JPH11221198A - 生体磁気計測装置 - Google Patents

生体磁気計測装置

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JPH11221198A
JPH11221198A JP10025412A JP2541298A JPH11221198A JP H11221198 A JPH11221198 A JP H11221198A JP 10025412 A JP10025412 A JP 10025412A JP 2541298 A JP2541298 A JP 2541298A JP H11221198 A JPH11221198 A JP H11221198A
Authority
JP
Japan
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biomagnetism
information
specific position
magnetic sensor
interest
Prior art date
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Application number
JP10025412A
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English (en)
Inventor
Sadamu Tomita
定 冨田
Keisuke Toyama
敬介 外山
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Publication of JPH11221198A publication Critical patent/JPH11221198A/ja
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  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】被検体の関心部位内における特定位置に存在す
る生体活動電流の状態を正確に把握することができる生
体磁気計測装置を提供する。 【解決手段】 被検体の関心部位と各磁気センサとの位
置関係に基づいて、特定位置と各磁気センサとの間の伝
達関数を導出する(S1〜2)。伝達関数に基づいた行
列に所定値を加算した逆行列と、特定位置に設定された
生体活動電流によって仮想的に求まる仮想生体磁気情報
とから重み係数を算出する(S3)。生体磁気を計測し
て得た計測生体磁気情報にこの重み係数を重畳すること
で、特定位置からの生体磁気だけが強調された強調生体
磁気情報を算出する(S4〜6)。この強調生体磁気情
報に基づいて、特定位置に存在する生体活動電流の状態
を正確に把握することができる(S7)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被検体の関心部
位内の生体活動電流の状態を把握する生体磁気計測装置
に係り、特に、前記被検体の関心部位内の特定位置にお
ける生体活動電流の状態を正確に把握する技術に関す
る。
【0002】
【従来の技術】生体内に生じる生体活動電流に伴って微
小な生体磁気が生体から発生する。例えば、脳内の生体
活動電流に伴って発生する生体磁気は脳磁と呼ばれ、生
体に刺激を与えることにより発生する誘発脳磁や、α波
やてんかんのスパイク波のように脳から自然に発生する
自発脳磁などがある。
【0003】近年、生体内の微小な生体磁気を計測する
磁気センサとして、SQUID(Superconduc-ting Qua
ntum Interference Device:超電導量子干渉計)を用い
たマルチチャンネルSQUIDセンサが開発されてい
る。このマルチチャンネルSQUIDセンサは、デュア
ーと呼ばれる容器内に多数個の磁気センサを液体窒素な
どの冷媒に浸漬して収納している。この磁気センサは、
磁界を計測するコイル部と検出した磁界を電圧に変換す
るSQUIDセンサ部とから構成されている。
【0004】このマルチチャンネルSQUIDセンサを
被検体の関心部位である例えば頭部の外側に置き、脳内
に生じた生体活動電流から発生する微小な生体磁気をそ
のマルチチャンネルSQUIDセンサ内の各磁気センサ
で無侵襲に計測することができる。この計測された計測
生体磁気情報から被検体の関心部位の生体活動電流の発
生した位置や方向などの状態を把握することができる。
【0005】従来、被検体の関心部位内に発生した生体
活動電流の状態を把握するため次のように行われる。ま
ず、マルチチャンネルSQUIDセンサと被検体の関心
部位との位置関係を捉える。この位置関係を捉える手法
として、特開平5ー237065号、特開平6ー788
925号などの種々の手法がある。
【0006】次に、被検体の関心部位内の特定位置に流
れる生体活動電流から発生する微小磁界に基づく生体磁
気情報が、強調されるような重み係数を算出する。この
重み係数は、マルチチャンネルSQUIDセンサ内に収
納された磁気センサごとに算出される。この重み係数を
算出する手法として、S.E.Robinson,D.F.Rose,”Curren
t Source Image Estimation by Spatially Filtered MG
E" Biomaguetisum:Clinical aspects(1992) などの手法
がある。
【0007】被検体の関心部位からの生体磁気を計測し
て得た計測生体磁気情報と、特定位置からの生体磁気だ
けを強調する重み係数とのたたみ込み演算を行う。これ
によって、関心部位内の特定位置の生体活動電流から発
生した生体磁気だけが強調されるので、被検体の関心部
位内の任意の位置での生体活動電流の状態を把握するこ
とができる。
【0008】被検体の関心部位内の多数の位置につい
て、生体活動電流の状態を捉えれば、被検体の関心部位
全体に発生している生体活動電流の状態を把握すること
ができる。この生体活動電流を、MRI装置等で得られ
た被検体の関心部位の断層画像上に重ねて表示させるこ
とで、関心部位の断層画像上の生体活動電流の状態を把
握することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、従来の被検体の関心部位内の特定位置
に存在する生体活動電流からの生体磁気を強調するため
には、関心部位内の特定位置に設定されたδ関数で表さ
れる生体活動電流と、特定位置から各磁気センサまでを
磁界が伝達する伝達係数の総和とが等しくなるような、
伝達係数ごとに作用させる重み係数を求める必要があ
る。この重み係数を算出する際には、磁気センサごとの
伝達係数に基づく行列の逆行列と、特定位置にδ関数で
表される生体活動電流を設定した場合に各磁気センサで
仮想的に計測される仮想生体磁気情報とから算出する。
しかし、伝達係数に基づく行列の解が零に極めて近い場
合には、その逆行列の解が極端に大きくなる。この逆行
列に基づいて算出された重み係数が作用された計測生体
磁気情報は、その計測生体磁気情報に含まれるノイズま
でもが強調されたものとなるので、特定位置における生
体活動電流を正確に把握することができないという問題
がある。
【0010】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、計測された生体磁気情報に含まれる
ノイズに影響されることなく、被検体の関心部位内の特
定位置における生体活動電流の状態を、常に正確に求め
ることができる生体磁気計測装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、被検体の関心部位に近接
配備した複数個の磁気センサによって、前記被検体の関
心部位内に流れる生体活動電流に伴って発生する生体磁
気を計測し、この計測で得られた計測生体磁気情報に基
づいて、被検体の関心部位内に流れる生体活動電流の状
態を把握する生体磁気計測装置において、(a)前記各
磁気センサで各々得られた計測生体磁気情報を収集する
計測情報収集手段と、(b)前記被検体の関心部位内の
特定位置から磁気センサまでの間を磁界が伝達する度合
いを示す伝達関数に基づいて、磁気センサごとに伝達係
数を算出する伝達係数算出手段と、(c)前記伝達係数
算出手段によって算出された磁気センサごとの伝達係数
に基づいた、行列の各要素が2つの伝達係数から算出さ
れる値で表される行列に所定値を加算する所定値加算手
段と、(d)前記特定位置に既知の生体活動電流を設定
した際に前記各磁気センサで仮想的に計測される仮想生
体磁気情報と前記所定値を加算後の行列の逆行列とに基
づいて、前記特定位置から発生した生体磁気だけを強調
するための磁気センサごとの重み係数を算出する重み係
数算出手段と、(e)前記重み係数算出手段で算出され
た磁気センサごとの重み係数を、前記計測情報収集手段
によって収集された磁気センサごとの計測生体磁気情報
に作用させて、特定位置からの生体磁気が強調された、
磁気センサごとの強調生体磁気情報を算出する強調生体
磁気情報算出手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の生体磁気計測装置において、(c)前記所定値加算手
段は、前記計測生体磁気情報に含まれるノイズの大きさ
に応じた値を所定値として加算するものである。
【0013】〔作用〕請求項1に記載の発明の作用は次
のとおりである。被検体の関心部位に近接配備された複
数個の磁気センサは、被検体の関心部位内に生じた生体
活動電流から発生する生体磁気を検出する。計測情報収
集手段は、磁気センサごとに検出された生体磁気を計測
生体磁気情報として収集する。伝達係数算出手段は、ビ
オ・サバールの法則に基づいて関心部位内の特定位置と
磁気センサとの間で磁界が伝達する度合いを示す伝達関
数を導きだすとともに、この伝達関数に特定位置と各磁
気センサとの位置関係を代入して、伝達係数を算出す
る。所定値加算手段は、それぞれ組み合わされた2つの
伝達係数によって求まる値を各要素とする行列に、所定
の値を加算して、この行列の解を零よりもさらに離れた
値にする。重み係数算出手段は、関心部位内の特定位置
に既知の生体活動電流を設定した場合に各磁気センサで
仮想的に計測される仮想生体磁気情報と、前記行列の逆
行列とを算出するとともに、この仮想生体磁気情報と逆
行列とに基づいて、磁気センサごとの重み係数を算出す
る。強調生体磁気情報算出手段は、この重み係数を各計
測生体磁気情報に作用させることで、特定位置から発生
した生体磁気だけが強調された強調生体磁気情報を算出
する。この強調生体磁気情報に基づく生体活動電流も強
調された状態となるので、関心部位内の特定位置におけ
る生体活動電流を正確に把握することができる。
【0014】請求項2に記載の発明の作用は次のとおり
である。前記所定値加算手段は、生体磁気を計測したと
きに含まれるノイズの大きさに応じた値を所定値として
加算する。この所定値が加算された行列に基づいた重み
係数が作用された計測生体磁気情報は、前記ノイズの影
響を受けた分が緩和されるように強調される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
一実施例を説明する。図1は実施例に係る生体磁気計測
装置の概略構成を示すブロック図である。図中、符号1
1は磁気シールドルームであり、この磁気シールドルー
ム11内に被検体Mが仰臥されるベッド2と、被検体M
の関心部位である例えば頭部に近接配備され、頭部内に
生じた生体活動電流から発生する微小な生体磁気を無侵
襲に計測するためのm個の磁気センサS1 〜Sm をデュ
アー1a内に収納するマルチチャンネルSQUIDセン
サ1(以下、「磁束計1」と呼ぶ)とが設けられてい
る。
【0016】図3に示すように、磁束計1は、デュアー
1a内にm個の磁気センサS1 〜S m が液体窒素等の冷
媒に侵漬して収納されて構成されている。この磁気セン
サS 1 〜Sm は、磁界を検出するコイル部と検出した磁
界を電圧や電流などに変換する図示しないSQUIDセ
ンサ部とから構成されている。この磁気センサS1 〜S
m は、例えば3軸方向の磁界を正確に検出するため、3
つの磁気センサのコイル面が所定の角度で各々交わるよ
うに構成される、いわゆるベクトル型磁気センサであ
る。
【0017】磁気センサS1 〜S3 は、例えば、図4
(a)、(b)に示す構成となる。図4(a)は、フイ
ルムF上にそれぞれ電気的に絶縁分離して形成された3
つのコイル対31、32、33を備える。例えば、コイ
ル対31は、三角角関数で表される2つの導電パターン
31a、31bの両端を直線の導電パターンA、Bで接
続したもので、導電パターン31bに接続端子31cが
形成されている。他のコイル対32、33も同様に導電
パターン32a、32b、33a、33bで構成されて
いる。各コイル対31、32、33の導電パターンはそ
れぞれ横方向に(2/3)πaだけシフトして配置され
ている。ここで、符号aは後述するコイルボビンの半径
である。
【0018】3つのコイル対31、32、33が形成さ
れたフイルムFを、直線の導電パターンA、Bが近接す
るように、コイルボビンに巻き付け固定する。その状態
を図4(b)に示す。これにより、コイル対31の導電
パターン31aは検出コイルを、導電パターン31bは
補償コイルをそれぞれ形成し、各コイルは差動結合され
た状態になる。各コイル対31、32、33の端子31
c、32c、33cはSQUIDセンサ部に接続され
る。なお、この発明は、このコイル対に限定するもので
はなく、例えば、各コイル面が、それぞれ直交する構成
をするものを使用してもよい。
【0019】刺激装置4は、被検体Mに任意の電気的刺
激(あるいは音、光刺激など)を与え、被検体Mの関心
部位内に生体活動電流を発生させるためのものである。
この生体活動電流に伴って発生する微小磁界を計測生体
磁気情報として磁気センサS 1 〜Sm で個別に検出す
る。この計測生体磁気情報は、検出情報変換部5でデジ
タルデータに変換された後、計測情報収集部6に集めら
れる。計測情報収集部6は、本発明における計測情報収
集手段に相当する。
【0020】ポジショニング部3は、磁気センサS1
m と被検体Mの関心部位との位置関係を把握するため
の装置である。例えば、被検体Mの関心部位の複数箇所
に小コイルを取付け、これらの小コイルにポジショニン
グ部3から給電する。そして、各コイルから発生した磁
界を磁気センサS1 〜Sm で検出することでコイル位置
情報を得る。このコイル位置情報を解析することで、磁
気センサS1 〜Sm と被検体Mの関心部位との位置関係
を把握する。なお、磁気センサS1 〜Sm と被検体Mの
関心部位との位置関係を把握するための手法は、これ以
外に、光ビームを被検体Mに照射して両者の位置関係を
把握するものや、あるいは、特開平5ー237065
号、特開平6ー788925号などに開示された種々の
手法が用いられる。
【0021】演算処理部7は、被検体Mの関心部位と磁
気センサS1 〜Sm の位置関係に基づいて、重み係数を
算出するとともに、この重み係数をメモリ8に記憶す
る。この重み係数を磁気センサS1 〜Sm で検出された
計測生体磁気情報に与えることで、被検体Mの関心部位
内の特定位置での生体活動電流の方向と大きさ等の情報
を得る。また、これらの情報を被検体Mの関心部位の断
層画像等に重ねた画像や生体活動電流の方向と大きさを
示す図をカラーモニタ9に表示したり、あるいはカラー
プリンタ10に印刷出力する。なお、後述する動作説明
で明らかになるように、演算処理部7は、この発明にお
ける伝達係数算出手段、所定値加算手段、重み係数算出
手段、強調生体磁気情報算出手段に相当する機能を備え
る。
【0022】以下、生体磁気計測装置で行われる各部の
処理を図2のフローチャートを参照して説明する。 ステップS1(関心部位の位置を検出) まず、頭部に装着された図示しない複数個の小コイルに
ポジショニング部3から電流を供給する。そして、各小
コイルから発生した磁界を磁気センサS1 〜S m で検出
する。検出情報変換部5は、この検出された磁界をデジ
タル変換して、コイル位置情報として計測情報収集部6
に送る。
【0023】ステップS2(伝達関数を導出) 演算処理部7は、計測情報収集部6に送られてきたコイ
ル位置情報に基づいて、被検体Mと磁気センサS1 〜S
m との位置関係を求める。この位置関係を求める手法
は、従来と同様に最小自乗法を用いて算出することがで
きる。磁気センサS1 〜Sm と被検体Mとの位置関係が
求まると、演算処理部7は、例えば、図5に示すように
被検体Mの関心部位内における任意の位置を原点Oとす
る3次元の座標系を設定する。この座標系において、被
検体Mの関心部位内の例えば特定位置Px から発生した
生体磁気が磁気センサS1 〜Sm まで伝達する度合いを
示す伝達関数を導出する。
【0024】演算処理部7は、図5に示すように、原点
Oからの距離rの特定位置Px に生体活動電流が存在す
る場合に、特定位置Px から磁気センサSi までの間の
生体磁気の伝達の度合いを示す伝達関数Gi(r)を次のよ
うにして導出する。例えば、特定位置Px に生体活動電
流J(r) (J(r) は電流密度を示す)が存在する場合に
磁気センサSi で検出される生体磁気は、ビオ・サバー
ルの法則から次式(1)で表すことができる。
【0025】
【数1】
【0026】式(1)において、μ0 は真空中の透磁率
であり、ri は原点Oから磁気センサSi までの距離で
あり、ei は磁気センサSi のコイル面を通過する単位
法線ベクトルである。したがって、Bi は、i番目の磁
気センサで検出される磁束密度を示す。上記式(1)を
変形して次式(2)、(3)を導く。
【0027】
【数2】
【0028】式(2)に示すように、磁束密度Bi は、
生体活動電流J(r) とGi(r)との内積を積分した式で表
すことができる。上記式(3)で示すGi(r)が、特定位
置Px から磁気センサSi までの伝達関数である。ステ
ップS2は、本発明における伝達係数算出手段の機能に
相当する。なお、被検体Mの関心部位内の特定位置Px
の原点Oからの距離rや磁気センサS1 〜Sm までの距
離の具体的な数値を式(3)に示す伝達係数Gi(r)に代
入して算出した値が、本発明における、関心部位内の特
定位置から各磁気センサまでの伝達係数である。以下、
被検体Mの関心部位内の特定位置Px について、伝達関
数Gi(r)を用いて説明する。
【0029】ステップS3(重み係数算出式を導出) 被検体Mの関心部位全体からの生体磁気を計測して得た
計測生体磁気情報の中から、特定位置Px から発生した
生体磁気だけを強調できれば、関心部位内のあらゆる位
置に存在する生体活動電流の状態を正確に把握すること
ができる。つまり、特定位置Px から磁気センサS1
m にまで伝達してくる伝達関数Gi(r)に重み付けをす
れば、この伝達関数Gi(r)に基づいて伝達する生体磁気
が強調されることとなる。そこで、演算処理部7は、δ
関数(単位大きさの電流)で表される電流δ(r) を特定
位置Px に仮想的に設定する。さらに、この電流δ(r)
と、特定位置Px から磁気センサS1 〜Sm までの伝達
関数G1(r)〜Gm(r)の総和とを等しくするような重み係
数Wi を含む、次式(4)で表される評価関数fを設定
する。なお、この電流δ(r) を3軸方向の任意の方向に
設定することで、被検体Mの関心部位内に発生した生体
活動電流の任意の方向成分を強調することができる。
【0030】
【数3】
【0031】次に、この評価関数fを最小にするような
重み係数Wi を算出するために、式(4)を微分変形す
ることで、次式(5)に示す線形方程式を導き出す。
【0032】W=Γ-1B ・・・(5)
【0033】式(5)において、Wは重み係数Wi を要
素とする行列、Γ-1はΓij=∫Gi(r)Gj(r)dr3 を要素
とする行列、BはB=∫Gi(r)δ(r)dr3を要素とする行
列を示す。
【0034】演算処理部7は、予めオペレータによって
図示しない入力手段によって入力された、生体磁気を測
定するときに重畳するノイズに相当する値、例えば、λ
Iを上記式(4)のΓに加算する。λは入力されたノイ
ズの大きさを示し、Iは単位行列を示す。λIを加算後
の線形方程式を重み係数算出式Wとして次式(6)に示
す。
【0035】W=(Γ+λI)-1B ・・・(6)
【0036】上記値λIをΓに加算することで、行列Γ
の解が極めて零に近い値になる場合であっても、行列
(Γ+λI)の解は零よりも離れた値となる。つまり、
正則化された行列(Γ+λI)は、いわゆる行列の性質
が安定した状態となる。演算処理部7は、この重み係数
算出式Wをメモリ8に記憶する。ステップS3は、本発
明における所定値加算手段の機能に相当する。
【0037】ステップS4(生体磁気を計測) 演算処理部7は重み係数算出式Wの導出が終了すると、
刺激装置4に刺激開始の指示をする。刺激装置4は、被
検体Mに刺激を与えて、関心部位内に生体活動電流を生
じさせる。被検体Mの関心部位からは、この生体活動電
流に伴って微小磁界が発生する。検出情報変換部5は、
磁気センサS1 〜Sm で各々検出された生体磁気をデジ
タル変換後、計測生体磁気情報M1 〜Mm として計測情
報収集部6に送る。
【0038】ステップS5(重み係数を算出) 演算処理部7は、オペレータから予め指定されている被
検体Mの指定位置P1〜Pn の3次元座標上の位置を重
み係数算出式Wに代入して、各指定位置P1 〜Pn から
の生体磁気を強調するための重み係数を算出する。例え
ば、指定位置P1 については、各磁気センサS1 〜Sm
の計測生体磁気情報に重み付けをするための重み係数P
1W1 〜P1Wm が求まる。同様にして、指定位置P2 〜P
n についても重み係数P2W1 〜P2Wm ,…,PnW1 〜P
nWm が求まる。この重み係数をメモリ8に記憶する。ス
テップS5は、本発明における重み係数算出手段の機能
に相当する。
【0039】ステップS6(重み係数を重畳) 演算処理部7は、指定位置Pk(k=1 〜n)の重み係数PkW
1 〜PkWm をメモリ8から呼び出すとともに、この重み
係数PkW1 〜PkWm を、計測情報収集部6に収集された
計測生体磁気情報M1 〜Mm にそれぞれ重畳する。これ
によって、指定位置Pk からの生体磁気だけが強調され
た強調生体磁気情報DPk1 〜DPkm が求まる。さらに、
強調生体磁気情報DPk1 〜DPkm の総和を算出すること
で、指定位置Pk における強調された生体活動電流Dk
を算出することができる。ステップS6で行われる計算
は、次式(7)で表される。
【0040】Dk =Σ(PkWm ・Mm )・・・(7)
【0041】式(7)による強調生体磁気情報の算出を
指定位置P1 〜Pn について行うことで、各指定位置P
1 〜Pn での生体活動電流D1 〜Dn が求まる。ステッ
プS6は、本発明における強調生体磁気情報算出手段の
機能に相当する。
【0042】ステップS7(アローマップを表示) ステップS6で求められた生体活動電流D1 〜Dn は、
電流の向き及び大きさを持つベクトルとして扱うことが
できるので、被検体Mの関心部位内の指定位置P1 〜P
n に存在する生体活動電流として表示することができ
る。例えば、演算処理部7は、図6に示すように指定位
置P1 〜Pn を平面上に表示するとともに、各指定位置
P1 〜Pn にベクトル81を表示する、いわゆるアロー
マップ80をカラーモニタ9に表示したり、カラープリ
ンタ10に印刷出力する。
【0043】上述した手段で求められたアローマップを
観察することで、被検体Mの関心部位内の任意の位置で
の生体活動電流の向き、大きさの状態を正確に把握する
ことができる。また、被検体Mの関心部位の断層画像上
に重ねることで、断層画像上の生体活動電流の位置、向
き、大きさを把握することもできる。
【0044】この実施例は以下のように変形実施するこ
とが可能である。 (1)上記実施例では、3つの磁気センサのコイル面が
それぞれ所定の角度で交わるように構成されたベクトル
型磁気センサについて説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、例えば、各々の磁気センサのコイ
ル面が交わることなく配備されたものや、2つの磁気セ
ンサのコイル面が交わるように構成されたものでもよ
い。
【0045】(2)上述した式(6)では、所定値とし
て大きさλの単位行列をΓに加算した後、逆行列を計算
したが、例えば、所定値として大きさλの対象行列、い
わゆるペナルティ行列にすることもできる。
【0046】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、被検体の関心部位内の特定位置から
発生する生体磁気が、磁気センサまで伝達する度合いを
示す伝達関数によって、特定位置から磁気センサごとの
伝達係数を求める。これらの伝達係数に基づいた行列に
所定値を加算しているので、所定値を加算する前の行列
の解が極めて零に近い場合に、この行列の逆行列に基づ
く重み係数を作用させた計測生体磁気情報が、その計測
生体磁気情報に含まれるノイズまでもが強調されたよう
な不適切な値になるのを防止することができる。つま
り、特定位置から発生する生体磁気を強調するのに適切
な重み係数を常に求めることができる。その結果、この
重み係数によって重み付けされた強調計測生体磁気情報
によって、被検体の関心部位内の特定位置での生体活動
電流を常に正確に把握することができる。
【0047】また、請求項2の発明によれば、生体磁気
の計測時に含まれるノイズの大きさを所定値としている
ので、重み係数によって重み付けされた計測生体磁気情
報は、そのノイズの大きさ分だけが低減されたように強
調される。この強調計測生体磁気情報によって、被検体
の関心部位内の特定位置での生体活動電流を常により正
確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る生体磁気計測装置の概略構成を示
すブロック図である。
【図2】実施例で行われる処理手順を示すフローチャー
トである。
【図3】実施例の磁束計と被検体の関心部位との拡大を
示す概略構成拡大図である。
【図4】実施例の磁気センサのコイル部の構成を示す図
である。
【図5】各磁気センサと特定位置との関係を示す図であ
る。
【図6】実施例で表示されるアローマップを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 … 磁束計 1a… デュアー 3 … ポジショニング部 4 … 刺激装置 5 … 検出情報変換部 6 … 計測情報収集部 7 … 演算処理部 8 … メモリ M … 被検体 Si … 磁気センサ Px … 特定位置 ri-r … 特定位置から磁気センサまでの距離

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の関心部位に近接配備した複数個
    の磁気センサによって、前記被検体の関心部位内に流れ
    る生体活動電流に伴って発生する生体磁気を計測し、こ
    の計測で得られた計測生体磁気情報に基づいて、被検体
    の関心部位内に流れる生体活動電流の状態を把握する生
    体磁気計測装置において、(a)前記各磁気センサで各
    々得られた計測生体磁気情報を収集する計測情報収集手
    段と、(b)前記被検体の関心部位内の特定位置から磁
    気センサまでの間を磁界が伝達する度合いを示す伝達関
    数に基づいて、磁気センサごとに伝達係数を算出する伝
    達係数算出手段と、(c)前記伝達係数算出手段によっ
    て算出された磁気センサごとの伝達係数に基づいた、行
    列の各要素が2つの伝達係数から算出される値で表され
    る行列に所定値を加算する所定値加算手段と、(d)前
    記特定位置に既知の生体活動電流を設定した際に前記各
    磁気センサで仮想的に計測される仮想生体磁気情報と前
    記所定値を加算後の行列の逆行列とに基づいて、前記特
    定位置から発生した生体磁気だけを強調するための磁気
    センサごとの重み係数を算出する重み係数算出手段と、
    (e)前記重み係数算出手段で算出された磁気センサご
    との重み係数を、前記計測情報収集手段によって収集さ
    れた磁気センサごとの計測生体磁気情報に作用させて、
    特定位置からの生体磁気が強調された、磁気センサごと
    の強調生体磁気情報を算出する強調生体磁気情報算出手
    段とを備えたことを特徴とする生体磁気計測装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の生体磁気計測装置にお
    いて、(c)前記所定値加算手段は、前記計測生体磁気
    情報に含まれるノイズの大きさに応じた値を所定値とし
    て加算する生体磁気計測装置。
JP10025412A 1998-02-06 1998-02-06 生体磁気計測装置 Pending JPH11221198A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017176464A (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 株式会社日立ハイテクノロジーズ 磁界計測装置、磁界計測方法、磁界計測プログラム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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