JPH11242692A - 金型設計方法及び金型製作方法 - Google Patents

金型設計方法及び金型製作方法

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JPH11242692A
JPH11242692A JP4264698A JP4264698A JPH11242692A JP H11242692 A JPH11242692 A JP H11242692A JP 4264698 A JP4264698 A JP 4264698A JP 4264698 A JP4264698 A JP 4264698A JP H11242692 A JPH11242692 A JP H11242692A
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JP
Japan
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mold
design
cavity
filling
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Application number
JP4264698A
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English (en)
Inventor
Kazunobu Nakada
和伸 中田
Keiji Azuma
啓二 東
Yoichi Hashimoto
羊一 橋本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
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Publication of JPH11242692A publication Critical patent/JPH11242692A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/38Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor characterised by the material or the manufacturing process
    • B29C33/3835Designing moulds, e.g. using CAD-CAM

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シミュレーションを用いてプラスチック成形用
金型を効率的に設計し製作する方法を提案する。 【解決手段】複数のランナー及びゲートを有する金型の
1つ又は複数のキャビティにおける複数の目的位置に成
形材料が同時に充填されるように金型の各設計パラメー
タを解析により設計する方法において、遺伝的アルゴリ
ズムを用いて設計パラメータを収束させることにより、
限られた計算回数で精度の良い設計値を得る。設計パラ
メータとしては、各キャビティのゲート、サブランナ
ー、メインランナーの寸法等を対象とする。また、同時
充填性評価と共に、他の指標、例えば、各キャビティ内
部の充填過程中の圧力値、熱硬化性材料の硬化度等を評
価関数としても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック成形
の金型設計において、シミュレーションを用いて金型を
効率的に設計し製作する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金型の設計にシミュレーションを
用いる場合、設計パラメータは経験等に基づいて試行錯
誤により決定していた。しかしながら、金型の設計パラ
メータは多数存在し、特に、複数のキャビティ、複数の
ランナー、複数のゲートを有する多数個取り金型の場合
には、設計パラメータの組み合わせは無限に考えられる
から、それらについて、全てを解析評価することは不可
能である。また、解析を行わず、簡略化した計算では、
精度の良い設計を行うことは困難である。
【0003】また、細かいピッチで調べていく連続関数
を用いた収束計算では、初期値により最適解が得られる
までの時間が大きく左右されるという問題があった。さ
らに、必ずしも最適解が得られるとは限らず、制限され
た計算回数では極値を求めてしまいやすいという欠点が
あった。また、実際のゲート、ランナーの設計では商品
に応じた数値の桁数で設計される(例えば、2.2mm
など)が、連続関数を用いた数値計算では、設計に適し
た桁数を考慮せず現実的でないという問題があり、繰り
上げ、繰り下げ等の補正が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
問題を解決しようとするものであり、その目的とすると
ころは、遺伝的アルゴリズムを用いて設計パラメータを
収束させることにより、限られた計算回数で精度の良い
設計値を得ることができる金型設計方法及び金型製作方
法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の金型設計方法に
よれば、複数のランナー及びゲートを有する金型の1つ
又は複数のキャビティにおける複数の目的位置に成形材
料が同時に充填されるように金型の各設計パラメータを
解析により設計する方法において、図1に示すように、
(a)解析の対象モデルとして、金型の設計パラメータ
のうち少なくとも1つを設計変数として決定する段階、
(b)目的関数として同時充填性を評価する算出手段と
基準値を決める段階、(c)コード化した染色体を別途
定めた個体数分ランダムに発生させる段階、(d)コー
ド化した染色体を設計パラメータに与える段階、(e)
与えられた設計パラメータを用いて流動解析を行い、基
準値を用いて同時充填性評価を行う段階、(f)基準値
を満たさない場合、上記(d)及び(e)の段階を個体
数分繰り返す段階、(g)適応度の高い順に染色体を並
び替える段階、(h)選択、交叉、突然変異という遺伝
的アルゴリズムの3つの処理を施し、設計パラメータの
組み合わせを変更する段階、(i)(d)乃至(h)の
段階を別途定めた世代数分繰り返す段階、(j)目的関
数が基準値を満たすか、あるいは目的関数が基準値を満
たさない場合は最終の結果により求まる適応度の最も高
い設計パラメータを最適設計パラメータとする段階を含
むことを特徴とするものである。
【0006】このように、本発明の金型設計方法によれ
ば、設計パラメータをコード化し、ランダムな値の組み
合わせから少ない回数で最適解に収束計算させる遺伝的
アルゴリズムを使用することで、限られた計算回数で精
度の良い設計値を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】(実施例1)図2は本発明の方法
により設計しようとする金型の一例を略図として示して
いる。図中、1はスプル、2a〜2dはランナー、3a
〜3dはゲート、4はキャビティである。ここでは、金
型の本体部としてのキャビティ4の形状は円盤状であ
り、成形材料として溶融した樹脂がスプル1から注入さ
れ、ランナー2a,2b,2c,2dを介して、4つの
ゲート3a,3b,3c,3dからキャビティ4に充填
されて、円盤状の成形品が得られるものである。このよ
うに、4つのゲート3a,3b,3c,3dより樹脂が
充填されるような場合、製品の品質、生産性等の面から
図中のA〜Dの4点でほぼ同時に樹脂が到達することが
望ましい場合がある。そこで、ランナー2a,2b,2
c,2d、ゲート3a,3b,3c,3d、スプル1の
径、長さ、位置、あるいは製品本体の肉厚等を変更して
A〜Dの4点に樹脂が同時に到達することを目指すが、
流動解析を用いても試行錯誤では解を見つけるのは非常
に困難である。
【0008】そこで、流動解析における各点A〜Dでの
樹脂到達時間差を同時充填性を評価するための目的関数
とし、例えばランナー2a,2b,2c,2dの径が変
更可能な設計変数として、初期値をφ3mm、範囲を
1.4〜4.5mm(0.1mmピッチ)とする。設計
変数の取り得る値は、1.4、1.5、1.6、…、
3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、…、4.5
とする。4本のランナー2a、2b、2c、2dの径φ
a、φb、φc、φdのそれぞれについて、上記32通
りの径の値を取り得るとすると、組み合わせは32×3
2×32×32通り考えられる。この中から個体数を2
0として、ランダムな組み合わせを(φa、φb、φ
c、φd)=(3.3、3.5、2.8、2.1)、…
のように20通りランダムに作成することができる。ま
た、各設計変数をコード化された染色体として表現す
る。例えば、5ビットのコードで、−16(2進数で1
0000)〜+15(2進数で01111)の数値を表
し、この数値に0.1mmを掛けて初期値3.0mmに
足すと、1.4mm〜4.5mmの各設計値(0.1m
mピッチで32段階)を5ビットのコードで表すことが
できる。したがって、4つの設計変数は5ビット×4=
20ビットのコード化された染色体で表すことができ
る。例えば、上述の(3.3、3.5、2.8、2.
1)という設計値の組み合わせは、(00011、00
101、11110、10111)という染色体で表す
ことができる。
【0009】このコードされた染色体に対して遺伝的ア
ルゴリズムを適用する。遺伝的アルゴリズムとは、図3
に示すように、適応度の高い染色体を選択して残し、適
応度の高い染色体を交叉させ、さらに、突然変異確率で
染色体にランダムな値を入れる、という処理であり、こ
の処理を適当な世代数繰り返すことにより適応度の高い
染色体を得ることができる。
【0010】本実施例の処理の流れは図1に示す通りで
ある。図中、#10の段階では、図2に示すような金型
の全体形状を初期設計し、設計パラメータを決定する。
ここでは、上述のように、ランナー2a,2b,2c,
2dの径φa、φb、φc、φdを設計パラメータとし
ている。#20の段階では、同時充填性を評価するため
の目的関数とその基準値(許容値)を決定する。ここで
は、上述のように、流動解析における各点A〜Dでの樹
脂到達時間差を同時充填性を評価するための目的関数と
している。#30の段階では、染色体を個体数だけ発生
させる。ここでは、上述のように、5ビット×4=20
ビットのコード化された染色体を個体数分(例えば20
個体)ランダムに発生させる。#40の段階では、設計
パラメータを染色体より選択し、与える。具体的には、
上述のように、コード化された染色体(00011、0
0101、11110、10111)を(3.3、3.
5、2.8、2.1)という設計値の組み合わせに変換
する。#50の段階では、流動解析を行い、同時充填性
評価を行う。この流動解析には、市販のソフトウェア等
を用いることができ、#10の処理で決定した図1のよ
うな全体形状の金型について、#40の処理で与えた設
計パラメータを代入して流動解析を行うことにより、各
点A〜Dでの樹脂到達時間差をシミュレーションにより
求める。#60の段階では、#40と#50の段階をす
べての個体について繰り返し実施する。#70〜#90
の段階では、図3で説明した遺伝的アルゴリズムにより
適応度の高い染色体を残す。なお、同時充填性の評価時
に各点A〜Dでの樹脂到達時間差が基準値を満たしたと
きには、その時点の設計パラメータを最適解とし、基準
値を満たす設計パラメータが無かったときには、最終段
階で得られた最も適応度の高い設計パラメータを最適解
とする。
【0011】(実施例2)図4は本発明の実施例2にお
いて設計の対象とする多数個取り金型を示している。本
実施例において対象とする多数個取り金型は、非常によ
く扱われるものであり、また、同時充填性が問題となる
ことが多い。スプル1から入ってきた溶融樹脂はメイン
ランナー2、サブランナー2a〜2d、ゲート3a〜3
dを通過してキャビティ4a〜4dに充填される。この
とき、キャビティ4a〜4dは同時に充填が完了するこ
とが望ましい場合が多い。しかし、スプル1から各キャ
ビティ4a〜4dまでの距離は異なるため、サブランナ
ー2a〜2d、ゲート3a〜3d、メインランナー2等
の径、長さ、位置等で調整するが、試行錯誤でそれを求
めるのは困難である。解析を用いる場合でも、例えば、
ゲートの径で調整する場合、考えられるゲートの径は無
限にあり、解析を無限に実行するのは不可能である。
【0012】そこで、本発明の実施例2では、2個以上
の同形状あるいは異種形状のキャビティ4a〜4dを持
つ多数個取り金型において、ゲート3a〜3dの径を設
計変数として、4つのキャビティ4a〜4dの充填完了
時間差を評価する目的関数として、図1のフローにより
同時充填性を考慮した最適なゲート径の設計値を求める
ものである。
【0013】(実施例3)本発明の実施例3では、図4
に示すような2個以上の同形状あるいは異種形状のキャ
ビティ4a〜4dを持つ多数個取り金型において、各キ
ャビティ4a〜4dのサブランナー2a〜2dの肉厚を
設計変数として、4つのキャビティ4a〜4dの充填完
了時間差を評価する目的関数として、図1のフローによ
り同時充填性を考慮した最適な設計値を求めるものであ
る。
【0014】本実施例が設計の対象とするサブランナー
2a〜2dは比較的細い部分であり、樹脂の制御がしや
すい。したがって、成形後に金型の再加工による微調整
がしやすい。サブランナー2a〜2dの径を変更する場
合、金型のサブランナー部を入れ子とすると、金型の加
工、修正等が容易であり、またゲート3a〜3dのよう
に摩耗しやすい部位でなく、メインランナー2よりも細
いため、樹脂の流れの制御をしやすく、実際問題への適
用が容易になる。
【0015】(実施例4)本発明の実施例4では、図4
に示すような2個以上の同形状あるいは異種形状のキャ
ビティ4a〜4dを持つ多数個取り金型において、メイ
ンランナー2の径、テーパ等を設計変数として、4つの
キャビティ4a〜4dの充填完了時間差を評価する目的
関数として、図1のフローにより同時充填性を考慮した
最適な設計値を求めるものである。
【0016】本実施例が設計の対象とするメインランナ
ー2は、図5(a),(b)に例示するように、比較的
太い部分であり、樹脂の発熱、金型の摩耗が起こりにく
いため、安定した成形が得られる。また、設計変数とし
てメインランナー2を対象とする場合、メインランナー
2の径、テーパ等を設計変数とすると共に、必要に応じ
て、実施例3が設計対象とするサブランナー2a〜2d
の径などを組み合わせてもよい。サブランナー2a〜2
dやゲート3a〜3dは細い部分であるため、断面積に
差があり過ぎると、せん断発熱の差が起こりやすく、同
じ製品が多い各キャビティ4a〜4dの間に品質差が生
じる。また、金型の摩耗が多くなり、長期的に同時充填
性が保持されにくい。そこで、上記メインランナー2の
径やテーパを組み合わせて、あるいは単独で設計変数と
すると、サブランナー、ゲートへの負担が小さくなり、
各キャビティ4a〜4dの間の品質差を無くすことが可
能である。
【0017】また、メインランナー2、サブランナー2
a〜2d、ゲート3a〜3d、キャビティ4a〜4dの
テーパ角度、位置、長さ等、あるいは、それらの組み合
わせを設計パラメータとしても設計は可能である。
【0018】(実施例5)図6は本発明の実施例5の処
理内容を示すフローチャートである。本実施例では、同
時充填性だけでなく、他の指標も同様に満たすことので
きる設計方法を提案するものである。図6のフローで
は、図1のフローに比べると、応力解析を行い、商品の
剛性評価を行うための#55の段階が追加されている。
上述の図2に示すような円盤状の成形品を生産するため
の金型において、4つのゲート3a〜3dより樹脂が充
填されるとき、製品の品質、生産性の面から最終充填箇
所のA〜Dの4点でほぼ同時に樹脂が到達することが望
ましい。製品本体の肉厚が変更可能である場合、A〜D
の4点に樹脂が同時に到達するように製品肉厚を変更す
ることが有効である。この場合、製品の剛性、製品規格
等から製品肉厚が決定されるが、流動解析と同時に反り
変形解析、応力解析等の結果を目的関数として、それぞ
れが基準値を満たすように設計変数を求める。
【0019】(実施例6)図7は本発明の実施例6の処
理内容を示すフローチャートである。本実施例でも、同
時充填性だけでなく、他の指標を同様に満たすことので
きる設計方法を提案するものである。本実施例では、熱
硬化性材料の成形品にとって重要な指標となる硬化度を
評価すべき指標としている。
【0020】熱硬化性材料の成形の場合、金型は高温で
あり、充填中から取り出しまでの間に樹脂は硬化する。
このとき、樹脂の硬化の進行に差があると、不十分な硬
化のキャビティでは成形品の取り出し後、膨れ、変形等
の不良が発生する。また、硬化が遅い部分に合わせる
と、硬化が速い部分は硬化後も熱が付加され、品質が低
下する。また、サイクル遅延により生産性も低下する。
そこで、本実施例では、熱硬化性樹脂について同時充填
性とともに同時硬化性を評価すべき指標としている。図
7のフローでは、図1のフローに比べると、硬化度解析
を行い、同時硬化性評価を行うための#55の段階が追
加されている。
【0021】(実施例7)図8は本発明の実施例7の処
理内容を示すフローチャートである。本実施例でも、同
時充填性だけでなく、他の指標を同様に満たすことので
きる設計方法を提案するものである。本実施例では、充
填時間と共に、キャビティ間において、各キャビティ内
部の充填過程中の圧力値と保圧過程中の圧力値が均等に
なるような金型設計を実現しようとするものである。図
8のフローでは、図1のフローに比べると、保圧解析を
行い、圧力評価を行うための#55の段階が追加されて
いる。
【0022】図4に示すような多数個取りの金型では、
成形品の品質(密度、外観、寸法等)が各キャビティご
とに差が無いことが必要であるが、これには、品質に影
響を及ぼすキャビティ間の圧力に差が無いことが望まし
い。そこで、本実施例では、充填時間と共に、キャビテ
ィ間において、各キャビティ内部の充填過程中の圧力値
と保圧過程中の圧力値が均等になるような設計を行うも
のである。
【0023】(実施例8)図9は本発明の実施例8の処
理内容を示すフローチャートである。本実施例では、上
述の各実施例により設計された金型を実際に製作した場
合に、同時充填性を満たさないときに、最小の回数で金
型を修正する方法を提案するものである。2個以上の同
形状あるいは異種形状のキャビティを持つ多数個取りの
金型を製作した場合、経験によるランナー設計はもちろ
んのこと、解析で多数個取り金型の同時充填性を考慮し
たランナー、ゲート等の設計を行っても、実際の金型で
の成形では、同時に充填しないことがある。これは解析
の精度が不足している等の問題があるためであるが、こ
の実成形の結果をもとに金型を変更することは容易では
なく、数回の修正をしてしまうことがある。
【0024】そこで、本実施例では、図9のような処理
により同時充填性を満たすように金型を最小の回数で修
正するものである。まず、#10の段階では、2個以上
の同形状あるいは異種形状のキャビティを持つ金型を設
計し製作した後、実際の成形での各キャビティへの成形
材料の充填時間を求めて、各キャビティの充填時間差が
大きい場合に、変更する部位を決めて、変更パラメータ
として決定する。次に、#15の段階では、解析の対象
モデルとして、実際の金型に用いた寸法通りの初期値を
与える。#20の段階では、解析結果での各キャビティ
の充填時間と実際の成形での各キャビティの充填時間と
を比較する算出手段とその基準値を決める。#30の段
階では、コード化した染色体を別途定めた個体数分ラン
ダムに発生させる。#40の段階では、コード化した染
色体を変更パラメータに与える。#50の段階では、与
えられた変更パラメータを用いて設計値を変更して流動
解析を行い、同時充填性評価を行う。#60の段階で
は、基準値を満たさない場合、#40及び#50の段階
を個体数分繰り返す。#70の段階では、適応度の高い
順に染色体を並び替えて、#80の段階では、選択、交
叉、突然変異という遺伝的アルゴリズムの3つの処理を
施し、変更パラメータの組み合わせを変更する。#90
の段階では、#40乃至#80の段階を別途定めた世代
数分繰り返す。目的関数が基準値を満たすか、あるいは
目的関数が基準値を満たさない場合は最終の結果により
求まる適応度の最も高い変更パラメータを最適変更パラ
メータとして決定し、金型を修正する。
【0025】例えば、図4に示す多数個取り金型におい
て、キャビティ4a,4b,4c,4dについての実際
の充填時間が2.0秒、1.8秒、1.5秒、2.3秒
であり、解析での充填時間がキャビティ4a,4b,4
c,4dについてそれぞれ1.8秒、1.9秒、2.0
秒、2.1秒であり、目的の充填時間が2.0秒である
とすると、解析結果を線形補正して、 キャビティ4aについて、(1.8/2.0)×2.0
=1.8秒 キャビティ4bについて、(1.9/1.8)×2.0
=2.11秒 キャビティ4cについて、(2.0/1.5)×2.0
=2.67秒 キャビティ4dについて、(2.1/2.3)×2.0
=1.83秒 を解析の目標値として変更パラメータを決定する。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、複数のランナ
ー及びゲートを有する金型の1つ又は複数のキャビティ
における複数の目的位置に成形材料が同時に充填される
ように金型の各設計パラメータを解析により設計する方
法において、遺伝的アルゴリズムを用いて設計パラメー
タを決定するようにしたから、限られた計算回数で精度
の良い設計値を得ることができる。
【0027】請求項2の発明によれば、2個以上の同形
状あるいは異種形状のキャビティを持つ金型において、
成形材料が各キャビティに同じ形状で充填されるように
金型の各設計パラメータを決定するものであるから、複
数の成形品を同じ品質で生産することができるという利
点がある。請求項3の発明によれば、設計パラメータと
して、各キャビティのサブランナーの肉厚を対象とする
ので、サブランナーは比較的細い部分であることにより
樹脂の制御が容易であり、成形後に金型の再加工による
微調整がしやすいという利点がある。
【0028】請求項4の発明によれば、設計パラメータ
として、メインランナーを対象とするので、メインラン
ナーは比較的太い部分であることにより、樹脂の発熱、
金型の摩耗等が起きにくいという利点があり、したがっ
て、安定した成形が可能になるという効果がある。請求
項5〜7の発明によれば、同時充填性評価と共に、他の
指標に基づく他の解析を行い、該解析結果の評価関数に
より適応度を算出するものであるから、例えば、請求項
6のように、充填材料が熱硬化性材料である場合におい
て、充填材料の硬化度を評価関数としたり、あるいは、
請求項7のように、多数個取りの金型において各キャビ
ティ内部の充填過程中の圧力値を評価関数とすることに
より、品質のばらつきが少ない成形が可能となる。
【0029】請求項8の発明によれば、2個以上の同形
状あるいは異種形状のキャビティを持つ金型を設計し製
作した後、各キャビティへ同時に成形材料が充填される
ように金型の変更パラメータを修正する金型製作方法に
おいて、遺伝的アルゴリズムを用いて変更パラメータを
決定するようにしたから、少ない回数で金型を修正する
ことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の処理内容を示すフローチャー
トである。
【図2】本発明が設計対象とする金型の一例を示す概略
図である。
【図3】本発明で用いる遺伝的アルゴリズムの説明図で
ある。
【図4】本発明が設計対象とする多数個取り金型の一例
を示す概略図である。
【図5】本発明が設計対象とする金型のメインランナー
の構成を示す概略図である。
【図6】請求項5の発明の処理内容を示すフローチャー
トである。
【図7】請求項6の発明の処理内容を示すフローチャー
トである。
【図8】請求項7の発明の処理内容を示すフローチャー
トである。
【図9】請求項8の発明の処理内容を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 スプル 2a〜2d ランナー 3a〜3d ゲート 4 キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G06F 15/60 604A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のランナー及びゲートを有する金
    型の1つ又は複数のキャビティにおける複数の目的位置
    に成形材料が同時に充填されるように金型の各設計パラ
    メータを解析により設計する方法において、(a)解析
    の対象モデルとして、金型の設計パラメータのうち少な
    くとも1つを設計変数として決定する段階、(b)目的
    関数として同時充填性を評価する算出手段と基準値を決
    める段階、(c)コード化した染色体を別途定めた個体
    数分ランダムに発生させる段階、(d)コード化した染
    色体を設計パラメータに与える段階、(e)与えられた
    設計パラメータを用いて流動解析を行い、基準値を用い
    て同時充填性評価を行う段階、(f)基準値を満たさな
    い場合、上記(d)及び(e)の段階を個体数分繰り返
    す段階、(g)適応度の高い順に染色体を並び替える段
    階、(h)選択、交叉、突然変異という遺伝的アルゴリ
    ズムの3つの処理を施し、設計パラメータの組み合わせ
    を変更する段階、(i)(d)乃至(h)の段階を別途
    定めた世代数分繰り返す段階、(j)目的関数が基準値
    を満たすか、あるいは目的関数が基準値を満たさない場
    合は最終の結果により求まる適応度の最も高い設計パラ
    メータを最適設計パラメータとする段階を含むことを特
    徴とする金型設計方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、金型は2個以上の
    同形状あるいは異種形状のキャビティを持ち、成形材料
    が各キャビティに同じ形状で充填されるように金型の各
    設計パラメータを解析により設計することを特徴とする
    金型設計方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、設計パラメ
    ータとして、各キャビティのサブランナーの肉厚を対象
    とすることを特徴とする金型設計方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、設計パラメ
    ータとして、メインランナーを対象とすることを特徴と
    する金型設計方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2において、同時充填性
    評価と共に、他の指標に基づく他の解析を行い、該解析
    結果の評価関数により適応度を算出することを特徴とす
    る金型設計方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、充填材料が熱硬化
    性材料である場合において、各キャビティの充填時間と
    共に、充填材料の硬化度を評価関数とすることを特徴と
    する金型設計方法。
  7. 【請求項7】 請求項5において、各キャビティの充
    填時間と共に、各キャビティ内部の充填過程中の圧力値
    を評価関数とすることを特徴とする金型設計方法。
  8. 【請求項8】 2個以上の同形状あるいは異種形状の
    キャビティを持つ金型を設計し製作した後、各キャビテ
    ィへ同時に成形材料が充填されるように金型の変更パラ
    メータを修正する金型製作方法において、(a)実際の
    成形での各キャビティへの成形材料の充填時間を求める
    段階、(b)各キャビティの充填時間差が大きい場合
    に、変更する部位を決めて、変更パラメータとして決定
    する段階、(c)解析の対象モデルとして、実際の金型
    に用いた寸法通りの初期値を与える段階、(d)解析結
    果での各キャビティの充填時間と実際の成形での各キャ
    ビティの充填時間とを比較する算出手段とその基準値を
    決める段階、(e)コード化した染色体を別途定めた個
    体数分ランダムに発生させる段階、(f)コード化した
    染色体を変更パラメータに与える段階、(g)与えられ
    た変更パラメータを用いて設計値を変更して流動解析を
    行い、同時充填性評価を行う段階、(h)基準値を満た
    さない場合、上記(f)及び(g)の段階を個体数分繰
    り返す段階、(i)適応度の高い順に染色体を並び替え
    る段階、(j)選択、交叉、突然変異という遺伝的アル
    ゴリズムの3つの処理を施し、変更パラメータの組み合
    わせを変更する段階、(k)(f)乃至(j)の段階を
    別途定めた世代数分繰り返す段階、(l)目的関数が基
    準値を満たすか、あるいは目的関数が基準値を満たさな
    い場合は最終の結果により求まる適応度の最も高い変更
    パラメータを最適変更パラメータとして決定し、金型を
    修正する段階を含むことを特徴とする金型製作方法。
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