JPH11216316A - 液体フィルター用濾材 - Google Patents

液体フィルター用濾材

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JPH11216316A
JPH11216316A JP1982498A JP1982498A JPH11216316A JP H11216316 A JPH11216316 A JP H11216316A JP 1982498 A JP1982498 A JP 1982498A JP 1982498 A JP1982498 A JP 1982498A JP H11216316 A JPH11216316 A JP H11216316A
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JP
Japan
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water
filtration
nonwoven fabric
filter
filter medium
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Application number
JP1982498A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Okui
良幸 奥井
Hisao Ishibe
久雄 石部
Takashi Yamagishi
隆司 山岸
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Nippon Glass Fiber Co Ltd
Original Assignee
Nippon Glass Fiber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 上水、工業用水、河川水、排水などの水混合
液体の濾過を目的として、その性能上必要とされる濾過
流量、濾過粒子径、濾材強度を維持した液体フィルター
用濾材を提供する。 【解決手段】 有機繊維の不織布からなる濾材であっ
て、その不織布は、平均孔径が1〜25μm、最大細孔
径が50μm以下であり、濡れ指数が54以上、差圧1c
mH2Oにおける純水の濾過流量が3L/m2・min以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水または水混合液
体の濾過、特に上水、工業用水、河川水、排水等の濾過
に使用される液体フィルター用濾材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する関心の高まりか
ら工場のみならず商用店舗、一般家庭にまで、排水の浄
化、再利用による省資源化が叫ばれるようになってき
た。また、産業用に使用されている工業用水において
も、冷却水、洗浄水等の用途で水質の向上が求められて
いる。このような状況の下、従来水質に対する要求があ
まり高くなかった用途にまで、水の濁りの浄化等を目的
として液体フィルター(以下、中性能液体フィルターと
称する)が使用されるようになってきた。中性能液体フ
ィルターは、濾過性能として濾過流量の多いことが要求
され、一方で濾過限界粒子径の細小化が望まれる。この
相反する要求を満たしつつ、さらには安価であることも
要望されている。
【0003】従来、中性能液体フィルターとしては、ポ
リオレフィン系もしくはポリエステル系の織布、乾式も
しくは湿式不織布またはスパンボンド不織布等が用いら
れてきた。これらはいずれも繊維の平均径が15〜30
μmと太く、濾過流量および濾材強度については要求を
満たすが、濾過限界粒子径が30μm以上であったため
細小化の要求は満たせなかった。
【0004】また、樹脂加工を施した紙フィルターは吸
湿により強度が低下し、ウレタン系のスポンジフィルタ
ーは濾過限界粒子径の細小化の要求を満たせないなど、
中性能液体フィルターとしては不十分であった。
【0005】濾過限界粒子径を極めて小さく押さえるこ
とのできるフィルターとして、ポリエーテルサルホン、
親水性4フッ化エチレン等の樹脂を使用した微多孔膜、
中空糸膜を使用した高性能フィルターを挙げることがで
きる。これらは、濾過流量が極めて少なくまた価格が非
常に高いため、本発明の対象である中性能液体フィルタ
ーとしては不向きであった。
【0006】その他、比較的安価で濾過限界粒子径を小
さくできるメルトブロー不織布とスパンボンド不織布等
を積層接着した濾材が、特開平7−26460号公報、
特開平8−24535号公報、特開平7−207566
号公報等に記載されている。しかし、これらは、濾過限
界粒子径と濾材強度とにおいて優れるが、通水抵抗が高
く濾過流量が十分ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平7−26460
号公報には、水処理液体フィルター用濾材としてメルト
ブロー法により得られた特定の目付、平均孔径、剛軟度
を有する極細繊維不織布に、特定の目付、強度を有する
スパンボンド不織布を積層した濾材が記載されている。
この濾材は、特定の極細繊維不織布とスパンボンド不織
布とを積層することにより、濾過限界粒子径を小さくし
濾材強度を確保するとともに、プリーツ加工時の硬さを
得ようとするものである。しかし、極細繊維不織布もし
くはスパンボンド不織布の素材について限定しておら
ず、また濾過時の通水抵抗に関しても何も記載されてい
ない。したがって、この濾材は、濾過限界粒子径および
濾材強度は確保できても、本発明が前提としている濾過
流量の確保は難しく、中性能液体フィルターとして必ず
しも十分とは言えなかった。
【0008】また、特開平8−24535号公報には、
メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを積層し、
ポリオレフィン系もしくはポリエステル系に素材を限定
した濾材が記載されている。この濾材のメルトブロー不
織布の素材は、ポリオレフィン系に限定されている。ポ
リオレフィン系の不織布の濡れ指数が37〜39である
ことから、この濾材の通水抵抗は本発明と比較して高
く、濾過流量が明らかに不十分である。さらに、この濾
材のスパンボンド不織布をポリエステル系にする理由
は、濾材の寸法安定性という観点からであり、不織布の
濡れ性と濾過流量とに関する考え方からではない。
【0009】特開平7−207566号公報には、柔軟
性に優れ、引張強度と層間剥離強度とが高く、良好なフ
ィルター性能を発揮する積層不織布が記載されている。
この積層不織布は、ポリエステル系のメルトブロー不織
布と長繊維不織布とからなる。このメルトブロー不織布
の繊維は、ポリプロピレンが芯部、ポリエステルが鞘部
の芯鞘複合繊維であることが特徴である。芯鞘複合繊維
を使用するのは、メルトブロー不織布と長繊維不織布と
の積層接着において、接着面を同系ポリマーとすること
で接着力を高め、層間剥離強度を向上させるとともに、
熱収縮に対する寸法安定性を向上させるためである。こ
の積層不織布を構成する繊維表面をポリエステル系にす
ることで、濡れ指数を54以上にすることも可能ではあ
るが、その意図するところは本発明と基本的に異なる。
【0010】本発明は、従来技術において提案されてい
なかったものである。その目的とするところは、水混合
系液体の濾過、特に上水、工業用水、河川水、排水等の
水系液体の濾過を用途として、濾過限界粒子径および濾
材強度を維持した上で、通水抵抗が小さく濾過流量の多
い優れた性能を発揮する中性能液体フィルター用濾材を
提供するところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明の液体フィルター用濾材は、
平均孔径が1〜25μm、最大細孔径が50μm以下であ
り、濡れ指数が54以上、差圧1cmH2Oにおける純水の
濾過流量が3L/m2・min以上の不織布からなるものであ
る。
【0012】請求項2に記載の発明の液体フィルター用
濾材は、請求項1に記載の発明において、目付量が20
〜200g/m2、湿潤状態における引張強度が2kg/4cm幅
以上であり、構成繊維の平均径が0.3〜6μmである
ものである。
【0013】請求項3に記載の発明の液体フィルター用
濾材は、請求項1または2に記載の発明において、不織
布がポリブチレンテレフタレートもしくはポリアミドの
繊維からなるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て詳細に説明する。
【0015】本発明は、水または水混合液体の濾過を目
的とする中性能液体フィルター用の濾材に関するもので
ある。本発明の意図するところは、濾材の濾過限界粒子
径を20μm程度に維持した上で通水抵抗をできる限り
低くし、濾過流量を3L/m2・min・cmH2O以上、より好まし
くは10L/m2・min・cmH2O以上に確保するところにある。
【0016】配管からの鉄錆や一般家庭での洗濯排水等
に含まれる浮遊物、あるいは貯水槽などで溜められてい
る際に発生する水藻などの除去を目的として濾材を使用
する場合、その濾過限界粒子径は概ね22μm以下にす
る必要がある。また、濾材をカートリッジフィルターや
袋状フィルターに組み込んでモジュール化し、現実に中
性能液体フィルターとして使用する場合には、その濾過
流量が最低3L/m2・min・cmH2O以上、好ましくは10L/m2
・min・cmH2O以上必要であることが本発明者らの調査によ
り明らかとなった。
【0017】濾過限界粒子径を22μm以下に維持する
ためには、濾材を構成する不織布の平均孔径が1〜25
μm、より好ましくは3〜20μmで、最大細孔径が50
μm以下、より好ましくは40μm以下にすることが望ま
しい。つまり、平均孔径が25μm以上または最大細孔
径が50μm以上になると、濾過限界粒子径の維持が難
しくなり、一方平均孔径が1μm以下になると、通水抵
抗が増加し、濾過流量が維持できなくなる。
【0018】濾過限界粒子径を22μm以下に維持した
上で、濾過流量を3L/m2・min以上に確保するためには、
上記の平均孔径および最大細孔径の不織布を使用し、不
織布の濡れ指数を54以上にすることが重要である。す
なわち、不織布の通水抵抗を低くすることが重要であ
る。特に、濾過を間欠的に行なったり、濾材の一部もし
くは全部が空気中に露出し濾材が乾燥してしまうような
使用環境においては、濡れ指数が54以上であることが
濾過を継続して行うためには極めて重要である。
【0019】不織布の濡れ指数は、54以上が好ましい
が、より好ましくは56以上である。濡れ指数が54よ
り小さい場合は、濾過対象である水混合液体(以下、濾
液という)の濾材内部への浸透が悪く、通水抵抗が高く
なり、さらに濾材が空気中に露出し乾燥すると全く通水
できなくなり濾過の継続ができなくなることもある。
【0020】不織布の濾過流量は、通常はJIS−L1
096であるフラジール型試験器で測定した通気性を基
に判断できる。すなわち、不織布の空隙率もしくは孔径
の大きさなどが指標となる。しかしながら、濾過流量に
ついて鋭意研究した結果、本発明者らは通気性と濾過流
量とが必ずしも相関しないことを見出した。さらには、
濾過流量が濾液と濾材との濡れ性に起因することをつき
とめ、濾材の濡れ性を評価する尺度として濡れ指数が有
効であることを見出した。
【0021】不織布は、特に限定されるものではない
が、その目付量が20〜200g/m2、濾液で湿潤させた
状態の引張強度(以下、湿潤強度という)が2kg/4cm幅
以上、構成繊維の平均径が0.3〜6μmのものが好ま
しい。
【0022】不織布の目付量が20g/m2以下であると、
濾過限界粒子径が大きくかつ濾材強度が下がり、濾材が
実用に耐えられなくなる。一方200g/m2以上である
と、濾過限界粒子径は小さくなり好ましいが、通水抵抗
が増加し濾過流量が減少する。また、濾材の使用状況に
より一概に言えないが、不織布は、湿潤時の引張強度が
2kg/4cm幅以下であるとフィルターモジュールへの加
工、実使用の際に破れるおそれがある。
【0023】さらに、平均径が0.3〜6μmである繊
維は、不織布の目付が均一になり易く、その構成繊維と
して好適である。これらの繊維としては、溶融ポリマー
を高速高温気体により延伸、繊維化した有機繊維が好ま
しい。ただし、このような有機繊維は短いため、スパン
ボンド不織布等の長繊維不織布に比べて不織布の強度が
弱い欠点がある。従って、これら欠点を補うために、有
機繊維同士の接着を強化すべくカレンダーロール等で熱
圧着成形を行うことが好ましい。
【0024】不織布の構成繊維(以下、単に繊維と称す
る)は、特に限定されるものではないが、耐酸性、耐酸
化性、耐温水性および生産性等の観点から、ポリブチレ
ンテレフタレートであることが好ましい。特にポリブチ
レンテレフタレートは、濡れ指数が54〜56であり、
本発明の繊維として好ましい。また、従来ポリオレフィ
ン系の繊維が使用されてきたが、その濡れ指数が37〜
39と極めて小さいので、中性能液体フィルターには不
向きである。さらに、ポリエチレンテレフタレートの不
織布は、ポリブチレンテレフタレートに比べ濡れ指数が
少し大きくその点においては好ましいが、カレンダーロ
ール等で熱圧着成形を行う際や60℃以上の雰囲気下で
使用する際に繊維収縮を起こすので、その対策が別途必
要になる。
【0025】ポリブチレンテレフタレートの不織布は、
表面処理を施されなくても中性能液体フィルターの濾材
として十分使用できるものである。しかし、さらに高い
親水性が必要な場合には、この不織布に親水化剤の付
与、コロナ放電処理等の表面親水化改質処理を施しても
よい。ポリブチレンテレフタレートは親水性であるが、
濾液によっては濾材を最初に浸漬させた際に、部分的に
浸透しないことがあり、前述の処理はこのような場合に
有効である。ただし、繊維表面の濡れ指数を向上させる
方法は、特に限定するものではない。
【0026】不織布は、濡れ指数が大きいほど濾液に対
し濡れやすく通水抵抗が小さくなる。この意味から濡れ
指数が62〜66であるポリアミド繊維は、不織布とし
て特に好適である。ポリアミドは本来、耐酸性、耐酸化
性はポリブチレンテレフタレートに比べ劣っているが、
本発明の用途においては問題なく使用できる。ただ、溶
融ポリマーを高速高温気体により延伸、繊維化したポリ
アミド繊維は、結晶化温度付近では脆くなることが本発
明者らによって確認されている。しかし、60℃以下、
より好ましくは40℃以下の雰囲気温度で使用する限り
においては、ポリアミド繊維からなる不織布は、中性能
液体フィルターとして優れた機能を発揮する。
【0027】本発明の濾材は、通水抵抗が極めて小さく
掛かる負力が小さいので、補強材を必要とせず不織布の
みで中性能液体フィルターとして使用できる。しかし、
特に強度が必要な場合は、強度の高い不織布(以下、補
強用不織布という)を積層してもよい。この際、不織布
より補強用不織布の構成繊維の平均径を太くすることが
好ましい。この補強用不織布は、不織布と比べて通水抵
抗が極めて小さいものである必要がある。特に限定され
るものではないが、補強用不織布に使用される繊維の径
は、不織布の繊維の平均径に対し2〜20倍であること
が好ましい。また、通水抵抗は前述のように濡れ指数に
大きく影響されるため、補強用不織布の濡れ指数は、5
4以上であることが好ましい。さらに、積層接着には、
カレンダーロール等を用いた熱圧着が好ましい。
【0028】補強用不織布は、融点の低い鞘部ポリマー
とそれより融点の高い芯部ポリマーとからなる芯鞘複合
繊維を含む有機繊維で構成されることが好ましい。芯鞘
複合繊維の混合比率は、補強用不織布の全繊維重量に対
して20〜100%であることが好ましい。芯鞘複合繊
維は、熱圧着の際に融点の低い鞘部ポリマーが溶融し周
辺の有機繊維と融合する。しかし、その際も芯部ポリマ
ーは溶融しないので、補強用不織布は、常に一定の強度
を保つことができ、成形性がよくかつ強度の劣化も少な
い。芯鞘複合繊維の混合比率が低い場合、不織布との接
着が弱くなる。接着は全面接着でもよいし、ピンポイン
ト接着でもよい。特に層間接着強度が必要なときには全
面接着が好適である。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、本明細書中に示されている物性値の測定法または定
義は下記の通りである。
【0030】(繊維の平均径)走査型電子顕微鏡におい
て5,000倍の倍率で不織布の繊維の写真撮影を行
い、任意の100本の算術平均値をμmの単位で表す。
【0031】(平均孔径)水銀圧入法に基づく方法
で、”PORE SIZER9310(MICROMERITICS
社製)”にて測定し、μmを単位として表す。
【0032】(最大細孔径)バブルポイント法に基づく
方法で測定し、μmを単位として表す。(ASTMF3
16−86)
【0033】(厚み)不織布の任意の5箇所について、
マイクロメーターにて測定した値の算術平均値をμmの
単位で表す。
【0034】(通気度)フラジール型試験器を用いて測
定し、cc/cm2・sを単位として表す。(JISL 109
6)
【0035】(引張強度)不織布の流れ方向(マシン方
向)、および直角方向の引張強度のうち、最小である引
張強度の値であり、長さ12.5cmで4cm幅の測定試料
について測定した強度をkg/4cm幅の単位で表す。
【0036】(湿潤強度)不織布の測定試料を常温の純
水に10分間浸漬した後すぐに、引張強度と同様の方法
で測定した強度である。
【0037】(濡れ指数)COROTEC社(米国)製
濡れ張力判定試薬"SURFACE TENSION
TEST INK"( JIS−K6768「ポリエチ
レンおよびポリプロピレンフィルムの濡れ試験方法」に
似た方法であり、29種類の表面張力試薬からなる。表
面張力30〜70dyn/cmの範囲で使用可能である。)を
綿棒で不織布試験片に塗りつけた時、10秒以内に不織
布の内部まで浸透していく濡れ判定試薬のうちで、最大
の表面張力値をdyn/cmで表現したときの数値をいう。
【0038】(濾過流量)有効濾過面積10×10cmで
あるフランジタイプの角筒に試料をセットし、濾液とし
て常温の純水を用い、試料の濾過面および反対面におけ
る差圧が10cmH2Oになるようにした時の10分間に濾
過した流量を差圧1cmH2O、濾過面積1m2,濾過時間1
分に換算した値であり、L/m2・min・cmH2Oの単位で表す。
【0039】(濾過限界粒子径)JIS Z8901の
試験用ダスト(8種)を0.5〜1重量%になるよう純
水に混合して分散調整(以下、濾過原液という)し、こ
の濾過原液を濾過流量の測定と同様の方法にて濾過し、
この濾過直後の濾過原液に含まれる粒子の粒度分布を粒
度分布測定装置(LEEDS&NORTHRUP社製 PARTICLE SIZE A
NALYZER(MICROTRAC2 SRA/MK27997-10))にて測定した。
98体積%以上が捕捉された最小の粒子径を、濾過限界
粒子径とし、その単位をμmで表す。
【0040】(濾過精度)上記濾過限界粒子径が22μ
m以下の場合を○、22μm以上の場合を×として評価し
た。各実施例の評価結果を表1に示す。
【0041】[実施例1]6ナイロン(比重1.14,融
点220℃)を290℃に設定したエクストルーダーに
て溶融し、ポリマー吐出孔より1チップ当たり0.3g/
minの流量で吐出させた。この溶融ポリマーに350
℃、1.8kg/cm2の圧縮エアーをポリマー吐出孔の近傍
から吹き付け、平均径2.3μmの繊維を得た。そし
て、この繊維を目付26g/m2の不織布に成形した。この
不織布を3枚重ね合わせ、表面温度175℃の熱成形ロ
ーラーに通し、目付78g/m2、厚み170μmの液体フ
ィルター用濾材を製造した。この濾材は、濡れ指数6
4、湿潤強度3kg/4cm幅、平均孔径5μm、最大細孔径
18μm、通気度6cc/cm2・s、濾過流量31L/m2・min・cm
H2Oであった。これらの性能を下記表1に示す。
【0042】[実施例2]ポリブチレンテレフタレート
(比重1.31,融点225℃)を290℃に設定した
エクストルーダーにて溶融し、ポリマー吐出孔より1チ
ップ当たり0.4g/minの流量で吐出させた。この溶融
ポリマーに330℃、1.5kg/cm2の圧縮エアーを吹き
付け、平均径3μmの繊維を得た。そして、この繊維を
目付15g/m2の不織布Aに成形した。
【0043】また、平均径7μmのポリエチレンテレフ
タレート(融点255℃)の繊維と、平均径13μmの
芯鞘複合繊維(鞘部:変成ポリエチレンテレフタレート
−融点130℃、芯部:ポリエチレンテレフタレート−
融点255℃)とを重量比1:1で混合して湿式抄紙を
行い、目付65g/m2の湿式不織布Bを得た。
【0044】前記不織布Aを湿式不織布Bの両側に重ね
合わせ、表面温度150℃の熱成形ローラーにて成形
し、目付95g/m2、厚み250μm、通気度12cc/cm2
sの液体フィルター用濾材を製造した。この濾材は、濡
れ指数56であり、他の性能は下記表1に示す。
【0045】[比較例1]実施例2の湿式不織布Bを目付
50g/m2に変更して成形した。この湿式不織布を2枚重
ね合わせ、表面温度125℃の熱成形ローラーに通し、
目付100g/m2、厚み250μmの液体フィルター用濾
材を製造した。この濾材は、濡れ指数60、濾過流量1
87L/m2・min・cmH2Oであった。性能評価の結果、濾過精
度は好ましくなかった。他の性能については下記表1に
示す。
【0046】[比較例2]平均径12μmの芯鞘複合繊維
(芯部:ポリプロピレン−融点165℃、鞘部:ポリエ
チレン−融点128℃)を湿式抄紙し、目付23g/m2の
湿式不織布を得た。この湿式不織布を2枚重ね合わせ、
表面温度120℃の熱成形ローラーで成形し、目付46
g/m2、厚み100μmの液体フィルター用濾材を製造し
た。この濾材は、濡れ指数38、湿潤強度5kg/4cm幅、
平均孔径12μm、最大細孔径59μm、通気度20cc/c
m2・sであった。また、この濾材は、濾過流量の測定にお
いて濾材表面で濾液をはじき殆ど透過させなかった。さ
らに、差圧10cmH2Oでの濾材の濾過流量は、0.1L/m
2・min・cmH2O 以下であった。また濾過精度は、試料が得
られず測定できなかった。これらの性能を下記表1に示
す。
【0047】[比較例3]ポリプロピレン(融点165
℃)を実施例1の方法で繊維化し、繊維の平均径1.5
μm、目付22g/m2の不織布を得た。この不織布を2枚
重ね合わせ表面温度130℃の熱成形ローラーに通し、
目付44g/m2、厚み130μmの液体フィルター用濾材
を製造した。この濾材は、濡れ指数38、湿潤強度2kg
/4cm幅、平均孔径5μm、最大細孔径12μm、通気度2
cc/cm2・sであった。濾過流量の測定では、差圧10cmH2
Oで濾過原液が全く透過しなかった。また、濾過精度
は、試料が得られず測定できなかった。これらの性能を
下記表1に示す。
【0048】
【表1】 =================================== 目付 繊維の 厚み 濡れ 湿潤 平均 最大細 濾過 濾過精度 平均径 指数 強度 孔径 孔径 流量 (g/m2) (μm) (μm) (dyn (kg/ (μm) (μm) (L/m2・min /cm) 4cm) ・cmH2O) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 78 2.3 170 64 3 5 18 31 ○ 実施例2 95 3.0 250 56 8 13 29 77 ○ 比較例1 100 − 250 60 6 34 105 187 × 比較例2 46 − 100 38 5 12 59 0.1以下 − 比較例3 44 1.5 130 38 2 5 12 0 − ===================================
【0049】実施例1は、ポリアミド繊維からなる不織
布を用いた濾材であり、濡れ指数が大きく、濾過流量も
十分であり、また濾過精度も良好である。
【0050】実施例2は、ポリブチレンテレフタレート
繊維からなる不織布にポレエチレンテレフタレート繊維
の湿式不織布を補強用として重ね合わせた濾材について
である。引張強度、濾過流量、濾過精度とも良好であ
る。
【0051】比較例1は、従来から使用されているポリ
エステル系の繊維からなる湿式不織布をカレンダーロー
ルにて全面熱接着成形した濾材についてである。この濾
材は、引張強度と濾過流量とが良好であったが、濾過精
度が悪く、本発明が目的とする中性能液体フィルターに
は不向きである。
【0052】比較例2は、ポリエチレンが鞘部、ポリプ
ロピレンが芯部である芯鞘複合繊維を用いた湿式不織
布、すなわちポリオレフィン系の繊維からなる湿式不織
布の濾材についてである。この濾材は、濡れ指数が38
と小さいため、濾過原液が濾材をほとんど透過せず、濾
過流量が測定できない。
【0053】比較例3は、ポリプロピレン繊維からなる
不織布を用いた濾材についてである。この濾材は、平均
孔径、最大細孔径とも実施例1と同程度であるが、濡れ
指数が38と実施例1に比べて低い。このため10cmH2
Oの差圧でも濾過原液が全く濾材を透過せず、濾過がで
きない。
【0054】以上のように本発明の意図するところ、す
なわち濾過限界粒子径を22μm以下に維持した上で、
濾材の通水抵抗をできる限り低くし、濾過流量を3L/m2
・min・cmH2O以上確保するという条件を全て満たすには、
濾材の平均孔径、最大細孔径および濡れ指数が極めて重
要であることが理解できる。
【0055】
【発明の効果】本発明の液体フィルター用濾材によれ
は、上水、工業用水、河川水、排水等の濾過において、
実用上必要とされる濾過限界粒子径と濾材強度とを維持
しつつ、差圧1cmH2Oにおいて濾過流量を3L/m2・min以
上にすることができる。さらに、一旦乾燥しても前処理
を施すことなく濾過を再開できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その平均孔径が1〜25μm、最大細孔
    径が50μm以下であり、濡れ指数が54以上、差圧1c
    mH2Oにおける純水の濾過流量が3L/m2・min以上の不織布
    からなる液体フィルター用濾材。
  2. 【請求項2】 上記不織布は、目付量が20〜200g/
    m2、湿潤状態における引張強度が2kg/4cm幅以上であ
    り、構成繊維の平均径が0.3〜6μmである請求項1
    に記載の液体フィルター用濾材
  3. 【請求項3】 上記不織布は、ポリブチレンテレフタレ
    ートもしくはポリアミドの繊維からなるものである請求
    項1または2に記載の液体フィルター用濾材。
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