JP2003276589A - ピストン構造体およびそれを用いた圧力制御装置 - Google Patents
ピストン構造体およびそれを用いた圧力制御装置Info
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- B60T17/04—Arrangements of piping, valves in the piping, e.g. cut-off valves, couplings or air hoses
Abstract
に複数の圧力発生装置と複数の出力回路とを備えた圧力
制御装置に適用したとき、この装置の大型化やコストア
ップを避けつつ、失陥対策を図る。 【解決手段】 シリンダ51内に組み込まれた少なくと
も二つのピストン52,53と、これらのピストンによ
ってシリンダ内に直列に構成された少なくとも三つの圧
力室とを有し、第1圧力室57と、第2圧力室58およ
び第3圧力室59の一方とに対して個別に圧力の供給が
可能で、また第2圧力室58と第3圧力室59とがそれ
ぞれ個別に圧力を出力できるように構成されたピストン
構造体において、第2圧力室および第3圧力室の少なく
とも一方(第3圧力室59)が切替弁機構60を介して
外部回路に連通している。この切替弁機構60は、第3
圧力室59が第2ピストン53の移動によって拡大して
いるときに開弁状態となり、縮小しているときに閉弁状
態となるように設定されている。
Description
と複数の出力回路とを備えた圧力制御システムに用いる
ことに適したピストン構造体およびそれを用いた圧力制
御装置に関する。
れを応用した車両制動装置については例えば特願200
1−14903に開示されている技術を挙げることがで
きる。ただし、この技術は現時点において未公開であ
る。図5は前記の車両制動装置を表したシステム図であ
る。この図面で示されている液圧制御装置10は比例圧
力制御弁20と、ブレーキペダル14の操作力を受けて
液圧を発生させる圧力発生器30とが一体化されたもの
である。この液圧制御装置10は、圧力源12から供給
されるブレーキ液圧を、ブレーキペダル14に加えた踏
力に対し、比例圧力制御弁20で比例増幅させて第1系
統の車輪ブレーキ16に送り出す。なお圧力源12は、
モータ駆動のポンプ12aと畜圧器12bとを備えてい
る。
にスプール弁22、復帰スプリング23、スプール弁2
2の両受圧面に面積差を生じさせるピン24が組み込ま
れた構成になっている。したがってスプール弁22は、
入力ポート21aから導入される液圧を、ピン24で面
積差を生じさせている両受圧面に対向する推力として受
ける。この推力に復帰スプリング23の力を加えた力
と、ブレーキペダル14から圧力発生器30の第1・第
2ピストン31,33および第1・第2スプリング3
2,34を通じて受ける踏力とのバランス点にスプール
弁22が移動する。これにより、入力ポート21aおよ
び給排出ポート21cに対する出力ポート21bの接続
の切替えと、接続通路の開度調整とが行われる。
との間には、コピーバルブ40が設けられている。この
コピーバルブ40は、シリンダ41の内部に組み込まれ
ているピストン42がその一方の面に第1系統の回路1
8のブレーキ液圧を受け、他方の面に第2系統の回路1
9のブレーキ液圧とスプリング47の力とを受けるよう
になっている。またピストン42には、スプリング46
の力で閉弁方向に付勢された弁体44がセットされてい
る。そこで第1系統の回路18のブレーキ液が加圧され
ると、ピストン42がスプリング47の力に抗して移動
し、この移動の初期に弁体44によって入力ポート41
aが閉ざされる。その後もピストン42が移動し、出力
ポート41bを通じて第2系統の回路19のブレーキ液
も加圧される。
操作に伴う第1ピストン31の移動によって液室35の
ブレーキ液を加圧し、ブレーキペダル14に加えられた
踏力に見合った液圧を発生させる。この液圧は第2系統
の回路19を通じてコピーバルブ40の入力ポート41
aに作用し、この入力ポート41aが開いている状態で
あればシリンダ41内から第2系統の車輪ブレーキ17
に液圧が作用する。
液圧の方が、圧力発生器30の液室35内で生じた液圧
よりも高いときは、コピーバルブ40においてその入力
ポート41aが弁体44で閉ざされている。このため、
ブレーキペダル14から第1ピストン31に入力された
操作量がそのまま第2ピストン33に伝わり、この第2
ピストン33の移動が第2スプリング34を通じてスプ
ール弁22に伝わってこのスプール弁22の位置が制御
される。
の失陥によって第1系統の回路18のブレーキ液が加圧
されないと、コピーバルブ40の入力ポート41aが開
いたままとなる。このため、すでに述べたように圧力発
生器30の液室35に生じた液圧が第2系統の車輪ブレ
ーキ17に作用する。つまり何らかのトラブルによって
比例圧力制御弁20で調整されたブレーキ液圧が、圧力
発生器30の液室35内で生じた液圧よりも低くなった
ときは、第2系統の車輪ブレーキ17によって最低限の
制動力を確保している。
制御装置10においては、比例圧力制御弁20および圧
力発生器30の液室35といった二つの圧力発生装置の
うち、比例圧力制御弁20から出圧される液圧が低いと
きには、一方の系統にしか圧力を出力することができな
い。したがって液圧制御装置10を車両制動装置に適用
する場合は、一つの系統の車輪ブレーキのみで必要な制
動力を確保できる車両に限定される。この対策として圧
力発生器30の液室35やコピーバルブ40を車輪ブレ
ーキの各系統にそれぞれ設けることも考えられるが、そ
うすると車両制動装置の大型化やコストアップを招く。
本発明は前記の課題を解決しようとするもので、その目
的は、失陥対策のために複数の圧力発生装置と複数の出
力回路とを備えた圧力制御装置に適用したときに、この
装置の大型化やコストアップを避けつつ、失陥対策を図
ることである。
するためのもので、請求項1に記載の発明は、シリンダ
内に組み込まれた少なくとも二つのピストンと、これら
のピストンによってシリンダ内に直列に構成された少な
くとも三つの圧力室とを有し、これらの圧力室のうちの
第1圧力室と、第2圧力室および第3圧力室の一方とに
対して個別に圧力の供給が可能で、また第2圧力室と第
3圧力室とがそれぞれ個別に圧力を出力できるように構
成されたピストン構造体において、前記の第2圧力室お
よび第3圧力室の少なくとも一方が切替弁機構を介して
外部回路に連通している。前記切替弁機構は、この切替
弁機構を介して外部回路に連通している圧力室がピスト
ンの移動によって拡大しているときに開弁状態となり、
縮小しているときに閉弁状態となるように設定されてい
る。
されたピストン構造体であって、前記第1圧力室は第1
ピストンとシリンダの一方の内端面との間に構成され、
第2圧力室は第1ピストンと第2ピストンとの間に構成
され、第3圧力室は第2ピストンとシリンダの他方の内
端面との間に構成されている。第1圧力室が一つの圧力
供給回路に連通しているとともに、第2圧力室および第
3圧力室の一方が別の圧力供給回路に連通している。ま
た第2圧力室と第3圧力室とがそれぞれ個別の出力回路
に連通しており、第2圧力室および第3圧力室の少なく
とも一方が前記切替弁機構を介して圧力供給回路を含む
外部回路に連通している。
は第2圧力室および第3圧力室の少なくとも一方に供給
される圧力のうち、第1圧力室に供給された圧力が高い
場合は第1ピストンおよび第2ピストンが移動し、第2
圧力室と第3圧力室とをそれぞれ加圧して圧力を出力す
ることができる。この結果、例えばどちらかの圧力供給
源に何らかの故障が生じた場合でも、残った圧力供給源
により全ての出力回路に出力することができる。
に記載されたピストン構造体であって、前記第1ピスト
ンの受圧面積が第2ピストンの受圧面積よりも大きく設
定されている。これにより、第2圧力室の吐出液量を確
保するのに必要な第1ピストンのストローク量を減らす
ことでき、その分、シリンダの軸長を小さくできる。
は3に記載されたピストン構造体と、少なくとも二つの
圧力発生装置とを備えた圧力制御装置であって、これら
の圧力発生装置の一方が第1圧力室に連通し、圧力発生
装置の他方が第2圧力室および第3圧力室の一方に切替
弁機構を介して連通している。この圧力制御装置は、液
圧あるいは空圧の各種制御システムに適用することがで
きる。
は3に記載されたピストン構造体と、ブレーキ操作力に
応じた制御液圧を発生させる制御液圧発生手段と、ブレ
ーキ操作力を受けて液圧を発生させる液圧発生手段と、
前記の第2圧力室に連通する第1系統の車輪ブレーキ
と、前記の第3圧力室に連通する第2系統の車輪ブレー
キとを備えた圧力制御装置であって、制御液圧発生手段
が前記第1圧力室に連通し、液圧発生手段が第2圧力室
および第3圧力室の一方に切替弁機構を介して連通して
いる。この圧力制御装置は車両用の制動装置に適用され
たものであり、ブレーキ操作力に応じて車輪ブレーキの
液圧を調整(増幅)する制御液圧発生手段の圧力源など
に異常が生じたときでも、両系統の車輪ブレーキを効か
せることができる。
する。図1は実施の形態1のピストン構造体を表した断
面図である。このピストン構造体のボディ50にはシリ
ンダ51が形成されていて、このシリンダ51内には第
1ピストン52および第2ピストン53がそれぞれ組み
込まれている。これらの第1・第2ピストン52,53
により、シリンダ51の内部には三つの液圧室(圧力
室)57,58,59が直列に構成されている。つま
り、第1液圧室57はシリンダ51における図面左側の
内端面と第1ピストン52との間に構成され、第2液圧
室58は両ピストン52,53の間に構成され、第3液
圧室59はシリンダ51における図面右側の内端面と第
2ピストン53との間に構成されている。
けられているシール54,55は、個々のピストン5
2,53の外周とシリンダ51の内周との間の密封を保
持しつつ、このシリンダ51に対して摺動する。そして
ボディ50は第1液圧室57に通じる第1入力ポート5
0aと、第3液圧室59に通じる第2入力ポート50b
とを備えている。これらの入力ポート50a,50b
は、それぞれ個別の圧力源をもつ圧力供給回路(図示
外)に連通させる。さらにボディ50は第2液圧室58
に通じる第1出力ポート50cと、第3液圧室59に通
じる第2出力ポート50dとを備えている。これらの出
力ポート50c,50dは、それぞれ個別の出力回路
(図示外)に連通させる。
52と第2ピストン53とを互いに押し離す方向の力を
保有したスプリング56が設けられている。また第3液
圧室59の内部には、第2ピストン53の移動によって
開閉動作する切替弁機構60が設けられている。この切
替弁機構60の弁体62は、第2入力ポート50bを開
閉するように位置している。そしてこの弁体62は、第
3液圧室59の内部における第2ピストン53の端面
と、シリンダ51の内端面に押し付けられたスプリング
シート68との間に設けたスプリング66により、開弁
方向の力を受けている。
プリング66を圧縮しながら図面の右方向へ移動する
と、弁体62が第2入力ポート50bの内周縁にある弁
座64に密接して閉弁状態となる。これに対し、第2ピ
ストン53が初期位置にあるとき、または初期位置から
図面の左方向へ移動したときには、弁体62が弁座64
から離れて開弁状態になる。すなわち、切替弁機構60
は、第2ピストン53の移動によって第3液圧室59が
拡大しているときに開弁状態となり、第3液圧室59が
縮小しているときに閉弁状態となる。
れば、第1入力ポート50aから第1液圧室57に供給
される液圧の方が、第2入力ポート50bから第3液圧
室59に供給される液圧よりも高い場合、第1ピストン
52が図面の右方向へ移動する。これによって第2液圧
室58は、第1液圧室57における入力圧と同圧になる
まで加圧される。また、このときに第2ピストン53は
第2液圧室58の液圧を受けて図面の右方向へ移動し、
切替弁機構60が閉弁状態に切替えられて第2入力ポー
ト50bが閉ざされる。その後も第2ピストン53が移
動して第3液圧室59が第2液圧室58の液圧とほぼ等
しくなるまで加圧される。したがって第2液圧室58の
第1出力ポート50cおよび第3液圧室59の第2出力
ポート50dからそれぞれ圧力が出力される。
室57に供給される液圧よりも第2入力ポート50bか
ら第3液圧室59に供給される液圧の方が高い場合、第
2入力ポート50bに導入される液圧によって切替弁機
構60が開弁状態になる。そして導入される液圧によっ
て第3液圧室59が加圧されるとともに、この加圧に伴
って第2ピストン53が図面の左方向へ移動する。これ
によって第2液圧室58が第3液圧室59の液圧とほぼ
等しくなるまで加圧される。したがって第2液圧室58
の第1出力ポート50cおよび第3液圧室59の第2出
力ポート50dからそれぞれ圧力が出力される。
力回路における何らかのトラブルなどが原因となり、第
2液圧室58を加圧できないことがある。この場合は、
第1入力ポート50aから第1液圧室57に供給される
液圧によって第1ピストン52がスプリング56を圧縮
しながらフルストロークした後、第2ピストン53を直
接押し動かす。これによって第3液圧室59だけは加圧
することができる。同じく何らかの原因で第3液圧室5
9を加圧できなくなった場合は、第1液圧室57の入力
圧による第1ピストン52の移動により、第2液圧室5
8は加圧される。これらの機能は、第2液圧室58と第
3液圧室59とが第2ピストン53によって分離してい
ることによるものである。
した断面図である。この実施の形態2において、すでに
説明した実施の形態1と同一もしくは均等な要素には図
面に共通符号を付して重複する説明は省略する。また実
施の形態3以降についても同様に重複する説明は省略す
る。
は、第2入力ポート50bが第2ピストン53の内部に
形成された通路110を経て第2液圧室58に通じてい
る。そして第2液圧室58の内部に、第1ピストン52
の移動によって開閉動作する切替弁機構160が設けら
れている。なお第3液圧室59の内部には、第2ピスト
ン53を第2液圧室58の側へ押す方向の力を保有した
スプリング156が設けられている。また第2ピストン
53は、第2入力ポート50bと通路110との連通部
の両側において、その外周とシリンダ51の内周との間
の密封を保つために、シール55に加えてシール100
を備えている。
力ポート50bに連通した通路110を開閉するように
位置している。弁体162は、第1ピストン52の端面
と、第2ピストン53の端面に押し付けられたスプリン
グシート168との間に設けたスプリング166によ
り、開弁方向の力を受けている。そこで第1ピストン5
2がスプリング166を圧縮しながら図2の右方向へ移
動すると、弁体162が通路110の弁座164に密接
して閉弁状態となる。これに対し、第1ピストン52が
図示の初期位置にあるとき、または第1ピストン52が
初期位置にあり且つ第2ピストン53が図示の初期位置
から右方向へ移動しているときには、弁体162が弁座
64から離れて開弁状態になる。つまり、この切替弁機
構160は、第1ピストン52および第2ピストン53
の移動によって第2液圧室58が図示の状態に対して拡
大しているときに開弁状態となり、第2液圧室58が図
示の状態に対して縮小しているときに閉弁状態となる。
も、第1入力ポート50aから第1液圧室57に供給さ
れる液圧の方が、第2入力ポート50bから第3液圧室
59に供給される液圧よりも高い場合、第1ピストン5
2が図面の右方向へ移動する。この第1ピストン52の
移動によって切替弁機構160が閉弁状態となり、その
後も第1ピストン52が移動して第2液圧室58が第1
液圧室57の液圧とほぼ等しくなるまで加圧される。ま
た、このときに第2ピストン53は第2液圧室58の液
圧を受けてスプリング156を圧縮しながら図面の右方
向へ移動し、第3液圧室59が第2液圧室58の液圧と
ほぼ等しくなるまで加圧される。したがって第2液圧室
58の第1出力ポート50cおよび第3液圧室59の第
2出力ポート50dからそれぞれ圧力が出力される。
1液圧室57に供給される液圧よりも第2入力ポート5
0bから第2液圧室58に供給される液圧の方が高い場
合、第2入力ポート50bから切替弁機構160を通じ
て第2液圧室58に液圧が導入され、この第2液圧室5
8が加圧される。また第2液圧室58に導入される液圧
を受けて第2ピストン53がスプリング156を圧縮し
ながら図面の右方向へ移動し、第3液圧室59が第2液
圧室58の液圧とほぼ等しくなるまで加圧される。した
がって、このときも第2液圧室58の第1出力ポート5
0cおよび第3液圧室59の第2出力ポート50dから
それぞれ圧力が出力される。
生じた液圧を受けて図面の右方向へ移動するとき、切替
弁機構160の弁体162,スプリング166およびス
プリングシート168は第1ピストン52の側に拘束さ
れたまま残される。また、何らかのトラブルにより第2
液圧室58を加圧できない場合に第3液圧室59だけは
加圧できる機能、あるいは第3液圧室59を加圧できな
くなった場合に第2液圧室58だけは加圧できる機能に
ついては、実施の形態1のピストン構造体と同様であ
る。
した断面図である。この実施の形態3は、基本的には実
施の形態2のピストン構造体と同じであり、第1ピスト
ン52の受圧面積を第2ピストン53の受圧面積よりも
大きく設定した点が異なる。これにより、第2液圧室5
8および第3液圧室59の出力ポート50c,50dか
ら吐出する液量が同じであれば、第2液圧室58を加圧
するのに必要な第1ピストン52のストロークが小さく
て済む。したがって、その分、シリンダ51の軸長を小
さくすることができる。
何らかの原因で第2液圧室58を加圧できなくなった場
合は、第1液圧室57に供給される液圧によって第1ピ
ストン52が図面の右方向へフルストロークした後、第
2ピストン53を直接押し動かす。このとき、両ピスト
ン52,53における受圧面積の比により、第1液圧室
57における液圧よりも第3液圧室59における液圧が
高くなる。つまり第3液圧室59においては、第1液圧
室57の供給圧よりも増圧されるので、ピストン構造体
としての信頼性が高まる。
置の圧力制御に適用したシステム図である。この図4で
は基本的に実施の形態2のピストン構造体を採用し、車
両制動装置は図5で示す液圧制御装置10と同じ装置を
採用している。なお図4のピストン構造体においては、
第3液圧室59の内部において第2ピストン53の移動
によって給排出ポート200を開閉する弁機構260が
設けられている。この点を除けば実施の形態2のピスト
ン構造体と同じである。なお弁機構260は、給排出ポ
ート200の弁座264に接触可能な弁体262、スプ
リング266およびスプリングシート268を備え、実
施の形態1における切替弁機構60と同じように機能す
る。
ト50aは液圧制御装置10における比例圧力制御弁
(制御液圧発生手段)20の出力ポート21bに接続さ
れ、第2入力ポート50bは圧力発生器(液圧発生手
段)30の液室35に設けられた出力ポート36に接続
されている。またピストン構造体の第1出力ポート50
cは第1系統の車輪ブレーキ16に接続され、第2出力
ポート50dは第2系統の車輪ブレーキ17に接続され
ている。さらに第3液圧室59は弁機構260および給
排出ポート200を通じてリザーバ13に接続されてい
る。
は、従来の制動装置における倍力装置に相当する機能を
有するもので、出力ポート21bから出力される液圧
は、圧力発生器30の出力ポート36から出力される液
圧よりも高く設定されている。したがって圧力源12や
比例圧力制御弁20が正常に機能しているときは、ピス
トン構造体の第1液圧室57に供給される液圧の方が第
2液圧室58に供給される液圧よりも高い。このため、
実施の形態2において既に説明したように、第1液圧室
57の液圧によって第1ピストン52が図面の右方向へ
移動して切替弁機構160を閉弁状態にする。さらに、
その後も第1ピストン52が右方向へ移動して第2液圧
室58が第1液圧室57の液圧とほぼ等しくなるまで加
圧される。これにより、第1出力ポート50cから第1
系統の車輪ブレーキ16に液圧が加えられる。これと同
時に、第2液圧室58に生じた液圧によって第2ピスト
ン53が図面の右方向へ移動して弁機構260を閉弁状
態にした後、第3液圧室59も第2液圧室58とほぼ等
しい液圧まで加圧される。これによって第2出力ポート
50dから第2系統の車輪ブレーキ17に液圧が加えら
れる。
制御弁20に何らかのトラブルが生じた場合は、ピスト
ン構造体の第1ピストン52が移動しないために切替弁
機構160が開弁状態のままとなり、圧力発生器30か
ら第2液圧室58へ液圧の供給が可能となる。つまり、
第1液圧室57に供給される液圧よりも第2液圧室58
に供給される液圧の方が高くなるので、この場合にも実
施の形態2において既に説明したように、まず第2液圧
室58が加圧される。これにより、第1出力ポート50
cから第1系統の車輪ブレーキ16に液圧が加えられ
る。同時に、第2液圧室58に生じた液圧によって第2
ピストン53が図面の右方向へ移動して弁機構260を
閉弁状態にした後、第3液圧室59も第2液圧室58と
ほぼ等しい液圧まで加圧される。これによって第2出力
ポート50dから第2系統の車輪ブレーキ17に液圧が
加えられる。
は、ソレノイド25および永久磁石26を備えている。
ソレノイド25は、そのコイル25aに電流を流すこと
で、スプール弁22にその復帰スプリング23の力に対
向する方向(図面の左方向)の磁気吸引力を加えること
ができる。また永久磁石26は、ソレノイド25のコイ
ル25aに逆向きの電流を流すことで、スプール弁22
に磁気反発力を加えることができる。これにより、比例
圧力制御弁20は、ブレーキペダル14の操作に基づく
制御はもちろんのこと、運転者の意思からかけ離れた制
御も行えるようになっている。
力発生源と複数の出力回路とを備えた圧力制御装置に前
記のピストン構造体を用いることにより、複数の圧力発
生源から供給される圧力のうち、もっとも高い圧力を自
動的に選択して全ての出力回路に出力することができ
る。したがって圧力制御装置の大型化やコストアップを
避けつつ、失陥対策を図ることができる。また、このピ
ストン構造体を採用した車両用制動装置では、液圧制御
装置10の失陥時における制動力を高めることができる
ので、信頼性を向上させることができ、ブレーキペダル
14へのキックバックを生じさせずにブレーキ圧力の自
由な制御が可能なシステムを実現することができる。な
お、 車両制動装置の圧力制御に適用するピストン構造
体を、実施の形態1(図1)または実施の形態3(図
3)のピストン構造体に代え得ることは当然可能であ
る。
用したシステム図
ム図
Claims (5)
- 【請求項1】 シリンダ内に組み込まれた少なくとも二
つのピストンと、これらのピストンによってシリンダ内
に直列に構成された少なくとも三つの圧力室とを有し、
これらの圧力室のうちの第1圧力室と、第2圧力室およ
び第3圧力室の一方とに対して個別に圧力の供給が可能
で、また第2圧力室と第3圧力室とがそれぞれ個別に圧
力を出力できるように構成されたピストン構造体におい
て、前記の第2圧力室および第3圧力室の少なくとも一
方が切替弁機構を介して外部回路に連通し、前記切替弁
機構は、この切替弁機構を介して外部回路に連通してい
る圧力室がピストンの移動によって拡大しているときに
開弁状態となり、縮小しているときに閉弁状態となるよ
うに設定されているピストン構造体。 - 【請求項2】 請求項1に記載されたピストン構造体で
あって、前記の第1圧力室は第1ピストンとシリンダの
一方の内端面との間に構成され、第2圧力室は第1ピス
トンと第2ピストンとの間に構成され、第3圧力室は第
2ピストンとシリンダの他方の内端面との間に構成さ
れ、第1圧力室が一つの圧力供給回路に連通していると
ともに、第2圧力室および第3圧力室の一方が別の圧力
供給回路に連通し、また第2圧力室と第3圧力室とがそ
れぞれ個別の出力回路に連通しており、第2圧力室およ
び第3圧力室の少なくとも一方が前記切替弁機構を介し
て圧力供給回路を含む外部回路に連通しているピストン
構造体。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載されたピストン構
造体であって、前記第1ピストンの受圧面積が第2ピス
トンの受圧面積よりも大きく設定されているピストン構
造体。 - 【請求項4】 請求項1,2又は3に記載されたピスト
ン構造体と、少なくとも二つの圧力発生装置とを備えた
圧力制御装置であって、これらの圧力発生装置の一方が
第1圧力室に連通し、圧力発生装置の他方が第2圧力室
および第3圧力室の一方に切替弁機構を介して連通して
いる圧力制御装置。 - 【請求項5】 請求項1,2又は3に記載されたピスト
ン構造体と、ブレーキ操作力に応じた制御液圧を発生さ
せる制御液圧発生手段と、ブレーキ操作力を受けて液圧
を発生させる液圧発生手段と、前記の第2圧力室に連通
する第1系統の車輪ブレーキと、前記の第3圧力室に連
通する第2系統の車輪ブレーキとを備えた圧力制御装置
であって、制御液圧発生手段が前記第1圧力室に連通
し、液圧発生手段が第2圧力室および第3圧力室の一方
に切替弁機構を介して連通している圧力制御装置。
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