JPH11235603A - 回転型ガイドブッシュ - Google Patents

回転型ガイドブッシュ

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JPH11235603A
JPH11235603A JP3927098A JP3927098A JPH11235603A JP H11235603 A JPH11235603 A JP H11235603A JP 3927098 A JP3927098 A JP 3927098A JP 3927098 A JP3927098 A JP 3927098A JP H11235603 A JPH11235603 A JP H11235603A
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JP
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bar
guide bush
support
peripheral surface
inner peripheral
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JP3927098A
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Inventor
Shigeo Hasegawa
重雄 長谷川
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Citizen Watch Co Ltd
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 棒材送り時にガイドブッシュの支持内周面と
棒材外周面との間に生じる摩擦抵抗を軽減できる回転型
ガイドブッシュを提供する。 【解決手段】 回転型ガイドブッシュ10は、旋削加工
される棒材を受容、包囲する段付き円筒状の内周面12
を備え、その軸方向前端側には、内周面12の小径部分
である小径内周面12aを有した筒状の棒材支持部14
が設けられる。棒材支持部14には、スリット16によ
り筒状壁を3分割した3個の縦割り部分14aが形成さ
れる。各縦割り部分14aにおける小径内周面12aの
周方向略中央位置には、軸方向へ延びる支持突条22が
小径内周面12aから径方向内方へ1つずつ突設され
る。各支持突条22の突出方向先端には、棒材支持部1
4に供給された棒材の外周面に接触して棒材を支持する
凹面状の支持面24が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋削機械の回転主
軸に掴持された棒材を加工作業位置近傍で支持するガイ
ドブッシュに関し、特に、加工作業位置近傍で旋削機械
の機体に回転可能に設置され、旋削加工中に棒材と共に
回転する回転型ガイドブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】NC旋盤等の自動旋削機械において、工
具による加工作業位置の近傍で旋削機械の機体に設置さ
れ、回転主軸に掴持された被加工素材としての棒材を、
回転主軸先端のさらに前方位置で支持する補助支持装置
としてのガイドブッシュが知られている。ガイドブッシ
ュは、旋削加工中の棒材先端の被加工部位に振れが生じ
ないように棒材を支持することにより、比較的細長い製
品を高精度に加工成形することを可能にするものであ
る。従来、この種のガイドブッシュは、棒材外周面を支
持する円筒状の支持内周面を有し、この支持内周面がす
べり軸受面を構成する固定型のガイドブッシュと、支持
内周面を棒材外周面に当接した状態で棒材と共に回転す
る回転型のガイドブッシュとが、適宜選択して使用され
ている。
【0003】ところで、製品となる棒材先端の加工長さ
部分を加工作業位置に供給するため、及び加工途上でそ
のような加工長さ部分の長手方向所望位置に工具を設定
するために、棒材を掴持した回転主軸が軸方向へ移動す
る構成を有した自動旋削機械では、ガイドブッシュは、
回転主軸の軸方向移動により軸方向へ送られる棒材を摺
動可能に支持することが要求される。そこで従来のガイ
ドブッシュでは、加工対象の棒材を加工作業開始前にガ
イドブッシュに挿入して支持内周面の径寸法を棒材外径
寸法に合わせて微調整し、棒材の心出し支持と軸方向摺
動支持との双方を達成できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】旋削機械で旋削加工さ
れる棒材として、所定径に引抜き加工された引抜き材
(丸棒)を使用する場合と、引抜き材の外周面を研削加
工して外径寸法精度を向上させた研削材を使用する場合
とがある。一般に引抜き材は、そのままでは外径寸法精
度が低く、1本の引抜き材における外径寸法の長手方向
へのばらつきや、同一名目径の多数の引抜き材相互間の
外径寸法のばらつきが大きいだけでなく、長手方向に沿
ってうねりや曲がりを生じているものもある。しかし、
コスト上の制約がある場合に、研削材に比較して安価な
引抜き材がしばしば使用される。また、材質によっては
研削加工が困難なもの(例えばアルミニウム材、銅材
等)があり、その場合は必然的に引抜き材が使用され
る。
【0005】ガイドブッシュを備えた自動旋削機械にお
いて、棒材として上記した引抜き材を使用する場合、幾
つかの問題が生じている。まず、ガイドブッシュの支持
内周面の径寸法を予め所定径に調整していても、引抜き
材の長手方向への外径寸法のばらつきや曲がりに起因し
て、棒材を軸方向へ送る間に、ガイドブッシュの支持内
周面が棒材外周面に密着係合して多大な摩擦抵抗が棒材
に加わることがある。この摩擦抵抗により、棒材送り中
に主軸先端に設置した棒材掴持用のチャック(いわゆる
コレットチャック)と棒材との間に軸方向への滑りが生
じた場合には、棒材の送り距離が設定通りに得られなく
なり、加工成形された製品の長さ寸法の誤差が大きくな
る。このとき、引抜き材の外径寸法のばらつきや曲がり
は一定ではないので、棒材の送り工程が極めて不安定に
なり、結果として同一製品の間で長さ寸法のばらつきが
生じる。さらに、摩擦抵抗が極端に過大になると、棒材
の送りが不能になり、旋削加工を継続できなくなる場合
もある。
【0006】棒材として引抜き材を使用した場合に、主
軸のチャックと棒材との間の軸方向への滑りを防止し、
かつガイドブッシュによる摩擦抵抗に抗して棒材を設定
通りに送ることを可能にするために、従来、チャックの
掴持力を増強する対策が採られている。しかしこの対策
では、ガイドブッシュによる摩擦抵抗自体を軽減するこ
とはできないので、チャックの掴持力を最大限に増強し
ても、棒材の送りが不能になる場合がある。しかも、多
大な摩擦抵抗に抗して棒材を送るので、ガイドブッシュ
構成部品の損耗、劣化が早まり、またチャック構成部品
に関しても、強大な掴持力の下での応力集中により、さ
らにはそのような掴持力下でもチャックと棒材との間に
滑りが生じれば一層のこと、損耗、劣化が早まる問題が
ある。
【0007】反対に、予め調整したガイドブッシュの支
持内周面の径寸法よりも小径の部分を棒材が有していた
場合には、その小径部分で棒材外周面とガイドブッシュ
支持内周面との間に不要な隙間が生じ、その結果、ガイ
ドブッシュによる棒材の支持が不安定になって、製品を
高精度に加工成形することが困難となる問題がある。そ
して、上記した諸問題は、特に支持内周面と棒材外周面
との間の隙間を可及的に削減することが望まれる回転型
のガイドブッシュにおいて、棒材の供給時の送り及び加
工途上での送りを実施する際の解決すべき大きな課題と
なっている。
【0008】したがって本発明の目的は、自動旋削機械
に設置される回転型ガイドブッシュにおいて、外径寸法
精度の低い引抜き材を棒材として使用する場合にも、棒
材送り時にガイドブッシュの支持内周面と棒材外周面と
の間に生じる摩擦抵抗を軽減し、また支持内周面と棒材
外周面との間に生じ得る不要な隙間を排除して、製品を
高精度に加工成形することができるとともに、ガイドブ
ッシュやチャックの構成部品の損耗、劣化を抑制するこ
とができる回転型ガイドブッシュを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の本発明は、加工作業位置近傍で旋
削機械の機体に回転可能に設置され、回転主軸に掴持さ
れた棒材を支持して棒材と共に回転する回転型ガイドブ
ッシュにおいて、棒材を包囲する筒状の内周面と、内周
面の少なくとも3箇所で、内周面から突出した状態に軸
方向へ延設される少なくとも3個の支持突条とを具備
し、少なくとも3個の支持突条の各々は、棒材の外周面
に接触して棒材を支持する支持面を突出方向先端に備え
ること、を特徴とする回転型ガイドブッシュを提供す
る。
【0010】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の回転型ガイドブッシュにおいて、支持突条が超硬材
料から形成される回転型ガイドブッシュを提供する。
【0011】請求項3に記載の本発明は、請求項1又は
2に記載の回転型ガイドブッシュにおいて、支持突条の
支持面に、ダイアモンドライクカーボン被膜が被着され
る回転型ガイドブッシュを提供する。
【0012】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3
のいずれか1項に記載の回転型ガイドブッシュを備えた
自動旋削機械を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明をその実施形態に基づき詳細に説明する。各図面にお
いて、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付
す。図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態に
よる回転型ガイドブッシュ10(以下、単にガイドブッ
シュ10と称する)が、それぞれ縦断面図及び端面図で
示されている。ガイドブッシュ10は、旋削機械に設定
された工具による加工作業位置の近傍で旋削機械の機体
に回転可能に設置される中空筒状の部材であり、旋削機
械で旋削加工される棒材W(丸棒、図4参照)を受容、
包囲する段付き円筒状の内周面12を備える。ガイドブ
ッシュ10の軸方向前端(図1で左端)側には、内周面
12の小径部分である小径内周面12aを有した筒状の
棒材支持部14が設けられる。
【0014】図2に明示されるように、棒材支持部14
には、ガイドブッシュ10の筒状の壁を径方向へ貫通す
る3個のスリット16が、周方向略等間隔配置で放射状
に形成される。また図1に示すように、各スリット16
は、ガイドブッシュ10の軸方向前端面18から軸方向
略中央まで延設される(図1では下方のスリット16の
み図示)。それにより棒材支持部14に、筒状壁を3分
割した3個の縦割り部分14aが形成される。それら縦
割り部分14aに径方向内方への外力を加えると、隣接
する縦割り部分14aが相互接触するまで棒材支持部1
4の小径内周面12aが縮径し、その状態から各縦割り
部分14aへの径方向外力を弱めると、各縦割り部分1
4aが復元して小径内周面12aが拡径する。このよう
にガイドブッシュ10では、棒材支持部14に径方向内
方へ加える外力を調節することによって、棒材支持部1
4の小径内周面12aの径寸法を調節することができ
る。棒材支持部14の各縦割り部分14aの外周面に
は、径方向内方への外力を受けるためのテーパ面20が
設けられる。
【0015】棒材支持部14にはさらに、各縦割り部分
14aにおける小径内周面12aの周方向略中央位置に
1つずつ、軸方向へ延びる支持突条22が小径内周面1
2aから径方向内方へ突設される。各支持突条22は、
互いに略同一の寸法及び形状を有し、それぞれの突出方
向先端すなわち径方向内端に、棒材支持部14に供給さ
れた棒材W(図4)の外周面に接触して棒材Wを支持す
る支持面24が形成される。図3に拡大して示すよう
に、各支持突条22の支持面24は、支持対象の棒材W
の外周面形状に対応する凹面形状を有する。
【0016】上記構成を有するガイドブッシュ10で
は、棒材支持部14の小径内周面12aの径寸法を上記
したようにして調節することにより、各支持突条22の
支持面24を棒材Wの外周面に一様に接触させることが
できる。このとき、各支持突条22の支持面24は、ガ
イドブッシュ10の回転軸線Cを中心とする仮想円筒面
に沿って周方向へ略等間隔に分散して配置され、ガイド
ブッシュ10と共に回転する棒材Wを振れが生じないよ
うに確実に心出し支持する。したがってガイドブッシュ
10によれば、棒材支持部14に設けた3個の支持突条
22の各々の支持面24で棒材Wを支持することによ
り、旋削機械で旋削加工中の棒材Wの先端被加工部位の
振れを防止して、比較的細長い製品を高精度に加工成形
することが可能になる。
【0017】さらにガイドブッシュ10では、従来のガ
イドブッシュにおける円筒状の支持内周面に比較して、
棒材Wの外周面に接触する3個の支持突条22の支持面
24の合計接触面積は相当に縮小されている。したがっ
て、回転主軸が棒材を掴持したまま軸方向へ移動する構
成を有した自動旋削機械でガイドブッシュ10を使用す
る場合、ガイドブッシュ10に支持された棒材Wを棒材
支持部14に沿って軸方向へ送る間に、棒材Wの長手方
向への外径寸法のばらつきや曲がりに起因して、各支持
突条22の支持面24が棒材外周面に密着係合すること
があったとしても、そのときに各支持面24から棒材W
が受ける摩擦抵抗の合計値は、従来のガイドブッシュに
おける円筒状の支持内周面から受ける摩擦抵抗に比較し
て、著しく軽減されることになる。その結果、前述した
予調節時に、各支持面24と棒材外周面との間の隙間を
可及的に削減することができ、また棒材Wの外径寸法の
ばらつきや曲がりが大きいときには各支持面24が画成
する仮想円筒面の径を最適化することができる。
【0018】なお、ガイドブッシュ10の棒材支持部1
4に設けた支持突条22は、棒材Wを確実に心出し支持
するために、少なくとも3個形成すればよい。つまり、
各縦割り部分14aに1個以上の支持突条22を設ける
こともできる。しかし、合計4個以上の支持突条22を
設ける場合は、棒材Wを軸方向へ送る際に支持面24と
棒材Wの外周面との間に生じる摩擦抵抗があまり大きく
ならないこと、つまり前述した従来技術における問題と
同様の問題が生じないことに留意して、個数を選定する
ことが望ましい。支持突条22の支持面24の寸法や形
状も、同様の観点で選定される。さらに、支持突条22
の支持面24の寸法を最小限にすること、すなわち突条
ではなく突起の頂点で棒材を支持するようにすることも
できる。
【0019】図4は、上記したガイドブッシュ10を組
込んで備えたNC旋盤等の自動旋削機械の、機体26及
び回転主軸28の各一部分を示す。ガイドブッシュ10
は、スリーブ部材30、軸受装置32及びフランジ部材
34を介して、自動旋削機械に設定された工具36によ
る加工作業位置の近傍で機体26に回転可能に設置され
る。ガイドブッシュ10は、スリーブ部材30の前端
(図で左端)領域に軸方向へ摺動可能にかつ回転不能に
収納される。スリーブ部材30の内周面前端には、ガイ
ドブッシュ10の棒材支持部14の外周面に設けたテー
パ面20に接触可能な対応テーパ面38が形成される。
スリーブ部材30の後端(図で右端)領域には、ガイド
ブッシュ10に螺合するねじ部を有した調節ナット40
が、軸方向へ固定して回転可能に収納される。それによ
り、調節ナット40が回転すると、ガイドブッシュ10
がスリーブ部材30内で軸方向へ移動する。
【0020】スリーブ部材30の外周面の後端領域に
は、キー42を介して被動歯車44が取付けられる。被
動歯車44は、図示しない動力伝達機構を介して図示し
ないガイドブッシュ駆動源に連結され、ガイドブッシュ
駆動源により、回転主軸28の回転速度と同一の回転速
度で回転駆動される。その結果、被動歯車44、調節ナ
ット40、スリーブ部材30及びガイドブッシュ10
が、フランジ部材34の内部で、回転主軸28の回転速
度と同一の回転速度で一体的に回転する。フランジ部材
34は、例えばボルト46により機体26に固定され
る。このように、ガイドブッシュ10、スリーブ部材3
0、フランジ部材34、調節ナット40及び被動歯車4
4は、予め組立てたガイドブッシュ装置として、自動旋
削機械の機体26の所定位置に取付けられる。
【0021】回転主軸28は、旋削加工すべき棒材Wを
掴持して、図示しない主軸駆動源により回転駆動され
る。回転主軸28は中空筒状の構造を有し、その前端領
域に、棒材Wを掴持可能な開閉式のチャック48が収容
される。チャック48は、先端にすり割り部を有したい
わゆるコレットチャックであり、すり割り部に径方向内
方への外力が加わることにより、先端の棒材掴持孔50
が縮径してチャック48が閉じ、棒材Wを固定的に掴持
するようになっている。すり割り部への径方向外力が解
除されると、すり割り部が復元して棒材掴持孔50が拡
径し、チャック48が開いて棒材Wを解放する。チャッ
ク48のすり割り部外周には、径方向内方への外力を受
けるためのテーパ面52が設けられる。
【0022】回転主軸28にはさらに、中空筒状の押圧
部材54が軸方向へ移動可能に収容される。押圧部材5
4はその前端領域にチャック48を収容し、チャック4
8の外周に設けたテーパ面52に当接可能な対応テーパ
面56を前端に備える。図示しないチャック駆動源によ
り、押圧部材54を軸方向前方(図で左方)へ移動する
ことによって、対応テーパ面56がチャック48のテー
パ面52に当接され、テーパ面52を介してチャック4
8のすり割り部に径方向内方への押圧力が加わり、チャ
ック48が閉じられる。その状態から、押圧部材54を
軸方向後方(図で右方)へ移動すれば、対応テーパ面5
6がチャック48のテーパ面52から脱離して、チャッ
ク48が開かれる。
【0023】上記構成を有する自動旋削機械において、
ガイドブッシュ10を有効に機能させるための予調節の
手順を以下に説明する。まず上記したガイドブッシュ装
置の、旋削加工対象の棒材Wの外径に相当する名目径寸
法(つまり3個の支持突条22の支持面24が画成する
仮想円筒面の名目径寸法)を有したガイドブッシュ10
を、棒材支持部14に径方向内方への外力が加わらない
初期状態に置き、旋削加工対象の棒材Wを棒材支持部1
4に挿入する。その状態から、調節ナット40を回して
ガイドブッシュ10を軸方向へ移動し、棒材支持部14
の外周面のテーパ面20をスリーブ部材30の対応テー
パ面38に当接する。それにより、ガイドブッシュ10
の3個の支持突条22の支持面24を棒材Wの外周面に
一様に接触させる。ここでガイドブッシュ10によれ
ば、上記したように棒材支持部14と棒材Wとの相互接
触面が3個の支持面24のみによって構成され、棒材送
り時に相互接触面間に生じる摩擦抵抗が著しく小さくな
っているので、3個の支持突条22の支持面24と棒材
外周面との間の隙間を可及的に削減すべく調節できるだ
けでなく、支持面24が棒材Wの外周面に対して積極的
にしまりばめの状態を呈するまで縮径、調節することが
できる。
【0024】このようにして、ガイドブッシュ10の、
3個の支持突条22の支持面24が画成する円筒面の径
寸法を調節した後、ガイドブッシュ装置を自動旋削機械
の機体26に取付け、棒材Wを、製品に対応する所定の
加工長さだけチャック48から突出させた状態で回転主
軸28に掴持して、回転主軸28の軸方向移動により棒
材Wをガイドブッシュ10の棒材支持部14に後方(図
で右方)から挿入する。次いで、ガイドブッシュ10に
より棒材Wの被加工部位近傍を支持しつつ、工具36に
より旋削加工を実施する。
【0025】ガイドブッシュ10によれば、旋削加工の
進行に伴い、工具36に対し棒材Wを軸方向へ送る間
に、例えば棒材Wが外径寸法精度の低い引抜き材である
場合等、棒材Wの長手方向への外径寸法のばらつきや曲
がりに起因して、しまりばめ状態に調節された各支持突
条22の支持面24が棒材外周面に食い込むことがあっ
たとしても、そのときに各支持面24から棒材Wが受け
る摩擦抵抗は、従来のガイドブッシュにおける円筒状の
支持内周面に比較して、著しく軽減されることになる。
したがって、回転主軸28のチャック48と棒材Wとの
間の滑りの発生が防止され、棒材Wが設定値通りに正確
に送られるようになるので、棒材の送り工程が安定し、
加工成形された製品の長さ寸法の誤差及びばらつきが可
及的に低減される。当然ながら、過大な摩擦抵抗により
棒材の送りが不能になり、旋削加工を継続できなくなる
ような不具合は、ガイドブッシュ10では回避される。
【0026】また、ガイドブッシュ10と棒材Wとの間
の摩擦抵抗が軽減されたことにより、回転主軸28のチ
ャック48の掴持力を通常の範囲に設定することができ
る。したがって、ガイドブッシュ10及びチャック48
の各構成部品の損耗、劣化を遅らせることができ、構成
部品のメンテナンスや交換のサイクルを延長することが
できる。
【0027】しかも、棒材支持部14の3個の支持突条
22の支持面24の内径を棒材Wの外径に対してしまり
ばめ状態に調節することにより、棒材Wが支持面24の
内径寸法よりも小径の部分を有していた場合にも、その
小径部分に各支持面24が確実に接触して棒材Wを安定
的に支持することができる。したがってこのようなしま
りばめ状態の調節は、加工成形された製品の外径寸法精
度(寸法値、寸法公差、真円度、円筒度を含む)を著し
く向上させる効果を奏する。
【0028】さらにガイドブッシュ10では、上記した
しまりばめ状態の調節が可能になったことにより、外径
寸法のばらつきや曲がりが一様でない1本又は複数の引
抜き材に対し、しめしろの変動をかなりの範囲で許容で
きる。その結果、従来、円筒状の支持内周面と棒材外周
面との密着度合いが変動する度に行っていた内径調節の
回数を、ガイドブッシュ10では著しく削減することが
でき、ガイドブッシュ10の内径調節時間を効果的に短
縮することができる。
【0029】以上、本発明の好適な実施形態を説明した
が、本発明はそれに限定されるものではなく、例えば以
下のような変形が可能である。図5(a)に示すよう
に、ガイドブッシュ10の支持突条22を、棒材支持部
14の材料とは異なる超硬材料から作製することができ
る。この場合、棒材支持部14の各縦割り部分14aの
小径内周面12aに軸方向へ延びる矩形溝58を刻設
し、この矩形溝58に、超硬材料から別体成形された角
柱状の支持部材60を嵌入、固定することにより、支持
面24を有した支持突条22が形成される。なお支持面
24は、支持部材60を矩形溝58に固定した後に、研
磨工程により形成できる。このような構成により、支持
突条22の機械的剛性を向上させることができる。もち
ろん、棒材支持部14の小径内周面12aを有する部分
全体を、支持突条22と同一の超硬材料や焼入れ材から
作製することもできる。
【0030】図5(b)は、図5(a)に示した超硬材
料からなる支持突条22の支持面24を含む表面を、D
LC(ダイアモンドライクカーボン)被膜62で覆った
ものである。DLC被膜62は、主に炭素と水素とから
構成される非晶質のカーボン硬質膜であり、ダイアモン
ドに極めて近い結晶構造及び特性を有する。このような
構成によれば、棒材送り時の各支持突条22の支持面2
4と棒材外周面との間の摩擦抵抗をさらに軽減すること
ができる。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、自動旋削機械に設置される回転型ガイドブッ
シュにおいて、外径寸法精度の低い引抜き材を棒材とし
て使用する場合にも、棒材送り時にガイドブッシュの支
持内周面と棒材外周面との間に生じる摩擦抵抗を軽減
し、また支持内周面と棒材外周面との間に生じ得る不要
な隙間を排除して、製品を高精度に加工成形することが
できるとともに、ガイドブッシュやチャックの構成部品
の損耗、劣化を抑制すること、さらにはガイドブッシュ
の内径寸法の調節時間を短縮することができる回転型ガ
イドブッシュが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による回転型ガイドブッシュ
の、図2の線I−Iに沿った縦断面図である。
【図2】図1の回転型ガイドブッシュを、図1の矢印II
から見た端面図で示す。
【図3】図1の回転型ガイドブッシュにおける支持突条
の拡大部分端面図である。
【図4】図1の回転型ガイドブッシュを組込んだ自動旋
削機械の部分縦断面図で、旋削加工対象の棒材をガイド
ブッシュに挿入した状態を示す。
【図5】支持突条の変形例を示す図3に対応した拡大部
分端面図で、(a)超硬材料を用いたもの、及び(b)
DLC被膜を有したもの、を示す。
【符号の説明】
10…ガイドブッシュ 12…内周面 14…棒材支持部 16…スリット 20…テーパ面 22…支持突条 24…支持面 26…機体 28…回転主軸 30…スリーブ部材 32…軸受装置 34…フランジ部材 36…工具 40…調節ナット 48…チャック

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工作業位置近傍で旋削機械の機体に回
    転可能に設置され、回転主軸に掴持された棒材を支持し
    て該棒材と共に回転する回転型ガイドブッシュにおい
    て、 棒材を包囲する筒状の内周面と、 前記内周面の少なくとも3箇所で、該内周面から突出し
    た状態に軸方向へ延設される少なくとも3個の支持突条
    とを具備し、 前記少なくとも3個の支持突条の各々は、棒材の外周面
    に接触して棒材を支持する支持面を突出方向先端に備え
    ること、を特徴とする回転型ガイドブッシュ。
  2. 【請求項2】 前記支持突条が超硬材料から形成される
    請求項1に記載の回転型ガイドブッシュ。
  3. 【請求項3】 前記支持突条の前記支持面に、ダイアモ
    ンドライクカーボン被膜が被着される請求項1又は2に
    記載の回転型ガイドブッシュ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回
    転型ガイドブッシュを備えた自動旋削機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20190083204A (ko) * 2018-01-03 2019-07-11 주식회사 우진아이디 모따기 캡

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