JPH11232077A - 情報処理システム - Google Patents

情報処理システム

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JPH11232077A
JPH11232077A JP10029668A JP2966898A JPH11232077A JP H11232077 A JPH11232077 A JP H11232077A JP 10029668 A JP10029668 A JP 10029668A JP 2966898 A JP2966898 A JP 2966898A JP H11232077 A JPH11232077 A JP H11232077A
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Yoshio Nishihara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少なくとも処理の一部分が、プログラマブル
論理回路で処理される情報処理システムにおいて、アプ
リケーションプログラムを高速に処理することができる
プログラマブル論理回路の構成方法を提供する。 【解決手段】 同じ処理を行うソフトウエアモジュール
とハードウエアモジュールとを同時に実行して、処理時
間を比較する処理時間比較手段を設ける。処理時間比較
手段での比較結果に基づいて、プログラムに記述された
処理を、ソフトウエアモジュールとハードウエアモジュ
ールのどちらで実行するかを決める実行モジュール決定
手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、少なくとも処理
の一部分が、回路構成を再構成できるプログラマブル論
理回路で処理可能である情報処理システムに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】デジタル回路装置、特に特定用途向け集
積回路(ASIC)の分野において、製品の開発期間を
短縮するために、フィールドプログラマブルゲートアレ
イ(FPGA)やプログラマブルロジックデバイス(P
LD)などで構成されたプログラマブル論理回路が広く
使われている。
【0003】これらのプログラマブル論理回路は、論理
回路を記述する回路情報をこれらに読み込ませること
で、内部の論理回路と論理回路間の結線を自由に構成す
ることができる。このため、プログラマブル論理回路装
置を用いることで、従来は回路設計の終了後に数週間か
ら数か月を必要とした集積回路の作製時間が不要になる
というメリットがある。特に、米国特許第4,700,
187号の発明のような電気的に再構成可能なプログラ
マブル論理回路装置は、一度作製した回路を必要に応じ
て自由に何度でも変更できるという利点があり、プログ
ラマブル論理回路装置は、ますます広く使われるように
なってきている。
【0004】ところで、最近の論理回路は複雑さが増
し、一つのプログラマブル論理回路装置では実現できな
い規模にまで回路規模が大きくなっている。
【0005】この問題を解決するためのひとつの方法と
して、異なる時間に異なる論理回路を実現するためにプ
ログラマブル論理回路を処理の途中で再構成することが
提案されている。この方法を用いることにより、携帯情
報端末のように、装置が小型であるため、内蔵できる回
路規模に制約がある場合でも、様々な処理が比較的高速
に行えるという利点がある。
【0006】しかし、プログラマブル論理回路を再構成
するときには、回路全体の回路情報を再度読み込ませる
ため、再構成に時間がかかるという欠点がある。さら
に、処理の途中で再構成することは、処理を一時中断
し、その時のデータをプログラマブル論理回路の外部の
記憶装置に待避させ、新たな回路情報を読み込んで再構
成し、再構成前のデータと再構成に伴う新しいデータを
入力するという余分な処理が必要で、データを出し入れ
する処理は冗長なものとになる。
【0007】この問題を解決するために、米国アトメル
社の「CONFIGURABLELOGIC」という名
のデータブックに記載されているプログラマブル論理回
路、および米国ザイリンクス社の「THE PROGR
AMMABLE LOGIC」という名のデータブック
に記載されているプログラマブル論理回路では、データ
を記憶するためのデータ記憶装置を有し、回路の動作中
でも外部の記憶装置から回路情報の一部を読み込んで部
分的に再構成を行うことで、再構成するための時間を最
小に留めるようにしている。
【0008】以上のようなプログラマブル論理回路を用
いて、高速かつ簡便に処理することができる計算機シス
テムが、特開平6−301522号公報に開示されてい
る。この計算機システムは、複数のプログラムを元に、
プログラマブル論理回路上にハードウエアを構成する例
である。これを、図11を参照しながら説明する。
【0009】すなわち、図11の従来例においては、計
算機で実行するソースプログラム1000は、回路構成
を変更できない固定部と、プログラマブル論理回路のよ
うに回路構成を変更できる可変部とで構成される。ライ
ブラリ1001には、固定部の構成に関する情報と、可
変部が構成することができる回路の情報が格納されてい
る。
【0010】コンパイラ1002は、ソースプログラム
1000を解析し、ライブラリ1001を参照しなが
ら、オブジェクトコードと、ハードウエア構成データに
変換する。例えば、コンパイラ1002は、ソースプロ
グラムのフロー解析を行い、関数の頻度を検出し、その
検出した頻度に基づいて、呼び出し回数の多い関数をハ
ードウエアで処理する関数として決定し、ハードウエア
構成データ1003を作成し、出力する。
【0011】次に、コンパイラ1002は、ハードウエ
アで処理すると決めた部分を所定の可変部で処理するこ
とを示すコードを生成する。そして、このコードを、残
りのソフトウエアで処理する部分に付加してオブジェク
トコード1004を作成し、出力する。計算機1005
は、固定部と、ハードウエア構成データにより構成され
た可変部とを用いて、オブジェクトコードに応じた処理
を実行する。
【0012】このようにして、従来例1では、コンパイ
ル時に呼び出し回数の多い関数をハードウエア化するこ
とにより処理全体の高速化を図っている。
【0013】次に、前記問題を解決する従来例2とし
て、特開平5−150943号公報に開示されるコンピ
ュータ装置の場合を説明する。この従来例2において
は、プログラマブル論理回路で行う処理と、固定的な論
理回路装置で行う処理とに分離された処理を、アプリケ
ーションプログラムとして、情報処理システムとしての
コンピュータ装置で実行する。
【0014】この従来例2のコンピュータ装置は、CP
U、メモリ、プログラマブル論理回路、ハードディスク
などの外部記憶装置、およびその他の入出力インターフ
ェースで構成される。
【0015】外部記憶装置には、プログラマブル論理回
路の回路データと、アプリケーションプログラムが記憶
してある。メモリには、外部記憶装置からアプリケーシ
ョンプログラムをロードするイニシャルローディングプ
ログラムが記憶してある。
【0016】CPUは、これらのプログラムを実行する
とともに、プログラマブル論理回路に回路データを書き
込む。プログラマブル論理回路は、CPUのバスライン
に接続され、バスライン上の信号を入力し、論理処理を
施してバスラインへ信号を返す。この従来例2における
処理手順を、図12に示す。
【0017】まず、実行すべきプログラムファイルを指
定する(ステップS1)。次に、指定したプログラムフ
ァイルに回路データが含まれるか否か判別し(ステップ
S2)、含まれる場合は、回路データ書き込みプログラ
ムをロードして実行し(ステップS3)、続いて回路デ
ータをロードして(ステップS4)、その回路データを
プログラマブル論理回路に書き込む(ステップS5)。
その後、アプリケーションプログラムをロードし(ステ
ップS6)、実行する(ステップS7)。
【0018】指定したプログラムファイルに回路データ
が含まれていない場合には、ステップS2からステップ
S6に飛び、そのまま、アプリケーションプログラムを
ロードし、実行する。
【0019】以上のように、この従来例2の場合、プロ
グラマブル論理回路上の機能を用いる命令実行時に、回
路が所定の論理処理を行う。これにより、アプリケーシ
ョンごとに特殊なハードウエアを設けることなく、必要
に応じた論理回路を構成して処理の高速化を図ることが
できる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上説
明した、処理の一部分をプログラマブル論理回路で処理
する情報処理システムの従来例は、次のような問題があ
る。
【0021】従来例1では、プログラマブル論理回路に
より構成される可変部で実行する処理を、ひとつのプロ
グラム内で呼び出し回数の多い関数のように一元的に決
めている。
【0022】プログラマブル論理回路は、処理を実行す
る前に、回路を構成する時間が必要である。したがっ
て、本来、この回路構成時間を含めた可変部の処理時間
と固定部の処理時間とを比較して可変部で実行する処理
を決める必要があるが、従来例1では、このプログラマ
ブル論理回路の構成時間を考慮して、プログラマブル論
理回路により構成される可変部で実行する処理を決める
ようにしてはいない。このため、従来例1の場合におい
て、実際には、固定部で処理した方が早い場合も生じ、
効率的な処理が行えない問題がある。
【0023】このプログラマブル論理回路の回路構成時
間を考慮して、可変部と固定部のどちらで処理を実行す
るかをきめる場合の問題点をさらに、説明する。
【0024】一般に、呼び出し回数や処理回数が少ない
場合は、実際の処理時間に対して、プログラマブル論理
回路の回路構成時間の割合が大きいので、固定部でソフ
トウエア的に処理したほうが処理時間が短い。一方、呼
び出し回数や処理回数が多い場合は、実際の処理時間に
対して、プログラマブル論理回路の回路構成時間の割合
が小さいので、可変部でハードウエア的に処理したほう
が処理時間が短い。
【0025】このとき、処理を可変部と固定部に振り分
ける基準となる、関数などの呼び出し回数や処理回数
は、使用する可変部と固定部のアーキテクチャと処理速
度(クロック周波数)により決まる。ある処理を行うた
めに必要なクロック数は、可変部と固定部のアーキテク
チャにより決まり、処理時間は必要なクロック数に、ク
ロック周波数の逆数を掛け合わせることにより求められ
る。
【0026】一般的に、情報処理システムのアーキテク
チャが異なれば、情報処理を行うプログラムも異なるの
で、アーキテクチャ毎にプログラムを用意する必要があ
る。一方、アーキテクチャが同じであれば、クロック周
波数が異なっても同じプログラムを用いることができ、
クロック周波数が高くなれば処理速度が早くなることが
期待できる。
【0027】ところが、処理の一部分をプログラマブル
論理回路で処理する情報処理システムは、アーキテクチ
ャが同じであっても、先に述べたように、固定部と可変
部のクロック周波数が異なれば、可変部と固定部に処理
を振り分ける基準となる呼び出し回数や処理回数が異な
るので、可変部と固定部のいずれを使用するかを簡単に
決めることができるようにするためには、クロック周波
数の組み合わせ毎にプログラムを準備する必要がある。
【0028】最近では半導体デバイスの製造技術の進歩
が早いので、同じアーキテクチャであってもクロック周
波数の高い半導体デバイスが次々と開発される。このよ
うな状況を鑑みると、クロック周波数の組み合わせ毎に
プログラムを準備することは、大変な労力を必要とし、
実用的な情報処理システムに適用することは現実的では
ないという問題がある。
【0029】次に、従来例2では、プログラム毎にハー
ドウエアで処理する部分を、プログラム実行前に、プロ
グラマブル論理回路に構成している。情報処理システム
が、複数のプログラムを用いて複数の処理を連続して実
行するときには、先に実行されたプログラムによってプ
ログラマブル論理回路上に構成された回路と同じ回路
を、後に実行されるプログラムが使用できる場合があ
る。
【0030】先に実行されたプログラムによってプログ
ラマブル論理回路に構成された回路を利用することがで
きれば、回路を構成する時間が短くできるので、先に述
べた処理を振り分ける基準となる呼び出し回数や処理回
数も小さくなり、比較的、呼び出し回数や処理回数が少
ない処理も、プログラマブル論理回路に構成された回路
でハードウエア的に処理することで、プログラム全体の
処理時間を短くすることができる。
【0031】ところが、個々のプログラムを作成すると
きには、情報処理システムで連続して実行されるプログ
ラムを予測することはできないので、共通に利用される
であろう回路を見出すことは不可能である。よって、複
数のプログラムで共通に利用することができる回路であ
っても、これを利用して、プログラム全体の処理時間を
短くすることができないという問題がある。
【0032】この発明は、以上の点にかんがみ、プログ
ラマブル論理回路の回路構成時間を考慮して、ソフトウ
エアとハードウエアのどちらで処理を実行するかを効率
良く決定することができるようにした情報処理システム
を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明による情報処理システムは、プログラムに
より実行される処理の少なくとも一部分の処理が、プロ
グラマブル論理回路で処理できるものであって、かつ、
前記プログラムが、プログラム言語で処理を記述したソ
フトウエアモジュールの組み合わせからなると共に、前
記プログラマブル論理回路に構成する回路情報で、前記
ソフトウエアモジュールが行う処理と同じ処理を記述し
たハードウエアモジュールを、前記プログラム内に備え
る情報処理システムにおいて、同じ処理を行う前記ソフ
トウエアモジュールと前記ハードウエアモジュールとを
同時に実行して、処理時間を比較する処理時間比較手段
と、前記処理時間比較手段での比較結果に基づいて、前
記プログラムに記述された処理を、前記ソフトウエアモ
ジュールと前記ハードウエアモジュールのどちらで実行
するかを決める実行モジュール決定手段と、を備えるこ
とを特徴とするまた、請求項2の発明は、請求項1に記
載の情報処理システムにおいて、前記処理時間比較手段
は、前記同じ処理を行う前記ソフトウエアモジュールと
前記ハードウエアモジュールとの、それぞれ1回の処理
時間を計測することにより、前記ソフトウエアモジュー
ルと前記ハードウエアモジュールとの処理時間が、同じ
になる繰り返し回数を算出し、前記実行モジュール決定
手段は、前記処理時間比較手段により算出された繰り返
し回数よりも大きい繰り返し回数の処理は、前記ハード
ウエアモジュールで実行することを指示することを特徴
とする情報処理システム。
【0034】また、請求項3の発明は、請求項1に記載
の情報処理システムにおいて、前記処理時間比較手段
は、同じ処理を行う前記ソフトウエアモジュールと前記
ハードウエアモジュールとの、それぞれ1回の処理時間
を計測することにより、前記ソフトウエアモジュールと
前記ハードウエアモジュールとの処理時間が、同じにな
る繰り返し回数を算出し、前記実行モジュール決定手段
は、前記処理時間比較手段により算出された繰り返し回
数よりも小さい繰り返し回数の処理は、前記ソフトウエ
アモジュールで実行することを指示することを特徴とす
る。
【0035】また、請求項4の発明は、請求項1に記載
の情報処理システムにおいて、前記処理時間比較手段
は、前記同じ処理を行う前記ソフトウエアモジュールと
前記ハードウエアモジュールとの、それぞれ1回の処理
時間を計測することにより、前記ソフトウエアモジュー
ルと前記ハードウエアモジュールとの処理時間が、同じ
になる繰り返し回数を算出し、前記実行モジュール決定
手段は、前記処理時間比較手段により算出された繰り返
し回数とおなじ繰り返し回数の処理は、事前に決めた優
先モジュールで実行することを指示することを特徴とす
る。
【0036】また、請求項5の発明は、請求項1に記載
の情報処理システムにおいて、前記処理時間比較手段
は、前記同じ処理を行う前記ソフトウエアモジュールと
前記ハードウエアモジュールとの、それぞれ1回の処理
時間を計測することにより、前記ソフトウエアモジュー
ルと前記ハードウエアモジュールとの処理時間が、同じ
になる繰り返し回数を算出し、前記実行モジュール決定
手段は、前記処理時間比較手段により算出された繰り返
し回数とおなじ繰り返し回数の処理はハードウエアモジ
ュールで実行することを指示すると共に、次のソフトウ
エアモジュールを実行するを指示することを特徴とす
る。
【0037】また、請求項6の発明は、請求項2に記載
の情報処理システムにおいて、前記実行モジュール決定
手段は、前記ハードウエアモジュールで実行することと
に加えて、次のソフトウエアモジュールを実行すること
を指示することを特徴とする。
【0038】
【作用】上述の構成の発明による情報処理システムにお
いては、プログラムにソフトウエアモジュールと、ハー
ドウエアモジュールとが記述されている。処理時間比較
手段は、同じ処理を行うソフトウエアモジュールとハー
ドウエアモジュールとを同時に実行して、処理時間を比
較する。そして、実行モジュール決定手段は、処理時間
が速い方で処理を実行するように決定する。
【0039】請求項2の発明においては、同じ処理を行
うソフトウエアモジュールとハードウエアモジュールと
を同時に実行し、それぞれ1回の処理時間を計測するこ
とにより、ソフトウエアモジュールとハードウエアモジ
ュールとの処理時間が、同じになる繰り返し回数を算出
する。そして、算出された繰り返し回数よりも大きい繰
り返し回数の処理は、ハードウエアモジュールで実行す
る。
【0040】したがって、実際の処理時間として速くな
る繰り返し回数からハードウエアモジュールによる処理
を用いて処理を実行することができるようになる。
【0041】請求項3の発明においては、繰り返し処理
であっても、ソフトウエアモジュールで処理をした方が
速い間は、ソフトウエアモジュールで処理が行われる。
【0042】請求項4の発明においては、ソフトウエア
モジュールとハードウエアモジュールとの処理時間が、
同じになる繰り返し回数を算出し、算出された繰り返し
回数とおなじ繰り返し回数の処理は、事前に決めた優先
モジュールで実行される。
【0043】請求項5の発明においては、ソフトウエア
モジュールとハードウエアモジュールとの処理時間が、
同じになる繰り返し回数を算出し、算出された繰り返し
回数とおなじ繰り返し回数の処理は、ハードウエアモジ
ュールは実行することとすると共に、次の処理はソフト
ウエアモジュールで実行するようにする。
【0044】この請求項5の発明によれば、ハードウエ
アモジュールで繰り返し処理を実行中にソフトウエアモ
ジュールによる処理を行うことができ、効率の良い処理
が行える。
【0045】請求項6の発明においては、請求項5の場
合と同様に、ハードウエアモジュールで実行することと
に加えて、次のソフトウエアモジュールを実行するよう
にするので、請求項5の発明と同様の作用効果が得られ
る。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、この発明による情報処理シ
ステムの実施の形態を、図を参照しながら説明する。
【0047】この発明による、少なくとも処理の一部分
が回路構成を再構成できるプログラマブル論理回路で処
理される情報処理システムの実施の形態の主要な概念構
成を図1に示す。
【0048】一般的に、情報処理システムが実行するひ
とつの処理は、さらに細かい処理に分けることができ
る。この実施の形態において、対象とするアプリケーシ
ョンプログラム(以下の説明においては、単にプログラ
ムという場合もある)100は、当該プログラム100
により実行しようとする一連の処理を複数個の処理に分
離し、分離された各処理ごとにモジュールとして構成す
る。この分離された個々の処理を、この明細書では処理
モジュールと称することとする。
【0049】この第1の実施の形態では、プログラム1
00は、個々の処理モジュールをプログラム言語で記述
したソフトウエアモジュールSMの集まりで構成され
る。さらに、プログラム100は、ソフトウエアモジュ
ールSMが行う処理と同じ処理を、プログラマブル論理
回路300に構成する回路情報で記述したモジュール
(この明細書では、このモジュールをハードウエアモジ
ュールと称する)HMも持つ。
【0050】ソフトウエアモジュールSMはCPU20
0で実行され、ハードウエアモジュールHMはプログラ
マブル論理回路300上に構成された回路で実行され
る。
【0051】ここで、プログラム100には、すべての
ソフトウエアモジュールSMに対応したハードウエアモ
ジュールHMを用意する必要はない。
【0052】高精度の乗算や、浮動小数点計算のような
数値処理は、プログラマブル論理回路より専用の乗算器
や、浮動小数点演算器を備えたCPUやDSP(Dig
ital Signal Processor)のよう
な専用処理デバイスで実行したほうが処理時間を短くす
ることができる。
【0053】一方、パターンマッチングや整数演算のよ
うなビットレベル処理は、処理ビット幅で並列処理がで
きるプログラマブル論理回路のほうが効率よく処理でき
る。また、ハードウエアモジュールHMは、プログラマ
ブル論理回路上に回路を構成するための余分な時間が必
要である。
【0054】よって、繰り返し回数が少ない処理では、
たとえプログラマブル論理回路が得意なビットレベル処
理であっても、回路構成時間まで考慮すると、ソフトウ
エアモジュールSMによる処理時間よりも長くなる場合
もある。よって、処理時間がCPUによる処理より短
く、かつ、繰り返し回数が多いために処理時間に占める
回路構成時間が充分小さい処理のように、プログラマブ
ル論理回路で処理することにより処理時間を短くできる
可能性のあるソフトウエアモジュールSMに対応するハ
ードウエアモジュールHMのみを用意する。
【0055】プログラム100上、ソフトウエアモジュ
ールSMのみで記述される処理は、CPU200で実行
される。また、ソフトウエアモジュールSMとハードウ
エアモジュールHMとで記述される処理は、それぞれを
同時に、CPU200とプログラマブル論理回路300
で実行し、処理時間比較手段400が処理時間を予測
し、その予測に基づいて、実行モジュール決定手段50
0が処理時間を最短にするように、ソフトウエアモジュ
ールSMとハードウエアモジュールHMのどちらで処理
を継続するかを決定する。
【0056】[実施の形態のハードウエア構成例]図2
は、この発明の実施の形態の情報処理システム10のハ
ードウエア構成例を示すブロック図である。この実施の
形態の情報処理システム10においては、CPU11の
ホストバス11Bに、チップセット12に含まれるメモ
リコントローラ(図示せず)を介して、例えばDRAM
で構成されるメインメモリ13が接続される。
【0057】ホストバス11Bは、また、チップセット
12に含まれるホスト−PCIバスブリッジ(図示せ
ず)を介して、PCIバス14に接続される。PCIバ
ス14には、プログラマブル論理回路インターフェース
15を介してプログラマブル論理回路16と、ハードデ
ィスクインターフェース17を介してハードディスクド
ライブ18と、通信インターフェース19とが接続され
る。通信インターフェース19は、LANやインターネ
ットなどのネットワーク20を介して記憶装置(サー
バ)21に接続される。
【0058】ハードディスクドライブ18により読み書
きされるハードディスクには、アプリケーションプログ
ラムが格納されている。また、アプリケーションプログ
ラムは、ネットワーク20上の記憶装置21に格納され
ている場合もある。
【0059】この実施の形態では、処理時間比較手段4
00と実行モジュール決定手段500が、図2で示した
情報処理システム10のOSのひとつの機能としてソフ
トウエア的に実装される。
【0060】次に、プログラマブル論理回路16の構造
を図3に示す。プログラマブル論理回路16は、図4に
示すように、回路情報を格納するためのコンフィギュレ
ーションメモリ160と、論理セル161と、配線領域
162と、入出力端子163とで構成される。
【0061】コンフィギュレーションメモリ160は、
論理セル161内および配線領域162内のSRAM、
DRAMなどの書き換え可能なメモリ素子で構成されて
いる。コンフィギュレーションメモリ160にアドレス
ADRが与えられて、新しい回路情報のデータDAが格
納されると、この回路情報に従って、論理セル161内
の回路構成と、論理セル161および入出力端子163
を相互に接続する配線領域162の接続状態が再構成さ
れる。この一連の動作をコンフィギュレーションと呼
ぶ。コンフィギュレーションメモリ160の一部分を書
き換えることで、プログラマブル論理回路が動作中であ
っても、回路を部分的に再構成することができる。
【0062】図4に示すように、プログラマブル論理回
路16に再構成されて形成された回路素子164に、処
理すべきデータが入力され、また、その処理結果が出力
される。
【0063】[この発明の実施の形態による処理の説
明]4つの8ビット数A、B、C、Dの和Qを、m回繰
り返して求める整数演算を例に用いて、この実施の形態
における処理時間比較手段400と実行モジュール決定
手段500の動作を説明する。
【0064】図5は、4つの8ビット数A,B,C,D
の和Qを求めるハードウエアモジュールHMの例を示
す。このハードウエアモジュールHMは、2入力の8ビ
ット加算器21、22および2入力の9ビット加算器2
3で構成される。
【0065】加算器21でAとBの和を求め、加算器2
2でCとDの和を求める。加算器21と加算器22は、
桁上がりを考慮した9ビットの値を出力する。加算器2
3でこれらの値の和を求めることにより、和Qを得る。
加算器21と加算器22の計算は並列的に実行されるの
で、このハードウエアモジュールHMでの処理は、1ク
ロックの処理時間で終了する。
【0066】図6は、4つの8ビット数A,B,C,D
の和Qを求めるソフトウエアモジュールSMの例を示
す。このソフトウエアモジュールSMは、最初にLoa
d命令を用いてAをCPUのレジスタにロードする。次
に、Add命令を用いて、AをロードしたレジスタにB
を加える。さらに、Add命令を繰り返すことにより、
CとDを同じレジスタに加える。最後に、Move命令
を用いて、和Qを出力する。このソフトウエアモジュー
ルSMでは、命令は逐次的に実行されるので、5クロッ
クの処理時間が必要である。
【0067】[処理の第1の実施例]第1の実施例とし
て、CPU200とプログラマブル論理回路300とが
同じクロック周波数で動作する場合に、ソフトウエアモ
ジュールSMとハードウエアモジュールHMにより前述
の和Qを求めるときの処理動作のフローチャートを図7
に示し、また、そのときの繰り返し回数と、クロック数
で表した処理時間の関係を図8に示す。
【0068】図7に示すように、プログラムが開始する
と、ソフトウエアモジュールSMによる処理と、ハード
ウエアモジュールHMによる処理とが並行して実行し、
1回目の処理が終了した時点で、ソフトウエアモジュー
ルによる1回の処理時間aが計測される(ステップS1
01)と共に、ハードウエアモジュールによる1回の処
理時間bと、回路構成時間cとが計測される(ステップ
S102)。
【0069】ソフトウエアモジュールSMによる1回の
処理時間aは、前述したように、この例の場合の和Qを
求めるソフトウエアモジュールSMは、5クロック分で
ある。一方、対応するハードウエアモジュールHMは、
1回の処理時間bは1クロック分である。
【0070】そして、回路構成時間cは次の通りとな
る。図5に示した8ビット加算器21と22は、24個
の論理セルで構成され、9ビット加算器23は27個の
論理セルで構成される。1論理セルを構成するために必
要な回路情報は8ビットであるので、加算器を構成する
ために必要な回路情報量は、 (24セル×8ビット/ セル) ×2個+27セル×8ビ
ット/セル=600ビット である。
【0071】さらに、加算器21、22、23を配線す
るために40ビットの回路情報が必要である。よって、
必要な回路情報量は640ビットである。プログラマブ
ル論理回路のコンフィギュレーションメモリは32ビッ
ト幅で書き込むことができるので、求める回路構成時間
cは、 640ビット÷32ビット/クロック=20クロック 分となる。
【0072】この計測結果に基づいて、処理時間比較手
段400は、図8に示すチャートを用いて、ソフトウエ
アモジュールSMによる処理時間Tsが回路構成時間c
に等しくなる繰り返し回数n1と、ソフトウエアモジュ
ールSMによる処理時間Tsとハードウエアモジュール
HMによる処理時間Thとが同じになる繰り返し回数n
2を求める(ステップS103)。このとき、1回目の
処理が早く終了するソフトウエアモジュールSMは、ハ
ードウエアモジュールHMが1回目の処理を終了するま
で処理を継続する。
【0073】前述したように、この例の場合のソフトウ
エアモジュールSMによる処理では、5クロック毎に1
回の処理を実行するので、処理時間Tsはくり返し回数
nに比例し、 Ts=a×n …(1) と表される。ただし、a=5(クロック/処理)であ
る。
【0074】また、この例の場合のハードウエアモジュ
ールHMによる処理では、1クロック毎に1回の処理を
実行するが、実行開始前にプログラマブル論理回路に回
路を構成する時間cが必要なので、処理時間Thは、 Th=b×n+c …(2) と表される。なお、b= 1(クロック/ 処理)である。
【0075】したがって、ソフトウエアモジュールSM
による処理時間Tsが回路構成時間cに等しくなる繰り
返し回数n1は、式(1)から、 n1=c/a …(3) となり、この例ではn1=4である。
【0076】また、ソフトウエアモジュールSMによる
処理時間TsとハードウエアモジュールHMによる処理
時間Thとが同じになる繰り返し回数n2は、式
(1)、式(2)から、 n2=c/(a−b) …(4) となり、この例では、n2=5である。
【0077】実行モジュール決定手段は、以上のように
して、処理時間比較手段が求めた繰り返し回数n1とn
2とに基づいて、プログラム上設定されている繰り返し
回数mの処理時間を最短にするモジュールを次のように
決定する(ステップS104)。
【0078】m≦n1の場合 ハードウエアモジュールHMの回路が構成される前に、
ソフトウエアモジュールSMによる処理で処理が終了し
てしまう場合である。すなわち、処理時間比較手段40
0と実行モジュール決定手段500による判断を行う前
に処理が終了し、次の処理を開始することができる(ス
テップS105)。
【0079】n1<m<n2の場合 ソフトウエアモジュールSMによる処理時間Tsが、ハ
ードウエアモジュールHMよる処理時間Thよりも短い
と予測されるので、ソフトウエアモジュールSMによる
処理を継続する。ハードウエアモジュールHMによる処
理は、1回めの処理が終了した時点で中止する(ステッ
プS106)。
【0080】m=n2の場合 ソフトウエアモジュールSMによる処理時間Tsとハー
ドウエアモジュールHMによる処理時間Thとが同じで
あると予測されるので、他の要因で実行するモジュール
を決定する(ステップS107)。
【0081】例えば、この和Qのm回の繰り返し演算処
理のモジュールの次に実行するモジュールが、ソフトウ
エアモジュールであり、現在実行している演算処理と独
立に実行できる処理であれば、ハードウエアモジュール
による処理を継続し、CPU200は、次の処理をソフ
トウエアモジュールで並行して実行することで、プログ
ラム全体の処理時間を短縮することができる。
【0082】他に決定する要因がなければ、どちらのモ
ジュールで実行してもプログラム全体の処理時間が同じ
であるので、事前に優先モジュールを決めておき、それ
に従うものとする。
【0083】n2<mの場合 ハードウエアモジュールHMよる処理時間Thが、ソフ
トウエアモジュールSMによる処理時間Tsより短いと
予測されるので、ハードウエアモジュールHMによる処
理を継続する。ソフトウエアモジュールSMによる処理
は、ハードウエアモジュールHMによる1回目の処理が
終了した時点で中止する。
【0084】この場合に、次に実行するモジュールがソ
フトウエアモジュールであり、現在実行している処理と
独立に実行できる処理であれば、CPU200は、次の
ソフトウエアモジュールSMを並行して実行すること
で、プログラム全体の処理時間を短縮することができ
る。
【0085】上述した第1の実施例の場合、n1=4
回、n2=5回である。m=10回とすれば、n2<m
であるので、実行モジュール決定手段500は、ハード
ウエアモジュールHMによる処理の継続をプログラマブ
ル論理回路に指示し、ソフトウエアモジュールSMによ
る処理の中断をCPU200に指示する。また、ハード
ウエアモジュールHMによる処理は、30クロックの処
理時間を必要とすることが予測できる。たとえば、クロ
ック周波数が10MHzであれば、処理時間は3μsで
ある。
【0086】さらに、この第1の実施例のソフトウエア
モジュールSMとハードウエアモジュールHMとが、図
1に示したソフトウエアモジュール2とハードウエアモ
ジュール2のように、次に実行するするモジュールがソ
フトウエアモジュールであり、かつ、前の処理と独立に
実行できる処理であれば、CPU200は、ソフトウエ
アモジュール3を実行することにより、プログラム全体
の処理時間を短縮することができる。
【0087】[第2の実施例]この第2の実施例は、C
PU200と、プログラマブル論理回路300とが、異
なるクロック周波数で動作する場合である。そして、こ
の第2の実施例においても、第1の実施例の場合と同様
に、図5および図6に示したようなハードウエアモジュ
ールHMおよびソフトウエアモジュールSMを用いて和
Qを求める場合である。
【0088】異なるクロック周波数で動作するCPUと
プログラマブル論理回路を用いて、ソフトウエアモジュ
ールSMとハードウエアモジュールHMにより和Qを求
めるときの、繰り返し回数とプログラマブル論理回路の
クロック数であらわした処理時間の関係を図9に示す。
【0089】この第2の実施例では、第1の実施例と同
じソフトウエアモジュールSMとハードウエアモジュー
ルHMを用いるが、CPU200のクロック周波数がプ
ログラマブル論理回路300の2倍である場合である。
よって、CPU200における5クロックのソフトウエ
アモジュール処理は、プログラマブル論理回路300の
2.5クロックに相当する。
【0090】この第2の実施例の場合には、n1=8
回、n2=13.3回となる。m=10回とすれば、n
1<m<n2であるので、実行モジュール決定手段50
0は、ソフトウエアモジュールSMによる処理の継続を
CPU200に指示し、ハードウエアモジュールHMに
よる処理の中断をプログラマブル論理回路300に指示
する。また、ソフトウエアモジュールSMによる処理
は、プログラマブル論理回路300のクロック周波数で
25クロックの処理時間を必要とすることが予測でき
る。例えば、クロック周波数が10MHzであれば、処
理時間は2.5μsである。
【0091】半導体デバイス技術の進歩により、次々と
クロック周波数の高いデバイスが開発される状況を鑑み
ると、プログラムを実行するCPUとプログラマブル論
理回路のクロック周波数が一定の値にとどまることはな
い。たとえ、将来のクロック周波数を予測することがで
きたとしても、それらの組み合せ毎に処理時間が最小に
なるようにソフトウエアモジュールとハードウエアモジ
ュールを組み合わせたプログラムを作成して使い分ける
ことは、多くの労力を必要とする。
【0092】第1の実施例と第2の実施例により、CP
Uとプログラマブル論理回路のクロック周波数が異なる
場合は、処理時間を最短にするモジュールも異なること
が分かる。すなわち、この発明を用いれば、CPUやプ
ログラマブル論理回路のクロック周波数などの種々の状
況においても、同じプログラムを実行して常に処理時間
を最小に保つことができる。
【0093】[第3の実施例]第3の実施例として、異
なるクロック周波数で動作するCPUとプログラマブル
論理回路とを用いて、ソフトウエアモジュールとハード
ウエアモジュールにより和Qを求める場合であって、す
でにハードウエアモジュールの一部がプログラマブル論
理回路に構成されている場合の例を説明する。
【0094】この第3の実施例の場合の、繰り返し回数
とプログラマブル論理回路のクロック数で表した処理時
間の関係を図10に示す。
【0095】この第3の実施例も、第1の実施例と同じ
ソフトウエアモジュールとハードウエアモジュールを用
いているが、CPUのクロック周波数がプログラマブル
論理回路の2倍の場合である。よって、CPUにおける
5クロックのソフトウエアモジュール処理は、プログラ
マブル論理回路の2.5クロックに相当する。
【0096】さらに、この第3の実施例では、先に実行
されたプログラムにより、加算器21と加算器22がプ
ログラマブル論理回路上に構成されているとする。よっ
て、第3の実施例の場合は、27個の論理セルで構成さ
れる9ビット加算器23と、加算器21、22、23間
の配線を構成すればよいので、必要な回路情報量は、 27セル×8ビット/セル+40ビット=256ビット となる。
【0097】プログラマブル論理回路のコンフィギュレ
ーションメモリは32ビット幅で書き込むことができる
ので、この第3の実施例の場合の回路構成時間cは、 c=256ビット÷32ビット/クロック=8クロック となる。
【0098】したがって、この第3の実施例の場合、n
1=3.2回、n2=5.3回とあなる。m=10回と
すれば、n2<mであるので、実行モジュール決定手段
500は、ハードウエアモジュールHMによる処理の継
続をプログラマブル論理回路300に指示し、ソフトウ
エアモジュールSMによる処理の中断をCPU200に
指示する。また、この場合、ハードウエアモジュールH
Mによる処理は、18クロックの処理時間を必要とする
ことが予測できる。例えば、クロック周波数が10MH
zであれば、処理時間は1.8μsである。
【0099】情報処理システムが、複数のプログラムを
用いて複数の処理を連続して実行するときには、あるプ
ログラムによってプログラマブル論理回路上に構成され
た回路と同じ回路を、後に実行されるプログラムが使用
する場合がある。先に実行されたプログラムによってプ
ログラマブル論理回路に構成された回路を利用すること
ができれば、その回路を構成する時間が短くできる。
【0100】ところが、個々のプログラムを作成すると
きには、情報処理システムで連続して実行されるプログ
ラムを予測することはできないので、共通に利用される
であろう回路を見出すことは不可能である。しかし、こ
の発明の実施の形態の場合には、情報処理システムで行
う処理を複数個に分離し、その分離した処理モジュール
単位で処理を行わせるように、プログラムを作成してい
る。したがって、前の処理モジュールでプログラマブル
論理回路上に構成された回路と同じ回路を、後に実行さ
れる処理モジュールで使用することが可能になる。
【0101】以上のように、第2の実施例と第3の実施
例のより、ハードウエアモジュールの一部がすでにプロ
グラマブル論理回路上に構成されているときには、処理
時間を最短にするモジュールも異なることが分かる。こ
のように、この発明を用いれば、このような状況におい
ても、同じプログラムを実行して処理時間を最小に保つ
ことができる。
【0102】以上説明したように、CPUで実行される
ソフトウエアモジュール処理に必要なクロック数と、プ
ログラマブル論理回路で実行されるハードウエアモジュ
ール処理に必要なクロック数を事前に予測することはで
きる。実際の処理時間は、クロック数にクロック周波数
の逆数を掛けあわせたものになるので、プログラムの処
理時間を最小にするソフトウエアモジュールと、ハード
ウエアモジュールの組み合わせは、クロック周波数によ
って異なる。
【0103】一般的に、CPUとプログラマブル論理回
路は異なるクロック周波数で動作し、さらに、最近の半
導体デバイス技術の進歩により、次々とクロック周波数
の高いデバイスが開発される。この実施の形態によれ
ば、このような状況下においても、同じプログラムを用
いて、常に処理時間を最小に保つことができる。
【0104】先に実行されたプログラムによってプログ
ラマブル論理回路に構成された回路を利用することがで
きれば、回路を構成する時間が短くできる。ところが、
個々のプログラムを作成するときには、情報処理システ
ムで連続して実行されるプログラムを予測することはで
きないので、共通に利用されるであろう回路を見いだす
ことは不可能である。この発明によれば、このような状
況においても、同じプログラムを用いて、すでにプログ
ラマブル論理回路上に構成されいる複数のプログラムで
共通に利用することができる回路を利用して、プログラ
ム全体の処理時間を最小に保つことができる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、少なくとも処理の一部分が回路構成を再構成できる
プログラマブル論理回路で処理される情報処理システム
において、ソフトウエアとハードウエアとを同時に実行
しながら、処理時間が最も最適なとなるソフトウエアの
処理とハードウエアの処理の組み合わせを選択して処理
を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による情報処理システムの実施の形態
の概念構成を示すブロック図である。
【図2】この発明による情報処理システムの実施の形態
のハードウエア構成例を示す図である。
【図3】プログラマブル論理回路の一例を説明するため
の図である。
【図4】プログラマブル論理回路の一例を説明するため
の図である。
【図5】ハードウエアモジュールの例を示す図である。
【図6】ソフトウエアモジュールの例を示す図である。
【図7】この発明による情報処理システムの実施の形態
の主要な処理動作を説明するためのフローチャートであ
る。
【図8】この発明による情報処理システムの第1の実施
例の動作を説明するために用いる図である。
【図9】この発明による情報処理システムの第2の実施
例の動作を説明するために用いる図である。
【図10】この発明による情報処理システムの第3の実
施例の動作を説明するために用いる図である。
【図11】従来の情報処理システムの一例を説明するた
めの図である。
【図12】従来の情報処理システムの他の一例を説明す
るための図である。
【符号の説明】
10 情報処理システム 11 CPU 12 チップセット 13 メインメモリ 14 バス 15 プログラマブル論理回路インターフェース 16 プログラマブル論理回路 17 ハードディスクインターフェース 18 ハードディスクドライブ 21 ネットワーク上の記憶装置 100 アプリケーションプログラム 200 CPU 300 プログラマブル論理回路 400 処理時間比較手段 500 実行モジュール決定手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プログラムにより実行される処理の少なく
    とも一部分の処理が、プログラマブル論理回路で処理で
    きるものであって、かつ、 前記プログラムが、プログラム言語で処理を記述したソ
    フトウエアモジュールの組み合わせからなると共に、前
    記プログラマブル論理回路に構成する回路情報で、前記
    ソフトウエアモジュールが行う処理と同じ処理を記述し
    たハードウエアモジュールを、前記プログラム内に備え
    る情報処理システムにおいて、 同じ処理を行う前記ソフトウエアモジュールと前記ハー
    ドウエアモジュールとを同時に実行して、処理時間を比
    較する処理時間比較手段と、 前記処理時間比較手段での比較結果に基づいて、前記プ
    ログラムに記述された処理を、前記ソフトウエアモジュ
    ールと前記ハードウエアモジュールのどちらで実行する
    かを決める実行モジュール決定手段と、 を備えることを特徴とする情報処理システム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の情報処理システムにおい
    て、 前記処理時間比較手段は、前記同じ処理を行う前記ソフ
    トウエアモジュールと前記ハードウエアモジュールと
    の、それぞれ1回の処理時間を計測することにより、前
    記ソフトウエアモジュールと前記ハードウエアモジュー
    ルとの処理時間が、同じになる繰り返し回数を算出し、 前記実行モジュール決定手段は、前記処理時間比較手段
    により算出された繰り返し回数よりも大きい繰り返し回
    数の処理は、前記ハードウエアモジュールで実行するこ
    とを指示することを特徴とする情報処理システム。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の情報処理システムにおい
    て、 前記処理時間比較手段は、同じ処理を行う前記ソフトウ
    エアモジュールと前記ハードウエアモジュールとの、そ
    れぞれ1回の処理時間を計測することにより、前記ソフ
    トウエアモジュールと前記ハードウエアモジュールとの
    処理時間が、同じになる繰り返し回数を算出し、 前記実行モジュール決定手段は、前記処理時間比較手段
    により算出された繰り返し回数よりも小さい繰り返し回
    数の処理は、前記ソフトウエアモジュールで実行するこ
    とを指示することを特徴とする情報処理システム。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の情報処理システムにおい
    て、 前記処理時間比較手段は、前記同じ処理を行う前記ソフ
    トウエアモジュールと前記ハードウエアモジュールと
    の、それぞれ1回の処理時間を計測することにより、前
    記ソフトウエアモジュールと前記ハードウエアモジュー
    ルとの処理時間が、同じになる繰り返し回数を算出し、 前記実行モジュール決定手段は、前記処理時間比較手段
    により算出された繰り返し回数とおなじ繰り返し回数の
    処理は、事前に決めた優先モジュールで実行することを
    指示することを特徴とする情報処理システム。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の情報処理システムにおい
    て、 前記処理時間比較手段は、前記同じ処理を行う前記ソフ
    トウエアモジュールと前記ハードウエアモジュールと
    の、それぞれ1回の処理時間を計測することにより、前
    記ソフトウエアモジュールと前記ハードウエアモジュー
    ルとの処理時間が、同じになる繰り返し回数を算出し、 前記実行モジュール決定手段は、前記処理時間比較手段
    により算出された繰り返し回数とおなじ繰り返し回数の
    処理はハードウエアモジュールで実行することを指示す
    ると共に、次のソフトウエアモジュールを実行するを指
    示することを特徴とする情報処理システム。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の情報処理システムにおい
    て、 前記実行モジュール決定手段は、前記ハードウエアモジ
    ュールで実行することとに加えて、次のソフトウエアモ
    ジュールを実行することを指示することを特徴とする情
    報処理システム。
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