JPH11239529A - プラスチックミラー - Google Patents

プラスチックミラー

Info

Publication number
JPH11239529A
JPH11239529A JP4511898A JP4511898A JPH11239529A JP H11239529 A JPH11239529 A JP H11239529A JP 4511898 A JP4511898 A JP 4511898A JP 4511898 A JP4511898 A JP 4511898A JP H11239529 A JPH11239529 A JP H11239529A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror
outer peripheral
resin
peripheral frame
plastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4511898A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihiko Tsubaki
邦彦 椿
Mitsuharu Kihara
光春 木原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP4511898A priority Critical patent/JPH11239529A/ja
Publication of JPH11239529A publication Critical patent/JPH11239529A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Mirrors, Picture Frames, Photograph Stands, And Related Fastening Devices (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】取り付け時における外周枠部の変形に起因する
ミラー像の歪みの問題を解消する。 【解決手段】樹脂製基体10は中央板部11及び中央板
部11の外周縁に形成された外周枠部12が射出成形に
より一体成形されてなる。中央板部10の一方の表面上
には樹脂製フィルムミラー20が接合されている。外周
枠部12は、中央板部11の他方の表面よりもプラスチ
ックミラーの裏側に一体的に突出する環状突部13を有
して、中央板部10よりも所定量厚肉とされている。取
付面に対する取り付け部位となる外周枠部12の剛性の
増大により、プラスチックミラーを大型化する場合であ
っても、取り付け時における外周枠部12の変形に起因
して中央板部10や樹脂製フィルムミラー20が歪むこ
と、ひいてはミラー像が歪むことを効果的に抑えること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチックミラー
に関し、詳しくは射出成形により形成された樹脂製基体
と、この樹脂製基体の一表面上に接合された樹脂製フィ
ルムミラーとからなるプラスチックミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、図6に示すように、射出成形によ
り形成された樹脂製基体80と、この樹脂製基体80の
一表面上に接合された樹脂製フィルムミラー90とから
なるプラスチックミラーが知られている(特開昭60−
244901号公報、特開昭54−89864号公報等
参照。)。
【0003】ここに、樹脂製基体80は、樹脂製フィル
ムミラー90が一表面上に接合される中央板部81と、
この中央板部81の外周縁に一体的に形成された外周枠
部82とからなる。また樹脂製フィルムミラー90は、
ポリカーボネート等の透明な熱可塑性樹脂フィルムと、
この熱可塑性樹脂フィルムの裏面に形成された銀、アル
ミニウム等の金属反射膜と、この金属反射膜の表面で中
央板部との接合面に形成されたアクリレート系樹脂等の
接着用プライマー層と、必要に応じて熱可塑性樹脂フィ
ルムの外表面に形成されたハードコート層等とから構成
されている。
【0004】このプラスチックミラーは、樹脂製フィル
ムミラー90を型内にインサートしつつ中央板部81及
び外周枠部82からなる樹脂製基体80を一体的に射出
成形することにより製造することができる。そして、こ
のプラスチックミラーの取り付けは、樹脂製基体80の
外周枠部82の裏面に接着剤83等を付けた後、この外
周枠部82の裏面を家屋の内壁面等の取付面に押し付け
ることにより行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここに、プラスチック
ミラーとガラスミラーとを比較した場合、プラスチック
ミラーは、軽量で割れ難く、形状や色の自由度が高く、
生産性も高い等の長所がある一方、ガラスミラーと比べ
て剛性が極端に低いため、歪みが発生しやすいという根
本的な欠点がある。
【0006】このため、上記従来のプラスチックミラー
では、接着剤等で取付面に取り付けられる際に、樹脂製
基体80の外周枠部82が変形等し、この影響を受けて
樹脂製フィルムミラー90が歪んでミラー像に歪みが発
生するという問題があった。すなわち、上記従来のプラ
スチックミラーは、接着剤等が付けられて取付面に押し
付けられる樹脂製基体80の外周枠部81について、剛
性を高くしたり強度を向上させたりする等の工夫は特に
なされておらず、この外周枠部81とその他の部分(樹
脂製フィルムミラー90及び中央板部81)とで肉厚
(剛性)がほぼ同等である。このため、取付面に押し付
けられる際に、壁面の凹凸や接着剤層の厚さバラツキ等
の影響を受けて外周枠部81が変形し易く、上記ミラー
像の歪みの問題が発生し易い。特にプラスチックミラー
を大型化(大面積化)する場合は、外周枠部81に対し
て樹脂製フィルムミラー90の占める割合が大きくなる
ことから、上記ミラー像の歪みの問題が顕著となる。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、プラスチックミラーを大化型する場合であって
も、取り付け時における外周枠部の変形に起因するミラ
ー像の歪みの問題を解消しうるプラスチックミラーを提
供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1記載のプ
ラスチックミラーは、中央板部及び該中央板部の外周縁
に形成された外周枠部が射出成形により一体成形されて
なる樹脂製基体と、該中央板部の一方の表面上に接合さ
れた樹脂製フィルムミラーとを備えたプラスチックミラ
ーにおいて、上記外周枠部は、上記中央板部の他方の表
面よりもプラスチックミラーの裏側に一体的に突出する
環状突部を有していることを特徴とするものである。
【0009】このプラスチックミラーは、外周枠部の環
状突部を家屋の内壁面等の取付面に当接、固定すること
により取り付けられ、使用に供される。外周枠部と取付
面との固定は、例えば環状突部と取付面との当接面に接
着剤等を塗布することにより行うことができる。また、
後述する実施例に示すようにボルト及びナットを利用す
ることも可能である。
【0010】本発明のプラスチックミラーでは、内壁面
等の取付面に当接して取り付け時に押圧力が付与せしめ
られる部分、すなわち外周枠部が、中央板部よりもプラ
スチックミラーの裏側に突出する環状突部を有してい
る。このため、プラスチックミラーの表裏方向(図1の
上下方向。以下、同様)における外周枠部の肉厚が中央
板部の肉厚よりも環状突部の突出分だけ厚肉とされ、厚
肉とされた分だけ外周枠部の剛性が増大している。した
がって、この外周枠部は、取付面の凹凸や接着剤の厚さ
バラツキ等の影響により変形し難く、またプラスチック
ミラーの取り付け時に過大な力で押圧されたりしても変
形し難い構造となっている。
【0011】しかも、環状突部はプラスチックミラーの
裏側に突出しているため、仮に取り付け時の押圧力や取
付面の凹凸等により環状突部が多少変形したとしても、
この環状突部の変形による影響が中央板部や樹脂製フィ
ルムミラーにまで及び難い構造となっている。すなわ
ち、プラスチックミラーの裏面が中央板部と外周枠部と
で面一になっていると、取付面の凹凸等の影響を受けて
外周枠部が変形すれば、この外周枠部の変形による影響
が中央板部にまで直接的に及ぶため、中央板部が変形し
易くなる。しかし、本発明ではプラスチックミラーの裏
側に環状突部が突出しているので、仮に取付面の凹凸等
の影響を受けて環状突部が変形したとしても、この変形
を環状枠部の内部で吸収することにより、中央板部に及
ぼす影響を少なくすることができる。
【0012】したがって、プラスチックミラーを大型化
する場合であっても、取り付け時における外周枠部の変
形に起因して中央板部や樹脂製フィルムミラーが歪むこ
と、ひいてはミラー像が歪むことを効果的に抑えること
ができる。 (2)請求項2記載のプラスチックミラーは、請求項1
記載のプラスチックミラーにおいて、前記環状突部の幅
は前記中央板部の肉厚と同等以上とされていることを特
徴とするものである。
【0013】ここに、環状突部の幅とは、外周枠部の幅
方向(上記プラスチックミラーの表裏方向に対して直交
し、かつ、外周枠部が周方向に延在する方向に対して直
交する方向、すなわち図1に表されている外周枠部の左
右方向。以下、同様)における環状突部の幅をいう。こ
のプラスチックミラーでは、環状突部の幅が中央板部の
肉厚(上記プラスチックミラーの表裏方向における肉
厚)と同等以上とされており、所定以上の剛性を発揮す
る。このため、外周枠部の変形に起因して中央板部や樹
脂製フィルムミラーが歪むこと、ひいてはミラー像が歪
むことをより効果的に抑えることができる。 (3)請求項3記載のプラスチックミラーは、請求項1
又は2記載のプラスチックミラーにおいて、前記環状突
部は中空部を有して形成されていることを特徴とするも
のである。
【0014】環状突部を射出成形により外周枠部等とと
もに一体的に形成する場合、環状突部の幅には、溶融樹
脂の流動性や冷却性等の観点から一定の成形限界があ
る。この点、このプラスチックミラーでは、環状突部が
中空部を有して形成されていることから、上記外周枠部
の幅方向における中空部の幅寸法分だけ、環状突部の外
形状における幅寸法を増大させることができ、環状突部
の剛性増大を図ることが可能となる。したがって、外周
枠部の変形に起因して中央板部や樹脂製フィルムミラー
が歪むこと、ひいてはミラー像が歪むことをさらの効果
的に抑えることができる。 (4)請求項4記載のプラスチックミラーは、請求項1
記載のプラスチックミラーにおいて、前記外周枠部は、
前記樹脂製フィルムミラーの外周縁部において該樹脂フ
ィルムミラーの外表面を被覆する環状被覆部を有してい
ることを特徴とするものである。
【0015】このプラスチックミラーでは、樹脂製フィ
ルムミラーの外周縁部の外表面が外周枠部の環状被覆部
により被覆されているため、樹脂製フィルムミラーの外
周端面と外周枠部との境界部から水分等が浸入すること
を規制することができ、樹脂製フィルムミラーの劣化を
効果的に防止することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチックミラーは、
樹脂製基体と、樹脂製フィルムミラーとを備えている。
樹脂製フィルムミラーは、透明な樹脂フィルムと、この
樹脂フィルムの裏面に形成された金属反射膜と、この金
属反射膜の表面で樹脂製基体との接合面に形成された接
着用プライマー層と、必要に応じて樹脂フィルムの外表
面に形成されたハードコート膜、防曇膜、反射防止膜や
帯電防止膜等の機能性膜とから構成される。
【0017】上記樹脂フィルムの樹脂の種類としては、
透明なものであれば特に限定されず、樹脂製基体との熱
融着性や製品として要求される特性(機械的強度、耐衝
撃性、耐熱性や耐薬品性等)等を考慮して、適宜選択可
能である。例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリメ
タクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂(PET)、ポリスチレン(PS)等から適
宜選択可能である。
【0018】上記金属反射膜としては、銀膜やアルミニ
ウム膜等とすることができる。この金属反射膜は、銀鏡
反応や蒸着等により樹脂フィルムの裏面に形成すること
ができる。上記接着用プライマー層としては、金属反射
膜との接着性を有し、樹脂製基体の溶融樹脂が射出成形
時に熱融着し、かつ、該射出成形時の高温に耐えうるも
のであれば特に限定されない。例えば、アクリレート系
樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂や不飽和ポリエス
テル樹脂の溶液等を通常の方法で塗布し、乾燥又は硬化
させることにより上記金属反射膜の表面に形成すること
ができる。
【0019】上記機能性膜は、必ずしも必須のものでは
ないが、耐擦傷性、防曇性、帯電防止性や反射防止性等
の所望の機能を樹脂製フィルムミラーの表出面に付与せ
しめたい場合に必要に応じて形成することができる。例
えば、耐擦傷性を高めたい場合は、エポキシ系樹脂、ア
クリル系樹脂やシリコン系等のハードコーティング剤を
樹脂製フィルムの外表面にコートし、次いで熱又は紫外
線等の手段で硬化することによりハードコート膜を形成
すればよい。また、防曇性を高めたい場合は、水溶性樹
脂系のコーティング剤をコートし、次いで熱又は紫外線
等の手段で硬化することにより防曇膜を形成すればよ
い。
【0020】上記樹脂製基体の樹脂の種類としては、射
出成形可能なものであれば特に限定されず、射出成形時
における溶融樹脂の流動性、樹脂製フィルムミラーとの
熱融着性や製品として要求される特性(機械的強度、耐
衝撃性、耐熱性や耐薬品性等)等を考慮して、適宜選択
可能である。例えば、ポリカーボネート(PC)や飽和
ポリエステル樹脂(PBT)等のポリエステル系樹脂、
メチルメタアクリレート(PMMA)等のアクリル系樹
脂や、6ナイロンや6−6ナイロン等のポリアミド系樹
脂等の熱可塑性樹脂、あるいはエポキシ系樹脂等の熱硬
化性樹脂から適宜選択可能である。
【0021】樹脂製基体は、中央板部と、この中央板部
の外周縁に形成された外周枠部とから構成され、中央板
部及び外周枠部が射出成形により一体成形されてなるも
のである。上記中央板部の外形状は特に限定されず、例
えば、長方形や正方形等の矩形状の他、楕円形状や真円
形状等とすることもできる。また、プラスチックミラー
の表側、すなわち樹脂製フィルムミラーが接合される側
の中央板部の表面は、平面又は曲面とすることができる
が、プラスチックミラーを平面ミラーと曲面ミラーとの
組み合わせよりなる複合ミラーとすべく、後述する実施
例に示すように平面と凹状又は凸状の部分球状曲面との
複合面としてもよい。
【0022】また、中央板部の肉厚については、特に限
定されず適宜設定可能ではあるが、必要な剛性を確保で
きる範囲内でなるべく薄くすることがプラスチックミラ
ーの軽量化を達成する上で好ましい。ここに、ミラー像
の歪みの問題を直接的に解決するには、樹脂製フィルム
ミラーが接合される中央板部の肉厚を厚くして、この中
央板部の剛性を高くすればよい。しかし、プラスチック
ミラーのうち大部分を占める中央板部の肉厚を厚くする
ことは重量化に直結するため、軽量化を図れるというガ
ラスミラーに対するプラスチックミラーの優位性が減少
してしまい、プラスチックミラーとすること自体の意義
が薄れる。この点、本発明では外周枠部に所定の環状突
部を形成することによりミラー像の歪みの問題を効果的
に解消しうることから、ミラー像の歪みを防止すべく、
敢えて中央板部の肉厚を厚くする必要はない。このた
め、中央板部の肉厚については、中央板部として本来的
に要求される剛性を確保しうる範囲内で、なるべく薄く
することが好ましい。具体的には、3〜6mm程度とす
ることが好ましい。
【0023】さらに、中央板部の大きさも特に限定され
ず適宜設定可能である。ただし、中央板部の大きさとミ
ラー像の歪みの問題との間には相関関係があり、中央板
部が大きくなるほどミラー像の歪みの問題が発生し易く
なる傾向がある。このため、中央板部を大きくしてプラ
スチックミラーを大型化することは、ミラー像の歪みの
問題との関係で一定の限界がある。この点、本発明では
外周枠部に所定の環状突部を形成することによりミラー
像の歪みの問題を効果的に解消しうることから、ミラー
像の歪みを防止しつつプラスチックミラーを従来より大
型化することが可能である。
【0024】上記外周枠部は、中央板部よりもプラスチ
ックミラーの裏側に一体的に突出する環状突部を有して
いる。この外周枠部は、中央板部の外形状に対応させた
外形状とすることができる。プラスチックミラーの裏側
に突出する環状突部は、中央板部よりも所定量突出して
いる。この環状突部の突出量は、取付面の凹凸等の影響
で中央板部が変形すること、ひいてはミラー像が歪むこ
とを効果的に防止すべく、取付面の凹凸等の影響で外周
枠部自身が変形することを効果的に防止するのに十分な
剛性を外周枠部にもたせることのできる量とされる。
【0025】また、環状突部の幅は、環状突部の剛性を
所定以上に確保すべく、中央板部の肉厚と同等以上とす
ることが好ましい。ただし、環状突部の幅については、
環状突部は外周枠部とともに射出成形により形成される
ことから、一定の成形限界がある。この点に鑑みれば、
環状突部の幅は、中央板部の肉厚の1.2倍程度(中空
にすることでさらに肉厚を大きくすることが可能)とす
ることが好ましい。環状突部の幅が小さすぎると、環状
突部の剛性が不十分となり、取付面の凹凸等の影響で外
周枠部自身が変形し易くなる。一方、環状突部の幅が大
きすぎると、溶融樹脂の流動性や冷却性等との関係で歪
みや引け等の欠陥が発生し易くなる。
【0026】かかる構成を有するプラスチックミラー
は、樹脂製フィルムミラーを型内にインサートしつつ樹
脂製基体を射出成形することにより製造することができ
る。すなわち、樹脂製フィルムの表面に所定の膜を形成
して樹脂製フィルムミラーとした後、この樹脂製フィル
ムミラーを所定の射出成形型内に配置した状態で、樹脂
製基体の溶融樹脂を型内に高圧で射出することにより、
樹脂製フィルムミラーと樹脂製基体の中央板部とが熱融
着により接合されたプラスチックミラーを製造すること
ができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明のプラスチックミラーの実施例
について、図面を参照しつつ具体的に説明する。 (実施例1)図1及び図2に示す本実施例のプラスチッ
クミラーは、樹脂製基体10と、樹脂製フィルムミラー
20とを備えている。
【0028】樹脂製フィルムミラー20は、透明な樹脂
フィルム21と、この樹脂フィルム21の裏面に形成さ
れた金属反射膜22と、この金属反射膜22の上で樹脂
製基体10との接合面に形成された接着用プライマー層
23と、樹脂フィルム21の外表面に形成された機能性
膜としてのハードコート膜24とから構成されている。
【0029】上記樹脂フィルム21は透明なポリカーボ
ネート(PC)樹脂よりなり、その膜厚は0.15〜
1.0mmである。上記金属反射膜22は、樹脂フィル
ム21の裏面に蒸着により形成した銀膜である。上記接
着用プライマー層23は、アルキッド樹脂よりなり、こ
の樹脂の溶液を通常の方法で塗布、乾燥させることによ
り上記金属反射膜22の表面に形成したものである。上
記ハードコート膜24は、樹脂製フィルムミラー20の
耐擦傷性を向上させるべく、樹脂フィルム21の外表面
にハードコーティング剤をコートし、次いで熱硬化する
ことにより形成したもので、アクリレート系樹脂よりな
る。
【0030】上記樹脂製基体10は、ポリカーボネート
(PC)樹脂よりなり、中央板部11と、この中央板部
11の外周縁に形成された外周枠部12とから構成さ
れ、中央板部11及び外周枠部12が射出成形により一
体成形されてなるものである。上記中央板部11は長方
形状の外形状とされ、またその肉厚(プラスチックミラ
ーの表裏方向(図1の上下方向)における肉厚)は均一
肉厚とされている。上記外周枠部12は、中央板部11
の外形状に対応させた外形状とされ、その幅は均一幅と
されている。
【0031】外周枠部12は、中央板部11よりもプラ
スチックミラーの裏側に一体的に突出する環状突部13
を有している。この環状突部13は中央板部11よりも
プラスチックミラーの裏側に突出しており、外周枠部1
2全体の肉厚(プラスチックミラーの表裏方向における
肉厚)は中央板部11の肉厚よりも所定量厚肉とされて
いる。また、外周枠部12の幅方向(図1に表される外
周枠部12の左右方向)における環状突部13の幅は、
中央板部11の肉厚の1.2倍程度とされている。
【0032】なお、樹脂製フィルムミラー20の外周縁
部20cは、金属反射膜22等への水分等の浸入を規制
して該金属反射膜22の錆を効果的に防止し得るよう
に、外周枠部12の内周縁に一体的に形成された環状被
覆部14により被覆されている。上記構成を有する本実
施例のプラスチックミラーは、樹脂製フィルムミラー2
0を型内にインサートしつつ樹脂製基体10を射出成形
することにより製造した。まず、樹脂フィルム21の一
面にハードコート膜24を形成するとともに、他面に金
属反射膜22及び接着用プライマー層23を形成した
後、所定形状に切断することにより樹脂製フィルムミラ
ー20を準備した。そして、図3に示すように、この樹
脂製フィルムミラー20を所定の射出成形型30内に配
置した状態で、樹脂製基体10の溶融樹脂Pを型内に高
圧で射出することにより、樹脂製フィルムミラー20と
樹脂製基体10の中央板部11とが熱融着により接合さ
れたプラスチックミラーを製造した。
【0033】ここに、樹脂製基体10の射出成形型30
において、樹脂製フィルムミラー20に対応する第1キ
ャビティ型面31は、その中心部を頂点として極微小な
凹形状となるような、極めて大きな曲率半径を有する凹
状の球面形状とされており、また該第1キャビティ型面
31に対向し中央板部10の裏面に対応する第2キャビ
ティ型面32は、該第1キャビティ型面31の凹状の球
面形状と対応する凸状の球面形状とされている。このよ
うに、中央板部10及び樹脂製フィルムミラー20の成
形形状をプラスチックミラーの表側が凸状となるような
球面形状とすることにより、射出成形時にプラスチック
ミラーの表側が凹状となるような中央板部11の引け変
形を相殺することができ、したがって射出成形時の引け
変形に基づく歪みの発生を抑えることが可能となる。
【0034】このようにして得られたプラスチックミラ
ーは、樹脂製基体10の外周枠部12の裏面、すなわち
環状突部13の先端面に接着剤40を付け、この環状突
部13の先端面を家屋の内壁面等の取付面に押し付ける
ことにより、使用に供することができる。本実施例のプ
ラスチックミラーでは、内壁面等の取付面に当接して取
り付け時に押圧力が付与せしめられる外周枠部12が、
中央板部11よりもプラスチックミラーの裏側に所定量
突出する環状突部13を有しており、またこの環状突部
13の幅が中央板部11の肉厚よりも所定量大きくされ
ている。このため、外周枠部12の剛性が所定量増大し
ている。したがって、この外周枠部12は、取付面の凹
凸や接着剤40の厚さバラツキ等の影響により変形し難
く、またプラスチックミラーの取り付け時に過大な力で
押圧されたりしても変形し難い構造となっている。
【0035】しかも、環状突部13はプラスチックミラ
ーの裏側に突出しているため、仮に取り付け時の押圧力
や取付面の凹凸等により環状突部13が多少変形したと
しても、この環状突部13の変形による影響が中央板部
11や樹脂製フィルムミラー20にまで及び難い構造と
なっている。したがって、本実施例のようにプラスチッ
クミラーを大型化した場合であっても、取り付け時にお
ける外周枠部12の変形に起因して中央板部11や樹脂
製フィルムミラー20が歪むこと、ひいてはミラー像が
歪むことを効果的に抑えることができる。
【0036】また、プラスチックミラーのうち大部分を
占める中央板部81の肉厚を極力薄く維持したまま、ミ
ラー像の歪みの問題を解消し得るため、軽量化を図れる
というガラスミラーに対するプラスチックミラーの優位
性を十分に確保することが可能である。さらに、引けが
発生しにくい射出成形により樹脂基体10を成形するこ
とに加えて、中央板部11等の成形形状を射出成形時の
引け変形を相殺しうる形状としていることから、射出成
形時の引け変形に基づくミラー像の歪みを効果的に抑え
ることができる。
【0037】(実施例2)図4に示す本実施例のプラス
チックミラーは、環状突部13の突出先端部に複数個の
ナット51をインサート成形したもので、他の構成は上
記実施例1と同様である。本実施例では、接着剤を用い
る代わりに、ボルト50及びナット51等を利用して取
付面60にプラスチックミラーを固定する。
【0038】このようにボルト50及びナット51を利
用すれば、取付面60と環状突部13との間にスペーサ
(又はシム)52を介在させることが可能となるので、
厚さ一定のスペーサ52の存在により、接着剤の厚さバ
ラツキや取付面60の凹凸の影響によるミラー像の歪み
の問題をさらに確実に抑えることができる。その他の作
用効果は上記実施例1と同様である。
【0039】(実施例3)図5に示す本実施例のプラス
チックミラーは、平面ミラーと曲面ミラーとの組み合わ
せよりなる複合ミラーとした例である。すなわち、プラ
スチックミラーの表側、すなわち樹脂製フィルムミラー
20及びこの樹脂製フィルムミラー20が接合される側
の中央板部11の表面は、平面部20a及び11aと、
凹状の部分球状曲面部20b及び11bとからなる。
【0040】また、このプラスチックミラーでは、ガス
インジェクション成形などにより中空部13aが環状突
部13に形成されている。これにより、環状突部13の
外形状における幅をさらに増大させて、環状突部13を
さらに変形し難い構造としている。その他の構成及び作
用効果は上記実施例1と同様である。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明のプラスチッ
クミラーは、樹脂製基体において、プラスチックミラー
の裏側に突出する環状突部を外周枠部に設けることによ
り、取付面に対する取り付け部位となる外周枠部の肉厚
を樹脂製フィルムミラーが接合される中央板部の肉厚よ
りも所定量厚くして外周枠部の剛性を増大させたもので
あるから、プラスチックミラーを大型化する場合であっ
ても、取り付け時における外周枠部の変形に起因して中
央板部や樹脂製フィルムミラーが歪むこと、ひいてはミ
ラー像が歪むことを効果的に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のプラスチックミラーの断面図であ
る。
【図2】実施例1のプラスチックミラーに係り、樹脂製
フィルムミラーの部分拡大断面図である。
【図3】実施例1のプラスチックミラーに係り、樹脂製
フィルムミラーをインサートしつつ樹脂製基体を射出成
形する様子を説明する断面図である。
【図4】実施例2のプラスチックミラーの断面図であ
る。
【図5】実施例3のプラスチックミラーの断面図であ
る。
【図6】従来のプラスチックミラーの断面図である。
【符号の説明】
10…樹脂製基体 11…中央板部 1
2…外周枠部 13…環状突部 13a…中空部 20…樹脂製フィルムミラー 2
1…樹脂フィルム 22…金属反射膜 23…接着用プライマー層 24…ハードコート膜 40…接着剤 5
0…ボルト 51…ナット 52…スペーサ 6
0…取付面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中央板部及び該中央板部の外周縁に形成
    された外周枠部が射出成形により一体成形されてなる樹
    脂製基体と、該中央板部の一方の表面上に接合された樹
    脂製フィルムミラーとを備えたプラスチックミラーにお
    いて、 上記外周枠部は、上記中央板部の他方の表面よりもプラ
    スチックミラーの裏側に一体的に突出する環状突部を有
    していることを特徴とするプラスチックミラー。
  2. 【請求項2】 前記環状突部の幅は前記中央板部の肉厚
    と同等以上とされていることを特徴とする請求項1記載
    のプラスチックミラー。
  3. 【請求項3】 前記環状突部は中空部を有して形成され
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチ
    ックミラー。
  4. 【請求項4】 前記外周枠部は、前記樹脂製フィルムミ
    ラーの外周縁部において該樹脂フィルムミラーの外表面
    を被覆する環状被覆部を有していることを特徴とする請
    求項1記載のプラスチックミラー。
JP4511898A 1998-02-26 1998-02-26 プラスチックミラー Pending JPH11239529A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4511898A JPH11239529A (ja) 1998-02-26 1998-02-26 プラスチックミラー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4511898A JPH11239529A (ja) 1998-02-26 1998-02-26 プラスチックミラー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11239529A true JPH11239529A (ja) 1999-09-07

Family

ID=12710367

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4511898A Pending JPH11239529A (ja) 1998-02-26 1998-02-26 プラスチックミラー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11239529A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002200653A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Konica Corp 光学素子の製造方法及び光学素子
JP2007076374A (ja) * 2005-08-18 2007-03-29 Hitachi Maxell Ltd 成形品の製造方法、押し出し成形装置及び成形品
JP2008012836A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Sakae Riken Kogyo Co Ltd 樹脂メッキ部品付き中空樹脂成形品の製造方法、及びその中空樹脂成形品
US7758923B2 (en) 2005-08-18 2010-07-20 Hitachi Maxell Ltd. Method of producing a metallized molded article utilizing a pressurized fluid containing a metal complex
WO2014122991A1 (ja) * 2013-02-05 2014-08-14 富士フイルム株式会社 太陽光集光用反射鏡

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002200653A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Konica Corp 光学素子の製造方法及び光学素子
JP2007076374A (ja) * 2005-08-18 2007-03-29 Hitachi Maxell Ltd 成形品の製造方法、押し出し成形装置及び成形品
US7758923B2 (en) 2005-08-18 2010-07-20 Hitachi Maxell Ltd. Method of producing a metallized molded article utilizing a pressurized fluid containing a metal complex
US8911828B2 (en) 2005-08-18 2014-12-16 Hitachi Maxell, Ltd. Method of producing molded article
JP2008012836A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Sakae Riken Kogyo Co Ltd 樹脂メッキ部品付き中空樹脂成形品の製造方法、及びその中空樹脂成形品
WO2014122991A1 (ja) * 2013-02-05 2014-08-14 富士フイルム株式会社 太陽光集光用反射鏡
JP2014154589A (ja) * 2013-02-05 2014-08-25 Fujifilm Corp 太陽光集光用反射鏡

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3456572B1 (en) Head-up display device
JP4881984B2 (ja) レドームの製造方法
US6195194B1 (en) Lightweight electrochromic mirror
US6643984B2 (en) Frame-attached window panel
US20100136348A1 (en) Method for Producing Window Glass with Decoration Member and Window Glass with Decoration Member
EP0848665B1 (en) Vehicle sunroof and method of making the same
JP2989098B2 (ja) 車両用灯具とその製造装置及び製造方法
MXPA98000582A (en) Capacity of vehicle and method to manufacture my
JPH08108482A (ja) 光反射用部品の製造方法、及びその方法により製造される光反射用部品
US5552970A (en) Vehicular lamp and machine and method for molding same
JPH11239529A (ja) プラスチックミラー
KR20200071761A (ko) 통합된 카메라 모듈을 갖는 부가 부품
KR20010101737A (ko) 차량의 외부미러어셈블리 및 그 제조방법
JP2002120648A (ja) 自動車用バックミラー
US20220163619A1 (en) Device for attachment to an opening of a vehicle and for covering an emitter and/or a receiver
JP7276266B2 (ja) 車両用装飾部品
JPH0961608A (ja) 反射鏡とその製造方法と投写型テレビジョン受像機
US20050002196A1 (en) Vehicle lamp
KR950701744A (ko) 사전 피복된 재료를 사용하는 후방 스크린의 제작 방법(a method of backscreen fabrication using pre-coated material)
JP6916572B1 (ja) 表示体及びその製造方法
KR102382671B1 (ko) 차량용 크루즈 컨트롤 센서 커버 및 그 제조 방법
JP2002103384A (ja) 樹脂枠体付き窓用板材の製造方法
CN220065457U (zh) 一种操作元件
JPH11241451A (ja) 取付枠付きの樹脂体
JPH1164607A (ja) 複合型レンズ