JPH11251835A - マイクロ波集積回路およびマイクロ波装置 - Google Patents

マイクロ波集積回路およびマイクロ波装置

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JPH11251835A
JPH11251835A JP4737598A JP4737598A JPH11251835A JP H11251835 A JPH11251835 A JP H11251835A JP 4737598 A JP4737598 A JP 4737598A JP 4737598 A JP4737598 A JP 4737598A JP H11251835 A JPH11251835 A JP H11251835A
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JP
Japan
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microwave
circuit
integrated circuit
flip chip
substrate
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Withdrawn
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JP4737598A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kawasaki
義博 河▲崎▼
Yoji Ohashi
洋二 大橋
Toshihiro Shimura
利宏 志村
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、フリップチップを含むマイクロ波
集積回路とそのマイクロ波集積回路が搭載されたマイク
ロ波装置とに関し、別体の素子との組み合わせが柔軟に
達成されることを目的とする。 【解決手段】 マイクロ波回路11に併せて、そのマイ
クロ波回路11と外部に配置されるべき外部素子12と
の結合に供され、かつ導電体からなる結合路13が形成
されたフリップチップ14と、フリップチップ14に接
続される付加回路15が形成され、かつ一方の外表面に
そのフリップチップ14が実装された基盤16とを備
え、基盤16は、一方の外表面に形成され、かつ結合路
13に接続された導体端子17と、一方の外表面に対向
する他方の外表面の内、外部素子12が配置されるべき
空間に対向する領域に形成され、その外部素子12に結
合すると共に、導体端子17に接続された導体線路18
とを有して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波回路が
形成されたフリップチップが実装され、そのマイクロ波
回路に接続されるべき周辺回路が形成されたマイクロ波
集積回路と、このマイクロ波集積回路が搭載されたマイ
クロ波装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、数十ギガヘルツ帯の無線周波数が
適用されることによって、ATM伝送系とのシームレス
な伝送を可能とする高速の無線LANシステムや車載型
の衝突予防レーダが実用化されつつある。
【0003】また、これらの装置に搭載されたマイクロ
波回路には、フリップチップの適用の下でワイヤレスボ
ンディングが達成され、かつ高密度実装が実現されるこ
とによって、特性のバラツキが少ないマイクロ波集積回
路が積極的に適用されつつある。しかし、このようなマ
イクロ波回路の内、例えば、周波数変換回路で発生した
スプリアスの抑圧その他に供されるフィルタとしては、
マイクロストリップ線路等で構成され、かつ無負荷Qの
値が数百程度である濾波回路では所望の濾波特性が達成
されない場合には、高い比誘電率と「5000」ないし
「10000」程度の無負荷Qを有すると共に、その比
誘電率の温度に対する変化率が極めて小さい誘電体が共
振素子として組み込まれた誘電体共振器が多く適用され
ている。
【0004】図12は、マイクロ波集積回路として構成
された誘電体共振器装荷型発振器の構成例を示す図(1)
である。図において、GaAs基板170の一方の面に
は、GaAsFET171、バイアス供給回路172、
出力整合回路173および誘電体共振器174に併せ
て、これらの間に誘電体共振器装荷型発振器を構成する
パターン175が形成される。
【0005】さらに、GaAs基板170は、上述した
誘電体共振器装荷型発振器が搭載されるべき金属版17
6の特定の面にそのGaAs基板170の他方の面が接
する状態で、取り付けられる。なお、以下では、図12
に示す従来例を「第一の従来例」という。図13は、マ
イクロ波集積回路として構成された誘電体共振器装荷型
発振器の構成列を示す図(2) である。
【0006】図において、図12に示すものと機能およ
び構成が同じものについては、同じ符号を付与して示
し、ここではその説明を省略する。図13に示す従来例
と図12に従来例との構成の相違点は、GaAs基板1
70に代わるGaAs基板180には、誘電体共振器1
74が実装されることなくGaAsFET171、バイ
アス供給回路172および出力整合回路173が配置さ
れると共に、これらのGaAsFET171、バイアス
供給回路172および出力整合回路173の間にを結ぶ
パターン181として、この誘電体共振器174との接
続に供される線路181aが形成され、さらに、誘電体
共振器174はその線路181aとの結合路となる線路
181bが形成されたアルミナ・セラミック基板182
の上に配置され、これらのGaAs基板180およびア
ルミナ・セラミック基板182は互いに隣接する状態で
既述の金属版176の特定の面に取り付けられ、かつ線
路181a、181bの間が金からなるボンディングワ
イヤ(断面の径は、数十ミクロンである。)183を介
して直結された点にある。
【0007】なお、以下では、図13に示す従来例を
「第二の従来例」という。また、上述した第一および第
二の従来例における誘電体共振器装荷型発振器としての
各部の連係動作については、本願発明に関係がないの
で、ここではその説明を省略する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来例の内、第一の従来例では、GaAsFET171、
バイアス供給回路172および出力整合回路173に併
せて誘電体共振器174がGaAs基板170の上に配
置されるために、そのGaAs基板170の面積が大き
くなってコスト高であった。
【0009】さらに、GaAs基板170の面の内、誘
電体共振器174が配置された面では、一般に、その誘
電体共振器174の厚みがGaAsFET171、バイ
アス供給回路172および出力整合回路173の厚みに
比べて大きいために、高密度実装が厳しく要求される機
器ほど、他の構成要素の配置が阻まれる可能性が高く、
その配置の検証が三次元に亘って厳密に行われることが
必要であった。
【0010】また、第二の従来例では、誘電体共振器装
荷型発振器はGaAs基板180とアルミナ・セラミッ
ク基板182とに分割され、かつGaAsFET171
およびバイアス供給回路172と誘電体共振器174と
の間の結合路が既述のボンディングワイヤ183によっ
て達成される。すなわち、製造の工程においてボンディ
ングに多くの工数を要し、かつボンディングワイヤ18
3の長さが実際には必ずしも一定とはならないために、
上述した結合路のインダクタンスには偏差が伴い易かっ
た。
【0011】したがって、第二の従来例は、第一の従来
例に比べて、コスト高であり、かつ性能のバラツキが生
じ易かった。本発明は、実装にかかわる制約およびコス
トの増加が抑えられ、かつ性能が低下することなく別体
の素子との組み合わせが柔軟に達成されるマイクロ波集
積回路およびマイクロ波装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は、請求項1、3〜
7に記載の発明の原理構成図である。請求項1に記載の
発明は、マイクロ波回路11に併せて、そのマイクロ波
回路11と外部に配置されるべき外部素子12との結合
に供され、かつ導電体からなる結合路13が形成された
フリップチップ14と、フリップチップ14に接続され
る付加回路15が形成され、かつ一方の外表面にそのフ
リップチップ14が実装された基板16とを備え、基板
16は、一方の外表面に形成され、かつ結合路13に接
続された導体端子17と、一方の外表面に対向する他方
の外表面の内、外部素子12が配置されるべき空間に対
向する領域に形成され、その外部素子12に結合すると
共に、導体端子17に接続された導体線路18とを有す
ることを特徴とする。
【0013】図2は、請求項2〜7に記載の発明の原理
構成図である。請求項2に記載の発明は、マイクロ波回
路21に併せて、そのマイクロ波回路21と外部に配置
されるべき外部素子22との結合に供され、かつ導電体
からなる結合路23が形成されたフリップチップ24
と、前記フリップチップ24に接続されるべき付加回路
25が形成され、かつ一方の外表面にそのフリップチッ
プ24が実装された基板26とを備え、基板26は、一
方の外表面に形成され、かつ結合路23に接続された第
一の導体線路27と、一方の外表面に対向する他方の外
表面の内、外部素子22が配置されるべき空間に対向す
る領域に形成され、かつ第一の導体線路27に電磁的に
あるいは静電的に結合すると共に、その外部素子27に
結合する第二の導体線路28とを有することを特徴とす
る。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載のマイクロ波集積回路において、外部素
子12、22は、マイクロ波回路11、21と付加回路
15、25との双方もしくは何れか一方の半導体プロセ
スに適さず、または別途製造されるべき素子であること
を特徴とする。請求項4に記載の発明は、請求項3に記
載のマイクロ波集積回路において、外部素子12、22
は、マイクロ波回路11、21に組み合わせられるべき
共振器31Aであることを特徴とする。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
のマイクロ波集積回路において、外部素子12、22
は、誘電体共振器を構成する誘電体ブロック31Bであ
ることを特徴とする。請求項6に記載の発明は、請求項
4に記載のマイクロ波集積回路において、共振器31A
に一体化され、かつインピーダンスに応じてその共振器
31Aの特性を可変する可変素子41と、フリップチッ
プ14、24と基板16、26との双方あるいは何れか
一方に形成され、かつ可変素子41のインピーダンスを
可変する制御回路42と、基板16、26に形成され、
かつ制御回路42に接続されると共に、可変素子41に
結合する結合路43とを備えたことを特徴とする。
【0016】請求項7に記載の発明は、請求項1ないし
請求項5の何れか1項に記載のマイクロ波集積回路にお
いて、マイクロ波回路11、21と付加回路15、25
との双方あるいは何れか一方は、外部素子12、22の
特性を可変する回路を含むことを特徴とする。
【0017】図3は、請求項8、9に記載の発明の原理
構成図である。請求項8に記載の発明は、請求項1ない
し請求項7の何れか1項に記載のマイクロ波集積回路6
1と、マイクロ波集積回路61に含まれる基板16、2
6の他方の外表面が内壁に対向する状態でそのマイクロ
波集積回路61が収納される筐体62と、筐体62の内
壁の内、基板16、26の他方の外表面が対向し、かつ
外部素子12、22が配置されるべき領域に形成される
と共に、その外部素子12、22が収納される孔63と
を備えたことを特徴とする。
【0018】請求項9に記載の発明は、請求項5に記載
のマイクロ波集積回路71と、マイクロ波集積回路71
を構成する基板16、26の他方の外表面が内壁に対応
する状態でそのマイクロ波集積回路71が収納され、か
つ導電体からなる筐体72と、筐体72の内壁の内、基
板16、26の他方の外表面が対向し、かつ誘電体ブロ
ック31Bが配置されるべき領域に形成されると共に、
その誘電体ブロック31Bが収納される孔73とを備え
たことを特徴とする。
【0019】図4は、請求項10、11に記載の発明の
原理構成図である。請求項10に記載の発明は、請求項
8に記載のマイクロ波装置において、孔63は、外部素
子12、22が筐体62の外側壁から挿通あるいは嵌通
する連通孔63Aであり、外部素子12、22の位置を
連通孔63Aの内部に支持し、その連通孔63Aの開口
部を閉塞する蓋部材81を備えたことを特徴とする。
【0020】請求項11に記載の発明は、請求項9に記
載のマイクロ波装置において、孔73は、誘電体ブロッ
ク31Bが筐体72の外側壁から挿通あるいは嵌通する
連通孔73Aであり、導電体で構成され、かつ誘電体ブ
ロック31Bを連通孔73Aの内部に支えると共に、そ
の連通孔73Aの開口部を密閉する蓋部材91を備えた
ことを特徴とする。
【0021】請求項1に記載の発明にかかわるマイクロ
波集積回路では、マイクロ波回路11に併せて、そのマ
イクロ波回路11と外部に配置されるべき外部素子12
との結合に供され、かつ導電体からなる結合路13がフ
リップチップ14に形成される。また、基板16には、
その一方の外表面に上述したフリップチップ14が実装
され、このフリップチップ14に接続された付加回路1
5が形成される。
【0022】さらに、基板16の一方の外表面には、上
述した結合路13に接続された導体端子17が形成さ
れ、その一方の外表面に対向する他方の外表面の内、外
部素子12が配置されるべき空間に対向する領域には、
導体端子17に接続され、かつその外部素子12に結合
する導体線路18が形成される。すなわち、フリップチ
ップ14に形成されたマイクロ波回路11は、そのフリ
ップチップ14に形成された結合路13と、このフリッ
プチップ14が実装された基板16に形成された導体端
子17とに併せて、導体線路18を介して外部素子12
に結合し、その外部素子12はこれらのフリップチップ
14および基板16に対して積層状に配置される。
【0023】したがって、フリップチップ14の適用の
下でマイクロ波帯の信号に所望の処理を施す回路が柔軟
に形成される。請求項2に記載の発明にかかわるマイク
ロ波集積回路では、マイクロ波回路21に併せて、その
マイクロ波回路21と外部に配置されるべき外部素子2
2との結合に供され、かつ導電体からなる結合路23が
フリップチップ24に形成される。また、基板26に
は、その一方の外表面に上述したフリップチップ24が
実装され、このフリップチップ24に接続された付加回
路25が形成される。
【0024】さらに、基板26の一方の外表面には、上
述した結合路23に接続された第一の導体線路27が形
成され、その一方の外表面に対向する他方の外表面の
内、外部素子22が配置されるべき空間に対向する領域
には、第一の導体線路27に電磁的にあるいは静電的に
結合し、かつその外部素子27に結合する第二の導体線
路28が形成される。
【0025】すなわち、フリップチップ24に形成され
たマイクロ波回路21は、そのフリップチップ24に形
成された結合路23に併せて、このフリップチップ24
が実装された基板16の対向する2つの外表面にそれぞ
れ形成され、かつバイアホールその他を介して直結され
ない第一の導体線路27と第二の導体線路28とを介し
て外部素子12に結合し、その外部素子22はこれらの
フリップチップ24および基板26に対して積層状に配
置される。
【0026】したがって、請求項1に記載のマイクロ波
集積回路と同様にしてマイクロ波帯の信号に所望の処理
を施す回路が柔軟に形成され、そのマイクロ波集積回路
に比べて基板16に適用されるべき半導体プロセスの簡
略化がはかられる。請求項3に記載の発明にかかわるマ
イクロ波集積回路では、請求項1または請求項2に記載
のマイクロ波集積回路において、マイクロ波回路11、
21と付加回路15、25との双方もしくは何れか一方
の半導体プロセスに適さず、または別途製造されるべき
素子が外部素子12、22として適用される。
【0027】したがって、このような素子が外部素子1
2、22として上述した半導体プロセスの下で形成され
たことによって生じるコスト高に併せて、特性の低下や
バラツキが回避され、その外部素子12、22の選定に
かかわる柔軟性や自由度が確保される。請求項4に記載
の発明にかかわるマイクロ波集積回路では、請求項3に
記載のマイクロ波集積回路において、マイクロ波回路1
1、21に組み合わせられるべき共振器31Aが外部素
子12、22として適用される。
【0028】したがって、リング共振器あるいは伝送路
共振回路では達成され得ない先鋭な選択特性が要求さ
れ、あるいはフリップチップ14、24と基板16、2
6との双方にこれらのリング共振器や伝送路共振回路が
形成されることが何らかの制約によって阻まれる場合で
あっても、その先鋭な選択特性が柔軟に確度高く達成さ
れる。
【0029】請求項5に記載の発明にかかわるマイクロ
波集積回路では、請求項3に記載のマイクロ波集積回路
において、誘電体共振器を構成する誘電体ブロック31
Bが外部素子12、22として適用される。このような
誘電体ブロック31Bは、その内部に電磁エネルギーが
確度高く封じ込められ、かつ外部空間との境界面におけ
る磁界の接線方向の成分がほぼ「0」となる電磁界モー
ドが形成される場合には、形状および寸法に適応した共
振周波数を有する誘電体共振器を構成する。
【0030】したがって、誘電体ブロック31Bが配置
される空間が接地された導電性の壁面を有する空洞とし
て形成される限り、その空洞を形成する部材が活用され
ることによって、構成の簡略化がはかられ、かつ所望の
先鋭な選択特性が達成される。請求項6に記載の発明に
かかわるマイクロ波集積回路では、請求項4に記載のマ
イクロ波集積回路において、制御回路42は、フリップ
チップ14、24と基板16、26との双方あるいは何
れか一方に形成され、かつ可変素子41のインピーダン
スを可変する。さらに、可変素子41は、共振器31A
に一体化され、かつこのようにして可変されるインピー
ダンスに応じてその共振器31Aの特性を可変する。
【0031】また、結合路43は、基板16、26に形
成され、かつ上述した制御回路42に接続されると共
に、可変素子41に結合する。すなわち、共振器31A
と可変素子41との双方がマイクロ波回路11、21と
付加回路15、25との双方もしくは何れか一方の半導
体プロセスに適さず、または別途製造されるべき場合で
あっても、そのマイクロ波回路11、21は、所望の選
択特性を有する共振器31Aと連係して作動し、この共
振器31Aの特性を可変する。
【0032】したがって、これらの共振器31Aと可変
素子41とが上述した半導体プロセスの下で外部素子1
2、22として形成されたことによって生じるコスト高
に併せて、特性の低下やバラツキが回避され、所望の特
性の達成に適した素子の選定にかかわる柔軟性や自由度
が確保される。
【0033】請求項7に記載の発明にかかわるマイクロ
波集積回路では、請求項1ないし請求項5の何れか1項
に記載のマイクロ波集積回路において、マイクロ波回路
11、21と付加回路15、25との双方あるいは何れ
か一方に、外部素子12、22の特性を可変する回路が
含まれる。すなわち、フリップチップ14、24および
基板16、26に積層状に配置されるべき共振器31A
は、これらのフリップチップ14、24および基板1
6、26の半導体プロセスの下で達成される集積度の範
囲で柔軟に活用されるので、実装効率が高く維持され
る。
【0034】請求項8に記載の発明にかかわるマイクロ
波装置では、請求項1〜7の何れか1項に記載のマイク
ロ波集積回路61は、そのマイクロ波集積回路61に含
まれる基板16、26の他方の外表面が筐体62の内壁
に対向する状態でこの筐体62に収納される。さらに、
その内壁の内、基板16、26の他方の外表面が対向
し、かつ外部素子12、22が配置されるべき領域に形
成された孔63には、その外部素子12、22が収納さ
れる。
【0035】すなわち、外部素子12、22が配置され
るべき空間は筐体62の内壁に形成された孔63として
確保され、かつマイクロ波集積回路61に組み合わせら
れる外部素子12、22はそのマイクロ波集積回路61
に積層状に配置される。したがって、マイクロ波集積回
路61に組み込まれ、あるいは共通の半導体プロセスの
下で形成される場合に比べて、外部素子12、22とし
て多様な素子の適用が可能となり、かつ筐体62の内部
の実装効率が高められる。
【0036】請求項9に記載の発明にかかわるマイクロ
波装置では、請求項5に記載に記載のマイクロ波集積回
路71は、そのマイクロ波集積回路71を構成する基板
16、26の他方の外表面が導電体からなる筐体72の
内壁に対向する状態で収納される。
【0037】さらに、その内壁の内、基板16、26の
他方の外表面が対向し、かつ誘電体ブロック31Bが配
置されるべき領域に形成された孔73には、その誘電体
ブロック31Bが収納される。すなわち、マイクロ波集
積回路71に組み合わせられるべき誘電体ブロック31
Bは、そのマイクロ波集積回路71に積層状に配置さ
れ、この誘電体ブロック31Bが配置されるべき空間が
筐体72の内壁に形成された孔73として確保される。
【0038】したがって、マイクロ波集積回路71とは
一体化され難く、そのマイクロ波集積回路71と共通の
半導体プロセスの下では形成されない誘電体ブロック3
1Bには、上述した孔73の内壁によって電磁エネルギ
ーが確度高く封じ込められ、かつ筐体72の内部の実装
効率の向上がはかられる。請求項10に記載の発明にか
かわるマイクロ波装置では、請求項8に記載のマイクロ
波装置において、筐体62の内壁には 外部素子12、
22がその筐体62の外側壁から挿通あるいは嵌通する
連通孔63Aとして孔63が形成され、かつ蓋部材81
は外部素子12、22の位置をその連通孔63Aの内部
に支持すると共に、この連通孔63Aの開口部を閉塞す
る。
【0039】すなわち、外部素子12、22の着脱が筐
体62の外側から可能となるので、組み立てや保守にか
かわる工程が簡略化され、その外部素子12、22の標
準化に対する柔軟な適応が可能となる。請求項11に記
載の発明にかかわるマイクロ波装置では、請求項9に記
載のマイクロ波装置において、筐体72の内壁には、誘
電体ブロック31Bがその筐体72の外側壁から挿通あ
るいは嵌通する連通孔73Aとして孔73が形成され、
かつ蓋部材91は誘電体ブロック31Bの位置をその連
通孔73Aの内部に支持すると共に、この連通孔73の
開口部を密閉する。
【0040】すなわち、誘電体ブロック31Bの着脱が
筐体72の外側から可能となるので、組み立てや保守に
かかわる工程が簡略化され、その誘電体ブロック31B
の標準化に対する柔軟な適応が可能となると共に、誘電
体ブロック31Bにはこれらの連通孔73Aと蓋部材9
1との連係の下で電磁エネルギーが確度高く封じ込めら
れる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態について詳細に説明する。図5は、請求項1、3
〜5、8に記載の発明に対応した実施形態を示す図(1)
である。図6は、請求項1、3〜5、8に記載の発明に
対応した実施形態を示す図(2)である。
【0042】図5において、GaAs基板100は、図
12に示すGaAsFET171、バイアス供給回路1
72、出力整合回路173およびパターン175(ここ
では、簡単のため、これらの図示を省略する。)が形成
され、かつ出力端子(ここでは、簡単のため、これらの
図示を省略する。)が形成されることによってフリップ
チップMMIC(Monolithic Microwave Integrated Cir
cuit)(以下、単に「フリップチップ」と称し、全ての図
面においても「フリップチップ」と表記することとす
る。)101を構成する。
【0043】さらに、アルミナ・セラミック基板102
の一方の面の内、上述したパターン175および出力端
子に対応する領域には、個別にパッド103-1〜103
-4が形成され、これらのパッド103-1〜103-4の
内、パッド103-1〜103-3にはそれぞれ引き出し線
路104-1〜104-3が一体に形成される。また、パッ
ド103-4は、図12に示す誘電体共振器174に代え
て備えられた誘電体共振器(ここでは、簡単のため、本
体部分に相当し、比誘電率が約「30」である円柱状の
誘電体ブロック105aに併せて、その誘電体ブロック
105aの一端に一体化され、かつ薄円柱状に形成され
ると共に、比誘電率が約「3」である低誘電体105b
から構成されると仮定する。)105に至る結合路の中
継点として配置される。パッド103-4の上にはアルミ
ナ・セラミック基板102の他方の面に連通するバイア
ホール(ここでは、簡単のため、金の支柱が充填され、
あるいは内壁に金メッキが施されてなると仮定する。)
106が形成され、そのアルミナ・セラミック基板10
2の他方の面には、バイアホール106に連なる線路1
07が形成される。
【0044】さらに、これらのフリップチップ101と
アルミナ・セラミック基板102との間には、フリップ
チップ101に取り付けられ、かつバイアホール106
に挿通した状態で線路107との間に線路を形成するピ
ラー108(金で構成され、かつ熱圧着(フリップチッ
プ実装)の過程における加熱に応じて、バイアホール1
06、パッド103-4およびパターン175に予め施さ
れた錫メッキに融合する。)と、パッド103-1〜10
3-3に個別に配置されて加熱に応じて溶融するバンプと
を介して電気的な接続が達成される。
【0045】また、アルミナ・セラミック基板102が
収納され、かつ導電体からなる筐体110の内壁の内、
そのアルミナ・セラミック基板102の他方の面に対向
する領域には空洞部111が形成され、その空洞部11
1には、このアルミナ・セラミック基板102が収納さ
れる工程に先行して、上述した誘電体共振器105が収
納される。
【0046】なお、本実施形態と図1〜図3に示すブロ
ック図との対応関係については、GaAs基板100お
よびピラー108を含むフリップチップ101はマイク
ロ波回路11、フリップチップ14および制御回路42
に対応し、誘電体共振器105は外部素子12、共振器
31Aおよび誘電体ブロック31Bに対応し、線路10
7は結合路13は対応し、アルミナ・セラミック基板1
02、パッド103-1〜103-3および引き出し線路1
04-1〜104-3は付加回路15および基板16に対応
し、パッド103-4は導体端子17に対応し、線路10
7およびバイアホール106は導体線路18に対応し、
フリップチップ101およびアルミナ・セラミック基板
102はマイクロ波集積回路61、71に対応し、筐体
110は筐体62,72に対応し、空洞部111は孔6
3,73に対応する。
【0047】以下、図5および図6を参照して本実施形
態の動作を説明する。本実施形態の特徴は、フリップチ
ップ101として形成されたGaAsFET171、バ
イアス供給回路172、出力整合回路173およびパタ
ーン175と誘電体共振器105との間の結合路と、そ
の誘電体共振器105が実装される空間とにある。した
がって、以下では、これらの結合路および空間以外にか
かわる事項については、従来例と同様であるので、ここ
ではその説明を省略する。
【0048】誘電体共振器105は線路107に電磁界
結合し、その線路107とフリップチップ101を構成
するGaAs基板100に形成されたGaAsFET1
71や出力整合回路173との間には、図6に示すよう
に、バイアホール106、パッド103-4、ピラー10
8および既述の出力端子を介して結合路が形成される。
また、誘電体共振器105は、図6に示すように、筐体
110の内壁の内、フリップチップ101が実装された
アルミナ・セラミック基板102が対向すべき領域に予
め形成された空洞部111に収納される。
【0049】以下に、フリップチップ101、アルミナ
・セラミック基板102、誘電体共振器105および空
洞部111と、これらの間に形成される間隙との寸法を
例示する。フリップチップ101の厚みは、一般に、1
00ミクロンないし200ミクロンであり、かつ誘電体
共振器105の高さと直径とはそれぞれ約1ミリメート
ルと0.5ミリメートルとである。
【0050】また、アルミナ・セラミック基板102の
厚みは、約100ミクロンである。さらに、ピラー10
8の直径は約40ミクロンであり、フリップチップ10
1(GaAs基板100)とアルミナ・セラミック基板
102との間に形成される間隙の寸法は約20ミクロン
である。
【0051】すなわち、高さが上述した厚みおよび間隙
の総和より大幅に大きい誘電体共振器105がフリップ
チップ101やアルミナ・セラミック基板102と共に
積層状に実装され、その誘電体共振器105は筐体11
0の内壁に形成された空洞部111に収納される。さら
に、誘電体共振器105の底部および側面は、一般に、
その筐体110に収納される回路(誘電体共振器105
を含む。)の接地点となり、この筐体110が導電体か
ら構成されるので、この誘電体共振器105に線路10
7を介して供給された電磁エネルギーは効率的に封じ込
められる。
【0052】したがって、本実施形態によれば、筐体1
10の厚みが誘電体共振器105の高さに比べて大きい
限り、その筐体110の内部における実装効率が高めら
れ、かつワイヤレスボンディング方式の適用に基づく高
密度実装が達成されると共に、マイクロ波帯において高
い無負荷Qを有する共振器105との組み合わせによる
多様な回路が実現される。
【0053】なお、本実施形態では、空洞部111に誘
電体共振器105が収納されているが、例えば、バラク
タダイオードのように、フリップチップ101やアルミ
ナ・セラミック基板102の半導体プロセスの下では形
成が困難であり、あるいは形成されてもコストや性能に
何らかの制約が生じる素子については、筐体110の厚
みの範囲で収納に必要な空洞部が形成され、かつ所望の
結合路が形成される限り、本願発明は同様にして適用可
能である。
【0054】また、本実施形態では、空洞部111に既
製の誘電体共振器105が収納されているが、このよう
な誘電体共振器105に代えて、例えば、空洞部111
に填装され、かつ線路107やバイアホール106を介
して結合することによって所望の共振周波数の誘電体共
振器を構成する誘電体ブロックであってもよい。図7
は、請求項2、9に記載の発明に対応した実施形態を示
す図である。
【0055】図において、図5および図6に示すものと
機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与
して示し、ここではその説明を省略する。本実施形態と
図5および図6に示す実施形態との構成の相違点は、バ
イアホール106およびピラー108が備えられず、パ
ッド103-4が他のパッド103-1〜103-3と同様に
してバンプを介してフリップチップ101に接続され、
さらに、アルミナ・セラミック基板102の一方の面に
は、そのパッド103-4に連なり、かつ誘電体共振器1
05の共振波長λに対して幅(あるいは長さ)が(λ/
2)に等しいスリット121aを有する線路121が形
成され、そのアルミナ・セラミック基板102の他方の
面の内、このスリット121aの中央部に対向する領域
で直交すると共に、誘電体共振器105の頂部に対向す
べき領域に線路107に代わる線路122が形成された
点にある。
【0056】また、本実施形態と図2〜図3に示すブロ
ック図との対応関係については、GaAs基板100を
含むフリップチップ101はマイクロ波回路21、フリ
ップチップ24および制御回路42に対応し、誘電体共
振器105は外部素子22、共振器31Aおよび誘電体
ブロック31Bに対応し、線路121およびスリット1
21aは結合路23は対応し、アルミナ・セラミック基
板102、パッド103-1〜103-3および引き出し線
路104-1〜104-3は付加回路25および基板26に
対応し、パッド103-4、線路121およびスリット1
21aは導体線路27に対応し、線路122は導体線路
28に対応し、フリップチップ101およびアルミナ・
セラミック基板102はマイクロ波集積回路61,71
に対応し、筐体110は筐体62,72に対応し、空洞
部111は孔63,73に対応する。
【0057】以下、本実施形態の動作を説明する。本実
施形態と図5および図6に示す実施形態との相違点は、
パッド103-4から誘電体共振器105に至る結合路の
構成にある。したがって、このような結合路以外の事項
については、基本的に図5および図6に示す実施形態と
同じであるから、以下では、その説明を省略する。
【0058】パッド103-4は、アルミナ・セラミック
基板102の一方の面において線路121にパターンと
して直結される。さらに、線路121は、その線路12
1を伝搬する信号に応じてスリット121aに直交して
生じる交番磁界に応じて線路122に電磁的に結合す
る。また、線路122は、図5および図6に示す実施形
態における線路107と同様にして誘電体共振器105
に結合する。
【0059】すなわち、フリップチップ101と誘電体
共振器105との間には、パッド103-4および線路1
22に併せて、アルミナ・セラミック基板102の対向
する面に形成されたスリット121aと線路122とを
介して結合路が構成される。さらに、本実施形態では、
アルミナ・セラミック基板102にバイアホール106
が形成されないので、そのアルミナ・セラミック基板1
02に対してフリップチップ101が実装される過程で
は、ピラー108とパッド103-4との位置合わせが別
途行われることなくバンプを介する接合が行われる。
【0060】このように本実施形態によれば、図5およ
び図6に示す実施形態に比べて、構造の簡略化がはから
れ、かつ製造および組み立てに要する工程が簡略化され
るので、コストの削減と信頼性の向上とがはかられる。
図8は、請求項6に記載の発明に対応した実施形態を示
す図である。図において、図6に示すものと機能および
構成が同じものについては、同じ符号を付与して示し、
ここではその説明を省略する。
【0061】本実施形態と図5および図6に示す実施形
態との構成の相違点は、誘電体共振器105にバラクタ
ダイオード131と、そのバラクタダイオード131の
両端に直結された電極132-1、132-2とが一体化さ
れてなる共振器モジュール133がこの誘電体共振器1
05に代えて備えられ、フリップチップ101に搭載さ
れた回路の接地点にバンプを介して接続されるべきパッ
ド134-1がアルミナ・セラミック基板102の一方の
面に形成され、電極132-2に接続されるべきパッド1
34-2がそのアルミナ・セラミック基板102の他方の
面に形成され、これらのパッド134-1、134-2の間
にバイアホール135が形成されると共に、線路107
が誘電体共振器105との電磁的な結合に併せて、電極
132-1との接続が達成される位置に形成された点にあ
る。
【0062】なお、本実施形態と図1〜図4に示すブロ
ック図との対応関係については、バラクタダイオード1
31および電極132-1、132-2が可変素子41に対
応し、後述するように「バラクタダイオード131に逆
方向のバイアス電圧を与える回路(図示されない。)」
が制御回路42に対応し、パッド134-1、134-2お
よびバイアホール135が結合路43に対応する点を除
いて、図4〜図6に示す実施形態における対応関係と同
じである。
【0063】以下、本実施形態の動作を説明する。バラ
クタダイオード131の一方の端子(ここでは、簡単の
ため「アノード」であると仮定する。)は、フリップチ
ップ101に形成された回路の接地点に、電極132-
2、パッド134-2、バイアホール135およびパッド
134-1を介して直結される。
【0064】また、バラクタダイオード131の他方の
端子(カソード)は、フリップチップ101に形成され
た回路の内、このバラクタダイオード131に逆方向の
バイアス電圧を与える回路に、電極132-1、線路10
7、バイアホール106、パッド103-4およびピラー
108を介して接続される。さらに、フリップチップ1
01と誘電体共振器105との間には、図5および図6
に示す実施形態と同様にして、ピラー108、パッド1
03-4、バイアホール106および線路107を介して
結合路が形成される。
【0065】このように本実施形態によれば、バラクタ
ダイオード131のアノードおよびカソードとフリップ
チップ101とはそれぞれ全長が200ミクロン程度で
ある短い線路を介して接続されるので、共振器モジュー
ル133の収容に必要な形状および寸法で空洞部111
が形成される程度に筐体110の厚みが大きい限り、こ
れらのフリップチップ101およびアルミナ・セラミッ
ク基板102の半導体プロセスで形成されても、コスト
高であるバラクタダイオード131に併せて、その半導
体プロセスでは形成され難い誘電体共振器105が安価
に、かつ高密度に実装される。
【0066】なお、本実施形態では、バラクタダイオー
ド131を含む共振器モジュール133が空洞部111
に収納されているが、上述した半導体プロセスになじま
ず、あるいはその半導体プロセスでは形成され得ない素
子であって、フリップチップ101やアルミナ・セラミ
ック基板102に形成された回路に確実に結合し、かつ
空洞部111に収納されるならば、その共振器モジュー
ル133に代えて如何なる素子が適用されてもよい。
【0067】図9は、請求項7に記載の発明に対応した
実施形態を示す図である。図において、図5に示すもの
と機能および構成が同じものについては、同じ符号を付
与して示し、ここではその説明を省略する。本実施形態
と図5および図6に示す実施形態との構成の相違点は、
フリップチップ101を構成するGaAs基板100に
は、誘電体共振器105の共振周波数の可変に供される
可変容量ダイオードに併せて、その可変容量ダイオード
を含む周波数可変回路(図示されない。)が形成され、
この周波数可変回路に接続されるべきパッド141と、
そのパッド141に接続され、かつ誘電体共振器105
に電磁結合する線路142とがそれぞれアルミナ・セラ
ミック基板102の一方の面と他方の面とに形成され、
これらのパッド141と線路142との間にバイアホー
ル143が形成され、そのパッド141とフリップチッ
プ101との間がピラー108と同じ構成のピラー(図
示されない。)を介して接続される点にある。
【0068】なお、本実施形態と図1〜図4に示すブロ
ック図との対応関係については、上述した周波数可変回
路が請求項7に示す「外部素子12、22の特性を可変
する回路」に対応する点を除いて、図5〜図7に示す実
施形態における対応関係と同じである。
【0069】以下、本実施形態の動作を説明する。上述
した周波数可変回路は、パッド141、バイアホール1
43および線路142を介して誘電体共振器105に結
合することによって、その誘電体共振器105の共振周
波数を可変する。このような共振周波数の可変に供され
る線路142の長さは、図5および図6に示す実施形態
においてピラー108、パッド103-4、バイアホール
106および線路107を介して形成される結合路の長
さに比べて、大きな差は生じない。
【0070】したがって、空洞部111が図5および図
6に示す誘電体共振器105の収納に必要な形状や寸法
で形成されるならば、その誘電体共振器105の製造や
フリップチップ101のパターン配置について何らかの
制約がある場合であっても、共振周波数の可変や微調整
が電子的に可能であるマイクロ波回路が実現される。な
お、本実施形態では、誘電体共振器105の共振周波数
を可変する周波数可変回路がフリップチップ101に形
成されているが、その周波数可変回路は、このフリップ
チップ101とアルミナ・セラミック基板102との双
方あるいは何れか一方の上に形成されてもよい。
【0071】また、パッド141、バイアホール143
および線路142を介して誘電体共振器105に結合す
べき回路については、上述した周波数可変回路に限定さ
れず、この誘電体共振器105の共振周波数以外の特性
を変更し、あるいは設定する回路であってもよい。図1
0は、請求項10、11に記載の発明に対応した実施形
態を示す図である。
【0072】図において、図6に示すものと機能および
構成が同じであるものについては、同じ符号を付与して
示し、ここではその説明を省略する。本実施形態と図
5、6に示す実施形態との構成の相違点は、筐体110
の内壁から対応する外側面に連通する連通孔151が空
洞部111に代えて形成され、筐体110の外側面側に
おけるその連通孔151の開口部に嵌合し、この連通孔
151の内部に誘電体共振器105を支持すると共に、
その開口部の周辺に穿孔されたねじ孔に螺合するネジに
よって筐体110に取り付けられ、かつ導電体からなる
蓋部材152が備えられた点にある。
【0073】なお、本実施形態と図3および図4に示す
ブロック図との対応関係については、連通孔151が孔
63、73に対応し、空洞部111が連通孔63A,7
3Aに対応し、蓋部材152が蓋部材81,91に対応
する点を除いて図5〜図7に示す実施形態における対応
関係と同様である。以下、本実施形態の動作を説明す
る。
【0074】本実施形態では、フリップチップ101が
実装されたアルミナ・セラミック基板102が筐体11
0の内部に収納された後に、蓋部材152がその筐体1
10から取り外されることによって、誘電体共振器10
5の着脱と連通孔151の内部における位置の調整とが
可能である。したがって、本実施形態によれば、図5〜
図9に示すように、アルミナ・セラミック基板102の
実装に先行して誘電体共振器105が実装されなければ
ならない実施形態に比べて、そのアルミナ・セラミック
基板102の取り外しにかかわる工程が伴うことなく、
その誘電体共振器105の交換や位置の微調整が自在
に、かつ効率的に行われ、さらに、この誘電体共振器1
05の標準化に対して柔軟に適応した検査や保守が可能
となる。
【0075】なお、本実施形態では、誘電体共振器10
5が連通孔151に装着されているが、このような誘電
体共振器105に代えて、例えば、図8に示す共振器モ
ジュール133その他の多様なディスクリート部品が同
様にして装着されてもよい。また、本実施形態では、誘
電体共振器105は、一般に、既述の誘電体ブロック1
05aおよび低誘電体105bからなる円柱状の誘電体
の表面の内、所定の部分に導電性の膜が形成されること
によって構成され、空洞部111や連通孔151によっ
て誘電体ブロック105a内に電磁エネルギーが確度高
く封じ込められるならば、誘電体ブロック105aおよ
び低誘電体105bは空洞部111あるいは連通孔15
1に直接収納されてもよい。
【0076】さらに、上述した各実施形態では、誘電体
共振器105と線路107との結合の程度に応じた特性
のバラツキが許容され、あるいは電子的に補償されてい
るが、例えば、図11に示すように、その誘電体共振器
105がアルミナ・セラミック基板102の他方の面に
接着され、かつ空洞部111の底部に形成されたネジ孔
161に筐体110の外側面からねじ込まれたネジ16
2の先端部によってこの誘電体共振器105の位置が微
調整されてもよい。
【0077】また、上述した各実施形態では、アルミナ
・セラミック基板102に単一のフリップチップ101
が実装されているが、このような構成に限定されず、複
数のフリップチップが配置されてもよく、さらに、この
ような場合には、個々のフリップチップについて本願発
明は適用可能である。さらに、上述した各実施形態で
は、フリップチップ101は、モノリシック集積回路と
して構成されているが、例えば、マルチチップ集積回
路、膜集積回路、ハイブリッド集積回路として構成され
てもよく、かつGaAs集積回路に限らず、化合物半導
体その他に適応した如何なる半導体プロセスが適用され
た集積回路として構成されてもよい。
【0078】また、上述した各実施形態では、図12に
示すように、GaAs基板170の上にGaAsFET
171が実装されているが、このような半導体について
は、HEMT、HBTその他の如何なるものであっても
よく、かつアルミナ・セラミック基板102の上に実装
されてもよい。さらに、上述した各実施形態では、適用
されるべき装置やシステムが何ら示されていないが、既
述の無線LANシステムや衝突予防レーダに限定され
ず、マイクロ波帯において信号の生成を含む所望の処理
を行い、かつフリップチップ101が適用されることに
よって高密度実装がはかられるならば、通信機器や航法
機器に限定されず、医療機器、電子応用機器その他の如
何なる装置やシステムにも本願発明は適用可能である。
【0079】
【発明の効果】上述したように請求項1に記載の発明で
は、フリップチップの適用の下でマイクロ波帯の信号に
所望の処理を施す回路が柔軟に形成される。また、請求
項2に記載の発明では、半導体プロセスの簡略化がはか
られ、かつ請求項1に記載の発明と同様にしてマイクロ
波帯の信号に所望の処理を施す回路が柔軟に形成され
る。
【0080】さらに、請求項3に記載の発明では、適用
された半導体プロセスに整合せず、あるいは整合し難い
素子がその半導体プロセスの下で外部素子として形成さ
れることによって生じるコスト高に併せて、特性の劣化
やバラツキが回避され、その外部素子の選定にかかわる
柔軟性や自由度が高められる。また、請求項4に記載の
発明では、リング共振器あるいは伝送路共振回路では達
成され得ない先鋭な選択特性が要求され、あるいはフリ
ップチップと基板との双方にこれらのリング共振器や伝
送路共振回路が形成されることが何らかの制約に阻まれ
る場合であっても、所望の先鋭な選択特性が達成され
る。
【0081】さらに、請求項5に記載の発明では、誘電
体ブロックが配置される空間が接地された導電性の空洞
として形成される限り、その空洞を形成する部材が活用
されることによって構造の簡略化がはかられ、かつ所望
の先鋭な選択特性が達成される。また、請求項6に記載
の発明では、外部素子である共振器と可変素子とが共通
の半導体プロセスの下で形成されることによって生じる
コスト高に併せて、特性の劣化やバラツキが回避され、
所望の特性の達成に適した素子の選定にかかわる柔軟性
や自由度が確保される。
【0082】さらに、請求項7に記載の発明では、実装
効率が高く維持される。また、請求項8に記載の発明で
は、外部素子として多様な素子の適用が可能となり、筐
体の内部の実装効率が高められる。
【0083】さらに、請求項9に記載の発明では、筐体
に形成された孔の内壁によって誘電体ブロックには電磁
エネルギーが確度高く封じ込められ、その筐体の内部の
実装効率が高められる。また、請求項10、11に記載
の発明では、組み立てや保守にかかわる工程が簡略化さ
れ、かつ外部素子の標準化に対する柔軟な適応が可能と
なる。
【0084】したがって、これらの発明の適用の下でマ
イクロ波帯の信号に所望の処理を施す装置では、低廉化
に併せて小型化がはかられ、かつ性能および信頼性が高
められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、3〜7に記載の発明の原理構成図で
ある。
【図2】請求項2〜7に記載の発明の原理構成図であ
る。
【図3】請求項8、9に記載の発明の原理構成図であ
る。
【図4】請求項10、11に記載の発明の原理構成図で
ある。
【図5】請求項1、3〜5、8に記載の発明に対応した
実施形態を示す図(1) である。
【図6】請求項1、3〜5、8に記載の発明に対応した
実施形態を示す図(2) である。
【図7】請求項2、9に記載の発明に対応した実施形態
を示す図である。
【図8】請求項6に記載の発明に対応した実施形態を示
す図である。
【図9】請求項7に記載の発明に対応した実施形態を示
す図である。
【図10】請求項10、11に記載の発明に対応した実
施形態を示す図である。
【図11】共振周波数の微調整が可能である構成の一例
を示す図である。
【図12】マイクロ波集積回路として構成された誘電体
共振器装荷型発振器の構成例を示す図(1) である。
【図13】マイクロ波集積回路として構成された誘電体
共振器装荷型発振器の構成例を示す図(2) である。
【符号の説明】
11,21 マイクロ波回路 12,22 外部素子 13,23,43 結合路 14,24 フリップチップ 15,25 付加回路 16,26 基板 17 導体端子 18 導体線路 27 第一の導体線路 28 第二の導体線路 31A 共振器 31B 誘電体ブロック 41 可変素子 42 制御回路 61,71 マイクロ波集積回路 62,72,110 筐体 63,73 孔 63A,73A 連通孔 81,91 蓋部材 100,180 GaAs基板 101 フリップチップ 102,182 アルミナ・セラミック基板 103,134,141 パッド 104 引き出し線路 105 誘電体共振器 105a 誘電体ブロック図 105b 低誘電体 106,135,143 バイアホール 107,121,122,142,181a,181b
線路 108 ピラー 111 空洞部 121a スリット 131 バラクタダイオード 132 電極 133 共振器モジュール 151 連通孔 152 蓋部材 161 ネジ孔 162 ネジ 170 GaAs基板 171 GaAsFET 172 バイアス供給回路 173 出力整合回路 175 パターン 176 金属板 183 ボンディングワイヤ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波回路に併せて、そのマイクロ
    波回路と外部に配置されるべき外部素子との結合に供さ
    れ、かつ導電体からなる結合路が形成されたフリップチ
    ップと、 前記フリップチップに接続される付加回路が形成され、
    かつ一方の外表面にそのフリップチップが実装された基
    板とを備え、 前記基板は、 前記一方の外表面に形成され、かつ前記結合路に接続さ
    れた導体端子と、 前記一方の外表面に対向する他方の外表面の内、前記外
    部素子が配置されるべき空間に対向する領域に形成さ
    れ、その外部素子に結合すると共に、前記導体端子に接
    続された導体線路とを有することを特徴とするマイクロ
    波集積回路。
  2. 【請求項2】 マイクロ波回路に併せて、そのマイクロ
    波回路と外部に配置されるべき外部素子との結合に供さ
    れ、かつ導電体からなる結合路が形成されたフリップチ
    ップと、 前記フリップチップに接続されるべき付加回路が形成さ
    れ、かつ一方の外表面にそのフリップチップが実装され
    た基板とを備え、 前記基板は、 前記一方の外表面に形成され、かつ前記結合路に接続さ
    れた第一の導体線路と、 前記一方の外表面に対向する他方の外表面の内、前記外
    部素子が配置されるべき空間に対向する領域に形成さ
    れ、かつ前記第一の導体線路に電磁的にあるいは静電的
    に結合すると共に、その外部素子に結合する第二の導体
    線路とを有することを特徴とするマイクロ波集積回路。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のマイク
    ロ波集積回路において、 外部素子は、 マイクロ波回路と付加回路との双方もしくは何れか一方
    の半導体プロセスに適さず、または別途製造されるべき
    素子であることを特徴とするマイクロ波集積回路。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のマイクロ波集積回路に
    おいて、 外部素子は、 マイクロ波回路に組み合わせられるべき共振器であるこ
    とを特徴とするマイクロ波集積回路。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のマイクロ波集積回路に
    おいて、 外部素子は、 誘電体共振器を構成する誘電体ブロックであることを特
    徴とするマイクロ波集積回路。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のマイクロ波集積回路に
    おいて、 共振器に一体化され、かつインピーダンスに応じてその
    共振器の特性を可変する可変素子と、 フリップチップと基板との双方あるいは何れか一方に形
    成され、かつ前記可変素子のインピーダンスを可変する
    制御回路と、 前記基板に形成され、かつ前記制御回路に接続されると
    共に、前記可変素子に結合する結合路とを備えたことを
    特徴とするマイクロ波集積回路。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項5の何れか1項に
    記載のマイクロ波集積回路において、 マイクロ波回路と付加回路との双方あるいは何れか一方
    は、 外部素子の特性を可変する回路を含むことを特徴とする
    マイクロ波集積回路
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7の何れか1項に
    記載のマイクロ波集積回路と、 前記マイクロ波集積回路に含まれる基板の他方の外表面
    が内壁に対向する状態でそのマイクロ波集積回路が収納
    される筐体と、 前記筐体の内壁の内、前記基板の他方の外表面が対向
    し、かつ外部素子が配置されるべき領域に形成されると
    共に、その外部素子が収納される孔とを備えたことを特
    徴とするマイクロ波装置。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載のマイクロ波集積回路
    と、 前記マイクロ波集積回路を構成する基板の他方の外表面
    が内壁に対応する状態でそのマイクロ波集積回路が収納
    され、かつ導電体からなる筐体と、 前記筐体の内壁の内、前記基板の他方の外表面が対向
    し、かつ誘電体ブロックが配置されるべき領域に形成さ
    れると共に、その誘電体ブロックが収納される孔とを備
    えたことを特徴とするマイクロ波装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載のマイクロ波装置にお
    いて、 孔は、 外部素子が筐体の外側壁から挿通あるいは嵌通する連通
    孔であり、 前記外部素子の位置を前記連通孔の内部に支持し、その
    連通孔の開口部を閉塞する蓋部材を備えたことを特徴と
    するマイクロ波装置。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のマイクロ波装置にお
    いて、 孔は、 誘電体ブロックが筐体の外側壁から挿通あるいは嵌通す
    る連通孔であり、 導電体で構成され、かつ前記誘電体ブロックを前記連通
    孔の内部に支えると共に、その連通孔の開口部を密閉す
    る蓋部材を備えたことを特徴とするマイクロ波装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004075337A1 (ja) * 2003-02-24 2004-09-02 Nec Corporation 誘電体共振器及び誘電体共振器の周波数調整方法並びに誘電体共振器を有する集積回路

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WO2004075337A1 (ja) * 2003-02-24 2004-09-02 Nec Corporation 誘電体共振器及び誘電体共振器の周波数調整方法並びに誘電体共振器を有する集積回路

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