JPH11232389A - 入力ペンによるパターン認識システム及びそれを備えた筆記ボード認識セット - Google Patents

入力ペンによるパターン認識システム及びそれを備えた筆記ボード認識セット

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JPH11232389A
JPH11232389A JP2757798A JP2757798A JPH11232389A JP H11232389 A JPH11232389 A JP H11232389A JP 2757798 A JP2757798 A JP 2757798A JP 2757798 A JP2757798 A JP 2757798A JP H11232389 A JPH11232389 A JP H11232389A
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pattern
signal
input pen
liquid crystal
writing
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Akinobu Izuno
明信 伊豆野
Masaomi Tabata
雅臣 田畑
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Pilot Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力ペンからの文字認識処理が簡単で、処理
時間を短くかつ認識精度を向上できる入力ペンによるパ
ターン認識システムを提供する。 【解決手段】 使用者は、入力ペン1を手に把持して文
字、記号等を描くと、X,Y加速度センサ3,4が加速
度を検出して信号を出力する。また、圧力センサが筆圧
を感知して信号をパターン認識装置2に出力する。認識
処理部17は、パターン信号記憶部16に記憶されてい
るパターン信号と各センサからの信号を比較し、文字あ
るいは記号を特定する。そして、キャラクタコード変換
部18に特定した文字の信号を送り、キャラクタコード
に変換して、文字情報として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筆記動作をした入
力ペンからの信号に対してパターン認識を行う入力ペン
によるパターン認識システム及びそれを備えた筆記ボー
ド認識セットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータ等の入力手段とし
て、タブレット等の専用の座標入力ボードを必要としな
い入力ペンが用いられている。例えば、特開平2−14
8213号公報に開示されている手書き入力装置等が知
られているところである。そして、この手書き入力装置
は図8に示すように、入力ペン101は、X加速度セン
サ102とY加速度センサ103及びペンスイッチ10
4を内蔵し、X加速度センサ102がX方向(ペンの左
右方向)の加速度を検出し、Y加速度センサ103がY
方向(ペンの前後方向)の加速度を検出するように入力
ペン101のペン本体内に互いに直交する向きに配設さ
れている。また、装置本体110は、入力ぺン101内
のX加速度センサ102及びY加速度センサ103の検
出結果をケーブル106を介して入力して例えば所定の
時間間隔でアナログ/ディジタル変換するアナログ/デ
ィジタル変換器を内蔵するインターフェース111、入
力ペン101のペンスイッチ104のオン/オフ状態を
ケーブル106を介して入力するためのインターフェー
ス113、及び入力ペン101の筆跡を追跡する筆跡追
跡処理部114を有している。装置本体110には更に
筆跡追跡処理部114の筆跡追跡結果を記録するための
筆跡メモリ115を有している。
【0003】この手書き入力装置の動作を簡単に説明す
ると、筆記時には入力ペン101のペン先を紙或いはボ
ード等の筆記対象物に押圧し、ペンスイッチ104をオ
ンにし、この状態で入力ペン101を移動操作して所望
の文字を手書きする。筆記すると、X加速度センサ10
2及びY加速度センサ103が加速度を検出して、その
結果を所定時間間隔でディジタル値に変換して、筆跡追
跡処理部114に供給する。そして、この筆跡追跡処理
部114は、ペン先の時刻t時のX、Y位置をスイッチ
104が最初にオンされた時刻の位置を基準とする相対
位置として算出する。手書き入力が終了した場合、筆跡
メモリ115に筆跡が記録される。この筆跡を標準パタ
ーンと比較して文字認識することにより、ワードプロセ
ッサーやコンピュータ等に入力することも可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような入力ペンを
用いた文字認識システムでは、まず入力ペンのセンサ信
号から座標を決定し、それを演算処理装置等で位置座標
を算出して入力ペンの描く軌跡を求め、その軌跡から予
め登録されている文字等を認識していた。しかしなが
ら、これでは、入力ペンの座標計算と、あらかじめ登録
されている文字との比較計算において、膨大な計算量が
必要となり、処理時間がかかるという問題がある。ま
た、不特定多数の入力者の登録データの中で、実際に筆
記した入力者を検出し認識する場合、精度が低いものと
なるため、認識精度を上げることが難しいという問題が
あった。
【0005】また、入力ペン先に筆記機能を持たせて、
通常の筆記具と同様に紙に書き、使用者が筆跡を目で確
認しながら入力した方が操作性が良くなるが、例えば、
署名照合に用いる場合などのように、セキュリティの問
題から、書いたものを簡単に消去できるようにした方が
よい場合がある。その点、紙に書いた場合は、その紙を
裁断する等の処理をする必要があり、処理が煩雑で、資
源の無駄ともなっている。
【0006】本発明の目的は、入力ペンからの文字認識
処理が簡単で、処理時間を短くかつ認識精度を向上でき
る入力ペンによるパターン認識システムを提供すること
にある。また、本発明の目的は、入力ペンによって書い
た文字が確認できるとともに、その文字を簡単な操作で
消去可能としたパターン認識システムを備えた筆記セッ
トを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、入力
ペンとパターン認識装置を具備したことを特徴とする入
力ペンによるパターン認識システムである。入力ペン
は、筆記対象物の表面に筆記する際、少なくとも筆記面
内の直交する2方向の加速度を検出する加速度センサ
と、筆圧を検出する圧力センサとを有する。パターン認
識装置は、前記加速度センサ及び圧力センサからの信号
をパターン信号として登録する記憶手段と、前記加速度
センサ及び圧力センサからの信号と予め登録してある前
記パターン信号を比較して最も近似するパターン信号を
特定するパターン認識手段とを有する。ここで、筆記対
象物は、机、紙、筆記ボード等の入力ペンの筆記する対
象を意味する。入力ペンは、入力ペンの先端にボールペ
ンや鉛筆等の筆記部を備えて通常の筆記具として用いる
ことができるものでも良い。
【0008】請求項2の発明は請求項1記載の入力ペン
によるパターン認識システムであって、前記パターン認
識装置は、所定のパターンを認識した場合に、キャラク
ターコードに変換してコンピュータ文字入力をする手段
を備えることを特徴とする。
【0009】請求項3の発明は請求項1記載の入力ペン
によるパターン認識システムであって、前記パターン認
識装置は、所定のパターンを認識した場合に、その認識
回数をカウントする手段を備えることを特徴とする。
【0010】請求項4の発明は請求項1記載の入力ペン
によるパターン認識システムであって、前記記憶手段
は、署名文字のパターン信号を登録し、前記パターン認
識手段は、入力ペンからの信号に最も近似する署名文字
のパターン信号を特定できたか否かを示す信号を出力す
ることを特徴とする。
【0011】請求項5の発明は、筆記ボードと入力ペン
とパターン認識装置とを具備することを特徴とする筆記
ボード認識セットである。筆記ボードは、少なくとも導
電層と、液晶がポリマーマトリックス中に微分散された
液晶分散ポリマー層とを有している液晶シートを用いて
いる。入力ペンは、少なくとも筆記面内の直交する2方
向の加速度を検出する加速度センサと、筆圧を検出する
圧力センサと、且つ液晶シート上に電荷を印加する電荷
発生手段とを有する。パターン認識装置は、前記加速度
センサ及び圧力センサからの信号をパターン信号として
登録する記憶手段と、前記加速度センサ及び圧力センサ
からの信号と予め登録してある前記パターン信号を比較
して最も近似するパターン信号を特定するパターン認識
手段とを有する。
【0012】請求項6の発明は請求項5記載の筆記ボー
ド認識セットであって、前記液晶シートは、主として、
導電層と、透明高電気抵抗層と、液晶がポリマーマトリ
ックス中に微分散された液晶分散ポリマー層と、透明な
絶縁体層を順次積層してなることを特徴とする。
【0013】請求項7の発明は、筆記ボードと入力ペン
とパターン認識装置とを具備することを特徴とする筆記
ボード認識セットである。筆記ボードは、各セル内に磁
性粒子と、分散媒と、着色材と、所望により増稠剤とか
らなる分散液体を封入した多セル構造の磁気パネルを用
いる。入力ペンは、少なくとも筆記面内の直交する2方
向の加速度を検出する加速度センサと、筆圧を検出する
圧力センサと、且つ磁気パネル上に磁気力を印加する磁
気力発生手段とを有する。パターン認識装置は、前記加
速度センサ及び圧力センサからの信号をパターン信号と
して登録する記憶手段と、前記加速度センサ及び圧力セ
ンサからの信号と予め登録してある前記パターン信号を
比較して最も近似するパターン信号を特定するパターン
認識手段とを有する。
【0014】請求項8の発明は請求項5、6又は7記載
の筆記ボード認識セットであって、前記記憶手段は、署
名文字のパターン信号を登録し、前記パターン認識手段
は、入力ペンからの信号に最も近似する署名文字のパタ
ーン信号を特定できたか否かを示す信号を出力すること
を特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0016】図1は、本発明に係る入力ペンによるパタ
ーン認識システムを示すブロック図である。このパター
ン認識システムは、使用者が手書きを行う入力ペン1
と、この入力ペン1の信号から文字パターンを認識する
パターン認識装置2からなる。
【0017】入力ペン1の先端部には、ボールペンから
なる筆記部14が備えられており、通常の筆記具と変わ
らずに筆記が可能となっている。入力ペン1は、筆記面
のX軸方向の加速度を検出するX加速度センサ3と、筆
記面のY軸方向の加速度を検出するY加速度センサ4
と、筆圧を検出する圧力センサ5と、これらセンサから
の信号を増幅しノイズを除去するドライバ6とフィルタ
7と、これらセンサからの信号を多重化するマルチプレ
クサ8と、デジタル信号に変換するA/D変換器9と、
デジタル信号を一旦記憶するメモリ10と、パターン認
識装置2に出力するためのインターフェース回路11
と、タイミング発生回路12と、電源部13から構成さ
れる。加速度センサ3,4は、筆記対象物(例えば紙)
に対するX及びY方向の加速度検出できるように配置さ
れている。
【0018】パターン認識装置2は、入力ペン1からの
信号を受け取るインターフェース回路15と、あらかじ
め文字のパターン信号を記憶しているパターン信号記憶
部16と、インターフェース回路15からの筆記信号と
パターン信号記憶部16からのパターン信号とを比較し
て文字を特定する認識処理部17と、認識処理部17に
パターン認識あるいはパターン登録かの切換をする指示
入力部19と、特定した文字をキャラクターコードに変
換するキャラクタコード変換部18とから構成されてい
る。キャラクタコードに変換された信号は、図示してい
ないが、そのまま文字情報としてコンピュータに入力さ
れる。
【0019】このパターン認識システムの動作について
説明する。まず、使用者は、入力ペン1を手に把持して
文字、記号等を描くと、X,Y加速度センサ3,4が加
速度を検出して信号を出力する。また、圧力センサ5が
筆圧を感知して信号を出力する。この信号はそれぞれド
ライバ6で増幅され、フィルタ7で高周波ノイズを除去
する。そして、マルチプレクサ8が、タイミング発生回
路12のタイミング信号に合わせてX,Y加速度センサ
3,4及び圧力センサ5からの信号を時分割で多重変調
する。この信号がA/D変換器9でデジタル変換されて
メモリ10に記憶され、インタフェース回路11からケ
ーブルを介してパターン認識装置2に出力される。パタ
ーン認識装置2では、信号を一旦インタフェース回路1
5で受けて、認識処理部17に入力される。
【0020】ここで、パターン信号記憶部16にあらか
じめ各文字あるいは記号等を描く場合の各センサによる
信号パターンを記憶させておく。例えば、「あ」や
「〇」を描く場合、入力ペンの動き、筆圧からパターン
信号を抽出しておき、記憶しておく。これは、使用者が
入力ペン1により書いて登録しておいてもよいし、多数
の描いたデータから特定パターンの信号を登録しておい
てもよい。
【0021】認識処理部17は、パターン信号記憶部1
6に記憶されているパターン信号と各センサからの信号
を比較し、文字あるいは記号を特定する。そして、キャ
ラクタコード変換部18に特定した文字の信号を送り、
キャラクタコードに変換して、文字情報として出力す
る。
【0022】このように、本実施形態では、従来のよう
に入力ペンの位置座標を算出せずに、信号パターンを比
較することにより、最も近似する信号パターンを特定
し、文字あるいは記号等を認識するものである。従っ
て、従来のように、入力ペンの位置座標を算出する必要
がなく、処理時間を短縮でき、また処理自体を簡易化で
きるため、認識精度を向上させることも可能である。
【0023】なお、この認識システムでは、入力ペンの
3センサからの信号を多重化して、これを1つのパター
ン信号として、登録信号パターンと比較してもよい。入
力ペンは、先端部分に加えられる筆圧を圧力センサで検
出しているが、圧力センサを入力ペンの側面に配置し
て、入力ペンを握る圧力を検出してもよい。さらに、入
力ペンに小型のジャイロコンパスを装備して、ペン軸の
回転を検出し、パターン信号の1つとして、パターン認
識の精度を上げてもよい。
【0024】このパターン認識システムを利用して、イ
ンテリジェントカウンタを形成することも可能である。
インテリジェントカウンタとは、例えば、〇や×等の記
号数を自動的にカウントする機能を有する装置である。
図2に、このインテリジェントカウンタを示す。入力ペ
ン1は、図1と同じ構成であるので、説明を省略する。
パターン認識装置21は、図1と同様にインターフェー
ス回路15と、信号パターン記憶部16と認識処理部1
7を備え、さらに、カウンタ22と、メモリ23を備え
る。
【0025】このインテリジェントカウンタは、所定の
文字あるいは記号を指定すると、その文字あるいは記号
を認識した場合、カウンタ22にて、その認識回数をカ
ウントし、それをメモリ23に記憶する。この認識回数
は、必要に応じて読み出され、表示される。また、コン
ピュータ等に出力し所定の処理を行ってもよい。
【0026】次に、図1のパターン認識システムを備え
た筆記ボート認識セットの一例として、署名照合システ
ムを説明する。図3に、この署名照合システムの概略ブ
ロック図を示す。この署名照合システムは、入力ペン3
3と筆記ボードとしての液晶シート34と音声ガイダン
ス35とを備えた署名入力装置31、署名照合装置32
から構成される。
【0027】この入力ペン33は、基本構造は、図1に
示した入力ペンと同じ構造を有しているが、これに加え
て、液晶シート34に静電荷を印加するための電圧発生
装置を内蔵している。図4は本実施形態の署名入力装置
1に用いられる入力ペン33の内部構造を示す概略縦断
面図である。これには、図1に示したセンサや各電子部
品の配置は、図を簡略化するため、省いている。図4に
示される如く、入力ペン33は、筆記スイッチ36、電
源48及び液晶シート34に静電荷を印加するための電
圧発生装置49を内蔵している。入力ペン33の両端部
には、液晶シート34に静電荷を印加させることができ
る導電性材料からなる筆記部44が取り付けられてい
る。この筆記部44は、図4に示されるように、筆記ス
イッチ36を介して電圧発生装置49に電気的に接続さ
れている。尚、筆記スイッチ36を介さなくても筆圧を
検出する圧力センサの信号を利用し、筆圧を検出中に連
動して自動的に筆記部44と電圧発生装置49を電気的
に接続してもよい。また、入力ペン33の軸筒45は絶
縁性材料からなり、その軸筒45の外周には導電性材料
からなる外筒46が設けられている。なお、外筒46は
電圧発生装置49のマイナス出力側と電気的に接続され
ている。
【0028】前記液晶シート34は、主として、導電層
と、液晶がポリマーマトリックス中に分散された液晶分
散ポリマー層と、透明な表面保護層とを順次積層してな
るものである。例えば、図5に示すように、液晶シート
34は作製される。ポリエチレンテレフタレートフィル
ムからなる基材55上にアルミニウムを蒸着させ、この
アルミニウム層を導電層54とする。そして、導電層5
4上に、ポリマーマトリックス52中に液晶滴51が分
散された液晶分散ポリマー層53が形成される。最後
に、液晶分散ポリマー層53上に透明な表面保護層50
を積層する。これにより、液晶シート34が完成する。
【0029】なお、上記構成は一例を示したに過ぎず、
これに限定されるものではない。この液晶シートの導電
層とは、透明または不透明のどちらでも良く、表面抵抗
が107Ω/□以下を示す層であれば良い。実際には、
基材の表面をアルミニウム、チタン、クロム、スズ、ロ
ジウム、金、ステンレス、窒化チタン、ニッケル−クロ
ム、アルミニウム−クロム、又は酸化インジウムスズに
て導電化したものである。ここでいう基材とは、導電層
を保持するものであり、具体的には、紙、布、不織布、
あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ア
イオノマー、ポリイミド、ポリカーボネート等のプラス
チックフィルム等を挙げることできる。但し、導電層自
体が金属フィルムのような場合には、特に必要がない。
【0030】この液晶シートの液晶分散ポリマー層は、
液晶をポリマーマトリックス中に分散させたものであ
る。液晶をポリマーマトリックス中に分散させる方法と
しては高分子−液晶共通溶媒蒸発相分離法(共通溶媒キ
ャスティング法)、液晶−高分子前駆体混合体より高分
子前駆体を光もしくは熱により重合させる重合相分離
法、液晶と高分子を加熱溶融状態より冷却する溶融冷却
相分離法、液晶を水性樹脂中に乳化分散して塗工乾燥し
ポリマーマトリックス中に分散させる方法等があり、こ
れらを適宜用いることができる。
【0031】この液晶分散ポリマー層に使用できるポリ
マーとしては、液晶と相溶し難いポリマーならよく、具
体的には、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、アクリル樹脂などのビニル樹脂、塩化ビニリ
デン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、セルロース樹
脂、アイオノマー、ポリアミド、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンオキサイド、ポルスルフォン、フッ素樹
脂、けい素樹脂、スチレンーブタジエンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレン、ポリエステル、エポキシ樹脂な
どがあげられる。ここで、ポリビニルアセタール樹脂と
しては、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセ
タール、ポリビニルブチラール等が挙げられる。
【0032】また、液晶分散ポリマー層を構成するポリ
マーとしては、架橋構造を有するポリマー(以下、架橋
ポリマーという)が好ましい。架橋ポリマーを用いる
と、本発明の液晶シートを高温状態においても架橋ポリ
マーと液晶は全く相溶せず、安定した液晶微分散構造を
維持できる。そのため、経時変化に対しても性能劣化の
ない耐久性を有した液晶シートを得る事ができる。
【0033】架橋ポリマーとしては、例えば二重結合、
ニトリル、メルカプト、ヒドロキシ、カルボキシ、エポ
キシ、イソシアネート、アミノ等の官能基を有するポリ
マーに、官能基と反応する架橋剤を混入し反応して得ら
れた架橋ポリマー、又は上記の官能基を有するポリマー
に反応性ポリマーを混入し反応して得られた架橋ポリマ
ー等が挙げられる。
【0034】上記の反応に用いる架橋剤としては、ジイ
ソシアネート化合物、有機過酸化物、アミン化合物、ア
ジリジン化合物、エポキシ化合物、ジカルボン酸または
カルボン酸無水物、ホルムアルデヒド、ジアルデヒド、
ジオール、ビスフェノール、シラノール化合物、金属酸
化物、金属ハロゲン化物、光架橋剤(光重合開始剤)等
があり、反応性ポリマーとしては、フェノール樹脂、ア
ミノ樹脂、ポリイソシアネート、ポリオール、エポキシ
樹脂等がある。
【0035】好ましい架橋ポリマーとしては、ジもしく
はポリイソシアネートと、ポリビニルアセタール樹脂、
エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等のポ
リマーとを反応させて得られた架橋ポリマーを挙げるこ
とができる。より好ましい架橋ポリマーは、ジもしくは
ポリイソシアネートと、ポリビニルアセタール樹脂とを
反応させて得られた架橋ポリマーである。ここで、ポリ
ビニルアセタール樹脂とは、ポリビニルホルマール、ポ
リビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラール等で
ある。
【0036】液晶分散ポリマー層に使用する液晶は、誘
電異方性が正のネマチック液晶が好ましく、液晶相とし
ては実用上から−10℃〜100℃の温度範囲を有し、
しかも記録画像を鮮明に表示させるために複屈折率Δn
が0.2以上のものが好ましい。
【0037】液晶シートの液晶分散ポリマー層の体積抵
抗率は、液晶シート上に描かれた署名の筆跡の自然消失
性を鑑みれば、気温20℃で相対湿度が90%時におい
て1013Ω・cm以上、1016Ω・cm未満であるのが
望ましい。これにより、液晶シート上に座標指示器を用
いて静電荷を印加すると、筆跡部分の液晶分散ポリマー
層の液晶が電界により配向し、筆跡を認識することがで
きると共に、筆跡部分に印加された静電荷は時間と共に
液晶分散ポリマー層の上下で移動、中和し、所定時間後
に、筆跡は自然消失する。したがって、セキュリティー
上の問題は解消される。
【0038】本発明の署名入力装置および署名照合シス
テムにおいて、前記液晶シートが、主として、導電層
と、液晶がポリマーマトリックス中に分散された液晶分
散ポリマー層と、透明な表面保護層とを順次積層したも
のである場合は、前記液晶分散ポリマー層の体積抵抗率
は、気温20℃で相対湿度90%時において1013Ω・
cm以上、1016Ω・cm未満であり、且つ前記表面保
護層の体積抵抗率は、気温20℃で相対湿度が90%時
において109Ω・cm以上、1016Ω・cm未満であ
る必要がある。液晶シートの透明な表面保護層の具体例
としては、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、アクリル樹脂などのビニル樹脂、塩化ビニリ
デン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、セルロース樹
脂、アイオノマー、ポリアミド、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンオキサイド、ポルスルフォン、フッ素樹
脂、ケイ素樹脂、スチレンーブタジエンゴム、クロロス
ルホン化ポリエチレン、ポリエステル、エポキシ樹脂及
びそれらの混合物等が挙げられる。表面保護層は、上記
材料からなるフィルムを粘着剤、接着剤にて積層した
り、材料もしくは分散体を塗布、乾燥したり、或いは反
応性材料溶液を塗布後反応させたりして得られる。また
表面保護層には、界面活性剤や導電性微粒子、紫外線吸
収剤、光安定剤等の添加物を添加しても良い。
【0039】署名照合装置32は、予め登録署名をパタ
ーン信号化したものを登録するメモリである署名登録部
36と、入力ペン33からの信号と署名登録部36から
の信号を比較照合する署名照合処理部37と、音声ガイ
ダンス制御部38からなる。署名照合装置32の音声ガ
イダンス制御部38からは、署名入力の開始、署名入力
の終了、再入力等の指示や照合結果等が音声ガイダンス
装置35を通じて伝達される。音声ガイダンス装置35
は、図示はしていないが、アンプと、スピーカとから構
成されている。
【0040】図6は、この署名照合システムの一例を示
す全体構成図である。本実施形態で用いられている署名
照合装置32は、通信ソフト、照合ソフトおよび登録用
メモリが組み込まれたコンピュータ74である。図3に
は示していないが、このコンピュータ74は、署名照合
に加えてIDカード、ID番号等のID入力も行える構
造になっている。また、コンピュータ74は、専用ある
いは汎用の通信回線を介して種々のネットワーク76と
接続されていると共に、署名照合の結果によりドアロッ
ク解除77を行うことができる。本実施形態の署名照合
システムをドアロック解除77のみを行う単独システム
とするか、ネットワーク76との接続のみを行うか、あ
るいは両方を併用するかを決定するスイッチング機構が
コンピュータ74に具備されている。なお、液晶シート
34の導電層54は、図6の操作開始ボタン61に貼着
されている導電性材料に電気的に接続されており、当該
操作開始ボタン61は接触用電極として作用する。
【0042】次に、この署名照合システムの動作につい
て説明をする。さて使用者が入力ペン33の筆記スイッ
チ36を押しながら、他方の手の指で署名入力装置1の
操作開始ボタン61を押す。これにより、操作開始ボタ
ン61を覆っている接触用電極に人体の一部が接触し、
人体を介して操作開始ボタン61の接触用電極と入力ペ
ン33の外筒46は電気的に接続される。また、上述し
たように、液晶シート34の導電層54は操作開始ボタ
ン61の接触用電極に接続されているので、その結果、
導電層54は入力ペン33の外筒46と電気的に接続さ
れることになる。また、この時、筆記部44、47には
電圧発生装置49からの筆記用印加電圧が出力される。
【0043】そして、他方の手の指で操作開始ボタン6
1を押しながら、入力ペン33の筆記部44を液晶シー
ト34の表示エリア67上に押し当てて署名すると、液
晶シート34の表示エリア上の筆記部分に静電荷が印加
され、液晶分散ポリマー層53の液晶滴51が静電界に
より配向し、その結果、署名の筆跡23が液晶表示とし
て液晶シート34の表示エリア67上に現れる。
【0044】上述の方法で液晶シート34の表示エリア
67上に描かれた署名の筆跡は、液晶表示された後、筆
跡部分に印加された静電荷が、時間と共に液晶シート3
4における液晶分散ポリマー層53および表面保護層5
0の上下で移動、中和し、所定の時間後に筆跡は自然消
失する。
【0045】上記の署名照合システムにおいて、筆記ボ
ードとして液晶シートを用いたが、磁気泳動表示パネル
を用いてもよい。図7は、磁気泳動表示パネルの構造を
示す断面図である。
【0046】磁気泳動表示パネルは、2枚の基板80,
81間を多セル構造となし、このセル内に磁性粒子82
と分散媒と着色材と所望により増稠剤とからなる分散液
体83を2枚の基板間に封入した構造である。この磁気
パネルは、表側の基板80に、ペン85の先端配した磁
石86を当接させると、この磁気ペン85の磁気力にて
セル内の磁性粒子82が吸引されて、裏側の基板81か
ら泳動して、表側の基板80に付着する。こうして分散
液体83と磁性粒子82の色のコントラストの差で表示
が形成される。文字を消去する場合は、裏側の基板81
に沿って消去用磁石(図示せず)を移動し、表側基板8
0から裏側基板81に磁性粒子82を泳動させる。こう
して、全ての磁性粒子82を裏側基板81に付着させ、
分散液体83と磁性粒子82の色のコントラストの差を
無くすことによって、描いた文字を消去する。
【0047】したがって、図6において、このペン85
に上記入力ペン33と同様にX,Y加速度センサと圧力
センサを組み込み入力ペンとする。そして、筆記ボード
として液晶シート34の替わりに磁気泳動表示パネルを
配置しても、上記と同様に署名認識が行える。
【0048】このシステムは、署名照合システムとして
用いられているが、パターン認識システムとしても使用
可能である。この場合、署名登録部をパターン信号記憶
部に、署名照合処理部をパターン認識処理部として機能
させればよい。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、入力ペンのセンサ信号と登録した各文字あるいは
記号にパターン信号とを比較して、最も近似するパター
ンを特定するので、従来のような複雑な座標計算の処理
が必要なく、処理時間が短くなるとともに、認識制度も
向上する。
【0050】また、請求項5〜8の発明によれば、筆記
跡が残る筆記ボードを使用しているので、使用者が書き
ながら筆記跡を確認することができ、操作性が向上する
とともに、筆記跡を簡単に消去することができるので、
セキュリティーが向上する。また、紙に書くのに比較し
て、消去操作性が良く、何度も使用できるので資源のむ
だにもならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパターン認識システムの一実施形
態を示すブロック図である。
【図2】本発明のパターン認識システムを利用したイン
テリジェントカウンタを示すブロック図である。
【図3】本発明のパターン認識システムを利用した署名
照合システムを示すブロック図である。
【図4】液晶シートを用いた時の静電荷を印加する入力
ペンの内部構造を示す概略縦断面図である。
【図5】液晶シートの概略縦断面図である。
【図6】この署名照合システムの一例を示す全体構成図
である。
【図7】磁気泳動表示パネルの概略縦断面図である。
【図8】従来のペン型入力装置の構成図である。
【符号の説明】
1 入力ペン 2 パターン認識装置 3 X加速度センサ 4 Y加速度センサ 5 圧力センサ 16 パターン信号記憶部 17 認識処理部 18 キャラクタコード変換部 19 指示入力部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筆記対象物の表面に筆記する際、少なく
    とも筆記面内の直交する2方向の加速度を検出する加速
    度センサと、筆圧を検出する圧力センサとを有する入力
    ペンと、 前記加速度センサ及び圧力センサからの信号をパターン
    信号として登録する記憶手段と、前記入力ペンからの信
    号と予め登録してある前記パターン信号を比較して最も
    近似するパターン信号を特定するパターン認識手段とを
    有するパターン認識装置と、 を具備したことを特徴とする入力ペンによるパターン認
    識システム。
  2. 【請求項2】 前記パターン認識装置は、所定のパター
    ンを認識した場合に、キャラクターコードに変換してコ
    ンピュータ文字入力をする手段を備えることを特徴とす
    る請求項1記載の入力ペンによるパターン認識システ
    ム。
  3. 【請求項3】 前記パターン認識装置は、所定のパター
    ンを認識した場合に、その認識回数をカウントする手段
    を備えることを特徴とする請求項1記載の入力ペンによ
    るパターン認識システム。
  4. 【請求項4】 前記記憶手段は、署名文字のパターン信
    号を登録し、 前記パターン認識手段は、入力ペンからの信号に最も近
    似する署名文字のパターン信号を特定できたか否かを示
    す信号を出力することを特徴とする請求項1記載の入力
    ペンによるパターン認識システム。
  5. 【請求項5】 少なくとも導電層と、液晶がポリマーマ
    トリックス中に微分散された液晶分散ポリマー層とを有
    している液晶シートを用いた筆記ボードと、 少なくとも筆記面内の直交する2方向の加速度を検出す
    る加速度センサと、筆圧を検出する圧力センサと、且つ
    前記液晶シート上に電荷を印加する電荷発生手段とを有
    する入力ペンと、 前記加速度センサ及び圧力センサからの信号をパターン
    信号として登録する記憶手段と、前記加速度センサ及び
    圧力センサからの信号と予め登録してある前記パターン
    信号を比較して最も近似するパターン信号を特定するパ
    ターン認識手段とを有するパターン認識装置と、 を具備することを特徴とする筆記ボード認識セット。
  6. 【請求項6】 前記液晶シートは、主として、導電層
    と、透明高電気抵抗層と、液晶がポリマーマトリックス
    中に微分散された液晶分散ポリマー層と、透明な絶縁体
    層を順次積層してなることを特徴とする請求項5記載の
    筆記ボード認識セット。
  7. 【請求項7】 各セル内に磁性粒子と、分散媒と、着色
    材と、所望により増稠剤とからなる分散液体を封入した
    多セル構造の磁気パネルを用いた筆記ボードと、 少なくとも筆記面内の直交する2方向の加速度を検出す
    る加速度センサと、筆圧を検出する圧力センサと、且つ
    磁気パネル上に磁気力を印加する磁気力発生手段とを有
    する入力ペンと、 前記加速度センサ及び圧力センサからの信号をパターン
    信号として登録する記憶手段と、前記加速度センサ及び
    圧力センサからの信号と予め登録してある前記パターン
    信号を比較して最も近似するパターン信号を特定するパ
    ターン認識手段とを有するパターン認識装置と、 を具備することを特徴とする筆記ボード認識セット。
  8. 【請求項8】 前記記憶手段は、署名文字のパターン信
    号を登録し、 前記パターン認識手段は、入力ペンからの信号に最も近
    似する署名文字のパターン信号を特定できたか否かを示
    す信号を出力することを特徴とする請求項5、6又は7
    記載の筆記ボード認識セット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007046604A1 (en) * 2005-10-19 2007-04-26 Mobisol Inc. Device for inputting digital information
JP2013242821A (ja) * 2012-05-23 2013-12-05 Hitachi Consumer Electronics Co Ltd 映像表示装置、およびその映像操作方法
KR20160058403A (ko) * 2014-11-17 2016-05-25 주식회사 호서텔넷 전자 펜과 이를 포함하는 전자 서명 시스템과 전자 서명 방법

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