが、β1→3結
合を有する糖化合物、例えばカードラン、スクレロタ
ン、レンチナン、コリオラン、リケニン、パラミロン、
カロース等の多糖類が好ましい。尚、これらの糖類は、
例えば各種細菌類(例えば、Alcaligenes属,Agrobacte
rium属,Rhizobium属等)、酵母類(例えば、Saccharom
yces属等)、キノコ類(例えば、シイタケ,スエヒロタ
ケ,カワラタケ等)等の細胞壁或いは藻類(例えば、Ei
senia属,Laminaria属等)等から得られるもの等が挙げ
られる。
【0026】また、糖残基の6位に置換基を導入する方
法としては、例えば大有機化学第19巻,第7版,70〜10
1頁,小竹無二雄監修,昭和42年5月10日,朝倉書店、
A.E.Clarke et al.,Phytochemistry, 1,175-188(196
7)、T.Sasaki et al.,Europ.J.Cancer,15,211-215(197
9)等に記載された自体公知の導入方法が挙げられる。
【0027】また、本発明に係る糖化合物には、上記し
た如きβ1→3結合を有する糖化合物であって該糖化合
物を構成する糖残基の6位に上記した如き置換基を有す
る天然に存在する多糖類に、更に自体公知の方法に準じ
て上記した如き置換基を導入することにより得られる多
糖類等も包含される。
【0028】上記した如き本発明に係る糖化合物のなか
でも、6位に置換基を有する糖残基1個と、6位に置換
基を有さない糖残基2個がβ1→3結合で結合した糖残
基3個からなる単位を1以上有する糖化合物が好まし
く、その具体例としては、例えばシゾフィラン、カルボ
キシメチル化カードラン、ラミナリン、ラミナラン、ク
レスチンTM等が挙げられる。
【0029】中でも糖残基が何れもグルコース残基であ
り、且つ6位の置換基がグルコース残基である糖化合物
が特に好ましく、より好ましい具体例としては、例えば
シゾフィラン、クレスチンTM等が挙げられる。
【0030】本発明に係る糖化合物の使用濃度として
は、昆虫体液由来のβGRPの活性化を抑制し得る濃度
であれば良く、特に限定されない。より具体的には、使
用する本発明に係る糖化合物の種類により一概には言え
ないが、βGRPを含む組成物、例えば昆虫体液中のβ
GRP100 μgあたり通常1μg〜1g、好ましくは5μ
g〜100mg、より好ましくは10μg〜10mgの範囲から適宜
選択される。 また、より具体的には、昆虫体液1mlあ
たり通常1μg〜1g、好ましくは5μg〜100mg、より好
ましくは10μg〜10mgの範囲から適宜選択される。
【0031】本発明に係る糖化合物は、夫々単独で用い
ても良いし、二種以上適宜組み合わせて用いても良い。
【0032】尚、βGRP量の測定は、例えば公知の文
献(Ochiai,M.,Ashida,M.(1988)J.Biol.Chem.263,12056
-12062)に記載の方法に準じて行えばよい。
【0033】本発明に於いて使用される昆虫体液として
は、昆虫の体液から得られたもので、proPOカスケ
ード〔Ashida and Yamazaki,Molting and Metamorphosi
s,239-265,Japan Sci.Soc.Press(1990)〕に関与する因
子であって活性化が起こっていない状態のもの(不活性
型因子)を含有し、微生物細胞壁に存在するβGやPG
と反応してproPOを活性化し得る性質を有するもの
であればよい。
【0034】昆虫体液はヘモリンパ(hemolymph)と呼
ばれる。体液の得られる昆虫としては、特に制限はない
が、なるべく大型のもので飼育方法の確立しているもの
が望ましく、例えば、タバコスズメガ,ハチミツガ,セ
クロピア蚕,カイコガ等の鱗翅類、センチニクバエ,イ
エバエ等の双翅類、トノサマバッタ,エンマコオロギ等
の直翅類、センノキカミキリ等の甲虫類等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。入手の容易さか
らいうと、例えば錦秋鐘和等のカイコガ,クワゴ,オオ
クワゴモドキ,カギバモドキ等のカイコガ科の昆虫が挙
げられる。また、昆虫体液を得るには、成虫を用いても
幼虫を用いても良いが、体液の採取の容易さからすれ
ば、幼虫が望ましい。尚、カイコガの一種である錦秋鐘
和の幼虫を用いるときは5周令の幼虫(Silkworm)が好
ましく用いられる。
【0035】上記した如き昆虫から体液を得る方法とし
ては、例えば、昆虫を氷上に置き動きを止めた後、トウ
キビ因子(サトウキビに含まれるグルコース,アミノ酸
などからなる高分子物質)を不純物として含むショ糖、
トウキビ因子そのもの、或いは例えば(p−アミジノフ
ェニル)メタンスルホニルフルオリド(p−APMS
F)、フェニルメタンスルホニルフルオリド(PMS
F)、ジイソプロピルフルオロリン酸(DFP)、p−
ニトロフェニル p'−グアニジノベンゾエート(NPG
B)、ジヒドロキシクロロメチルクマリン(DCC)等
のセリンプロテアーゼインヒビター等を含む生理食塩水
を体腔に注射し、その後しばらく放置して、体腔より昆
虫体液を集める方法、上記した如きセリンプロテアーゼ
インヒビター等を含む昆虫体液と等張な溶液に昆虫体液
を添加して採取する方法(Ashida,M.,Insect Biochem.,
11,57-65,1981、特開平1-14266号公報)等が挙げられ
る。このようにして得られた昆虫体液は、通常遠心分離
処理して血球を除き、その後透析して用いられる。尚、
要すれば適当なカラムクロマトグラフィーにより更に精
製して用いてもよい。また、昆虫体液は市販されている
もの(例えば、SLPTM試薬セット、和光純薬工業
(株)製)を使用しても良い。
【0036】尚、昆虫体液は、通常これにβGやPGと
反応した結果活性化される酵素の基質であって該酵素の
作用により適当な色素等(蛍光性、発光性のものでも
可。)を生じる物質(所謂合成基質を含む。)等を添加
して使用される。
【0037】また、上述した如く、不活性型因子は、昆
虫の体液由来のものが一般的であるが、遺伝子組換え等
の操作により作製されたproPOカスケードの不活性
型因子を適宜組み合わせて調製されたものであっても何
等差し支えない。
【0038】本発明に係る昆虫体液中のβ―グルカン認
識蛋白の活性化抑制剤は、上記した如き本発明に係る糖
化合物を含有するものである。
【0039】本発明に於いて、昆虫体液中のβ―グルカ
ン認識蛋白の活性化抑制方法としては、最終的に昆虫体
液中に本発明に係る糖化合物を共存させ得る方法であれ
ばよく、特に限定されないが、最も一般的な方法として
は、昆虫体液に本発明に係る糖化合物を添加・溶解させ
て共存させる方法、昆虫体液と、本発明に係る糖化合物
を含む溶液とを混合する方法等が挙げられる。
【0040】本発明に於いて、本発明に係る糖化合物を
含有させる溶液としては、proPOカスケードを活性
化することなく、且つ本発明に係る糖化合物のβGRP
の活性化を抑制する作用を阻害する性質を有さないもの
であれば、特に限定されず、例えば蒸留水、緩衝液等が
挙げられる。緩衝液を構成する緩衝剤としては、通常こ
の分野で用いられるものは全て使用可能であり、具体的
には、例えばリン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、トリス緩衝
剤、グッドの緩衝剤等が挙げられ、その使用濃度は、通
常この分野に於ける使用濃度範囲から適宜選択すればよ
い。
【0041】本発明に係る昆虫体液の処理剤は、本発明
に係る糖化合物を含有するものである。
【0042】本発明に係る昆虫体液の処理方法として
は、本発明に係る糖化合物を、本発明に係る昆虫体液中
に、上記した如き濃度範囲となるように共存させればよ
く、共存させるには、上記した活性化抑制方法に於ける
共存させる方法に準じて行えばよい。
【0043】本発明のPG測定方法は、上記した如き本
発明に係る糖化合物を上記した如き濃度範囲で存在させ
る以外は、昆虫体液を用いる自体公知のPG測定法に準
じて実施すれば良く、使用するその他の試薬類もこれら
自体公知の測定法に準じて適宜選択すればよい。
【0044】即ち、試料を、本発明に係る糖化合物の存
在下、昆虫体液を用いる自体公知のPG測定法に準じて
測定を行うことにより、試料中のPGを特異的に測定す
ることができる。
【0045】また、本発明のPG測定方法に於いては、
昆虫体液と試料とを反応させる際に、最終的に本発明に
係る糖化合物を上記した如き濃度範囲で共存させ得れば
よく、その方法については特に限定されない。
【0046】具体的には、例えば上記した如き昆虫体液
中に、本発明に係る糖化合物を含有させ、これと試料と
を混合する方法、例えば上記した如き本発明に係る糖化
合物を含有する緩衝液等の溶液で試料を希釈し、該希釈
試料と上記した如き昆虫体液とを混合する方法等が挙げ
られる。
【0047】昆虫体液を用いる自体公知のPG測定法と
しては、例えば試料と、昆虫体液とを混合・反応させ、
一定時間後の反応液中の例えばN−α−ベンゾイル−L
−アルギニンエチルエステル分解酵素(BAEEas
e)、プロフェノールオキシダーゼ活性化酵素(PPA
E)、フェノールオキシダーゼ(PO)等の酵素の活性
を自体公知の測定法に従って測定し、予め濃度既知のP
Gの標準液を用いて同様の操作により作製した検量線か
らPGの量を算出する方法(M.Tsuchiya et al.FEMS Im
munology and Medical Microbiology,15(1996)129-13
4、特開平7-184690号公報等)、proPOが活性化さ
れてPOとなる時間が試料中のPG濃度に依存する現象
を利用して、PPO試薬と試料とを混合した後、POに
よる反応生成物の量がある一定値となるまでの時間を測
定する方法(M.Tsuchiya et al.FEMSImmunology and Me
dical Microbiology,15(1996)129-134等)等が好ましく
挙げられる。
【0048】これら自体公知の測定法に於いて用いられ
るその他の試薬類としては、例えば3,4−ジヒドロキ
シフェニルアラニン(ドーパ),合成基質等の測定する
酵素の基質、共役酵素、補酵素等、要すれば、発色剤、
賦活剤、安定化剤、界面活性剤等、目的とする酵素活性
の測定法として自体公知の方法に於いて使用される試薬
類が挙げられる。
【0049】本発明の測定方法に於ける反応pHとして
は、測定する酵素の種類等によって異なるが、通常pH
4〜11、好ましくはpH6〜9である。また、この反応
pHを維持するために緩衝剤を使用しても良く、緩衝剤
としては反応に影響を与えないものであれば、種類,使
用濃度ともに特に制限されず、例えばリン酸塩,ホウ酸
塩,酢酸塩,トリス緩衝剤,グッドの緩衝剤等が挙げら
れる。
【0050】また、反応温度及び反応時間については、
反応が進行する温度,時間であれば特に制限されず、反
応温度としては、通常0〜50℃、好ましくは4〜30℃、
反応時間としては、通常1秒〜20時間、好ましくは10秒
〜2時間の範囲から適宜選択される。
【0051】また、本測定に於いては、0.001〜1000m
M、好ましくは5〜100mMの範囲内の2価の金属イオン、
例えばCa2+、Mg2+等が存在していることが望まし
い。
【0052】本発明のPG測定方法により測定可能な試
料としては、試料中の微生物の有無を検出する必要があ
るものであれば特に限定されないが、例えば半導体用洗
浄水、例えば血液,血漿,血清,髄液等の体液、尿、水
道水、工場廃液、食品、飲料、医療器具等を洗浄した後
の洗浄液等が挙げられる。
【0053】本発明の測定法を実施するには、例えば以
下の如く行えばよい。
【0054】即ち、上記した如き試料と、本発明に係る
糖化合物を含有する昆虫体液とを混合し、一定の反応条
件で反応(例えば、0〜50℃、好ましくは4〜30℃で、
1秒〜20時間、好ましくは10秒〜2時間)させ、例えば
市販のマイクロプレートリーダーThermo-Max(Molecula
r Devices社製)、トキシノメーター(和光純薬工業
(株)製)等を用いて該反応液の吸光度が予め設定した
閾値に達するまでの反応時間を測定する。得られた反応
時間の測定値と、予め既知濃度のPGを含有する試料を
用いて同様に行って得られた、PG濃度と反応時間との
関係を示す検量線から、試料中のPG含有量を算出する
ことができる。
【0055】本発明に係る糖化合物を、前述した如き昆
虫体液中に、上記した如き濃度範囲となるように含有さ
せることにより、PGのみを特異的に測定することがで
きるPG測定用試薬を容易に得ることができる。
【0056】本発明のPG測定用試薬は、例えば半導体
用洗浄水、例えば血液,血漿,血清,髄液等の体液、
尿、水道水、工場廃液、食品、飲料、医療器具等を洗浄
した後の洗浄液等の微生物の有無を検出する必要がある
各種試料中のPGを測定するために使用されるもので、
本発明に係る糖化合物をβGRP活性化抑制剤として用
いる以外は、上記した如き昆虫体液を用いる自体公知の
PG測定法に使用される試薬類を、この分野で通常使用
される濃度範囲で含有するように調製されたものであ
り、構成要件の好ましい態様や使用濃度等は、上で述べ
た通りである。
【0057】以下に参考例、実施例及び比較例をあげて
本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより
何ら限定されるものではない。尚、以下の参考例及び実
施例に於いて使用される蒸留水及び注射用水(大塚製薬
(株)製)は、市販のSLPTM試薬セット(和光純薬工
業(株)製)を用いて、βG又は/及びPGが検出され
ないことを確認したものを使用した。
【0058】
〔試薬〕
(1)測定試薬;Ashida.M.,(1981)Insect Biochem.,1
1,57-65に記載の方法に準じて得られたカイコ(錦秋鐘
和,Bombyx mori)5周令の体液の分画画分を測定試薬
とした(βGRP量:1μg/ml以下)。尚、測定試薬
中のβGRP量は、Ochiai,M.,Ashida,M.(1988)J.Biol.
Chem.263,12056-12062の方法に準じて測定した。 (2)ドーパ・カルシウム溶液;0.1M MOPS緩衝液
(pH6.5)に、ドーパ 6mM及び塩化カルシウム 24mM
の濃度になるように溶解した後、ゼータポア膜(Cuno社
製)を使用して濾過したものをドーパ・カルシウム溶液
とした。
【0059】(3)β−1,3−グルカン溶液;以下の
ようにしてβ−1,3−グルカン溶液を調製した。・カ
ードラン(curdlan、和光純薬工業(株)製):0.25N
NaOHに1mg/mlになるように溶解し、蒸留水で希釈
して10pg/mlから10μg/mlまでの希釈系列を調製し
た。 ・シゾフィラン(schizophyllan、科研製薬(株)
製):10mg/mlアンプルを蒸留水で希釈して10ng/mlか
ら10mg/mlまでの希釈系列を調製した。 ・カルボキシメチル化カードラン(CMEC、和光純薬
工業(株)製):蒸留水に10mg/mlになるように溶解
し、蒸留水で希釈して10ng/mlから10mg/mlまでの希釈
系列を調製した。 ・ラミナラン(laminaran、東京化成工業(株)製):
蒸留水に10mg/mlになるように溶解し、蒸留水で希釈し
て10ng/mlから10mg/mlまでの希釈系列を調製した。 ・ラミナリン(laminarin、Sigma社製):蒸留水に10mg
/mlになるように溶解し、蒸留水で希釈して10ng/mlか
ら10mg/mlまでの希釈系列を調製した。 ・パキマン(pachyman、calbiochem社製):蒸留水に1
mg/mlになるように分散し、蒸留水で希釈して1ng/ml
から1mg/mlまでの希釈系列を調製した。 ・クレスチンTM(Krestin、呉羽化学工業(株)製):
蒸留水に10mg/mlになるように溶解し、蒸留水で希釈し
て10ng/mlから10mg/mlまでの希釈系列を調製した。 ・ザイモザンA(zymosan A、Sigma社製):蒸留水に
1mg/mlになるように分散し、蒸留水で希釈して1ng/
mlから1mg/mlまでの希釈系列を調製した。
【0060】〔測定機器〕 マイクロプレートリーダーThermo-Max(Molecular Devi
ces社製)を用い、下記条件で測定を行った。 温度:30℃ 時間:1時間40分 オンセットOD:0.01 測定波長:650nm 尚、データの解析は、Soft Max version2.32を用いて行
った。 〔操作〕上記測定試薬 750μlとドーパ・カルシウム溶
液 375μlとを混合し、酵素・基質溶液とした。ポリス
チレン製96穴マイクロプレートに、該酵素・基質溶液50
μl、所定濃度の各種β−1,3−グルカン溶液 50μl
を夫々分注し、マイクロプレートリーダーを用いて、上
記の条件で測定を行った。 〔結果〕図1に、β−1,3−グルカンとしてカードラ
ン、シゾフィラン、CMEC又はラミナランを用いた場
合のβ−1,3−グルカン濃度に対するオンセットタイ
ムを両対数プロットした結果を、また、図2に、β−
1,3−グルカンとしてラミナリン、パキマン、クレス
チンTM又はザイモザンAを用いた場合のβ−1,3−グ
ルカン濃度に対するオンセットタイムを両対数プロット
した結果を夫々示し、図1及び図2に於いて、横軸は各
種β−1,3−グルカンの濃度を、縦軸はオンセットタ
イムを夫々示す。尚、図1中、−□−はカードランを用
いた場合の結果を、−◇−はシゾフィランを用いた場合
の結果を、−○−はCMECを用いた場合の結果を、−
△−はラミナランを用いた場合の結果を夫々示し、図2
中、−□−はラミナリンを用いた場合の結果を、−◇−
はパキマンを用いた場合の結果を、−○−はクレスチン
TMを用いた場合の結果を、−△−はザイモザンAを用い
た場合の結果を夫々示す。
【0061】図1及び図2の結果から明らかなように、
糖残基の6位に置換基を有さない糖残基のみから構成さ
れるカードランを測定試薬(昆虫体液)と反応させた場
合は、カードラン濃度の増加に比例してオンセットタイ
ムが短くなっていることが判る。これに対して、6位に
置換基を有する糖残基を含む糖化合物を測定試薬と反応
させた場合には、ある濃度以上、即ち、シゾフィランの
場合10μg/ml以上(反応液中濃度 5μg/ml以上),
CMECの場合 100μg/ml以上(反応液中濃度 50μ
g/ml以上),ラミナランの場合1mg/ml以上(反応液
中濃度 500μg/ml以上),ラミナリンの場合 10μg
/ml以上(反応液中濃度 5μg/ml以上),パキマンの
場合 10mg/ml以上(反応液中濃度 5mg/ml以上),
クレスチンTMの場合10μg/ml以上(反応液中濃度 5μ
g/ml以上),ザイモザンAの場合 1mg/ml以上(反
応液中濃度 500 μg/ml以上)を反応させるとオンセ
ットタイムが長くなることが判る。このことから、β1
→3結合を有する糖化合物であって該糖化合物を構成す
る糖残基として6位に置換基を有する糖残基を含む化合
物、即ち本発明に係る糖化合物は、測定試薬(昆虫体
液)のβGに対する反応性を低下させることが、換言す
れば、測定試薬中のβGRPの活性化を抑制し得ること
が示唆される。
【0062】実施例1.本発明に係る糖化合物を含有す
る測定試薬と、βG及びPGとの反応性の検討 〔試薬〕 (1)測定試薬;実験例1と同じ。 (2)ドーパ・カルシウム溶液;実験例1と同じ。 (3)本発明に係る糖化合物溶液;実験例1に於いてβ
GRP活性化抑制効果が認められたシゾフィラン及びク
レスチンTMを用い、下記の如くして、本発明に係る糖化
合物溶液であるシゾフィラン溶液及びクレスチンTM溶液
を調製した。 ・シゾフィラン(schizophyllan、科研製薬(株)
製):10mg/mlアンプルを、シゾフィラン溶液として用
いた。 ・クレスチンTM(Krestin、呉羽化学工業(株)製):
蒸留水に5mg/mlになるように溶解し、これをクレスチ
TM溶液とした。
【0063】(4)PG標準液;ミクロコッカス ルテ
ウス(Micrococcus luteus)の乾燥菌体1gを、シュレ
イファーらの方法(Schleifer,K.H.,and Kandlar,O.,Ba
cteriol.Rev.,36,407-477(1972))に準じて処理し、ト
リプシン処理細胞壁(PG)95mgを得た。得られたトリ
プシン処理細胞壁(PG)20mgを注射用水(大塚製薬
(株)製)20mlに加え、超音波処理により分散させたも
のをPG原液とした。尚、使用にあたっては、該PG原
液を蒸留水で希釈して、1ng/mlから1μg/mlまでの
希釈系列を調製してPG標準液とした。 (5)βG標準液;カードラン(和光純薬工業(株)
製)10mgを0.25N水酸化ナトリウム溶液10mlに溶解した
ものをβG原液とした。尚、使用にあたっては、該βG
原液を蒸留水で希釈して、10pg/mlから10μg/mlまで
の希釈系列を調製してβG標準液とした。
【0064】〔測定機器〕実験例1と同じ。 〔操作〕予め250℃で2時間乾熱滅菌処理したガラス製
試験管に、測定試薬 575μl、ドーパ・カルシウム溶液
375μl、所定の本発明に係る糖化合物溶液 175μlを
分注・混合して反応試液とした。次いで、ポリスチレン
製96穴マイクロプレートに、所定濃度のβG標準液又は
所定濃度のPG標準液を夫々50μlずつ分注し、次い
で、反応試液を50μlずつ分注し、マイクロプレートリ
ーダーを用いて、上記の条件で測定を行った。また、コ
ントロールとして、本発明に係る糖化合物溶液の代わり
に、蒸留水175μlを用いて調製した反応試液(本発明に
係る糖化合物無添加)を使用して、上記と同様に測定を
行った。 〔結果〕PG標準液を用いて得られたオンセットタイム
(Onset Time:オンセットOD=0.01に達するまでの時
間(秒))を表1に、また、βG標準液を用いて得られ
たオンセットタイム(Onset Time:オンセットOD=0.
01に達するまでの時間(秒))を表2に夫々示す。
【0065】
【表1】 *表中のndは、測定時間内にオンセットODに達しな
かったことを示す。
【0066】
【表2】 *表中のndは、測定時間内にオンセットODに達しな
かったことを示す。
【0067】また、表1の結果に基づいて、本発明に係
る糖化合物無添加の反応試液,シゾフィラン含有反応試
液及びクレスチンTM含有反応試液の夫々を使用した場合
について、PG濃度とオンセットタイムの関係を表す検
量線(座標軸は両対数)を作成したところ、何れも良好
な検量線が得られた。これらの検量線に、同じ反応試液
を用いて得られた表2のデータを当てはめて、夫々の反
応試液を用いた場合の各種βG標準液のPG換算値を求
めた。その結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】表3の結果から明らかなように、本発明に
係る糖化合物、即ち、β1→3結合を有する糖化合物で
あって、該糖化合物を構成する糖残基として6位に置換
基を有する糖残基を含む化合物であるシゾフィラン又は
クレスチンTMを測定試薬(昆虫体液)と共存させた場合
には、PGの測定には殆ど影響を与えず、βGによるβ
GRPの活性化を抑制することができることが判る。言
い換えれば、本発明に係る糖化合物を添加することによ
り、PGに特異的な測定試薬が容易に得られることが判
る。
【0070】実施例2.本発明に係る糖化合物を含有す
る測定試薬と、PG・βG混合液中のPGの反応性の検
討。 [試薬] (1)測定試薬;実験例1と同じ。 (2)ドーパ・カルシウム溶液;実験例1と同じ (3)本発明に係る糖化合物;実施例1と同じ (4)PG標準液;実施例1と同じ (5)βG標準液;実施例1と同じ (6)PG・βG混合液;10 ng/ml PG標準液と10 n
g/ml βG標準液を1:1で混合し、5ng/ml PG・
βG標準混合液を調製した。また、100 ng/mlPG標準
液と100 ng/ml βG標準液も同様に混合し、50 ng/ml
PG・βG混合液を調製した。 [測定機器]実験例1と同じ。 [操作]実施例1と同様の方法で、PG・βG混合液及
び標準液について、夫々のオンセットタイムを測定し
た。 [結果]PG・βG混合液を用いて得られたオンセット
タイムを表4に示す。また、実施例1と同様にしてPG
標準液を用いて得られたオンセットタイムをもとにPG
濃度とオンセットタイムの関係を表す検量線を作成し、
これに基づいて実施例1と同様の方法で夫々のPG・β
G混合液についてのPG換算値を求めた。その結果を表
4に併せて示す。
【0071】
【表4】 *表中のndは、測定時間内にオンセットODに達しなか
ったことを示す。
【0072】表4の結果から明らかなように、本発明に
係る糖化合物、即ちβ-1,3-結合を有する化合物であっ
て、その糖残基の6位に置換記を有する化合物であるシ
ゾフィラン又はクレスチンTMを測定試薬(昆虫体液)と
共存させた場合には、PG・βG混合試料中のPGのみ
を特異的に検出できることが判る。
【0073】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、新規な、昆
虫体液中のβGRPの活性化抑制剤、これを用いた活性
化抑制方法、昆虫体液の処理剤、これを用いた処理方
法、及び簡便なPGの測定方法並びにPG測定用試薬を
提供するものであり、PGに特異的な測定用試薬が簡便
に得られる点に顕著な効果を奏するものである。
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】実験例1で得られた、β−1,3−グルカン
(βG)としてカードラン、シゾフィラン、カルボキシ
メチル化カードラン(CMEC)又はラミナランを用い
た場合のβG濃度に対するオンセットタイムを両対数プ
ロットした結果を示したものである。
【図2】実験例1で得られた、βGとしてラミナリン、
パキマン、クレスチンTM又はザイモザンAを用いた場合
のβG濃度に対するオンセットタイムを両対数プロット
した結果を示したものである。
【符号の説明】
図1中、−□−はカードランを用いた場合の結果を、−
◇−はシゾフィランを用いた場合の結果を、−○−はC
MECを用いた場合の結果を、−△−はラミナランを用
いた場合の結果を夫々示す。図2中、−□−はラミナリ
ンを用いた場合の結果を、−◇−はパキマンを用いた場
合の結果を、−○−はクレスチンTMを用いた場合の結果
を、−△−はザイモザンAを用いた場合の結果を夫々示
す。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β1→3結合を有する糖化合物であって該
    糖化合物を構成する糖残基として6位に置換基を有する
    糖残基を含む化合物を含有してなる、昆虫体液中のβ−
    グルカン認識蛋白の活性化抑制剤。
  2. 【請求項2】糖化合物が多糖類である、請求項1記載の
    活性化抑制剤。
  3. 【請求項3】多糖類が6位に置換基を有する糖残基1個
    と6位に置換基を有さない糖残基2個がβ1→3結合で
    結合した糖残基3個からなる単位を1以上有する糖化合
    物である、請求項2に記載の活性化抑制剤。
  4. 【請求項4】糖残基が何れもグルコース残基であり且つ
    6位の置換基がグルコース残基である、請求項3に記載
    の活性化抑制剤。
  5. 【請求項5】糖化合物がシゾフィラン、カルボキシメチ
    ル化カードラン、ラミナリン、ラミナラン又はクレスチ
    TMである、請求項1に記載の活性化抑制剤。
  6. 【請求項6】糖化合物がシゾフィラン又はクレスチンTM
    である、請求項1に記載の活性化抑制剤。
  7. 【請求項7】昆虫が鱗翅類、双翅類、直翅類、甲虫類で
    ある、請求項1〜6の何れかに記載の活性化抑制剤。
  8. 【請求項8】昆虫がカイコガである、請求項1〜6の何
    れかに記載の活性化抑制剤。
  9. 【請求項9】昆虫体液を、β1→3結合を有する糖化合
    物であって該糖化合物を構成する糖残基として6位に置
    換基を有する糖残基を含む化合物で処理することを特徴
    とする、昆虫体液中のβ−グルカン認識蛋白の活性化抑
    制方法。
  10. 【請求項10】糖化合物が多糖類である、請求項9に記
    載の活性化抑制方法。
  11. 【請求項11】多糖類が6位に置換基を有する糖残基1
    個と6位に置換基を有さない糖残基2個がβ1→3結合
    で結合した糖残基3個からなる単位を1以上有する糖化
    合物である、請求項10に記載の活性化抑制方法。
  12. 【請求項12】糖残基が何れもグルコース残基であり、
    且つ6位の置換基がグルコース残基である、請求項11
    に記載の活性化抑制方法。
  13. 【請求項13】糖化合物がシゾフィラン、カルボキシメ
    チル化カードラン、ラミナリン、ラミナラン又はクレス
    チンTMである、請求項9に記載の活性化抑制方法。
  14. 【請求項14】糖化合物がシゾフィラン又はクレスチン
    TMである、請求項9に記載の活性化抑制方法。
  15. 【請求項15】昆虫が鱗翅類、双翅類、直翅類、甲虫類
    である、請求項9〜14の何れかに記載の活性化抑制方
    法。
  16. 【請求項16】昆虫がカイコガである、請求項9〜14
    の何れかに記載の活性化抑制方法。
  17. 【請求項17】β1→3結合を有する糖化合物であって
    該糖化合物を構成する糖残基として6位に置換基を有す
    る糖残基を含む化合物を含有してなる、昆虫体液の処理
    剤。
  18. 【請求項18】昆虫体液と、β1→3結合を有する糖化
    合物であって該糖化合物を構成する糖残基として6位に
    置換基を有する糖残基を含む化合物を接触させることを
    特徴とする、昆虫体液の処理方法。
  19. 【請求項19】β1→3結合を有する糖化合物であって
    該糖化合物を構成する糖残基として6位に置換基を有す
    る糖残基を含む化合物の存在下に、昆虫体液と試料とを
    反応させることを特徴とする、ペプチドグリカンの測定
    方法。
  20. 【請求項20】昆虫体液と、β1→3結合を有する糖化
    合物であって該糖化合物を構成する糖残基として6位に
    置換基を有する糖残基を含む化合物を含んでなるペプチ
    ドグリカン測定用試薬。
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