JPH11238198A - 交差点交通状況提供装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】実際の交差点を模擬した仮想交差点世界上で交
通状況を表現することで提供される交通情報の大幅な削
減を実現しかつ個人のプライバシーに関わる情報を保護
できる交差点交通状況提供装置を提供する。 【解決手段】交差点での交通状況を示す交通情報を出力
する交通情報収集装置101と、交通状況を示す画像を出
力するユーザ端末103と、交通情報をもとにユーザ端末1
03で交通状況を示すための情報を該ユーザ端末103へ提
供する管制センタ102とを備え、管制センタ102は交通情
報を用いて交差点での交通状況を模擬した仮想交差点世
界を記述するための仮想世界交通情報を生成しユーザ端
末103へ提供する交通状況提供装置106を備え、ユーザ端
末103は仮想世界交通情報から仮想交差世界での交通状
況を示す画像を生成する交通状況出力装置110を備え
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は交差点交通状況提供
装置に関し、特に、実際の交差点を模擬した仮想交差点
世界上で交通状況を表現し、小容量での交通情報を記述
することにより伝送容量が軽減し、かつ、実際の交差点
情報に現れる個人情報などのプライバシーの保護を可能
にする交差点交通状況提供装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、交差点交通状況提供装置として
は、交差点上に設置してある監視カメラの映像を提供す
る方式が知られていた。しかしこの場合、提供される情
報としては実際の映像そのものの大容量の画像であり、
情報の記憶容量、伝送容量が大きくなること、扱う画像
データの数量が増えるとその処理時間が増大すること、
といった点で問題があった。これらの問題を解決するた
めに、画像圧縮もしくは可能な限り不必要な情報を減ら
した簡易画像を用いることにより記憶容量、伝送容量を
減らす工夫もあったが（特開平7-324940号公報）、簡易
画像の数量が増えるとその記憶容量、伝送容量、そして
処理時間が増えるので、根本的な解決とはなっていな
い。

【０００３】また、実際の映像そのものの情報には、ナ
ンバープレート、ドライバーの顔、ビルの看板、事故映
像、等、個人のプライバシーに関わる情報が多く、これ
らを保護するために、例えばTV会議システムの分野で
は、画像処理を施してプライバシーに触れる部分をマス
ク処理したり、情報削除を行なうという工夫もあったが
（特開平8-51611号公報）、上記を含めた従来の交差点
交通状況提供装置には、このようなプライバシーの保護
を考慮したものはなく、このような画像処理を大量にあ
る交差点画像に適用した場合には、プライバシーを保護
するためのマスク処理などのため、処理時間が増大する
といった点で問題がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな問題点を考慮してなされたもので、従来伝送容量が
多くネットワークの負荷が問題となっていた交差点交通
状況提供装置に対して、実際の交差点を模擬した仮想交
差点世界上で交通状況を表現することによる、提供され
る交通情報の大幅な削減により、小規模小容量の情報を
扱えるようにした交差点交通状況提供装置を提供するこ
とを目的とする。

【０００５】さらに、本発明は、交差点の仮想世界上で
交通状況を表現したことにより、個人のプライバシーに
関わる情報を保護することのできる交差点交通状況提供
装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】さらに、本発明は、交差点の仮想世界上で
交通状況を表現したことにより、個人のプライバシーに
関わる情報を保護するための処理時間を削減することの
できる交差点交通状況提供装置を提供することを目的と
するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、交差点での交通状況を検出し、該検出した
交通状況を示す交通情報を出力する交通情報収集装置
と、前記検出された交通状況を示す画像を出力するユー
ザ端末と、前記交通情報収集装置からの交通情報をもと
に前記ユーザ端末で交通状況を示すための情報を生成
し、該ユーザ端末へ提供する管制センタとを備える交差
点交通状況提供装置において、前記管制センタは、前記
交通情報を用いて当該交通情報が収集された交差点での
交通状況を模擬した仮想交差点世界を記述するための仮
想世界交通情報を生成し、該生成した仮想世界交通情報
を前記ユーザ端末へ提供する交通状況提供部を備え、前
記ユーザ端末は、前記仮想世界交通情報から前記仮想交
差世界での交通状況を示す画像を生成して出力する交通
状況出力部を備える。

【０００８】ここで、前記交通情報収集装置は、交差点
の交通状況を検出する交通状況監視部と、該交通状況監
視部での検出情報を処理することで、当該交差点での交
通状況を示す前記交通情報を生成し、前記管制センタへ
出力する交通情報処理部とを備え、前記管制センタは、
前記交通情報収集装置から出力された交通情報および前
記仮想交差点世界を構成する構成物を記述するための仮
想世界構成物情報を少なくとも含む情報群を格納するデ
ータベースと、前記データベースに格納された情報群の
少なくとも一部を前記仮想世界交通情報として通信回線
を介して前記ユーザ端末へ送出するセンタ通信部とをさ
らに備え、前記ユーザ端末は、前記センタ通信部から送
出された前記仮想世界情報を受信する端末通信部をさら
に備えることが好ましい。

【０００９】また、上記発明においては、前記交通情報
収集装置を複数備え、各交通情報収集装置は互いに異な
る地点に設置され、前記ユーザ端末を複数備え、各ユー
ザ端末は交通情報の提供を希望する交差点を少なくとも
指定する情報提供要求を前記端末通信部を介して前記管
制センタへ送信し、前記管制センタは、前記情報提供要
求を前記センタ通信部により受信し、該受信した情報提
供要求の指定条件に合致する情報を前記データベースか
ら検索し、該検索の結果得られた情報を前記仮想世界情
報として前記情報提供要求を送信してきたユーザ端末へ
前記センタ通信部を介して送出する構成としてもよい。

【００１０】また、上記発明において、前記管制センタ
では、前記データベースが前記交通情報収集装置から出
力された前記交通情報を少なくとも格納し、前記センタ
通信部が前記データベースに格納されている交通情報を
送出し、前記ユーザ端末は、前記仮想交差点世界を構成
する構成物を記述するための仮想世界構成物情報を格納
する端末データベースをさらに備え、前記端末通信部で
受信された前記交通情報と前記端末データベースに格納
されている前記仮想世界構成物情報とから、前記仮想交
差点世界での交通状況を示す画像を生成する構成として
もよい。

【００１１】上記発明において、前記交通状況監視部
は、交差点に設置してある小型監視カメラおよび車両感
知器のうちいずれか一方で構成されることが好ましい。

【００１２】また、上記発明において、前記ユーザ端末
は、画像出力される仮想交差点世界の表示形態を選択す
るための選択部をさらに備え、前記選択部の選択結果に
応じて前記仮想交差点世界での交通状況の表示形態を２
次元あるいは３次元とする構成としてもよい。

【００１３】上記目的を達成するために本発明は、交通
状況を検出し、該検出した交通状況を示す交通情報を出
力する交通情報収集装置と、前記検出された交通状況を
示す画像を出力するユーザ端末と、前記交通情報収集装
置からの交通情報をもとに前記ユーザ端末で交通状況を
示すための情報を生成し、該生成した情報をユーザ端末
へ提供する管制センタとを備える交通状況提供装置にお
いて、前記交通情報を変換して当該交通情報が収集され
た地点での交通状況を模擬した仮想世界での交通状況を
記述するための仮想世界交通情報を生成する変換手段を
備え、前記ユーザ端末は、前記仮想世界交通情報から前
記仮想世界での交通状況を示す画像を生成して出力す
る。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。

【００１５】図１は本発明の特徴を最も良く表わしてい
る交差点交通状況提供装置の全体構成図である。本実施
形態による交差点交通状況提供装置は交通情報収集装置
101と管制センタ102とユーザ端末103とから構成され
る。

【００１６】交通情報収集装置101は現状の交通情報を
収集して管制センタ102へと送信を行う部分であり、管
制センタ102は収集された交通情報を制御し、ユーザ端
末103に交通状況を提供する部分であり、ユーザ端末103
は交通状況を把握する部分である。交通情報収集装置10
1は、交差点の交通状況を監視する交通状況監視装置104
と、交通状況監視装置104から得られる情報を加工して
交通情報を出力する交通情報処理装置105とから構成さ
れる。交通状況監視装置104には、本実施形態では車両
感知器あるいは小型監視カメラを用いるものとするが、
交通情報の収集が目的であるので、これらを組み合わせ
たり、これら以外の情報収集装置を用いてもよい。

【００１７】管制センタ102は、交通情報収集装置101か
ら得られる交通情報を制御してユーザ端末103へ提供す
るための交通状況提供装置106と、交通情報等種々の情
報を蓄積するためのデータベース107と、交通情報を含
む各種情報を送信するなど、ユーザ端末103との通信を
行なうための通信装置108とから構成される。交通状況
提供装置106には後述するような処理を実行するコンピ
ュータやワークステーション等の情報処理装置を用い
る。

【００１８】ユーザ端末103は、管制センタ102と通信を
行なう通信装置109と、受信した交通情報等により交通
状況を把握するための交通状況出力装置110とから構成
される。ユーザ端末103には、上記の構成を持ったあら
ゆる装置が考えられ、特に、カーナビゲーションシステ
ムでの車載端末、移動用携帯端末等の車の中で用いる装
置を想定するが、上記の装置構成であれば、家庭やオフ
ィスなどで用いるパーソナルコンピュータ、ワークステ
ーション等を用いてもよい。

【００１９】図２は交通情報収集装置101における交通
情報の収集処理の流れ図である。まず、交通状況監視装
置104では、実際の路上よりその装置の検出方法に依存
した各種交通情報を得る(ステップ201)。そして、交通
情報処理装置105では、交通状況の把握をするためにユ
ーザ端末103で実際の交差点を模擬した世界である仮想
交差点世界で使用できるように情報を加工して仮想交差
点世界の交通情報データとして出力し(ステップ202)、
任意の時間間隔でこの情報を蓄積してから管制センタ10
2へと交通情報データを送信する(ステップ203)。以下こ
れの繰り返しである。

【００２０】交通情報処理装置105で行なうステップ202
の交通情報の加工処理の有無は、使用する装置に依存
し、交通情報収集装置101内での処理を省略して管制セ
ンタ102内で行なってもよい。その場合、管制センタ102
で交通情報の加工処理が増える形で対応できる。また、
ステップ202で出力される交通情報データには、特に、
車両の速度情報、車両の位置情報、車両の種別情報等が
あるが、これらに限らずユーザ端末103上で交通状況を
模擬することができる情報であればどのような情報でも
使用できる。

【００２１】交通情報収集装置101として前述の車両感
知器と小型監視カメラを使用した場合の例を図６、図８
を用いて説明する。図６は車両感知器を使用した場合の
処理の流れの例である。特に超音波式のものを用いた場
合の例を図７に示した。路上に設置してある車両感知器
601は路面に対して送信波を送り、その反射波の到達時
間差により車両を検知する。つまり、路面からの反射波
と車両からの反射波とのパルスの到達時間の差より車両
を検知するものである。

【００２２】この車両感知器情報により交通情報処理装
置602では、まず、車両感知器601がある地点を単位時間
Ｔの間に通過した台数を表わす交通量Ｑと、車両感知器
601がある地点に車両が存在した時間の割合を表わす占
有率Ｏが求められ、続いて、これらの情報をもとに車両
の平均速度ｖが交通情報として求められる。この交通情
報は管制センタ102へと任意の時間毎に送信される。

【００２３】今、車両の平均車長をＬとすると、車両の
平均速度ｖは、以下の数１で表される。

【００２４】 ｖ＝距離／時間＝（Ｑ×Ｌ）／（Ｏ×Ｔ） ………（数１） このように車両感知器から得られる車両の平均速度ｖと
与えられた初期位置とに基づいて、例えば個別の車両を
示す車両モデルが平均速度ｖで移動するようなアニメー
ション映像を生成することにより、交通情報監視装置10
4により検出された実際の車両の流れを仮想世界におい
て模擬することができる。したがって、車両の平均速度
ｖはユーザ端末103上で使用できる仮想交差点世界の交
通情報データの一つとなる。

【００２５】次に、図８は小型監視カメラを使用した場
合の処理の流れの例である。路上に設置してある小型監
視カメラ801は路上の交通状況を撮影してカメラ映像と
して記憶し、続いて、交通情報処理装置802では、この
カメラ映像に対して画像処理を施し、車両位置、車両速
度、車両種別等が交通情報として求められる。この交通
情報は管制センタ102へと任意の時間毎に送信される。

【００２６】画像処理による車両の検出の例を図９を用
いて説明する。まず、小型監視カメラで撮影する範囲で
車両が写っていない画像をテンプレートとして用意す
る。このテンプレートと実際の映像を比較して差異部分
を抽出する。この差異部分が車両となる。以上の処理に
より、車両の位置、大きさを知ることができ、さらに、
処理を繰り返し行なうことにより検出車両の軌跡を知る
ことができる、つまり、車両の速度を求めることができ
る。

【００２７】このようにカメラ画像処理から得られる車
両の位置、速度、種別等の情報は、そのデータを用いる
ことにより、仮想交差点世界で表示される車両モデルの
位置や移動速度の設定、車両モデルの大きさあるいは種
別等の選択を可能とする。すなわち、上記車両の位置、
速度、種別等の情報は、実際の車両の流れを仮想交差点
世界で模擬することを可能とするので、ユーザ端末103
上で使用できる仮想交差点世界の交通情報データとして
利用することができる。

【００２８】図３は管制センタ102における交通情報デ
ータの収集処理の流れ図である。まず、管制センタ102
では交通情報収集装置101から定期的に送信されてくる
交通情報データを受信する(ステップ301)。そしてデー
タベース107にその交通情報データを蓄積する(ステップ
302)。データベース107に蓄積されているデータには交
通情報データ以外にも、ユーザ端末103で表現される仮
想交差点世界のモデルデータ、車両モデルデータ、信号
の周期を表わすサイクルやサイクル中の青信号時間の比
率を表わすスプリット等の信号機制御情報データ、ユー
ザ端末103において仮想交差点世界で交通状況を出力す
るためのプログラムデータ等が含まれる。上述した交通
情報データ以外の情報は、予め作成しておき必要に応じ
てオフラインでデータベース107に記憶させる構成とし
てもよい。

【００２９】図４は管制センタ102の交通状況提供装置1
06における交通状況提供処理の流れ図である。交通状況
提供装置106のメインプロセスとなる親プロセスでは最
初、処理待機状態にいる(ステップ401)。ユーザ端末103
からの交通状況の提供要求があった場合は次の処理に進
み、無い場合は処理待機状態でいる(ステップ402)。交
通状況の提供要求があった場合には、各要求毎にユーザ
端末103へ交通状況を提供するための子プロセスを順次
立ち上げて、親プロセスへ戻る(ステップ403)。

【００３０】ステップ404から始まる交通状況提供の子
プロセスでは、まず、ユーザ端末103上で実行される交
通状況把握プログラム、仮想交差点世界のモデルデー
タ、車両モデルデータ等を送信する(ステップ404)。こ
こで、交通状況把握プログラムとは、クライアントであ
るユーザ端末103上でクライアントが持つ中央演算処理
装置を利用して実行されるプログラムのことである。こ
のように構成することで、管制センタ102とユーザ端末1
03とで処理の負荷分散が図れる。また、これらの交通状
況把握プログラム等は、今回、一元管理することを目的
に管制センタ102から送信するとしているが、あらかじ
めユーザ端末103の記憶装置に持っていてもよい。この
場合、これらの交通状況把握プログラム等の送信の手間
がなくなることになる。

【００３１】続いて、子プロセスでは、データベース10
7に蓄積してある交通情報、信号機制御情報データ等の
中でそれぞれ最も新しいものを検索する(ステップ40
5)。ここで、特にユーザ端末103から過去の交通情報を
参照したいという要求があった場合には、その要求のあ
った過去の交通情報を提供してもよい。ステップ405で
見つかったこれら交通情報等はユーザ端末103に送信す
る(ステップ406)。ユーザ端末103では、対象となる交差
点での実際の交通状況がユーザに把握されやすく、かつ
プライバシーに関わる部分が示されないように、これら
の交通状況把握プログラム、交通情報等から仮想交差点
世界において交通状況を示す画像を出力する。

【００３２】子プロセスでは、続いて、ユーザ端末103
からの終了要求を監視する(ステップ407)。ユーザ端末1
03からの終了要求が無い場合はステップ405に戻り、順
次新しい交通状況を獲得する。ユーザ端末103からの終
了要求があった場合、この子プロセスを終了させ、ステ
ップ401の処理待機状態に戻る(ステップ408)。

【００３３】図５はユーザ端末103における交通状況出
力処理の流れ図である。ユーザ端末からは、まず、管制
センタ102へとデータ送信要求を送る(ステップ501)。管
制センタ102からデータが送信されるまで待機状態にい
る(ステップ502)。管制センタ102からのデータを受信す
ると(ステップ503)、交通状況出力モードに入る(ステッ
プ504)。終了する場合は、管制センタ102へと終了要求
を出すが、終了しない場合は、新しい交通情報の送信要
求を出す(ステップ505)。交通状況出力モードについて
は図１０、１１、１２、１３、１４を用いて以下で詳し
く説明する。

【００３４】図１０はユーザ端末103において実際の交
通状況が仮想交差点世界としてどのように表示されるの
かを示す図である。図１０の例では仮想交差点世界は３
次元のアニメーションで表されている。このように、実
際の交通状況から得られる種々の交通情報をもとにユー
ザ端末103では実際の交通状況を模擬した仮想交差点世
界の形で表現される。

【００３５】小型監視カメラから得られる実際の交通画
像データでは、交通状況を把握するのに１枚の静止画、
もしくは交通流を捉えるための複数枚の静止画、動画が
使用される。これらの交通画像データは一般的に数十キ
ロから数メガバイトまでの容量になってしまい、このよ
うな大容量のデータを複数のユーザにリアルタイムで提
供するのには、データ送信遅延、サーバの処理負荷の増
大、回線のトラフィックの増大、等の問題点が生じる。
また、実際の交通画像データには、車両のナンバープレ
ート、ドライバの顔、事故現場の映像等プライバシーの
問題に関わる情報が多く含まれている。

【００３６】本発明はこれらの問題点を解決するための
手段を有しており、車両の平均速度等のように、交通状
況を模擬できる小容量の情報を提供することによりデー
タ送信遅延、サーバの処理負荷の増大、回線のトラフィ
ックの増大、等の問題を解決でき、また、実際の交通画
像を使用せず、仮想交差点世界で模擬することにより、
プライバシーに関わる部分がフィルタリングされ、プラ
イバシーの問題を解決できる。

【００３７】なお、仮想交差点の画像を生成する際に
は、図１０のように全ての構成物を示す画像をモデルデ
ータを用いて生成するだけでなく、上記した問題の障害
とならない部分に実写画像を用いる構成としてもよい。

【００３８】図１１はユーザ端末103での操作方法を示
す図である。図１１ではユーザ端末103を1101のように
カーナビゲーションシステムの車載端末とパーソナルコ
ンピュータで表わしているが、ユーザ端末103にはどの
ようなプラットフォームを適用してもよく、移動用携帯
端末、ワークステーション等を用いてもよい。

【００３９】ユーザ端末103では、管制センタ102からの
交通状況把握プログラムを受信するとそのプログラムを
起動する。起動画面には1102のような地図操作画面が現
われる。地図上でユーザが見たい交差点をマウス等のポ
インタで入力すると、その部分の交差点の状況を示す画
面1103が表示される。ここで交差点の位置の入力は図１
２に示すように、リストの中からリスト方式やプルダウ
ン方式で選択してもよく、ユーザが直接交差点名を文字
で入力して指定してもよい。

【００４０】画面1103は３次元のアニメーションの例で
ある。管制センタ102から受信した仮想交差点世界の３
次元モデルデータにより、画面1103のように仮想交差点
世界を出力する。また、車両に関しても同様に、カメラ
映像を画像処理することで得られる交通情報の一つであ
る車両の種別情報に応じて選択された車両の３次元モデ
ルデータを用いて出力する。車両の動きは同じく管制セ
ンタ102から受信した交通情報を用いて、信号の青赤を
時間によって切り替え、車両の位置を時間によって更新
させ、アニメーションにより表示する。交通情報は定期
的に管制センタ102に最新の版を送信するように要求を
出すことにより更新される。

【００４１】ユーザ端末103では、図１３に示すよう
に、ユーザがポインタ等により指定した点に視点を設定
し、該設定した視点から仮想交差点世界を見た画像を表
示する構成としてもよい。このような構成によれば、視
点を任意の位置に移動できるため、ユーザは自分の見た
い角度から交通状況を確認できる。

【００４２】また、図１４に示すように、ユーザ端末10
2に出力画像の表示形態を選択するための選択スイッチ
をさらに設け、表示すべき仮想世界の次元を２次元ある
いは３次元に切り替えることが可能であるように構成し
てもよい。このような構成によれば、ユーザは見やすい
次元を利用して、交通状況の把握ができる。

【００４３】なお、上述した実施形態では交差点での交
通状況を示す装置を例に挙げて説明したが、本発明では
交差点に限らず、交通状況を監視する交通情報収集装置
が設置されている場所であればどのような地点において
も、上記実施形態と同様に交通状況の把握ができる。

【００４４】

【発明の効果】本発明の交差点交通状況提供装置によれ
ば、実際の交差点を模擬する仮想交差点世界のモデルを
用いることにより、車両の状況を位置情報、速度情報等
の簡易な情報で扱うことができる。このため、情報の記
憶容量、伝送容量、処理時間を大幅に削減でき、システ
ム全体の処理の効率が良い。

【００４５】さらに、本発明の交差点交通状況提供装置
によれば、実際の交通映像を仮想世界へと変換してから
提供するため、ナンバープレート、ドライバーの顔、ビ
ルの看板、事故映像、等、個人のプライバシーに関わる
情報を保護することができ、システムの信頼性が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態における交差点交通状況提
供装置の全体構成の一例を示すブロック図。

【図２】交通情報の収集フローを示すフローチャート。

【図３】交通情報データ収集フローを示すフローチャー
ト。

【図４】オンデマンド情報提供フローを示すフローチャ
ート。

【図５】交通状況出力フローを示すフローチャート。

【図６】交通状況監視装置の車両感知器方式の説明図。

【図７】車両感知器方式の一例の説明図。

【図８】交通状況監視装置の画像処理方式の説明図。

【図９】画像処理による車両の検出方法の説明図。

【図１０】実際の交通状況から仮想世界への変換の説明
図。

【図１１】ユーザ端末での操作方法の説明図。

【図１２】交差点位置入力のその他の例の説明図。

【図１３】視点の変化による出力画像例を示す説明図。

【図１４】２次元／３次元出力の切り替えを示す説明
図。

【符号の説明】

101…交通情報収集装置、102…管制センタ、103…ユー
ザ端末、104…交通状況監視装置、105…交通情報処理装
置、106…交通状況提供装置、107…データベース、108
…通信装置、109…通信装置、110…交通状況出力装置。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】交差点での交通状況を検出し、該検出した
   交通状況を示す交通情報を出力する交通情報収集装置
   と、前記検出された交通状況を示す画像を出力するユー
   ザ端末と、前記交通情報収集装置からの交通情報をもと
   に前記ユーザ端末で交通状況を示すための情報を生成
   し、該ユーザ端末へ提供する管制センタとを備える交差
   点交通状況提供装置において、 前記管制センタは、前記交通情報を用いて当該交通情報
   が収集された交差点での交通状況を模擬した仮想交差点
   世界を記述するための仮想世界交通情報を生成し、該生
   成した仮想世界交通情報を前記ユーザ端末へ提供する交
   通状況提供部を備え、 前記ユーザ端末は、前記仮想世界交通情報から前記仮想
   交差世界での交通状況を示す画像を生成して出力する交
   通状況出力部を備えることを特徴とする交差点交通状況
   提供装置。
2. 【請求項２】前記交通情報収集装置は、交差点の交通状
   況を検出する交通状況監視部と、該交通状況監視部での
   検出情報を処理することで、当該交差点での交通状況を
   示す前記交通情報を生成し、前記管制センタへ出力する
   交通情報処理部とを備え、 前記管制センタは、前記交通情報収集装置から出力され
   た交通情報および前記仮想交差点世界を構成する構成物
   を記述するための仮想世界構成物情報を少なくとも含む
   情報群を格納するデータベースと、前記データベースに
   格納された情報群の少なくとも一部を前記仮想世界交通
   情報として通信回線を介して前記ユーザ端末へ送出する
   センタ通信部とをさらに備え、 前記ユーザ端末は、前記センタ通信部から送出された前
   記仮想世界情報を受信する端末通信部をさらに備えるこ
   とを特徴とする請求項１に記載の交差点交通状況提供装
   置。
3. 【請求項３】前記交通情報収集装置を複数備え、各交通
   情報収集装置は互いに異なる地点に設置され、 前記ユーザ端末を複数備え、各ユーザ端末は交通情報の
   提供を希望する交差点を少なくとも指定する情報提供要
   求を前記端末通信部を介して前記管制センタへ送信し、 前記管制センタは、前記情報提供要求を前記センタ通信
   部により受信し、該受信した情報提供要求の指定条件に
   合致する情報を前記データベースから検索し、該検索の
   結果得られた情報を前記仮想世界情報として前記情報提
   供要求を送信してきたユーザ端末へ前記センタ通信部を
   介して送出することを特徴とする請求項２に記載の交差
   点交通状況提供装置。
4. 【請求項４】前記交通状況監視部は、交差点に設置して
   ある小型監視カメラおよび車両感知器のうちいずれか一
   方で構成されることを特徴とする請求項２に記載の交差
   点交通状況提供装置。
5. 【請求項５】前記管制センタでは、前記データベースが
   前記交通情報収集装置から出力された前記交通情報を少
   なくとも格納し、前記センタ通信部が前記データベース
   に格納されている交通情報を送出し、 前記ユーザ端末は、前記仮想交差点世界を構成する構成
   物を記述するための仮想世界構成物情報を格納する端末
   データベースをさらに備え、前記端末通信部で受信され
   た前記交通情報と前記端末データベースに格納されてい
   る前記仮想世界構成物情報とから、前記仮想交差点世界
   での交通状況を示す画像を生成することを特徴とする請
   求項２に記載の交差点交通状況提供装置。
6. 【請求項６】前記ユーザ端末は、画像出力される仮想交
   差点世界の表示形態を選択するための選択部をさらに備
   え、前記選択部の選択結果に応じて前記仮想交差点世界
   での交通状況の表示形態を２次元あるいは３次元とする
   ことを特徴とする請求項１に記載の交差点交通状況提供
   装置。
7. 【請求項７】交通状況を検出し、該検出した交通状況を
   示す交通情報を出力する交通情報収集装置と、前記検出
   された交通状況を示す画像を出力するユーザ端末と、前
   記交通情報収集装置からの交通情報をもとに前記ユーザ
   端末で交通状況を示すための情報を生成し、該生成した
   情報をユーザ端末へ提供する管制センタとを備える交通
   状況提供装置において、 前記交通情報を変換して当該交通情報が収集された地点
   での交通状況を模擬した仮想世界での交通状況を記述す
   るための仮想世界交通情報を生成する変換手段を備え、 前記ユーザ端末は、前記仮想世界交通情報から前記仮想
   世界での交通状況を示す画像を生成して出力することを
   特徴とする交通状況提供装置。