JPH11236397A - アグルコンイソフラボンの豊富な植物タンパク質抽出物及び単離物並びにそれらの製造方法 - Google Patents

アグルコンイソフラボンの豊富な植物タンパク質抽出物及び単離物並びにそれらの製造方法

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JPH11236397A
JPH11236397A JP10311737A JP31173798A JPH11236397A JP H11236397 A JPH11236397 A JP H11236397A JP 10311737 A JP10311737 A JP 10311737A JP 31173798 A JP31173798 A JP 31173798A JP H11236397 A JPH11236397 A JP H11236397A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アグルコンイソフラボンが豊富な抽出物及び
タンパク質単離物を提供すること。 【解決手段】 少なくとも1.5mg/gの乾燥量基準ゲニ
ステイン含量を有するタンパク質単離物を含む植物タン
パク質単離物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶解性材料を植物
タンパク質材料から抽出すること、及び大部分のグルコ
ン(glucone) イソフラボンが、タンパク質単離物中に保
持されるアグルコンイソフラボンに転化されるような条
件下で1種以上のβ−グルコシダーゼ酵素を用いて処理
することによる、アグルコンイソフラボンが豊富な抽出
物及び単離物の製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イソフラボンは大豆などの植物タンパク
質材料を含む種々のマメ科植物中に生じる。これらの化
合物には、ダイジン、6''−OAcダイジン、6''−O
Malダイジン、ダイゼイン、ゲニスチン、6''−OA
cゲニスチン、6''−OMalゲニスチン、ゲニステイ
ン、グリシチン(glycitin)、6''−OMalグリシチ
ン、グリシテイン(glycitein) 、ビオカニンA、ホルム
オノネチン及びクメステロール(coumesterol) が含まれ
る。典型的に、これらの化合物は、大豆の本来の苦いフ
レーバーに関するものであり、また、単離物及び濃縮物
などの商品の製造の際の焦点は、これらの材料を除去し
なければならないことである。例えば、大豆フレークを
水性アルカリ媒体で抽出する、従来の大豆タンパク質単
離物製造方法では、多くのイソフラボンを、抽出剤に可
溶化し、通常は、タンパク質の酸性沈降物に続いて廃棄
されるホエー中に可溶化させたままで維持して、単離物
を形成する。酸性沈降タンパク質単離物中の残存イソフ
ラボンは、通常、該単離物を徹底的に洗浄することによ
り除去する。
【0003】最近では、大豆などの植物タンパク質中に
含有されるイソフラボンが、以下の文献に記載されたよ
うな、乳ガン細胞及び前立腺ガン細胞などのヒトガン細
胞の増殖を抑制し得ると認識されている:Biochemical
and Biophysical Research,Communications, Vol. 179,
No.1, 第661-667 頁(1991年8月30日)のPetersonとB
arnesによる"Genistein Inhibition of the Growth of
Human Breast CancerCells, Independence from Estrog
en Receptors and the Multi-Drug Resistance Gene
”;The Prostate, Vol.22, 第335-345 頁 (1993年)
のPeterson及びBarnesによる“Genistein and Biochani
n A Inhibit the Growth of Human Prostate Cancer Ce
lls but Not Epidermal Growth Factor Receptor Tyros
ine Autophosphorylation";及びMutagens and Carcino
gens in the Diet, 第239-253 頁(1990年)のBarnesら
による“Soybeans Inhibit Mammary Tumors in Models
of Breast Cancer”。
【0004】上記イソフラボンのうち、数種のものは、
グルコース分子が結合したグルコシドとして又はグルコ
ン(glucone) として存在する。6''−OAcゲニスチン
などのグルコンの数種は、グルコース分子自体の6つの
部分に結合したアセテート基を含む。グルコシドを含む
全てのイソフラボンは医学的評価の点で興味深いが、最
も興味深い特定のイソフラボンは、グルコース分子が結
合していないアグルコンである。これらのイソフラボン
は、グルコン又はイソフラボングルコシドほど水溶性が
高くない。このカテゴリー内の特定のイソフラボンは、
ダイゼイン、ゲニステイン、及びグリシテインである。
これらのアグルコンは、以下の一般式を有する:
【0005】
【化1】
【0006】式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、H、
OH及びOCH3 からなる群から選択される。従って、
それは、アグルコンであり、本発明が関連するこれらの
材料が豊富な植物タンパク質単離物である。当該技術分
野において、グルコンイソフラボンを、アグルコンイソ
フラボンに転化する方法が知られている(例えば、オバ
タらの日本特許出願第258669号に記載されている)。そ
のような方法では、中程度の転化のみが達成され、その
ようなことは、特に大規模な商業作業には望ましくな
い。また、例えば前記文献'669号に記載された公知の方
法では、タンパク質材料からイソフラボンを除去するこ
とが教示されており、いかにしてアグルコンイソフラボ
ンが豊富なタンパク質抽出物又は単離物を製造するかに
ついて記載するところがない。従って、少なくとも大部
分の及び好ましくは実質的に全てのグルコンイソフラボ
ンをアグルコンイソフラボンに転化する方法、及びアグ
ルコンイソフラボンが豊富なタンパク質抽出物及び単離
物を製造する方法が要求される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、アグルコンイソフラボンが豊富な抽出物及びタンパ
ク質単離物を提供すること、及びそれらを製造する方法
を提供することである。これらの及びその他の目的は、
以下に記載する本発明の詳細な説明に具体的に開示され
る。
【0008】
【発明の概要】本発明により、アグルコンイソフラボン
が豊富な植物タンパク質抽出物及び単離物、及びそれら
を製造する方法が提供される。そのような抽出物を製造
する方法には、グルコンイソフラボンを含む植物タンパ
ク質材料を、該植物タンパク質材料の等電点付近より高
いpHを有する水性抽出剤を用いて抽出すること、及び
そのグルコンイソフラボンと十分な量のβ−グルコシダ
ーゼ酵素1種以上とを、該抽出物中の少なくとも大部分
のグルコンイソフラボンがアグルコンイソフラボンに転
化されるのに十分な時間、温度及びpHで反応させ、そ
れにより、アグルコンイソフラボンが豊富な抽出物を製
造することが含まれる。また、本発明により、そのよう
な抽出物の製造法が提供され、該抽出物に追加β−グル
コシダーゼが添加されて、アグルコンイソフラボンが豊
富な抽出物が製造される。更に、本発明により、アグル
コンが豊富なタンパク質単離物を得る方法が提供され、
それは、前記抽出物のpHを、タンパク質材料の等電点
付近に調整して、タンパク質材料を沈降させ、アグルコ
ンイソフラボンが豊富なタンパク質単離物を製造するこ
とによる。得られたアグルコンイソフラボンが豊富な単
離物を、その後、分離し、脱水して、乾燥した、アグル
コンが豊富な単離物を形成することができる。また、本
発明により、比較的高い割合で、植物タンパク質材料か
らイソフラボンを回収する方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を大豆製品に関連して記載
するが、また、本発明の方法は、大豆材料からアグルコ
ンイソフラボンが豊富な抽出物及び単離物を製造するの
に特に適するものであるが、それにもかかわらず、本発
明の方法は、一般に、イソフラボンを含む種々の植物タ
ンパク質源からタンパク質抽出物及び単離物を製造する
のに適するものである。そのような源の例は、大豆又は
大豆材料を含む植物タンパク質材料である。本件明細書
において使用する用語“大豆材料”とは、大豆又はいず
れかの大豆誘導体を意味する。
【0010】好ましい実施態様での抽出物又は単離物に
ついての出発材料は、オイルが溶剤抽出により除去され
た大豆フレークである。そのフレークは、そのタンパク
材料の等電点付近より高いpH、好ましくは約6.0〜約
10.0のpH、及び最も好ましくは約6.7〜約9.7のp
Hを有する水性抽出剤を用いて抽出する。水性抽出剤の
pHを高くしたい場合には、典型的なアルカリ試薬、例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化カ
ルシウム等を使用してもよい。望ましいイソフラボン化
合物は、典型的には、水性抽出物中に可溶化する。ま
た、水性抽出物中のこれらの化合物の回収を最大にする
ために、大豆フレークの抽出物に対する重量比を、特定
のレベルに調節して、タンパク質材料中の本来のイソフ
ラボンをできるだけ多く可溶化するのが望ましい。タン
パク質及びイソフラボンの抽出は、第1抽出物を使用し
てフレークを抽出し、タンパク質及びイソフラボンの水
性抽出物を得る、水性抽出剤とフレークの重量比が約
8:1〜約16:1でのフレークの対向流抽出を含む種
々の方法で行うことができる。あるいはまた、第1段階
における抽出剤とフレークの重量比を約10:1とし、
その後の新鮮な抽出剤を用いたフレークの第2抽出を約
6:1又はそれ未満の抽出剤のフレークに対する重量比
で行う2段階抽出法(両段階における溶剤とフレークの
重量比の合計が、約16:1の溶剤とフレークの合計重
量比を越えないようにする)を使用してもよい。
【0011】不溶性材料を除去した後、得られた水性タ
ンパク質抽出物(可溶化イソフラボンを含む)を、その
後、1種以上のβ−グルコシダーゼ酵素と反応させて、
グルコース分子が結合したグルコン形態のイソフラボン
の大部分、及び好ましくは実質的に全てをアグルコンイ
ソフラボンに転化する。β−グルコシダーゼ酵素につい
ての最適pH範囲は、使用する特定のβ−グルコシダー
ゼ酵素により変動するであろうが、典型的には、約4〜
約8の範囲で変動するであろう。典型的には、抽出物の
pHを調節して、特定の酵素が、それを用いる反応前に
最も活性化となるpH範囲付近とする。典型的には、そ
のpHは、食用酸(edible acid)(例えば酢酸、硫酸、リ
ン酸、塩酸又は他の適切な任意の試薬など)の添加によ
り調節する。β−グルコシダーゼ酵素は、大豆材料中に
天然に存在し得、又は微生物の成長により得ることがで
き(本件明細書においては“残存”酵素と称する)、又
はタンパク質抽出物に添加してもよい。添加した酵素
は、本件明細書において、“追加酵素”と称する。一般
に、大豆材料又は抽出物中の残存酵素濃度が、グルコン
形態のイソフラボンの大部分、及び好ましくは実質的に
全てをアグルコン形態に転化するのに不十分である場合
には追加酵素を添加すべきである。イソフラボンの転化
に十分な酵素の量は、存在する酵素のタイプ、酵素濃度
の分布、システムのpH及び存在する酵素の活性度を含
む多数の因子により変動する。一旦、十分な濃度の酵素
を存在させて、残存酵素若しくは追加酵素のいずれかを
介して又はその両方を介して、タンパク質抽出物に含ま
れるグルコンイソフラボンの少なくとも大部分、及び好
ましくは実質的に全てがアグルコン形態に転化されるの
に十分な時間、温度及びpHで、可溶化イソフラボンを
有するタンパク質抽出物をβ−グルコシダーゼ酵素と反
応させる。
【0012】好ましい追加β−グルコシダーゼ酵素には
バイオペクチナーゼ(Biopectinase)100L及び300
L、バイオペクチナーゼOK70L、ラクターゼF及び
ラクトザイム(Lactozyme) が含まれる。ラクターゼFは
Amano International EnzymeCo., Inc., P. O. Box 100
0, Troy, VA 22974から入手可能であり、約4〜約6の
最適pH範囲を有し、また、ラクトザイムは、Novo Ind
ustries, Enzyme Division, Novo Alle, DK-2880 Bagsv
aerd, Denmark から入手可能であり、最適pHが約7で
ある。バイオペクチナーゼ100L、バイオペクチナー
ゼ300L及びバイオペクチナーゼOK70LはQuest
International, Sarasota, Floridaから入手可能であ
る。追加酵素は、大部分及び好ましくは実質的に全ての
グルコンイソフラボンをアグルコンに転化するのに十分
な量で添加する。追加酵素を添加するのが必要である場
合には、添加する酵素量は、乾燥量基準でのタンパク質
沈降物の約0.5〜約5重量%とする。他のクラスの適切
な酵素は、エステラーゼ酵素である。これらの酵素は、
それらが、イソフラボン複合体(conjugate) からアセテ
ート及びマロネート基を除去することによりアセテート
及びマロネート複合体をグルコンイソフラボンに転化す
るので、本件明細書に記載の好ましい実施態様の方法に
十分適するものであると思われる。最も好ましい態様に
おいては、両タイプの酵素、β−グルコシダーゼ及びエ
ステラーゼ酵素を利用する。
【0013】好ましい実施態様の方法は、好ましくは、
1段階工程であり、非常に高い程度のイソフラボン転化
(グルコン形態からアグルコン形態への転化)が、比較
的短時間で、かつ比較的容易に及び安価で達成される。
本件明細書において使用する用語“1段階”反応工程
は、一般に、いくつかのプロセス・パラメータ値が反応
工程中、維持される反応工程を意味する。これらのプロ
セス・パラメータには、pH及び温度が含まれる。非常
に高い程度の転化は、大豆材料抽出物中に存在するグル
コン形態のイソフラボンの大部分、及び好ましくは実質
的に全てがアグルコン形態に転化されるものである。用
語“大部分”とは、グルコンイソフラボンがアグルコン
イソフラボンに転化される程度が少なくとも約50%で
あることを意味する。用語“実質的に全て”とは、グル
コンイソフラボンがアグルコンイソフラボンに転化され
る程度が少なくとも約80%、及び最も好ましくは少な
くとも約90%であることを意味する。
【0014】いかなる特定の理論に限定されることを望
む訳ではないが、本件明細書に記載の方法の驚くべき、
予期せぬ高い程度の転化は、1段階反応工程の間に利用
するプロセス・パラメータの組合せにより生じると考え
られる。反応システムのpHは、第1段階反応工程の
間、約4〜約8の値又はその付近、及び最も好ましくは
イソフラボン複合体の反応前に酵素が最も活性化される
値で維持するのがよい。反応システムの温度は、第1段
階反応工程の間、約40〜約60℃の温度又はその付
近、及び最も好ましくは約60℃の温度で維持するのが
よい。一般に、本件明細書に記載の第1段階工程によ
り、実質的に全てのグルコンイソフラボンをアグルコン
に転化するのに必要とされる時間は、約2〜約24時間
である。1種以上でのβ−グルコシダーゼ酵素を用いた
反応の後、pHを、酸の添加により、大豆タンパク質の
等電点、一般には、約4.0〜約5.0、及び好ましくは約
4.4〜約4.6に調節する。pHを等電点に調節すること
により、低溶解性アグルコンが豊富である、凝乳形態の
タンパク質が沈降する。沈降後、凝乳即ち沈降タンパク
質を遠心分離などによりホエーから分離して、アグルコ
ンイソフラボンが豊富なタンパク質単離物を形成する。
【0015】好ましい実施態様において、沈降タンパク
質材料の洗浄は、完全に避けるか又は最小として、タン
パク質沈降物からのアグルコンイソフラボンの除去を実
質的に低減し、それにより、たとえアグルコンイソフラ
ボンの水中への溶解性が他のイソフラボンより低くて
も、該アグルコンが豊富な単離物が得られる。従って、
水での酸沈降タンパク質の洗浄は、完全に避けるか、又
は水と沈降タンパク質材料の重量比が約2:1〜約6:
1で水を用いる単一洗浄に制限してもよい。たとえ長く
洗浄を行っても、より少ないイソフラボンが回収される
が、酸沈降凝乳の洗浄を行わないことにより、望ましい
濃度でイソフラボンを豊富に含む単離物が得られる。中
程度の洗浄により、乾燥量基準で約1.5〜約3.5mg/
gのゲニステイン含量、及び約1.0〜約3.0mg/gの
ダイゼイン含量を有するタンパク質単離物が得られる。
酸沈降タンパク質を、その後、従来の方法で、遠心分離
又は濃縮の組合せにより脱水し、乾燥する。好ましい実
施態様は、特定の脱水手段に限定されないが、噴霧乾燥
などの従来の乾燥技術を用いて、乾燥単離物を形成する
のが好ましい。本件明細書に記載の方法により、増加量
のアグルコンイソフラボンを有する単離物が得られる。
【0016】また、本発明により、イソフラボンを、非
常に高い割合で、大豆材料などの植物タンパク質材料か
ら回収する方法が提供される。本件明細書に記載の方法
により得られる回収レベルは、典型的には、出発植物タ
ンパク質材料中の特定のイソフラボンの全ての形態の合
計をベースとして、少なくとも50%、好ましくは、6
5%、及び最も好ましくは80%である。いかなる特定
の理論に限定されることを望む訳ではないが、高い程度
の回収は、本件明細書に記載の転化反応と、本件明細書
に記載の種々の処理作業との組合せにより得られると考
えられる。比較的溶解性のグルコンイソフラボン複合体
を、特定の処理段階で、低溶解性アグルコン形態に転化
することにより、得られる生成物において、供給材料か
らのイソフラボンの高い割合での回収が可能となる。以
下の実施例は、具体的な記載であるが、本発明の実施態
様を制限するものではない。
【0017】
【実施例】抽出した脱脂大豆フレーク(粉末)5gを水
5gに添加し、pHを7及び8に調節することによりサ
ンプルを製造した。ラクターゼF又はラクトザイム0.2
5gを、酵素濃度が各サンプル中の固形分の約5重量%
であるように各懸濁液に添加した。サンプルを、40℃
で及び60℃でインキュベートした。サンプルは、酵素
を添加する前(t=0)、目標温度で24時間のインキ
ュベート後に回収した。ラクターゼF又はラクトザイム
について24時間のインキュベート後の大豆フレーク
(粉末)中のイソフラボンの変化及び割合分布を表1に
示す。サンプルは、追加酵素の添加前に殺菌せず、微生
物及び汚染物の増殖は阻害されなかった。
【0018】
【表1】 表1 6"-OMAL- 6"-OAC- サンプル ゲニスチン ゲニスチン ゲニスチン ゲニステイン % % % % (t=0) 16 80 0 4pH 7.0, 40℃, t=24 添加酵素なし 4 48 0 48 ラクターゼF 2 39 0 59 ラクトザイム 3 45 0 51pH 7.0, 60℃, t=24 添加酵素なし 5 22 0 73 ラクターゼF 10 32 0 59 ラクトザイム 4 22 0 74pH 8.0, 40℃, t=24 添加酵素なし 4 49 0 47 ラクターゼF 3 39 0 58 ラクトザイム 5 46 0 49pH 8.0, 60℃, t=24 添加酵素なし 2 14 0 84 ラクターゼF 6 24 0 80 ラクトザイム 2 14 0 84
【表2】 表1(続き) 6"-OMAL- 6"-OAC- サンプル ダイジン ダイジン ダイジン ダイゼイン % % % % (t=0) 16 79 1 3pH 7.0, 40℃, t=24 添加酵素なし 3 51 0 46 ラクターゼF 2 41 0 57 ラクトザイム 2 49 1 48pH 7.0, 60℃, t=24 添加酵素なし 7 33 0 60 ラクターゼF 10 35 3 52 ラクトザイム 5 33 0 62pH 8.0, 40℃, t=24 添加酵素なし 3 50 2 45 ラクターゼF 3 40 3 55 ラクトザイム 4 48 0 47pH 8.0, 60℃, t=24 添加酵素なし 3 26 3 70 ラクターゼF 8 30 3 59 ラクトザイム 3 24 6 67
【表3】 表1(続き) 6"-OMAL- サンプル グリシチン グリシチン グリシテイン % % % (t=0) 22 62 16pH 7.0, 40℃, t=24 添加酵素なし 0 42 58 ラクターゼF 0 30 70 ラクトザイム 0 40 60pH 7.0, 60℃, t=24 添加酵素なし 4 21 75 ラクターゼF 6 23 71 ラクトザイム 0 23 77pH 8.0, 40℃, t=24 添加酵素なし 0 43 57 ラクターゼF 0 29 71 ラクトザイム 0 40 60pH 8.0, 60℃, t=24 添加酵素なし 0 15 85 ラクターゼF 5 22 74 ラクトザイム 0 16 84
【0019】これらのデータから、残存酵素及び追加酵
素の組合せにより達成可能な転化の程度が示される。残
存酵素の源は、微生物増殖によるものであっても又は内
在性大豆酵素であってもよい。イソフラボン複合体のア
グルコンへの有意な転化はpH8、60℃で24時間イ
ンキュベートした大豆フレーク(粉末)において起こっ
た。本件明細書に記載したそれぞれのタイプのイソフラ
ボンの濃度は、全ての形態のイソフラボンタイプの合計
をベースとするものである。他の一連のサンプルは、脱
脂大豆フレークの16%水性懸濁液を形成することによ
り製造した。サンプルは、pH4.5及び7に調整し、4
5℃で24時間インキュベートした。副サンプルを0及
び24時間で取り出した。全てのサンプルを、イソフラ
ボン含量について分析した。表2は、24時間、pH4.
5及び7で45℃でのインキュベート後の脱脂フレーク
における、計算上のイソフラボンの割合分布の変化を示
す。
【0020】
【表4】 表2 6"-OMAL- 6"-OAC- ゲニスチン ゲニスチン ゲニスチン ゲニステイン % % % % (t=0) フレーク 49 46 0 445℃, pH 7.0, t=24 フレーク 3 28 0 6945℃, pH 4.5, t=24 フレーク 19 42 0 39
【表5】 表2(続き) 6"-OMAL- 6"-OAC- ダイジン ダイジン ダイジン ダイゼイン % % % % (t=0) フレーク 49 44 3 345℃, pH 7.0, t=24 フレーク 2 35 5 5945℃, pH 4.5, t=24 フレーク 17 48 4 31
【表6】 表2(続き) 6"-OMAL- グリシチン グリシチン グリシテイン % % % (t=0) フレーク 44 33 2245℃, pH 7.0, t=24 フレーク 0 28 7345℃, pH 4.5, t=24 フレーク 14 37 49
【0021】これらのデータは、タンパク質材料中の残
存酵素により達成可能な転化の程度を示す。イソフラボ
ン複合体のアグルコンへの有意な転化が、pH7で45
℃の温度で24時間インキュベートしたものに生じた。
他の一連の実験において、大豆から誘導されるタンパク
質単離物中のゲニステイン及びダイゼインの回収割合(p
ercent recovery)を調べた。回収割合は、単離物中のゲ
ニステイン(又はダイゼイン)の量で決定し、大豆出発
材料中の全ての形態のゲニステイン(又はダイゼイン)
の全量をベースとする割合としての量で示した。脱脂大
豆粉末100gを、32℃の温度で水酸化ナトリウムを
添加することによりpH9.7に調整した水1000gを
用いて抽出した。これにより、水と粉末の重量比が1
0:1となった。粉末を、抽出により分離し、pH9.7
で温度32℃の水性抽出物600gで再抽出した。第2
抽出段階で、水と粉末の重量比が6:1となった。粉末
を、遠心分離により分離し、第1及び第2抽出物を組合
せ、pHを4.5に調節して、酸沈降凝乳及び大豆ホエー
のスラリーを形成した。そのスラリーを50℃に加熱
し、酵素ラクターゼFの凝乳2乾燥重量%を添加した。
スラリーを16時間50℃で反応させて、グルコンイソ
フラボンのアグルコン形態への転化を完全なものとし
た。酸沈降凝乳を遠心分離によりホエーから分離して、
アグルコンが豊富な単離物を形成した。水を用いた、沈
降凝乳の更なる洗浄は避けた。単離物において回収され
たゲニステイン量は、出発大豆材料(脱脂大豆粉末)中
の全ての形態のゲニスチン及びゲニステインの全量の8
6%であった。同様に、単離物において回収されたダイ
ゼインの量は、75%であった。
【0022】大豆製品中のイソフラボンの定量化方法を
以下に記載する。イソフラボンを、サンプル(噴霧乾燥
又は微細パウダー)0.75gと80/20のメタノール
/水溶剤とを混合することにより大豆製品から抽出し
た。その混合物を、2時間、室温で、オービタルシェー
カーを用いて震盪した。2時間後、残存している未溶解
材料を、ワットマンNo.42ろ紙でのろ過により除去
した。ろ液5mlを、水4ml及びメタノール1mlで
希釈した。抽出したイソフラボンを、ベックマンC18
逆相カラムを用いたHPLC(高速液体クロマトグラフ
ィー)により分離した。イソフラボンをカラムに入れ、
開始時はメタノール88%、水10%及び氷酢酸2%
で、終了時はメタノール98%及び氷酢酸2%の溶媒勾
配で溶出した。0.4ml/分の流量で、イソフラボン−
ゲニスチン、6''−O−アセチルゲニスチン、6''−O
−マロニルゲニスチン、ゲニステイン、ダイジン、6''
−O−アセチルダイジン、6''−O−マロニルダイジ
ン、ダイジン、グリシチン及びその誘導体及びグリシテ
インの全てが明らかに分離した。ピーク検出は、262
mmのUV吸光度によるものである。ピークの確認は、
質量分析計により行った。
【0023】定量化は、Indofine Chemical Company, S
ommerville, NJ. から購入した純粋な標準物質(ゲニス
チン、ゲニステイン、ダイジン及びダイゼイン)を用い
ることにより達成される。応答因子(response factor:
統合領域(integrated area)/濃度) を、上記化合物のそ
れぞれについて計算し、使用して、未知のサンプルの定
量化を行った。純粋な標準物質が入手不可能である複合
形態については、応答因子は、親分子(parent molecul
e) のものであると仮定したが、分子量の相違について
は修正を行った。グリシチンの応答因子は、分子量の相
違について修正をしたゲニスチンについてのものと仮定
した。この方法により、それぞれ別個のイソフラボンの
定量化がなされる。便宜上、全ての複合形態がそれらの
各々の非複合形態に転化されるのなら、全ゲニステイ
ン、全ダイゼイン及び全グリシテインを計算することが
でき、これらの化合物の総重量が示される。また、これ
らの合計は、酸分解を用いて複合形態を転化する方法に
より直接測定することができる。当然、前述では、本発
明の好ましい実施態様を記載しただけであり、請求の範
囲に記載したような精神及び広い態様から逸脱すること
なく種々の変更及びが可能であると理解され、それは、
均等論を含む特許法の原理に従って解釈されるべきであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 バーバラ エイ ブライアン アメリカ合衆国 ミズーリー州 63130 ユニヴァーシティー シティー パーシン グ アベニュー 7039

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1.5mg/gの乾燥量基準ゲニ
    ステイン含量を有するタンパク質単離物を含む植物タン
    パク質単離物。
  2. 【請求項2】 前記タンパク質単離物が、約1.5〜約3.
    5mg/gの乾燥量基準ゲニステイン含量を有する請求項
    1に記載の植物タンパク質単離物。
  3. 【請求項3】 前記タンパク質単離物が、少なくとも1.
    0mg/gの乾燥量基準ダイゼイン含量を有する請求項1
    に記載の植物タンパク質単離物。
  4. 【請求項4】 少なくとも約1.0mg/gの乾燥量基準ダ
    イゼイン含量を有するタンパク質単離物を含む植物タン
    パク質単離物。
  5. 【請求項5】 前記タンパク質単離物が、約1.0〜約3.
    0mg/gの乾燥量基準ダイゼイン含量を有する請求項4
    に記載の植物タンパク質単離物。
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