JPH11253167A - 半矮性遺伝子の近傍に位置するマイクロサテライトマーカーおよびこれを用いた半矮性遺伝子の検定方法 - Google Patents

半矮性遺伝子の近傍に位置するマイクロサテライトマーカーおよびこれを用いた半矮性遺伝子の検定方法

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JPH11253167A
JPH11253167A JP10063201A JP6320198A JPH11253167A JP H11253167 A JPH11253167 A JP H11253167A JP 10063201 A JP10063201 A JP 10063201A JP 6320198 A JP6320198 A JP 6320198A JP H11253167 A JPH11253167 A JP H11253167A
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microsatellite
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dna
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JP10063201A
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Hiromori Akagi
宏守 赤木
Akiko Inagaki
明子 稲垣
Sukeyoshi Yokozeki
祐美 横関
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イネの半矮性遺伝子(sd−1)の近傍0.
5センチモルガン以内に位置するマイクロサテライトマ
ーカー、該マーカーを増幅するためのプライマーを提供
し、該マーカーを用いた半矮性遺伝子(sd−1)の有
無を簡便かつ安定的に判別する方法、該マーカーを用い
たイネ品種の識別方法を提供する。 【解決手段】 sd−1と0.3cMの距離に位置する
マイクロサテライトマーカーを特定し、このマイクロサ
テライトマーカーをPCRで特異的に増幅させ、増幅D
NA断片の長さの違いを検出することによって、sd−
1の有無を判別する。 【効果】 DNAレベルで安定かつ簡便にsd−1の有
無を判別することが可能となる。また、米の純度管理が
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イネのマイクロサ
テライトマーカー、マイクロサテライトマーカーのプラ
イマー、該マイクロサテライトマーカーのプライマーを
用いて半矮性遺伝子(sd−1)の有無を判別する方法
及び該マイクロサテライトマーカーのプライマーを用い
てイネの品種を判別する方法に関する。本発明はマイク
ロサテライトマーカーを用いるイネの品種育成・育成さ
れたイネの種子生産におけるイネおよび種子純度の管
理、さらに流通するコメの純度の管理に利用される。
【0002】
【従来の技術】イネの重要な農業形質の一つに草丈が挙
げられる。イネの草丈は10cm程度から2m程度のも
のまで、また、特殊な条件では5mを越えるものまで非
常に大きな変異を示す。草丈は収量と密接に関連してお
り、適度な草丈を持つ品種を育成することで単位面積当
たりの収量を大きく向上させることが出来る。すなわ
ち、耐倒伏性が向上し、より肥料の多い条件で安定した
栽培が可能となり、さらに、草型の改善により物質生産
能力が向上することによって多収が達成される。この様
に草丈が適度にコントロールされた品種を半矮性品種と
呼び、この様な品種は適度に草丈を短くする半矮性遺伝
子を有している。台湾の在来品種である低脚烏尖を用い
た品種改良によってミラクルライスと呼ばれるIR8が
育成され、その後、これを母本とした数多くの半矮性の
多収品種が育成されてきた。低脚烏尖の持つ半矮性遺伝
子は劣性のsd−1として同定され、第1染色体に座乗
することが明らかとなった。半矮性品種の育成過程でs
d−1の有無を明らかにする必要があるが、sd−1は
劣性遺伝子であるため、交配後代の遺伝子型をホモに
し、草丈を解析しなければsd−1の有無を同定するこ
とが出来なかった。また、草丈は量的形質と呼ばれ、複
数の遺伝子の相互作用で決定される。この様に草丈に関
与する遺伝子が多数存在するため、交配後代ではこれら
の遺伝子が複雑に分離を起こし、様々な草丈のものが出
現する。従って、単純な草丈の分析ではsd−1の有無
を特定することは困難であった。
【0003】近年、DNA分析に基づき遺伝子の有無を
判別するいわゆるマーカー育種技術が開発されてきた。
この方法では、まず、対象とする遺伝子と近接して染色
体に座乗するDNAを探索する。このDNAは対象とす
る遺伝子に近接していればいるほど効果が高い。育種に
利用するためには、このDNAと対象とする遺伝子との
距離は、5cM以内でなければ実用的に利用することが
出来ず、1センチモルガン(cM)以内であることが望
ましい。このDNAを分析することで、対象とする遺伝
子の有無を判別し、育種を効率化させる技術がマーカー
育種技術である。
【0004】sd−1と近接するDNA断片がMaedaら
((1997) Breeding Science 47, 317-320)によって
見出された。このDNAは10merのオリゴヌクレオ
チドをプライマーとし、低温でアニールさせることを特
徴とするRandom Amplified Poly
morphic DNA(RAPD)法と呼ばれるPC
R法を応用した方法によって増幅することが出来、さら
には低脚烏尖由来のsd−1の有無を増幅DNA断片の
長さで判別することが出来た。しかしながら、このRA
PD法では短いオリゴヌクレオチドをプライマーとして
用いるためPCRが不安定であった。このため、不純物
を多く含むDNAを鋳型とした場合に、目的とするDN
Aが増幅されないことが頻発するという欠点があった。
育種に於いては大量の材料を扱う必要があり、実用的に
利用することは困難であった。また、半矮性遺伝子sd
−1を有する遺伝資源としては低脚烏尖以外にも数多く
知られているが、これらの品種の持つsd−1を識別で
きるかどうかは全く不明であった。
【0005】大きな多型性を示すDNAマーカーとして
マイクロサテライトマーカーが知られている。マイクロ
サテライトとは、1〜数塩基のDNAの単純繰り返し配
列を指す。この繰り返し数が、植物品種によって大きく
異なっており、しかも、植物品種に固有である。このこ
とを利用して品種の識別を行う技術に利用されるものが
マイクロサテライトマーカーである。すなわち、マイク
ロサテライトマーカーとはマイクロサテライトと、その
マイクロサテライトの両側に隣接するDNA配列を指
す。マイクロサテライトそのものは生物のゲノム中に多
数散在するが、その両側に隣接するDNAの配列は各マ
イクロサテライトマーカーに特異的である。従って、個
々のマイクロサテライトマーカーはPCRによって容易
に増幅することが可能で、増幅されたマイクロサテライ
トマーカーの長さの違いによって容易に個体や品種を識
別することができる。これまで、この様に有効なマイク
ロサテライトでsd−1近傍に座乗するものは全く知ら
れていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、イネ
の半矮性遺伝子(sd−1)の近傍0.5センチモルガ
ン以内に位置するマイクロサテライトマーカーとマイク
ロサテライトマーカーを増幅するためのプライマーを提
供し、このマイクロサテライトマーカーを用いた半矮性
遺伝子(sd−1)の有無を簡便かつ安定的に判別する
方法、さらには、sd−1近傍に位置するマイクロサテ
ライトマーカーを用いたイネ品種の識別方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、 複数の
低脚烏尖由来のsd−1を有する品種と、sd−1を持
たない品種のDNAを鋳型とし、Maedaら((1997) Br
eeding Science 47, 317-320)によって開発された方法
を用いて遺伝子解析を行う過程で、各品種のDNAから
増幅されたDNA断片がマイクロサテライトを含むこと
を見出した。さらに、マイクロサテライトを除く部分の
塩基配列がそれぞれの品種間で極めて類似していること
を見出し、これらのDNAが同一の染色体領域に由来す
る対立遺伝子であることを明らかにした。さらに、本発
明者らは、増幅したDNA断片のマイクロサテライトの
両側に存在するDNA配列を利用してプライマーを合成
し、マイクロサテライトを含む領域を安定して増幅させ
ることに成功し、sd−1近傍に座乗するマイクロサテ
ライトマーカーを開発するに至った。さらに、このマイ
クロサテライトマーカーを用いて増幅されるDNA断片
の長さを解析することでsd−1の有無を安定して識別
できることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、(1)イネの半矮性
遺伝子(sd−1)の近傍0.5センチモルガン(c
M)以内に位置し、(GT/CA)2塩基の繰り返しか
らなるマイクロサテライトとその両側に隣接する15塩
基以上の長さを有するDNAを含むマイクロサテライト
マーカー、(2)配列番号1の1から295番目の配列
と配列番号1の331から506番目の配列よりそれぞ
れ任意に選ばれる連続した15から40塩基の長さを有
する塩基配列を有する1組のマイクロサテライトマーカ
ーのプライマー、(3)配列番号2の1から293番目
の配列と配列番号2の317から492番目の配列より
それぞれ任意に選ばれる連続した15から40塩基の長
さを有する塩基配列を有する1組のマイクロサテライト
マーカーのプライマー、(4)それらマイクロサテライ
トマーカーのプライマーを用い、イネのDNAを鋳型と
してPCRを行い、増幅されたDNA断片の長さの違い
を検出して、マイクロサテライトマーカー中の繰り返し
配列の違いを識別し、半矮性遺伝子(sd−1)の有無
を判別する方法、(5)及びそれらマイクロサテライト
マーカーのプライマーを用いてイネのDNAを鋳型とし
てPCRを行い、増幅されたDNA断片の長さの違いを
検出し、マイクロサテライトマーカー中の繰り返し配列
の違いを識別し、イネの品種を判別する方法、である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で言う、半矮性遺伝子(s
d−1)とはイネの第1染色体に座乗する劣性遺伝子
で、ホモとなることでイネの稈長を短くし草丈を低くす
る特性を持つ。また、本発明のマイクロサテライトマー
カーは、(GT/CA)の2塩基の繰り返し配列からな
るマイクロサテライト(配列番号1の番号296から3
30又は配列番号2の番号294から316)と、それ
らを挟むDNAとからなる。このマイクロサテライトを
挟むDNAとしては、配列番号1の番号1から295と
番号331から506、もしくは配列番号2の1から2
93と317から492が挙げられる。これらの配列の
内、少なくともマイクロサテライトに隣接する15塩基
以上の長さを有するDNA配列がマイクロサテライトマ
ーカーを特異的に増幅させるために必要である。従っ
て、本発明のマイクロサテライトマーカーとは、マイク
ロサテライトとその両側に隣接する15塩基以上の長さ
を有するDNA配列を指す。
【0010】マイクロサテライトマーカーのマイクロサ
テライトを除く領域において、配列番号1の294と2
95に相当する配列が配列番号2では欠失している。こ
の様に、マイクロサテライトを挟むDNA配列はマイク
ロサテライトマーカーを単離したイネ品種によって塩基
の一部欠失、付加、置換が認められ、90%以上の相同
性を持つものは実質的に本発明に言うマイクロサテライ
トマーカーに含まれる。
【0011】次に、マイクロサテライトマーカーの単離
方法について説明する。本発明のマイクロサテライトマ
ーカーは、イネから抽出したDNAを鋳型としてRAP
D法によって増幅できる。DNAを抽出するための組織
としては根、葉、種子など植物体のあらゆる部分を利用
できる。すなわち、配列番号3で示される10merの
短いオリゴヌクレオチドをプライマーとし、アニール温
度を35℃から45℃としてPCRを行う。これによっ
て、長さが約300bpから約2kbpの範囲にある1
0本程度の複数のDNA断片が増幅される。この中の約
500bpのDNA断片(OPV10500; Maedaら
(1997)Breeding Science 47, 317-320)にマイクロサ
テライトマーカーが含まれる。例えば、品種"あそみの
り"から抽出したDNAを鋳型とした場合には配列番号
1に示されるマイクロサテライトマーカーが、また品
種"IR24"から抽出したDNAを鋳型とした場合には
配列番号2に示されるものが増幅されてくる。
【0012】本発明でマイクロサテライトマーカーを含
むことが明らかとなったOPV10500は、sd−1
から0.3cMの位置に座乗することが遺伝分析によっ
て明らかにされている(Maedaら(1997)Breeding Scie
nce 47, 317-320)。従って、本発明のマイクロサテラ
イトマーカーもOPV10500と同じ位置に座乗する
ことになる。遺伝子分析による位置関係は分析に用いる
個体の集団の種類や個体数によって変動することが知ら
れている。従って、上記の0.3cMの値には誤差が含
まれるが、0.5cMを越えることは無く、育種上は極
めて有効な距離に位置する。
【0013】マイクロサテライトマーカーを増幅するた
めのプライマーとして、マイクロサテライトマーカーに
含まれるマイクロサテライトを挟み、かつ、互いに向か
い合う2個のプライマーが必要である。プライマーの長
さとしては15から40mer程度の長さのものを用い
ることで、安定してPCRによる増幅が行える。プライ
マーの配列は、例えば、配列番号1の1から295番
目、配列番号1の331から506番目、配列番号2番
の1から293番目および配列番号2の317から49
2番目より任意に選ばれる連続する塩基配列によって決
定される。例えば、マイクロサテライトマーカーを増幅
させるためのプライマーとして、配列番号4と配列番号
5で示されるオリゴヌクレオチドを用い、イネ品種"あ
そみのり"から抽出したDNAを鋳型とした場合には配
列番号1が、イネ品種"IR24"から抽出したDNAを
鋳型とした場合には配列番号2で示されるマイクロサテ
ライトマーカーがPCRによって増幅される。また、配
列番号6と配列番号7で示されるプライマーとして用い
た場合には、例えば、"あそみのり"からは配列番号1の
番号240から428が、また、"IR24"からは配列
番号2の241から414番目の配列が増幅される。
【0014】次に、マイクロサテライトマーカーを用い
たsd−1の有無を判別する方法について説明する。ま
ず、イネからDNAを抽出するが、抽出するための組織
としては根、葉、種子など植物体のあらゆる部分を利用
でき、また精米も用いることができる。DNAの抽出方
法としてはどの様な方法も用いることができ、粗精製の
DNAを用いることもできる。次に、抽出されたDNA
を鋳型としてマイクロサテライトマーカーをPCR法に
よって増幅する。さらに、増幅されたマイクロサテライ
トマーカーの分子サイズを電気泳動等によって測定し、
その分子サイズによって低脚烏尖由来のsd−1の有無
を判定する。例えば、配列番号6と配列番号7で示され
るオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いた場合、
189bpのDNA断片が増幅された個体はsd−1を
含まず、174bpのDNA断片が増幅された個体はs
d−1を含むと判定する。また、189bpと174b
pのDNA断片の両方が増幅された個体はsd−1をヘ
テロに持つと判定する。この様に、2つの対立する遺伝
子座を同時に検出することが出来るマーカーを共優性の
マーカーと言う。このとき、分子サイズを測定する電気
泳動方法として、アガロースゲル、変性および非変性の
アクリルアミドゲルを用いる方法が行える。また、蛍光
色素を利用する方法も用いることができる。
【0015】さらに、本発明のマイクロサテライトマー
カーを用いたsd−1の判別方法の特徴として、次のこ
とが挙げられる。マイクロサテライトの繰り返し数は品
種によって固有であるので、PCRによって増幅された
マイクロサテライトマーカーの長さの違いを検出し、こ
の長さの違いによってイネの品種の違いを識別し、品種
を特定することが出来る。さらに、マイクロサテライト
マーカーは共優性のマーカーであるので、2種類のイネ
が掛け合わされたヘテロな遺伝子構成のイネ(例えば、
ハイブリッドライス)も用いられた親品種と共に、特定
することができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。 [実施例1]イネ品種"IR24"および"あそみのり"の
成葉から、 Lichtenstein & Draper((1985) DNA clo
ning vol.3 Practical approach, pp. 67-119, IRL Pr
ess, Oxford)の方法に従い、CTAB法によってDN
Aを抽出した。配列番号3に記載の配列を持つ10me
rのプライマーを用い、上記DNAを鋳型としてRAP
D法によってDNA断片を増幅させた。PCRはGen
eAmp9600システム(ABI社)を使用して行った。
反応液15μl中には15ng DNA,0.3uni
ts TAKARA Taq(TAKARA社),1.5nmo
le dNTP,3pmole primer,10m
M Tris−HCl(pH8.3),50mM KC
l,2mM MgCl2が含まれる。PCR条件は、9
5℃で10秒間のディネーチャー、40℃で30秒間の
アニール、72℃で30秒間の伸長反応を1サイクルと
し、45サイクル反応させた。反応液を1%Agaro
se電気永動で分画し、分画された複数のDNA断片の
中から分子量が約500bpのDNA断片をゲルから回
収した。回収したDNA断片をTAクローニングキット
(In Vitrogen社)を用いプラスミドpCRTMIIに
サブクローニングし、得られたクローンの塩基配列を3
73S DNAシークエンサー(ABI社)を用いて決定
した。"あそみのり"由来のDNA断片は配列番号1に示
すように506bpからなり、マイクロサテライト(配
列番号1の296から330番目)を含んでいた。同様
に、"IR24"由来のDNA断片は配列番号2に示すよ
うに492bpから成り、配列番号の294から316
番目で示されるマイクロサテライトを含んでいた。
【0017】[実施例2]実施例1のイネ品種"あそみ
のり"および"IR24"から抽出したDNAを鋳型とし
て、配列番号4と配列番号5で示される配列を持つオリ
ゴヌクレオチドをプライマーとし、PCRによてマイク
ロサテライトマーカーを増幅した。DNAの抽出方法は
実施例1と同様である。PCRはGeneAmp960
0システム(ABI社)を使用して行った。 反応液10μl
中には10ng DNA,0.2units Ampl
iTaq(ABI社),1.5nmole dNTP,8p
mole primer(配列番号4),8pmole
primer(配列番号5),10mM Tris−
HCl(pH8.3),50mM KCl,1.5mM
MgCl2が含まれる。PCR条件は、95℃で10
秒間のディネーチャー、60℃で30秒間のアニール、
72℃で30秒間の伸長反応を1サイクルとし、40サ
イクル反応させた。反応液を3%Metaphor A
garose (FMC社)で分画した。"あそみのり"由来
のDNAからは402bp、"IR24"由来のDNAか
らは392bpのDNA断片がそれぞれ増幅された。
【0018】[実施例3]sd−1を持たない品種とし
て、"台中65号"、 "農林29号"および"フジミノリ"
を、また、低脚烏尖由来のsd−1を有する品種とし
て、"低脚烏尖"、"台中在来1号"および"T65(sd
−1)"(T65にsd−1を戻し交雑で導入した準同
質遺伝子系統)を用いた。これらの品種の幼植物体よ
り、Edwardsらの方法((1992) Nucleic Acid Resarch 1
9, 1349) に従って全DNAを粗抽出した。プライマー
として、配列番号6と配列番号7のDNA配列を有する
オリゴヌクレオチドを用いた。反応液10μl中には1
0ng DNA,0.2unitsTAKARA Ta
q(TAKARA社),1.5nmole dNTP,8pmo
le primer(配列番号6),8pmole p
rimer(配列番号7),10mM Tris−HC
l(pH8.3),50mM KCl,1.5mMMg
Cl2が含まれる。PCR条件は、95℃で10秒間の
ディネーチャー、60℃で30秒間のアニール、72℃
で30秒間の伸長反応を1サイクルとし、40サイクル
反応させた。反応後、3%Metaphor Agar
ose (FMC社)で分画した。低脚烏尖由来のsd−1
を持たない品種からは402bpのDNA断片が、sd
−1を有する品種では392bpのDNA断片が増幅さ
れた。増幅DNA断片の長さの違いによって、これらの
品種のsd−1の有無を識別することが出来た。
【0019】[実施例4]国立遺伝学研究所から配布さ
れているイネの遺伝変異を広くカバーするテスター系統
を用いた。このテスター系統はアジア各地の在来種を採
種・保存しているもので59系統からなる。これらの系
統は国立遺伝学研究所の遺伝実験生物保存センター植物
保存研究室より分譲を受けた。これらの幼植物体より、
Edwardsらの方法((1992) Nucleic Acid Resarch 19, 1
349) に従って全DNAを粗抽出した。プライマーとし
て、配列番号6と配列番号7のDNA配列を有するオリ
ゴヌクレオチドを用いた。反応液10μl中には10n
g DNA,0.2unitsTAKARA Taq(TA
KARA社),1.5nmole dNTP,8pmole
primer(配列番号6),8pmole pri
mer(配列番号7),10mM Tris−HCl
(pH8.3),50mM KCl,1.5mMMgC
2が含まれる。PCR条件は、95℃で10秒間のデ
ィネーチャー、60℃で30秒間のアニール、72℃で
30秒間の伸長反応を1サイクルとし、40サイクル反
応させた。反応後、3%Metaphor Agaro
se (FMC社)で分画した。約160bpから210b
pの増幅DNA断片が分画された。3%Metapho
r Agaroseを用いた場合には、8種類の長さの
DNA断片が識別でき、これによって、供試した59系
統は8種類に分類された。
【0020】
【発明の効果】本発明により、イネの半矮性遺伝子(s
d−1)の近傍0.5センチモルガン以内に位置するマ
イクロサテライトマーカーとこのマイクロサテライトマ
ーカーを増幅するためのプライマーが提供され、さら
に、このマイクロサテライトマーカーをPCRによって
増幅し、増幅されたDNA断片のサイズを調べること
で、半矮性遺伝子(sd−1)の有無を簡便かつ安定的
に、しかも精度高く判別することが出来る。さらに、本
発明の方法によりイネの品種を識別することも可能とな
り、イネ品種の育成の効率化・イネの種子の純度管理が
可能となり、さらに、流通しているコメの純度を調べる
ことも可能となる。
【0021】
【配列表】
【0022】配列番号:1 配列の長さ:506 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:genomic DNA 起源 生物名:Oryza sativa L. 株名:品種"あそみのり" 配列の特徴 特徴を表す記号:repeat unit 存在位置:296..330 特徴を決定した方法:S 配列: GGACCTGCTG ACATTGTTAA TGGTATCGCT GGAATCGCAA GGACCTGAAT TCAAAGAAAA 60 TCATAGTATT ATTATGAAGG TGAAGTTCCA ATCCAGATGT CAAGAATATA TGACAAAAGC 120 CTGTACAAAT GGTTGACAGG GCTAAATGTA GATCGTTAGT TTATTTCAGA GTTCACCAAT 180 ATCAAACAAA GAAAGAAATG GATGCCCTCC ATCAAGAAGT GGCTTTATCC AAAACAAAAG 240 TGCCTATTGC CTACTCACTC ATATTCAAAC ATTTTGGCAC AACAAATTTA CAAAGTGTGT 300 GTGTGTGTGT GTGTGTGTGT GTGTGTGTGT AACTGAAAGG CAAAAATATC AGCCTTACAC 360 TATCACTGTA ATTGACTAGC TAGTTTAGGT GAAAATTATA GAAACGAAGA CACTGTACAG 420 CATCAATGAA AGTAAAATTA GCTAGCAAAA GGACATACCT CCAATCCTGC ATACACTAGT 480 ACAAATAAAG CATATCCAGC AGGTCC 506
【0023】配列番号:2 配列の長さ:492 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:genomicDNA 起源 生物名:Oryza sativa L. 株名:品種"IR24" 配列の特徴 特徴を表す記号:repeat unit 存在位置:294..316 特徴を決定した方法:S 配列: GGACCTGCTG ACATTGTTAA TGGTATCGCT GGAATCGCAA GGACCTGAAT TCAAAGAAAA 60 TCATAGTATT ATTATGAAGG TGAAGTTCCA ATCCAGATGT CAAGAATATA TGACAAAAGC 120 CTGTACAAAT GGTTGACAGG GCTAAATGTA GATCGTTAGT TTATTTCAGA GTTCACCAAT 180 ATCAAACAAA GAAAGAAATG GATGCCCTCT ATCAAGAAGT GGCTTTATCC AAAACAAAAG 240 TGCCTATTGC CTACTCACTC ATATTCAAAC ATTTTGGCAC AACAAATTTA CAATGTGTGT 300 GTGTGTGTGT GTGTGTAACT GAAAGGCAAA AATATCAGCC TTACACTATC ACTGTAATTG 360 ACTAGCTAGT TTAGGTGAAA ATTATAGAAA CAAAGACACT GTACAGCATC AATGAAAGTA 420 AAATTAGCTA GCAAAAGGAC ATACCTCCAA TCCTGCATAC ACTAGTACAA ATAAAGCATA 480 TCCAGCAGGT CC 492
【0024】配列番号:3 配列の長さ:10 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: GGACCTGCTG 10
【0025】配列番号:4 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: GGACCTGCTG ACATTGTTAA TGG 23
【0026】配列番号:5 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: GGACCTGCTG GATATGCTTT ATTTG 25
【0027】配列番号:6 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: TGCCTATTGC CTACTCACTC 20
【0028】配列番号:7 配列の長さ:20 配列の型:核酸 鎖の数:1本鎖 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列: CATTGATGCT GTACAGTGTC 20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イネの半矮性遺伝子(sd−1)の近傍
    0.5センチモルガン(cM)以内に位置し、(GT/
    CA)2塩基の繰り返しからなるマイクロサテライトと
    その両側に隣接する15塩基以上の長さを有するDNA
    を含むマイクロサテライトマーカー。
  2. 【請求項2】 マイクロサテライトが配列表の配列番号
    1の296から330番目、又は配列番号2の294か
    ら316番目の配列を有することを特徴とする、請求項
    1に記載のマイクロサテライトマーカー。
  3. 【請求項3】 配列番号1の296から330番目の配
    列を有するマイクロサテライトの両側に隣接する15塩
    基以上の長さを有するDNAが、配列番号1の1から2
    95番目の配列の中の15塩基以上の長さの配列と配列
    番号1の331から506番目の配列の中の15塩基以
    上の長さの配列を含むことを特徴とする請求項2に記載
    のマイクロサテライトマーカー。
  4. 【請求項4】 配列番号1の296から330番目の配
    列を有するマイクロサテライトの両側に隣接する15塩
    基以上の長さを有するDNAが、配列番号2の1から2
    93番目の配列の中の15塩基以上の長さの配列と配列
    番号2の317から492番目の配列の中の15塩基以
    上の長さの配列を含むことを特徴とする請求項2に記載
    のマイクロサテライトマーカー。
  5. 【請求項5】 配列番号1の1から295番目の配列と
    配列番号1の331から506番目の配列よりそれぞれ
    任意に選ばれる連続した15から40塩基の長さを有す
    る塩基配列を有する1組のマイクロサテライトマーカー
    のプライマー。
  6. 【請求項6】 配列番号2の1から293番目の配列と
    配列番号2の317から492番目の配列よりそれぞれ
    任意に選ばれる連続した15から40塩基の長さを有す
    る塩基配列を有する1組のマイクロサテライトマーカー
    のプライマー。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のマイクロサテライトマ
    ーカーのプライマーを用い、イネのDNAを鋳型として
    PCRを行い、増幅されたDNA断片の長さの違いを検
    出して、マイクロサテライトマーカー中の繰り返し配列
    の違いを識別し、半矮性遺伝子(sd−1)の有無を判
    別する方法。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のマイクロサテライトマ
    ーカーのプライマーを用い、イネのDNAを鋳型として
    PCRを行い、増幅されたDNA断片の長さの違いを検
    出して、マイクロサテライトマーカー中の繰り返し配列
    の違いを識別し、半矮性遺伝子(sd−1)の有無を判
    別する方法。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載のマイクロサテライトマ
    ーカーのプライマーを用いてイネのDNAを鋳型として
    PCRを行い、増幅されたDNA断片の長さの違いを検
    出し、マイクロサテライトマーカー中の繰り返し配列の
    違いを識別し、イネの品種を判別する方法。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載のマイクロサテライト
    マーカーのプライマーを用いてイネのDNAを鋳型とし
    てPCRを行い、増幅されたDNA断片の長さの違いを
    検出し、マイクロサテライトマーカー中の繰り返し配列
    の違いを識別し、イネの品種を判別する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003070934A1 (fr) * 2002-02-25 2003-08-28 Plant Genome Center Co., Ltd. Methode d'analyse du genotype de la region situee autour du gene sd-1 vegetal et methode d'analyse des caracteristiques d'un vegetal semi-nain utilisant la methode d'analyse du genotypage

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