JPH11219200A - 遅延検出装置及び方法、並びに音声符号化装置及び方法 - Google Patents

遅延検出装置及び方法、並びに音声符号化装置及び方法

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JPH11219200A
JPH11219200A JP10034205A JP3420598A JPH11219200A JP H11219200 A JPH11219200 A JP H11219200A JP 10034205 A JP10034205 A JP 10034205A JP 3420598 A JP3420598 A JP 3420598A JP H11219200 A JPH11219200 A JP H11219200A
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delay
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input signal
detecting
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Akira Inoue
晃 井上
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイン波合成符号化の際等の位相情報の固定
遅延成分を正確かつ効率的に検出する。 【解決手段】 端子11からの音声信号に基づく入力信
号の位相情報を位相検出部12により検出し、この位相
情報を位相アンラップ処理部13に送って、位相情報の
不連続部分を位相の周期性に基づいて連続したものに変
換し、アンラップ処理されたデータを遅延計算処理部1
4に送って、位相の直線近似を行って遅延成分を求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイン波合成符号
化等における各高調波(ハーモニクス)成分の位相の固
定遅延成分を検出するための遅延検出装置及び方法、並
びにサイン波合成符号化等の音声符号化装置及び方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】オーディオ信号(音声信号や音響信号を
含む)の時間領域や周波数領域における統計的性質と人
間の聴感上の特性を利用して信号圧縮を行うような符号
化方法が種々知られている。この符号化方法としては、
大別して時間領域での符号化、周波数領域での符号化、
分析合成符号化等が挙げられる。
【0003】音声信号等の高能率符号化の例としては、
ハーモニック(Harmonic)符号化、MBE(Multiband
Excitation:マルチバンド励起)符号化等のサイン波分
析合成符号化(Sinusoidal Coding) や、SBC(Sub-
band Coding:帯域分割符号化)、LPC(Linear Predi
ctive Coding: 線形予測符号化)、あるいはDCT(離
散コサイン変換)、MDCT(モデファイドDCT)、
FFT(高速フーリエ変換)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、入力音声信
号に対して上記MBE符号化、ハーモニック符号化や、
STC(Sinusoidal Transform Coding) 等のサイン波
合成符号化(SinusoidalCoding) を用いるような、又
は、入力音声信号のLPC(線形予測符号化)残差に対
してこれらのサイン波合成符号化を用いるような音声高
能率符号化においては、分析合成の要素となる各サイン
波(ハーモニクス、高調波)の振幅、あるいはスペクト
ルエンベロープに関する情報を伝送しているが、位相に
ついては伝送しておらず、合成時に適宜に位相を算出し
ているのが実情である。
【0005】そのため、復号されて再生される音声波形
は、元の入力音声信号の波形と異なることになる、とい
う問題がある。すなわち、元の波形の波形再生を実現す
るためには、各ハーモニクス(高調波)成分の位相情報
をフレーム毎に検出して伝送することが必要とされる。
【0006】このようにフレーム間隔で検出された位相
情報を伝送する際には、各ハーモニクスの位相成分をそ
のまま伝送するのでは効率が悪くいため、位相を固定遅
延成分と、位相の微細構造成分とに分離することが好ま
しい。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、元の波形の波形再現性を実現するための
各ハーモニクスの位相情報の固定遅延成分を検出する遅
延検出装置及び方法、並びにこの遅延検出の技術を用い
たサイン波合成符号化等の音声符号化装置及び方法の提
供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る遅延検出装
置及び方法は、上述した課題を解決するために、音声信
号に基づく入力信号波形を時間軸上で1ピッチ周期分だ
け切り出し、切り出された1ピッチ周期分のサンプルに
対してFFT等の直交変換を施し、直交変換されたデー
タの実部と虚部とに基づいて上記入力信号の周波数領域
における位相情報を検出し、この位相情報を位相アンラ
ップ処理し、アンラップ処理されたデータを直線近似し
て遅延成分を求めることを特徴としている。
【0009】また、本発明は、上記特徴を有する遅延検
出を、サイン波合成符号化等の音声符号化に適用するこ
とを特徴としている。
【0010】ここで、上記入力信号波形としては、音声
信号波形そのもの、あるいは音声信号の短期予測残差の
信号波形を用いることができる。
【0011】また、上記切り出された波形データにゼロ
詰めを施して全体で2N サンプル(Nは整数、2N は上
記1ピッチ周期のサンプル数以上)として、直交変換す
ることが好ましく、この直交変換としては高速フーリエ
変換が好ましい。
【0012】さらに、上記位相検出は、上記直交変換手
段からのデータの実部と虚部とを用いて逆正接(ta
n-1) を求める計算により位相を求めることが好まし
い。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る遅延検出装置及び方
法は、例えばマルチバンド励起(MultibandExcitation:
MBE)符号化、サイン波変換符号化(Sinusoidal Tr
ansform Coding:STC)、ハーモニック符号化(Harmo
nic coding )等のサイン波合成符号化方式に適用され
るものであり、又はLPC(Linear Predictive Codin
g)残差に上記サイン波合成符号化を用いた符号化方式
に適用されるものである。
【0014】ここで、本発明の実施の形態の説明に先立
ち、本発明に係る遅延検出装置あるいは方法が適用され
る装置としてのサイン波分析合成符号化を行うような音
声符号化装置について説明する。
【0015】図1は、上述した遅延検出装置あるいは方
法が適用される音声符号化装置の具体例の概略構成を示
している。
【0016】図1の音声信号符号化装置は、入力信号に
対して、サイン波分析(sinusoidalanalysis )符号
化、例えばハーモニックコーディング(harmonic codin
g )を行う第1の符号化部110と、入力信号に対し
て、例えば合成による分析法を用いて最適ベクトルのク
ローズドループサーチによるベクトル量子化を用いた符
号励起線形予測(CELP)符号化を施す第2の符号化
部120とを有し、入力信号の有声音(V:Voiced)の
部分の符号化に第1の符号化部110を用い、入力信号
の無声音(UV:Unvoiced)の部分の符号化には第2の
符号化部120を用いるようにしている。本発明に係る
位相検出の実施の形態は、第1の符号化部110に対し
て適用されている。なお、図1の例では、入力音声信号
の短期予測残差例えばLPC(線形予測符号化)残差を
求めた後に第1の符号化部110に送られるようにして
いる。
【0017】図1において、入力端子101に供給され
た音声信号は、LPC逆フィルタ131及びLPC分析
部132に送られ、また、第1の符号化部110のオー
プンループピッチサーチ部111にも送られる。LPC
分析部132は、入力信号波形の256サンプル程度の
長さ(分析長)を1ブロックとしてハミング窓をかけ
て、自己相関法により線形予測係数、いわゆるαパラメ
ータを求める。データ出力の単位となるフレーミングの
間隔は、160サンプル程度とする。ここで、入力音声
信号のサンプリング周波数fsが例えば8kHzのとき、
1フレーム間隔は160サンプルで20msec となる。
【0018】LPC分析部132からのαパラメータ
は、例えばα→LSP変換により線スペクトル対(LS
P)パラメータに変換される。これは、直接型のフィル
タ係数として求まったαパラメータを、例えば10個、
すなわち5対のLSPパラメータに変換する。変換は例
えばニュートン−ラプソン法等を用いて行う。このLS
Pパラメータに変換するのは、αパラメータよりも補間
特性に優れているからである。このLSPパラメータ
は、LSP量子化器133によりマトリクスあるいはベ
クトル量子化される。このとき、フレーム間差分をとっ
てからベクトル量子化してもよく、複数フレーム分をま
とめてマトリクス量子化してもよい。ここでは、20m
sec を1フレームとし、20msec 毎に算出されるLS
Pパラメータを2フレーム分まとめて、マトリクス量子
化及びベクトル量子化している。
【0019】このLSP量子化器133からの量子化出
力、すなわちLSP量子化のインデクスは、端子102
を介して取り出され、また量子化済みのLSPベクトル
は、例えばLSP補間やLSP→α変換を介してLPC
のαパラメータとされて、LPC逆フィルタ131や、
後述する第2の符号化部120の聴覚重み付きのLPC
合成フィルタ122及び聴覚重み付けフィルタ125に
送られる。
【0020】また、LPC分析部132からのαパラメ
ータは、聴覚重み付けフィルタ算出部134に送られて
聴覚重み付けのためのデータが求められ、この重み付け
データが後述する聴覚重み付きのベクトル量子化器11
6と、第2の符号化部120の聴覚重み付きのLPC合
成フィルタ122及び聴覚重み付けフィルタ125とに
送られる。
【0021】LPC逆フィルタ131では、上記αパラ
メータを用いて、入力音声信号の線形予測残差(LPC
残差)を取り出すような逆フィルタリング処理を行って
いる。このLPC逆フィルタ131からの出力は、サイ
ン波分析符号化、具体的には例えばハーモニック符号化
を行う第1の符号化部110の、DFT(離散フーリエ
変換)回路等の直交変換部112及び位相検出部140
に送られる。
【0022】また、符号化部110のオープンループピ
ッチサーチ部111には、上記入力端子101からの入
力音声信号が供給されている。オープンループピッチサ
ーチ部111では、入力信号のLPC残差をとってオー
プンループによる比較的ラフなピッチのサーチが行わ
れ、抽出された粗ピッチデータは高精度ピッチサーチ部
113に送られて、後述するようなクローズドループに
よる高精度のピッチサーチ(ピッチのファインサーチ)
が行われる。また、オープンループピッチサーチ部11
1からは、上記粗ピッチデータと共にLPC残差の自己
相関の最大値をパワーで正規化した正規化自己相関最大
値r(p) が取り出され、V/UV(有声音/無声音)判
定部114に送られている。
【0023】直交変換部112では例えばDFT(離散
フーリエ変換)等の直交変換処理が施されて、時間軸上
のLPC残差が周波数軸上のスペクトル振幅データに変
換される。この直交変換部112からの出力は、高精度
ピッチサーチ部113及びスペクトル振幅あるいはエン
ベロープを評価するためのスペクトルエンベロープ評価
部115に送られる。
【0024】高精度(ファイン)ピッチサーチ部113
には、オープンループピッチサーチ部111で抽出され
た比較的ラフな粗ピッチデータと、直交変換部112に
より例えばDFTされた周波数軸上のデータとが供給さ
れている。この高精度ピッチサーチ部113では、上記
粗ピッチデータ値を中心に、0.2〜0.5きざみで±数サ
ンプルずつ振って、最適な小数点付き(フローティン
グ)のファインピッチデータの値へ追い込む。このとき
のファインサーチの手法として、いわゆる合成による分
析 (Analysis by Synthesis)法を用い、合成されたパワ
ースペクトルが原音のパワースペクトルに最も近くなる
ようにピッチを選んでいる。このようなクローズドルー
プによる高精度のピッチサーチ部146からのピッチデ
ータについては、スペクトルエンベロープ評価部11
5、位相検出部141、及び切換部107に送ってい
る。
【0025】スペクトルエンベロープ評価部115で
は、LPC残差の直交変換出力としてのスペクトル振幅
及びピッチに基づいて各ハーモニクスの大きさ及びその
集合であるスペクトルエンベロープが評価され、高精度
ピッチサーチ部113、V/UV(有声音/無声音)判
定部114及びスペクトルエンベロープ量子化部116
に送られる。スペクトルエンベロープ量子化部116と
しては、聴覚重み付きのベクトル量子化器が用いられ
る。
【0026】V/UV(有声音/無声音)判定部114
は、直交変換部112からの出力と、高精度ピッチサー
チ部113からの最適ピッチと、スペクトルエンベロー
プ評価部115からのスペクトル振幅データと、オープ
ンループピッチサーチ部111からの正規化自己相関最
大値r(p) とに基づいて、当該フレームのV/UV判定
が行われる。さらに、MBEの場合の各バンド毎のV/
UV判定結果の境界位置も当該フレームのV/UV判定
の一条件としてもよい。このV/UV判定部115から
の判定出力は、出力端子105を介して取り出される。
【0027】ところで、スペクトル評価部115の出力
部あるいはスペクトルエンベロープ量子化部116の入
力部には、データ数変換(一種のサンプリングレート変
換)部が設けられている。このデータ数変換部は、上記
ピッチに応じて周波数軸上での分割帯域数が異なり、デ
ータ数が異なることを考慮して、エンベロープの振幅デ
ータ|Am| を一定の個数にするためのものである。す
なわち、例えば有効帯域を3400kHzまでとすると、
この有効帯域が上記ピッチに応じて、8バンド〜63バ
ンドに分割されることになり、これらの各バンド毎に得
られる上記振幅データ|Am| の個数も8〜63と変化
することになる。このため上記データ数変換部で、この
可変個数の振幅データを一定個数、例えば44個、のデ
ータに変換している。
【0028】このスペクトルエンベロープ評価部115
の出力部あるいはスペクトルエンベロープ量子化部11
6の入力部に設けられたデータ数変換部からの上記一定
個数(例えば44個)の振幅データあるいはエンベロー
プデータが、スペクトルエンベロープ量子化部116に
より、所定個数、例えば44個のデータ毎にまとめられ
てベクトルとされ、重み付きベクトル量子化が施され
る。この重みは、聴覚重み付けフィルタ算出回路134
からの出力により与えられる。スペクトルエンベロープ
量子化部116からの上記エンベロープのインデクス
は、切換部107に送られる。
【0029】位相検出部141では、後述するようにサ
イン波分析合成符号化の各ハーモニクス(高調波)毎の
位相や位相の固定遅延成分等の位相情報を検出し、この
位相情報を位相量子化部142に送って量子化し、量子
化された位相データを切換部107に送っている。
【0030】切換部107は、V/UV判定部115か
らのV/UV判定出力に応じて、第1の符号化部110
のピッチ、スペクトルエンベロープのベクトル量子化イ
ンデクス、位相の各データと、第2の符号化部120か
らの後述するシェイプ、ゲインの各データとを切り換え
て、端子103より出力する。
【0031】図1の第2の符号化部120は、この例で
はCELP(符号励起線形予測)符号化構成を有してお
り、雑音符号帳121からの出力を、重み付きの合成フ
ィルタ122により合成処理し、得られた重み付き音声
を減算器123に送り、入力端子101に供給された音
声信号を聴覚重み付けフィルタ125を介して得られた
音声との誤差を取り出し、この誤差を距離計算回路12
4に送って距離計算を行い、誤差が最小となるようなベ
クトルを雑音符号帳121でサーチするような、合成に
よる分析(Analysis by Synthesis )法を用いたクロー
ズドループサーチを用いた時間軸波形のベクトル量子化
を行っている。このCELP符号化は、上述したように
無声音部分の符号化に用いられており、雑音符号帳12
1からのUVデータとしてのコードブックインデクス
は、上記V/UV判定部115からのV/UV判定結果
が無声音(UV)のとき切り換えられる切換部107を
介して、出力端子107より取り出される。
【0032】次に、本発明に係る好ましい実施の形態に
ついて、以下に説明する。この本発明に係る遅延検出装
置及び方法の実施の形態は、上記図1に示した音声信号
符号化装置の位相検出部141に用いられるものである
が、これに限定されないことは勿論である。
【0033】先ず、図2は、本発明に係る好ましい実施
の形態となる遅延検出装置の概略構成を示すブロック図
である。
【0034】この図2において、入力端子11に供給さ
れる入力信号としては、ディジタル化した音声信号その
もの、あるいは上述した図1の例のLPC逆フィルタ1
31からの信号のようなディジタル音声信号の短期予測
残差信号(LPC残差信号)が用いられる。この入力信
号は、各高調波成分の位相情報を検出する位相検出部1
2に送られ、この位相検出部12からの位相情報が位相
アンラップ部13に送られる。位相アンラップ部13で
は、求められた位相情報の不連続部分を位相の周期性に
基づいて連続したものに変換して、遅延計算部14に送
る。遅延計算部14では、位相アンラップ部13からの
位相データを直線近似して遅延成分を求め、求められた
遅延成分を出力端子15に送っている。図2の入力端子
16には例えば上記図1の高精度ピッチサーチ部113
等からのピッチ情報が供給されており、このピッチ情報
は遅延計算部14及び重み計算部18に送られる。入力
端子17には、上記音声信号のLPC分析結果であるL
PC係数が供給されており、このLPC係数は、重み計
算部18に送られる。重み計算部18からの出力は遅延
計算部14に送られており、この遅延計算部14では、
位相アンラップ部13からの位相データに対して、上記
重み計算部18からのスペクトル振幅で重み付けされた
最小二乗直線近似を行い、求められた直線の1次係数を
遅延成分として端子15に出力する。
【0035】次に、図3は、上記図2の位相検出部12
の具体例の概略構成を示すブロック図である。
【0036】図3の入力端子20に供給される入力信号
は、上記図2の入力端子11に供給された信号、すなわ
ち声信号そのもの、あるいは短期予測残差信号(LPC
残差信号)である。この入力信号に対して、波形切り出
し部21により、1ピッチ周期分の波形信号を切り出し
ている。これは、図4に示すように、入力信号(音声信
号あるいはLPC残差信号)s(i) の分析ブロック中の
分析点(時刻)nから1ピッチ周期に相当するサンプル
数(ピッチラグ)pch を切り出す処理である。この図4
の例では、分析ブロック長を256サンプルとしている
が、これに限定されない。また、図4の横軸は分析ブロ
ック中の位置あるいは時刻をサンプル数で表しており、
上記分析点の位置あるいは時刻nは、分析開始からnサ
ンプル目であることを示している。
【0037】この切り出された1ピッチ分の波形信号に
対して、ゼロ詰め処理部22によりゼロ詰め処理が施さ
れる。これは図5に示すように、上記1ピッチラグ分の
pchサンプルの信号波形を先頭に配置し、信号長が2N
サンプル、この実施の形態では28 =256サンプルと
なるように、残りをゼロ詰めした信号列re(i) (ただ
し、0≦i<2N) を得る処理である。
【0038】
【数1】
【0039】次に、このゼロ詰めされた信号列re(i) を
実数部とし、虚数信号列im(i) として、 im(i) = 0 (0≦i<2N) を用い、FFT処理部23に送ることにより、これらの
実数信号列re(i) 及び虚数信号列im(i) に対して2N
イントのFFT(高速フーリエ変換)を実行する。
【0040】このFFTの実行結果に対して、tan-1
理部24によりtan-1 (逆正接)を計算して位相を求め
る。これは、FFTの実行結果の実数部をRe(i)、虚数
部をIm(i)とするとき、0≦i<2N-1 の成分が、周波
数軸上で0〜π(rad) の成分に相当することから、こ
の周波数軸上のω=0〜πの範囲の位相φ(ω)を、次の
(2)式により2N-1 ポイント求めるものである。求め
られた位相の具体例を図6の実線に示す。
【0041】
【数2】
【0042】このようにして求められた位相の固定遅延
成分、いわゆる群遅延特性τ(ω)は、位相微分を符号反
転したもの、すなわち、 τ(ω)=−dφ(ω)/dω (3) として定義される。ここで、上記(2)式のtan-1 を計
算して得られた位相は、図3の端子27を介して取り出
され、上記図2の位相アンラップ部13に送られる。な
お、上記各ハーモニクスの位相を求めるためには、tan
-1 処理部24からの位相を後述する補間処理部に送っ
て線形補間等の補間処理を行うことが必要である。
【0043】ところで、tan-1 処理部24から端子27
を介して取り出された位相の位相特性は、図6に示すよ
うに−πから+πまでの2πの区間内で定義されている
ため、−πを下回る値は+π側に折り畳まれて、あるい
はラップされて表れ、図6では不連続部分となってい
る。このような不連続部分があると微分できないので、
図2の位相アンラップ部13での位相アンラップ処理に
より連続したものに変換する。この位相アンラップ処理
については後述する。図7は、この位相アンラップ処理
がなされた位相の一例を示している。
【0044】次に、図2の重み計算部18による重みの
計算、及び遅延計算部14による遅延量の計算について
説明する。本実施の形態においては、入力音声信号のス
ペクトル振幅特性wt(ω)を0≦ω≦πの範囲で2N-1
ポイント求めて重みとしている。これは、例えば、P次
の線形予測係数(LPC係数)からスペクトル振幅特性
を計算することで求めることができる。すなわち、先
ず、P次のLPC逆フィルタ特性H(z)を次の(4)式
で求める。
【0045】
【数3】
【0046】次に、このP次のLPC逆フィルタ特性H
(z)の適当な長さのインパルス応答を求め、2N ポイン
トFFTを行うことで、0≦ω≦πの範囲で2N-1 ポイ
ントのFFT出力H(exp(-jω)) が求められる。その絶
対値、すなわち、 wt(ω) = |H(exp(-jω))| (5) をスペクトル振幅重みとする。このスペクトル振幅重み
wt(ω)の一例を図8に示している。
【0047】以上のようにして求められた2N-1 ポイン
トのアンラップ位相φ(ωi) 、及びスペクトル振幅重み
wt(ωi) 、すなわち、 ωi = iπ/(2N-1 (6) φi = φ(ωi) (7) wti = wt(ωi) (8) より、重み付け最小2乗法により、図9の波線に示すよ
うな直線近似位相 φ(ω) = −τω+φ0 (9) を求める。すなわち、次の(10)式を最小とするよう
なτ,φ0 を求める。
【0048】
【数4】
【0049】
【数5】
【0050】上記(11)式、(12)式が0となるよ
うな、すなわち、dε/dτ=0,dε/dφ0 =0と
なるようなτ,φ0 は、次の(13)式、(14)式の
ように求められる。
【0051】
【数6】
【0052】以上のようにして求められたτは、遅延サ
ンプル数となる。図10に示す1ピッチ波形の検出遅延
量DLの遅延サンプル数τは、例えば22.9(サンプ
ル)である。
【0053】ここで、上記位相アンラップ処理の具体例
を図11のフローチャートに示す。この図11におい
て、ステップS61,S63等におけるphase がアンラ
ップ前の位相であり、ステップS68におけるunwrap_p
haseがアンラップ処理された位相である。ステップS6
1では、ラップ数を表す変数wrap,位相を一時的に取り
込む変数pha0,サンプル番号を表す変数iをそれぞれ
0,phase(0),1に初期化しており、ステップS62か
らステップS69までで、位相の不連続を検出して2π
を順次減算することで、位相の連続性を保つ処理をiが
N-1 に達するまで繰り返し行っている。このアンラッ
プ処理により、図6の位相が図7に示すように連続した
ものに変換される。
【0054】次に、上記重み付き最小二乗直線近似にお
いて、ハーモニクス成分の位置のみのスペクトル振幅重
み及びアンラップ位相を用いる場合について説明する。
【0055】ピッチラグpch が既知であるので、基本周
波数(角周波数)ω0 は、 ω0 = 2π/pch (20) となる。周波数軸上のω=0〜πの範囲にハーモニクス
(高調波)がω0 間隔にM本並んでいる。このMは、M
= pch/2 となる。上記アンラップ処理により求めら
れた2N-1 ポイントのアンラップ位相φ(ωi) 、及びス
ペクトル振幅重みwt(ωi) により、各ハーモニクスに
おけるアンラップ位相、スペクトル重みを求める。すな
わち、 ωi = ω0×i (i=1,2,...,M) (21) φi = φ(ωi) (22) wti = wt(ωi) (23) これらのハーモニクス成分の情報のみで、上述と同様な
重み付き最小二乗直線近似を行って直線近似位相を求め
る。
【0056】次に、上記重み付き最小二乗直線近似にお
いて、音声信号の低域〜中域のスペクトル振幅重み及び
アンラップ位相を用いる場合について説明する。
【0057】これは、高域での検出位相情報にはあまり
信頼性がないことを考慮して、低域を取り出すための0
<β<1の実定数βにより、 0≦ωi≦β×π (24) のポイントのアンラップ位相φ(ωi) 、スペクトル振幅
重みwt(ωi) だけを使って、重み付き最小二乗直線近
似を行って直線近似位相を求める。
【0058】ここで、処理の対象となるポイント数M
は、各ハーモニクスのポイントで処理するか否かに応じ
て、次の(25)式、又は(26)式のようになる。
(26)式が各ハーモニクスのポイントで処理する場合
である。
【0059】
【数7】
【0060】以上説明したような遅延検出により、ある
時刻における音声信号などの周期信号の遅延成分を、位
相アンラップ、スペクトル重み付き最小二乗直線近似に
より、正確かつ効率的に行うことができる。ここで、初
めに得られたアンラップ位相特性から、重み付き最小二
乗直線近似により得られた直線位相特性を引いたものが
位相の微細構造を表すものである。すなわち、位相の微
細構造成分Δφ(ω)は、アンラップ位相φ(ω)、直線近
似位相特性(−τω+φ0) により、 Δφ(ω) = φ(ω)+τω−φ0 (27) により求められる。
【0061】例えば、サイン波合成のための各ハーモニ
クスの位相を伝送する場合には、位相を、固定遅延成分
と、位相の微細構造とに分離することが効率的である。
そこで、図12に示すように、位相アンラップ部13で
得られたアンラップ位相を遅延計算部14で計算すると
共に、上記アンラップ位相を補間処理部25に送って線
形補間等の補間処理を行うことにより各ハーモニクスの
位相を求め、減算回路26によりこの各ハーモニクスの
位相から上述した直線近似位相特性を減算して、位相の
微細構造成分を出力端子28より取り出している。な
お、この図12の他の部分は、上述した図2と同様であ
るため説明を省略する。
【0062】図13は、上述のようにして得られた位相
の微細構造成分Δφ(ω)の一例を示すものである。
【0063】次に、上述のようにして求められた位相情
報を用いてサイン波合成を行う場合の具体例について図
14を参照しながら説明する。ここでは、時刻n1から
2までのフレーム間隔L=n2−n1の時間波形をサイ
ン波合成(Sinusoidal合成)により再生する場合につい
て説明する。
【0064】時刻n1 のピッチラグがpch1(サンプ
ル)、時刻n2 のピッチラグがpch2(サンプル)である
とき、時刻n1,n2 のピッチ周波数ω12 (rad/サンフ゜
ル) は、それぞれ、 ω1 = 2π/pch1 ω2 = 2π/pch2 である。また、各ハーモニクス成分の振幅データを、時
刻n1 では、A11,A12,A13,...、時刻n2 では、
21,A22,A23,...とし、各ハーモニクス成分の位相デ
ータを時刻n1 では、φ111213,...、時刻n2
は、φ212223,...とする。
【0065】ピッチが連続している場合には、時刻n
(n1≦n≦n2)における第m番目のハーモニクス成分
の振幅は、時刻n1,n2 における振幅データの線形補間
によって、次の(28)式により得られる。
【0066】
【数8】
【0067】時刻n1,n2 の間でのm番目のハーモニク
ス成分の周波数変化を、次の(29)式で示すように、
(線形変化分)+(固定変動分)であると仮定する。
【0068】
【数9】
【0069】このとき、第m番目のハーモニクス成分の
時刻nにおける位相θm(n)(rad)は、次の(30)式
で表されるから、これを計算して(31)式が得られ
る。
【0070】
【数10】
【0071】よって、時刻n2 におけるm番目のハーモ
ニクスの位相φm2(rad) は、次の(34)式で表され
る。従って各ハーモニクス成分の周波数変化の変動分Δ
ωm(rad/サンフ゜ル) は、次の(35)式に示すようにな
る。
【0072】
【数11】
【0073】
【数12】
【0074】第m番目のハーモニクス成分について、時
刻n1,n2 における位相φm1m2が与えられているの
で、上記(35)式より、周波数変化の固定変動分Δω
m を求め、上記(32)式により各時刻nの位相θm
求まれば、第m番目のハーモニクスによる時間波形W
m(n)は、 Wm(n) = Am(n)cos(θm(n)) (n1≦n≦n2) (36) となる。このようにして得られた全てのハーモニクスに
関する時間波形の総和をとったものが、次の(37)
式、(38)式に示すように、合成波形V(n) となる。
【0075】
【数13】
【0076】次に、ピッチ不連続の場合について説明す
る。ピッチ不連続の場合は、周波数変化の連続性は考慮
せずに、時刻n1 より前向きにサイン波合成した次の
(39)式に示す波形V1(n)と、時刻n2 より後ろ向き
にサイン波合成した次の(40)式に示す波形V2(n)と
にそれぞれ窓をかけて重畳加算(overlap add) する。
【0077】
【数14】
【0078】
【数15】
【0079】以上説明したような遅延検出装置によれ
ば、ある時刻における音声信号などの周期信号の遅延成
分を、位相アンラップ、スペクトル重み付き最小二乗直
線近似により、正確かつ効率的に行うことができる。
【0080】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されるものではなく、例えば上記図1の構成について
は、各部をハードウェア的に記載しているが、いわゆる
DSP(ディジタル信号プロセッサ)等を用いてソフト
ウェアプログラムにより実現することも可能である。
【0081】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る遅延検出装置及び方法によれば、音声信号に基づ
く入力信号の位相情報を検出し、この位相情報を位相ア
ンラップ処理し、アンラップ処理されたデータを直線近
似して遅延成分を求めることにより、音声信号等の周期
信号の遅延成分を、正確かつ効率的に求めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遅延検出装置及び方法の実施の形
態が適用される音声符号化装置の一例の概略構成を示す
ブロック図である。
【図2】本発明に係る実施の形態となる遅延検出装置の
概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明に係る実施の形態に用いられる位相検出
部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】位相検出の対象となる入力信号の一例を示す波
形図である。
【図5】1ピッチ分の波形データにゼロ詰めを施した信
号の一例を示す波形図である。
【図6】検出された位相の一例を示す図である。
【図7】アンラップ処理された位相の一例を示す図であ
る。
【図8】音声信号のスペクトル重みの一例を示す図であ
る。
【図9】位相の最小二乗直線近似をして得られた直線近
似位相特性の一例を示す図である。
【図10】直線近似位相特性から求められた遅延の一例
を示す図である。
【図11】位相アンラップ処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図12】位相の固定遅延成分と微細構造とを求める構
成の一例を示すブロック図である。
【図13】位相の微細構造の一例を示す図である。
【図14】位相情報が得られたときのサイン波合成の一
例を説明するための図である。
【符号の説明】
12 位相検出部、 13 位相アンラップ処理部、
14 遅延計算処理部、 18 重み計算処理部、 2
1 波形切り出し部、 22 ゼロ詰め処理部、 23
FFT処理部、 24 tan-1部 、 25 補間処理
部、 110第1の符号化部、 111 オープンルー
プピッチサーチ部、 112 直交変換部、 113
高精度ピッチサーチ部、 114 V/UV判定部、
115スペクトルエンベロープ評価部、 116 スペ
クトルエンベロープ量子化部、 120 第2の符号化
部、 131 LPC逆フィルタ、 132 LPC分
析部、 133 LSP量子化部、 141 位相検出
部、 142 位相量子化部

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声信号に基づく入力信号の周波数領域
    における位相情報を検出する位相検出部と、 求められた位相情報の不連続部分を位相の周期性に基づ
    いて連続したものに変換する位相アンラップ手段と、 このアンラップ手段からの位相データを直線近似して遅
    延成分を求める遅延計算手段とを有することを特徴とす
    る遅延検出装置。
  2. 【請求項2】 上記入力信号は音声信号であることを特
    徴とする請求項1記載の遅延検出装置。
  3. 【請求項3】 上記入力信号は音声信号の短期予測残差
    信号であることを特徴とする請求項1記載の遅延検出装
    置。
  4. 【請求項4】 上記位相検出部は、 上記入力信号の信号波形を時間軸上で1ピッチ周期分だ
    け切り出す波形切り出し手段と、 切り出された1ピッチ周期分の波形データにゼロ詰めを
    施して全体で2N サンプル(Nは整数、2N は上記1ピ
    ッチ周期のサンプル数以上)とするゼロ詰め手段と、 このゼロ詰めされた波形データ対して直交変換を施す直
    交変換手段と、 この直交変換手段からのデータの実部と虚部とに基づい
    て上記入力信号の周波数領域における位相情報を検出す
    る位相検出手段とを有することを特徴とする請求項1記
    載の遅延検出装置。
  5. 【請求項5】 上記直交変換手段は、高速フーリエ変換
    回路であることを特徴とする請求項4記載の遅延検出装
    置。
  6. 【請求項6】 上記位相検出手段は、上記直交変換手段
    からのデータの実部と虚部とを用いて逆正接(tan-1
    を求める計算により位相を求めることを特徴とする請求
    項4記載の遅延検出装置。
  7. 【請求項7】 上記遅延計算手段は、上記位相アンラッ
    プ手段からの位相データに対して、上記音声信号のスペ
    クトル振幅で重み付けされた最小二乗直線近似を行い、
    求められた直線の1次係数を遅延成分として出力するこ
    とを特徴とする請求項1記載の遅延検出装置。
  8. 【請求項8】 上記遅延計算手段は、上記最小二乗直線
    近似において、上記音声信号の低域から中域までのスペ
    クトル振幅重みを用いて上記位相アンラップ手段からの
    位相データの直線近似を行うことを特徴とする請求項7
    記載の遅延検出装置。
  9. 【請求項9】 上記遅延計算手段は、上記位相アンラッ
    プ手段からの位相データに対して、各高調波成分の位相
    データを求め、上記音声信号の高調波成分の位置のみの
    スペクトル振幅で重み付けされた最小二乗直線近似を行
    い、求められた直線の1次係数を遅延成分として出力す
    ることを特徴とする請求項1記載の遅延検出装置。
  10. 【請求項10】 上記遅延計算手段は、上記最小二乗直
    線近似において、上記音声信号の低域から中域までの高
    調波成分の位置のみのスペクトル振幅重みを用いて、高
    調波成分のみの位相データの直線近似を行うことを特徴
    とする請求項9記載の遅延検出装置。
  11. 【請求項11】 音声信号に基づく入力信号の周波数領
    域における位相情報を検出する位相検出工程と、 求められた位相情報の不連続部分を位相の周期性に基づ
    いて連続したものに変換する位相アンラップ工程と、 このアンラップ工程により得られた位相データを直線近
    似して遅延成分を求める遅延計算工程とを有することを
    特徴とする遅延検出方法。
  12. 【請求項12】 上記位相検出工程は、 上記入力信号の信号波形を時間軸上で1ピッチ周期分だ
    け切り出す波形切り出し工程と、 切り出された1ピッチ周期分の波形データにゼロ詰めを
    施して全体で2N サンプル(Nは整数、2N は上記1ピ
    ッチ周期のサンプル数以上)とするゼロ詰め工程と、 このゼロ詰めされた波形データ対して直交変換を施す直
    交変換工程と、 この直交変換工程により得られたデータの実部と虚部と
    に基づいて上記入力信号の周波数領域における位相情報
    を検出する位相検出工程とを有することを特徴とする請
    求項11記載の遅延検出方法。
  13. 【請求項13】 上記遅延計算工程は、上記位相アンラ
    ップ手段からの位相データに対して、上記音声信号のス
    ペクトル振幅で重み付けされた最小二乗直線近似を行
    い、求められた直線の1次係数を遅延成分として出力す
    ることを特徴とする請求項11記載の遅延検出方法。
  14. 【請求項14】 音声信号に基づく入力信号を時間軸上
    でブロック単位で区分し、区分された各ブロック毎にピ
    ッチを求めると共に、各ブロック単位でサイン波分析合
    成符号化を施す音声符号化装置において、 上記入力信号の周波数領域における位相情報を検出する
    位相検出部と、 求められた位相情報の不連続部分を位相の周期性に基づ
    いて連続したものに変換する位相アンラップ手段と、 このアンラップ手段からの位相データを直線近似して遅
    延成分を求める遅延計算手段とを有することを特徴とす
    る音声符号化装置。
  15. 【請求項15】 上記入力信号は音声信号であることを
    特徴とする請求項14記載の音声符号化装置。
  16. 【請求項16】 上記入力信号は音声信号の短期予測残
    差信号であることを特徴とする請求項14記載の音声符
    号化装置。
  17. 【請求項17】 上記位相検出部は、 上記入力信号の信号波形を時間軸上で1ピッチ周期分だ
    け切り出す波形切り出し手段と、 切り出された1ピッチ周期分の波形データにゼロ詰めを
    施して全体で2N サンプル(Nは整数、2N は上記1ピ
    ッチ周期のサンプル数以上)とするゼロ詰め手段と、 このゼロ詰めされた波形データ対して直交変換を施す直
    交変換手段と、 この直交変換手段からのデータの実部と虚部とに基づい
    て上記入力信号の周波数領域における位相情報を検出す
    る位相検出手段とを有することを特徴とする請求項14
    記載の音声符号化装置。
  18. 【請求項18】 上記直交変換手段は、高速フーリエ変
    換回路であることを特徴とする請求項17記載の音声符
    号化装置。
  19. 【請求項19】 上記位相検出手段は、上記直交変換手
    段からのデータの実部と虚部とを用いて逆正接(ta
    n-1) を求める計算により位相を求めることを特徴とす
    る請求項17記載の音声符号化装置。
  20. 【請求項20】 上記遅延計算手段は、上記位相アンラ
    ップ手段からの位相データに対して、上記音声信号のス
    ペクトル振幅で重み付けされた最小二乗直線近似を行
    い、求められた直線の1次係数を遅延成分として出力す
    ることを特徴とする請求項14記載の音声符号化装置。
  21. 【請求項21】 上記遅延計算手段は、上記最小二乗直
    線近似において、上記音声信号の低域から中域までのス
    ペクトル振幅重みを用いて上記位相アンラップ手段から
    の位相データの直線近似を行うことを特徴とする請求項
    20記載の音声符号化装置。
  22. 【請求項22】 上記遅延計算手段は、上記位相アンラ
    ップ手段からの位相データに対して、各高調波成分の位
    相データを求め、上記音声信号の高調波成分の位置のみ
    のスペクトル振幅で重み付けされた最小二乗直線近似を
    行い、求められた直線の1次係数を遅延成分として出力
    することを特徴とする請求項14記載の音声符号化装
    置。
  23. 【請求項23】 上記遅延計算手段は、上記最小二乗直
    線近似において、上記音声信号の低域から中域までの高
    調波成分の位置のみのスペクトル振幅重みを用いて、高
    調波成分のみの位相データの直線近似を行うことを特徴
    とする請求項22記載の音声符号化装置。
  24. 【請求項24】 音声信号に基づく入力信号を時間軸上
    でブロック単位で区分し、区分された各ブロック毎にピ
    ッチを求めると共に、各ブロック単位でサイン波分析合
    成符号化を施す音声符号化方法において、 上記入力信号の周波数領域における位相情報を検出する
    位相検出工程と、 求められた位相情報の不連続部分を位相の周期性に基づ
    いて連続したものに変換する位相アンラップ工程と、 このアンラップ工程により得られた位相データを直線近
    似して遅延成分を求める遅延計算工程とを有することを
    特徴とする音声符号化方法。
  25. 【請求項25】 上記位相検出工程は、 上記入力信号の信号波形を時間軸上で1ピッチ周期分だ
    け切り出す波形切り出し工程と、 切り出された1ピッチ周期分の波形データにゼロ詰めを
    施して全体で2N サンプル(Nは整数、2N は上記1ピ
    ッチ周期のサンプル数以上)とするゼロ詰め工程と、 このゼロ詰めされた波形データ対して直交変換を施す直
    交変換工程と、 この直交変換工程により得られたデータの実部と虚部と
    に基づいて上記入力信号の周波数領域における位相情報
    を検出する位相検出工程とを有することを特徴とする請
    求項24記載の音声符号化方法。
  26. 【請求項26】 上記遅延計算工程は、上記位相アンラ
    ップ手段からの位相データに対して、上記音声信号のス
    ペクトル振幅で重み付けされた最小二乗直線近似を行
    い、求められた直線の1次係数を遅延成分として出力す
    ることを特徴とする請求項24記載の音声符号化方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002095731A1 (fr) * 2001-05-22 2002-11-28 Fujitsu Limited Processeur de signaux vocaux
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