JPH1123756A - 原子燃料棒識別方法 - Google Patents

原子燃料棒識別方法

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JPH1123756A
JPH1123756A JP9179638A JP17963897A JPH1123756A JP H1123756 A JPH1123756 A JP H1123756A JP 9179638 A JP9179638 A JP 9179638A JP 17963897 A JP17963897 A JP 17963897A JP H1123756 A JPH1123756 A JP H1123756A
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JP
Japan
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light
cladding tube
fuel rod
identification symbol
nuclear fuel
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JP9179638A
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English (en)
Inventor
Kazuo Tomita
和雄 富田
Junjiro Nakajima
潤二郎 中島
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 原子燃料棒の製造や燃料集合体の組立工程に
おいて、燃料棒を、簡便で高い信頼性を有し、燃料棒の
健全性に何ら影響を与えない方法で識別する。 【解決手段】 軸方向に微細な凹凸を有する被覆管11
の表面に光学的に滑らかな平滑面からなる識別記号3を
付し、識別記号3が形成された被覆管表面に、燃料棒の
軸方向に対して角度αをなす光線を入射させ、入射角α
と異なる角度βをなして乱反射した光のみを受光し、こ
の反射光の強度分布から識別記号を読み取る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子燃料棒の製造
や燃料集合体の組立を行う工場にあって、燃料棒の追跡
的な管理や組立時の誤配置防止の目的で行われる燃料棒
の識別管理に係り、当該燃料棒を誤りなく識別するのに
好適な識別記号およびその読取り方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子燃料棒は、全長約4m、外径約10〜
13mmの被覆管内に円柱状ペレットの形態で、二酸化ウ
ラン(UO2)等の、ウラン化合物、プルトニウム化合
物、トリウム化合物またはこれらのうちの少なくとも2
種の混合物からなる核燃料が内装され、上部、下部の端
栓溶接により密封されたものである。このような原子燃
料棒にあっては、品質管理や核燃料物質の計量管理の目
的で十分な追跡性を有する必要がある。また、複数本の
燃料棒を決められた位置に配置して構成される燃料集合
体の組立にあっては所定の種類の燃料棒が所定の位置に
配置されるように管理する必要がある。以上の観点か
ら、各原子燃料棒には識別記号が付され、これらを正確
に読み取ることにより当該燃料棒を誤まりなく識別管理
する方法が採られている。
【0003】従来、燃料棒識別方法としては、原子燃料
棒の下部端栓等に数字やアルファベットからなる識別記
号を刻印して、光学的な文字認識装置(OCR)によっ
て読み取る方法がある。ところが、一般にOCRによる
誤読率は1万文字に1文字といわれ、バーコードリーダ
(BCR)でバーコードを読み取る場合の300万文字に
1文字に対して読み取りの信頼性が大きく劣る。
【0004】以下に、BCRによるバーコード読み取り
方法を概説する。バーコードは数字やアルファベットを
黒線と白線、太線と細線の組み合わせで表現したもの
で、レーザースキャン等の手法によって黒線と細線、お
よび太線と細線の配列が読み取られ、コード体系毎に定
められた規則に基づき数字やアルファベットに変換され
るものである。
【0005】黒線および白線からなるバーコードにレー
ザー光線を当てたとき、黒線は光線を吸収するため反射
光の強度は入射光の強度に対して大きく減衰しているの
に対し、白線は光線を吸収しにくいため反射光の強度は
入射光の強度に対してあまり減衰していない。すなわ
ち、黒線からの反射光の強度は小さく、白線からの反射
光の強度は大きい。そこで、この性質を利用してレーザ
ー光のスポットをスキャンさせたときの反射光の強度分
布から黒線と白線、および太線と細線を識別することが
できる。反射光の強弱は受光素子で検出されるが、正反
射光を受光するように設計すると狭い領域でしか読み取
りが行えなくなる上、ラベルの質により反射の大きさが
異なる場合があるため、バーコードの読み取りには適さ
ない。そこで、バーコードの読み取りには反射領域が広
範囲で反射の大きさが比較的安定した乱反射光が一般的
に利用されている。以上がレーザースキャン方式のバー
コード読み取り方法の概要である。また、レーザースキ
ャン方式と同様な原理でLEDを光源としてCCDイメ
ージセンサで受光するCCD方式もバーコードの読み取
りに一般的に用いられている。
【0006】一方、原子燃料棒を上記の白黒バーコード
で管理するためには、バーコードを印刷した紙ラベルを
あらかじめ貼付して識別管理を行い、原子炉内装荷前に
この紙ラベルを剥がす必要がある。これらの貼付・剥離
の作業はコスト増大を招くほか、放射線下における作業
の場合は貼付・剥離作業に伴う作業員の放射線被曝を管
理する必要が生じる。このような問題の解決策として、
特開平3−237389号公報に記載の、原子燃料棒に管理番
号として電解研磨によるバーコードを表示しておき、既
知の読取装置により読み取る方法が考えられる。また、
該公知例では信頼性向上のために端栓の先頭端面や作為
的に形成した植字用平面にバーコードを表示するとして
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】原子燃料棒に電解研磨
で付したバーコードを上述のBCRで読み取る場合、光
を吸収しやすい黒色の電解研磨面と光を吸収しにくい金
属光沢面との反射光強度の差が利用される。ところが、
該公知例では電解研磨を施す燃料棒または端栓の表面の
性状が考慮されていない。バーコードのスペース部すな
わち作為的に形成した植字用平面または端栓本来の表面
がほとんど鏡面反射するほど滑らかな場合には、乱反射
光によるバーコード読み取りは困難になる。特にバーコ
ードが周曲面に付してある場合の読み取りは既知のBC
Rの構造上技術的な困難を伴い、その信頼性は平面に比
べて劣る。一方、端栓の先頭端面にバーコードを表示す
る場合には印字スペースが非常に狭いため、バーコード
幅が狭すぎて十分な読み取り性能が得られず信頼性が低
下することが考えられる。
【0008】また、植字用平面にバーコードを表示する
場合には平滑面を作成するために余分な作業が発生する
うえ、作成した平滑面が燃料棒や燃料集合体の性能に影
響を及ぼす可能性がある。さらに、電解研磨によるバー
コード印字では、管理番号ごとに異なるパターンのマス
キング処理が必要になるため印字作業が煩雑であった
り、燃料棒または被覆管を水溶液中に浸すため、新たに
乾燥工程が必要になるといった問題がある。
【0009】本発明は上記のような従来法の問題点を解
決すべく、簡便で、高い信頼性を有し、燃料棒の健全性
に何ら影響を与えることのない燃料棒識別符号及び方法
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、軸方向断面でみたとき表面に微細な凹凸を
有する被覆管の表面に、光学的に正反射が生じる程度滑
らかな面からなる識別記号を形成し、識別記号形成部分
に燃料棒の軸方向に対して斜めに光線を入射させ、識別
記号形成部分から乱反射した光を受光し、受光した反射
光の強度分布から識別記号を読み取る方法により信頼性
の高い燃料棒識別管理を実現する。
【0011】被覆管表面の凹凸は、被覆管軸線を含む平
面内を通り軸線に対して角度αで斜めに傾斜して入射し
た光を乱反射するが、凹凸を被覆管の周方向に沿って延
びる多数の微細な溝をつくることで形成すれば、入射し
た光の大きな部分を溝の光源側壁面で反射することにな
り、これらの光は軸線に対してα<βなる角度βで反射
されることとなる。すなわち、被覆管表面の凹凸を被覆
管の周方向に沿って延びる多数の微細な溝をつくること
で形成し、この凹凸面に光学的に正反射が生じる程度滑
らかな平滑面からなる識別記号を形成し、識別記号形成
部分に燃料棒の軸方向に対して斜めに光線を入射させ、
識別記号形成部分から乱反射した光を受光することで凹
凸面と平滑面の反射光強度のコントラストを強め、受光
した反射光の強度分布から識別記号を読み取ることが容
易にかつ誤読を少なくできる。
【0012】また、文字やシンボル等を用いて識別記号
を形成し、2次元的な広がりのある反射光を受光する場
合は、円あるいは円弧状の光源を、被覆管と同心状に配
置するのが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。燃料棒1に使用されている被覆管
11の表面に、機械研磨等により軸方向断面に示される
微細な凹凸を連続的に形成した場合、該被覆管11の中
心軸を含む平面内を通り、被覆管中心軸と角度αをなす
光線をこの機械研磨面(凹凸面)に照射すると、表面の
凹凸により乱反射が生じる。特に、入射角αが十分小さ
い場合には、図2の如く、凹凸面に入射した光の大きな
部分が凸部の光源側傾斜面で反射されるため、凹凸面に
入射した光に対しては、α<βなる反射角βをもって反
射光が進行しやすい。一方、この機械研磨面の一部を光
学的に理想的な正反射が生じる程度まで滑らかな平滑面
にすると、前述のように角度αで入射した光は入射角と
等しい反射角αをもって進行する。このような条件下
で、図1に示すように、被覆管(以下、燃料棒ともい
う)11の表面に、凹凸面と平滑面を組み合わせた識別
符号3を形成し、被覆管11の軸線を含む平面内を通り
軸方向に対して角度αをなすように光源4から光を被覆
管表面の識別符号3に投射し、被覆管11の軸方向に対
して角度αと異なる角度βをなす方向の反射光を受光す
る受光装置(例えばCCDカメラ)5を配置して受光
し、受光した光を画像信号に変換して画像処理装置6に
伝送する。
【0014】こうすると、凹凸面(機械研磨面)32か
らの乱反射光の一部は受光装置5に到達するのに対し、
平滑面31からの正反射光は反射角αで反射されて受光
装置5に到達しないので、受光強度は凹凸面(機械研磨
面)32からの反射光で大きく、平滑面31からの反射
光で小さい分布となる。すなわち、凹凸面(機械研磨
面)32は明、平滑面31は暗として認識され、画像処
理装置6は図2の記号認識例7に示すような図形を認識
する。特に、入射角αが十分小さく、α<βなる反射角
βをなす方向の反射光を受光する場合には明暗のコント
ラストが大きくなる。
【0015】さらに、表面の凹凸が円周方向の多数の極
浅い溝または密な螺旋状の極浅い溝によって形成されて
いる場合には、反射光における機械研磨面(凹凸面)と
平滑面の境界が明瞭になる。また、機械研磨面への入射
光がほとんど吸収されることなく反射するための条件と
して、被覆管の表面は金属光沢であることが好ましい。
本発明は、この原理を利用して、表面の少なくとも一
部が長手方向断面でみたとき微細な凹凸を有する乱反射
面である被覆管の表面に、光学的に理想的な正反射が生
じる程度滑らかな面からなる識別記号を形成し、この識
別符号が形成されている表面領域に、燃料棒の軸線を含
む平面内で該軸線に対して角度αをなす光線を入射さ
せ、燃料棒の軸線に対して角度αと異なる角度βをなし
て反射した光を受光し、受光した反射光の強度分布から
識別記号を読み取ることを特徴としている。ここでは機
械研磨による凹凸を例として挙げたが、このような凹凸
を化学的または電気的な方法等で作成しても前述の作用
は同じである。この方法によれば識別記号は図3に示す
ように文字、図形等を任意に選択できる。
【0016】本発明の識別記号の印字には表面を滑らか
にする種々の方法が可能であるが、そのうちの一つとし
てレーザーマーキングが考えられる。レーザーマーキン
グの場合、マーキング時の雰囲気やレーザ出力等の条件
によっては金属の表面が溶融・酸化され黒色に変色する
が、このような条件では酸素、窒素等の不純物元素が巻
き込まれている。これらの元素は過度に取り込まれると
燃料棒の耐食性を変化させる要因となる。不純物元素の
混入は、レーザーマーキング時の雰囲気を制御すること
によって防ぐことができる。例えば、雰囲気がArガス
100%の条件下では、レーザーにより表面の数10μmが
溶融されて滑らかになるだけで、不純物が混入しないた
め耐食性への影響はない。この時に得られるレーザ光照
射部(マーキング部)は、機械研磨面に比べて極めて滑
らかな金属光沢面となり、入射光はほぼ正反射すると考
えてよい。
【0017】以上のことから、燃料棒の健全性に影響を
与えることなく本発明の特徴である滑らかな面からなる
識別記号を印字する方法として、不活性ガス100%の
雰囲気中または真空等の耐食性に影響を及ぼす不純物元
素を巻き込むことのない雰囲気におけるレーザーマーキ
ングが好適である。なお、本発明における識別記号は目
視で識別可能な着色の有無に関係なく、入射光を乱反射
する凹凸面と入射光を正反射する平滑面を所望の形状、
順序に組み合わせることにより本発明の作用を実現する
ものである。
【0018】本発明の燃料識別方法は、燃料棒軸線を含
む平面内で燃料棒軸方向に対して角度αをなす光を照射
する光源と、燃料棒軸方向に対して前記角度αと異なる
角度βに反射された光を受光する位置に配置された受光
装置と、受光した光の強度分布から識別記号を認識する
演算装置から構成される装置により実現される。光源、
受光装置および演算装置の最適な組み合わせは、読み取
り対象となる識別記号の種類により決定されるが、識別
記号を1次元の情報すなわち線としてとらえるか、2次
元の情報すなわち面としてとらえるかによって大別でき
る。線としてとらえる場合は、最も単純な例として点光
源と1次元に配列した受光素子を燃料棒中心軸を含み識
別記号を横切る同一平面上に配置し、波形処理が可能な
演算装置と組み合わせて識別記号を読み取ることができ
る。ここでいう点光源とは、1点から拡散光を発する光
源または1点からスポット状の光を走査させる光源等の
ことである。
【0019】ところが、点光源から燃料棒中心軸を含む
平面以外を径路として照射される光の燃料棒軸方向に垂
直な方向の成分は被覆管の周曲面の接平面を反射面とし
て鏡面反射するので、反射光は発散してしまい、識別記
号を面としてとらえるには不適である。そこで、周曲面
上の識別記号を面としてとらえるためには、円または円
弧状の光源を、燃料棒中心軸と同心状に配置して使用す
ることが好ましい。円または円弧状の光源から発して被
覆管の任意の周曲面上に入射した光のうち、受光装置方
向に反射すべく幾何学的条件を満足するものが受光され
るが、図4に示すように、円または円弧状の光源を燃料
棒中心軸と同心状に配置した場合、被覆管周曲面上の広
い範囲に亘ってこのような条件が成立する。ここでは前
述の条件が広範囲に亘って成立する一例として円または
円弧状の光源を挙げているが、この形状のみに限定され
るものではない。このような条件下で受光装置として2
次元の配列を持つ受光素子もしくは画像素子を使用すれ
ば、該受光装置では光の強度分布は2次元の画像として
認識されるので、演算装置として画像処理装置を用いる
ことにより入力画像から識別記号を読み取ることができ
る。以上に述べた円または円弧状の光源、2次元配列を
持つ受光(画像)素子および画像処理装置から構成され
る燃料棒識別装置を用いれば、バーコードはもちろん、
任意の文字や記号からなる識別番号を高い信頼性をもっ
て読み取ることができる。また、ここで得られた2次元
の画像はディスプレイ装置を介して人の目により確認す
ることができるので、バーコードと文字の両方を被覆管
表面に印字しておけば、離れた場所においても迅速に番
号を識別することができる。
【0020】本発明を図5に示す燃料棒の加工から燃料
集合体の組立に至る一連の工程に適用した実施例を以下
に述べる。燃料棒の加工は、被覆管をベースにして下部
端栓溶接、燃料ペレット装填、上部端栓溶接の手順で実
施される。一方、複数本の燃料棒から構成される燃料集
合体の組み立ては、一般的に燃料棒を1本ずつ燃料集合
体枠組みの所定の位置に挿入する方法で行われる。この
とき、燃料棒の誤配置を防止するためには挿入する燃料
棒が所定の種類のものであることを1本ずつ確認し、燃
料棒の配置を管理する必要がある。
【0021】本発明は、燃料棒加工工程における識別記
号の植字および読み取りと燃料集合体組立工程における
識別記号の読み取りに適用される。以下に各工程におけ
る本発明の適用例を詳細に説明する。
【0022】燃料棒加工工程においては、下部端栓溶接
前または下部端栓溶接後の被覆管に燃料棒の種類や製造
履歴等の情報を盛り込んだ請求項1に記載の識別記号を
燃料棒個別または種類毎に付し、ペレット装填直前に識
別記号を読み取って照合しながら所定の燃料ペレットを
装填することにより、燃料棒種類と識別記号を対応づけ
ることができる。同時に、被覆管や端栓等の各部材の追
跡的な一元管理を行うことができる。また、所定の燃料
ペレットを装填し、上部端栓を溶接した後に前述の識別
記号を付すことによっても燃料棒種類と識別記号の対応
づけが可能である。以上のように、識別記号の植字は、
上下端栓溶接前の空の被覆管、下部端栓付の空の被覆
管、燃料棒(燃料ペレットが充填され上下端栓が溶接さ
れた被覆管)の各段階で実施可能であるが、識別記号の
植字作業実施場所が放射線管理区域内に限定されないた
め植字作業が容易な点で上下端栓溶接前の空の被覆管ま
たは下部端栓付の空の被覆管の段階で植字しておく方法
が好ましい。
【0023】本発明で使用する識別記号は燃料棒の健全
性に影響を及ぼさないことを前提としているが、その信
頼性をより高めるために原子炉装荷中に発熱が大きい部
分を避けて識別記号を付すことが好ましい。すなわち、
図6に示す如く下部端栓12近傍の天然ウラン装荷部ま
たは上部端栓13近傍のプレナム部に植字することが好
ましい。また、上部端栓13溶接時には、雰囲気を調整
したチャンバー内で溶接するためにプレナム部を治具等
でつかむ場合があることから、下部端栓付の空の被覆管
の段階で識別記号を植字しておく場合には、下部端栓1
2近傍に植字しておくことがより好ましい。
【0024】以上のようにして組み立てられた燃料集合
体は燃料棒配置の信頼性が高く、設計時に意図した通り
の原子炉内での燃料のふるまいが期待できる。
【0025】ここで用いる識別記号は文字、図形等任意
に選択できるが、読み取り信頼性および情報密度の観点
からバーコードが好適であり、特に長手方向(バーの並
び方向)が燃料棒軸と平行で高さ方向(各バーの長手方
向)が円周方向と一致しているバーコードがより好まし
い。このようなバーコードを被覆管表面に付せば、本発
明の特徴が大いに生かされ、反射光強度分布のコントラ
ストが明瞭で信頼性の高いバーコード認識が可能にな
る。また、被覆管は軸方向に十分な長さを有しており該
バーコードの幅や桁数はほとんど制限を受けないため、
読み取り信頼性を低下させることなく多くの情報量を表
示することができる。ここで定義したバーコードとは、
図3に示すような燃料棒軸方向に配列されたリング状の
バーとスペースから構成されるバーコードまたは前述リ
ングの円弧状切片からなるバーとスペースで構成される
バーコードのことである。
【0026】バーコードの植字方法の一実施例としてア
ルゴンガス100%雰囲気中でのレーザーマーキングによ
り植字する場合について説明する。このとき、あらかじ
め被覆管の表面をセンタレスグラインダ等で仕上げるこ
とによって、全表面が円周方向に延びる無数の極浅い溝
を有し軸方向断面で見たとき表面に微細な凹凸を有する
状態にしておく。センタレスグラインダ等による表面仕
上げは従来の被覆管製造工程でも実施されており、仕上
げに使用する砥石の粗さ等の条件を最適化するだけで本
発明に適した被覆管を製造できる。一般的に実用されて
いるバーコードの最小幅は150μm程度であるので、凹
凸の軸方向の間隔は数μmから十数μm以下であれば十
分である。この被覆管にバーコードを植字する場合に
は、図7に示すように、ガスフローダクト86を備え雰
囲気調整が可能なマーキングチャンバー84内に被覆管
の植字すべき面を含む部分を挿入し、レーザー発振器8
2から発生するレーザー光線81をレーザー出射部83
で方向制御して照射することにより表面の凹凸を部分的
に溶融させて滑らかなバーコードを植字する。このと
き、レーザー光を被覆管の軸方向または周方向に走査さ
せることにより任意の識別記号を植字できるが、特に前
述のリング状のバーコードを植字する場合には、回転装
置85により被覆管の中心軸を軸にして被覆管を回転さ
せ、レーザー光線を軸方向にのみ所要の幅になるよう走
査させ、これを軸方向に間隔をおいて繰り返せばよい。
【0027】図8は原子燃料棒1の表面に付したバーコ
ードの読み取りに適用した本発明の一実施例を示す図で
あり、図示の読取装置は、ファイバーライト4、CCD
カメラ5および画像処理装置6を含んで構成されてい
る。燃料棒1に使用した被覆管の表面はセンタレスグラ
インダによって仕上げられ、その結果燃料棒の表面は円
周方向に無数の極浅い溝を有し軸方向に微細な凹凸を有
している。一方、Arガス100%の雰囲気中でレーザー
マーキングにより燃料棒表面に燃料棒長手方向に沿って
形成された識別記号(バーコード)3は、機械研磨面が
溶融されてマーキング部が非常に滑らかな金属光沢面と
なり、正反射を生じ易くなっている。本実施例ではハロ
ゲンランプ等を光源とする半円状のファイバーライト4
を照明として使用し、軸方向に均一なコントラストの像
を得るために、ファイバーライト4をバーコードの両側
に燃料棒1と同心状に配置して、バーコードの両端から
所定の入射角をなすように光を当てている。ここで、本
実施例の如く燃料棒軸方向に対して垂直に配置したCC
Dカメラでバーコードを読み取る場合、入射角が数度か
ら85度程度の範囲で識別記号の読み取りが可能である
が、原理的には低角度ほど好ましく、装置の幾何的な配
置を考慮するとファイバーライト4からバーコード3へ
の光の入射角は30〜40度程度が実用的である。
【0028】バーコードの読み取りに画像処理装置を用
いる場合、バーコードの認識率および読み取り精度を向
上させるためには、広範囲に一様な照明を当ててバーコ
ードとして認識できる領域を広げることが重要である。
このためには、円または円弧状の光源を燃料棒と同心状
に配置して、燃料棒表面の識別記号に一様に照明を当て
る方法が有効であり、ファイバーライト4はこの用途に
適している。このような条件でバーコードの上方からC
CDカメラ5によりバーコードの画像を取り込むと前述
の作用によりマーキング部(平滑化された正反射面)を
暗、非マーキング部(凹凸のある乱反射面)を明と認識
した画像が得られる。CCDカメラで得られる画像は、
2次元の格子状に配列した各々の画像素子の濃淡から構
成されており、この画像が画像処理装置に送られる。
【0029】画像処理装置は以下の手順で、画像として
認識したバーコードを数字または文字に変換する。入力
画像中のバーコードの位置を認識し、バーコードの長手
方向(バーが並んでいる方向、つまり燃料棒軸方向)に
平行なスキャンラインを設定する。スキャンライン上の
画素の濃淡分布を波形処理し、2値化する。2値化した
波形からバーコードの黒・白および太線・細線の配列を
求め、バーコードの規格に準じて数字または文字に変換
する。実用上、読み取り精度を向上させるためには、複
数のスキャンライン上の読み取り結果を桁毎または全体
で比較し、ある割合以上一致した結果があればそれを正
の値とし、それ以外の場合は認識エラーとして下流の工
程に流れないようにするのである。
【0030】上述の方法で燃料棒に付したバーコードを
読み取ることができるが、実際の燃料集合体組立工程に
おいてはバーコードを付してから読み取るまでの中間工
程でバーコードの表面に傷や汚れがついて読み取り難く
なる場合も想定される。このような場合には、画像処理
の特徴を生かした積分式のバーコード読み取りアルゴリ
ズムが認識率向上に有効である。積分式アルゴリズムと
は、画像認識したバーコード領域の各画素の濃度レベル
をバーコードの高さ方向に積算し、積算値または平均値
を用いてバーコードの長手方向の濃度プロファイルを作
成し、これを2値化してバーコードを数値または文字に
変換するアルゴリズムである。この方法によれば、ライ
ンスキャン式に比較してバーコード領域の局所的な傷や
汚れに対する感度が鈍くなるため、中間工程で傷や汚れ
が付いた場合でも高認識率を確保することができる。た
だし、積分式はラインスキャン式に比べて処理時間が長
くなることから、認識率と読み取り効率を両立させる必
要がある場合には、ラインスキャン式で読み取れなかっ
たものを積分式で読み取る併用式のアルゴリズムが最も
有効である。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、燃料棒を構成する、凹
凸のある乱反射面からなる被覆管表面に、平滑な正反射
面からなる識別記号を形成し、この識別記号が形成され
ている被覆管表面部分にに斜めに光を投射し、投射され
た光が乱反射されたものを受光して識別記号を読み取る
ので、背景部分に対して識別記号のコントラストを強く
することができ、簡便で、高い信頼性を有し、燃料棒の
健全性に何ら影響を与えない燃料棒識別管理が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す側面図である。
【図2】本発明の原理を示す断面図である。
【図3】識別記号の例を示す斜視図である。
【図4】本発明における周曲面上の識別記号読取原理の
説明図である。
【図5】燃料棒加工および燃料集合体組立工程における
本発明の適用箇所を説明する流れ図である。
【図6】燃料棒識別記号の植字位置の例を示す側面図で
ある。
【図7】本発明に係る植字方法の例を示す斜視図であ
る。
【図8】本発明に係る燃料棒識別記号読取装置の構成例
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 原子燃料棒 2 光線 3 識別記号 4 光源
(ファイバーライト) 5 受光装置(CCDカメラ) 6 画像処
理装置 7 記号認識例 11 被覆
管 12 下部端栓 13 上部
端栓 81 レーザー光線 82 レー
ザー発振器 83 レーザー出射部 84 マー
キングチェンバー 85 回転装置 86 ガス
フローダクト

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウラン化合物、プルトニウム化合物、ト
    リウム化合物またはこれらのうちの少なくとも2種の混
    合物からなる核燃料物質を内包する原子燃料棒の構成部
    材である被覆管において、 表面の少なくとも一部が長手方向断面でみたとき微細な
    凹凸を有する乱反射面をなし、該乱反射面に、滑らかな
    正反射面で形成された識別記号を有することを特徴とす
    る被覆管。
  2. 【請求項2】 微細な凹凸が円周方向に延びる多数の溝
    または密な螺旋状の溝によって形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の被覆管。
  3. 【請求項3】 表面が金属光沢であることを特徴とする
    請求項1または2のいずれか一項に記載の被覆管。
  4. 【請求項4】 ウラン化合物、プルトニウム化合物、ト
    リウム化合物またはこれらのうちの少なくとも2種の混
    合物からなる核燃料物質を内包した被覆管を含んでなる
    原子燃料棒において、 前記被覆管が請求項1〜3項のいずれか一項に記載の被
    覆管で構成されていることを特徴とする原子燃料棒。
  5. 【請求項5】 ウラン化合物、プルトニウム化合物、ト
    リウム化合物またはこれらのうちの少なくとも2種の混
    合物からなる核燃料物質を内包する原子燃料棒を複数本
    含んで形成された原子燃料集合体において、 前記原子燃料棒が請求項4に記載の原子燃料棒を含むも
    のであることを特徴とする原子燃料集合体。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の識別記号を形成する方
    法において、ほぼ100%の不活性ガス雰囲気中または
    真空中におけるレーザーマーキングによって被覆管表面
    に識別記号を形成することを特徴とする識別記号植字方
    法。
  7. 【請求項7】 識別記号形成部分に、被覆管軸線を含む
    平面内で、被覆管軸方向に対して斜めに光線を入射させ
    て反射光を受光し、受光した反射光の強度分布から請求
    項1に記載の識別記号を読み取ることを特徴とする識別
    記号読み取り方法。
  8. 【請求項8】 識別記号形成部分への光線の入射角をα
    としたとき、識別記号形成部分から入射角αと異なる角
    度βをなして乱反射した光のみを受光することを特徴と
    する請求項7に記載の識別記号読み取り方法。
  9. 【請求項9】 角α<角βであることを特徴とする請求
    項8に記載の識別記号読み取り方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至3のいずれか一項に記載
    の被覆管の識別記号を読み取る装置において、被覆管軸
    線を含む平面内で被覆管軸方向に対して所定の入射角を
    なす光を識別記号形成部分に照射する光源と、識別記号
    形成部分から乱反射された光のみを受光する位置に配置
    された受光装置と、受光した光の強度分布から識別記号
    を識別する演算装置と、を含んでなることを特徴とする
    燃料棒識別装置。
  11. 【請求項11】 光源として被覆管と同心状に配置され
    た円または円弧状の光源を使用し、受光装置として2次
    元の配列を持つ受光素子または画像素子を使用し、演算
    装置として画像処理装置を使用することを特徴とする請
    求項10に記載の燃料棒識別装置。
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