JPH1123567A - 土試料の物質拡散性を調べるための試験装置及び方法 - Google Patents

土試料の物質拡散性を調べるための試験装置及び方法

Info

Publication number
JPH1123567A
JPH1123567A JP18750797A JP18750797A JPH1123567A JP H1123567 A JPH1123567 A JP H1123567A JP 18750797 A JP18750797 A JP 18750797A JP 18750797 A JP18750797 A JP 18750797A JP H1123567 A JPH1123567 A JP H1123567A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
specimen
soil sample
liquid
test
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18750797A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Nakazawa
武志 仲沢
Shinji Fukushima
伸二 福島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujita Corp
Original Assignee
Fujita Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujita Corp filed Critical Fujita Corp
Priority to JP18750797A priority Critical patent/JPH1123567A/ja
Publication of JPH1123567A publication Critical patent/JPH1123567A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤から採取した土試料の物質拡散性を、そ
の土試料の原位置における状態に近い状態で試験できる
ようにする。 【解決手段】 土試料の物質拡散性を調べるための試験
装置10は、地盤から採取した土試料を充填して供試体
16を形成するための供試体収容部12を備える。供試
体収容部は、側面がゴムスリーブ30で形成されてお
り、圧力室14に収容されている。試験装置10は更
に、圧力室の内部を加圧する加圧機構38と、供試体収
容部の中へ液体を供給する液体供給機構と、供試体収容
部の中から液体を排出する液体排出機構56とを備え
る。圧力室の内部の圧力を、土試料の原位置における拘
束圧の推定圧力に略々等しい圧力に加圧することで、供
試体に拘束圧を加える。液体供給機構から供給され、供
試体中を流れ、液体排出機構を介して排出される液体中
の物質濃度を測定することで、土試料の物質拡散性を調
べる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土試料の物質拡散
性を調べるための試験装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】汚染された水が地盤中を流れる間に、そ
の水の中の汚染物質が地盤中でどのように拡散して行く
かは、その地盤を構成している土そのものの固有の性質
と、その土がその地盤中でどのような状態におかれてい
るかとによって決まり、土の物質拡散性に影響を及ぼす
状態のうち特に重要なものは拘束圧と飽和度である。拘
束圧は、地盤中の土要素に加わっている圧力であり、土
粒子の詰まり具合に影響を及ぼし、それによって地盤中
の水の流れ方に大きな影響を与える。飽和度は、土粒子
間の間隙のうちのどれほどが水で満たされているかを表
した値である。土粒子間の間隙の全てが水で満たされて
いれば飽和度は100%であり、このとき土は飽和状態
にあるという。また、土粒子間の間隙に空気も含まれて
いる場合には、飽和度は100%に達せず、ことのき土
は不飽和状態にあるという。土要素中ないし土試料の水
の含有量は一般的に飽和度で表される。工事等によって
汚染水が発生することが予測される場合には、その汚染
が地盤中にどれほどの影響を及ぼすかを予測評価する必
要がある。また、既に汚染された地盤中を流れる地下水
を汲み上げて浄化した後に再び地盤中に戻すことによっ
て、その地盤の浄化を図る場合には、それによって実際
に地盤の浄化がどれほどの速度で進むのかを予測評価す
る必要がある。これらの予測評価を行う際には、その地
盤の物質拡散性を知る必要があり、そのためには一般的
に、その地盤から採取した土試料の物質拡散性が調べら
れる。
【0003】土試料の物質拡散性を調べるための従来の
試験装置の一例を図4を参照して説明する。図4は従来
の試験装置を模式的に示した断面図である。図4の試験
装置はいわゆる透水試験装置であり、底板に排水孔82
を形成した円筒形の容器80とを含んでいる。容器80
の底板の上に、円板形の透水性のポーラスストーン84
を配設し、その上に地盤から採取した土試料を所要の密
度で充填し、更にその上に円板形のポーラスストーン8
6を載置して供試体88を形成する。水供給装置90を
操作することで、容器80の上方から所望の流量で水が
供給され、供給された水は供試体88中を流れて容器8
0の排水孔84から排出され、試料収集装置92へ送ら
れる。試験を行う際には、最初に汚染物質を含まない清
浄な水を水供給装置90から容器80へ一定の流量で供
給し、供試体88中を流れる水の流速が一定に落ち着く
のを待つ。この場合、排水孔84からの排水量が一定に
落ち着くことで、供試体88中を流れる水の流速が一定
に落ち着いたことが分かる。供試体88中を流れる水の
流速が一定に落ち着いたならば、供給する水を清浄な水
から汚染物質を含んだ水に切り換え、このとき、切り換
え後の水の流量を切り換え前の水の流量と同じにするこ
とで、供試体88中を流れる水の流速が切り換えによっ
て変化しないようにする。そして、切り換え後の排水中
の汚染物質の濃度を、連続的に、或いは所定時間ごと
に、試料収集装置92において測定することにより、時
間に対する汚染物質の濃度のグラフを作成し、このグラ
フに基づいて、その土試料のその汚染物質に関する物質
拡散係数が求めるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】既述のごとく、地盤中
の土要素の物質拡散性は、拘束圧と飽和度とに影響され
る。図4の試験装置では、容器80に供給する水の流量
を抑えることによって供試体88を不飽和状態にするこ
ともできるが、ただしその場合には、容器80の上端に
近い部位ほど供試体88の飽和度が低く、容器80の底
部に近い部位ほど飽和度が高くなり、供試体88の全体
を一様な飽和度とすることはできない。この点を改善す
るには、容器80の上部から水と共に空気を供給する一
方で、容器80の下部から真空ポンプ等で水及び空気を
強制的に吸い出すようにすればよく、それによって供試
体の飽和度をかなりの程度にまで一様にすることができ
る。ところが、拘束圧に関しては、図4の装置では円筒
形の容器80の中に土試料を充填して供試体88を形成
しているため、供試体88に側圧を加えることができ
ず、従って、その土試料が原位置で受けていた拘束圧に
近い拘束圧を加えた状態で試験を行うことができない。
そのため、従来の試験装置を使用して得た試験データに
基づいて地盤の汚染や浄化の予測評価を行った場合に
は、良好な精度を期待できないという問題があった。本
発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の
目的は、地盤から採取した土試料の物質拡散性を、その
土試料の原位置における状態に近い状態で試験すること
ができるようにした、土試料の物質拡散性を調べるため
の試験装置及び方法を提供することにある。
【0005】前記目的を達成するため、本発明にかかる
土試料の物質拡散性を調べるための試験装置は、地盤か
ら採取した土試料を充填して供試体を形成するための少
なくとも一部が可撓性膜体で形成された供試体収容部
と、前記供試体収容部を収容する実質的に密閉可能な圧
力室と、前記圧力室の内部を加圧する加圧機構と、前記
供試体収容部の中へ液体を供給する液体供給機構と、前
記供試体収容部の中から液体を排出するための液体排出
機構とを備え、前記圧力室の内部の圧力が前記可撓性膜
体を介して供試体に加わることで、供試体に拘束圧が加
わるようにし、前記液体供給機構から供給され、供試体
中を流れ、前記液体排出機構を介して排出される液体中
の物質濃度を測定することで、土試料の物質拡散性を調
べるようにしたことを特徴とする。また、本発明にかか
る試験装置は、前記液体供給機構が、前記供試体収容部
に開口する末端部において互いに合流する複数の液体供
給系で構成されていることを特徴とする。また、本発明
にかかる試験装置は、前記供試体収容部が、該供試体収
容部の上端部を画成する上部隔壁部材と、該供試体収容
部の下端部を画成する下部隔壁部材と、該供試体収容部
の側部を画成する可撓性膜体製のゴムスリーブとで形成
されていることを特徴とする。また、本発明にかかる試
験装置は、前記液体供給機構が、前記上部隔壁部材を通
して上方から前記供試体収容部の中へ液体を供給するよ
うに構成されており、前記液体排出機構は、前記下部隔
壁部材を通して前記供試体収容部から下方へ液体を排出
するように構成されていることを特徴とする。また、本
発明にかかる試験装置は、前記上部隔壁部材と供試体と
の間、及び前記下部隔壁部材と供試体との間に、ポーラ
スストーンが介装されていることを特徴とする。また、
前記目的を達成するため、本発明にかかる土試料の物質
拡散性を調べるための試験方法は、地盤から採取した土
試料を充填して供試体を形成するための少なくとも一部
が可撓性膜体で形成された供試体収容部と、該供試体収
容部を収容する実質的に密閉可能な圧力室とを備えた試
験装置を用意し、地盤から採取した土試料を前記供試体
収容部に充填して供試体を形成し、前記圧力室の内部
を、前記土試料の原位置における拘束圧の推定値に略々
等しい圧力に加圧し、その圧力が前記可撓性膜体を介し
て供試体に加わることで、供試体に拘束圧が加わるよう
にし、前記拘束圧が加わった状態の供試体に液体を供給
し、供試体中を流れて排出される液体中の物質濃度を測
定することで、土試料の物質拡散性を調べることを特徴
とする。また、本発明にかかる試験方法は、特定物質で
汚染されていない土試料を前記供試体収容部に充填して
供試体を形成し、前記拘束圧が加わった状態の供試体
に、最初に前記特定物質を含有しない水を供給し、続い
て前記特定物質を含有する水を供給し、供試体中を流れ
て排出される排水中の前記特定物質の物質濃度を測定す
ることで土試料の物質拡散性を調べることを特徴とす
る。また、本発明にかかる試験方法は、特定物質で汚染
された土試料を前記供試体収容部に充填して供試体を形
成し、前記拘束圧が加わった状態の供試体に、前記特定
物質を含有しない水を供給し、供試体中を流れて排出さ
れる排水中の前記特定物質の物質濃度を測定することで
土試料の物質拡散性を調べることを特徴とする。
【0006】本発明にかかる試験装置及び方法によれ
ば、地盤から採取した土試料で形成した供試体に、その
土試料の原位置における拘束圧の推定値に略々等しい圧
力を拘束圧として加えることができるため、結果として
得られるその土試料の物質拡散性のデータは、実際の地
盤中に存在する土要素の挙動を良好に近似したものとな
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照して説明する。図1は本発明にかかる
試験装置を模式的に示した断面図である。本発明にかか
る地盤中の物質拡散性を調べるための試験装置10は、
地盤から採取した土試料を充填して供試体を形成するた
めの少なくとも一部が可撓性膜体で形成された供試体収
容部12と、この供試体収容部12を収容する実質的に
密閉可能な圧力室14とを備えており、それら供試体収
容部12及び圧力室14はいずれも略々円筒形の形状に
形成されている。圧力室14は、いずれも円板形の底板
18及び頂板20と、一部が開閉可能な円筒形の側壁2
2とで形成されている。底板18の中心には上方へ突出
する円筒形のペデスタル24が形成され、頂板20の中
心にはキャップ26を上下方向に摺動可能に支持する円
筒孔28が形成されており、キャップ26と円筒孔28
との間の摺動部は実質的に気密状態となるように構成さ
れている。供試体収容部12は、その上端部がキャップ
26で画成され、その下端部がペデスタル24で画成さ
れ、その側部が可撓性膜体であるゴムスリーブ30で画
成されている。これらのキャップ26、ペデスタル2
4、及びゴムスリーブ30は直径が互いに略々等しく、
ゴムスリーブ30の上端はオーリング32によってキャ
ップ26に止着され、下端はオーリング34によってペ
デスタル24に止着されている。この供試体収容部12
の中に土試料を充填することで供試体16を形成するよ
うにしており、またその際に、供試体16とキャップ2
6の下面との間、及び供試体16とペデスタル24の上
面との間に、夫々、透水性を有するポーラスストーンの
円板36、37を介装するようにしている。圧力室14
の内部は、底板18に形成した連通路39と配管40と
を介して加圧装置41に連通している。これら連通路3
9、配管40、加圧装置41によって圧力室14の内部
を加圧するための加圧機構38が構成されている。加圧
装置41は、加圧水ないし加圧空気を圧力室14へ供給
することによって圧力室14の内部を加圧するものであ
り、例えばコンプレッサやポンプ等で構成される。圧力
室14は開閉可能であり、供試体16を形成した後に圧
力室14を密閉して加圧装置41を作動させることで、
圧力室14の内部を所望の圧力にすることができる。
【0008】試験装置10は、供試体収容部12の中へ
液体を供給するための液体供給機構を備えており、この
液体供給機構は、互いに並列関係にある第1液体供給系
42と第2液体供給系43とで構成されている。キャッ
プ26には、第1連通路44と第2連通路45の2本の
連通路が形成されており、第1連通路44は第1液体供
給系42の一部を成し、第2連通路45は第2液体供給
系43の一部を成している。第1及び第2連通路44、
45は、それらの末端(即ち下端)がキャップ26の下
面に形成された共通開口46において合流し、供試体収
容部12の内部と連通している。第1液体供給系42は
第1液体供給装置47を含んでおり、この第1液体供給
装置47は、開閉弁48を装備した配管49を介して第
1連通路44の上端に接続している。第2液体供給系4
3は第2液体供給装置50を含んでおり、この第2液体
供給装置50は、開閉弁51を装備した配管52を介し
て第2連通路45の上端に接続している。このように、
液体供給機構は、末端の共通開口46で合流する2系統
の個別の液体供給系42、43で構成されており、供試
体収容部12の中へ異なった2種類の液体を供給するこ
とができる。第1及び第2液体供給装置47、50の各
々は、一定流量で液体を供給できるようにした装置であ
り、例えば、貯留タンクに定量ポンプを組合せたものと
してもよく、或いはまた、簡明な構成とすることが望ま
れる場合にはマリオット管で構成してもよい。
【0009】試験装置10は、供試体収容部12の中か
ら液体を排出するための液体排出機構56を備えてお
り、この液体排出機構56は、ペデスタル24及び底板
18に形成した連通路58を含んでいる。連通路58は
その上端がペデスタル18の上面に開口して供試体収容
部12の内部と連通している。連通路58は途中で分岐
しており、底板18に形成された第1吐出口60及び第
2吐出口62に連通している。第1吐出口60は、開閉
弁63を装備した配管64を介して真空ポンプ66に接
続しており、第2吐出口62は、開閉弁67を装備した
配管68を介して濃度測定装置70に接続している。更
に試験装置10は、圧力室14の内部の圧力が高まった
ときにその圧力によってキャップ26が上方へ押し出さ
れるのを防ぐために、キャップ26の高さを拘束及び調
節することのできるキャップ位置調整装置72を備えて
いる。以上の構成において、圧力室14の内部の圧力が
可撓性膜体であるゴムスリーブ30を介して供試体16
に加わることで、供試体16に拘束圧が加わるようにし
ており、また、液体排出機構56を介して排出される液
体中の物質濃度を測定することで、供試体16の物質拡
散性を調べるようにしている。これらについては、以下
の試験方法の説明の中で、更に詳細に説明して行く。
【0010】図3は、以上の試験装置10を用いて第1
の試験方法を行った場合に得られる、時間に対する排水
中の汚染物質濃度のグラフであり、横軸に経過時間tを
取り、縦軸に汚染物質の相対濃度C/C0 を取ってい
る。この第1の試験方法は、ある地盤中の深さ10mを
流れている地下水が、ある特定の汚染物質によって汚染
され始めた場合に、その汚染物質がその地盤中で拡散し
て行く速度等を予測するためのデータを得ることを目的
として行われる。この試験方法では、先ず、ボーリング
を行って、その地盤中の深さ10mにある土を試料とし
て採取し、その採取した土試料を供試体収容部12に充
填することで供試体16を形成する。この場合、その供
試体16は汚染物質によって汚染されてはいない。ま
た、第1及び第2液体供給装置47、50に、汚染物質
を含有していない清浄な水と、汚染物質を既知濃度C0
で含有するように調製した水との、2種類の液体を用意
しておく。ここでは、清浄な水は第1液体供給装置47
に用意されていて第1液体供給系42から供試体収容部
12の中へ供給され、汚染物質を含有した水は第2液体
供給系50に用意されていて第2液体供給系43から供
試体収容部12の中へ供給されるものとする。続いて加
圧装置41を作動させて、圧力室14の内部の圧力を、
採取位置において土試料に加わっていたと推定される圧
力にまで高める。即ち、その土試料の原位置における拘
束圧の推定値に略々等しい圧力にまで加圧する。この推
定圧力は、例えば、ボーリングによって知ることのでき
るその地盤の密度分布と、その土試料の採取位置とから
求めることができる。簡単な例として、その地盤の密度
が略々一定であるならば、その地盤の密度の値(これは
その土試料の密度の値に等しい)に、その土試料の採取
位置の深さを乗じて得られる圧力をもって、この推定圧
力とすればよい。具体的には、例えばその土試料の密度
が1.8tf/m3 であったならば、採取位置である深
さ10mにおける推定圧力は1.8kg/cm2 であ
り、圧力室14内の圧力をこの値にまで高めればよい。
これにより、供試体16に現地盤の拘束条件を近似した
拘束圧を加えることができる。
【0011】次に、計測のための準備ステップとして、
第1液体供給系42から供試体収容部12の中へ清浄な
水を一定流量で供給すると共に、開閉弁63を閉じ、開
閉弁67を開くことで、供試体16を通って流れた水が
第2吐出口62から濃度測定装置70を経由して排出す
るようにし、そのまま排水量が定常状態に落ち着くのを
待つ。排水量が定常状態に落ち着いたならば、それは、
供試体16を通って流れる水の流速が一定になったこと
を意味しており、この状態から測定を開始する。尚、こ
のとき供試体16は飽和状態にある。測定の開始時に
は、それまで供給していた清浄な水を、汚染物質を含む
水に切り換える。それには、予め第1液体供給系42の
供給流量と第2液体供給系43の供給流量とを同一に設
定しておき、第1液体供給系43の開閉弁48を閉じる
のと殆ど同時に第2液体供給系43の開閉弁51を開く
ようにする。特に、第1液体供給系42と第2液体供給
系43とが、それらの供給経路の途中で合流するのでは
なく、供試体収容部12に開口しているそれらの末端部
で合流している構成であるため、この切り換え操作によ
って、供給される液体の種類が速やかに切り換わる。測
定を開始したならば、連続的に、或いは所定サンプリン
グ時間ごとに、供試体16中を流れて排出された排水中
の汚染物質の濃度Cを濃度測定装置70で測定してプロ
ットする。こうして得られたグラフが図2のグラフであ
り、このグラフの縦軸は、既述のごとく相対濃度(供給
水中の汚染物質濃度C0 に対する排水中の汚染物質濃度
Cの比)を表している。この試験方法によれば、供試体
16に、その土試料の原位置における拘束圧の推定値に
略々等しい拘束圧が加わった状態で試験が行われるた
め、供試体16の土粒子の詰まり具合等が現地盤に近い
ものとなっている。そのため、この試験方法によって得
られたデータに、理論式による計算処理やカーブフィッ
ティング処理を適用することで、その汚染物質の拡散係
数等を求めれば、地盤中の物質拡散の予測を良好な精度
で行うことができる。
【0012】以上の試験方法において、地盤の試料採取
位置の土要素が実際に不飽和状態にある場合や、気候次
第でそれが不飽和状態にもなり得ると考えられる場合に
は、前述の準備ステップにおける設定を変更して、供試
体16を不飽和状態にして試験を行うようにする。それ
には、第1液体供給系42から供試体収容部12の中へ
清浄な水を一定流量で供給する点では同じであるが、先
の場合とは逆に、開閉弁67を閉じ、開閉弁63を開く
ことで、供試体16を通って流れた水が第1吐出口60
を介して真空ポンプ66で吸引されるようにする。そし
て、水の供給量と真空ポンプ66の吸引圧とを適宜調節
することによって、供試体16の飽和度(供試体16中
の水分量)を所望値になるようにして、定常状態に落ち
着くのを待ち、定常状態に落ち着いたならば排水中の汚
染物質の濃度測定を開始する。また、この場合の排水中
の汚染物質の濃度測定は、所定時間ごとに開閉弁63を
閉じ、開閉弁67を開くことで、排水を濃度測定装置7
0へ導入して行う。
【0013】図4は第2の試験方法を行った場合に得ら
れる、時間に対する排水中の汚染物質濃度のグラフであ
り、横軸に経過時間tを取り、縦軸に汚染物質の相対濃
度C/C0 を取っている。この第2の試験方法は、ある
地盤中のある深さの土が、ある特定の汚染物質によって
既に汚染されていることが判明しており、その地盤を浄
化するために、地盤中の地下水を汲み上げ、浄化処理を
施した上で再び地下に復水する計画を立てるに際して、
その浄化の進行速度等を予測するためのデータを得るこ
とを目的として行われる。この試験方法では、先ず、ボ
ーリングを行って、その地盤中の復水予定深さにある土
を試料として採取し、その採取した土試料を供試体収容
部12に充填することで供試体16を形成する。この場
合、供試体16はその特定の汚染物質によって既に汚染
されている。この試験方法では、液体供給装置を構成し
ている2つの液体供給系42、43のうちの一方のみを
使用し、その液体供給系に、汚染物質を含有していない
清浄な水を用意しておく。続いて第1の試験方法と同様
に、加圧装置41を作動させて、圧力室14の内部の圧
力を、採取位置において土試料に加わっていたと推定さ
れる圧力にまで高める。即ち、その土試料の原位置にお
ける拘束圧の推定値に略々等しい圧力にまで加圧する。
これによって、供試体16に現地盤の拘束条件を近似し
た拘束圧を加えることができる。次に、供試体収容部1
2の中へ清浄な水を一定流量で供給すると共に、開閉弁
63を閉じ、開閉弁67を開くことで、供試体16の中
を流れた水が第2吐出口62から濃度測定装置70へ流
れるようにして、その排水中の汚染物質の濃度測定を開
始する。供試体16が汚染されているため、その排水中
には、初期には汚染物質が高濃度で含まれている。濃度
測定を開始したならば、連続的に、或いは所定サンプリ
ング時間ごとに、供試体16中を流れて排出された排水
中の汚染物質の濃度Cを濃度測定装置70で測定してプ
ロットする。こうして得られたグラフが図3のグラフで
あり、このグラフの縦軸は、既述のごとく相対濃度(排
水中の初期汚染物質濃度C0 に対するその後の汚染物質
濃度Cの比)を表している。この第2の試験方法でも、
第1の試験方法と同様に、供試体16に、その土試料の
原位置における拘束圧の推定値に略々等しい拘束圧が加
わった状態で試験が行われるため、供試体16の土粒子
の詰まり具合等が現地盤に近いものとなっている。その
ため、この試験方法によって得られたデータに基づい
て、地盤の浄化の進行速度を良好な精度で予測すること
ができる。尚、地下水を復水する場合には、一般的に、
復水位置の近傍の土要素は飽和状態になるが、離れた位
置の土要素は不飽和状態になることもあり得る。この第
2の試験方法において、第1の試験方法で説明したのと
同様に真空ポンプ66を適宜使用すれば、そのような不
飽和状態の土要素の浄化についてのデータを得ることも
可能である。
【0014】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
にかかる土試料の物質拡散性を調べるための試験装置及
び方法によれば、少なくとも一部が可撓性膜体で形成さ
れた供試体収容部に土試料を充填して供試体を形成し、
その供試体収容部を収容した圧力室の内部を加圧して供
試体に拘束圧を加えた状態とし、その供試体収容部に液
体を供給し、供試体中を流れて排出された液体中の物質
濃度を測定することで土試料の物質拡散性を調べるよう
にしたため、その土試料の原位置における拘束圧及び飽
和度を近似した条件で試験を行うことができる。そのた
め、本発明にかかる試験装置及び方法によって得られる
データに基づいて地盤の汚染ないし浄化の進行を予測評
価すれば、良好な精度でそれらの予測評価を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる試験装置を模式的に示した断面
図である。
【図2】図1の試験装置を用いた試験によって得られる
時間対汚染物質の相対濃度のグラフの一例を示した図で
ある。
【図3】図1の試験装置を用いた試験によって得られる
時間対汚染物質の相対濃度のグラフの別の例を示した図
である。
【図4】従来の試験装置を模式的に示した断面図であ
る。
【符号の説明】
10 試験装置 12 供試体収容部 14 圧力室 16 供試体 30 ゴムスリーブ 38 加圧機構 42 第1液体供給系 43 第2液体供給系 56 液体排出機構

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土試料の物質拡散性を調べるための試験
    装置において、 地盤から採取した土試料を充填して供試体を形成するた
    めの少なくとも一部が可撓性膜体で形成された供試体収
    容部と、 前記供試体収容部を収容する実質的に密閉可能な圧力室
    と、 前記圧力室の内部を加圧するための加圧機構と、 前記供試体収容部の中へ液体を供給する液体供給機構
    と、 前記供試体収容部の中から液体を排出する液体排出機構
    とを備え、 前記圧力室の内部の圧力が前記可撓性膜体を介して供試
    体に加わることで、供試体に拘束圧が加わるようにし、 前記液体供給機構から供給され、供試体中を流れ、前記
    液体排出機構を介して排出される液体中の物質濃度を測
    定することで、土試料の物質拡散性を調べるようにし
    た、 ことを特徴とする試験装置。
  2. 【請求項2】 前記液体供給機構は、前記供試体収容部
    に開口する末端部において互いに合流する複数の液体供
    給系で構成されている請求項1記載の試験装置。
  3. 【請求項3】 前記供試体収容部は、該供試体収容部の
    上端部を画成する上部隔壁部材と、該供試体収容部の下
    端部を画成する下部隔壁部材と、該供試体収容部の側部
    を画成する可撓性膜体製のゴムスリーブとで形成されて
    いる請求項1または2記載の試験装置。
  4. 【請求項4】 前記液体供給機構は、前記上部隔壁部材
    を通して上方から前記供試体収容部の中へ液体を供給す
    るように構成されており、前記液体排出機構は、前記下
    部隔壁部材を通して前記供試体収容部から下方へ液体を
    排出するように構成されている請求項3記載の試験装
    置。
  5. 【請求項5】 前記上部隔壁部材と供試体との間、及び
    前記下部隔壁部材と供試体との間に、ポーラスストーン
    が介装されている請求項4記載の試験装置。
  6. 【請求項6】 土試料の物質拡散性を調べるための試験
    方法において、 地盤から採取した土試料を充填して供試体を形成するた
    めの少なくとも一部が可撓性膜体で形成された供試体収
    容部と、該供試体収容部を収容する実質的に密閉可能な
    圧力室とを備えた試験装置を用意し、 地盤から採取した土試料を前記供試体収容部に充填して
    供試体を形成し、 前記圧力室の内部を、前記土試料の原位置における拘束
    圧の推定値に略々等しい圧力に加圧し、その圧力が前記
    可撓性膜体を介して供試体に加わることで、供試体に拘
    束圧が加わるようにし、 前記拘束圧が加わった状態の供試体に液体を供給し、供
    試体中を流れて排出される液体中の物質濃度を測定する
    ことで、土試料の物質拡散性を調べる、ことを特徴とす
    る試験方法。
  7. 【請求項7】 特定物質で汚染されていない土試料を前
    記供試体収容部に充填して供試体を形成し、前記拘束圧
    が加わった状態の供試体に、最初に前記特定物質を含有
    しない水を供給し、続いて前記特定物質を含有する水を
    供給し、供試体中を流れて排出される排水中の前記特定
    物質の物質濃度を測定することで土試料の物質拡散性を
    調べる請求項6記載の試験方法。
  8. 【請求項8】 特定物質で汚染された土試料を前記供試
    体収容部に充填して供試体を形成し、前記拘束圧が加わ
    った状態の供試体に、前記特定物質を含有しない水を供
    給し、供試体中を流れて排出される排水中の前記特定物
    質の物質濃度を測定することで土試料の物質拡散性を調
    べる請求項6記載の試験方法。
JP18750797A 1997-06-27 1997-06-27 土試料の物質拡散性を調べるための試験装置及び方法 Pending JPH1123567A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18750797A JPH1123567A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 土試料の物質拡散性を調べるための試験装置及び方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18750797A JPH1123567A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 土試料の物質拡散性を調べるための試験装置及び方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1123567A true JPH1123567A (ja) 1999-01-29

Family

ID=16207282

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18750797A Pending JPH1123567A (ja) 1997-06-27 1997-06-27 土試料の物質拡散性を調べるための試験装置及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1123567A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100595049B1 (ko) 2005-02-04 2006-06-30 서흥석 사면배수용 토목섬유의 시험장치
CN104020273A (zh) * 2013-03-01 2014-09-03 中国地质科学院水文地质环境地质研究所 一种超高压固结试验装置和方法
KR20160039970A (ko) * 2014-10-02 2016-04-12 한국지질자원연구원 흙 시료 속에 함유된 간극수의 염분측정장치 및 그 측정방법
CN109030144A (zh) * 2018-07-18 2018-12-18 中国长江三峡集团有限公司 一种松散体水下板结规律模拟试验装置及方法
CN109596401A (zh) * 2019-02-01 2019-04-09 合肥工业大学 搅拌桩试件室内实验养护装置
CN109946128A (zh) * 2019-03-08 2019-06-28 同济大学 一种路基土试件制备装置
CN114235677A (zh) * 2021-11-29 2022-03-25 苏州大学 一种粘土材料填充性能的测试装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100595049B1 (ko) 2005-02-04 2006-06-30 서흥석 사면배수용 토목섬유의 시험장치
CN104020273A (zh) * 2013-03-01 2014-09-03 中国地质科学院水文地质环境地质研究所 一种超高压固结试验装置和方法
KR20160039970A (ko) * 2014-10-02 2016-04-12 한국지질자원연구원 흙 시료 속에 함유된 간극수의 염분측정장치 및 그 측정방법
CN109030144A (zh) * 2018-07-18 2018-12-18 中国长江三峡集团有限公司 一种松散体水下板结规律模拟试验装置及方法
CN109596401A (zh) * 2019-02-01 2019-04-09 合肥工业大学 搅拌桩试件室内实验养护装置
CN109946128A (zh) * 2019-03-08 2019-06-28 同济大学 一种路基土试件制备装置
CN114235677A (zh) * 2021-11-29 2022-03-25 苏州大学 一种粘土材料填充性能的测试装置
CN114235677B (zh) * 2021-11-29 2023-01-17 苏州大学 一种粘土材料填充性能的测试装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105717275B (zh) 一种模拟土中挥发性有机污染物运移一维试验装置
CA1330956C (en) Apparatus and method for environmental leaching testing
US5672319A (en) Device for analyzing a fluid medium
US5981289A (en) Hydrogen sulfide analyzer
JP4856709B2 (ja) 液体のモニタリングのためのサンプリング装置およびサンプリング方法
JP3454701B2 (ja) ガス試料捕集装置及びその使用方法
KR200438330Y1 (ko) 투수시험용 샘플홀더
US5112492A (en) Automated bubble trap
SG131910A1 (en) Immunoassay product and process
JPH1123567A (ja) 土試料の物質拡散性を調べるための試験装置及び方法
KR20090016071A (ko) 심도별 토양공극수를 추출하기 위한 추출장치
CA2165524C (fr) Methode et dispositif de mesure en continu des variations de la saturation globale d'un echantillon en fluides non miscibles incompressibles
US4103162A (en) Apparatus for the continuous measurement of the concentration of oil
US20230347265A1 (en) Constant flow conditioner having microbubble removal function
KR0136644B1 (ko) 반도체 제조공정의 고순도 케미칼 이송로에 설치되는 테프론 여과막을 갖는 필터의 프리웨팅 방법 및 장치
JP3120674B2 (ja) 透水透気試験装置
JPS6329247Y2 (ja)
JP2663661B2 (ja) 液体の減圧吸引装置
JP2003028769A (ja) 組織片処理装置
RU2244281C2 (ru) Система отбора и доставки проб фильтрата для ионометрии
KR101479990B1 (ko) 수질 측정용 포트 구조체
JPH08145983A (ja) 試料水の採取装置
Wardencki et al. Sampling water and aqueous solutions
US5148701A (en) Domestic water tester
JPH0545263A (ja) アルコール濃度測定装置