JPH11234178A - 通信線路 - Google Patents

通信線路

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JPH11234178A
JPH11234178A JP10028833A JP2883398A JPH11234178A JP H11234178 A JPH11234178 A JP H11234178A JP 10028833 A JP10028833 A JP 10028833A JP 2883398 A JP2883398 A JP 2883398A JP H11234178 A JPH11234178 A JP H11234178A
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wires
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JP10028833A
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Sunao Yamada
直 山田
Yoshiharu Unami
義春 宇波
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B11/00Communication cables or conductors
    • H01B11/02Cables with twisted pairs or quads
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B3/00Line transmission systems

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Dc Digital Transmission (AREA)
  • Communication Cables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 対撚り線において、対になる線材間の伝搬時
間の違いを低減する通信線材を提供すること。 【解決手段】 対になる線材を、その線路の中間地点あ
るいは複数箇所において、切断して入れ替え、その正接
続部分と逆接続部分との長さが等しくなるようにして対
撚り線材を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一つあるいは複数
の通信線材からなる通信線路の各線材ごとに、あるいは
各線材間で、その線路の途中において、各々の極性ある
いは通信線材を入れ替えてなる通信線路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、信号の通信において2本の信号線
を使用する場合に、相互に干渉し合いノイズが発生した
り、クロストークが発生したりするのを防止するため
に、この2本の導体を撚り合わせて、対撚り線を作るこ
とが一般的に行われてきた。このような対撚り線を用い
て、2本の差動信号を伝搬させる場合には、その性質
上、遅延により発生する、上記の2本の差動信号間の相
対的な位相のずれが問題となる。
【0003】ここで、その対撚り線の各線材の被覆とし
て用いられている絶縁体は、各種の色素や顔料が混入さ
れているため、厳密には物理的特性が異なり、発泡度の
相違や撚りに伴う変形により、各線材ごとにその絶縁体
の誘電率に差が生じ、その結果として線材を流れる信号
の伝搬速度に違いが生まれる。この線材間の伝搬遅延時
間の差をディファレンシャルスキューと呼ぶ。
【0004】対撚り線の製造工程において、2本の線材
を撚り合わせる際に、これら2本の線材に対して加わる
張力の間にわずかながら差が生じる場合がある。このよ
うな場合に、張力が強く加わった線材の方は、短く撚ら
れ、逆に張力が弱く加わった線材の方は、長く撚られる
ことになり、結果としてこの2本の長さの間に差が生じ
ることとなる。
【0005】また、上記の対撚り線を複数組用いて、2
種以上の独立した信号を伝搬させる並列通信を行う場合
の一例として、現在LAN関連でよく用いられるUTP
(Un-shielded Twisted Pair)ケーブル(具体的には、
4対の対撚り線材)を使用して4種の信号を並列伝搬さ
せる例がある。これらの対撚り線材は、対ごとのクロス
トークを低減するために、あえて撚りのピッチを変える
ことが一般的である。このため、前記の絶縁体による差
や張力による差に加えて4対のそれぞれの線材の長さが
異なり、UTPケーブルの入力端から出力端までの4種
の信号の伝搬遅延時間に差が生じることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の対撚り線
の例では、差動伝送と並列通信のそれぞれの場合で以下
の様な課題がある。 (1)差動伝送 上記の製造上発生するディファレンシャルスキューは、
その発生原因からして、線路の長さ方向に個々の製造装
置等に特有のほぼ一定の割合を持って蓄積される。この
ディファレンシャルスキューが信号波形の歪をもたらす
が、その作用は大きく分けて以下に示すイ,ロの2つに
分けて考えられる。
【0007】イ)出力端での位相ずれによる影響 図2において、信号が差動アンプ22により差動信号A
とBとに分割され、差動信号AとBとを互いに絶縁され
ている導体20および21を通して伝送をし、出力信号
CとDとを得て差動アンプ23により1つの信号により
合体されている。ここで、差動信号AまたはBは、導体
20または21と、導体が収容されているケーブルの絶
縁体もしくは大地との間で構成される回線により伝送さ
れる。この場合、入力信号Aの通る導体20は、入力信
号Bの通る導体21にくらべて伝搬遅延が多い。その結
果、出力信号Cは、出力信号Dに比較して、位相が遅れ
てしまう。位相のずれが元々の信号の1ビット時間より
大きくなってしまうと、受信回路ではこれを正しく複合
することは困難になり、ビット誤りが生じる原因とな
る。ここで図2の線材21の中間のパルス状の表現は、
線材20と21とが対撚り線を構成していることを表し
ている。
【0008】ロ)電磁誘導による波形の歪み 図3において、差動アンプ32を経た入力信号EとFと
を導体30,31を通して伝送をし、出力信号GとHと
を得、これに差動アンプ33を通している。ここで入力
信号Eの通る導体30は、入力信号Fの通る導体31に
比べて伝搬遅延が多い。ディファレンシャルスキューの
存在が信号に与えるもう一つの影響としては、導体を伝
搬中の差動波形の位相がずれることにより、互いの電磁
誘導の結果、図3に示すように、位相が先行している信
号は振幅が減少し、位相が遅れている信号は振幅が相対
的に増加する現象が発生する。しかも、位相のずれが続
けば、この波形の崩れが増大していき、線路の途中から
位相が逆転すれば波形の崩れが減少していく。従って、
ディファレンシャルスキューによって、線路の中間で差
動波形の位相が進んでいる部分の長さと遅れている部分
の長さとが不均衡である場合に、この波形の崩れが線路
の終端までに相殺されずに、差動電圧の対称性が失われ
て不均衡な波形になってしまう。この波形の崩れは信号
の振幅の減少だけでなくジッタ等も増加させる。
【0009】このような信号波形の劣化のため、受信回
路で正しく信号を認識することが困難となり、結果とし
てビット誤りが生じる原因となったり、通信の高速化や
長距離化が困難となる。対撚り線の伝搬遅延時間の差に
対する要求の具体例として一例を挙げると、IEEE
P802.3zで審議されている1000Base−C
Xでは伝搬遅延時間の差が150ps以下と規定されて
おり、これは一般的な対撚り線の場合では、その長さの
差がおよそ4cmしか許容されないこととなる。このよ
うな精度は、実際的には実現が非常に困難である。
【0010】(2)並列通信 対撚り線を用いて並列に信号を伝送する場合を考えてみ
る。元のデータを2対の対撚り線で並列に伝送する場合
の例を図4を用いて説明する。この図4では、シリアル
信号Iをシリアル/パラレル変換器42を通して2本の
パラレル信号J、Kに分けた後、それぞれ送信回路4
3,44を経て、それぞれ1対ずつの対撚り線40,4
1に乗せて伝送し、目的地点に到着した後、こ受信回路
45,46を経て、この2本のパラレル信号L,Mをパ
ラレル/シリアル変換器47によって合成して1本のシ
リアル信号Nに戻す。このような場合、2ビット分の信
号を同時に伝送することができるので、1対の対撚り線
のみを用いる場合と比較して、単位時間あたり2倍のデ
ータ量の信号を送ることができる。
【0011】しかし、各対撚り線間に伝搬遅延時間の差
があると、出力端ではデータの順番が変わってしまい、
正しく信号を複合することが困難となってしまう。ここ
では対撚り線40の伝搬時間は対撚り線41の伝搬時間
よりも多い。従って、対撚り線40を通った信号は、出
力された時点で、対撚り線41を通った信号よりも遅延
している。このため、従来では並列伝送を行うには、対
撚り線間の伝搬遅延時間の差が問題とならない程度にま
で、伝送のビットレートを落としたり、伝送距離を短く
するなどで対応する必要があった。
【0012】ここで並列通信の場合の通信線材として、
対撚り線以外の平衡ケーブルはもちろんのこと、同軸ケ
ーブル等の非平衡ケーブルや、さらには光ファイバケー
ブルも使用されている。これらについても同様に通信線
材間で伝搬遅延時間の差が問題になっている。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、線材間の伝搬遅延時間の差が低減されることに
より、差動信号の通信ならびに並列伝送における長距離
化や広帯域化が可能となり、かつ、受信回路が簡単な構
成にできる、製作の容易な通信線材を提供することを目
的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
少なくとも1対の互いに絶縁された導体からなる通信線
材から構成された通信線路において、その線路の中途
に、上記通信線路の少なくとも1対の各々の極性を入れ
替えて接続して、正接続部と逆接続部とを形成する接続
点を備えてなる通信線路。請求項2記載の発明は、2個
以上の通信線材から構成された通信線路において、その
線路の中途に少なくとも1個の通信線材を他の通信線材
に入れ替えて接続して、正接続部と逆接続部とを形成す
る接続点を備えてなる通信線路。請求項3記載の発明
は、請求項1もしくは2に記載の通信線路において、上
記の接続点は、上記線路を長さ方向にほぼ2等分する位
置にあることを特徴としている。請求項4記載の発明
は、請求項1もしくは2に記載の通信線材において、接
続点は、上記の線路の複数位置に、上記正接続部の長さ
の和と上記逆接続部の長さの和とがほぼ等しくなるよう
に設けられることを特徴としている。請求項5記載の発
明は、少なくとも1対の互いに絶縁された導体からなる
通信線材から構成された通信線路において、その線路の
中途の1箇所以上で、上記通信線路の少なくとも1対の
各々の極性を入れ替えて接続して、線路の長さ方向にそ
れぞれ1区間以上の正位相部と逆位相部とに分割される
ように、また、上記正位相部の長さの和と上記逆位相部
の長さの和とが等しくなるように形成される接続点を備
えてなる通信線路。請求項6記載の発明は、請求項5に
記載の通信線路において、上記の接続点は、上記の線路
の複数位置に、上記正接続部の長さの和と上記逆接続部
の長さの和とがほぼ等しくなるように設けられることを
特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図1を参照しつつ、本発明
の差動伝送の一実施形態を説明する。図1(a)は、通
常の対撚り線による通信線材、図1(b)は、本発明の
一実施形態による対撚り線による通信線材の模式図であ
る。2芯の対になる線材を、ともにaとbとで表してい
る。図1(a)において、撚られた結果、線材bは線材
aよりも線路長が長いものとする。また、線材a,bに
は、それぞれ差動信号Tx+、Tx−が伝送されている
ものとする。Tx+またはTx−は、線材aまたはb
と、線材が収容されているケーブルの絶縁体との間、も
しくは大地との間で生まれる電圧で表される。
【0016】ここで、図1(b)では、線路の中間の接
続点X1において、2本の線材を切断して入れ替え、正
接続部と逆接続部とを形成している。ここで正接続部と
は、線材aおよびbにそれぞれ差動信号Tx+、Tx−
が伝送されている部分のことであり、逆接続部とは、正
接続部とは逆に線材a,bにそれぞれ差動信号Tx−,
Tx+が伝送されている部分のことである。この入れ替
えを行う前には線材bは線材aよりも線路長が長く、従
って信号Tx−は、信号Tx+よりも長い距離を流れ
た。しかし、入れ替えの結果、線路の始点から接続点X
1までの短い線材aの前半は、接続点X1から線路の終点
までの長い線材bの後半と接続され、同様に線材bの前
半は接続点X1以降、線材aの後半と接続される。
【0017】この対撚り線に対し、入力端で線材aにT
x+、線材bにTx−の信号をそれぞれ入力すると、こ
の信号はどちらも線材aと線材bとを1/2ずつ等距離
だけ伝搬することになる。つまり、線材aを流れた信号
Tx+が、接続点X1から線路の終点までは、線材bを
流れる。また、線路の始点から接続点X1までは、線材
bを流れた信号Tx−が、接続点X1から線路の終点ま
では、線材aを流れる。これによって、線材aと線材b
との線路長の違いは相殺されて、本来2本の線材a,b
において、製造時に生じた長さの差や、伝搬速度の差が
あっても、出力端における信号Tx+とTx−の伝搬時
間は一致し、結果として出力端で観測される波形は、位
相差の無い波形が観測される。
【0018】さらに、2芯の対撚り線による通信線材に
対応したディファレンシャルスキューの蓄積状態を説明
する。ここで図1(a)の従来の対撚り線を使用した場
合には、図1(e)に示すように、ディファレンシャル
スキューは線材の長さに比例して増加していく。すなわ
ち信号Tx+の方が信号Tx−よりも位相が進み、その
程度が増大していく。
【0019】これに対して、図1(b)に示した本発明
の一実施形態による対撚り線を用いた場合には、図1
(f)に示すように線路の始点から、線材の長さに比例
してある一定の割合で増加していくが、線材aとbとを
入れ替えた接続点Xから線路の終点までは線材の長さに
比例して、上記の割合と同じ割合で減少していく。従っ
て、ディファレンシャルスキューは正方向と負方向に同
じだけ増加と減少をして、結果的に終点においては相殺
される。
【0020】次に、図1(c)に示したのは、本発明の
他実施形態による対撚り線の線材であり、線路の1/4
の点Y1と3/4の点Z1の2点に接続点を設け、2本の
線材を2回入れ替えている。この場合のディファレンシ
ャルスキューの蓄積状態を示したのが図1(g)であ
る。この図1(g)では、ディファレンシャルスキュー
は最初の1/4の接続点Y1までは線形に増加してい
き、そこから3/4の次の接続点Z1までは、同じ勾配
で線路の1/2の長さ分だけ減少し、最後に終点まで線
路の1/4の長さ分だけ増加して、最終的にディファレ
ンシャルスキューは相殺される。さらに、ディファレン
シャルスキューが+(信号Tx+の方がTx−よりも位
相が進んでいる場合)の部分の線路の長さと、ディファ
レンシャルスキューが−(信号Tx+の方がTx−より
も位相が遅れている場合)の部分の線路の長さとがほぼ
等しくなっており、電磁誘導による波形の歪が線路の終
端で相殺されて極小になり、従って、線路の終端におい
て、位相ずれが相殺されて、かつ電磁誘導による波形の
歪が極小となるので総合的な波形の歪が極小となること
が期待できる。
【0021】図1(d)に示したのは、本発明の他実施
形態である。この実施形態のディファレンシャルスキュ
ーの蓄積状態を示したのが図1(h)である。ここでは
実際の線路長に比例した長さにおいてプロットされてい
る。具体的には、ディファレンシャルスキュー(線材間
の位相のずれ)は個々の線路でほぼ一定で、線路長にほ
ぼ比例して増大するので、この単位長さ当たりの大きさ
を適当な値cとする。図1(h)において、横軸(x
軸)の左端0(線路の始端)より、傾きcの直線を引
く。線路の対撚り線を入れ替える予定の接続点をα,
β,γ,…とする。x軸上のx座標がαに達した所で、
線材が入れ替わるので、ディファレンシャルスキューの
単位長さ当たりの大きさは−cとなるので、直線の傾き
を−cとして直線を引く。これをx座標がβ,γ,…と
順次繰り返し、最終的にx軸の右端1(線路の終端)に
達するまで続ける。ここで、図1(d)は接続点がα,
β,γの3箇所の場合を示してある。
【0022】この結果、線路全体がそれぞれ1区間以上
のディファレンシャルスキューが+側にある線路部分
(正位相部)と、−側にある線路部分(逆位相部)に分
割される。この時、正位相部の合計と逆位相部の合計と
がほぼ等しくなるように、線材を入れ替える接続点の位
置をずらしたり増減する。この方法によれば、上記の点
α,β,γ,…は、例えばx軸上の1/4または3/4
の点の1箇所だけでもよい。
【0023】以上の方法により、位相が進んでいる線路
の部分の長さの和と、位相が遅れている部分の長さの和
とが、ほぼ等しくなるので電磁誘導による波形の歪が極
小となることが期待できる。ここで、接続点α,β,
γ,…により、線路全体が前述の正接続部の区間と、逆
接続部の区間とに分割される。そこで以上の方法に代え
て、この正接続部の長さの和と逆接続部の長さの和とが
ほぼ等しくなるように接続点の数と位置を調整すること
により、線路の終端において、電磁誘導による波形の歪
が極小になり、かつ位相ずれも相殺されるので総合的な
波形の歪が極小になることが期待できる。この方法によ
れば上記の点α,β,γ,…は、x軸上の1/4と3/
4の点の2箇所でもよいし、1/8,3/8,5/8,
7/8の計4箇所でもよく、また上記に4/8の点を加
えて計5箇所でもよい。
【0024】また、図1を参照しつつ、本発明の並列通
信の一実施形態を説明する。図1(i)は、通常の通信
線材、図1(j)は、本発明の一実施形態による模式図
である。2芯の対になる線材を、ともにAとBとで表し
ている。図1(i)において、線材Bは線材Aよりも線
路長が長いものとする。また、線材A,Bには、それぞ
れ差動信号Ta、Tbが伝送されているものとする。
【0025】ここで、図1(h)では、線路の中間の接
続点X2において、2本の線材を切断して入れ替え、正
接続部と逆接続部とを形成している。ここで正接続部と
は、線材AおよびBにそれぞれ差動信号Ta、Tbが伝
送されている部分のことであり、逆接続部とは、正接続
部とは逆に線材A,Bにそれぞれ差動信号Tb,Taが
伝送されている部分のことである。この入れ替えを行う
前には線材Bは線材Aよりも線路長が長く、従って信号
Tbは、信号Taよりも長い距離を流れた。しかし、入
れ替えの結果、線路の始点から接続点X2までの短い線
材Aの前半は、接続点X2から線路の終点までの長い線
材Bの後半と結合され、同様に線材Bの前半は接続点X
2以降、線材Aの後半と結合される。
【0026】これらの線材に対し、入力端で線材AにT
a、線材BにTbの信号をそれぞれ入力すると、この信
号はどちらも線材Aと線材Bとを1/2ずつ等距離だけ
伝搬することになる。つまり、線材Aを流れた信号Ta
が、接続点X2から線路の終点までは、線材Bを流れ
る。また、線路の始点から接続点X2までは、線材Bを
流れた信号Tbが、接続点X2から線路の終点までは、
線材Aを流れる。これによって、線材Aと線材Bとの線
路長の違いは相殺されて、本来2本の線材A,Bにおい
て、製造時に生じた長さの差や、伝搬速度の差があって
も、出力端における信号TaとTbの伝搬時間は一致
し、結果として出力端で観測される波形は、位相差の無
い波形が観測される。
【0027】さらに、本実施形態に対応した伝搬遅延時
間差の蓄積状態を説明する。ここで図1(i)の従来の
場合には、図1(l)に示すように、伝搬遅延時間差は
線材の長さに比例して増加していく。
【0028】これに対して、図1(j)に示した本発明
の一実施形態による場合には、図1(m)に示すように
線路の始点から、線材AとBを入れ替えた接続点X2
は、線材の長さに比例して増加していくが、この接続点
から線路の終点までは線材の長さに反比例して減少して
いく。従って、伝搬遅延時間差は正方向と負方向に同じ
だけ増加と減少をして、結果的に終点においては相殺さ
れる。
【0029】次に、図1(j)に示したのは、本発明の
他実施形態による例であり、線路の1/4の点Y2と3
/4の点Z2の2点に接続点を設け、2本の線材を2回
入れ替えている。この場合の伝搬遅延時間差の蓄積状態
を示したのが図1(n)である。この図1(n)では、
伝搬遅延時間差は最初の1/4の接続点Y2までは線形
に増加していき、そこから3/4の次の接続点Z2まで
は、同じ勾配で線路の1/2の長さ分だけ減少し、最後
に終点まで線路の1/4の長さ分だけ増加して、最終的
に伝搬遅延時間差は相殺される。
【0030】総括すると、複数の信号を伝送する場合に
は、正接続と負接続の線路の長さの和を等しくするよう
に接続点を決定することによって、伝搬遅延時間差を最
小にすることが可能となる。
【0031】また、本発明の対象とする差動伝送の場合
の対を構成する通信線材としては、対撚り線に限定され
るものではなく、カッド撚り線等の他の平衡ケーブルに
対しても本発明を適用することが可能である。また、本
発明の並列通信の場合の通信線材としては、上記に加え
て同軸ケーブル等の非平衡ケーブルやさらには光ファイ
バケーブル等の他の通信線材に対しても本発明を適用す
ることが可能である。さらに、線材の複数箇所で入れ替
えを行う場合は、線材の長手方向に特性が均一でなくて
も、複数箇所で入れ替えを行うことにより特性が均一化
される効果が期待できる。また差動伝送の場合は、伝送
路の一方の信号が他方の信号に対して先行している線路
長の和と、遅れている線路長の和とが等しくなるように
複数の接続点を設けることにより、伝送路の前半と後半
とで先行している信号が入れ替わり、電磁誘導による波
形の崩れも相殺される。かつディファレンシャルスキュ
ーの最大値も元々の線材と比較し減少するため、出力端
での波形改善効果は大きく、かつ均衡の保たれた差動信
号が伝送できる。
【0032】さらに、図示しない他の実施形態として、
対になる線材を線路の偶数箇所において入れ替えて、結
果として正接続と逆接続との長さが等しくなるように線
路を構成するものがある。この場合には、上述の効果に
加えて、対になる2本の線材を色分けしている場合に、
入力端と出力端とで同じ色の線材となるので、極性の合
わせが確実になるという利点がある。なお、線路の中間
に、以上の線材を入れ替える接続点以外に、線材を入れ
替えない接続点を設けてもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による通
信線材によれば、下記の効果を得ることができる。 1.対を構成する線材において、2本の線材の伝搬時間
の差を小さくすることにより、伝送可能距離の長距離化
や信号の広帯域化が可能となる。 2.構成が簡単であるので、通信線材の製作が容易であ
る。 3.上記の第2番の効果と相まって、本通信線材を使用
した通信システムにおいて、送信回路および受信回路に
複雑な回路構成を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による一実施形態および他実施形態に
よる通信線材の模式図およびそれぞれの伝搬遅延時間差
の蓄積状態を示した図である。
【図2】 差動伝送における、入出力信号の位相ずれの
様子を示してある。
【図3】 差動伝送における、電磁誘導による入出力信
号の波形の歪みを示してある。
【図4】 並列通信における、入出力信号の様子を示し
てある。
【符号の説明】
20,21,30,31,40,41…対撚り線 A,B,E,F…入力信号 C,D,G,H…出力信号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1対の互いに絶縁された導体
    からなる通信線材から構成された通信線路において、 その線路の中途に、上記通信線路の少なくとも1対の各
    々の極性を入れ替えて接続して、正接続部と逆接続部と
    を形成する接続点を備えてなる通信線路。
  2. 【請求項2】 2個以上の通信線材から構成された通信
    線路において、その線路の中途に少なくとも1個の通信
    線材を他の通信線材に入れ替えて接続して、正接続部と
    逆接続部とを形成する接続点を備えてなる通信線路。
  3. 【請求項3】 上記の接続点は、上記線路を長さ方向に
    ほぼ2等分する位置にあることを特徴とする請求項1も
    しくは2に記載の通信線路。
  4. 【請求項4】 上記の接続点は、上記の線路の複数位置
    に、上記正接続部の長さの和と上記逆接続部の長さの和
    とがほぼ等しくなるように設けられることを特徴とする
    請求項1もしくは2に記載の通信線路。
  5. 【請求項5】 少なくとも1対の互いに絶縁された導体
    からなる通信線材から構成された通信線路において、 その線路の中途の1箇所以上で、上記通信線路の少なく
    とも1対の各々の極性を入れ替えて接続して、線路の長
    さ方向にそれぞれ1区間以上の正位相部と逆位相部とに
    分割されるように、また、上記正位相部の長さの和と上
    記逆位相部の長さの和とが等しくなるように形成される
    接続点を備えてなる通信線路。
  6. 【請求項6】 上記の接続点は、上記の線路の複数位置
    に、上記正接続部の長さの和と上記逆接続部の長さの和
    とがほぼ等しくなるように設けられることを特徴とする
    請求項5に記載の通信線路。
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