JPH11218863A - 輻射線感受性乳剤及びそれを調製する方法 - Google Patents

輻射線感受性乳剤及びそれを調製する方法

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JPH11218863A
JPH11218863A JP10330487A JP33048798A JPH11218863A JP H11218863 A JPH11218863 A JP H11218863A JP 10330487 A JP10330487 A JP 10330487A JP 33048798 A JP33048798 A JP 33048798A JP H11218863 A JPH11218863 A JP H11218863A
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Yun C Chang
チェア チャン ヤン
Samuel Chen
チェン サミュエル
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    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/005Silver halide emulsions; Preparation thereof; Physical treatment thereof; Incorporation of additives therein
    • G03C1/0051Tabular grain emulsions
    • G03C1/0053Tabular grain emulsions with high content of silver chloride

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平板状粒子成長の原因となる結晶格子不規則
性を創出する新規且つ簡単な方法を用いた平板状粒子乳
剤を提供する。 【解決手段】 分散媒体及びハロゲン化銀粒子を含んで
なり、当該粒子は銀に基づいて50モル%超の塩化物を
含み、総粒子投影面積の少なくとも50モル%が{10
0}主面を有する平板状粒子によって占められている、
輻射線感受性乳剤であって、各平板状粒子がその核生成
部位において、当該核生成部位の銀に基づいて少なくと
も5モル%臭化物に達する最大臭化物濃度を有している
ことを特徴とする輻射線感受性乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は写真及び放射線写真
画像形成に有用な輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤及びそ
の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術を述べる前に、本明細書で用い
た用語を次のように定義する。二種類以上のハロゲン化
物を含有する粒子及び乳剤を引用する場合、濃度の昇順
にいう。粒子及び乳剤に関して用いる、「高塩化物」も
しくは「高臭化物」の用語は、塩化物もしくは臭化物
が、それぞれ総銀に基づいて50モル%超の濃度で存在
することを示す。「実質的にヨウ化物がない」の用語
は、銀に基づいて2モル%(好ましくは、1モル%)未
満のヨウ化物濃度をいう。「等価円直径」もしくは「E
CD」の用語は、ハロゲン化銀粒子と同じ投影面積をも
つ円の直径を示すのに用いる。
【0003】本明細書で用いる「変動係数」の用語は、
粒子ECDを平均粒子ECDで割り、100倍して10
0分率で表した標準偏差(σ)を示す。「アスペクト
比」は、粒子厚み(t)に対する粒子ECDの比であ
る。「平板状粒子」の用語は、他の結晶面よりも明らか
に大きな二つの平行な結晶面を有し、少なくとも2のア
スペクト比を有する粒子を示す。「平板状粒子乳剤」の
用語は、平板状粒子が総粒子投影面積の50%を超える
部分を占める乳剤をいう。
【0004】「{100}平板状」もしくは「{11
1}平板状」の用語は、平板状粒子及び平板状粒子乳剤
を引用するのに用いて、それぞれ、{100}結晶面も
しくは{111}結晶面にある主面を有する平板状粒子
を示す。平板状粒子乳剤の記述における「超薄」の用語
は、平均平板状粒子厚が0.07μm未満であるものを
示す。「結晶格子ひずみ場」の用語は、透過電子顕微鏡
で少なくとも一方の方向に見た場合に、密度増加を示す
結晶格子の局部をいう。
【0005】「酸化ゼラチン」の用語は、酸化剤で処理
してそのメチオニン含有率を30μモル/g未満に減ら
されているゼラチンをいう。「vAg」の用語は、4モ
ル濃度KCl塩橋での標準基準電極(室温で、4モル濃
度KClを用いるAg/AgCl)とAgBrコートさ
れたAgビレット指示電極との間の電位差(V)を示
す。「リサーチディスクロージャー(Research Disclos
ure )」は、Kenneth Mason Publications, Ltd., Dudl
ey Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO
10 7DQ, England によって出版されている。
【0006】平板状粒子乳剤を写真製品に導入したこと
による結果として、写真乳剤の顕著な性能改良が198
0年代に始まった。感度−粒状度関係の改良、被覆力の
増加(絶体基準、及びバインダー硬化の機能としての両
方)、より速い現像性、温度安定性の増加、画像形成感
度を与える固有の増感と分光増感の分離の増加、並びに
単一乳剤層及び複式乳剤層フォーマットの両方における
画像シャープネスの改良のような広範囲の写真的利点
が、平板状粒子乳剤によって提供されている。
【0007】提供される写真用途に従って種々の性能上
の利点を提供するように平板状粒子乳剤を選択すること
ができるが、当初、商業的な興味は、最小の粒状度で最
高に到達できる写真スピードを達成して、ヨウ臭化銀
{111}平板状粒子乳剤の商業的発展を生じることを
ねらっていた。
【0008】最近では、その興味はより迅速な処理及び
より環境に適合する高塩化物乳剤に展開されている。米
国特許第4,399,215号(Wey )及び同4,40
0,463号(Maskasky)明細書具体的に説明されてい
るように、最初の高塩化物平板状粒子乳剤は{111}
平板状粒子を含有していた。多くの高塩化物{111}
平板状粒子乳剤が次々と研究されたが、その商業的発展
は遅く、それは非平板状形態に戻る(即ち、形態的に不
安定)高塩化物{111}平板状粒子の傾向に起因して
いる。高塩化物{111}平板状粒子のこの戻り傾向
は、調製時に粒子表面に粒子成長改良剤を吸着させるこ
とによって克服される。残念なことに、粒子成長改良剤
は画像形成のための粒子の後(post)沈殿調製、特に、
化学増感及び分光増感を複雑にする。
【0009】Maskaskyの米国特許第5,292,632
号及び同5,275,930号では、最初に、高塩化物
{100}平板状粒子乳剤を用意することによって、高
塩化物{111}平板状粒子形態不安定を克服した。残
念なことに、Maskaskyも高塩化物{100}平板状粒子
乳剤を達成するのに粒子成長改良剤に頼っていた。
【0010】House 等の、米国特許第5,320,93
8号及びChang 等の米国特許第5,413,904号
は、粒子核生成時もしくはそれ近くで、少量のヨウ化物
を導入することによって高塩化物{100}平板状粒子
乳剤を生成することを可能にした。この方法は吸着され
る粒子成長改良剤の使用を避ける利点を有するが、塩化
銀の溶解度よりもヨウ化銀の溶解度が非常に小さい(お
およそ6桁の大きさの差)ので、バッチ間の沈殿の再現
性を達成するためには処理を慎重にコントロールする必
要がある。例えば、40℃で、AgClの−LogKSP
は9.2であるのに対してAgIの−LogKSPは1
5.2である(ここで、KSPは溶解度積定数である)。
言い換えると、AgIはAgClよりも100万倍溶解
し難い。
【0011】粒子核を形成するためにAgClを沈殿さ
せることによって、高塩化物{100}平板状粒子乳剤
を調製するもう一つの方法が始まる。この方法は沈殿を
中断して、粒子核上にハロゲン化物薄層体を形成する少
量の銀及び臭化物塩を導入する。その後、AgCl沈殿
を再開し、高塩化物{100}平板状粒子を形成する。
粒子核形成後の臭化銀の導入が、平板状粒子成長の原因
であるハロゲン化物ギャップを形成するといわれる。米
国特許第5,498,511号(Yamashita 等)明細書
には、このハロゲン化物ギャップの考えが十分に記載さ
れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】AgBr薄層体形成の
後、高塩化物沈殿に戻ることによるAgCl粒子核の改
良は相対的に複雑である。反応容器を、AgCl粒子核
形成の条件からAgBr薄層体形成に好ましい条件に調
節しなければならない。非常に限られた量AgBrを沈
殿させた後、高塩化物{100}平板状粒子成長の条件
を提供するように、反応容器を再度調製しなければなら
ない。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は高塩化物{10
0}平板状粒子乳剤の簡単な調製方法を発見したことに
基づいている。特に、平板状粒子成長の原因となる結晶
格子不規則性を創出する新規且つ簡単な方法が見出され
た。従来のハロゲン化物ギャップ沈殿におけるよりもさ
らに安定な出発粒子核を用い、粒子核の初期形成が起こ
った後、高塩化物{100}平板状粒子成長に好ましい
条件下で、その後の全ての粒子成長を行う。
【0014】一つの態様では、本発明は、分散媒体及び
総銀に基づいて50モル%超の塩化物を含むハロゲン化
銀粒子を含有し、総粒子投影面積の50モル超%が{1
00}主面を有する平板状粒子によって占められてい
る、輻射線感受性乳剤を調製する、核生成工程及び粒子
成長工程を含んでなる方法であって、(1)粒子核生成
工程で、(a)50モル%超臭化物を含有し、(b)当
該平板状粒子の厚みより小さい等価円直径を有し、そし
て(c)核生成工程及び成長工程時に導入される総銀の
最大5モル%までを提供する粒子核を形成し、そして
(2)粒子成長工程で、(a)25〜85℃の範囲の温
度、(b)3.5〜8.5の範囲のpH、及び(c)1
20〜200mVの範囲のvAgを維持しながら、前記
粒子核上に銀イオン及びハロゲン化物イオンを沈殿させ
て、{100}主面を有する平板状粒子を形成すること
を特徴とする方法に向けられている。
【0015】もう一つの態様では、本発明は、分散媒体
及びハロゲン化銀粒子を含んでなり、当該粒子は銀に基
づいて50モル%超の塩化物を含み、総粒子投影面積の
少なくとも50モル%が{100}主面を有する平板状
粒子によって占められている、輻射線感受性乳剤であっ
て、各平板状粒子がその核生成部位において、当該核生
成部位の銀に基づいて少なくとも5モル%臭化物に達す
る最大臭化物濃度を有していることを特徴とする輻射線
感受性乳剤に向けられている。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明によると、高塩化物{10
0}平板状粒子乳剤の調製は、その高塩化物{100}
平板状粒子の成長のための核としてはたらく粒子を含有
する通常の乳剤を用意することから始まる。本明細書で
はこの乳剤を、「出発乳剤」という。出発乳剤の粒子
は、以下に記載する特徴に適合する任意の適切な通常の
形態を取ることができる。出発粒子は銀に基づいて50
モル%超の臭化物を含有する。臭化物以外のハロゲン化
物はこの出発粒子に必須の成分ではない。従って、好ま
しい形態のひとつでは、出発粒子乳剤は臭化銀乳剤であ
る。塩化物は出発粒子に存在することができる。考えら
れる塩化物含量の最大は、銀に基づいて50モル%未満
である。塩化物が存在する場合は、出発粒子は塩臭化銀
粒子である。
【0017】出発粒子が塩化物を含むかどうかにかかわ
らず、出発粒子はさらにヨウ化物を含むことができる。
最大ヨウ化物含量は出発粒子の立方体結晶格子の溶解度
限界によって決定される。実際、銀に基づいて約20モ
ル%超ヨウ化物を含有するヨウ臭化銀粒子は少なく、通
常、ヨウ化物を銀に基づいて15モル%未満のヨウ化物
に制限することが好ましい。出発粒子は本発明に従う高
塩化物{100}平板状粒子の総銀のほんの僅かの比率
しか構成しないので、たとえ上記のような高ヨウ化物レ
ベルが出発粒子中に存在しても、当該平板状粒子の全体
のヨウ化物含有率は、総銀に基づいて2モル%より下に
なることができる。
【0018】出発粒子は平板状粒子の厚みより小さい平
均等価円直径(ECD)を示す。企図する高塩化物{1
00}平板状粒子乳剤の平板状粒子投影面積要件を満足
するために占有している{100}平板状粒子は、厚み
が0.3μm未満、好ましくは、0.2μm未満である
ので、出発粒子の平均ECDはこれらの値より小さい必
要がある。0.07μm未満の平均ECDの出発粒子を
用いると、超薄高塩化物{100}平板状粒子乳剤を調
製することができる。出発粒子乳剤としてリップマン乳
剤を用いることができる。しかし、出発粒子は最低でも
約0.05μmの平均ECDを有することが、通常、好
ましい。
【0019】出発粒子から高塩化物{100}平板状粒
子への段階的な粒子間のばらつきを避けるために、単分
散出発粒子乳剤を用いるのが好ましい。好ましくは、出
発粒子の変動係数(COV)は、25%未満であり、理
想的には、15%未満である。均一性を高めるために
は、出発粒子は、レギュラー粒子(即ち、例えば、双晶
面及び螺旋転位のような結晶格子積層欠陥等の結晶格子
不均一性を内部に持たない)であるのが好ましい。出発
粒子は、八面体、立方体、もしくは十四面体粒子である
のが好ましい。通常遭遇するようなそのエッジ及び/も
しくはコーナーが丸みを帯びた出発粒子は、出発粒子と
してのその実用性が落ちる。容認できる粒径均一性が維
持されている限りは、その熟成の範囲で出発粒子は球形
粒子形状に近づくことができる。
【0020】出発粒子乳剤を多種多様の従来の乳剤の中
から選択することができる。通常のレギュラー粒子乳剤
の概要はリサーチディスクロージャー(Research Discl
osure )、389 巻、1996年9 月、アイテム38957 、I、
乳剤粒子及びその調製、B.粒子形態、(4) 節に記載さ
れている。Maskaskyの米国特許第4,643,966
号、同4,680,254号、同4,680,255
号、同4,680,256号、同4,724,200号
各明細書には、同一の結晶学的平面にある全ての結晶面
を用いて作成できる7種類のレギュラー粒子が具体的に
記載されている。非常に好ましい出発粒子は高臭化物立
方体粒子であり、Bayleyの米国特許第5,558,98
1号明細書に教示されているように調製することができ
る。Bayleyの特許明細書に記載されているドーパント及
びヨウ化物は粒子の形態もしくは分散度を変えることな
く両方とも省略することができる。
【0021】結晶面の選定もしくは組合せによって形成
されるレギュラー粒子形状の種類は、米国特許第4,6
83,192号(西山)、同4,758,504号(大
家等)、同4,775,615号及び同5,106,7
25号(松崎等)、同4,818,674号(小川
等)、同4,820,624号(長谷部等)、同4,9
52,490号(高田等)、同5,002,865号
(Kumashiro 等)、同5,120,638号(Schmidt
等)、同5,405,738号(内田)、同5,42
0,005号(斎藤)、英国特許第2,038,792
号(Haugh 等)、ドイツ国OLS 4,137,501号
(Mifune等)、並びにEPO第0302528号明細書
に具体的に記載されている。
【0022】出発粒子乳剤を別個の反応容器(別の場所
で)もしくは同じ反応容器(現場で)で、高塩化物{1
00}平板状粒子として調製することができる。いずれ
の場合でも、出発粒子乳剤は平板状粒子成長工程を始め
る前に平板状粒子乳剤が形成される反応容器に存在す
る。
【0023】次の特許明細書(以下、「粒子成長特許明
細書」という)に記載されているような通常の手順に従
って、高塩化物{100}平板状粒子成長方法を行うこ
とができる:米国特許第5,320,938号(Houuse
等)、米国特許第5,652,089号(斎藤等)、米
国特許第5,264,337号(Maskasky)、米国特許
第5,498,518号(Brennecke )、米国特許第
5,413,904号(Chang 等)、米国特許第5,3
14,798号(Brust 等)、米国特許第5,457,
021号(Olm 等)、米国特許第5,498,511号
(山下等)、米国特許第5,593,821号(小山
田)、米国特許第5,654,133号(及川)、米国
特許第5,587,281号(斎藤等)、米国特許第
5,565,315号(山下)、米国特許第5,64
1,620号(山下等)、米国特許第5,652,08
8号(山下等)、米国特許第5,633,041号(Ch
ang 等)。
【0024】粒子核生成が完了した後に起きる、これら
の特許明細書の粒子成長手順の部分(即ち、添加される
銀及びハロゲン化物添加は存在している粒子上への成長
のみを生じる)を続けることができる。本発明の好まし
い手順によると、出発粒子乳剤を作成するか、もしくは
反応容器に入れる。出発粒子乳剤は、上記の出発粒子に
加えて、水及び解こう剤を含んだ水性分散体を含有す
る。このタイプの従来の解こう剤は、上記リサーチディ
スクロージャー、アイテム38957 、II.ベヒクル、ベ
ヒクル増量剤、ベヒクル様添加物及びベヒクル関連添加
物、A.ゼラチン及び親水性コロイド解こう剤、に開示
されている。解こう剤の量は、粒子を懸濁物に保持する
通常の量となることができ、最初に平板状粒子成長の終
わりに存在している総解こう剤の少なくとも10%を含
むのが好ましい。
【0025】各高塩化物{100}平板状粒子の成長に
少なくとも一つの種粒子の導入を容易にするのに十分な
濃度で、種粒子が存在する。好ましくは、種粒子が粒子
成長の終わりのところで容器に存在する総銀の0.01
(最適には、少なくとも0.1)モル%〜5(最適に
は、2)モル%を占める。粒子成長条件の好ましい範囲
は次の通りである:(a)25℃(最も好ましくは、3
5℃)〜85℃(最も好ましくは、80℃、最適には、
75℃)の範囲の温度、(b)3.5〜8.5の範囲
(最も好ましくは、4.5〜7.0)のpH、及び
(c)120(最も好ましくは、140、最適には、1
50)〜200(好ましくは、180)mVの範囲のv
Ag。
【0026】成長が排他的に種粒子上に生じるように、
成長工程時に導入する銀及びハロゲン化塩の速度を調節
する。言い換えれば、新たな粒子の形成を創出する(即
ち、再核生成レベル)速度より下に反応物添加を維持す
る。成長時に導入されるハロゲン化物は総銀(即ち、粒
子成長工程の最後のところで存在する銀)基づいて85
〜100モル%塩化物の範囲である。成長工程時に臭化
物もしくはヨウ化物のいずれかを導入する必要はない。
臭化物添加もヨウ化物添加も行わないのが好ましい。臭
化物添加は、総銀に基づいて最大15モル%までの範囲
となることができる。成長工程では実質的にヨウ化物添
加を行わないのが好ましい。ヨウ化物の封入は迅速処理
に対してはたらく(これは、高塩化物{100}平板状
粒子乳剤を開発する主たる誘因の一つである)。
【0027】上記のような核生成工程と成長工程の二つ
の工程のみを要することが、従来のハロゲン化物ギャッ
プ沈殿と比較した本発明の方法の利点である。ハロゲン
化物ギャッププロセスでは、粒子核生成と成長との間に
挿入される第三の沈殿フェーズを必要とする。さらに、
本発明は核生成時に銀に対して少なくとも45モル%の
臭化物を用いるのに対して、ハロゲン化物ギャッププロ
セスでは粒子核生成のための塩化銀を必要とする。
【0028】本発明のプロセスにおける相違が、平板状
粒子が新規な構造を示す高塩化物{100}平板状粒子
乳剤を生成する。具体的には、高塩化物{100}平板
状粒子は、それぞれ、粒子核生成の部位で測定できる最
大臭化物濃度を示す。粒子核生成の部位は透過電子顕微
鏡(TEM)で見ることができる。粒子成長が粒子核生
成のより高い臭化物部位から、粒子成長によって創出さ
れる平板状粒子の隣接する部位へ移動すると、TEM観
察時に目だった密度増加を生じる結晶格子ひずみ場が創
出される。各平板状粒子は結晶格子ひずみ場を示すが、
結晶格子ひずみ場を全て見るためには、粒子から粒子へ
と見る角度を変える必要がある。即ち、ある特定の角度
のところで平板状粒子群を見ると、いくつかの粒子だけ
が目に見える場を示す。見る角度を変えると、別の粒子
のひずみ場が見えるようになるが、元々観察されていた
ひずみ場のいくつかは見えなくなる。このように、粒子
中にあるひずみ場の位置を突き止めることは、種々の方
向から粒子を見ることを要する。
【0029】少なくとも45モル%臭化物を含有する出
発粒子の結晶格子間隔と、その出発粒子上で成長する高
塩化物{100}平板状粒子の部分の結晶格子間隔のず
れによって結晶格子ひずみ場が創出される。
【0030】図1、2、3及び4に、本発明の方法によ
って調製された高塩化物{100}平板状粒子を示す。
図1では、平板状粒子100(透過電子顕微鏡(TE
M)で見た場合)が、暗い(高密度)結晶格子ひずみ場
101を示すことが判る。分析電子顕微鏡(AEM)を
使って粒子を調べると、粒子内に見出される局部的な最
大臭化物濃度を示すひずみ場内にある核生成部位102
が明らかになる。独特な特徴は、核生成部位の臭化物イ
オン濃度が核生成部位の銀に基づいて5モル%超である
ことである。100〜500オングストローム(0.0
1〜0.05μm)のAEMスポットサイズを用いて観
察を行った。関心のある領域だけをねらうことが必要で
あるので、スポットサイズを小さい方に調節した。
【0031】図2に、通常見られるもう一つの結晶格子
ひずみ場を示す。TEMでこの高塩化物{100}平板
状粒子200を見ると、二つの高密度ループを示す。A
EMで調べると、核生成部位が一方のループにあること
が判るが、これは探査前は予想できない。
【0032】図3では、二つの結晶格子転位線301及
び302を有する、米国特許第5,665,530号
(小山田等)明細書に報告されていうタイプの高塩化物
{100}平板状粒子300を示す。転位線が始まって
いるところもしくは近くの粒子のコーナーのところで、
高密度結晶格子ひずみ場303が見られる。この粒子を
AEMで調べると、303のところで局部的最大臭化物
濃度を示した。本発明の方法で調製されるこのタイプの
粒子では、AEMで調べると、探査領域内の銀に基づい
て5モル%超の局部的な臭化物濃度を示す。
【0033】図4では、高密度結晶格子ひずみ場402
も存在しているコーナーに伸びる結晶格子転位線401
を有する高塩化物{100}平板状粒子400が示され
ている。通常の変形体では、ひずみ場402は示される
ように存在するが転位線は無い。
【0034】それぞれの場合において、種粒子から続い
て成長する結晶格子の部分への結晶格子面の転移のとこ
ろで、結晶格子ひずみ場が創出されることが認められ
る。臭化銀も塩化銀も面心立方結晶格子構造を形成する
が、格子面間の間隔は、より大きな臭化物イオンに合わ
せるために臭化銀結晶成長では必然的に大きい。種粒子
上への成長開始のところでより大きな結晶格子間隔から
より小さな化粧格子間隔へつぶれる際に、平板状粒子成
長の原因である欠陥が創出される。現在、{100}平
板状粒子成長を促進する結晶構造の正確な法則の証明は
ない。
【0035】しかし、局部的最大臭化物濃度が核生成部
位の銀に基づいて5モル%超である本発明の乳剤の平板
状粒子の特徴は、AEM粒子観察によって証明された。
ギャップ部位にハロゲン化物を配置することによって、
ハロゲン化物ギャップ乳剤は調製されるが、核生成部位
のところで5モル%に近い臭化物濃度はAEM粒子観察
によって同定されてない。臭化物を単独でギャップ部位
に導入する場合、得られる高塩化物{100}平板状粒
子の局部的な最大臭化物濃度は、平板状粒子内のいずれ
の位置においても5モル%に近づくことは観察されてい
ない。
【0036】従って、本発明は高塩化物{100}平板
状粒子乳剤のより簡単な調製方法を提供し、この方法に
よって作られる高塩化物{100}平板状粒子はその構
造が独特である。上記以外は、本発明の高塩化物{10
0}平板状粒子乳剤は、従来の高塩化物{100}平板
状粒子乳剤(例えば、上述の粒子成長特許明細書の乳
剤)のパラメータに合わせることができる。
【0037】高塩化物{100}平板状粒子が総粒子投
影面積の70%超を占めるのが好ましく、90%超を占
めるのが最適である。出発粒子による総銀に基づいて少
なくとも0.01モル%臭化物が存在すること以外は、
本発明の乳剤の全体的なハロゲン化物含有率は、粒子成
長のところで述べた範囲内となることができる。
【0038】一旦形成されると、この高塩化物{10
0}平板状粒子乳剤を、増感し、通常の写真用添加物と
組合せ、そして、上記引用の出発乳剤の特許明細書に具
体的に記載されているような通常の方法で塗布すること
ができる。
【0039】一般的に、使用する乳剤の調製は沈殿の後
の洗浄から始まる。次に、化学増感及び分光増感が続
く。通常、カブリ防止剤及び安定化剤の添加も行う。ま
た、この乳剤をコーティング前に追加量のベヒクルと混
合する。コーティング直前に、一層以上のベヒクル層に
硬膜剤を添加する。この乳剤を、黒白(銀像形成)及び
カラー(色素像形成)写真ヨウ素の両方に用いることが
考えられる。この乳剤を放射線写真及び黒白写真要素に
導入することができる。また、この乳剤を、カラープリ
ント、カラーネガもしくはカラーリバーサル要素に導入
することもできる。
【0040】リサーチディスクロージャー、アイテム38
957 の次に示すセクションには、本発明の乳剤に適合す
る通常の写真の主要点がまとめられている: I. 乳剤粒子及びその調製 E.配合、層及び性能 カテゴリー II. ベヒクル、ベヒクル増量剤、ベヒクル状添加物及
びベヒクル関連添加物 III. 乳剤洗浄 IV. 化学増感 V. 分光増感及び減感 VI. カブリ防止剤及び安定剤 IX. 塗膜の物性改良添加剤 X. 色素像形成剤及び改質剤 XI. 層配列 XV 支持体 XVIII.化学現像系
【0041】
【実施例】次の具体例によって本発明をさらに理解する
ことができる。例1 反応容器に、35℃で、0.5gのNaBr及び30g
の酸化されてないゼラチンを含有する蒸留水3Lを充填
した。反応容器の内容物をこの沈殿プロセスの間激しく
攪拌した。この溶液に4MのAgNO3 及び0.4Mの
NaBr溶液をそれぞれ15mL/分の速度で0.5分
間同時に添加し、沈殿される総銀の0.25%を消費し
た。これによってAgBr出発粒子集団を作成した。
【0042】各4MのAgNO3 及びNaCl溶液を1
0mL/分で0.5分間添加した。3分間保持した後、
150mVにコントロールされ、沈殿プロセスの残りの
間150mLに維持したvAg(AgBrコート銀ビレ
ットで測定し、Ag/AgCl参照電極と照合する)
で、溶液添加を5分間再開した。この混合物の温度を5
分内に35℃から40℃に勾配を付けて上げ、その温度
でさらに15分間保持した。そして、前記各溶液を8m
L/分で10分間加えた。さらに温度を10分内に40
℃から50℃に勾配を付けて上げた。そして、前記各溶
液を10mL/分で20分間加えた。さらに温度を15
分内に50℃から60℃に勾配を付けて上げた。水20
0g中の酸化ゼラチン30gを加えた。そして、前記各
溶液を30分内に10mL/分から20mL/分に直線
的に加速して加えた。最後に、この混合物を70℃でさ
らに30分間放置した。
【0043】得られた乳剤は{100}平板状粒子が総
粒子投影面積の85%超を占める臭塩化銀{100}平
板状粒子乳剤であった。平均粒子ECDは1.1μmで
あり、平板状粒子の平均厚は0.14μmであった。
【0044】例2 この例は粒子核生成工程での塩化物の包含を説明する。
反応容器に、55℃にコントロールされた温度で、0.
5gのNaBr、0.5gのNaCl及び130gの酸
化されてないゼラチンを含有する蒸留水3Lを充填し
た。反応容器の内容物をこの沈殿プロセスの間激しく攪
拌した。この溶液に4MのAgNO3 及び0.4MのN
aBr溶液をそれぞれ15mL/分の速度で0.5分間
同時に添加し、沈殿される総銀の0.52%を消費し
た。得られた核は銀に基づいて臭化物を48モル%及び
塩化物を52モル%含有した。
【0045】各4MのNaCl及びAgNO3 溶液を1
0mL/分で0.5分間添加した。この混合物を3分間
そのままにした。保持した後、170mVにコントロー
ルされ、沈殿プロセスの残りの間170mLに維持した
vAg(AgBrコート銀ビレットで測定し、Ag/A
gCl参照電極と照合する)で、4MのAgNO3 及び
NaCl溶液を50mL/分で1分間加えた。この混合
物の温度を10分内に55℃から70℃に勾配を付けて
上げ、さらに10分間保持した。そして、前記各溶液を
8mL/分で10分間加えた。その後、前記各溶液を1
0mL/分で20分間加えた。そして、前記各溶液を3
0分内に10mL/分から20mL/分に直線的に加速
して加えた。この混合物を70℃でさらに30分間放置
した。
【0046】得られた乳剤は高塩化物{100}平板状
粒子乳剤であった。{100}平板状粒子が総粒子集団
の56%を占めていたので、総粒子投影面積に対する比
率は非常に高い。この乳剤は、平均粒子ECD0.9μ
mを示し、平均厚0.22μmを示した。
【0047】例3 この例は粒子核中のヨウ化物の包含を説明する。粒子核
生成時に、NaBr溶液と一緒に0.2gのKIを添加
した以外は、例1と同様にこの乳剤を調製した。また、
流量を30分内に10mL/分から20mL/分に勾配
を付ける最終成長工程を、20分かけて10mL/分か
ら16.7mL/分に勾配をつけるように変えた。
【0048】粒子核は核生成時に加えた銀に基づいてB
rを86.6モル%及びIを13.4モル%含有した。
最終乳剤は{100}平板状粒子が総粒子投影面積の9
1.2%を占める高塩化物{100}平板状粒子乳剤で
あった。この乳剤は平均粒子ECD1.0μmを示し
た。この平板状粒子は平均厚0.12μmを示した。
【0049】例4 この例は高塩化物{100}平板状粒子乳剤の高濃度収
量調製を説明する。反応容器に、35℃で、0.5gの
NaBr及び30gの酸化されてないゼラチンを含有す
る蒸留水3Lを充填した。反応容器の内容物をこの沈殿
プロセスの間激しく攪拌した。この溶液に4MのAgN
3 及び0.4MのNaBr溶液をそれぞれ15mL/
分の速度で0.5分間同時に添加し、沈殿される総銀の
0.096%を消費した。
【0050】4MのNaCl溶液を10.2mL/分で
0.5分間添加した。この混合物を3分間保持した。保
持後、AgNO3 及びNaClの4M溶液を50mL/
分で1分間、150mVにコントロールされ、沈殿プロ
セスの残りの間150mLに維持したvAg(AgBr
コート銀ビレットで測定し、Ag/AgCl参照電極と
照合する)で、1分間加えた。この混合物の温度を15
分内に35℃から70℃に勾配を付けて上げた。そし
て、前記各溶液を10分内に10mL/分から13mL
/分に直線的に流量を加速して加えた。そして、前記各
溶液を10分内に13mL/分から15.7mL/分で
加えた。そして、前記各溶液を10分内に15mL/分
から24mL/分に直線的に加速して加えた。この混合
物を70℃で10分間保持した。保持後、溶液添加を6
0分内に21mL/分から30mL/分に勾配を付け
た。
【0051】得られた乳剤は高塩化物{100}平板状
粒子乳剤であった。{100}平板状粒子が総粒子集団
の80%を占めていたので、総粒子投影面積に対する比
率は非常に高い。この乳剤は平均粒子ECD1.6μm
を示し、平板状粒子は平均厚0.28μmを示した。こ
の乳剤のバッチ収量は最終容量7.3L中8.14モル
であり、1リットル当たり1.15モルであった。
【0052】例5 この例は高塩化物{100}平板状粒子乳剤の成長工程
時の臭化物添加を説明する。12L反応容器に、35℃
にコントロールされた温度で、3gのNaBr及び18
0gの酸化されてないゼラチンを含有する蒸留水8Lを
充填した。反応容器の内容物をこの沈殿プロセスの間激
しく攪拌した。この溶液に4MのAgNO3及び0.4
MのNaBr溶液をそれぞれ30mL/分の速度で0.
5分間同時に添加し、沈殿される総銀の0.54%を消
費した。
【0053】AgNO3 4M溶液並びに3.94Mの
NaCl及び0.06MのNaBrを含有する塩溶液を
30mL/分で0.5分間添加した。3分間保持後、1
40mVにコントロールされ、沈殿プロセスの残りの間
140mLに維持したvAg(AgBrコート銀ビレッ
トで測定し、Ag/AgCl参照電極と照合する)で、
溶液添加を5分間再開した。この混合物の温度を15分
内に35℃から60℃に勾配を付けて上げ、この混合物
を60℃で10分間保持した。そして、前記各溶液を1
0分内に30mL/分から39mL/分に直線的に加速
して加え、次いで10分間保持した。そして、前記各溶
液を10分内に39mL/分から46.5mL/分に直
線的に加速して加え、次いで15分間保持した。そし
て、前記各溶液を10分内に63mL/分から72mL
/分に直線的に加速して加えた。最後に、この混合物を
60℃でさらに30分間保持した。
【0054】得られた乳剤は高塩化物{100}平板状
粒子乳剤であった。{100}平板状粒子が総粒子集団
の80%超を占めていたので、総粒子投影面積に対する
比率は非常に高い。この乳剤は平均粒子ECD0.7μ
mを示し、平板状粒子は平均厚0.16μmを示した。
【0055】例6 この例はTEM及びAEMによって観察される粒子特徴
を指摘する。12L反応容器に、0.5gのNaBr及
び130gの酸化ゼラチンを含有する蒸留水3000g
を充填し、35℃でpHを5.7に調節した。反応容器
の内容物をこの沈殿プロセスの間激しく攪拌した。反応
容器の初期導入内容物に0.4MのAgNO3 及び0.
4MのNaBr溶液をそれぞれ8mL/分の速度で0.
5分間同時に添加した。
【0056】核生成後、この混合物に、4MのAgNO
3 溶液及び4MのNaCl溶液をそれぞれ10mL/分
の流量で1分間添加し、混合物を3分間保持した。保持
後、150mVにコントロールされ、沈殿プロセスの残
りの間150mLに維持したvAg(AgBrコート銀
ビレットで測定し、Ag/AgCl参照電極と照合す
る)で、溶液添加を10mL/分で10分間再開した。
溶液添加を止め、反応容器に内容物の温度を10分内に
35℃から50℃に勾配を付けて上げた。50℃で、溶
液添加を再開し、添加流量を10分内に10mL/分か
ら13mL/分に勾配を付けて上げた。溶液添加を止
め、反応容器温度を15分内に50℃から60℃に勾配
を付けて上げた。60℃で、溶液添加を再開し、添加流
量を15mL/分から17mL/分に勾配を付けて上
げ、反応容器温度を60℃から70℃に勾配を付けて上
げた。70℃で、溶液添加を再開し、添加流量を17m
L/分から20mL/分に勾配を付けて上げた。そし
て、反応容器内容物を30分間保持した。
【0057】得られた乳剤は高塩化物{100}平板状
粒子乳剤であった。{100}平板状粒子が総粒子集団
の75%を占めていたので、総粒子投影面積に対する比
率は非常に高い。この乳剤は平均粒子ECD1.2μm
を示し、平板状粒子は平均厚0.1μmを示した。この
乳剤の臭化物含有率は0.2M%であった。
【0058】顕微鏡検査 沈殿させたとき、この乳剤を40℃の蒸留水に希釈し、
炭素コートCuグリッド上に付着させた。200kV加
速電圧でTEM検査を行うことによって内部構造欠陥を
像形成し、同時に選択領域から散乱するX線を制限する
ために集束電子ビーム(〜0.01mm径)を用いて組
成分析を行った。観察は全て液体窒素でおおよそ180
℃までサンプルを冷却して実施した。平板状粒子は結晶
格子場ひずみを示し、全て図1〜4に示されているもの
が存在した。この場ひずみは高密度領域として判断さ
れ、電子ビーム回折に起因する。平板状粒子の約20%
だけが結晶格子転位を示した。
【0059】AEM観察を使って、粒子核生成のポイン
トNが、最高濃度の臭化物を有することが測定された。
核生成部位と粒子のエッジ間のポイントでは臭化物は、
もし存在するとしても、ほとんど検出されなかった(も
ちろん、核生成部位がエッジ、特にコーナーに存在する
粒子のポイントは除く)。核生成部位から遠く離れた粒
子エッジ部位(R)で、かなりの臭化物濃度が観察され
た。このことから、核生成部位から粒子のエッジへの臭
化物イオン移動が、沈殿中に起きたと推断される。
【0060】結晶格子ひずみ場だけを有する典型的な粒
子(タイプA)及び結晶格子ひずみ場と一つ以上の結晶
格子転位の両方を有する粒子(タイプB)の臭化物分析
を表Iに要約する。
【0061】 [表I] Brモル% 粒子種類 N位置 R位置 1(A) 15 3 2(A) 9 3 3(A) 8 3 4(B) 12 6 5(B) 8 3 6(B) 15 5
【0062】全ての場合で、5モル%を超える臭化物イ
オン濃度が粒子核生成の位置で観察された。核生成部位
で臭化物濃度が最高であった。核生成部位から遠く離れ
た粒子のエッジのところでは、計測できるがより低い臭
化物濃度が検出された。粒子内の中間部位では、臭化物
濃度はエッジのところの濃度よりも高いか同等であっ
た。
【0063】例7(比較) この例は、臭化銀出発粒子を塩化銀出発粒子と換える
と、高塩化物{100}平板状粒子乳剤が実現できない
ことを実証する。反応容器に、最初に、NaBrの代わ
りに0.5gのNaClを入れ、核生成工程時の0.4
MNaBr添加を0.4MNaCl添加で置き換えた以
外は例6の手順を繰り返した。
【0064】高塩化物{100}平板状粒子の占める割
合は総粒子投影面積の10%未満であった。本発明をそ
の好ましい特定の態様を引用して詳細に記載したが、本
発明の精神及び範囲内で種々の変更及び改造が可能であ
ることは、理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高塩化物{100}平板状粒子。
【図2】本発明の高塩化物{100}平板状粒子。
【図3】本発明の高塩化物{100}平板状粒子。
【図4】本発明の高塩化物{100}平板状粒子。
【符号の説明】
100…平板状粒子 101…結晶格子ひずみ場 301…結晶格子転位線 303…高密度結晶格子ひずみ場 401…結晶格子転位線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散媒体及びハロゲン化銀粒子を含んで
    なり、当該粒子は銀に基づいて50モル%超の塩化物を
    含み、総粒子投影面積の少なくとも50モル%が{10
    0}主面を有する平板状粒子によって占められている、
    輻射線感受性乳剤であって、 各平板状粒子がその核生成部位において、当該核生成部
    位の銀に基づいて少なくとも5モル%臭化物に達する最
    大臭化物濃度を有していることを特徴とする輻射線感受
    性乳剤。
  2. 【請求項2】 分散媒体及び総銀に基づいて50モル%
    超の塩化物を含むハロゲン化銀粒子を含有し、総粒子投
    影面積の50モル%超が{100}主面を有する平板状
    粒子によって占められている、輻射線感受性乳剤を調製
    する、核生成工程及び粒子成長工程を含んでなる方法で
    あって、 (1)粒子核生成工程で、(a)50モル%超臭化物を
    含有し、(b)当該平板状粒子の厚みより小さい等価円
    直径を有し、そして(c)核生成工程及び成長工程時に
    導入される総銀の最大5モル%までを提供する粒子核を
    形成し、そして (2)粒子成長工程で、(a)25〜85℃の範囲の温
    度、(b)3.5〜8.5の範囲のpH、及び(c)1
    20〜200mVの範囲のvAgを維持しながら、前記
    粒子核上に銀イオン及びハロゲン化物イオンを沈殿させ
    て、{100}主面を有する平板状粒子を形成すること
    を特徴とする方法。
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