JPH11225609A - アコヤガイの養殖方法 - Google Patents

アコヤガイの養殖方法

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JPH11225609A
JPH11225609A JP10037191A JP3719198A JPH11225609A JP H11225609 A JPH11225609 A JP H11225609A JP 10037191 A JP10037191 A JP 10037191A JP 3719198 A JP3719198 A JP 3719198A JP H11225609 A JPH11225609 A JP H11225609A
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pearl oysters
larvae
oysters
japan
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JP10037191A
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Rinzo Sakaguchi
林蔵 坂口
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RINPEI KK
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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Abstract

(57)【要約】 【課題】悪い環境水域においても繁殖可能な強靭な体力
と体質を持ったアコヤガイを良好に養殖することができ
る養殖方法を提供する。 【解決手段】日本の環境水域において、中国産天然アコ
ヤガイと韓国産天然アコヤガイを人口交配させ、或は中
国産天然アコヤガイと中国産天然アコヤガイを人口交配
させ、或は韓国産天然アコヤガイと韓国産天然アコヤガ
イを人口交配させ、或は日本産天然アコヤガイと韓国産
天然アコヤガイを人口交配させ、人口交配によって生ま
れた幼生を日本の環境水域で養育し稚貝を養殖する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真珠養殖の母貝と
して使用されるアコヤガイの養殖方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真珠養殖の母貝として使用されるアコヤ
ガイは、現在、日本内真珠養殖の主要産地である三重県
志摩地方、愛媛県宇和島地方、熊本県天草地方におい
て、自然繁殖により、或は日本産アコヤガイの人口交配
からなる稚貝を養殖して、大量に生産されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように生産された
アコヤガイは、日本産アコヤガイを人口交配したアコヤ
ガイ、自然繁殖した天然アコヤガイを問わず、近年、大
量死するケースが多く発生し、生産地によっては、貝の
死亡率が50〜60%に達する場合もある。このため、
関係研究機関などにおいて、その死因究明が行われ、慢
性的な感染症を起こすウイルス説、植物プランクトンに
よる中毒症説、栄養障害説、ふぐ養殖用ホルマリン等に
よる海水汚染説、赤潮影響説、等の原因が指摘されてい
る。
【0004】しかし、現時点においては、上記原因は推
定に過ぎず、アコヤガイの大量死防止の有力手段は未だ
未解決の状態にあり、現在の日本のような悪い環境水域
においても、アコヤガイを良好に繁殖させることができ
る養殖方法の開発が強く求められている。
【0005】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
で、悪い環境水域においても繁殖可能な強靭な体力と体
質を持ったアコヤガイを良好に養殖することができる養
殖方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究・
考察の結果、自然繁殖した日本産アコヤガイと言えど
も、長い歴史の間、人口交配を繰り返し、湾や海に戻っ
たものであり、体質・体力共に衰え、加えて、近年の産
業廃棄物の増加や汚水の海への流出、工事現場や採石場
などからの泥水の流出等により、汚染が進んだ海では、
波静かにして清浄な海水域を好むアコヤガイにとって、
繁殖できる可能性はあるにしても、ひ弱な体質で免疫性
に欠けるため、核入れを目的とする母貝にいたらずにへ
い死するものと判断するに至った。
【0007】そこで、日本の養殖環境水域より遥かに自
然環境の過酷な韓国南部の海や中国南部の海で自然繁殖
した韓国産天然アコヤガイや中国産天然アコヤガイを用
いて、日本の環境水域でそれらを人口交配させ、稚貝を
養殖することにより、体力・体質共に優れ、日本の海で
養殖が可能なアコヤガイを得ることができるという結論
に至った。
【0008】上記目的を達成する本発明の請求項1の養
殖方法は、日本の環境水域において、中国産天然アコヤ
ガイと韓国産天然アコヤガイの卵子と精子を人口採取
し、人口採取した卵子と精子を合わせて人口交配させ、
人口交配によって生まれた幼生を日本の環境水域で養育
し稚貝を養殖することを特徴とする。
【0009】また、請求項2の発明は、日本の環境水域
において、中国産天然アコヤガイと中国産天然アコヤガ
イの卵子と精子を人口採取し、人口採取した卵子と精子
を合わせて人口交配させ、人口交配によって生まれた幼
生を日本の環境水域で養育し稚貝を養殖することを特徴
とする。
【0010】また、請求項3の発明は、日本の環境水域
において、韓国産天然アコヤガイと韓国産天然アコヤガ
イの卵子と精子を人口採取し、人口採取した卵子と精子
を合わせて人口交配させ、人口交配によって生まれた幼
生を日本の環境水域で養育し稚貝を養殖することを特徴
とする。
【0011】また、請求項4の発明は、日本の環境水域
において、日本産天然アコヤガイと韓国産天然アコヤガ
イの卵子と精子を人口採取し、人口採取した卵子と精子
を合わせて人口交配させ、人口交配によって生まれた幼
生を日本の環境水域で養育し稚貝を養殖することを特徴
とする。
【0012】中国産天然アコヤガイ、日本産天然アコヤ
ガイ、韓国産天然アコヤガイの卵子の人口採取は、日本
の環境水域の海水を入れた水槽内で貝を飼育し、卵子を
熟成させて行われ、それらを入れた卵子容器に、中国産
天然アコヤガイまたは韓国産天然アコヤガイから人口採
取した精子を移し、人口交配を行う。
【0013】人口交配によって生まれた貝の幼生群から
良品グループを抽出し、日本の環境水域の海水を入れた
水槽内でプランクトンを与えて所定期間養育し、稚貝を
養殖する。
【0014】このように、中国産天然アコヤガイや韓国
産天然アコヤガイを、日本の環境水域で人口交配して誕
生させたアコヤガイの稚貝は、過酷な韓国南部の海や中
国南部の海で自然繁殖した親の強靭な体力と体質を受け
継ぎ、日本の悪化した環境水域においても、高い生存率
で繁殖することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】(第一の実施形態)次に、本発明
の第一の実施形態を説明すると、ここでは、中国産天然
雌アコヤガイと韓国産天然雄アコヤガイを人口交配さ
せ、人口交配によって生まれた幼生を日本の環境水域で
養育し稚貝を養殖する。
【0016】後記の表1は、韓国産天然アコヤガイ、中
国産天然アコヤガイ、日本産天然アコヤガイの評価(良
否)を示したものである。アコヤガイの良否は、貝の全
体重量に対する貝肉の割合で評価し、貝肉割合が60%
以上なら優、50〜59%なら良、49%以下なら可と
して評価する。表1は無作為にサンプリングした各産地
の貝の評価(優、良、可)の割合を示している。
【0017】後記の表2は、韓国産天然アコヤガイ、中
国産天然アコヤガイ、日本産天然アコヤガイの健康度を
示す内蔵の強さを4段階の評価で示したものである。ア
コヤガイの内蔵の強弱は貝の内蔵のグリコゲンの量を測
定して4段階で評価し、グリコゲンの多いものから順
に、つまり内蔵の強いものから順に4、3、2、1と評
価する。
【0018】この表1、表2から、韓国産天然アコヤガ
イ及び中国産天然アコヤガイは、日本産天然アコヤガイ
に比べ、遥かに貝肉の割合が高い「優」のものが多く、
また、内蔵の強く健康度が高いものが多く、体力・体質
共に日本産天然アコヤガイより優れていることが明解に
分かる。このような体力・体質共に高い韓国産天然アコ
ヤガイと中国産天然アコヤガイを人口交配させ、その幼
生及び稚貝を日本の環境水域で養育することにより、日
本の環境水域でも生きられる強靭な体力と体質を持つア
コヤガイを養殖することができる。
【0019】人口交配を行う場合、まず、採卵する中国
産天然アコヤガイを、水温18〜24°Cの日本の環境
海水を入れた水槽に入れ、15日間飼育し、卵を成熟さ
せる。そして、熟成した中国産天然アコヤガイから卵を
人口採卵し、採取した卵をアンモニアを入れた容器に入
れ、約20分間静置する。一方、韓国産天然アコヤガイ
から精子を人口採取し、その精子を前記卵容器に移し、
人口交配させる。
【0020】次に、約24時間後、顕微鏡下において誕
生した幼生を観察し、D形形状を示す良品の幼生が約3
0〜50%存在する人口交配良品グループを抽出し、そ
れらを2000Lの水槽に1000万個〜1500万個
入れ、1日2食のプランクトンを与え、約50日間養育
し、稚貝を養殖する。
【0021】このように養殖されたアコヤガイの稚貝
は、従来と同じように、各地の稚貝養殖場に送られ、そ
こで、所定期間、真珠養殖の母貝となる大きさまで養殖
されるが、試験的に愛媛県と三重県の複数の稚貝養殖地
にこれらの稚貝を送り、平成9年の3月から10月まで
の約7ケ月間、それらを養育して母貝を養殖した。そし
て、それれら母貝のアコヤガイをランダムに1000個
抜き取り、それらの死亡率を日本産アコヤガイとの比較
により調査した結果を表3に示す。
【0022】この表3から、日本産天然アコヤガイ及び
人口交配の日本産アコヤガイは各養殖地でその死亡率が
48%〜58%であるのに対し、韓国産天然アコヤガイ
と中国産天然アコヤガイを人口交配させて得たアコヤガ
イの死亡率は、どの養殖地においても2%であった。
【0023】この平成9年の3月から10月までの試験
養殖期間においては、各養殖地で赤潮の発生や台風の通
過等があったが、そのような悪条件が重なったにも関ら
ず、人口交配のアコヤガイの死亡率が2%であったこと
から、韓国産天然アコヤガイと中国産天然アコヤガイを
人口交配させ、その幼生及び稚貝を日本の環境水域で養
育することにより、日本の環境水域でも生きられる強靭
な体力と体質を持つアコヤガイを養殖することができる
ことが証明された。
【0024】更に、このようにして人口交配して得た稚
貝を養殖して育てたアコヤガイの評価を行ったところ、
「優」が77%あり、また、グリコゲン評価値は、サン
プリング10個について4段階が7個、3段階が2個、
2段階が1個であり、体力・体質共に優れた母貝であっ
た。
【0025】なお、中国産天然アコヤガイ、韓国産天然
アコヤガイは、日本産アコヤガイに比べ少し小形であ
り、それらの人口交配によって得たアコヤガイもその傾
向を示すが、その差は僅かであって貝の中に核を挿入す
る作業は、日本産アコヤガイと同様に可能であり、真珠
養殖の母貝として充分に使用できるものである。
【0026】(第二の実施形態)次に、本発明の第二の
実施形態を説明すると、ここでは、中国産天然雌アコヤ
ガイと中国産天然雄アコヤガイを人口交配させ、人口交
配によって生まれた幼生を日本の環境水域で養育し稚貝
を養殖する。
【0027】人口交配を行う場合、まず、採卵する中国
産天然アコヤガイを、水温18〜24°Cの日本の環境
海水を入れた水槽に入れ、15日間飼育し、卵を成熟さ
せる。そして、熟成した中国産天然アコヤガイから卵を
人口採卵し、採取した卵をアンモニアを入れた容器に入
れ、約20分間静置する。一方、中国産天然アコヤガイ
から精子を人口採取し、その精子を前記卵容器に移し、
人口交配させる。
【0028】次に、約24時間後、顕微鏡下において誕
生した幼生を観察し、D形形状を示す良品の幼生が約3
0〜52%存在する人口交配良品グループを抽出し、そ
れらを2000Lの水槽に1000万個〜1500万個
入れ、1日2食のプランクトンを与え、約50日間養育
し、稚貝を養殖する。
【0029】このように養殖されたアコヤガイの稚貝
は、従来と同じように、各地の稚貝養殖場に送られ、そ
こで、所定期間、真珠養殖の母貝となる大きさまで養殖
されるが、試験的に愛媛県と三重県の複数の稚貝養殖地
にこれらの稚貝を送り、平成9年の3月から10月まで
の約7ケ月間、それらを養育して母貝を養殖した。そし
て、それれら母貝のアコヤガイをランダムに1000個
抜き取り、それらの死亡率を日本産アコヤガイとの比較
により調査した結果を表3に示す。
【0030】この表3から、日本産天然アコヤガイ及び
人口交配の日本産アコヤガイは各養殖地でその死亡率が
48%〜58%であるのに対し、中国産天然アコヤガイ
の雄と雌を人口交配させて得たアコヤガイの死亡率は、
どの養殖地においても2%であった。
【0031】この平成9年の3月から10月までの試験
養殖期間においては、各養殖地で赤潮の発生や台風の通
過等があったが、そのような悪条件が重なったにも関ら
ず、人口交配のアコヤガイの死亡率が2%であったこと
から、中国産天然アコヤガイの雌と雄を人口交配させ、
その幼生及び稚貝を日本の環境水域で養育することによ
り、日本の環境水域でも生きられる強靭な体力と体質を
持つアコヤガイを養殖することができることが証明され
た。
【0032】更に、このようにして人口交配して得た稚
貝を養殖して育てたアコヤガイの評価を行ったところ、
「優」が76%あり、また、グリコゲン評価値は、サン
プリング10個について4段階が7個、3段階が3個、
2段階以下が0個であり、体力・体質共に優れた母貝で
あった。
【0033】なお、中国産天然アコヤガイは、日本産ア
コヤガイに比べ少し小形であり、それらの人口交配によ
って得たアコヤガイもその傾向を示すが、その差は僅か
であって貝の中に核を挿入する作業は、日本産アコヤガ
イと同様に可能であり、真珠養殖の母貝として充分に使
用できるものである。
【0034】(第三の実施形態)次に、本発明の第三の
実施形態を説明すると、ここでは、韓国産天然雌アコヤ
ガイと韓国産天然雄アコヤガイを人口交配させ、人口交
配によって生まれた幼生を日本の環境水域で養育し稚貝
を養殖する。
【0035】人口交配を行う場合、まず、採卵する韓国
産天然アコヤガイを、水温18〜24°Cの日本の環境
海水を入れた水槽に入れ、15日間飼育し、卵を成熟さ
せる。そして、熟成した韓国産天然アコヤガイから卵を
人口採卵し、採取した卵をアンモニアを入れた容器に入
れ、約20分間静置する。一方、韓国産天然アコヤガイ
から精子を人口採取し、その精子を前記卵容器に移し、
人口交配させる。
【0036】次に、約24時間後、顕微鏡下において誕
生した幼生を観察し、D形形状を示す良品の幼生が約3
0〜52%存在する人口交配良品グループを抽出し、そ
れらを2000Lの水槽に1000万個〜1500万個
入れ、1日2食のプランクトンを与え、約50日間養育
し、稚貝を養殖する。
【0037】このように養殖されたアコヤガイの稚貝
は、従来と同じように、各地の稚貝養殖場に送られ、そ
こで、所定期間、真珠養殖の母貝となる大きさまで養殖
されるが、試験的に愛媛県と三重県の複数の稚貝養殖地
にこれらの稚貝を送り、平成9年の3月から10月まで
の約7ケ月間、それらを養育して母貝を養殖した。そし
て、それれら母貝のアコヤガイをランダムに1000個
抜き取り、それらの死亡率を日本産アコヤガイとの比較
により調査した結果を表4に示す。
【0038】この表4から、日本産天然アコヤガイ及び
人口交配の日本産アコヤガイは各養殖地でその死亡率が
48%〜58%であるのに対し、韓国産天然アコヤガイ
の雄と雌を人口交配させて得たアコヤガイの死亡率は、
どの養殖地においても2%であった。
【0039】この平成9年の3月から10月までの試験
養殖期間においては、各養殖地で赤潮の発生や台風の通
過等があったが、そのような悪条件が重なったにも関ら
ず、人口交配のアコヤガイの死亡率が2%であったこと
から、韓国産天然アコヤガイの雌と雄を人口交配させ、
その幼生及び稚貝を日本の環境水域で養育することによ
り、日本の環境水域でも生きられる強靭な体力と体質を
持つアコヤガイを養殖することができることが証明され
た。
【0040】更に、このようにして人口交配して得た稚
貝を養殖して育てたアコヤガイの評価を行ったところ、
「優」が82%あり、また、グリコゲン評価値は、サン
プリング10個について4段階が7個、3段階が2個、
2段階が1個であり、体力・体質共に優れた母貝であっ
た。
【0041】なお、韓国産天然アコヤガイは、日本産ア
コヤガイに比べ少し小形であり、それらの人口交配によ
って得たアコヤガイもその傾向を示すが、その差は僅か
であって貝の中に核を挿入する作業は、日本産アコヤガ
イと同様に可能であり、真珠養殖の母貝として充分に使
用できるものである。
【0042】(第四の実施形態)次に、本発明の第四の
実施形態を説明すると、ここでは、日本産天然雌アコヤ
ガイと韓国産天然雄アコヤガイを人口交配させ、人口交
配によって生まれた幼生を日本の環境水域で養育し稚貝
を養殖する。
【0043】人口交配を行う場合、まず、採卵する日本
産天然アコヤガイを、水温18〜24°Cの日本の環境
海水を入れた水槽に入れ、15日間飼育し、卵を成熟さ
せる。そして、熟成した日本産天然アコヤガイから卵を
人口採卵し、採取した卵をアンモニアを入れた容器に入
れ、約20分間静置する。一方、韓国産天然アコヤガイ
から精子を人口採取し、その精子を前記卵容器に移し、
人口交配させる。
【0044】次に、約24時間後、顕微鏡下において誕
生した幼生を観察し、D形形状を示す良品の幼生が約3
0〜52%存在する人口交配良品グループを抽出し、そ
れらを2000Lの水槽に1000万個〜1500万個
入れ、1日2食のプランクトンを与え、約50日間養育
し、稚貝を養殖する。
【0045】このように養殖されたアコヤガイの稚貝
は、従来と同じように、各地の稚貝養殖場に送られ、そ
こで、所定期間、真珠養殖の母貝となる大きさまで養殖
されるが、試験的に愛媛県と三重県の複数の稚貝養殖地
にこれらの稚貝を送り、平成9年の3月から10月まで
の約7ケ月間、それらを養育して母貝を養殖した。そし
て、それれら母貝のアコヤガイをランダムに1000個
抜き取り、それらの死亡率を日本産アコヤガイとの比較
により調査した結果を表4に示す。
【0046】この表4から、日本産天然アコヤガイ及び
人口交配の日本産アコヤガイは各養殖地でその死亡率が
48%〜58%であるのに対し、日本産天然雌アコヤガ
イと韓国産天然雄アコヤガイを人口交配させて得たアコ
ヤガイの死亡率は、どの養殖地においても2%であっ
た。
【0047】この平成9年の3月から10月までの試験
養殖期間においては、各養殖地で赤潮の発生や台風の通
過等があったが、そのような悪条件が重なったにも関ら
ず、人口交配のアコヤガイの死亡率が2%であったこと
から、日本産天然雌アコヤガイと韓国産天然雄アコヤガ
イを人口交配させ、その幼生及び稚貝を日本の環境水域
で養育することにより、日本の環境水域でも生きられる
強靭な体力と体質を持つアコヤガイを養殖することがで
きることが証明された。
【0048】更に、このようにして人口交配して得た稚
貝を養殖して育てたアコヤガイの評価を行ったところ、
「優」が75%あり、また、グリコゲン評価値は、サン
プリング10個について4段階が6個、3段階が4個、
2段階以下が0個であり、体力・体質共に優れた母貝で
あった。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアコヤガ
イの養殖方法によれば、日本の環境水域において、中国
産天然アコヤガイと韓国産天然アコヤガイを人口交配さ
せ、或は中国産天然アコヤガイと中国産天然アコヤガイ
を人口交配させ、或は韓国産天然アコヤガイと韓国産天
然アコヤガイを人口交配させ、或は日本産天然アコヤガ
イと韓国産天然アコヤガイを人口交配させ、人口交配に
よって生まれた幼生を日本の環境水域で養育し稚貝を養
殖するため、強靭な体力・体質を持ったアコヤガイの稚
貝を養殖することができ、現在の日本の悪い環境水域に
おいても繁殖を可能とし、真珠養殖用の母貝として充分
に養殖・生産することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 日本の環境水域において、中国産天然ア
    コヤガイと韓国産天然アコヤガイの卵子と精子を人口採
    取し、人口採取した該卵子と精子を合わせて人口交配さ
    せ、人口交配によって生まれた幼生を日本の環境水域で
    養育し稚貝を養殖することを特徴とするアコヤガイの養
    殖方法。
  2. 【請求項2】 日本の環境水域において、中国産天然ア
    コヤガイと中国産天然アコヤガイの卵子と精子を人口採
    取し、人口採取した該卵子と精子を合わせて人口交配さ
    せ、人口交配によって生まれた幼生を日本の環境水域で
    養育し稚貝を養殖することを特徴とするアコヤガイの養
    殖方法。
  3. 【請求項3】 日本の環境水域において、韓国産天然ア
    コヤガイと韓国産天然アコヤガイの卵子と精子を人口採
    取し、人口採取した該卵子と精子を合わせて人口交配さ
    せ、人口交配によって生まれた幼生を日本の環境水域で
    養育し稚貝を養殖することを特徴とするアコヤガイの養
    殖方法。
  4. 【請求項4】 日本の環境水域において、日本産天然ア
    コヤガイと韓国産天然アコヤガイの卵子と精子を人口採
    取し、人口採取した該卵子と精子を合わせて人口交配さ
    せ、人口交配によって生まれた幼生を日本の環境水域で
    養育し稚貝を養殖することを特徴とするアコヤガイの養
    殖方法。
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