JPH11219505A - 磁気ヘッド、磁気ヘッドの製造方法および回転ヘッドドラム組立体 - Google Patents

磁気ヘッド、磁気ヘッドの製造方法および回転ヘッドドラム組立体

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JPH11219505A
JPH11219505A JP2230998A JP2230998A JPH11219505A JP H11219505 A JPH11219505 A JP H11219505A JP 2230998 A JP2230998 A JP 2230998A JP 2230998 A JP2230998 A JP 2230998A JP H11219505 A JPH11219505 A JP H11219505A
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head
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JP2230998A
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English (en)
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豊明 ▲高▼安
Toyoaki Takayasu
Togo Nishiyama
東郷 西山
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 システムに適応した所望の形状の摺動面を形
成することにより安定した記録再生が可能な磁気ヘッド
を提供すること。 【解決手段】 磁気ヘッドの摺動面3が磁気記録媒体を
摺動する方向において連続して摺動幅5が変化すること
を特徴とする磁気ヘッドであって、レーザ加工により摺
動面3を所望の形状に加工することにより良好なテープ
タッチが確保できる磁気ヘッド構造を特徴とする。レー
ザ光によるアブレーション加工を用いることにより摺動
面3の全ての加工側面4bをヘッド面に対してほぼ直角
形状に形成することおよび加工の深さを一定に保って加
工することが可能となる。また、磁気記録再生システム
に適応した摺動面形状を選択しレーザ加工により所望の
形状を有する摺動面を形成することにより、より小型化
したシステムにおいても安定した記録再生が可能とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、VTR、DAT、
データストリーマ等の磁気記録再生システム等に用いて
好適な薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のVTRなどの磁気記録再生システ
ム等に使用される薄膜磁気ヘッドは刃物を用いた切断、
切削、研磨等の機械加工により所定の摺動幅を得てい
る。以下図5乃至図8にしたがって従来の薄膜磁気ヘッ
ドについて説明する。図5は一般的な薄膜磁気ヘッドの
斜視図、図6は図5とは異なる摺動面を有する他の薄膜
磁気ヘッドを母体から切り出す様子の斜視図、図7は一
般的な機械加工に使用するブレードの形状を示す断面
図、また図8は図7のブレードを用いた機械加工により
形成される一般的な摺動面の平面図である。
【0003】従来の機械加工による摺動幅加工はたとえ
ば特開平1−182907号に開示されている。摺動幅
加工は、磁気ヘッドの摺動面と磁気記録媒体との接触状
態を向上させ安定した記録および再生出力を得るために
行うものである。図7(a)に示す一定角度のテーパを
有するブレードを用いて機械加工により摺動面を形成し
た薄膜磁気ヘッドの斜視図を図5に示す。なお以下にお
いては磁気記録媒体を磁気記録テープを例として説明す
る。
【0004】VTRなどの磁気ヘッドと磁気テープとが
動的に接触し摺動する磁気記録再生システムにおいて
は、一般に磁気ヘッドと磁気テープとが良好な摺動状態
(以下テープタッチという。)を保つように、摺動面が
摺動方向に一定の曲率半径Rを有する曲面形状をなして
いる。そのため、かかる形状の磁気ヘッドをテーパを有
するブレードで機械加工を施すと、ヘッド本体1が取り
付けられた磁気ヘッド21中央部から両端に向かって摺
動幅25が漸次増大する構造を有し、摺動面の平面形状
は図8(a)に示すように楕円等の曲線をなす。
【0005】また、図7(b)に示すような矩形ブレー
ドによって機械加工を施した場合には図6に示すような
矩形の加工断面および直線状の加工底面を有し図8
(b)に示すような摺動面を備えた磁気ヘッドとなる。
すなわち摺動幅25および加工底面24aの高さは一定
であるが摺動面の高さはヘッド中央部で最大であり両端
に向かって漸次減少する構造を有する。なお、図6には
ヘッド基板8に支持され複数の磁気ヘッドを一体に形成
した磁気ヘッド22を示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年磁気ヘッドの小型
化、高密度化の要請に応じてより高い加工精度の摺動面
加工が求められている。
【0007】<摺動面加工の精度上の問題>しかしなが
ら機械加工では磁気ヘッドの小型化に伴う摺動面の小型
化に要求される加工精度を提供することが困難である。
すなわち、ブレードの位置制御の誤差、ブレードの摩耗
による切削面の形状の変化、さらに加工時の磁気ヘッド
の摺動面の高さのばらつき等が摺動幅および加工の深さ
の誤差を積極的に増大させ加工寸法の安定性を欠く要因
となっている。
【0008】その結果、テーパ付のブレード31による
加工の場合には特に摺動幅25の誤差が、また矩形状ブ
レードによる加工の場合には特に加工の深さの誤差が顕
著となり、場合によってはヘッド本体1内の薄膜コイル
の一部を切断することもありうる。たとえば、図6の磁
気ヘッド22のための加工試料を複数本同時に加工する
場合に、加工試料を横に配列して一時に加工する際には
試料の高さの差異が加工溝の変動要因となり、所望の摺
動幅を得るのはきわめて困難となる。かかる誤差要因は
ヘッド素子取り数に直接反映し量産性が低下するという
問題があった。
【0009】また、経時変化に対する磁気ヘッドの摩耗
等による安定性の問題がある。すなわち、テーパ付ブレ
ードによる加工を施した磁気ヘッド21の場合には、摺
動面の摩耗により摺動幅が徐々に広がっていくため安定
した記録および出力が得られなくなる。また矩形ブレー
ドによる加工を施した磁気ヘッドの場合には、摺動面の
摩耗により摺動幅の変化はないものの中央部に比べて両
端部の加工の深さが浅いため両端部における加工側面2
4bの加工の深さにより磁気ヘッドの寿命が制限される
という問題があった。さらに直線的な摺動幅加工しか行
えないために摺動面端部付近において摺動幅が急激に変
化することがあり、良好なテープタッチを確保すること
が困難なため、ダブルアジマス構造等では特に経時変化
を抑制し形状を維持することが困難であった。
【0010】<出力安定化のための摺動面形状に対する
要請>一方、磁気テープおよび磁気ヘッドの小型化にと
もなって摺動面における磁気テープの接触圧の不安定化
等に起因する再生出力の不安定性が顕著となることが知
られている。すなわち、磁気テープの小型化によってテ
ープ張力がたとえば数gf(重量グラム)程度に制限さ
れるとそれに対応して摺動面における磁気テープの接触
圧が減少し、安定した出力を得られにくいという問題が
あった。
【0011】従来の機械加工によって形成されうる摺動
面形状では、磁気テープの幅あるいは磁性材料、回転ヘ
ッドドラムのサイズあるいは形状等のシステムの構造に
よっては良好なテープタッチの確保が困難な場合があ
る。
【0012】たとえば、図9に示すようなVTR等で用
いられるヘリカルスキャンにおいて出力の不安定性を説
明すると、回転ヘッドドラム40は回転するアッパード
ラム41および固定されたロアードラム42とから構成
されている。磁気ヘッド43はアッパードラム41に装
着されてたとえば9000rpm程度で高速回転を行っ
ている。磁気テープは一定の速度で送り方向45に送ら
れながらテープガイド部(図示せず)によって回転ヘッ
ドドラム40に案内され、入口部47より回転ヘッドド
ラム40に接触し中央部48を経て出口部49において
回転ヘッドドラムから離反する。なお図では磁気テープ
が送られるテープパス44を示している。
【0013】ヘリカルスキャンの場合、図9に示すよう
に磁気テープの送り方向は回転ヘッドドラム40の回転
軸とは一定の角度を保持して接しており、磁気ヘッド4
3のヘッド本体(図示せず)が入口部付近から中央部を
経由して出口部付近までの回転角にわたって磁気テープ
上を接触掃引する結果、トラック上に情報が記録されま
た再生される。
【0014】回転ヘッドドラム40の磁気テープとの接
触面においてはテープ張力の変動、入口部での空気の取
り込みあるいは接触摩擦等に起因する接触圧の勾配ある
いはその時間的変動が生ずる結果、システムによっては
磁気ヘッド43のテープタッチが入口部47、中央部4
8、出口部49で異なるため記録、再生特性の不均一
性、不安定性の原因となる。記録および再生に同一の磁
気ヘッドを用いた場合には不安定性等の効果が二度強調
されることになりその影響はより重大である。
【0015】本発明者らはかかる観点より磁気ヘッドの
形態、サイズ等について実験検証を行った結果、磁気ヘ
ッドの記録、再生特性への影響が大きい原因部位が回転
ヘッドドラムの3つの角度領域、すなわち入口部47、
中央部48、および出力部49に分類されうるという知
見を得た。
【0016】そこで磁気テープと接触する摺動面の形状
の改善により出力の安定化を図ることが期待されたが、
従来の機械加工を用いた摺動面加工によって形成可能な
摺動面形状が限定されるため、任意の形状を有する摺動
面を具備した磁気ヘッドを製造することが困難な状況に
あった。
【0017】本発明は上記問題点を解決すべくなされた
ものであって、第1の目的は、摺動幅が磁気記録媒体の
表面を接触掃引する方向に自在に連続的に変化すること
を特徴とする磁気ヘッドを提供することにある。
【0018】第2の目的は、摺動幅を自在な形状に加工
することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法を提供する
ことにある。
【0019】さらに第3の目的は、自在な摺動幅を特徴
とする磁気ヘッドと磁気ヘッドを搭載した回転ヘッドド
ラムとを含んで構成されたことを特徴とする回転ヘッド
ドラム組立体を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記問題点を
解決するために以下の特徴を有する。すなわち、 (1)本発明の第1の特徴は、磁気記録媒体の表面を接
触掃引する方向において、摺動幅が漸次減少し該掃引方
向の該摺動幅終端部において最小となるか、該摺動幅が
漸次増大し該掃引方向の該摺動幅終端部において最大と
なるか、 該摺動幅が漸次増大し最大幅に至った後漸次
減少するかのいずれかであるかのごとく連続的に変化す
ることを特徴とする磁気ヘッドを提供できることであ
る。
【0021】(2)本発明の第2の特徴は、支持基板
と、該支持基板上のヘッド本体を内蔵した素子層と、該
素子層上の保護基板とからなる多層構造を形成する工程
と、該多層構造をレーザ加工により加工し、摺動幅を漸
次減少するか、該摺動幅を漸次増大するか、該摺動幅を
漸次増大し最大幅に至った後漸次減少するかのいずれか
の形状にする工程とを少なくとも有することを特徴とす
る磁気ヘッドの製造方法を提供できることである。
【0022】(3)本発明の第3の特徴は、磁気記録媒
体への接触掃引方向において、摺動幅が漸次減少し該掃
引方向の該摺動幅終端部において最小となるか、該摺動
幅が漸次増大し該掃引方向の該摺動幅終端部において最
大となるか、該摺動幅が漸次増大し最大幅に至った後漸
次減少するかのいずれかであるかのごとく連続して幅が
変化した磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを搭載した回転ヘ
ッドドラムとから少なくとも構成されたことを特徴とす
る回転ヘッドドラム組立体を提供できることである。
【0023】摺動面加工としてレーザ光によるアブレー
ション加工を用いることで、(1)摺動部の加工側面お
よび摺動部両端部をヘッド面に対してほぼ直角形状に形
成することが可能となり、(2)摺動面の高さが一様で
ない場合にも加工の深さを一定に保って加工することが
可能となるため、摺動面の摩耗等によっても摺動幅が変
化せずテープタッチを良好に維持することができる。
【0024】また、磁気記録再生システムの構造に適応
した摺動面形状を選択し、レーザ加工により所望の形状
を有する摺動面パターンを形成することにより、より小
型化したシステムにおいても安定した記録再生が可能な
磁気ヘッド、磁気ヘッド製造方法および回転ドラムヘッ
ド組立体を提供することが可能となる。
【0025】上記の加工手段および摺動面形状により、
あらゆる磁気記録再生システムに適応して良好なテープ
タッチが確保できる構造を有する磁気ヘッド、磁気ヘッ
ドを取りつけた回転ヘッドドラムおよび回転ヘッドドラ
ムを搭載した磁気記録再生システムを提供することがで
きる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の磁気ヘッドの実
施例について図面を参照して説明する。
【0027】図1は本発明の薄膜磁気ヘッドの形状を示
す斜視図、図2は本発明によるダブルアジマスヘッドの
平面図である。また、図3(a)〜(c)は本発明の磁
気ヘッド摺動幅形状の実施例である。図4は本発明のレ
ーザ加工の原理を示す概念図である。なお、従来技術に
よる磁気ヘッドと同一の部分に関しては同一の符号を用
いている。
【0028】<レーザ光による摺動面加工>図1には本
発明のレーザ加工により摺動幅加工を施して形成した摺
動面を有する薄膜磁気ヘッド9の実施例を図示してい
る。
【0029】磁気ヘッドの製造工程は以下の通りであ
る。支持基板6a上にはヘッド本体1を内蔵した素子層
7を形成し、素子層7の上面の一部は保護基板6bで覆
い、素子層7と保護基板6bとを互いにガラス樹脂等の
接着剤で接着する。ヘッド本体1は薄膜コア部と薄膜コ
イル部を少なくとも有している。これら薄膜コア部や薄
膜コイル部は酸化膜等の保護膜で覆われて素子層7が形
成されている。このような工程によって構成された支持
基板6a、保護膜7、および保護基板6bとからなる多
層構造は、本発明のレーザ光によってアブレーション加
工が施されて摺動面が形成され図1に示すような形状の
磁気ヘッド9が完成される。
【0030】磁気ヘッド9の加工側面4bは摺動面3に
対しほぼ垂直の形状を有し、加工の深さすなわち加工側
面4bの高さが一定であって加工底面4aの曲面形状は
摺動面3と同じ形状を有する。また、摺動面3の平面形
状は、摺動幅5が摺動方向10の出口側(図の左方)に
おいて最大であり、磁気ヘッド本体1から入口側(図の
右方)にかけて漸次減少し入口側において最小となる。
【0031】なお、摺動方向10とは磁気テープ等の磁
気記録媒体に対して磁気ヘッドが接触掃引する向きを表
すものとし、回転ヘッドドラムに装着された磁気ヘッド
の場合には磁気テープの送りの速さに比べて回転ヘッド
ドラムの回転速度がきわめて大きいため、磁気ヘッドの
回転方向を摺動方向と見なしてよい。
【0032】本発明のヘッド摺動面はたとえば図4に示
すようなレーザ加工を用いた摺動幅加工によって実現す
る。すなわち、レーザ発振器11から発射したレーザ光
15は摺動加工用のマスク12を通過し、反射ミラー1
3で光路を変更し、レンズ14により集光されて、ステ
ージ16上に配置された加工試料17を加工する。
【0033】アブレーション加工にはたとえばエネルギ
ー効率およびエネルギー出力が高く、加工において周囲
に与える熱影響がきわめて小さいという特徴を有するエ
キシマレーザが用いられる。たとえばガスとしてフッ化
クリプトン(KrF)を使用した場合には波長λ=24
8nmの紫外光エキシマレーザ(パルス発振)によるア
ブレーション加工が行われる。
【0034】マスク12において、開口部分18および
開口部分18にはさまれた遮断部分19によって決定さ
れるマスクパターンの形状がレーザ光によって加工試料
17に転写されることにより、遮断部分19が摺動面と
して形成される。レーザ光15によるアブレーション加
工によれば、マスクパターン、加工時間、レーザ光強度
等の制御により、(1)任意の曲線形状を有する摺動面
が一回の加工工程で形成可能となり、(2)加工深さの
制御も容易である。
【0035】したがって、上面から一定量の研削をおこ
なうために、加工試料を複数本並べて加工した場合に
も、試料の高さの差異によらずに加工の深さを一様にす
ることができる。
【0036】また、磁気ヘッド9の加工側面4bとほぼ
直交する方向に段差を形成することも加工工程を付加す
ることなく容易に実現できるため、ヘッド本体1のギャ
ップ(図示せず)とほぼ同程度の加工深さを有する段差
を摺動部端部に形成することが可能となり、初期の良好
なテープタッチがより長く継続し、経時変化の少ない磁
気ヘッドを供給することができる。
【0037】そのため、高精度な加工、量産性に優れた
加工が可能になるばかりでなく、試料の加工側面および
摺動部端部においてヘッド本体のギャップ(図示せず)
とほぼ同程度の深さの段差を形成することも可能とな
り、良好なテープタッチを有する磁気ヘッドを提供する
ことが可能になる。
【0038】本発明はレーザ加工の上記2つの特徴を最
大限に発揮して、安定した出力を提供するための摺動面
形状を有する磁気ヘッドを提供するものである。なお、
従来の機械加工によって製造しうる摺動面形状が本発明
のレーザ加工によっても得られることはその構成および
制御手段から明らかである。
【0039】<摺動面形状>本発明者らは従来技術につ
いてすでに述べたように、磁気ヘッドの出力安定化のた
めの重要な改善要素として磁気ヘッドの摺動面形状に着
目した。
【0040】図9を用いて説明すると、アッパードラム
41に装着された磁気ヘッド43は回転方向46に高速
で回転しながら磁気テープの相応するトラックを含む面
上を摺動する。磁気テープ上を磁気ヘッド43が摺動す
るにあたって、その接触部分において張力変動、空気の
取り込み、あるいは接触摩擦等の複合要因に起因する接
触圧力の不均一性およびその変動によってテープタッチ
の不安定が生ずるが、前述したようにシステムによって
は摺動を開始する入力部47、中央部48、および摺動
が終了し磁気テープが離反する出口部49のそれぞれの
位置においてテープタッチの不安定具合が異なることを
見いだしている。
【0041】そこで、かかるテープタッチの不安定具合
を改善し出力の安定化を図るために、各テープタッチに
深く関わる複合要因を軽減するための実験、検討を行っ
た結果、摺動面形状が前述した複合要因を軽減し得る重
要な要素であることが明らかとなった。
【0042】すなわち、典型的ないくつかの磁気記録再
生システムについて、さまざまな摺動面形状を有する磁
気ヘッドをレーザ加工により製作し、出力特性を比較検
討したところ、従来技術の摺動幅加工では得られない摺
動面形状を有する磁気ヘッドの中に出力特性が改善され
安定した出力を提供する磁気ヘッドが見いだされた。
【0043】図3(a)〜(c)に本発明の摺動加工に
より得られ安定した出力特性が得られた磁気ヘッドの一
例についての摺動面形状を平面図で示す。図3(a)の
摺動面は摺動幅5が摺動方向10の出口(図の左方)側
の端部では最大幅で、ヘッド本体1、入口方向に漸次減
少し摺動幅が終端する入口側(図の右方)の端部で最小
幅となる形状を有している。図3(b)の摺動面は図3
(a)と同様の形状であるが摺動方向が逆であって摺動
幅が入口方向に漸次増大し摺動幅が終端する出口側の端
部で最大幅となる。また、図3(c)の摺動面はヘッド
本体1近傍で摺動幅が最大であり両端に向かって漸次減
少し両端において最小となる太鼓型の形状を有してい
る。
【0044】なお、上述した摺動面の形状はあくまで例
示であってこれらの形状の変形または任意の曲線形状を
有する摺動幅加工が可能であることはいうまでもない。
【0045】また、本実施例においては薄膜磁気ヘッド
について記述したが、通常のフェライトヘッドあるいは
メタル積層ヘッドでも同様の効果が得られる。さらに本
発明の範囲と精神から逸脱することなく多用な変形や変
更が可能であることを理解されたい。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、磁気ヘッドの摺動面を
任意の所望形状に形成することで、小さいテープ張力が
要求される場合であっても大きなテープ張力が要求され
る場合であっても、テープ張力に適応した最適な摺動面
形状が選択でき、良好なテープタッチを有する磁気ヘッ
ドを提供することができる。
【0047】また、本発明によれば、レーザ加工により
加工深さ方向において摺動面全体にわたり、ヘッド本体
のギャップ部とほぼ同程度の段差を形成し、所望の形状
を実現することが可能で、しかも高い量産効率を有した
磁気ヘッド製造方法を提供することができる。
【0048】さらに、本発明によれば、摺動面を任意の
所望形状に形成した磁気ヘッドを搭載した回転ドラムヘ
ッド組立体を磁気記録再生システムに使用することで、
種々のテープ張力が要求される磁気記録再生システムに
おいても、システム要求に適応した摺動面形状を有する
ことによって良好なテープタッチが確保できる回転ヘッ
ドドラム組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ヘッドの斜視図である。
【図2】本発明によるダブルアジマス磁気ヘッドの実施
例である。
【図3】(a)〜(c)本発明による磁気ヘッドの摺動
面形状の実施例である。
【図4】本発明のレーザ光による摺動面加工の概念図で
ある。
【図5】従来技術による磁気ヘッドの斜視図である。
【図6】従来技術による一体形成された磁気ヘッドの斜
視図である。
【図7】従来技術による機械加工のためのブレード断面
図である。
【図8】(a)、(b)従来技術による摺動面形状の平
面図である。
【図9】回転ヘッドドラムにおける磁気ヘッドの摺動動
作を表す概念図である。
【符号の説明】
1 ヘッド本体 2 摺動部端部 3 摺動面 4a、24a 加工底面 4b、24b 加工側面 5、25 摺動幅 6a 支持基板 6b 保護基板 7 素子層 8 ヘッド基板 9、21、22、43 薄膜磁気ヘッド 10 摺動方向 11 レーザ発振器 12 マスク 13 反射ミラー 14 レンズ 15 レーザ光 16 ステージ 17 加工試料 18 開口部分 19 遮断部分 20 加工面 30、31 ブレード 40 回転ヘッドドラム 41 アッパードラム 42 ロアードラム 44 テープパス 45 テープ送り方向 46 ドラム回転方向 47 入口部 48 中央部 49 出口部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドであって、 磁気記録媒体の表面を接触掃引する方向において、摺動
    幅が漸次減少し該掃引方向の該摺動幅終端部において最
    小となるか、 該摺動幅が漸次増大し該掃引方向の該摺動幅終端部にお
    いて最大となるか、 該摺動幅が漸次増大し最大幅に至った後漸次減少するか
    のいずれかであるかのごとく連続的に変化することを特
    徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 支持基板と、該支持基板上のヘッド本体
    を内蔵した素子層と、 該素子層上の保護基板とからなる多層構造を形成する工
    程と、 該多層構造をレーザ加工により加工し、 摺動幅を漸次減少するか、該摺動幅を漸次増大するか、
    該摺動幅を漸次増大し最大幅に至った後漸次減少するか
    のいずれかの形状にする工程とを少なくとも有すること
    を特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 磁気記録媒体への接触掃引方向におい
    て、摺動幅が漸次減少し該掃引方向の該摺動幅終端部に
    おいて最小となるか、該摺動幅が漸次増大し該掃引方向
    の該摺動幅終端部において最大となるか、該摺動幅が漸
    次増大し最大幅に至った後漸次減少するかのいずれかで
    あるかのごとく連続して幅が変化した磁気ヘッドと、 該磁気ヘッドを搭載した回転ヘッドドラムとから少なく
    とも構成されたことを特徴とする回転ヘッドドラム組立
    体。
JP2230998A 1998-02-03 1998-02-03 磁気ヘッド、磁気ヘッドの製造方法および回転ヘッドドラム組立体 Pending JPH11219505A (ja)

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