JPH11243302A - 同軸形誘電体フィルタ - Google Patents

同軸形誘電体フィルタ

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JPH11243302A
JPH11243302A JP5897098A JP5897098A JPH11243302A JP H11243302 A JPH11243302 A JP H11243302A JP 5897098 A JP5897098 A JP 5897098A JP 5897098 A JP5897098 A JP 5897098A JP H11243302 A JPH11243302 A JP H11243302A
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JP
Japan
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coaxial dielectric
waveguide
parallel
coaxial
dielectric resonator
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JP5897098A
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English (en)
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Yasunari Yamanobe
康徳 山野辺
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈曲部の設定角度を小さくしても所望の特性
が実現されかつ組立て部品における配置関係の調整が簡
便に行える同軸形誘電体フィルタを提供する。 【解決手段】 1つの屈曲部10を有する遮断導波管1
と、屈曲部を挟んでその両側の遮断導波管内に距離をお
いて略同軸上に配置された2つの同軸形誘電体共振器2
1、22と、入力側に配置された同軸形誘電体共振器の入
力側内導体内に先端側が近接若しくは挿入される棒状の
入力側アンテナ32と、出力側に配置された同軸形誘電体
共振器の出力側内導体内に先端側が近接若しくは挿入さ
れる棒状の出力側アンテナ42とを具備する同軸形誘電体
フィルタであって、屈曲部を挟んで隣接する一対の同軸
形誘電体共振器における各隣接側端部面が、遮断導波管
における屈曲部の外周側と内周側の各中央若しくは略中
央を通る屈曲部断面αに対し平行若しくは略平行な傾斜
面をそれぞれ構成していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信の再生中継
器において信号の再生及びクロック信号の抽出等に用い
られる同軸形誘電体フィルタに係り、特に、パッケージ
内に電子回路等と共に集積化される際の配置スペースの
低減が図れると共に組立て部品における配置関係の調整
作業が簡便に行える同軸形誘電体フィルタの改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図5は、同軸形誘電体共振器を用いる代
表的な誘電体フィルタの等価回路図であり、図6は、誘
電体フィルタの内、キャパシタを使った従来例に係る同
軸形誘電体フィルタの構造を示す平面図である。代表的
な同軸形誘電体フィルタでは、図5の等価回路図に示す
ように、入力側コネクタと同軸形誘電体共振器との間、
同軸形誘電体共振器の間(段間)、同軸形誘電体共振器
と出力側コネクタとの間の電気的結合を得るためにキャ
パシタ(C1、C2、C3)(またはインダクタ)等の
部品を配置している。そして、従来例に係る同軸形誘電
体フィルタにおいて、キャパシタは、所望の電気的結合
を得るためにアルミナ等の基板上に厚膜印刷等の技術で
形成され、図6に示すようにコンデンサ(キャパシタ)
接続リードを用いて接続されている。尚、図6において
符号aは同軸形誘電体共振器、bは入出力コンデンサ、
cは段間コンデンサ、dは遮断導波管の一部を構成する
凹部形状の収容部d’が設けられた金属ケース、eは入
力側コネクタ、fは出力側コネクタ、gはコンデンサ接
続リードをそれぞれ示している。
【0003】ところで、誘電体フィルタにおいて通過帯
域幅の狭い同軸形誘電体フィルタを製作しようとした場
合、極めて微小容量のキャパシタが必要となる。そし
て、アルミナ等の基板を使った上記電気的結合法では容
量の小さいキャパシタ等を実現することは構造上極めて
困難なため、通過帯域幅の狭い同軸形誘電体フィルタを
大量に生産できない欠点があった。
【0004】そこで、本出願人は、キャパシタ等の部品
を用いない新規な電気的結合法を採用してその構造の簡
略化を図った同軸形誘電体フィルタを既に提案している
(特開平8−88504号公報参照)。
【0005】すなわち、この同軸形誘電体フィルタは、
図7(A)〜(C)に示すように、金属ケースdに設け
られた収容部d’とこの収容部d’の開放側を閉じる金
属蓋d”とで構成される直線状の遮断導波管と、この遮
断導波管内に距離をおいて同軸若しくは略同軸上に配置
されかつ筒状本体a1の外周面a2と内周面a3に外導体と内
導体が設けられた2つの同軸形誘電体共振器a、aと、
上記遮断導波管の入力側壁面に固定された入力側コネク
タeに基端側が支持されかつ入力側に配置された同軸形
誘電体共振器aの入力側内導体内に先端側が近接若しく
は挿入される棒状の入力側アンテナiと、上記遮断導波
管の出力側壁面に固定された出力側コネクタfに基端側
が支持されかつ出力側に配置された同軸形誘電体共振器
aの出力側内導体内に先端側が近接若しくは挿入される
棒状の出力側アンテナjとでその主要部が構成されるも
のであった。
【0006】そして、この同軸形誘電体フィルタにおい
て図5で示すC1、C3に相当する電気的結合は、入力
側コネクタeに基端側が支持された棒状の入力側アンテ
ナiの先端側を上記同軸形誘電体共振器aの入力側内導
体内に近接若しくは挿入することによって、また、出力
側コネクタfに基端側が支持された棒状の出力側アンテ
ナjの先端側を上記同軸形誘電体共振器aの出力側内導
体内に近接若しくは挿入することによって、それぞれ得
られる。また、これ等の電気的結合量は、上記同軸形誘
電体共振器a、aの内導体内に近接若しくは挿入する棒
状の入力側アンテナi及び出力側アンテナjの近接若し
くは挿入量を変化させることにより、同軸形誘電体共振
器a、aの内導体と各アンテナi、jとの対向する距離
若しくは面積が変化するため変えることができる。この
ため、各同軸形誘電体共振器a、aの内導体内に近接若
しくは挿入する棒状の入力側アンテナi及び出力側アン
テナjの近接若しくは挿入量を変化させることにより電
気的結合量(キャパシタンス)C1、C3を調整するこ
とが可能となる。尚、上記同軸形誘電体共振器の内導体
内へアンテナ先端側を近接させた場合、アンテナ先端側
が挿入された場合に較べてその電気的結合量は小さくな
るが、同軸形誘電体共振器における筒部内径を小さく設
定することによりその値を増大させることは可能であ
る。
【0007】また、図5で示すC2に相当する電気的結
合は、同軸形誘電体共振器a、aを遮断導波管内に配置
する際、同軸形誘電体共振器a、aの相対する側の開放
面間の距離を開けることで与えることができる。そし
て、この電気的結合量は、遮断導波管内で同軸形誘電体
共振器a、aの間隔を広げていくことにより指数関数的
に減衰していき、相対する同軸形誘電体共振器a、aの
間隔を変化させることで同軸形誘電体共振器a、a間の
電気的結合量(キャパシタンスおよび/またはインダク
タンス)C2を調整することができる。
【0008】この様に、本出願人が開発した同軸形誘電
体フィルタによれば、キャパシタ等の部品を用いない新
規な電気的結合法が採用されているためフィルタの構造
を簡略化でき、部品点数の低減も図れることから狭帯域
の同軸形誘電体フィルタを簡便かつ安価に製造できる利
点を有するものであった。
【0009】ところで、本出願人が開発したこの同軸形
誘電体フィルタにおいては上述した利点を有する反面、
直線状の遮断導波管内に少なくとも2つの同軸形誘電体
共振器a、aと、棒状の入力側アンテナi並びに出力側
アンテナj等を配置する構造になっているためその長さ
寸法が必然的に長くなり、同軸形誘電体フィルタの小型
化を図る上において一定の限界を有していた。
【0010】このため、上述した通信装置等の構成部品
として、例えば電子回路等と共にパッケージ内に集積化
させて装置に搭載させる際、同軸形誘電体フィルタの配
置スペースに起因してその小型化が図れない欠点を有し
ていた。
【0011】そこで、本出願人はこの問題を解決するた
め、従来の遮断導波管に屈曲部を設けその長さ寸法の低
減を図ると共にその適用を試みた。すなわち、図8
(A)〜(B)に示すように屈曲部pを有する遮断導波
管q内に上述した同軸形誘電体共振器a、aと棒状の入
力側アンテナi並びに出力側アンテナj等を配置して同
様の同軸形誘電体フィルタを試作しその機能を詳細に調
べたところ、遮断導波管qに屈曲部pを有するこの同軸
形誘電体フィルタにおいては、当初の予想に反して直線
構造を有する従来の同軸形誘電体フィルタと略同様に機
能し得ることを見出した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記遮断導
波管qにおける屈曲部pの設定角度が鈍角のときにはそ
れ程問題はなかったが、上記屈曲部pの設定角度が小さ
くなるに伴い、2つの同軸形誘電体共振器a、aにおけ
る各隣接側端部面が対向配置され難くなって共振器間の
電気的結合が弱まる傾向を示し、極端な場合には上記電
気的結合が得難くなる問題点を有していた。
【0013】また、2つの上記同軸形誘電体共振器a、
a間の電気的結合量の調整は、上述したように同軸形誘
電体共振器a、aの間隔を変化させることにより(すな
わち同軸形誘電体共振器a、aの一方をその配列方向へ
移動調整して)なされているが、その間隔設定の調整が
僅かにずれただけで両者間の電気的結合量が大きく変化
するため組立て部品における配置関係の調整作業が繁雑
となる問題点を有していた。
【0014】そして、2つの同軸形誘電体共振器が組込
まれた上記同軸形誘電体フィルタにおいては、入力側に
配置される同軸形誘電体共振器aと入力側アンテナiと
の間、2つの同軸形誘電体共振器a、a間、及び、出力
側に配置される同軸形誘電体共振器aと出力側アンテナ
jとの間の電気的結合度合のバランスがとれているとき
に所望の特性が実現されるため、2つの同軸形誘電体共
振器a、a間の距離調整が不十分であったり上記屈曲部
pの設定角度が小さくなるに従い電気的結合度合のバラ
ンスがとり難くなると、所望の特性を備えた同軸形誘電
体フィルタが得られなくなる問題点を有していた。
【0015】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、上記屈曲部の設
定角度を小さくしても所望の特性が実現される同軸形誘
電体フィルタを提供すると共に、合わせて組立て部品に
おける配置関係の調整が簡便に行える同軸形誘電体フィ
ルタを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、少なくとも1つの屈曲部を有する遮断導波管
と、上記屈曲部を挟んでその両側の遮断導波管内に距離
をおいて同軸若しくは略同軸上に配置された少なくとも
2つの同軸形誘電体共振器と、入力側に配置された同軸
形誘電体共振器の入力側内導体内に先端側が近接若しく
は挿入される棒状の入力側アンテナと、出力側に配置さ
れた同軸形誘電体共振器の出力側内導体内に先端側が近
接若しくは挿入される棒状の出力側アンテナとを具備す
る同軸形誘電体フィルタを前提とし、上記屈曲部を挟ん
で隣接する一対の同軸形誘電体共振器における各隣接側
端部面が、遮断導波管における上記屈曲部の外周側と内
周側の各中央若しくは略中央を通る屈曲部断面に対し平
行若しくは略平行な傾斜面をそれぞれ構成していること
を特徴とするものである。
【0017】そして、請求項1記載の発明に係る同軸形
誘電体フィルタによれば、屈曲部を挟んで隣接する一対
の同軸形誘電体共振器における各隣接側端部面が遮断導
波管における上記屈曲部の外周側と内周側の各中央若し
くは略中央を通る屈曲部断面に対し平行若しくは略平行
な傾斜面をそれぞれ構成していることから上記屈曲部断
面を介し同軸形誘電体共振器の各隣接側端部面同士が対
向して配置される関係になるため、上記屈曲部の設定角
度を小さくした場合でも同軸形誘電体共振器間の電気的
結合が弱まり難くなり、上述した電気的結合度合のバラ
ンスをとらせることが可能となる。
【0018】また、屈曲部を挟んで隣接する一対の同軸
形誘電体共振器における各隣接側端部面が屈曲部断面に
対し平行若しくは略平行な傾斜面をそれぞれ構成してい
ることから、上記屈曲部を挟んで隣接する一対の同軸形
誘電体共振器間の距離調整を行う際、上記傾斜面が設け
られた同軸形誘電体共振器をその配列方向へ移動するだ
けでなく遮断導波管の幅方向へ移動した場合にも隣接側
同軸形誘電体共振器との間の距離調整が可能となる。
【0019】すなわち、屈曲部を挟んで隣接する同軸形
誘電体共振器間における電気的結合度の調整を行うため
の同軸形誘電体共振器の移動方向が、遮断導波管におけ
る共振器の配列方向に加えて遮断導波管の幅方向を含め
た2軸方向になるため、従来の同軸形誘電体フィルタに
較べ屈曲部を挟んで隣接する同軸形誘電体共振器間にお
ける電気的結合度の調整作業の簡便化を図ることが可能
となる。
【0020】ところで、入力側並びに出力側アンテナの
上記先端側に対向する各同軸形誘電体共振器aの端面
は、図7(C)および図8(A)に示したように垂直面
形状になっていることから、従来の同軸形誘電体フィル
タにおける信号の入力並びに出力方向は、原則として上
記遮断導波管の幅方向に垂直な方向(すなわち同軸形誘
電体共振器の配列方向)になっており、その分、この同
軸形誘電体フィルタが搭載されるパッケージ内の回路設
計自由度が低かった。請求項2に係る発明は、上記回路
設計自由度の改善が図れる同軸形誘電体フィルタに関す
る。
【0021】すなわち、請求項2に係る発明は、請求項
1記載の発明に係る同軸形誘電体フィルタを前提とし、
入力側に配置された同軸形誘電体共振器の入力側端部面
および出力側に配置された同軸形誘電体共振器の出力側
端部面の少なくとも一方が上記遮断導波管の幅方向に平
行な断面に対して勾配を有する傾斜面を構成し、かつ、
遮断導波管の幅方向に垂直でかつ入力側および/または
出力側に配置された同軸形誘電体共振器の上記傾斜面に
対向した側の遮断導波管壁面に直接若しくは入力側およ
び/または出力側コネクタを介して上記入力側および/
または出力側アンテナの基端側が支持されていることを
特徴とするものである。
【0022】そして、請求項2記載の発明に係る同軸形
誘電体フィルタによれば、入力側に配置された同軸形誘
電体共振器の入力側端部面および出力側に配置された同
軸形誘電体共振器の出力側端部面の少なくとも一方が上
記遮断導波管の幅方向に平行な断面に対して勾配を有す
る傾斜面を構成し、かつ、遮断導波管の幅方向に垂直で
かつ入力側および/または出力側に配置された同軸形誘
電体共振器の上記傾斜面に対向した側の遮断導波管壁面
に、直接若しくは入力側および/または出力側コネクタ
を介し上記入力側および/または出力側アンテナの基端
側が支持される構造になっていることから、出力側と入
力側アンテナにおける信号の入力および出力方向を任意
に設定できるため、この同軸形誘電体フィルタが搭載さ
れるパッケージ内の回路設計自由度を大幅に改善するこ
とが可能となる。
【0023】この様な技術的手段において上記遮断導波
管の屈曲部の数は任意であり、この同軸形誘電体フィル
タが組み込まれるパッケージ内の配置スペースやスペー
ス形状等により適宜設定される。すなわち、屈曲部の数
が1つの場合には略L字形状の遮断導波管となり、屈曲
部の数が2つの場合には略コ字状若しくは略Z字形状等
の遮断導波管となる。尚、上記遮断導波管が3次元空間
を折り曲がって構成されるような屈曲部の数並びに屈曲
方向の選定も上記同軸形誘電体フィルタの用途如何によ
っては可能である。
【0024】次に、請求項3に係る発明は、上記屈曲部
の数が2つである略コ字形状導波管が適用され、かつ、
一対の平行部とこれ等を連結する一つの直線部内に1つ
の同軸形誘電体共振器がそれぞれ配置された同軸形誘電
体フィルタの構成を特定した発明に関する。
【0025】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
1記載の発明に係る同軸形誘電体フィルタを前提とし、
遮断導波管が一対の平行部とこれ等を連結する一つの直
線部から成る略コ字形状導波管で構成され、この略コ字
形状導波管内の各平行部と直線部には1つの同軸形誘電
体共振器がそれぞれ配置されると共に、一方の平行部に
配置された同軸形誘電体共振器と直線部に配置された同
軸形誘電体共振器の各隣接側端部面が、上記遮断導波管
における第一屈曲部の外周側と内周側の各中央若しくは
略中央を通る第一屈曲部断面に対し平行若しくは略平行
な傾斜面をそれぞれ構成していると共に、直線部に配置
された上記同軸形誘電体共振器と他方の平行部に配置さ
れた同軸形誘電体共振器の各隣接側端部面が、上記遮断
導波管における第二屈曲部の外周側と内周側の各中央若
しくは略中央を通る第二屈曲部断面に対し平行若しくは
略平行な傾斜面をそれぞれ構成していることを特徴とす
るものである。
【0026】そして、この請求項3記載の発明に係る同
軸形誘電体フィルタによれば、上記遮断導波管が一対の
平行部とこれ等を連結する一つの直線部から成る略コ字
形状導波管で構成されていることから配置スペースの大
幅な低減が図れると共に、一対の平行部に配置される各
同軸形誘電体共振器は互いに平行な位置関係になること
から、一方の同軸形誘電体共振器側に入力側アンテナを
配設しかつ他方の同軸形誘電体共振器側に出力側アンテ
ナを配設することにより入力側と出力側を同一側に配置
させることができるため、請求項2に係る発明と同様、
この同軸形誘電体フィルタが搭載されるパッケージ内の
回路設計自由度を大幅に改善することが可能となる。
【0027】ところで、この技術的手段において遮断導
波管内に組み込まれる同軸形誘電体共振器としてはフィ
ルタの小型化の観点から誘電率の高いものを適用すると
よいが、誘電率が高くなると一般に高周波での損失が大
きい材料が多くなる。
【0028】そして、同軸形誘電体共振器の損失はフィ
ルタの損失となって現れるため、目標とするフィルタの
特性値を十分に考慮した上でその材料の選択を行うこと
が好ましい。そして、本発明において適用される同軸形
誘電体共振器として、例えば、バリウム、チタン系の酸
化物セラミックスで形成された筒状本体と、この筒状本
体の内周面と外周面に設けられた厚膜銀ペースト等から
成る導体層(内周面に設けられた導電層を内導体、外周
面に設けられた導電層を外導体と称する)とでその主要
部が構成されるものが挙げられる。
【0029】次に、請求項4に係る発明は請求項1、2
または3記載の発明に係る同軸形誘電体フィルタに搭載
される同軸形誘電体共振器を特定した発明に関する。
【0030】すなわち、請求項4に係る発明は、請求項
1、2または3記載の発明に係る同軸形誘電体フィルタ
を前提とし、上記同軸形誘電体共振器が、筒状本体の外
周面と内周面に外導体と内導体が設けられた1/2波長
の同軸形誘電体共振器であることを特徴とする。
【0031】そして、これ等請求項1〜4記載の発明に
係る同軸形誘電体フィルタにおいて少なくとも1つの屈
曲部を有する上記遮断導波管としては、同軸形誘電体共
振器が配置される収容部を有する導波管本体と上記収容
部の開放側を閉じる蓋材とでその主要部が構成されるも
のが適用される。そして、上記収容部を有する導波管本
体については、ジュラルミン等厚手の金属体を切削加工
してこれを構成してもよいし、0.8mm程度の厚みを
有する鋼板若しくは表面に銀メッキ等を施した鋼板を折
曲げ加工してこれを構成してもよい。また、ABS樹
脂、アクリルニトリル樹脂、ブタジエン樹脂、スチロー
ル樹脂等をケース形状に射出成型させて得られたプラス
チック素材の表面にニッケルの下地メッキを施し、表面
仕上げとして銀メッキ等の金属メッキ加工した樹脂製の
ケースにて上記導波管本体を構成してもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0033】この同軸形誘電体フィルタは、図1(A)
〜(B)に示すように角度略90度に設定された1つの
屈曲部10を有する遮断導波管1と、この屈曲部10を
挟んでその両側の遮断導波管1内に距離をおいて同軸若
しくは略同軸上に配置された2つの同軸形誘電体共振器
(1/2波長型共振器)21、22と、遮断導波管1に
おける共振器の配列方向一端側壁面に固定された入力側
コネクタ31と、この入力側コネクタ31に基端側が支
持されかつ入力側に配置された同軸形誘電体共振器21
の入力側内導体内に先端側が近接若しくは挿入された棒
状の入力側アンテナ32と、上記遮断導波管1における
共振器配の列方向他端側壁面に固定された出力側コネク
タ41と、この出力側コネクタ41に基端側が支持され
かつ出力側に配置された同軸形誘電体共振器22の出力
側内導体内に先端側が近接若しくは挿入された棒状の出
力側アンテナ42とでその主要部が構成されている。
【0034】まず、上記遮断導波管1は、図1(A)〜
(B)に示すように板状のジュラルミンを曲げ加工して
得られた断面略コ字状で平面略L字形状の金属ケース1
1と、この金属ケース11の上側開放部を閉止する略L
字形状のジュラルミン製金属蓋12とで構成されてい
る。尚、遮断導波管1の構成材料としては、ジュラルミ
ンの他、真鍮、金メッキされたプラスチック材料等が例
示される。
【0035】また、上記同軸形誘電体共振器21、22
は、図1(A)に示すようにチタン酸鉛系やチタン酸バ
リウム系等の誘電材料にて形成された外観断面が四角形
状で筒部断面が円形状の筒状本体と、この筒状本体の内
周面と外周面に設けられた銀導電膜とでその主要部が構
成され、かつ、各共振器間の隣接側端部面を斜め方向に
カットして各端部面が、遮断導波管1における上記屈曲
部10の外周側と内周側の各中央若しくは略中央を通る
屈曲部断面αに対し平行若しくは略平行な傾斜面をそれ
ぞれ構成していると共に、各傾斜面の傾斜角θは共振器
の配列方向に対して45度にそれぞれ設定されている。
【0036】そして、この同軸形誘電体フィルタを組立
てる場合、まず、上記金属ケース11に入力側コネクタ
31を介して入力側アンテナ32を取付け、かつ、この
入力側アンテナ32との距離調整を行いながら入力側の
同軸形誘電体共振器(1/2波長型共振器)21を上記
屈曲部10を挟んで入力側に配置しかつ適宜接着剤を介
して同軸形誘電体共振器21を金属ケース11内に固定
する。
【0037】次に、固定された上記同軸形誘電体共振器
21の隣側でかつ上記屈曲部10を挟んで出力側に同軸
形誘電体共振器22を配列し、かつ、同軸形誘電体共振
器21、22間の電気的結合度調整のための距離調整を
行う。
【0038】この距離調整を行う際、図2(A)に示す
ように傾斜面が設けられた同軸形誘電体共振器22を、
共振器の配列方向へ移動させるだけでなく遮断導波管の
幅方向へ移動した場合(図2Aの一点鎖線の図形参照)
にも隣接側の同軸形誘電体共振器21との間の距離調整
が可能となる。すなわち、固定された上記同軸形誘電体
共振器21に対し、傾斜面が設けられた同軸形誘電体共
振器22を共振器の配列方向へまず移動させながらその
位置調整を行った後、今度は同軸形誘電体共振器22を
幅方向へ移動させて同軸形誘電体共振器21、22間の
微調整を行うことが可能となる。このため、図2(B)
に示すように共振器における配列方向の移動調整のみで
あった従来の同軸形誘電体フィルタに較べて、同軸形誘
電体共振器21、22間の電気的結合度の調整作業が簡
便化されると共に調整精度の向上も図れる。
【0039】尚、上記同軸形誘電体共振器22を幅方向
へ移動させていることから、固定された同軸形誘電体共
振器21に対する幅方向の位置ずれが若干生ずる(すな
わち、同軸形誘電体共振器21に対し同軸形誘電体共振
器22は略同軸上に配置されることになる)が、この位
置ずれによるフィルタ特性への影響は極めてわずかであ
ることが確認されている。また、同軸形誘電体共振器2
1、22の隣接側端部面が傾斜面を構成していることに
伴うスプリアスの発生についても、以下の条件を満たせ
ばほとんど問題ないことも確認されている。すなわち、
図2(C)および(D)に示すように同軸形誘電体共振
器の長さ寸法をL、傾斜面における共振器配列方向の長
さ寸法をδ(図2Dのように傾斜面が同軸形誘電体共振
器の両端部に設けられている場合にはδ=δ1+δ2)
とした場合、δ/Lが1/5未満である条件を満たせば
上記スプリアスの発生を回避できる。
【0040】この様にして上記同軸形誘電体共振器22
を適宜接着剤を介し金属ケース11内にに固定し、か
つ、出力側アンテナ42を削って同軸形誘電体共振器2
2との調整に適した長さに設定した後、出力側アンテナ
42を上記出力側コネクタ41を介して金属ケース11
に取付けてこの同軸形誘電体フィルタは完成される。
【0041】そして、この実施の形態に係る同軸形誘電
体フィルタにおいては、フィルタ製造時における同軸形
誘電体共振器21、22間の電気的結合度の調整作業が
簡便化される利点に加えて、各同軸形誘電体共振器2
1、22間の隣接側端部面を斜め方向にカットして各端
部面が、遮断導波管1における上記屈曲部10の外周側
と内周側の各中央若しくは略中央を通る屈曲部断面αに
対し平行若しくは略平行な傾斜面をそれぞれ構成してい
ることから、上記屈曲部断面αを介し同軸形誘電体共振
器21、22の各隣接側端部面同士が対向して配置され
る関係になるため、上記屈曲部10の角度を略90度と
小さく設定した場合でも同軸形誘電体共振器21、22
間の電気的結合が弱まり難くなる。従って、入力側に配
置された同軸形誘電体共振器21と入力側アンテナ32
との間、出力側に配置された同軸形誘電体共振器22と
出力側アンテナ42との間、及び、2つの同軸形誘電体
共振器21、22間、の3つの電気的結合度合のバラン
スをとることができるため、この同軸形誘電体フィルタ
に所望の特性を具備させることが可能となる。
【0042】更に、この同軸形誘電体フィルタにおいて
は、屈曲部10を有する遮断導波管1が適用されている
ためフィルタにおける長さ寸法の低減をも図れ、これに
より電子回路等と共にパッケージ内に集積化して装置に
搭載させる際、遮断導波管1における屈曲部10内周側
のスペースに電子回路等の部品を配置することによりデ
ッドスペースが無くなってその著しい小型化を図ること
が可能となる。
【0043】尚、この実施の形態においては2つの同軸
形誘電体共振器21、22が適用されているが、3以上
の同軸形誘電体共振器を組込む構成にしてもよい。ま
た、この実施の形態においては、角度略90度に設定さ
れた屈曲部10に対応させて各同軸形誘電体共振器の隣
接側端部面の傾斜角θがそれぞれ45度に設定されてい
る(すなわち、傾斜角θを45度に設定して屈曲部10
の外周側と内周側の各中央若しくは略中央を通る屈曲部
断面αに対し平行若しくは略平行な傾斜面をそれぞれ構
成させている)が、屈曲部10の設定角度に対応して上
記屈曲部断面αに対し平行若しくは略平行な傾斜面とな
るよう任意の角度に設定可能である。
【0044】次に、図3(A)〜(B)は、信号の入力
方向が遮断導波管1の幅方向に対して平行若しくは略平
行となる他の実施の形態に係る同軸形誘電体フィルタの
平面図である。
【0045】すなわち、この同軸形誘電体フィルタは、
入力側に配置された同軸形誘電体共振器21の入力側端
部面を斜め方向にカットして、上記入力側端部面が遮断
導波管1の幅方向に平行な断面βに対して勾配を有する
傾斜面を構成しており、かつ、遮断導波管1の幅方向に
垂直でかつ入力側に配置された同軸形誘電体共振器21
の上記傾斜面に対向した側の遮断導波管壁面に入力側コ
ネクタ31を介し上記入力側アンテナ32の基端側が支
持されると共に、入力側アンテナ32の先端側が入力側
に配置された同軸形誘電体共振器21の上記傾斜面の略
中央に近接されて、入力側アンテナ32における信号の
入力方向が遮断導波管1の幅方向に対し平行若しくは略
平行になっている点を除き図1(A)〜(B)に示され
た同軸形誘電体フィルタと略同一である。尚、勾配を有
する上記傾斜面の傾斜角θ’は、共振器の配列方向に対
して60度に設定されている。
【0046】そして、この同軸形誘電体フィルタにおい
ても、図1(A)〜(B)に示された同軸形誘電体フィ
ルタと同様、共振器の配列方向の移動調整のみであった
従来の同軸形誘電体フィルタに較べて同軸形誘電体共振
器21、22間の電気的結合度の調整作業が簡便化され
ると共に、上記屈曲部10の設定角度を略90度と小さ
くした場合でも同軸形誘電体共振器21、22間の電気
的結合が弱まり難くなるため同軸形誘電体フィルタに所
望の特性を具備させることが可能となる。
【0047】また、この同軸形誘電体フィルタにおいて
は、入力側に配置された同軸形誘電体共振器21の傾斜
面に対向した側の遮断導波管壁面に入力側コネクタ31
を介し入力側アンテナ32の基端側が支持される構造に
なっていることから、同軸形誘電体フィルタの共振器配
列方向の寸法が縮小されてフィルタの更なる小型化が図
れると共に、入力側アンテナにおける信号の入力方向が
遮断導波管1の幅方向に対し平行若しくは略平行になっ
ていることから、この同軸形誘電体フィルタが搭載され
るパッケージ内の回路設計自由度を更に改善させること
が可能となる利点を有している。
【0048】尚、この実施の形態において、勾配を有す
る上記傾斜面の傾斜角θ’が60度に設定されている
が、45度や70度に設定した場合にも同様に作用する
ことが確認されている。
【0049】次に、図4(A)〜(B)に示された同軸
形誘電体フィルタは、上記屈曲部の数が2つである略コ
字形状導波管が適用され、かつ、一対の平行部とこれ等
を連結する1つの直線部内に1つの同軸形誘電体共振器
がそれぞれ配置された構造を有するものである。
【0050】すなわち、この同軸形誘電体フィルタは、
一対の平行部101、102とこれ等を連結する一つの
直線部103から成りかつ一方の平行部101と直線部
103とで形成される角度略90度の第一屈曲部104
と他方の平行部102と直線部103とで形成される角
度略90度の第二屈曲部105の2つの屈曲部を有する
平面略コ字形状の遮断導波管1と、この遮断導波管1の
入力側平行部101に配置された1つの同軸形誘電体共
振器(1/2波長型共振器)21と、遮断導波管1の出
力側平行部102に配置された1つの同軸形誘電体共振
器(1/2波長型共振器)22と、遮断導波管1の直線
部103に配置された1つの同軸形誘電体共振器(1/
2波長型共振器)23と、上記遮断導波管1における入
力側平行部101の端部側壁面に固定された入力側コネ
クタ31と、この入力側コネクタ31に基端側が支持さ
れかつ入力側に配置された同軸形誘電体共振器21の入
力側内導体内に先端側が近接若しくは挿入された棒状の
入力側アンテナ32と、上記遮断導波管1における出力
側平行部102の端部側壁面に固定された出力側コネク
タ41と、この出力側コネクタ41に基端側が支持され
かつ出力側に配置された同軸形誘電体共振器22の出力
側内導体内に先端側が近接若しくは挿入された棒状の出
力側アンテナ42とでその主要部が構成されている。
【0051】まず、上記遮断導波管1は、図4(A)〜
(B)に示すように略コ字形状の収容部(上記平行部1
01、102と直線部103とで構成される)が設けら
れたアルミニウム製の金属ケース11と、この金属ケー
ス11の上側開放部を閉止するアルミニウム製の金属蓋
12とで構成されている。
【0052】また、上記同軸形誘電体共振器21、2
2、23は、図4(A)に示すように外観断面が四角形
状で筒部断面が円形状の筒状本体と、この筒状本体の内
周面と外周面に設けられた厚膜銀ペーストから成る導電
層とでその主要部が構成され、かつ、同軸形誘電体共振
器21、23間の隣接側端部面を斜め方向にカットして
各端部面が、遮断導波管1における上記第一屈曲部10
4の外周側と内周側の各中央若しくは略中央を通る第一
屈曲部断面α1に対し平行若しくは略平行な傾斜面をそ
れぞれ構成する一方、同軸形誘電体共振器23、22間
の隣接側端部面を斜め方向にカットして各端部面が、遮
断導波管1における上記第二屈曲部105の外周側と内
周側の各中央若しくは略中央を通る第二屈曲部断面α2
に対し平行若しくは略平行な傾斜面をそれぞれ構成する
と共に、各傾斜面の傾斜角θは共振器の配列方向に対し
て45度にそれぞれ設定されている。
【0053】そして、この同軸形誘電体フィルタにおい
ても、図1(A)〜(B)に示された同軸形誘電体フィ
ルタと同様、共振器の配列方向の移動調整のみであった
従来の同軸形誘電体フィルタに較べて同軸形誘電体共振
器21、22、23間の電気的結合度の調整作業が簡便
化されると共に、上記第一屈曲部104と第二屈曲部1
05の設定角度を略90度と小さくした場合でも同軸形
誘電体共振器21、22、23間の電気的結合が弱まり
難くなるため同軸形誘電体フィルタに所望の特性を具備
させることが可能となる。
【0054】また、この同軸形誘電体フィルタによれ
ば、上記遮断導波管1が一対の平行部101、102と
これ等を連結する一つの直線部103から成る略コ字形
状導波管で構成されていることから配置スペースの大幅
な低減が図れると共に、一対の平行部101、102に
配置される各同軸形誘電体共振器21、22は互いに平
行な位置関係になり、入力側と出力側が同一側に配置さ
れるため、この同軸形誘電体フィルタが搭載されるパッ
ケージ内の回路設計自由度を大幅に改善することが可能
となる。
【0055】
【発明の効果】請求項1および4記載の発明に係る同軸
形誘電体フィルタによれば、屈曲部を挟んで隣接する一
対の同軸形誘電体共振器における各隣接側端部面が遮断
導波管における上記屈曲部の外周側と内周側の各中央若
しくは略中央を通る屈曲部断面に対し平行若しくは略平
行な傾斜面をそれぞれ構成していることから上記屈曲部
断面を介し同軸形誘電体共振器の各隣接側端部面同士が
対向して配置される関係になるため、上記屈曲部の設定
角度を小さくした場合でも同軸形誘電体共振器間の電気
的結合が弱まり難くなり、上述した電気的結合度合のバ
ランスをとらせることが可能となる効果を有する。
【0056】また、屈曲部を挟んで隣接する一対の同軸
形誘電体共振器における各隣接側端部面が屈曲部断面に
対し平行若しくは略平行な傾斜面をそれぞれ構成してい
ることから、上記屈曲部を挟んで隣接する一対の同軸形
誘電体共振器間の距離調整を行う際、上記傾斜面が設け
られた同軸形誘電体共振器をその配列方向へ移動するだ
けでなく遮断導波管の幅方向へ移動した場合にも隣接側
同軸形誘電体共振器との間の距離調整が可能となる。
【0057】すなわち、屈曲部を挟んで隣接する同軸形
誘電体共振器間における電気的結合度の調整を行うため
の同軸形誘電体共振器の移動方向が、遮断導波管におけ
る共振器の配列方向に加えて遮断導波管の幅方向を含め
た2軸方向になるため、従来の同軸形誘電体フィルタに
較べ屈曲部を挟んで隣接する同軸形誘電体共振器間にお
ける電気的結合度の調整作業の簡便化が図れる効果を有
する。
【0058】また、請求項2および4記載の発明に係る
同軸形誘電体フィルタによれば、入力側に配置された同
軸形誘電体共振器の入力側端部面および出力側に配置さ
れた同軸形誘電体共振器の出力側端部面の少なくとも一
方が上記遮断導波管の幅方向に平行な断面に対して勾配
を有する傾斜面を構成し、かつ、遮断導波管の幅方向に
垂直でかつ入力側および/または出力側に配置された同
軸形誘電体共振器の上記傾斜面に対向した側の遮断導波
管壁面に、直接若しくは入力側および/または出力側コ
ネクタを介し上記入力側および/または出力側アンテナ
の基端側が支持される構造になっていることから、出力
側と入力側アンテナにおける信号の入力および出力方向
を任意に設定できるため、この同軸形誘電体フィルタが
搭載されるパッケージ内の回路設計自由度を大幅に改善
することが可能となる効果を有する。
【0059】更に、請求項3および4記載の発明に係る
同軸形誘電体フィルタによれば、上記遮断導波管が一対
の平行部とこれ等を連結する一つの直線部から成る略コ
字形状導波管で構成されていることから配置スペースの
大幅な低減が図れると共に、一対の平行部に配置される
各同軸形誘電体共振器は互いに平行な位置関係になるこ
とから、一方の同軸形誘電体共振器側に入力側アンテナ
を配設しかつ他方の同軸形誘電体共振器側に出力側アン
テナを配設することにより入力側と出力側を同一側に配
置させることができるため、請求項2に係る発明と同
様、この同軸形誘電体フィルタが搭載されるパッケージ
内の回路設計自由度を大幅に改善することが可能となる
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は実施の形態に係る同軸形誘電体フ
ィルタの除蓋した平面図、図1(B)は金属蓋の平面
図。
【図2】図2(A)は実施の形態に係る同軸形誘電体フ
ィルタにおける同軸形誘電体共振器間の距離調整の作業
説明図、図2(B)は従来例に係る同軸形誘電体フィル
タにおける同軸形誘電体共振器間の距離調整の作業説明
図、図2(C)と(D)は同軸形誘電体共振器の長さ寸
法Lと、傾斜面における共振器配列方向の長さ寸法δを
示す説明図。
【図3】図3(A)は他の実施の形態に係る同軸形誘電
体フィルタの除蓋した平面図、図3(B)は金属蓋の平
面図。
【図4】図4(A)は他の実施の形態に係る同軸形誘電
体フィルタの除蓋した平面図、図4(B)は金属蓋の平
面図。
【図5】同軸形誘電体共振器を用いる代表的な誘電体フ
ィルタの等価回路図。
【図6】誘電体フィルタの内、キャパシタを使った従来
の同軸形誘電体フィルタの除蓋した平面図。
【図7】図7(A)はキャパシタ等を用いない従来の同
軸形誘電体フィルタの除蓋した平面図、図7(B)は金
属蓋の平面図、図7(C)は上記同軸形誘電体フィルタ
に搭載される同軸形誘電体共振器の概略斜視図。
【図8】図8(A)は従来例に係る屈曲部を有する同軸
形誘電体フィルタの除蓋した平面図、図8(B)は金属
蓋の平面図。
【符号の説明】
1 遮断導波管 10 屈曲部 11 金属ケース 12 金属蓋 21 同軸形誘電体共振器 22 同軸形誘電体共振器 31 入力側コネクタ 41 出力側コネクタ 32 入力側アンテナ 42 出力側アンテナ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つの屈曲部を有する遮断導波
    管と、上記屈曲部を挟んでその両側の遮断導波管内に距
    離をおいて同軸若しくは略同軸上に配置された少なくと
    も2つの同軸形誘電体共振器と、入力側に配置された同
    軸形誘電体共振器の入力側内導体内に先端側が近接若し
    くは挿入される棒状の入力側アンテナと、出力側に配置
    された同軸形誘電体共振器の出力側内導体内に先端側が
    近接若しくは挿入される棒状の出力側アンテナとを具備
    する同軸形誘電体フィルタにおいて、 上記屈曲部を挟んで隣接する一対の同軸形誘電体共振器
    における各隣接側端部面が、遮断導波管における上記屈
    曲部の外周側と内周側の各中央若しくは略中央を通る屈
    曲部断面に対し平行若しくは略平行な傾斜面をそれぞれ
    構成していることを特徴とする同軸形誘電体フィルタ。
  2. 【請求項2】入力側に配置された同軸形誘電体共振器の
    入力側端部面および出力側に配置された同軸形誘電体共
    振器の出力側端部面の少なくとも一方が上記遮断導波管
    の幅方向に平行な断面に対して勾配を有する傾斜面を構
    成し、かつ、遮断導波管の幅方向に垂直でかつ入力側お
    よび/または出力側に配置された同軸形誘電体共振器の
    上記傾斜面に対向した側の遮断導波管壁面に直接若しく
    は入力側および/または出力側コネクタを介して上記入
    力側および/または出力側アンテナの基端側が支持され
    ていることを特徴とする請求項1記載の同軸形誘電体フ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】上記遮断導波管が一対の平行部とこれ等を
    連結する一つの直線部から成る略コ字形状導波管で構成
    され、この略コ字形状導波管内の各平行部と直線部には
    1つの同軸形誘電体共振器がそれぞれ配置されると共
    に、一方の平行部に配置された同軸形誘電体共振器と直
    線部に配置された同軸形誘電体共振器の各隣接側端部面
    が、上記遮断導波管における第一屈曲部の外周側と内周
    側の各中央若しくは略中央を通る第一屈曲部断面に対し
    平行若しくは略平行な傾斜面をそれぞれ構成していると
    共に、直線部に配置された上記同軸形誘電体共振器と他
    方の平行部に配置された同軸形誘電体共振器の各隣接側
    端部面が、上記遮断導波管における第二屈曲部の外周側
    と内周側の各中央若しくは略中央を通る第二屈曲部断面
    に対し平行若しくは略平行な傾斜面をそれぞれ構成して
    いることを特徴とする請求項1記載の同軸形誘電体フィ
    ルタ。
  4. 【請求項4】上記同軸形誘電体共振器が、筒状本体の外
    周面と内周面に外導体と内導体が設けられた1/2波長
    の同軸形誘電体共振器であることを特徴とする請求項
    1、2または3記載の同軸形誘電体フィルタ。
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