JPH11240444A - セミフルパワーブレーキシステム - Google Patents

セミフルパワーブレーキシステム

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JPH11240444A
JPH11240444A JP10290498A JP29049898A JPH11240444A JP H11240444 A JPH11240444 A JP H11240444A JP 10290498 A JP10290498 A JP 10290498A JP 29049898 A JP29049898 A JP 29049898A JP H11240444 A JPH11240444 A JP H11240444A
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JP
Japan
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pressure
brake
hydraulic pressure
power
mcy
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Application number
JP10290498A
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English (en)
Inventor
Michio Kobayashi
小林道夫
Masahiro Shimada
島田昌宏
Mamoru Sawada
沢田護
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Jidosha Kiki Co Ltd
Denso Corp
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
Denso Corp
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Publication date
Application filed by Jidosha Kiki Co Ltd, Denso Corp filed Critical Jidosha Kiki Co Ltd
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】セミフルパワーブレーキシステムにおいて、液
圧源が失陥しても、フルパワーブレーキ系のブレーキも
確実に作動させる。 【解決手段】液圧源9,11の正常時、ブレーキ作動で
動力室5に導入される液圧がW/C21,22に導入さ
れ、フルパワーブレーキ系のブレーキが作動する。動力
室5の液圧でパワーピストン3が作動し、MCY14の
MCYピストン15がMCY圧を発生し、このMCY圧
はW/C23,24に導入され、MCYブレーキ系のブ
レーキが作動する。液圧源9,11の失陥時、両開閉弁
31,33が切り換えられる。ブレーキ作動時、動力室
5に液圧が導入されないが、入力軸12の前進でパワー
ピストン3が作動し、MCY14がMCY圧を発生す
る。このMCY圧が圧力変換シリンダ27にも導入され
て、圧力変換シリンダ27が液圧を発生し、この液圧が
W/C21,22に導入され、両系統のブレーキが作動
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレーキペダルの
踏力を液圧で倍力して出力する液圧倍力装置を備えた2
系統のブレーキシステムの技術分野に属し、特に液圧倍
力装置の動力室の液圧を一方の系統のブレーキシリンダ
に導入するとともに、動力室の液圧で作動する液圧倍力
装置の出力でマスタシリンダ(以下、MCYともいう)
を作動させ、このMCYが発生するマスタシリンダ圧
(以下、MCY圧ともいう)を他方の系統のブレーキシ
リンダに導入することにより、それぞれ各系統のブレー
キを作動させるセミフルパワーブレーキシステムの技術
分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のブレーキシステムにおいては、
従来から、ペダル踏力を液圧で倍力して大きなブレーキ
力を得る液圧倍力装置が多く採用されているとともに、
この液圧倍力装置の出力でタンデムマスタシリンダを作
動し、MCYの各ピストンが発生するMCY圧を、2系
統のそれぞれ対応するホイールシリンダ(以下、W/C
ともいう)に導入することにより、両系統のブレーキを
作動するようになっている。
【0003】図3は、このような液圧倍力装置を備えた
従来のブレーキシステムの一例を模式的に示す図であ
る。図中、1′はブレーキシステム、2は液圧倍力装
置、3は液圧倍力装置2のパワーピストン、4はパワー
ピストン3内に設けられた液圧倍力装置2の制御弁、5
は液圧倍力装置2の動力室、6は液圧倍力装置2の液圧
供給通路、7は液圧倍力装置2の液圧排出通路、8はブ
レーキ液を貯えるとともに液圧排出通路7が接続される
リザーバ、9はリザーバ8のブレーキ液を吸込み、吐出
するポンプ、10はポンプ9を駆動するモータ、11は
ポンプ9の吐出圧を蓄えるとともに液圧供給通路6に接
続されるアキュムレータ、12は制御弁4を切換制御す
る入力軸、13は入力軸12に連結されたブレーキペダ
ル、14はMCY、15はMCY14のプライマリピス
トン(なお、図示例ではパワーピストン3と一体になっ
ているが、これと別体のものもある)、16はMCY1
4のセカンダリピストン、17は第1液室、18は第2
液室、19は第1リターンスプリング、20は第2リタ
ーンスプリング、21,22は第1液室17に接続され
る一方の系統のW/C、23,24は第2液室18に接
続される他方の系統のW/Cである。
【0004】このブレーキシステムにおいては、ブレー
キ非作動時は図示の状態にあり、制御弁4により、動力
室5が液圧供給通路6から遮断され、かつ液圧排出通路
7に接続されている。したがって、動力室5は大気圧と
なっている。また、プライマリピストン15およびセカ
ンダリピストン16とはともに図示の非作動位置にあ
り、第1および第2液室17,18はともにリザーバ8
に接続されている。したがって、第1および第2液室1
7,18もともに大気圧となっている。また、モータ1
0によりポンプ9が駆動され、アキュムレータ11には
常時所定圧が蓄えられている。
【0005】この状態から、ブレーキペダル13が踏み
込まれてブレーキ操作が行われると、入力軸12が前進
して、制御弁4を切り換える。これにより、動力室5が
液圧排出通路7から遮断され、かつ液圧供給通路6に接
続される。すると、アキュムレータ11の液圧が液圧供
給通路6を介して動力室5に導入されるので、この動力
室5の液圧によりパワーピストン3が作動して前進す
る。パワーピストン3の前進により、プライマリピスト
ン15が前進するので、第1液室17がリザーバ8から
遮断されて、MCY圧を発生する。同時に、この第1液
室17のMCY圧により、セカンダリピストン16が前
進するので、第2液室18もリザーバ8から遮断され
て、MCY圧を発生する。これら第1および第2液室1
7,18の各MCY圧がそれぞれ各系統のW/C21,2
2,23,24に導入され、ブレーキが作動する。
【0006】ブレーキペダル2の踏込を解除すると、入
力軸12が後退して、制御弁4が切り換わり、動力室5
が液圧供給通路6から遮断され、かつ液圧排出通路7に
接続される。すると、第1リターンスプリング19のば
ね力および第1液室17の液圧により、パワーピストン
3が動力室5内の圧液を、液圧排出通路7を介してリザ
ーバ8に排出しながら、後退する。パワーピストン3の
後退により、プライマリピストン15が後退して第1液
室17の液圧が低下するとともに、第2リターンスプリ
ング20のばね力および第2液室20の液圧により、セ
カンダリピストン16が後退して第2液室18の液圧が
低下する。
【0007】パワーピストン3、プライマリピストン1
5およびセカンダリピストン16が非作動位置まで後退
すると、動力室5が大気圧となるとともに、第1および
第2液室17,18がともにリザーバ8に接続され、大
気圧となり、ブレーキが解除される。
【0008】このブレーキシステム1′においては、ポ
ンプ9、モータ10およびアキュムレータ11の液圧源
が失陥して、液圧倍力装置2にこれを作動するための液
圧が導入されなくなっても、ブレーキペダル2を通常時
より大きく踏み込むことにより、入力軸12がパワーピ
ストン3を直接押動するので、プライマリピストン15
およびセカンダリピストン16が作動して、第1および
第2液室17,18にMCY圧を発生させることがで
き、液圧源が失陥しても、ブレーキを確実にかけること
ができるようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本出願人
は、新たなブレーキシステムとして、図4に示すように
(図3に示す構成要素と同じものには同じ符号を付
す)、2系統ブレーキにおいて、液圧倍力装置2の動力
室5を一方の系統のW/C21,22に直接接続し、こ
の動力室5に導入される液圧を一方の系統のW/C2
1,22に直接導入して一方の系統のブレーキを作動す
るフルパワーブレーキ系と、液圧倍力装置2の出力で作
動されるMCY14のMCYピストン15(図3のプラ
イマリピストン15と、便宜上同じ符号を付す)によっ
て発生される第2液室18(以下、単に液室18とい
う;第1液室17でもよいことは言うまでもない)のM
CY圧を、他方の系統のW/C23,24に導入して他
方の系統のブレーキを作動するMCYブレーキ系とから
なるセミフルパワーブレーキシステム1を提案している
(特願平8−309214号)。
【0010】このセミフルパワーブレーキシステム1に
おいては、動力室5の液圧を一方の系統のW/C21,
22に直接導入しているので、同じブレーキ力を得る場
合、ブレーキペダル13のストロークが、MCY圧を両
系統のW/C21,22,23,24に導入する従来の一
般的なブレーキシステムに比べて小さくなる。
【0011】しかしながら、このセミフルパワーブレー
キシステム1では、ブレーキ作動時、フルパワーブレー
キ系において、アキュムレータ11の液圧が動力室5を
介して、直接一方の系統のW/C21,22に導入され
るようになっているため、液圧源が失陥すると、液圧が
W/C21,22に導入されなくなり、一方の系統のブ
レーキが作動しなくなることが考えられる。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、液圧源が失陥しても、フ
ルパワーブレーキ系のブレーキも確実に作動させること
のできるセミフルパワーブレーキシステムを提供するこ
とである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明のセミフルパワーブレーキシステ
ムは、2系統のブレーキシステムにおいて、液圧を発生
する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、出力を発生
するパワーピストンと、このパワーピストンの受圧面が
面する動力室と、非作動時に前記動力室を前記液圧源か
ら遮断するとともに前記リザーバに連通し、作動時に前
記動力室を前記リザーバから遮断するとともに前記液圧
源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動に応じて前
記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を作動制御す
る入力軸と、前記パワーピストンの出力によって作動制
御されて液室にマスタシリンダ圧を発生するマスタシリ
ンダピストンを有するマスタシリンダと、前記動力室の
液圧が導入されることによりブレーキ力を発生する一方
の系統のブレーキシリンダと、前記マスタシリンダのマ
スタシリンダ圧が導入されることによりブレーキ力を発
生する他方の系統のブレーキシリンダと、前記液圧源の
正常時に前記一方の系統のブレーキシリンダを動力室に
接続するとともに、前記液圧源の失陥時に前記一方の系
統のブレーキシリンダを前記マスタシリンダの液室側に
接続する圧力切換制御弁とを備えていることを特徴とし
ている。
【0014】また、請求項2の発明は、前記圧力切換制
御弁が、常開および常閉の2つの開閉弁または1つの切
換弁からなることを特徴としている。更に、請求項3の
発明は、前記開閉弁または前記切換弁が、前記液圧源の
液圧によって制御されることを特徴としている。更に、
請求項4の発明は、前記圧力切換制御弁が電磁弁で構成
されていることを特徴としている。
【0015】更に、請求項5の発明は、前記圧力切換制
御弁より前記一方の系統のブレーキシリンダ側で、前記
液圧源の失陥時に前記一方の系統のブレーキシリンダを
前記マスタシリンダの液室側に接続する通路に、液圧が
導入されることによりブレーキ圧を発生して前記一方の
系統のブレーキシリンダに導入する圧力可変シリンダを
備えていることを特徴としている。
【0016】
【作用】このような構成をした請求項1ないし5の発明
のセミフルパワーブレーキシステムにおいては、液圧源
の正常時には、圧力切換制御弁より動力室の液圧が一方
の系統のフルパワーブレーキ系のブレーキシリンダに導
入されるとともに、MCYのMCY圧が他方の系統のM
CYブレーキ系のブレーキシリンダに導入されて、両系
統のブレーキが作動する。
【0017】また、液圧源の失陥時には、圧力切換制御
弁よりフルパワーブレーキ系のブレーキシリンダが動力
室から遮断されてMCY側に接続される。これにより、
MCYのMCY圧がMCYブレーキ系のブレーキシリン
ダに導入されるばかりでなく、フルパワーブレーキ系の
ブレーキシリンダにも導入されるようになる。したがっ
て、液圧源失陥時にもMCYブレーキ系のブレーキが作
動するばかりでなく、フルパワーブレーキ系のブレーキ
も確実に作動するようになる。
【0018】更に、動力室の液圧を直接ブレーキシリン
ダに導入することから、マスタシリンダをタンデム型に
する必要がなくなるため、液圧倍力装置とマスタシリン
ダとの組立体の全長が短縮する。
【0019】特に、請求項5の発明においては、液圧源
の失陥時に、MCY圧がフルパワーブレーキ系に導入さ
れる際に、MCY圧はフルパワーブレーキ系のブレーキ
シリンダに直接導入されるのではなく、まず圧力変換シ
リンダに導入され、これによって圧力変換シリンダが発
生する液圧がフルパワーブレーキ系のブレーキシリンダ
に導入されるようになる。
【0020】したがって、フルパワーブレーキ系の圧力
切換制御弁よりブレーキシリンダ側がそのブレーキ配管
等が失陥して液漏れを生じている場合に、MCYの圧液
が圧力変換シリンダによってフルパワーブレーキ系に漏
出するのが阻止されるので、MCY14のブレーキ液が
この失陥部から漏出することはない。その結果、この場
合でも、MCYブレーキ系のブレーキが作動可能であ
り、ブレーキ機能が確保される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態について説明する。図1は本発明に係るセミフル
パワーブレーキシステムの実施の形態の第1例を模式的
に示す、図4と同様の図である。なお、前述の図3およ
び図4に示す例と同じ構成要素には同じ符号を付すこと
により、その詳細な説明は省略する(以下の他の例も同
様である)。
【0022】図1に示すように、この第1例のセミフル
パワーブレーキシステム1は、図4に示すセミフルパワ
ーブレーキ1において、動力室5と一方の系統のW/C
21,22とを接続する通路25と、MCY14の液室
18とを接続する通路26との間に、圧力変換シリンダ
27を備えている。この圧力変換シリンダ27は、一端
側が通路25に接続されているとともに他端側が通路2
6に接続されているシリンダ28と、このシリンダ28
内を液密に摺動可能に設けられたピストン29と、この
ピストン29をシリンダ28の他端側に常時付勢するス
プリング30とからなっている。
【0023】そして、このピストン29は、そのスプリ
ング30と反対側の面にMCYブレーキ系の液室18の
液圧が作用したとき、シリンダ28のスプリング30側
にブレーキ圧を発生するようになっている。その場合、
通路25およびW/C21,22のフルパワーブレーキ
系のブレーキ配管等に失陥が生じて液漏れを生じている
状態で、液室18の液圧がピストン29に作用したとき
に、液室18からの圧液がピストン29を通ってスプリ
ング30側に漏出しないようになっている。
【0024】また、圧力変換シリンダ27と通路25と
の接続点aより液圧倍力装置2側の通路25には、常開
の第1開閉弁31が設けられている。この第1開閉弁3
1は、アキュムレータ11の液圧がパイロット圧として
作用するようになっており、アキュムレータ11の液圧
が正常であるときは図示の連通位置に設定され、またア
キュムレータ11の液圧が失陥したときは遮断位置に切
換設定されるようになっている。
【0025】更に、圧力変換シリンダ27と通路26と
を接続する通路32には、常閉の第2開閉弁33が設け
られている。この第2開閉弁33は、同様にアキュムレ
ータ11の液圧がパイロット圧として作用するようにな
っており、アキュムレータ11の液圧が正常であるとき
は図示の遮断位置に設定され、またアキュムレータ11
の液圧が失陥したときは連通位置に切換設定されるよう
になっている。
【0026】この第1例のセミフルパワーブレーキシス
テム1の他の構成は、図3および図4に示すブレーキシ
ステムと同じである。
【0027】このように構成された第1例のセミフルパ
ワーブレーキシステム1においては、液圧倍力装置2お
よびMCY14は図3に示す従来例と実質的に同じ作用
を行う。また、ポンプ9、モータ10およびアキュムレ
ータ11の液圧源が正常である、すなわちアキュムレー
タ11に所定の液圧が蓄えられているときは、第1およ
び第2開閉弁31,33はともに図示の位置に設定され
ている。すなわち、このときは、第1例のセミフルパワ
ーブレーキシステム1は、動力室5がW/C21,22
に直接接続されるとともに、液室18が圧力変換シリン
ダ27から遮断されて、図4に示すセミフルパワーブレ
ーキシステム1と実質的に同じになる。
【0028】したがって、ブレーキ作動時、前述と同様
に入力軸12の前進により液圧倍力装置2の制御弁4が
切り換えられて、動力室5にアキュムレータ11からの
液圧が導入される。すると、動力室5の液圧は第1開閉
弁31を通ってW/C21,22に導入され、フルパワ
ーブレーキ系のブレーキが作動する。このとき、圧力変
換シリンダ27のピストン29が、スプリング30によ
りシリンダ28の他端に押圧されていてストロークする
ことがないので、動力室の液圧のロスが防止されて、迅
速にブレーキが作動する。
【0029】一方、前述と同様に動力室5の液圧により
パワーピストン3が前進するので、MCYピストン15
が前進して液室18にMCY圧を発生する。このMCY
圧はW/C23,24に導入され、MCYブレーキ系の
ブレーキが作動する。このとき、第2開閉弁33が閉じ
ているので、MCY圧が圧力変換シリンダ27に影響す
ることはなく、MCY圧のロスが防止されて、迅速にブ
レーキが作動する。
【0030】こうして、両系統のブレーキがともに作動
するようになるが、その場合パワーピストン3の受圧面
積とMCYピストン15の受圧面積とが等しく設定され
ているので、両系統のブレーキにおけるブレーキ力は同
じになる。
【0031】また、液圧源が失陥してアキュムレータ1
1の液圧が所定値以下になると、第1開閉弁31が閉じ
て、第2開閉弁32が開く。この状態で、ブレーキペダ
ル13の踏込によるブレーキ作動が行われると、入力軸
12が前進して制御弁4が切り換わっても動力室5に液
圧が導入されなく、この液圧による液圧倍力装置の作動
は行われない。そして、前述の図3の例の場合と同様
に、入力軸12が更に前進してパワーピストン3を直接
押動することにより、MCYピストン15が前進して液
室18にMCY圧が発生する。このMCY圧が、前述の
ようにMCYブレーキ系のW/C23,24に導入され
て、MCYブレーキ系のブレーキが作動する。また、こ
のMCY圧は第2開閉弁33を介して圧力変換シリンダ
27にも導入されるので、このMCY圧により、ピスト
ン29がMCY圧に対応した量だけストロークする。こ
のとき、第1開閉弁31が閉じていて、この第1開閉弁
31よりW/C21,22側のブレーキ液が密封されて
いるので、このピストン29のストロークにより、圧力
変換シリンダ27はストローク30側に液圧を発生す
る。この液圧がブレーキ圧としてW/C21,22に導
入され、フルパワーブレーキ系のブレーキが作動する。
【0032】こうして、液圧源の失陥時にも、両系統の
ブレーキが確実に作動するようになる。その場合、圧力
変換シリンダ27のピストン29の、通路25側の受圧
面積と通路26側の受圧面積とが等しく設定されている
ので、両系統のブレーキのブレーキ力が同じになる。
【0033】また、第1開閉弁31よりW/C21,2
2側のブレーキ配管等に失陥があって、液漏れを生じて
いる場合には、MCY圧によりピストン29が最大にシ
リンダ28の一端側にストロークするようになるが、M
CY14の液室18の圧液がピストン29により失陥側
のフルパワーブレーキ系に漏出することが防止されるの
で、この場合でもMCYブレーキ系のブレーキは確実に
作動するようになる。
【0034】更に、動力室5の液圧を直接W/C21,
22に導入することから、マスタシリンダ14をタンデ
ム型にする必要がなくなるため、液圧倍力装置2とマス
タシリンダ14との組立体の全長が短縮するようにな
る。この第1例のセミフルパワーブレーキシステム1の
他の作用効果は、図3および図4示す例と同じである。
【0035】図2は、本発明の実施の形態の第2例を示
す図である。前述の第1例では、圧力変換シリンダ27
が通路25と通路26との間に設けているが、この第2
例のセミフルパワーブレーキシステム1では、通路25
に設けられている。その場合、シリンダ28の一端側が
W/C21,22に接続されているとともに、シリンダ
28の他端側が動力室5側に接続されている。
【0036】また、前述の第1例では、2つの第1およ
び第2開閉弁31,33を用いているが、この第2例の
セミフルパワーブレーキシステム1では、図2に示すよ
うにこれらの第1および第2開閉弁31,33に代え
て、1つの切換弁34が、動力室5と圧力変換シリンダ
27との間の通路25に用いられている。この切換弁3
4は、圧力変換シリンダ27を動力室5に接続する第1
位置と、圧力変換シリンダ27を通路26、つまりMC
Y14の液室18に接続する第2位置とが設定されてお
り、液圧源が正常時にはアキュムレータ11からのパイ
ロット圧により図示の第1位置に設定されるとともに、
液圧失陥時には第2位置に切り換え設定されるようにな
っている。この第2例のセミフルパワーブレーキシステ
ム1の他の構成は第1例と同じである。
【0037】このように構成された第2例のブレーキシ
ステム1においては、液圧源が正常時には切換弁34が
第1位置に設定されるので、圧力変換シリンダ27は動
力室5に接続され、液室18から遮断される。前述の各
例と同様に、ブレーキ作動が行われると、入力軸12が
前進して制御弁4が切り換わり、動力室5にアキュムレ
ータ11からの液圧が導入される。動力室5の液圧は圧
力変換シリンダ27に導入されるので、圧力変換シリン
ダ27のピストン29が前述と同様に動力室5の液圧に
対応した量だけストロークして液圧を発生する。この液
圧がブレーキ圧としてW/C21,22に導入され、フ
ルパワーブレーキ系のブレーキが作動する。
【0038】また、前述と同様に動力室5の液圧により
パワーピストン3が前進し、MCYピストン15が前進
してMCY圧を発生するので、MCYブレーキ系のブレ
ーキが作動する。このとき、切換弁34により通路26
側が圧力変換シリンダ27から遮断されているので、M
CY圧が圧力変換シリンダ27に影響することはなく、
MCY圧のロスが防止されて、迅速にブレーキが作動す
る。
【0039】一方、液圧源が失陥してアキュムレータ1
1の液圧が所定値以下になると、切換弁34が第2位置
に切換設定される。これにより、圧力変換シリンダ27
は動力室5から遮断され、液室18に接続される。前述
の各例と同様に、ブレーキ作動時に入力軸12の前進で
制御弁4が切り換わっても、動力室5には液圧が導入さ
れなく、入力軸12の更なる前進によりパワーピストン
3およびMCYピストン15がともに前進し、液室18
にMCY圧が発生する。
【0040】このMCY圧により、前述と同様にMCY
ブレーキ系のブレーキが作動し、またMCY圧が切換弁
34を介して圧力変換シリンダ27に導入される。する
と、前述と同様にピストン29がストロークして液圧を
発生し、フルパワーブレーキ系が作動する。
【0041】こうして、この第2例のセミフルパワーブ
レーキシリンダ1においても、液圧源の失陥時に、両系
統のブレーキが確実に作動するようになる。この第2例
のセミフルパワーブレーキシステム1の他の作用効果
は、第1例と同じである。
【0042】なお、前述の各例では、第1および第2開
閉弁31,33と切換弁34とがアキュムレータ11の
液圧をパイロット圧として制御されるようにしている
が、これらの第1および第2開閉弁31,33と切換弁
34とを電磁弁で構成するとともに、アキュムレータ1
1の圧力を検出する圧力センサを設け、この圧力センサ
の圧力検出信号に基づいて、各電磁弁31,33,34を
直接または電子制御装置によって切換制御することもで
きる。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のセミフルパワーブレーキシステムによれば、液圧源の
失陥時に、圧力切換制御弁よりフルパワーブレーキ系の
ブレーキシリンダを動力室から遮断してMCY側に接続
するようにしているので、液圧源失陥時にもMCYブレ
ーキ系のブレーキを作動できるばかりでなく、フルパワ
ーブレーキ系のブレーキも確実に作動することができる
ようになる。
【0044】更に、動力室の液圧を直接ブレーキシリン
ダに導入しているので、マスタシリンダをタンデム型に
する必要がなくなるため、液圧倍力装置とマスタシリン
ダとの組立体の全長を短縮できる。
【0045】特に、請求項5の発明によれば、液圧源の
失陥時に、MCY圧により圧力変換シリンダを作動する
ことにより発生する液圧をフルパワーブレーキ系ブレー
キシリンダに導入しているので、フルパワーブレーキ系
の圧力切換制御弁よりブレーキシリンダ側がそのブレー
キ配管等が失陥して液漏れを生じている場合に、MCY
の圧液が圧力変換シリンダによってフルパワーブレーキ
系に漏出するのを阻止できる。したがって、この場合で
も、MCYブレーキ系のブレーキを作動させることが可
能となり、ブレーキ機能を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るセミフルパワーブレーキシステ
ムの実施の形態の一例を模式的に示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態の他の例を模式的に示す
図である。
【図3】 従来の液圧倍力装置およびタンデムマスタシ
リンダを備えた2系統のブレーキシステムを模式的に示
す図である。
【図4】 先願に係るセミフルパワーブレーキを模式的
に示す図である。
【符号の説明】
1…セミフルパワーブレーキシステム、2…液圧倍力装
置、3…パワーピストン、4…制御弁、5…動力室、6
…液圧供給通路、7…液圧排出通路、8…リザーバ、9
…ポンプ、11…アキュムレータ、12…入力軸、13
…ブレーキペダル、14…MCY、15…MCYピスト
ン(プライマリピストン)、18…液室(第2液室)、
21,22…一方の系統のフルパワーブレーキ系のW/
C、23,24…MCYブレーキ系のW/C、25,2
6,32…通路、27…圧力変換シリンダ、28…シリ
ンダ、29…ピストン、30…スプリング、31…第1
開閉弁、33…第2開閉弁、34…切換弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田護 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソ−内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2系統のブレーキシステムにおいて、 液圧を発生する液圧源と、作動液を貯えるリザーバと、
    出力を発生するパワーピストンと、このパワーピストン
    の受圧面が面する動力室と、非作動時に前記動力室を前
    記液圧源から遮断するとともに前記リザーバに連通し、
    作動時に前記動力室を前記リザーバから遮断するととも
    に前記液圧源に連通して、前記液圧源の圧液をその作動
    に応じて前記動力室に導入する制御弁と、この制御弁を
    作動制御する入力軸と、前記パワーピストンの出力によ
    って作動制御されて液室にマスタシリンダ圧を発生する
    マスタシリンダピストンを有するマスタシリンダと、前
    記動力室の液圧が導入されることによりブレーキ力を発
    生する一方の系統のブレーキシリンダと、前記マスタシ
    リンダのマスタシリンダ圧が導入されることによりブレ
    ーキ力を発生する他方の系統のブレーキシリンダと、前
    記液圧源の正常時に前記一方の系統のブレーキシリンダ
    を動力室に接続するとともに、前記液圧源の失陥時に前
    記一方の系統のブレーキシリンダを前記マスタシリンダ
    の液室側に接続する圧力切換制御弁とを備えていること
    を特徴とするセミフルパワーブレーキシステム。
  2. 【請求項2】 前記圧力切換制御弁は、常開および常閉
    の2つの開閉弁または1つの切換弁からなることを特徴
    とする請求項1記載のセミフルパワーブレーキシステ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記開閉弁または前記切換弁は、前記液
    圧源の液圧によって制御されることを特徴とする請求項
    1または2記載のセミフルパワーブレーキシステム。
  4. 【請求項4】 前記圧力切換制御弁は電磁弁で構成され
    ていることを特徴とする請求項1または2記載のセミフ
    ルパワーブレーキシステム。
  5. 【請求項5】 前記圧力切換制御弁より前記一方の系統
    のブレーキシリンダ側で、前記液圧源の失陥時に前記一
    方の系統のブレーキシリンダを前記マスタシリンダの液
    室側に接続する通路に、液圧が導入されることによりブ
    レーキ圧を発生して前記一方の系統のブレーキシリンダ
    に導入する圧力可変シリンダを備えていることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれか1記載のセミフルパワ
    ーブレーキシステム。
JP10290498A 1997-12-24 1998-10-13 セミフルパワーブレーキシステム Pending JPH11240444A (ja)

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JP9-354926 1997-12-24
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018083627A (ja) * 2018-02-08 2018-05-31 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ装置

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JP2018083627A (ja) * 2018-02-08 2018-05-31 日立オートモティブシステムズ株式会社 ブレーキ装置

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