JPH11237209A - 高感度空間位置決め方法 - Google Patents

高感度空間位置決め方法

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JPH11237209A
JPH11237209A JP4009598A JP4009598A JPH11237209A JP H11237209 A JPH11237209 A JP H11237209A JP 4009598 A JP4009598 A JP 4009598A JP 4009598 A JP4009598 A JP 4009598A JP H11237209 A JPH11237209 A JP H11237209A
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亜紀子 平井
Koichi Matsumoto
弘一 松本
Katsuo Seta
勝男 瀬田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白色干渉縞のピークを正確に検出可能とする
ことで、反射率が極端に低い対象物であっても高感度、
高精度で、しかも安定して対象物の空間位置を決定でき
るようにする。 【解決手段】 低コヒーレンス光源1からの光をマイケ
ルソン型干渉計に入射し、白色干渉縞を検出して対象物
5の位置決めを行う高感度空間位置決め方法において、
参照光22を、参照光の位相をランダムに変調させる位
相変調手段を有する反射部7で反射させ、その参照光2
2と測定光21とで白色干渉縞を形成してランダム変調
された白色干渉縞信号を入手し、一方、干渉測長用のコ
ヒーレンス光源2からの光で干渉測長信号を予め取り入
れておき、基準ランダム信号と白色干渉縞信号との相関
をとり、その相関によるフィルタリング効果により雑音
成分を除去し、干渉測長信号を適用することで、相関の
ピーク位置を同定し、その位置データに基づいて対象物
の位置決めを行う、ことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、低コヒーレンス
光源からの光をマイケルソン型干渉計に入射し、測定光
と参照光とによって形成される白色干渉縞を検出して対
象物の位置決めを行う高感度空間位置決め方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、精密機械工業や半導体関連工業だ
けでなく、バイオ工業や医療分野などにおいても、各種
装置の高精度制御や、部品の精密加工、また精密計測等
のために欠かせない空間位置決め計測技術として、スペ
クトル幅が広いレーザ光、すなわち低コヒーレンス光源
からのレーザ光による白色干渉を利用した位置決め方法
が開発され、広い分野で利用されてきている。
【0003】上記の白色干渉を利用した位置決め方法で
は、レーザ技術の進歩とともに、波高値の大きなパルス
レーザを利用したり、大きな出力の連続波レーザを用い
て、これらのレーザ光を弱い反射率の対象物表面に適用
し、その対象物の空間位置を精密に決定することが行わ
れているが、反射率が極端に低く背景光が大きい場合、
十分なSN比の検出信号が得られないために、検出時間
を長くし検出信号のSN比を向上させる方法が採用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、上記のよ
うに、検出時間を長くとると、一点の測定でも長時間を
要してしまい、測定環境が比較的悪い現場などに応用で
きないだけでなく、形状計測のような2次元の測定への
応用は不可能であり、また空間の位置決めの精度も悪い
ものであった。
【0005】また、上記の白色干渉を利用した位置決め
方法では、単一のレーザ光源から出力させたスペクトル
幅が広いレーザ光を利用したり、または複数のレーザ光
源から出力させた異なる波長の光を利用したりしている
が、単一のレーザ光源を用いる場合は、高次の干渉縞が
多数形成され、ゼロ次の白色干渉縞を同定することが困
難であった。また、波長の異なる複数のレーザ光源を用
いる場合には、2台以上のレーザ光源の同期をとるため
に光源の安定化が必要であり、このため環境に左右され
やすくなり、空間位置の精密位置決めを安定して行うこ
とが困難であった。
【0006】この発明は上記に鑑み提案されたもので、
白色干渉縞のピークを正確に検出可能とすることで、反
射率が極端に低い対象物であっても高感度、高精度で、
しかも安定して対象物の空間位置を決定することができ
る高感度空間位置決め方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明では、低コヒーレンス光源からの光をマイ
ケルソン型干渉計に入射し、測定光と参照光とによって
形成される白色干渉縞を検出して対象物の位置決めを行
う高感度空間位置決め方法において、上記参照光を、参
照光の位相をランダムに変調させる位相変調手段を有す
る参照光反射部で反射させ、その参照光と上記測定光と
で白色干渉縞を形成してランダム変調された白色干渉縞
信号を入手し、一方、干渉測長用のコヒーレンス光源の
光を、参照光反射部に平面反射鏡を用いる通常のマイケ
ルソン型干渉計に入射したときの干渉縞に基づいて得ら
れる干渉測長信号を予め取り入れておき、上記白色干渉
縞信号と、その白色干渉縞信号の形成に寄与した参照光
反射部のランダム系列に従う基準ランダム信号との相関
をとり、その相関によるフィルタリング効果により白色
干渉縞信号から雑音成分を除去し、その雑音成分を除去
した信号に上記干渉測長信号を適用することで、相関の
ピーク位置を高感度で同定し、その位置データに基づい
て対象物の位置決めを行う、ことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の高感度空
間位置決め方法を実施するための光学系を概略的に示す
図である。図において、低コヒーレントレーザ光源1を
出射した、スペクトル幅が100nm程度のレーザ光
は、干渉測長用コヒーレントレーザ光源2を出射したレ
ーザ光とビーム混合器3で混合され、マイケルソン型干
渉計に入射し、ビームスプリッタ4によって、測定光2
1と参照光22に分割され、測定光21は被測定物体5
または基準物体6で反射される。
【0009】参照光22は干渉縞走査のためのステージ
に設けられた複合型反射鏡7で反射されるが、従来の干
渉計と異なって、この複合型反射鏡7は、その参照光反
射面が複数の小さな平面反射鏡を用いてそれらが数μm
前後のランダムな段差になるように構成してあり、視野
の奥行きが異なる多数のセル構造となっている。この複
合型反射鏡7を走査すると、複合型反射鏡7で反射され
た参照光22と、被測定物体5で反射された測定光21
とはビームスプリッタ4で混合され、その結果これらの
光路長が一致する位置に対応して疑似ランダムな白色干
渉縞が形成される。すなわち、複合型反射鏡7の走査に
伴ってランダムな空間位置で白色干渉縞が形成される。
この白色干渉縞は光電検出器8で電気信号に変換され、
図2(a)に示すような、発生する間隔が異なり、また
信号の大きさも異なる疑似ランダムに変調された白色干
渉縞信号23aとなり、計算機9に入力される。
【0010】上記の複合型反射鏡7における参照光反射
面のランダム段差構造は、M系列に従うものとする。こ
こで、M系列とは、n個のシフトレジスタに対して適当
な排他的論理和のフィードバックを施して得られる2値
系列の内、周期が最大のものをいう。複合型反射鏡7の
段差をM系列に従わせることで、得られる白色干渉縞信
号23aは、その位相がM系列に従って疑似ランダムに
遅延した信号の和となる。
【0011】低コヒーレントレーザ光源1を出射したレ
ーザ光のうち、測定光が反射率の高い物体である基準物
体6で反射し、また参照光が複合型反射鏡7で反射する
と、それらの反射光に基づいて形成された干渉縞は、S
N比の良いランダム変調された白色干渉縞となり、この
白色干渉縞も光電検出器8で電気信号に変換されて計算
機9に入力され、計算機9での処理過程において、光学
系に固有の誤差の補正に使用される。例えば複合型反射
鏡7の走査速度のズレや光強度分布の誤差等の補正に使
用される。
【0012】さらに、干渉測長用コヒーレントレーザ光
源2を出射したレーザ光のうち、測定光は基準物体6で
反射し、また参照光が平面反射鏡11で反射すると、そ
れらの反射光に基づいて形成された干渉縞も、光電検出
器8で電気信号に変換され、図2(c)に示すような干
渉測長信号23bとなり、計算機9に入力される。
【0013】計算機9は、上記の白色干渉縞信号23
a、この白色干渉縞信号23aの形成に寄与した複合型
反射鏡7のM系列に従う基準ランダム信号24(図2
(b))、及び干渉測長信号23bを用い、次の手順で
被測定物体5の位置決めを行う。
【0014】先ず、計算機9は、白色干渉縞信号23a
と、基準ランダム信号24との相関をとる。この相関に
ついて言及すると、一般に、2つのランダム信号の相関
をとると、同じランダム信号同士が同じ位置にあるとき
にだけ相関を示し、異なるランダム信号同士や、同じラ
ンダム信号同士でもシフトしている場合は、相関は非常
に小さくなる。このため、図3に示すように、白色干渉
縞信号23aと基準ランダム信号24との相関を求める
と、図3(b)に示すように、基準ランダム信号24と
同じ信号で変調された成分だけが残り、白色干渉縞信号
23aに混入している相関のない雑音成分は抑制され
る。すなわち、白色干渉縞信号23aは、相関によるフ
ィルタリング効果によって、雑音成分が除去された鮮明
な波形を持つ信号となる。そして、計算機9は、その雑
音成分を除去した信号に干渉測長信号23bを適用する
ことで、相関がピークになる位置を高感度で同定し、そ
の位置データから被測定物体5の位置決めを行う。
【0015】このように、この実施形態では、疑似ラン
ダムに位相変調させた白色干渉縞信号23aから、相関
によるフィルタリング効果によって雑音成分を除去し、
その雑音成分を除去した信号に基づいて被測定物体5の
位置決めを行うようにしたので、たとえ被測定物体5の
反射率が低くその反射光が極微弱光であっても、また測
定環境における背景光が強いような場合であっても、相
関がピークになる位置を高感度でかつ瞬時に安定して同
定でき、したがって、高い分解能かつ高い感度で被測定
物体5の位置決めを行うことができ、各種の分野の生産
現場で求められるオンライン計測や機器の位置制御に極
めて有効となる。例えば、最近進展が著しい超先端加工
による鏡面である自由曲面の形状や、生体などの内部の
界面の空間位置を高感度で検出することができ、2次元
形状の精密計測に応用することができ、各種の計測・制
御のための空間位置決めの精度も大幅に向上させること
ができる。
【0016】上記の説明では、参照光22の位相をラン
ダムに変調させる位相変調手段として、複合型反射鏡7
を用いるようにしたが、他の位相変調手段を用いて構成
することもできる。例えば、図4に示すように、スリッ
ト状開口部61a…がM系列に従って配列されている光
遮断マスク61と平面鏡62とを組み合わせて成る位相
変調手段60を用いるようにしてもよい。また、図5に
示すように、分散素子71とシリンドリカルレンズ72
と液晶空間位相変調器73とを組み合わた位相変調手段
70を用いるようにしてもよい。
【0017】上記図5の位相変調手段70は、参照光2
2を分散素子71で波長毎に抽出分離させ、それをシリ
ンドリカルレンズ72を経由して波長毎に液晶空間位相
変調器73の異なる位置に入射させ、その液晶空間位相
変調器73にかける電圧を変化させることで、すなわち
液晶への印加電圧を変化させることで波長毎に異なる位
相差を与え、再び全波長を重ね合わせて、任意の遅延を
実現させるものである。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の高感度
空間位置決め方法によれば、疑似ランダムに位相変調さ
せた白色干渉縞信号から、相関によるフィルタリング効
果によって雑音成分を除去し、その雑音成分を除去した
信号に基づいて対象物の位置決めを行うようにしたの
で、たとえ対象物の反射率が低くその反射光が極微弱光
であっても、また測定環境における背景光が強いような
場合であっても、相関がピークになる位置を高感度でか
つ瞬時に安定して同定でき、したがって、高い分解能か
つ高い感度で対象物の位置決めを行うことができ、各種
の分野の生産現場で求められるオンライン計測や機器の
位置制御に極めて有効となる。例えば、最近進展が著し
い超先端加工による鏡面である自由曲面の形状や、生体
などの内部の界面の空間位置を高感度で検出することが
でき、2次元形状の精密計測に応用することができ、各
種の計測・制御のための空間位置決めの精度も大幅に向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高感度空間位置決め方法を実施するた
めの光学系を概略的に示す図である。
【図2】計算機に入力される各種信号を示す図である。
【図3】白色干渉縞信号と基準ランダム信号との相関処
理の説明図である。
【図4】位相変調手段の他の例を示す図である。
【図5】位相変調手段の他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 低コヒーレントレーザ光源 2 干渉測長用コヒーレントレーザ光源 3 ビーム混合器 4 ビームスプリッタ 5 被測定物体(対象物) 6 基準物体 7 複合型反射鏡 8 光電検出器 9 計算機 11 平面反射鏡 21 測定光 22 参照光 23a 白色干渉縞信号 23b 干渉測長信号 24 基準ランダム信号 60,70 位相変調手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】図1は本発明の高感度空間位置決め方法を
実施するための光学系を概略的に示す図である。図にお
いて、低コヒーレントレーザ光源1を出射した、スペク
トル幅が100nm程度のレーザ光は、干渉測長用コヒ
ーレントレーザ光源2を出射したレーザ光とビーム混合
3を通り、マイケルソン型干渉計に入射し、ビームス
プリッタ4によって、測定光21と参照光22に分割さ
れ、測定光21は被測定物体5または基準物体6で反射
される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】低コヒーレントレーザ光源1を出射したレ
ーザ光のうち、測定光が一時的に移動した反射率の高い
物体である基準物体6で反射し、また参照光が複合型反
射鏡7で反射すると、それらの反射光に基づいて形成さ
れた干渉縞は、SN比の良いランダム変調された干渉縞
となり、この白色干渉縞も光電検出器8で電気信号に変
換されて計算機9に入力され、計算機9での処理過程に
おいて、光学系に固有の誤差の補正に使用される。例え
ば複合型反射鏡7の走査速度のずれや光強度分布の誤差
等の補正に使用される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低コヒーレンス光源からの光をマイケル
    ソン型干渉計に入射し、測定光と参照光とによって形成
    される白色干渉縞を検出して対象物の位置決めを行う高
    感度空間位置決め方法において、 上記参照光を、参照光の位相をランダムに変調させる位
    相変調手段を有する参照光反射部で反射させ、その参照
    光と上記測定光とで白色干渉縞を形成してランダム変調
    された白色干渉縞信号を入手し、 一方、干渉測長用のコヒーレンス光源の光を、参照光反
    射部に平面反射鏡を用いる通常のマイケルソン型干渉計
    に入射したときの干渉縞に基づいて得られる干渉測長信
    号を予め取り入れておき、 上記白色干渉縞信号と、その白色干渉縞信号の形成に寄
    与した参照光反射部のランダム系列に従う基準ランダム
    信号との相関をとり、その相関によるフィルタリング効
    果により白色干渉縞信号から雑音成分を除去し、その雑
    音成分を除去した信号に上記干渉測長信号を適用するこ
    とで、相関のピーク位置を高感度で同定し、その位置デ
    ータに基づいて対象物の位置決めを行う、 ことを特徴とする高感度空間位置決め方法。
  2. 【請求項2】 上記位相変調手段を有する参照光反射部
    は、M系列に従う多数の段差のある複合型反射鏡であ
    る、 ことを特徴とする請求項1に記載の高感度空間位置決め
    方法。
  3. 【請求項3】 上記位相変調手段を有する参照光反射部
    は、スリット状開口部がM系列に従って配列されている
    光遮断マスクと平面鏡との組み合わせである、 ことを特徴とする請求項1に記載の高感度空間位置決め
    方法。
  4. 【請求項4】 上記位相変調手段を有する参照光反射部
    は、分散素子と液晶空間位相変調器との組み合わせであ
    る、 ことを特徴とする請求項1に記載の高感度空間位置決め
    方法。
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