JPH11236980A - 弁駆動装置 - Google Patents

弁駆動装置

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JPH11236980A
JPH11236980A JP10039973A JP3997398A JPH11236980A JP H11236980 A JPH11236980 A JP H11236980A JP 10039973 A JP10039973 A JP 10039973A JP 3997398 A JP3997398 A JP 3997398A JP H11236980 A JPH11236980 A JP H11236980A
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JP
Japan
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valve
opening
armature
electromagnet
closing
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JP10039973A
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Taro Ueno
太郎 上野
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】バネ振り子型弁駆動装置の小型・軽量化、消費
電力の低減、アーマチャの移動特性、弁体の開閉特性等
の改善を図ること。 【解決手段】吸気弁(弁体)3との間にバルブクリアラ
ンスをもって取り付けられる弁駆動装置2に内装される
開弁用電磁石44を、閉弁用電磁石43より、小容量
(幅寸法Xを小さく)に設定する。これにより、吸気弁
3を全閉状態から全開状態にするときのアーマチャ42
の移動速度が必要以上に速くなることを抑制してアーマ
チャ42の往復移動における往路と復路での移動速度を
均一化できるので、アーマチャ42が開弁用電磁石44
に着座するときの衝撃等を緩和できると共に吸気弁3の
開特性も改善でき、延いては消費電力の低減や弁駆動装
置2の小型・軽量化を図ることができる。また、幅寸法
Xを小さくしたので、各弁駆動装置2の取付位置を低く
することができるため、エンジン全高を低く抑えること
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁力とバネの反
力を利用して吸気弁や排気弁等の弁体を開閉駆動する弁
駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電磁力とバネの反力を利用し
て吸気弁或いは排気弁を開閉させる動弁装置として、例
えば、特開平7−301105号公報や特開平7−32
4609号公報等に開示されるようなものが知られてい
る。これらは、所謂バネ振り子型電磁駆動弁と称される
もので、概略以下のように構成され、動作するようにな
っている。
【0003】即ち、図7に示すように、往復移動可能に
支持される弁体3の開閉作動中における開弁位置或いは
閉弁位置への移動を、弁体3に作用する反力(バネ2
5、26の弾性力)による振り子運動を利用して行なわ
せる一方で、該反力によって移動されてくる弁体3の開
閉作動中における開閉期間確保のための弁体3のキャッ
チや全開位置保持或いは全閉位置保持を、弁体3の移動
方向と略直角方向にステム(弁軸)31から突出して設
けられたアーマチャ(可動鉄片)22と、該アーマチャ
22を挟んで弁体3の移動方向両側に該アーマチャ22
から所定間隙を有して動弁装置本体に固定された電磁コ
イル23、24と、の間で生じさせる電磁力(磁気吸引
力)を利用して行なわせるようになっている。
【0004】より具体的に言うと、例えば、全閉時に
は、下側コイル24への通電を停止し、上側コイル23
に通電して電磁力を発生させアーマチャ22を保持(キ
ャッチ)しておく。そして、開弁させる際には、上側コ
イル23ヘの通電を停止し、バネ26の反力により弁体
3を開弁方向へ移動させ、この移動してくる弁体3を、
下側コイル24に通電して電磁力を発生させアーマチャ
22を保持(キャッチ)することで、全開位置に保持す
る。
【0005】更に、この全開位置に保持された状態から
閉弁させる際には、下側コイル24への通電を停止し、
バネ25の反力により弁体3を閉弁方向へ移動させ、こ
の移動してくる弁体3を、上側コイル23に通電して電
磁力を発生させアーマチャ22を保持(キャッチ)する
ことで、全閉位置に保持するようにする。このような動
作を周期的に繰り返すことで、内燃機関の動弁装置とし
ての機能が奏されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、全閉時にお
ける弁体3と、弁座部(バルブシート部)3aと、の当
接を良好に維持するためには、言い換えれば良好な閉弁
特性(気密性)を達成するためには、図5に示すよう
に、ステムを、弁体(傘部)3に接続される部分31
と、アーマチャ42が取り付けられる部分(可動軸)4
0と、に切り離したうえ、両者を所定量離間(以下、該
所定量をバルブクリアランスとも言う)させた構成と
し、閉弁方向に付勢するバネ33のみによって弁体3を
全閉位置に保持させることができるようにすることが好
ましい。
【0007】即ち、図7のような構成(弁体3とアーマ
チャ22を一体とした場合)では、弁体3と、弁座部
(バルブシート部)3aと、の当接面が、摩耗等した場
合には、コイル23に通電して弁体3を全閉位置に保持
しても、弁体3と弁座部(バルブシート部)3aとの間
に隙間が生じてしまう惧れがあり、良好な閉弁特性(気
密性)を確保できなくなる惧れがあるが、図5に示した
ような構成とすれば、このような惧れを抑制することが
できるからである。なお、製品誤差によっても同様の惧
れが生じるが、図5に示したような構成とすれば、この
ような惧れをも抑制することができる。
【0008】しかし、図5に示したように、弁体3に接
続される部分31と、アーマチャ42が取り付けられる
部分40と、の間にバルブクリアランスを設けるように
したものにおいては、以下の点が考慮されていなかっ
た。即ち、図5において、例えば、バネ33とバネ45
のバネ定数を同一とした場合を一例として説明すると、
弁体3を全閉状態から例えば7.0mmリフトさせて全
開とするためには(アーマチャ42をコイル44へキャ
ッチさせるためには)、バネ33を半開位置から3.5
mm押し縮めることになるが、弁体3を全開状態から全
閉状態にさせ、アーマチャ42をコイル43へキャッチ
させるためには、バルブクリアランスを0.5mmとす
ると、バネ45を半開位置から4.0mm押し縮めるこ
とになる。
【0009】ここで、アーマチャ42の移動は、バネ反
力により行なわれるため、即ち、弁体3を全閉状態から
全開状態にするときは半開位置から4.0mm押し縮め
られたバネ45の反力が利用され、弁体3を全開状態か
ら全閉状態にするときは半開位置から3.5mm押し縮
められたバネ33の反力が利用されることになる。言い
換えれば、弁体3を全閉状態から全開状態にするとき
は、半開位置から4.0mm押し縮められたバネ45の
反力でバネ33を半開位置から3.5mm押し縮めれば
良いのに対して、弁体3を全開状態から全閉状態にする
ときは、半開位置から3.5mm押し縮められたバネ3
3の反力でバネ45を半開位置から4.0mm押し縮め
なければならなかった。
【0010】従って、図6に示すように、弁体3を全閉
状態から全開状態にするときのほうが、弁体3を全開状
態から全閉状態にするときに比べて、アーマチャ42の
移動速度が速くなる。そして、コイル44によりアーマ
チャ42をキャッチするときのほうが、コイル43によ
りアーマチャ42をキャッチするときに比べて、キャッ
チング磁力は小さくて良いことになる。
【0011】即ち、従来においては、アーマチャ42延
いては弁体3が全閉位置から全開位置へ移動するときの
特性(移動速度や着座時の衝撃力)と、アーマチャ42
延いては弁体3が全開位置から全閉位置へ移動するとき
の特性と、に相違があるが、かかる点が考慮されていな
かった。このため、弁駆動装置の小型・軽量化、消費電
力の低減、アーマチャの移動特性、弁の開閉特性等の最
適化などが十分に図られていなかった。
【0012】本発明は、このような実情に鑑みなされた
もので、弁体との間にバルブクリアランスをもって取り
付けられる所謂バネ振り子型弁駆動装置において、弁駆
動装置の小型・軽量化、消費電力の低減、アーマチャの
移動特性、弁体の開閉特性の改善等を図ることを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は、閉弁側戻しバネの弾性力により全閉位置に保
持される弁体を、全開位置と全閉位置との間で往復移動
させるための弁駆動装置であって、前記弁体の移動軸と
同軸上に往復移動可能に配設される可動軸と、前記移動
軸の略直角方向に前記可動軸から突出して該可動軸に取
り付けられるアーマチャと、前記アーマチャの弁体閉弁
側表面と所定間隙を有して対向され、本体に取り付けら
れる閉弁用電磁石と、前記アーマチャの弁体開弁側表面
と所定間隙を有して対向され、本体に取り付けられる開
弁用電磁石と、前記可動軸を前記弁体の開弁移動方向に
付勢可能な開弁側戻しバネと、を含んで構成され、前記
閉弁用電磁石の電磁力で前記開弁側戻しバネの弾性力に
抗して前記アーマチャを保持した状態から、前記閉弁用
電磁石を消磁して前記アーマチャを開放したときの前記
開弁側戻しバネの反力で前記可動軸を介して前記弁体を
開弁させると共に、前記開弁用電磁石の電磁力で前記閉
弁側戻しバネの弾性力に抗して前記アーマチャを保持し
て、前記弁体を全開位置に開弁維持する一方、この状態
から、前記開弁用電磁石を消磁して前記アーマチャを開
放したときの前記閉弁側戻しバネの反力で前記弁体を全
閉位置まで閉弁させると共に前記アーマチャを前記閉弁
用電磁石方向へ移動させ、前記閉弁用電磁石の電磁力で
前記開弁側戻しバネの弾性力に抗して前記アーマチャを
保持可能に構成されると共に、前記閉弁用電磁石の電磁
力で前記アーマチャを保持したときに、前記可動軸と、
全閉位置にある前記弁体と、の間に、所定のバルブクリ
アランスが存在するように構成された弁駆動装置におい
て、前記開弁用電磁石を、前記閉弁用電磁石より小容量
とするように構成した。
【0014】かかる構成とすれば、弁体を全閉位置から
全開位置にするときのアーマチャの移動速度が必要以上
に速くなることを抑制してアーマチャの往復移動におけ
る往路と復路での移動速度を均一化できるので、アーマ
チャが開弁用電磁石に着座するときの衝撃等を緩和する
ことができると共に弁体の開特性(耐久性など)を改善
でき、延いては消費電力の低減を図ることができ、尚且
つ、弁駆動装置の小型・軽量化を促進することができ
る。
【0015】更に、閉弁用電磁石を開弁用電磁石に対し
て大容量とすることで、開弁用電磁石を前記閉弁用電磁
石より小容量とする場合には、アーマチャの移動特性、
弁の閉特性の改善等を図ることができ、性能(例えば内
燃機関における吸入空気量の増大など)を促進するうえ
において有利なものとできる。請求項2に記載の発明で
は、前記開弁用電磁石の弁体移動方向に略直角な方向に
おける寸法を小さくして、前記開弁用電磁石を前記閉弁
用電磁石より小容量とするようにする。
【0016】請求項3に記載の発明では、前記開弁用電
磁石の弁体移動方向における寸法を小さくして、前記開
弁用電磁石を前記閉弁用電磁石より小容量とするように
する。請求項4に記載の発明では、前記開弁用電磁石の
寸法を小さくしたことに合わせて、本体外形寸法を小さ
くするようにした。
【0017】かかる構成とすれば、請求項1に記載の発
明による作用効果を奏することができる上に、例えば、
1気筒に複数の弁体が備えられ、弁体同士が所定の挟角
をもって配設される内燃機関に用いられた場合等におい
て、弁駆動装置間の取付けクリアランスを大きくできる
ので、内燃機関の全高を低く抑えることなどが可能とな
る。
【0018】このため、上記各種効果(小型・軽量化、
消費電力の低減、アーマチャの移動特性、弁の開閉特性
の改善等)を奏することができることに加えて、車載レ
イアウトの自由度等を増すことができ、延いては本発明
にかかる弁駆動装置の採用可能性を一層高めることがで
きることとなる。
【0019】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、弁体を全
閉位置から全開位置にするときのアーマチャの移動速度
が必要以上に速くなることを抑制してアーマチャの往復
移動における往路と復路での移動速度を均一化できるの
で、アーマチャが開弁用電磁石に着座するときの衝撃等
を緩和することができると共に弁体の開特性(耐久性な
ど)を改善でき、延いては消費電力の低減を図ることが
でき、尚且つ、弁駆動装置の小型・軽量化を促進するこ
とができる。
【0020】また、閉弁用電磁石を開弁用電磁石に対し
て大容量とすることで、開弁用電磁石を前記閉弁用電磁
石より小容量とする場合には、アーマチャの移動特性、
弁の閉特性の改善等を図ることができ、例えば内燃機関
における吸入空気量の増大などによる性能向上を図るこ
とができる。請求項2や請求項3に記載の発明によれ
ば、前記開弁用電磁石を前記閉弁用電磁石より小容量化
するための手法の選択自由度を広げることができる。
【0021】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
に記載の発明による作用効果を奏することができる上
に、例えば、本装置を内燃機関に用いた場合において、
弁駆動装置間の取付けクリアランスを大きくできるの
で、内燃機関の全高を低く抑えることなどが可能とな
る。このため、車載レイアウトの自由度等を増すことが
でき、延いては本発明にかかる弁駆動装置の採用可能性
を一層高めることができることとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態
を、添付の図面に基づいて説明する。本発明の一実施形
態にかかる全体構成を示す図1において、エンジン1に
は、弁駆動装置2により開閉を電子制御される吸気弁3
及び排気弁4が装着されている。各気筒の吸気ポート5
には、燃料噴射弁6が装着され、燃焼室7には点火栓8
及び点火コイル9が装着されている。また、機関本体に
は各気筒の基準クランク角で基準信号を出力すると共
に、微小クランク角毎に単位角信号を出力するクランク
角センサ10が装着されている。
【0023】前記クランク角センサ10等の信号はコン
トロールユニット11に出力され、コントロールユニッ
ト11は、これらの検出信号に基づいて前記燃料噴射弁
6に燃料噴射信号を出力して燃料噴射制御を行い、前記
点火コイル9に点火信号を出力して点火制御を行い、更
に、前記弁駆動装置2に弁駆動信号を出力して吸気弁3
及び排気弁4の開閉を制御する。
【0024】ここで、本実施形態に係る吸気弁3及び排
気弁4、及びこれらを駆動するための弁駆動装置2につ
いて、図2に基づいて説明する。なお、図5と同一の要
素には同一符号を付すこととする。図2において、シリ
ンダヘッド12に、従来と同様の方法で、吸気弁3は取
り付けられている。即ち、シリンダヘッド12に設けら
れるバルブガイド13に、吸気弁3のステム31が摺動
自由に挿通されており、ステム31上端部には、バルブ
コッター等を介してアッパーシート32が取付けられ、
該アッパーシート32と、シリンダヘッド側のロアシー
ト(図示せず)と、の間に、吸気弁3を閉弁方向に付勢
する(自由長から所定量圧縮された)閉弁側戻しバネ3
3が配設されるようになっている。なお、排気弁4も従
来と同様であるので、排気弁4についての詳細な説明は
省略する。
【0025】即ち、本実施形態では、従来同様の吸・排
気弁を備えたシリンダヘッドアッセンブリ(吸排気弁付
きシリンダヘッド)を利用することができるといった利
点がある。言い換えれば、図7に示したような電磁駆動
弁を用いる場合は吸排気弁まで特別な仕様とする必要が
あるが、本実施形態では、シリンダヘッド12と吸排気
弁3、4の取付け構造はそのままで、従来公知のカム等
によるメカ式の弁駆動装置を、後述する弁駆動装置2に
組み替えるだけで良いという言う利点がある。
【0026】そして、図2に示すように、吸気弁3が全
閉状態で、後述する閉弁用電磁石(上側コイル)43で
アーマチャ42をキャッチしている状態において、前記
ステム31の上端部から、所定量離間して、言い換えれ
ば所定のバルブクリアランスを持って、弁駆動装置2の
可動軸40が、前記ステム31と同軸上に配設されるよ
うになっている。
【0027】本実施形態に係る弁駆動装置2は、非磁性
材料製のハウジング41と、前記可動軸40に一体に設
けられてハウジング41内に移動自由に収納されるアー
マチャ42と、該アーマチャ42を磁気吸引可能にアー
マチャ42の上面に対向する位置でハウジング42内に
固定配置される閉弁用電磁石(上側コイル)43と、該
アーマチャ42を磁気吸引して吸気弁3を開弁保持可能
にアーマチャ42の下面に対向する位置でハウジング4
1内に固定配置される開弁用電磁石(下側コイル)44
と、吸気弁3の開弁方向に向けてアーマチャ42を付勢
する開弁側戻しバネ45と、を含んで構成される。
【0028】そして、前記閉弁用電磁石(上側コイル)
43でアーマチャ42をキャッチしたときに、吸気弁3
は、全閉位置となるように閉弁側戻しバネ33によって
付勢される。また、図3に示すように、通電を停止して
閉弁用電磁石43と開弁用電磁石44とを共に消磁した
ときに、吸気弁3は、半開(1/2リフト)位置となる
ように構成されている。
【0029】なお、この中立状態(吸気弁3の半開位
置)から閉弁用電磁石43のみへ通電して励磁すると、
アーマチャ42は開弁側戻しバネ45を押し縮める方向
に閉弁用電磁石43によって磁気吸引されるようになっ
ている。一方、前記中立状態から開弁用電磁石44のみ
へ通電して励磁すると、アーマチャ42は閉弁側戻しバ
ネ33を押し縮めて吸気弁3を開弁する方向に開弁用電
磁石44によって磁気吸引されるようになっている。
【0030】そして、吸気弁3は、以下のように周期的
に動作することとなる。即ち、吸気弁3の全閉時には、
開弁用電磁石44への通電を停止し、閉弁用電磁石43
に通電して電磁力を発生させアーマチャ42を保持(キ
ャッチ)しておく。そして、開弁させる際には、閉弁用
電磁石43ヘの通電を停止し、開弁側戻しバネ45の反
力によりアーマチャ42及び可動軸40を開弁方向へ移
動させ、この移動してくる可動軸40によって吸気弁3
を閉弁側戻しバネ33を押し縮めつつ開弁させ、開弁用
電磁石44に通電して電磁力を発生させてアーマチャ4
2を保持(キャッチ)することで、吸気弁3を全開位置
に保持する。
【0031】更に、この全開位置に保持された状態から
閉弁させる際には、開弁用電磁石44への通電を停止
し、閉弁側戻しバネ33の反力により吸気弁3を閉弁さ
せつつアーマチャ42及び可動軸40を閉弁方向へ移動
させ、この移動してくるアーマチャ42を、閉弁用電磁
石43に通電して電磁力を発生させ保持(キャッチ)す
る。
【0032】このような動作を周期的に繰り返すこと
で、内燃機関の動弁装置としての機能を奏するようにな
っている。なお、前記弁駆動装置2による吸気弁3及び
排気弁4の開閉時期・開閉期間の制御は、エンジン1の
運転状態に基づいて設定された目標開閉時期・目標開閉
期間となるように、コントロールユニット11により制
御される。
【0033】ところで、本実施形態においては、開弁用
電磁石(下側コイル)44は、閉弁用電磁石(上側コイ
ル)43より、小容量(ここでは、特に弁体3の移動方
向に略直角な方向における幅寸法Xを小さくしている)
に設定されている。これは、既述したように、バルブク
リアランスの影響で、吸気弁3を全閉状態から全開状態
にするときのほうが、吸気弁3を全開状態から全閉状態
にするときに比べて、アーマチャ42の移動速度が速く
なると共に、開弁時に開弁用電磁石(下側コイル)44
によりアーマチャ42をキャッチするときのほうが、閉
弁時に閉弁用電磁石(上側コイル)43によりアーマチ
ャ42をキャッチするときに比べて、キャッチング磁力
は小さくて良いことになるからである(図6参照)。
【0034】そして、本実施形態のように、開弁用電磁
石(下側コイル)44を、閉弁用電磁石(上側コイル)
43より小容量に設定すれば、吸気弁3を全閉状態から
全開状態にするときのアーマチャ42の移動速度が必要
以上に速くなることを抑制してアーマチャ42の往復動
における往路と復路での移動速度を均一化できるので、
アーマチャ42が開弁用電磁石(下側コイル)44に着
座するときの衝撃等を緩和することができると共に吸気
弁3の開特性(耐久性など)も改善でき、延いては消費
電力の低減を図ることができ、尚且つ、弁駆動装置2の
小型・軽量化を促進することができることになる。
【0035】しかも、本実施形態では、幅Xを小さくし
て開弁用電磁石(下側コイル)44の小容量化を図ると
共に、ハウジング41の外形寸法をこれに合わせて縮小
するようにしたので、更に、以下のような利点がある。
即ち、吸排気弁(或いは吸気弁同士、排気弁同士の場合
も含まれる)を所定の挟角θをもって配設する場合(例
えば、シリンダヘッド下面に凹設される燃焼室形状を所
謂ペントルーフ型とした場合など)、下側コイル44の
幅Xが大きいと、弁駆動装置2同士を干渉させることな
く取り付けるためには(取付けクリアランスを確保する
ためには)、エンジン全高を高くせざるを得ないが(図
3参照)、図2に示すように、幅(或いは外径)Xを小
さくして下側コイル44の小容量化を図れば、各弁駆動
装置2の取付位置を低くすることができるため、エンジ
ン全高を低く抑えることが可能となる。
【0036】このため、上記各種効果(小型・軽量化、
消費電力の低減、アーマチャの移動特性、弁の開閉特性
の改善等)を奏することができることに加えて、車載レ
イアウトの自由度等を増すことができる。即ち、弁駆動
装置2の採用可能性を一層高めることができることとな
る。なお、高さ寸法Y(図2参照)を小さくて下側コイ
ル44の小容量化を図っても、各弁駆動装置2の取付位
置を低くすることができ、エンジン全高を低く抑えるこ
とが可能となり、以って上記各種効果を奏しつつ、更に
車載レイアウトの自由度等を増すことができ、延いては
弁駆動装置2の採用可能性を一層高めることができるこ
ととなる。勿論、幅寸法Xと、高さ寸法Yと、を共に縮
小することも可能である。
【0037】ところで、本実施形態では、開弁用電磁石
(下側コイル)44の小容量化を図って、小型・軽量
化、消費電力の低減、アーマチャの移動特性、弁の開閉
特性の改善等を図るようにして説明したが、吸気弁3の
閉弁速度を速めたい場合(例えば、同一開弁期間内で吸
気弁3の閉弁開始時期を極力遅らせ、最大限、全開保持
期間を稼ぎたいような場合)には、閉弁用電磁石(上側
コイル)43の容量を下側コイル44(従来容量)に対
して大容量化することもできる。
【0038】このようにすると、アーマチャの移動特
性、弁の閉特性の改善等を図ることができ、性能面(例
えば吸入空気量の増大など)を促進するうえにおいて有
利なものとできる。なお、閉弁側戻しバネ33と、開弁
側戻しバネ45と、が同一のバネ定数でない場合にも、
本発明は適用可能な場合もあり、本発明は、閉弁側戻し
バネ33と、開弁側戻しバネ45と、が同一のバネ定数
の場合に限定されるものではない。
【0039】また、上記実施形態では、内燃機関の吸気
弁や排気弁の弁駆動装置として説明したが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、閉弁側戻しバネの弾性力
により全閉位置に保持される弁体を、全開位置と全閉位
置との間で往復移動させるための一般的な弁駆動装置す
べてに適用することができるものである。ところで、本
実施形態では、開弁用電磁石(下側コイル)44を閉弁
用電磁石(上側コイル)43より小容量(小型)とする
ようにして説明したが、開弁用電磁石(下側コイル)4
4への通電量を、閉弁用電磁石(上側コイル)43への
通電量よりを小さくするという方法によっても、弁駆動
装置2の消費電力の低減、アーマチャの移動特性、弁の
開閉特性の改善等を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る弁駆動装置が適用
されたシステム構成の一例を示す図。
【図2】同上実施形態に係る弁駆動装置の構成を示す断
面図(弁体の全閉状態を示す図)。
【図3】同上実施形態に係る弁駆動装置の構成を示す断
面図(弁体の半開状態を示す図)。
【図4】従来の弁駆動装置の構成を示す断面図。
【図5】従来のバルブクリアランス付きバネ振り子型弁
体駆動装置の構成例を模式的に示す断面図。
【図6】従来のバルブクリアランス付きバネ振り子型弁
体駆動装置の作動特性を示すタイミングチャート。
【図7】従来のバネ振り子型弁体駆動装置(バルブクリ
アランス無し)の構成を示す断面図。
【符号の説明】
2 弁駆動装置 3 弁体(吸気弁) 33 閉弁側戻しバネ 40 可動軸 41 ハウジング 42 アーマチャ 43 閉弁用電磁石(上側コイル) 44 開弁用電磁石(下側コイル) 45 開弁側戻しバネ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】閉弁側戻しバネの弾性力により全閉位置に
    保持される弁体を、全開位置と全閉位置との間で往復移
    動させるための弁駆動装置であって、 前記弁体の移動軸と同軸上に往復移動可能に配設される
    可動軸と、 前記移動軸の略直角方向に前記可動軸から突出して該可
    動軸に取り付けられるアーマチャと、 前記アーマチャの弁体閉弁側表面と所定間隙を有して対
    向され、本体に取り付けられる閉弁用電磁石と、 前記アーマチャの弁体開弁側表面と所定間隙を有して対
    向され、本体に取り付けられる開弁用電磁石と、 前記可動軸を前記弁体の開弁移動方向に付勢可能な開弁
    側戻しバネと、 を含んで構成され、 前記閉弁用電磁石の電磁力で前記開弁側戻しバネの弾性
    力に抗して前記アーマチャを保持した状態から、前記閉
    弁用電磁石を消磁して前記アーマチャを開放したときの
    前記開弁側戻しバネの反力で前記可動軸を介して前記弁
    体を開弁させると共に、前記開弁用電磁石の電磁力で前
    記閉弁側戻しバネの弾性力に抗して前記アーマチャを保
    持して、前記弁体を全開位置に開弁維持する一方、 この状態から、前記開弁用電磁石を消磁して前記アーマ
    チャを開放したときの前記閉弁側戻しバネの反力で前記
    弁体を全閉位置まで閉弁させると共に前記アーマチャを
    前記閉弁用電磁石方向へ移動させ、前記閉弁用電磁石の
    電磁力で前記開弁側戻しバネの弾性力に抗して前記アー
    マチャを保持可能に構成されると共に、 前記閉弁用電磁石の電磁力で前記アーマチャを保持した
    ときに、前記可動軸と、全閉位置にある前記弁体と、の
    間に、所定のバルブクリアランスが存在するように構成
    された弁駆動装置において、 前記開弁用電磁石を、前記閉弁用電磁石より小容量とし
    たことを特徴とする弁駆動装置。
  2. 【請求項2】前記開弁用電磁石の弁体移動方向に略直角
    な方向における寸法を小さくして、前記開弁用電磁石を
    前記閉弁用電磁石より小容量とすることを特徴とする請
    求項1に記載の弁駆動装置。
  3. 【請求項3】前記開弁用電磁石の弁体移動方向における
    寸法を小さくして、前記開弁用電磁石を前記閉弁用電磁
    石より小容量とすることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載の弁駆動装置。
  4. 【請求項4】前記開弁用電磁石の寸法を小さくしたこと
    に合わせて、本体外形寸法を小さくすることを特徴とす
    る請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の弁駆動装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1288450A1 (fr) * 2001-08-30 2003-03-05 Peugeot Citroen Automobiles SA Dispositif de commande de soupape pour moteur à combustion interne
JP2021532303A (ja) * 2018-07-31 2021-11-25 ヘドマン エリクソン パテント アーベーHedman Ericsson Patent Ab 内燃機関用の電気作動弁アクチュエータ

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