JPH11224956A - 薄膜太陽電池およびその製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池およびその製造方法

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JPH11224956A
JPH11224956A JP10024906A JP2490698A JPH11224956A JP H11224956 A JPH11224956 A JP H11224956A JP 10024906 A JP10024906 A JP 10024906A JP 2490698 A JP2490698 A JP 2490698A JP H11224956 A JPH11224956 A JP H11224956A
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JP
Japan
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film
solar cell
semiconductor
thin
transparent conductive
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JP10024906A
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English (en)
Inventor
Shinichi Shimakawa
伸一 島川
Takayuki Negami
卓之 根上
Takahiro Wada
隆博 和田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/541CuInSe2 material PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜太陽電池を構成する各膜を分割する際の
熱による盛り上がりや溶融だれ、さらには膜質の劣化
を、膜分割のために照射するレーザの波長を適切なもの
とすることにより抑制する。さらには、この方法を利用
し、発電効率の観点から優れた構造を有する薄膜太陽電
池を提供する。 【解決手段】 絶縁性基板1上に形成した、金属膜2、
半導体接合層3および窓層4を有する半導体膜、ならび
に透明導電膜5を、それぞれNd:YAGレーザの高調
波であるレーザビームL1、L2およびL3を照射するこ
とにより分割する。各膜の分割部分は互いに重なり合わ
ないように順にずらして配置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜太陽電池とそ
の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは例えば
カルコパライト構造半導体を利用した化合物太陽電池の
モジュールとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のCuInSe2(CIS)薄膜太
陽電池モジュールの構造および製造方法については、例
えば、1995年第13回ヨーロッパ光起電力太陽エネルギー
会議論文集p1451〜p1455(13th European Photovoltaic
Solar Conference 1995 pp.1451-1455)に示されてい
る。このようなCIS薄膜太陽電池は、ユニットセルを
直列接続した構造を有しており、例えば、図3に示した
ように、絶縁性基板11上に、下部電極層12、CIS
薄膜とCdS薄膜とを接合したpn接合層13、窓層1
4、上部電極層15がこの順に形成されて太陽電池ユニ
ット(ユニットセル)が構成されており、pn接合層1
3および窓層14が除去されている部分において上部電
極層15が下部電極層12と接触することにより、隣接
するユニットセルが直列接続している。
【0003】図3に示したような薄膜太陽電池の製造方
法としては、フォトリソグラフィー法が用いられる。こ
の製造方法を図4を参照しながら以下に説明する。ま
ず、絶縁性基板11上に金属膜を形成して下部電極層1
2とする(図4(a))。この金属膜は例えばスパッタ
リング法により形成されるMo薄膜である。この下部電
極層12上にレジスト17aを所定のパターンに印刷
し、露光し、現像し、下部電極層12をエッチングする
(図4(b))。レジスト17aを除去し、洗浄および
乾燥工程を経て、パターン化された下部電極層12上に
pn接合層13を形成し、このpn接合層13上に窓層
14を形成する(図4(c))。pn接合層13は、例
えば蒸着法またはスパッタリング法により形成されるC
uInSe2薄膜と、さらにその上に成膜されるCdS
薄膜とを含む層である。また、窓層14は、例えばスパ
ッタリング法により形成されるZnO薄膜である。この
pn接合層13および窓層14からなる半導体膜を、下
部電極層12と同様の方法によりレジスト17bを用い
てエッチングしてパターン化する(図4(d))。レジ
スト17bを除去し、洗浄、乾燥した後に、パターン化
した半導体膜の上に透明導電膜を形成して上部電極層1
5とする。透明導電膜は、例えばスパッタリング法によ
り成膜されたITO薄膜である。上部電極層15は、上
記と同様のレジストを用いたエッチングによりパターン
化される。上部電極層15は、半導体膜がエッチングさ
れ除去された部分内において分割される(図4
(e))。
【0004】この方法は、工程数が多く大面積化に不利
であるため、近年、レーザスクライブ法が検討されてい
る。この方法は、各薄膜の分割をYAGレーザ(Nd:
YAGレーザ)基本波により行うものである。この方法
により形成された薄膜太陽電池においては、図5に示す
ように、薄膜太陽電池内の絶縁を確保するために短冊状
に分割された下部電極層12および半導体膜13、14
の端部に絶縁膜16が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のレーザスクライブ法は、赤外レーザであるYAGレ
ーザ基本波(波長1.06μm)の熱を利用して各薄膜
を加工するものであるため、各薄膜を短冊状に分割する
スクライブ溝に、図6に示すような熱による盛り上がり
18や溶融だれ19、さらには膜質の劣化が発生すると
いう問題があった。このようなレーザの熱に起因する問
題により、ユニット間の絶縁を絶縁膜16により確保す
る必要が生じ、さらには各薄膜の分割によりダメージを
受けた部分の比率が大きくなって、薄膜太陽電池の発電
効率が制限されることになっていた。
【0006】また、切削などの方法により薄膜を分割す
るメカニカルスクライブ法も検討されているが、この方
法には加工速度に制限があり、しかもダストが発生する
という問題もある。
【0007】本発明は、上記従来の技術が有する問題を
解決すべく、発電効率、生産効率の観点から優れた薄膜
太陽電池とその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、薄膜太陽電池
を製造する際の薄膜の分割方法を鋭意検討した結果完成
されたものであって、この分割方法を利用した薄膜太陽
電池の製造方法と、この分割方法を含む方法により製造
されうる薄膜太陽電池の構造とを提供するものである。
【0009】このような分割方法による本発明の第1の
薄膜太陽電池の製造方法は、絶縁性基板上に、短冊状に
分割された薄膜からなる2以上の太陽電池ユニットを前
記太陽電池ユニットが直列接続するように形成する薄膜
太陽電池の製造方法であって、前記絶縁性基板上に金属
膜を形成する工程と、前記金属膜を短冊状に分割する工
程と、前記金属膜上にpn接合を含む半導体接合層およ
び窓層を有する半導体膜を形成する工程と、前記半導体
膜を短冊状に分割する工程と、前記半導体膜上および前
記半導体膜が分割され前記金属膜が露出している部分に
透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜を短冊状
に分割する工程とを含み、前記金属膜、前記半導体膜お
よび前記透明導電膜を、レーザ結晶としてNd:YAG
(YAG:Y3Al512、イットリウム・アルミニウム
・ガーネット)またはNd:YVO4(ネオジウム添加
バナジウム酸イットリウム)を用いた固体レーザの高調
波を照射して分割することを特徴とする。
【0010】また、本発明の第2の薄膜太陽電池の製造
方法は、絶縁性基板上に、短冊状に分割された薄膜から
なる2以上の太陽電池ユニットを前記太陽電池ユニット
が直列接続するように形成する薄膜太陽電池の製造方法
であって、前記絶縁性基板上に金属膜を形成する工程
と、前記金属膜をレーザを照射することにより短冊状に
分割する工程と、前記金属膜上にpn接合を含む半導体
接合層および窓層を有する半導体膜を形成する工程と、
前記半導体膜をレーザを照射することにより短冊状に分
割する工程と、前記半導体膜上および前記半導体膜が分
割され前記金属膜が露出している部分に透明導電膜を形
成する工程と、前記透明導電膜をレーザを照射すること
により短冊状に分割する工程とを含み、前記半導体膜お
よび前記透明導電膜を、各々の膜が有するエネルギーギ
ャップ以上の光子エネルギーに対応する波長を有するレ
ーザーを照射して分割することを特徴とする。
【0011】このような薄膜太陽電池の製造方法とする
ことにより、Nd:YAGレーザの基本波を用いて各薄
膜を分割したときに生じるような熱に起因する問題を抑
制することができる。また、効率よく大面積の薄膜太陽
電池を製造することができる。
【0012】前記薄膜太陽電池の製造方法においては、
直列接続している前記太陽電池ユニット間を分割する、
前記金属膜、前記半導体膜および前記透明導電膜の分割
部分を、この順にずらして互いに重ならないように形成
することが好ましい。この好ましい例によれば、半導体
膜の分割部分を必要以上に拡大することなく、さらに発
電効率に優れた薄膜太陽電池を製造することができる。
【0013】また、本発明の薄膜太陽電池は、絶縁性基
板と、前記絶縁性基板上に短冊状に分割されて形成され
た金属膜と、半導体接合層および窓層を有する、前記金
属膜上に短冊状に分割されて形成された半導体膜と、前
記半導体膜上に短冊状に分割されて形成された透明導電
膜とを備え、前記短冊状の金属膜、半導体膜および透明
導電膜により、膜厚方向に太陽電池ユニットが構成さ
れ、前記金属膜と前記透明導電膜とが、前記半導体膜の
分割部分を通じて接触することにより、前記太陽電池ユ
ニットとこの太陽電池ユニットに隣接する太陽電池ユニ
ットとが直列接続している薄膜太陽電池であって、前記
半導体膜の分割部分が、前記透明導電膜の分割部分と前
記金属膜の分割部分との間において、前記両分割部分と
重ならないように形成されていることを特徴とする。
【0014】このような薄膜太陽電池とすることによ
り、発電に寄与する半導体膜の面積比率を高くして、発
電効率に優れた薄膜太陽電池とすることができる。この
薄膜太陽電池は、上記製造方法を適用することにより、
工業的に製造することができる。
【0015】前記薄膜太陽電池においては、前記金属
膜、前記半導体膜および前記透明導電膜から選ばれる少
なくとも1つの膜が、レーザ結晶としてNd:YAGま
たはNd:YVO4を用いた固体レーザの高調波により
分割されたものであることが好ましい。また、前記薄膜
太陽電池においては、具体的には、前記半導体接合層
が、カルコパイライト構造半導体層と、CdS層のよう
なIIb族元素およびVIb族元素を含む化合物半導体層との
pn接合を含み、前記窓層がZnO層であることが好ま
しい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の薄膜太陽電池お
よびその製造方法について具体的に説明する。本発明の
薄膜太陽電池の製造方法の好ましい例によれば、絶縁性
基板の上に成膜された、金属膜、半導体膜および透明導
電膜のいずれの膜を分割する際にも、従来よりも各膜に
対する吸収特性に優れたレーザが用いられる。従って、
熱による膜面の変形が生じにくくシャープな加工面が形
成される。このような製造方法の特徴を利用すれば、発
電効率に優れた薄膜太陽電池の上記構造が工業的に利用
可能となる。
【0017】このような薄膜太陽電池の例を図1に示
す。この薄膜太陽電池は、ガラス板などの絶縁性基板1
上に、Mo膜などの金属膜からなる下部電極層2、p型
半導体層とn型半導体層との接合を含む半導体接合層
3、ZnO膜などの窓層4、ITO膜などの透明導電膜
からなる上部電極層5が、この順に形成されてなるもの
である。上記各層はそれぞれ溝部により分断されてい
る。図1には示されていないが、この薄膜太陽電池に
は、複数の溝部が互いにほぼ平行に膜面内をスリット状
に伸長している。この溝部により、上記各層は互いに平
行に配列した短冊状態となるように分割され、このよう
に短冊状に分割された各層により、膜厚方向に1つのユ
ニットセルが構成されている。
【0018】図1に示したように、このユニットセル
は、上部電極が隣接する一方のユニットセルの下部電極
と電気的に接続してユニットセル間の直列接続を構成し
ている。また、ユニットセルの下部電極は、必要に応じ
て隣接する他方のユニットセルの上部電極と電気的に接
続している。このように、ユニットセルの直列接続は、
必要に応じて定められる所望の数のユニットセル間にお
いて順次構成される。この接続は、図1に示すように、
半導体膜の溝部に形成された上部電極が下部電極と接続
することにより確保されている。
【0019】図1に示した薄膜太陽電池は、図3および
図5に示したような従来の薄膜太陽電池と比較すれば明
らかなように、各層のスリット状分断部分の位置関係に
一つの特徴を有する。すなわち、従来型の薄膜太陽電池
と同様、下部電極層2の溝部と半導体膜3,4の溝部と
が重ならないように形成されているばかりではなく、上
部電極層5の溝部が半導体膜の溝部と重ならないよう
に、この溝部を挟んで下部電極の溝部と反対側に形成さ
れている。
【0020】各層を分断する溝部は、後述するように、
好ましくはNd:YAGレーザまたはNd:YVO4
ーザである、従来よりも高波長のレーザの照射により形
成されるものであって、シャープな加工面を有する。従
来の例を示す図5には単純化のため図示していないが、
従来のレーザの照射により各層を分割すると、実際には
程度の多少はあるものの図6に示したような熱による加
工面の変形が残存する。図1に示したような薄膜太陽電
池においては、このような変形の影響を実質的には考慮
しなくて済むために、例えば絶縁膜(図5参照)などの
膜を追加して形成する必要もない。このように、半導体
膜の溝部は、単にユニットセル間が短絡することなく、
上記直列接続に足る透明導電膜が成膜されるスペースが
確保されるだけの幅とすればよいから、各層の溝部の幅
は狭小化することができる。各溝部の幅は、例えば半導
体膜については10〜120μm程度が好ましい。
【0021】なお、各膜の膜厚は、特に限定されるもの
ではないが、金属膜については0.5〜2.0μm、p
n接合を含む半導体接合層については0.4〜4.0μ
m、窓層については0.01〜0.6μm、透明導電膜
については0.05〜1.0μmとすることが好まし
い。
【0022】半導体接合層におけるp型半導体としては
いわゆるI-III-VIb族半導体、例えばCuInSe2、C
uInS2のようなカルコパイライト構造半導体を用い
ることが好ましい。また、n型半導体としてはCdSの
ようなCd系II-VI族化合物、またはZnOやZnSの
ようなZn系II-VI族化合物を用いることが好ましい。
また、窓層にはZnOを用いることが好ましい。
【0023】図2は、本発明の薄膜太陽電池の製造方法
の例を示すものである。この製造方法を図2(a)〜
(f)に沿って説明する。
【0024】まず、絶縁性基板1上に、例えばスパッタ
リング法によってMo薄膜を成膜して金属膜とする(図
2(a))。次に、この金属膜をレーザビームL1を用
いたレーザスクライブ法により短冊状に分割する(図2
(b))。Mo薄膜のレーザに対する反射率は、波長
1.0μmで約60%、波長0.5μmで約50%であ
り、短波長になるほど反射率が小さくなって吸収率が向
上する。従って、レーザビームL1は、波長が0.6μ
m以下であることが好ましい。このレーザビームは、好
ましくはNd:YAGレーザの第2高調波、第3高調波
および第4高調波から選ばれる。このようにレーザビー
ムL1の波長を適切に選択することにより、形成される
スクライブ溝、およびこのスクライブ溝により分割され
る下部電極層2はシャープな断面形状を有するようにな
る。
【0025】次いで、下部電極2を覆うように、p型半
導体層として、例えばCuInSe 2薄膜を蒸着法また
はスパッタリング法により成膜する。さらにこのp型半
導体層上に、例えばCdS薄膜を化学析出法によりn型
半導体層として成膜することにより、pn接合を有する
半導体接合層3とする。この半導体接合層3の上に、例
えばZnO層を形成して窓層4とする(図2(c))。
【0026】このようにして形成された、半導体接合層
および窓層を含む半導体膜をレーザビームL2を照射し
て短冊状に分割する。レーザビームL2の照射による分
割位置は、レーザビームL1による分割位置の近傍であ
って両分割位置が重複しない位置とされる。上記のよう
に半導体膜が、ZnO/CdS/CuInSe2層であ
る場合には、レーザビームL2としては波長0.39μ
m以下のレーザが好ましい。CuInSe2膜のエネル
ギーギャップは約1.4eV、CdS膜は約2.5e
V、ZnO膜は約3.2eVであり、これらのエネルギ
ーギャップを超える光子エネルギーを有するレーザの波
長は約0.39μm以下だからである。従って、レーザ
の波長が0.39μm以下であればZnO/CdS/C
uInSe2層に十分吸収されるため、パターニングで
除去したスクライブ溝は盛り上がりなどの変形が少ない
ものとなり、また膜質の劣化が抑制される。例えばN
d:YAGレーザの第3高調波は波長0.355μmで
光子エネルギーが約3.5eV、第4高調波は波長0.
266μmで光子エネルギーが約4.7eVであるた
め、ZnO/CdS/CuInSe2層の加工に好適で
ある。
【0027】一方、波長が0.39μmを超えるレー
ザ、例えばNd:YAGレーザの第2高調波(波長0.
532μm)をレーザビームL2としてZnO/CdS
/CuInSe2層に照射すると、ZnO/CdS層を
透過して、CuInSe2層のみが加工される。第2高
調波であっても大きなパワーのレーザビームを照射すれ
ば加工可能であるが、基本波を用いた場合ほどではない
にしても熱による膜質の劣化や剥離などの問題が生じる
ことがある。
【0028】さらに続いて、例えばITO薄膜をスパッ
タリング法により成膜することにより、透明導電膜4と
する。ITO薄膜は半導体膜の分割部分にも形成され、
この分割部分を通じて下部電極層2と電気的に接続する
(図2(e))。
【0029】このITO薄膜は、レーザビームL3を用
いたレーザスクライブ法によるパターニングにより短冊
状に分割される。レーザビームL3の照射による分割位
置は、レーザビームL2による分割位置の近傍であって
レーザビームL1による分割位置とは反対側にずれた位
置とされる。レーザビームL3としては波長0.30μ
m以下のレーザが好ましい。ITO薄膜のエネルギーギ
ャップは約4.2eVであり、これを超える光子エネル
ギーを有するレーザの波長は約0.30μm以下だから
である。従って、レーザの波長が0.30μm以下であ
れば、ITO薄膜に十分吸収され、パターニングで除去
したスクライブ溝は盛り上がりが少ないものとなり、ま
た膜質の劣化が抑制される。Nd:YAGレーザの第4
高調波は波長0.266μmで光子エネルギーが約4.
7eVであるため、ITO薄膜に十分吸収され、選択的
に加工でき、シャープなスクライブ溝を実現できる。逆
に波長が0.30μm以下でないレーザを用いて分割す
る場合には、上記のような問題が生じうる。
【0030】なお、上記製造方法の説明では、レーザと
してNd:YAGレーザを例示したが、同様に、Nd:
YAGレーザと同じ発振波長(1.06μm)を有する
Nd:YVO4レーザの高調波を用いることもできる。
【0031】上記の方法に示したように、加工する膜の
特性に適合するレーザビーム、具体的には加工・除去す
る膜への吸収が高くなる波長のレーザビームを選択して
パターニングすることにより、膜の表面上でほとんどの
エネルギーが吸収されて下層膜へのダメージが少ない状
態で、膜を光化学反応により選択的に加工することがで
きる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
半導体膜の分割部分が、透明導電膜の分割部分と金属膜
の分割部分との間において、前記両分割部分と重ならな
いように形成されたことを特徴とする薄膜太陽電池とす
ることにより、発電効率に優れた構造を有する薄膜太陽
電池を提供することができる。
【0033】また、本発明によれば、このような薄膜太
陽電池を製造するに適した方法として、金属膜、半導体
薄膜および透明導電膜をレーザ結晶としてNd:YAG
またはNd:YVO4を用いた固体レーザの高調波を照
射して分割することを特徴とする製造方法、または半導
体膜および透明導電膜を各々の膜が有するエネルギーギ
ャップ以上の光子エネルギーに対応する波長を有するレ
ーザーを照射して分割することを特徴とする製造方法が
提供される。このような製造方法を適用することによ
り、レーザビームを照射する際の熱に起因する膜の盛り
上がりやだれといった変形、および膜質の劣化を抑制し
ながら、効率よく薄膜太陽電池を製造することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄膜太陽電池の例の断面構造を示す
図である。
【図2】 本発明の薄膜太陽電池の製造方法の例を断面
方向から示す図である。
【図3】 従来の薄膜太陽電池の例の断面構造を示す図
である。
【図4】 従来の薄膜太陽電池の製造方法の例を断面方
向から示す図である。
【図5】 従来の薄膜太陽電池の別の例の断面構造を示
す図である。
【図6】 レーザの照射による膜の変形を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1、11 絶縁性基板 2、12 下部電極層 3、13 半導体接合層 4、14 窓層 5、15 上部電極層 16 絶縁膜 17a、17b レジスト 18 盛り上がり部分 19 だれ部分

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板と、前記絶縁性基板上に短冊
    状に分割されて形成された金属膜と、半導体接合層およ
    び窓層を有する、前記金属膜上に短冊状に分割されて形
    成された半導体膜と、前記半導体膜上に短冊状に分割さ
    れて形成された透明導電膜とを備え、 前記短冊状の金属膜、半導体膜および透明導電膜によ
    り、膜厚方向に太陽電池ユニットが構成され、 前記金属膜と前記透明導電膜とが、前記半導体膜の分割
    部分を通じて接触することにより、前記太陽電池ユニッ
    トとこの太陽電池ユニットに隣接する太陽電池ユニット
    とが直列接続している薄膜太陽電池であって、 前記半導体膜の分割部分が、前記透明導電膜の分割部分
    と前記金属膜の分割部分との間において、前記両分割部
    分と重ならないように形成されていることを特徴とする
    薄膜太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記金属膜、前記半導体膜および前記透
    明導電膜から選ばれる少なくとも1つの膜が、レーザ結
    晶としてNd:YAGまたはNd:YVO4を用いた固
    体レーザの高調波により分割されたものである請求項1
    に記載の薄膜太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記半導体接合層が、カルコパイライト
    構造半導体層と、IIb族元素およびVIb族元素を含む化合
    物半導体層とのpn接合を含み、前記窓層がZnO層で
    ある請求項1または2に記載の薄膜太陽電池。
  4. 【請求項4】 絶縁性基板上に、短冊状に分割された薄
    膜からなる2以上の太陽電池ユニットを前記太陽電池ユ
    ニットが直列接続するように形成する薄膜太陽電池の製
    造方法であって、 前記絶縁性基板上に金属膜を形成する工程と、前記金属
    膜を短冊状に分割する工程と、前記金属膜上に半導体接
    合層および窓層を有する半導体膜を形成する工程と、前
    記半導体膜を短冊状に分割する工程と、前記半導体膜上
    および前記半導体膜が分割され前記金属膜が露出してい
    る部分に透明導電膜を形成する工程と、前記透明導電膜
    を短冊状に分割する工程とを含み、 前記金属膜、前記半導体膜および前記透明導電膜を、レ
    ーザ結晶としてNd:YAGまたはNd:YVO4を用
    いた固体レーザの高調波を照射して分割することを特徴
    とする薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 絶縁性基板上に、短冊状に分割された薄
    膜からなる2以上の太陽電池ユニットを前記太陽電池ユ
    ニットが直列接続するように形成する薄膜太陽電池の製
    造方法であって、 前記絶縁性基板上に金属膜を形成する工程と、前記金属
    膜をレーザを照射することにより短冊状に分割する工程
    と、前記金属膜上にpn接合を含む半導体接合層および
    窓層を有する半導体膜を形成する工程と、前記半導体膜
    をレーザを照射することにより短冊状に分割する工程
    と、前記半導体膜上および前記半導体膜が分割され前記
    金属膜が露出している部分に透明導電膜を形成する工程
    と、前記透明導電膜をレーザを照射することにより短冊
    状に分割する工程とを含み、 前記半導体膜および前記透明導電膜を、各々の膜が有す
    るエネルギーギャップ以上の光子エネルギーに対応する
    波長を有するレーザーを照射して分割することを特徴と
    する薄膜太陽電池の製造方法。
  6. 【請求項6】 直列接続している前記太陽電池ユニット
    間を分割する、前記金属膜、前記半導体薄膜および前記
    透明導電膜の分割部分を、この順にずらして互いに重な
    らないように形成する請求項4または5に記載の薄膜太
    陽電池の製造方法。
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