JPH11216273A - 模型の製造方法及びそのための材料 - Google Patents

模型の製造方法及びそのための材料

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JPH11216273A
JPH11216273A JP18591198A JP18591198A JPH11216273A JP H11216273 A JPH11216273 A JP H11216273A JP 18591198 A JP18591198 A JP 18591198A JP 18591198 A JP18591198 A JP 18591198A JP H11216273 A JPH11216273 A JP H11216273A
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JP18591198A
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Yoshiro Takashige
嘉郎 高重
Motohiro Nakanishi
基浩 中西
Hitoshi Hagimori
仁 萩森
Takashi Kondo
尊司 近藤
Tomonori Sato
友則 佐藤
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】対象人物の立体模型を製造するに当たって、3
次元データを得るための撮影及び材料の加工に要する時
間を低減すること。 【解決手段】3次元計測装置を用いて撮影することによ
り得られる対象の3次元データに基づいて対象の模型を
製造する方法であって、模型の第1部AMhと第2部A
Mbとを互いに異なる材質の材料によってそれぞれ準備
し、3次元計測装置による撮影で対象の一部分の3次元
データを得て、得られた3次元データに基づいて第1部
AMhの材料に対して加工を行い、加工された第1部A
Mhと第2部AMbとを互いに接合することによって一
体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元計測装置を
用いて撮影することにより得られる対象人物の3次元デ
ータに基づいて前記対象人物の模型を製造する方法及び
それに用いられる材料に関する。
【0002】
【従来の技術】可搬型の非接触式3次元計測装置(3次
元カメラ)が商品化され、CGシステムやCADシステ
ムへのデータ入力、身体計測、ロボットの視覚認識など
に利用されている。3次元計測装置の計測方法として、
スリット光投影法(光切断法ともいう)又はパターン投
影法が知られている。これらの方法は、特定の参照光
(検出光ともいう)を計測対象に照射し、三角測量の原
理で3次元画像(距離画像、3次元データ、又は3次元
形状データともいう)を得る能動的計測方法の一種であ
る。
【0003】スリット光投影法では、スリット光を照射
し且つ偏向することによって計測対象を走査する。パタ
ーン投影法では、複数の2次元パターン光を順次照射す
る。得られた3次元画像は、計測対象上の複数の部位の
3次元位置を示す画素の集合である。
【0004】このような3次元計測装置には、投光部、
受光部、及び演算部が備えられている。投光部によって
計測対象にスリット光を照射し、その反射光を受光部で
受光することによって計測対象を撮影し、受光部からの
出力などに基づいて演算部で3次元データを算出する。
【0005】一方、利用客の顔写真シールをその場で作
成する一種の自動販売機が人気を集めている。利用客は
料金分のコインを投入し、モニタの表示面を見ながらカ
メラの前で好みのポーズをとる。そして、所定の操作を
行うと、一定数のシールが並んだシートが作成されて取
出口に排出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の3次元計測装置
によれば、写真をとるのと同程度の手軽さで人物を含む
各種物体の形状をデータ化することができる。非接触式
であるので、人物を計測する場合であっても、対象人物
が煩わしさを感じることはない。そこで、3次元計測装
置を用いて対象人物を撮影し、得られた3次元データに
基づいて対象人物の立体模型を製造することが考えられ
る。
【0007】その場合において、対象人物のどの部分を
どのように撮影し、且つ立体模型に仕上げるための材料
をどのように構成してどのように加工するのかが問題で
ある。
【0008】すなわち、例えば対象人物の全体を撮影し
て立体模型を製作することが考えられる。この場合に
は、1つの立体模型のために1つの材料が用いられる
が、対象人物の全周を撮影するために、対象人物の周囲
を囲むように複数台の計測装置を配置するか、1台の計
測装置を対象人物の周囲を回転させながら撮影するか、
又は、対象人物をテーブルに載せて回転させながら撮影
する必要がある。そうすると、装置の全体が複雑化し且
つ大型化し、撮影に多くの時間を要することとなる。ま
た、材料を全体にわたって加工する必要があるため、加
工が容易ではなく、且つ加工のためにも多くの時間を費
やすこととなる。
【0009】本発明は、上述の問題に鑑みてなされたも
ので、対象人物の立体模型を製造するに当たって、3次
元データを得るための撮影及び材料の加工に要する時間
を低減することのできる模型の製造方法及びそのための
材料を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る方
法は、上述の課題を解決するため、3次元計測装置を用
いて撮影することにより得られる対象の3次元データに
基づいて前記対象の模型を製造する方法であって、前記
模型の第1部と第2部とを互いに異なる材質の材料によ
ってそれぞれ準備し、前記3次元計測装置による撮影で
前記対象の一部分の3次元データを得て、得られた3次
元データに基づいて前記第1部の材料に対して加工を行
い、加工された第1部と前記第2部とを互いに接合する
ことによって一体化する。
【0011】請求項2の発明に係る方法では、前記第1
部は人物の頭部であり、前記第2部は人物の胴体部であ
る。請求項3の発明に係る方法では、前記頭部の材料及
び前記胴体部の材料として、それぞれ互いに形状の異な
る複数の材料を準備しておき、それらのうちの使用する
材料を前記3次元計測装置により撮影される対象人物に
より選択可能とする。
【0012】請求項4の発明に係る材料は、3次元計測
装置の撮影により得られる対象の3次元データに基づい
て前記対象の模型を製造するために用いられる材料であ
って、前記3次元データに基づく加工に適した材質から
なる前記模型の第1部の材料と、第1部の材料とは異な
る材質からなる前記模型の第2部の材料と、を有し、前
記第1部及び前記第2部には互いの接合のための接合部
が設けられてなる。
【0013】請求項5の発明に係る材料では、前記接合
部は、突起と穴とからなる嵌め合い部である。請求項6
の発明に係る材料では、前記第2部の材料には、前記第
1部の材料が取り付けられたときに前記第1部の材料の
端部を覆う部分が設けられてなる。
【0014】請求項7の発明に係る材料では、前記第1
部の材料は、加工装置に固定するためのチャック用部分
を有し、前記チャック用部分は、前記第2部の材料への
取り付けのために兼用される。
【0015】請求項8の発明に係る材料では、前記第1
部の材料は、その少なくとも一部が端部まで加工される
ものであり、前記端部から前記端部に接する前記第2部
の材料の形状の盛り上がり部分までの幅寸法が、加工を
行うために必要な幅寸法より狭いものである。
【0016】請求項9の発明に係る材料では、前記第1
部は人物の頭部であり、前記第2部は人物の胴体部であ
る。請求項10の発明に係る材料では、前記第1部は人
物の顔部であり、前記第2部は人物の頭部及び胴体部で
ある。
【0017】第1部、頭部、又は顔の材料として、加工
の容易な材質のもの、例えば切削加工を行う場合には、
ABSなどの合成樹脂、材木などが用いられる。また、
加工方法に応じて、他の材質、例えば、紙、粘土、金
属、合成ゴムなどを用いることも可能である。加工を行
わない部分、例えば、髪、耳、頬の一部、おでこの一部
などは予め適当なひな型形状としておけばよい。材料の
内部に針金などを埋め込んでおくことも可能である。加
工の際のチャッキングが容易なように金物を材料に貫通
させて取り付けておいてもよい。材料の加工のために、
例えば、フライス盤、その他の切削加工装置、積層造形
装置、レーザー加工装置、成型加工装置、又は放電加工
装置などが用いられる。
【0018】第2部、胴体部、又は全体の材料として、
成形の容易な材質、例えば、合成ゴム又は軟質の合成樹
脂などが用いられる。胴体部の材料は、予め適当なひな
型形状に成形しておけばよい。例えば、種々の服装を着
用した人物を模したもの、人気スターを模したもの、種
々の漫画キャラクタ又は空想の人物を模したもの、種々
の動物を模したもの、種々の前景を配したものなどであ
る。
【0019】頭部の材料及び胴体部の材料には、互いに
接合するための嵌め合い部が設けられる。嵌め合い部
を、例えば突起とその突起が嵌入する穴により構成する
ことができる。抜き差しが可能なように、適当な締まり
嵌めとなる程度が好ましい。接着剤を併用することも可
能である。各材料には予め着色しておいてもよい。
【0020】第1部の材料として顔の部分のみの材料
(顔材料)を用いた場合には、第2部の材料として、顔
又はその周辺を除いた材料(全体材料)を用いることと
なる。顔材料と全体材料とは、種々の結合方法により結
合し接合することができる。
【0021】図46及び図47に示すように、第1部の
材料が顔材料AMfmである場合に、その端部を覆う部
分として、全体材料AMAには、例えば顔材料AMfm
の端部に設けられたつば部GS1を覆うひだ部GD1が
設けられる。
【0022】顔材料AMfmを加工装置に固定するため
のチャック用部分として、例えば図48に示すような四
角穴JH1及び溝JV1などが設けられる。これらの四
角穴JH1及び溝JV1は、第2部の材料である全体材
料AMAへの取り付けに際しては、抜け止め面JX1と
の係合による取り付けのために兼用される。
【0023】第1部の材料が顔材料AMfmである場合
に、顔材料AMfmは、例えば図35に示されるように
その周囲の自由空間を切削工具の逃げ領域Mrとして利
用して端部まで加工することができる。したがって、顔
AMfの端部から全体材料AMAの形状の盛り上がり部
分である結合面JF2までの幅寸法を狭くすることがで
きる。
【0024】頭部の材料、胴体部の材料、顔材料、又は
全体材料として、それぞれ複数の種類を準備しておくこ
とができる。その場合には、複数の種類の中から、対象
人物によってそれぞれ1種類が選択される。
【0025】本発明において、計測には測定を含む。3
次元データを得るために、スリット光投影法、パターン
投影法、その他の方式を用いることが可能である。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る人物模型製造
システム1の外観を示す図、図2は人物模型製造装置3
の構成を示すブロック図、図3は操作部13を示す正面
図、図4は背景幕4の位置を示す図である。
【0027】人物模型製造システム1は、その利用客で
あり計測対象でもある操作者HMがコインを投入して必
要な操作を行うことにより、操作者HMの頭部HMhの
形状を3次元計測し、その計測結果に基づいてその場で
材料を自動的に加工し、操作者HMの顔をかたどった立
体模型(人物模型)MSを製造して販売する装置であ
る。
【0028】図1及び図2において、人物模型製造シス
テム1は、人物模型製造装置3及び背景壁としての背景
幕4からなる。背景幕4は、青色であり、操作者HMの
背後に背景として配置されている。
【0029】人物模型製造装置3は、計測部11、制御
部12、操作部13、モニタ部14、スピーカ15、コ
イン投入部16、加工部17、及び排出部18からな
る。これらは、本体ケース10に内蔵され、又はその一
部が本体ケース10の表面に露出するように取り付けら
れる。
【0030】計測部11は、3次元計測部111、2次
元撮影部112、及び計測系コントローラ113からな
る。3次元計測部111は、操作者HMの頭部HMh、
特にそのうちの顔HMfを撮影して3次元データを得る
ためのものである。2次元撮影部112は、操作者HM
の頭部HMhの全体及び胴体部HMbの一部を撮影し、
その2次元データ(カラー画像データ)を得るためのも
のである。
【0031】3次元計測部111は、参照光を照射する
ための投光窓20a及びその反射光を受光するための受
光窓20bを有する。受光窓20bは2次元撮影部11
2と共用される。投光窓20a及び受光窓20bは、図
1に示すように、本体ケース10の前面であって且つモ
ニタ部14の表示面14aの上辺に沿って、左右に基線
長の分だけ互いに間隔をあけて配置される。
【0032】3次元計測部111は、投光窓20a及び
受光窓20bから一定の距離の範囲内にある計測対象に
対して3次元計測が可能である。この計測可能な距離の
範囲を計測可能距離範囲という。つまり、計測可能距離
範囲の内側の対象物については正常な3次元データを得
ることが可能であり、計測可能距離範囲の外側の対象物
は計測不可能であって3次元データを得ることができな
い。計測可能距離範囲は図4において「d’」で示され
る。計測可能距離範囲は、後述の撮像面S2における有
効受光領域Aeのシフト方向の画素数(ブロック数とも
いう)、及び参照光の届く範囲に依存する。
【0033】人物模型製造システム1において、操作者
HMが操作部13を操作可能な通常の位置にいる限り
は、この計測可能距離範囲の内側に入るようになってお
り、計測を正常に行って3次元データを得ることができ
る。しかし、もし操作者HMが計測可能距離範囲に入っ
ていない場合、例えば遠すぎる場合には、近づくように
警告が発せられる。なお、後述するように、背景幕4は
計測可能距離範囲の外側に配置されている。
【0034】計測部11の光学ユニットが射出するスリ
ット光(所定幅wの帯状のレーザビーム)Uは、投光窓
20aを通って操作者HMに向かう。スリット光の長さ
方向の放射角度φは固定である。操作者HMの表面で反
射したスリット光の一部が受光窓20bを通って光学ユ
ニットに入射する。
【0035】計測系コントローラ113は、3次元計測
部111及び2次元撮影部112を制御するとともに、
それらから得られたデータを処理して3次元データ及び
2次元データを算出する。詳細は後述する。
【0036】制御部12には、データ処理部121、加
工データ生成部122、特性データ記憶部123が設け
られる。制御部12は、計測部11によって得られた3
次元データ及び2次元データに基づいて、加工部17を
制御し、加工部17において供給される材料に加工を行
って操作者HMの立体模型を製造する。また、撮像され
た操作者HMの2次元画像(カラー画像)を確認のため
にモニタ部14に表示し、また、操作者HMの位置や顔
の向きが悪い場合にモニタ部14への表示やスピーカ1
5による音声によってその旨を警告するように制御す
る。さらに、操作部13からの指令に対応して動作モー
ドを切り換えるなど、人物模型製造装置3の全体を制御
する。詳細は後のフローチャートで説明する。なお、制
御部12は、種々の電子デバイスを用いたハードウエア
回路、プログラムを実行するコンピュータ又はマイクロ
プロセッサの機能、又はそれらの組み合わせなどにより
実現することができる。
【0037】操作部13には、図3に示すように、スタ
ートボタン131、確認ボタン(OKボタンともいう)
132、キャンセルボタン(NGボタンともいう)13
3、及びジョイスティック134が備えられる。確認ボ
タン132は、例えばモニタ部14に表示される確認画
面や選択画面でOKを出すときに押され、キャンセルボ
タン133はモニタ部14に表示される操作者HMの画
像が想像と異なる場合に再度別のポーズをとるために押
される。ジョイスティック134は、表示面14aに表
示される複数のボタン又はGUIなどのいずれかを選択
するために用いられる他、表示面14aに表示される画
像を3次元の様々な方向に回転させるために用いられ
る。なお、ジョイスティック134で選択した後は、例
えば確認ボタン132を押すことにより、その選択内容
に対する入力指示が行われる。
【0038】モニタ部14は、表示面14aが、操作者
HMの正面に見えるように本体ケース10の前面ほぼ中
央に臨むように設置された表示システムである。モニタ
部14は、CRT、LCD、又はPDPなどの表示デバ
イスを備えた表示装置、又はこれに光学的機構を加えて
構成される。表示デバイスの表示部分が表示面14aに
一致する場合には、モニタ部14の構造は最も簡単であ
る。表示デバイスを表示面14aよりも奥側に配置し、
表示面14aに透明のガラス板を嵌め込むように構成す
ると、それらの間にミラー又はハーフミラーを配置する
ことができる。特に、後述の変形例のように表示デバイ
スの表示面の前方にハーフミラーを配置する場合には、
表示デバイスを表示面14aの奥に配置する必要があ
る。この場合には、表示面14aは単なる表示窓と同意
である。しかし、本明細書においては、表示面14aが
単なる表示窓である場合であっても、操作者HMから表
示面14aを通して画像が見えるので「表示面14aに
表示される」というように記載する。
【0039】表示面14aには、操作者HMが構図を決
めるための2次元画像、操作者HMの3次元計測を行っ
た結果である3次元画像(3次元形状画像)、操作のた
めのボタン又はGUI、及び操作方法の説明や警告など
が表示される。
【0040】スピーカ15からは、人物模型製造装置3
の操作方法の説明、使用上の注意、操作者HMの撮影位
置及び状態などに対する警告などが、音声で発せられ
る。適宜、効果音や音楽が流される。スピーカ15は、
本体ケース10の前面に配置されているが、本体ケース
10の側面、上面、又は底面などに配置してもよい。
【0041】コイン投入部16は、人物模型製造システ
ム1を使用するために必要な料金を操作者HMが投入す
るためのものである。コインの返却のために返却ボタン
が設けられている。正規のコインが投入されると、その
旨の信号が制御部12に出力され、立体模型MSの製造
に向けて動作が開始される。
【0042】加工部17には、加工系コントローラ17
1、加工機構172、及び材料供給機構173などが備
えられる。材料供給機構173は、加工系コントローラ
171の指示によって複数種類の材料の中から必要な材
料を選択し、それを加工機構172に供給する。加工機
構172は、計測部11で計測された3次元データに基
づき、加工系コントローラ171の制御によって、供給
された材料に操作者HMの顔HMfの部分を加工する。
そして、必要に応じて複数の材料又は加工済の材料を接
合し、操作者HMの立体模型MSを製作する。製作され
た立体模型MSは排出部18から排出されるので、操作
者HMは自身でそれを取り出して受け取る。なお、制御
部12と加工系コントローラ171の制御範囲の受持ち
については、種々の形態を取ることができる。
【0043】背景幕4は、先に述べたように青色であ
り、操作者HMの背後に背景として配置されているが、
その位置は、図4に示すように人物模型製造装置3から
見て操作者HMの後方であって3次元計測部111の計
測可能距離範囲の外側に配置される。また、背景幕4の
大きさに関しては、3次元計測部111及び2次元撮影
部112の両方についての撮影範囲、つまり後述する計
測用センサ53及びカラーセンサ54の視野範囲のほぼ
全域をカバーするように設けられる。なお、2次元撮影
部112は、操作者HMのみならず、背景幕4も正常に
撮像してそれらのカラー画像データを得ることができ
る。
【0044】したがって、計測部11によって撮影が行
われると、操作者HMの3次元データと、操作者HM及
び背景幕4の2次元データとが得られる。つまり、背景
幕4は計測可能距離範囲の外側に配置されているので、
3次元計測部111による計測を行った場合に、操作者
HMについてのみ3次元データが得られ、背景幕4の部
分については3次元データを得ることができずエラー情
報となる。
【0045】また、背景幕4が青色であるので、3次元
計測部111の照射する参照光の波長域に対して、背景
幕4による反射率は極めて低く、3次元計測に必要な受
光量が得られない。したがって、背景幕4が青色である
ことのみによっても、背景幕4の部分については3次元
データを得ることはほとんどできず、操作者HMの3次
元データのみが得られる。したがって、背景幕4を仮に
計測可能距離範囲の内側に配置した場合であっても、3
次元計測部111によって操作者HMのみの3次元デー
タが得られる。
【0046】ここで、参照光の波長域に対する背景幕4
の反射率の低さの程度は、3次元計測部111によって
参照光の反射光が受光されていても、後述する3次元位
置演算のルーチン(図30)で計測不可能であると判定
される程度であればよい。例えば、そのステップ#11
1でノーと判断される程度である。この場合には、背景
幕4の配置位置についての制約はなくなる。なお、2次
元データは撮影範囲の全部について得られるので、得ら
れた2次元データに基づいて種々の画像解析を行うこと
ができる。
【0047】次に、計測部11の構成及び動作について
説明する。図5は計測部11の機能構成を示すブロック
図、図6はビームスプリッタ52及びセンサ53,54
の構成を模式的に示す図である。図5中の実線矢印は電
気信号の流れを示し、破線矢印は光の流れを示してい
る。
【0048】図5において、計測部11は、光学ユニッ
トを構成する投光側及び受光側の2つの光学系40,5
0を有している。光学系40において、半導体レーザ
(LD)41が射出する波長670nmのレーザビーム
は、投光レンズ系42を通過することによってスリット
光Uとなり、ガルバノミラー(走査手段)43によって
偏向される。半導体レーザ41のドライバ44、投光レ
ンズ系42の駆動系45、及びガルバノミラー43の駆
動系46は、システムコントローラ61によって制御さ
れる。
【0049】光学系50において、ズームユニット51
によって集光された光はビームスプリッタ52によって
分光される。半導体レーザ41の発振波長帯域の光は、
計測用のセンサ53に入射する。可視帯域の光は、モニ
タ用のカラーセンサ54に入射する。センサ53及びカ
ラーセンサ54は、どちらもCCDエリアセンサであ
る。ズームユニット51は内焦型であり、入射光の一部
がオートフォーカシング(AF)に利用される。AF機
能は、AFセンサ57とレンズコントローラ58とフォ
ーカシング駆動系59によって実現される。ズーミング
駆動系60は電動ズーミングのために設けられている。
【0050】センサ53による撮像情報は、ドライバ5
5からのクロックに同期してメモリ63に格納される。
カラーセンサ54による撮像情報は、ドライバ56から
のクロックに同期してカラー処理回路67へ転送され
る。カラー処理を受けた撮像情報は、NTSC変換回路
70及びアナログ出力端子32を経てオンライン出力さ
れ、又はディジタル画像生成部68で量子化されてカラ
ー画像メモリ69に格納される。その後、カラー画像デ
ータがカラー画像メモリ69からSCSIコントローラ
66へ転送され、ディジタル出力端子33からオンライ
ン出力される。なお、カラー画像は、センサ53による
距離画像と同一の画角の像である。カラー画像は、制御
部12において、操作者HMの状態を検出するのに用い
られる他、例えば、3次元形状モデルの不要の頂点を間
引くために用いられる。
【0051】出力処理回路62は、センサ53の出力す
る各画素gの光電変換信号を増幅する増幅器、及び光電
変換信号を8ビットの受光データに変換するAD変換部
を有している。メモリ63は、200×32×33By
teの記憶容量を持つ読み書き可能なメモリであり、出
力処理回路62から出力される受光データを記憶する。
メモリ制御回路63Aは、メモリ63への書込み及び読
出しのアドレス指定を行う。
【0052】重心演算回路73は、メモリ63に記憶さ
れた受光データに基づいて、3次元データを算出するた
めの基となるデータを算出し出力用メモリ64に出力す
る。重心演算回路73の構成及び動作については後で詳
述する。
【0053】図6において、ビームスプリッタ52は、
色分解膜(ダイクロックミラー)521、色分解膜52
1を挟む2つのプリズム522,523、プリズム52
2の射出面522bに設けられた赤外線カットフィルタ
524、センサ53の前面側に設けられた可視カットフ
ィルタ525、プリズム523の射出面523bに設け
られた赤外線カットフィルタ526、及びローパスフィ
ルタ527,528から構成されている。
【0054】ズームユニット51から入射したスリット
光UCは、ローパスフィルタ527、プリズム522を
通って色分解膜521に入射する。半導体レーザ41の
発振帯域の光U0は色分解膜521で反射し、プリズム
522の入射面522aで反射した後、射出面522b
からセンサ53に向かって射出する。プリズム522か
ら射出した光U0の内、赤外線カットフィルタ524及
び可視カットフィルタ525を透過した光(スリット
光)がセンサ53によって受光される。一方、色分解膜
521を透過した光C0は、プリズム523を通って射
出面523bからカラーセンサ54に向かって射出す
る。プリズム523から射出した光C0の内、赤外線カ
ットフィルタ526及びローパスフィルタ528を透過
した光がカラーセンサ54によって受光される。
【0055】このように、本実施形態においては、通常
の可視光とスリット光Uとが同じ受光窓20bに入射
し、それらがビームスプリッタ52によって分岐される
ので、2次元画像の撮影と3次元データの計測とが同一
の視点で行われる。
【0056】次に、計測部11による3次元データの算
出方法について説明する。図7は計測部11による3次
元計測の原理を説明するための図、図8は計測部11に
おける3次元データの算出の原理を説明するための図で
ある。図8では理解を容易にするため、受光量のサンプ
リングについて5回分のみが示されている。
【0057】図7において、投光の起点Aと受光系のレ
ンズの主点Oとを結ぶ基線AOが受光軸と垂直になるよ
うに、投光系と受光系とが配置されている。受光軸は撮
像面S2に対して垂直である。図7(c)のように受光
系にズームレンズ群を設けた場合には、主点Oは後側主
点H’となる。
【0058】スリット光投影法に基づく3次元計測にお
いて、計測対象である物体上の点Pの3次元位置は、3
次元計測部111からの参照光の照射方向つまり投光角
θaと3次元計測部111への入射方向つまり受光角θ
pとの関係に基づいて求められる。
【0059】投光角θaは、スリット光Uの偏向角に基
づいて求められる。偏向角の変化量は、角速度と経過時
間とに基づいて求められる。したがって、スリット光U
の任意の時点における偏向角は、偏向を開始した時点に
おける偏向角(原点位置)、角速度、及び偏向を開始し
てからの経過時間(計測のタイミング)に基づいて求め
られる。これらの物理量は、走査手段の駆動信号若しく
は位置信号、制御のためのクロック信号、計測のための
サンプリング信号、又は内部時計などから得ることがで
きる。
【0060】受光角θpは、撮像面上の受光位置(y
p)に基づいて求められる。CCDセンサのように撮像
面が有限個の画素からなる撮像手段を用いた場合に、撮
像面上の受光位置は、原始的にはいずれかの画素の位置
となり、画素ピッチによって精度が決まってしまう。
【0061】そこで、精度を上げるために補間を行う。
補間のために重心演算を行う。補間の方法として、つま
り重心演算の方法として、時間重心演算の方法又は空間
重心演算の方法が用いられる。
【0062】図8において、センサ53の撮像面S2上
で複数画素分となる比較的に幅の広いスリット光Uを物
体Qに照射する。具体的にはスリット光Uの幅を例えば
5画素分とする。スリット光Uは、サンプリング周期毎
に撮像面S2上で1画素ピッチpvだけ移動するよう
に、図8の上から下に向かって偏向され、それによって
物体Qが走査される。サンプリング周期毎にセンサ53
から1フレーム分の受光データ(光電変換情報)が出力
される。なお、この偏向は実際には等角速度で行われ
る。
【0063】撮像面S2の1つの画素gに注目すると、
本実施形態においては、走査中に行う32回のサンプリ
ングによって32回分の受光データが得られる。これら
32回分の受光データに対する重心演算によって、注目
画素gがにらむ範囲の物体表面agをスリット光Uの光
軸が通過するタイミング(時間重心Npeak又は重心
ip)を求める。
【0064】物体Qの表面が平面であって光学系の特性
によるノイズがない場合には、注目画素gの受光量は、
図8(b)に示すように、スリット光Uが通過するタイ
ミングにおいて多くなり、通常、正規分布に近くなる。
同図のようにn回目とその1つ前の(n−1)回目の間
のタイミングで受光量が最大であった場合には、そのタ
イミングが時間重心Npeakとほぼ一致する。
【0065】求めた時間重心Npeakにおけるスリッ
ト光の照射方向と、注目画素に対するスリット光の入射
方向との関係に基づいて、物体Qの位置(座標)を算出
する。これにより、撮像面の画素ピッチpvで規定され
る分解能より高い分解能の計測が可能となる。
【0066】なお、注目画素gの受光量は物体Qの反射
率に依存する。しかし、サンプリングの各受光量の相対
比は受光の絶対量に係わらず一定である。つまり、物体
色の濃淡は計測精度に影響しない。
【0067】図9はセンサ53の読出し範囲を示す図で
ある。図9に示すように、センサ53における1フレー
ムの読出しは、撮像面S2の全体ではなく、高速化を図
るために撮像面S2の一部である有効受光領域(帯状画
像)Aeのみを対象に行われる。有効受光領域Aeは、
スリット光Uのある照射タイミングにおける物体Qの計
測可能距離範囲に対応する撮像面S2上の領域であり、
スリット光Uの偏向にともなってフレーム毎に1画素分
ずつシフトする。本実施形態では、有効受光領域Aeの
シフト方向の画素数は32に固定されている。CCDエ
リアセンサの撮影像の一部のみを読み出す手法は、特開
平7−174536号公報に開示されている。
【0068】図10はセンサ53の撮像面S2における
ラインとフレームとの関係を示す図である。図10に示
すように、撮像面S2の最初のフレームであるフレーム
1には、ライン1からライン32までの32(ライン)
×200画素分の受光データが含まれる。フレーム2は
ライン2からライン33まで、フレーム3はライン3か
らライン34までというように、フレーム毎に1ライン
分だけシフトされる。フレーム32はライン32からラ
イン63までである。なお、上述したように1ラインを
200画素とする。
【0069】これらフレーム1からフレーム32までの
受光データが、出力処理回路62を介してメモリ63に
順次転送され、フレーム1、2、3…の順に受光データ
が記憶される。各フレームに含まれるライン32のデー
タは、フレーム1については32ライン目、フレーム2
については31ライン目というように、フレーム毎に1
ラインづつ上方にシフトされている。フレーム1からフ
レーム32までの受光データがメモリ63に記憶される
と、ライン32の各画素について、時間重心Npeak
の算出が行われる。
【0070】ライン32についての演算が行われている
間に、フレーム33の受光データがメモリ63に転送さ
れて記憶される。フレーム33の受光データは、メモリ
63のフレーム32の次の領域に記憶される。フレーム
33のデータがメモリ63に記憶されると、これらフレ
ーム2からフレーム33までに含まれるライン33の各
画素について、時間重心Npeakの算出が行われる。
【0071】ライン33についての演算が行われている
間に、フレーム34の受光データがメモリ63に転送さ
れ、フレーム1の記憶されていた領域に上書きされる。
フレーム34のデータがメモリ63に記憶されると、ラ
イン34の各画素について、時間重心Npeakの算出
が行われる。このようにして、最終のラインであるライ
ン231まで、合計200ライン分についての時間重心
Npeakの算出が行われる。
【0072】次に、重心演算回路73の構成及び重心演
算回路73による時間重心Npeakの算出処理につい
て説明する。図11は重心演算回路73の構成を示すブ
ロック図、図12は時間重心Npeakの概念を示す図
である。
【0073】図12に示すように、時間重心Npeak
は、32回のサンプリングによって得られた32個の受
光データについての重心である。各画素についての32
個の受光データに、1〜32のサンプリング番号を付
す。i番目の受光データはxiで表される。iは1〜3
2の整数である。このとき、iは、1つの画素につい
て、その画素が有効受光領域Aeに入ってからのフレー
ム数を示している。
【0074】1〜32番の受光データx1〜x32につ
いての重心ipは、32個の受光データについて、i・
xiの総和Σi・xiをxiの総和Σxiで除すことに
より求められる。
【0075】重心演算回路73は、メモリ63から読み
出したデータに基づいて、各画素についての重心ip
(すなわち時間重心Npeak)を算出する。但し、メ
モリ63から読み出したデータをそのまま用いるのでは
なく、各データから定常光データksを減算した値(そ
の値が負になるときは0)を用いる。つまり、センサ5
3から出力される受光データに対して、定常光データk
sの分だけ差し引いてオフセットを与えるのである。
【0076】定常光データksは、スリット光Uが入射
していないときの画素の受光データに基づいて算出され
るデータである。定常光データksは、予め定めた固定
値を用いてもよく、又はセンサ53から出力されるデー
タを用いてリアルタイムで求めてもよい。固定値とする
場合には、センサ53の出力が8ビット(256階調)
である場合に、例えば「5」「6」又は「10」などと
する。リアルタイムで求める場合には、1つの注目画素
についての32個の受光データの前後各2画素分の受光
データのそれぞれの平均値を求め、平均値の小さい方を
定常光データksとすればよい。その理由は、有効受光
領域Aeの前後のいずれかにおいてはスリット光Uが入
射していないから、これによってスリット光Uが入射し
ていないときの受光データをリアルタイムで確実に求め
ることができるからである。また、前後各2画素分の受
光データの平均値の大きい方を定常光データksとして
もよい。32個の受光データの前の2画素分の受光デー
タの平均値、又は32個の受光データの後の2画素分の
受光データの平均値を用いてもよい。1画素分の受光デ
ータを用いてもよい。さらに、物体Qの形状又は受光デ
ータに含まれるノイズの状態によっては、それらの値に
さらに所定値(例えば「5」)を加算した値を定常光デ
ータksとして用い、これによりオフセットを大きく
し、不要なノイズ成分を一層確実にカットするようにし
てもよい。なお、それらの場合に、1フレームの大きさ
は、36ライン又は34ライン又は33ラインとなる
が、重心ipの算出には32ライン分の32個のデータ
を用いればよい。
【0077】さて、図11において、重心演算回路73
は、定常光データ記憶部731、減算部732、第1加
算部733、第2加算部734、及び除算部735から
なる。これらはソフトウエアを用いることによって実現
されるが、これらの全部又は一部をハードウエア回路に
より構成することも可能である。
【0078】定常光データ記憶部731は、定常光デー
タksを記憶する。減算部732は、入力された受光デ
ータから定常光データksを減算する。ここで、減算部
732から出力されるデータをあらためて受光データx
iとする。第1加算部733は、i・xiをi=1〜3
2について加算し、その合計値を出力する。第2加算部
734は、xiをi=1〜32について加算し、その合
計値を出力する。除算部735は、第1加算部733の
出力値を第2加算部734の出力値で除し、重心ipを
出力する。第1加算部733の出力値及び第2加算部7
34の出力値は、それぞれ出力用メモリ64a,bに記
憶される。出力用メモリ64a,bに記憶されたデータ
は、SCSIコントローラ66を介してディジタル出力
端子33から制御部12に出力される。制御部12にお
いて、これらのデータに基づいて3次元位置演算処理が
行われる。
【0079】つまり、時間重心演算の方法では、スリッ
ト光Uの偏向にともなって撮像面上の受光位置(yp)
が移動するが、撮像面の各画素の出力(x)について、
所定期間内における重心(時間重心)Npeakを演算
する。ある画素について得られた時間重心Npeak
は、その画素の出力(x)が最大となるときのタイミン
グ(i)であるから、時間重心Npeakに基づいて投
光角θaが求められる。画素の位置は既知であり、それ
が正確な受光位置(xp,yp)である。受光位置(y
p)から受光角θpが正確に求められる。これら受光角
θp及び投光角θaから物体上の点Pの座標Zが正確に
求められる。したがって、時間重心Npeak及び受光
位置(xp,yp)に基づいて、物体上の点Pの3次元
位置(X,Y,Z)が正確に求められる。
【0080】図13は撮像面S2のフレームFと計測可
能距離範囲との関係を説明する図である。図13におい
て、投光角θaが角度θ1のタイミングでは、撮像面S
2のフレーム1Fが読み出される。同様に、投光角θa
が角度θ2,θ3,θ4のタイミングでは、撮像面S2
のフレーム2F,3F,4Fが読み出される。
【0081】撮像面S2上の点Aの画素がにらむ方向に
ついては、角度θ2からθ4の期間で計測が可能であ
る。したがって、その期間に参照光が照射される点Aを
通る光軸上の距離範囲が計測可能距離範囲である。それ
より遠い距離に計測対象がある場合には、参照光が検出
できないため計測不可能である。
【0082】本実施形態では、上述したように、操作者
HMは計測可能距離範囲の内側に位置し、背景幕4はそ
の外側に配置され、これによって、操作者HMのみにつ
いて3次元データが得られる。
【0083】次に、投光窓20a及び受光窓20bの配
置位置について説明する。本装置は、顔の前面を加工す
るため、できる限り正面から測定(計測)するのが望ま
しい。測定の視点は、受光窓20bの位置である。した
がって、受光窓20bを表示面14aの近傍に配置する
のが望ましい。通常、操作者HMは、表示面14aを見
ながら操作を行うので、表示面14aに対して正面を向
いていることが多いからである。
【0084】投光窓20aは、基線長を取るために受光
窓20bからある程度離す必要がある。さらに、参照光
の影ができないように、できる限り正面に配置した方が
よい。例えば、上方から参照光を照射すると、鼻の下が
影になって参照光が届かず、測定できない。
【0085】これらの点を考慮して、配置例を以下に説
明する。図14は投光窓20a及び受光窓20bを表示
面14aの周辺に配置した例を示す図、図15は投光窓
20a及び受光窓20bの配置可能な位置を説明する
図、図16は投光窓20a及び受光窓20bを表示面1
4aと同一の視線上に配置した例を示す図である。
【0086】図14(A)には図1に示す本実施形態の
配置状態が示されている。つまり、本実施形態におい
て、投光窓20a及び受光窓20bは、表示面14aの
上辺に沿って配置されている。このように配置すること
によって、投光窓20a及び受光窓20bと表示面14
aとの間の操作者HMから見たパララックスが小さくな
り、表示面14aの方を向いた操作者HMの顔HMf
を、3次元計測部111によって正面に近い角度から撮
影することができる。
【0087】また、図14(B)に示すように、投光窓
20a及び受光窓20bを、表示面14aの右辺に沿っ
て配置してもよい。図14(C)に示すように、投光窓
20a及び受光窓20bを表示面14aを上下に挟むよ
うに配置してもよい。但しこの場合には、投光窓20a
と受光窓20bとの間の基線長を長くする必要がある。
これらの配置の場合も、投光窓20a及び受光窓20b
と表示面14aとの間のパララックスが小さくなる。
【0088】また、図15に示すように、投光窓20a
及び受光窓20bの配置位置を、aとc、dとe、fと
h、iとj、bとgの各位置のいずれの組み合わせとし
ても、同様の効果が得られる。投光窓20aと受光窓2
0bの互いの位置を交換してもよい。また、図15の例
では、投光窓20a及び受光窓20bの位置が表示面1
4aの中心線に対して対称となっているが、いずれかの
側へ偏らせることも可能である。
【0089】因みに、投光窓20a及び受光窓20bを
kとbの各位置に配置した場合には、パララックスが大
きくなって操作者HMの顔HMfが伏目勝ちになり、写
りが悪くなる。また操作者HMの鼻の影ができ、データ
の欠落が生じる。
【0090】図16に示す例では、モニタ部14の表示
デバイスは本体ケース10の奥の方に配置されており、
表示デバイスの表示面14bと操作者HMの前方の表示
面14aとの間にハーフミラーMRが配置されている。
表示面14aは透明のガラス板からなり、ハーフミラー
MRは表示面14a及び表示面14bに対して45度傾
斜している。投光窓20a及び受光窓20bは、ハーフ
ミラーMRの反射を利用し、操作者HMの視線を挟むよ
うに配置されている。操作者HMは、表示面14aを通
して、表示デバイスの表示面14bに表示された画像を
見ることができる。
【0091】図16に示す例では、操作者HMが表示面
14aを見る視線と投光窓20a及び受光窓20bとの
パラッラクスを最小にすることができる。したがって、
3次元計測部111に用いられる参照光がハーフミラー
MRによって半減されるが、その光量に余裕がある場合
には非常に有効な配置である。
【0092】なお、投光窓20a及び受光窓20bの位
置と表示デバイスの位置とを入れ替えてもよい。その場
合には、表示面14bに表示された画像がハーフミラー
MRで反射されて操作者HMに見えるので、モニタ部1
4の画像を左右反転させておく必要がある。また、投光
窓20a及び受光窓20bを、奥に配置された表示デバ
イスの表示面14bの周辺に配置することも可能であ
る。その場合の配置位置は図15に示す配置に準じれば
よい。
【0093】次に、加工部17の構成及び加工部17に
よる加工方法の例について説明する。上述したように、
加工部17には、加工系コントローラ171、加工機構
172、及び材料供給機構173が備えられる。加工系
コントローラ171は、制御部12から送られるNCデ
ータにしたがって加工機構172を制御する。加工機構
172によって、操作者HMの顔HMfの部分が切削加
工される。それに用いられる材料は、複数種類例えば5
種類の頭部材料の中から操作者HMが予め選択したもの
が、材料供給機構173によって供給される。頭部材料
の加工が終わると、同じく操作者HMが予め選択した胴
体部材料と接合され、これによって立体模型が完成す
る。
【0094】図17は頭部材料AMh1〜5及び胴体部
材料AMb1〜5を示す図、図18は加工された頭部材
料AMhと胴体部材料AMbとを接合する状態を示す
図、図19は頭部材料AMhの加工前及び加工後の形状
の相違を示す図である。
【0095】図17に示すように、人物模型製造システ
ム1において、5種類の頭部材料AMh1〜5及び5種
類の胴体部材料AMb1〜5が準備されている。なお、
本明細書において、頭部材料AMh1〜5の全体又は一
部を指して「頭部材料AMh」と記載することがある。
胴体部材料AMb1〜5についても同様である。
【0096】頭部材料AMhでは、主として髪形につい
て種々のバリエーションが準備される。胴体部材料AM
bでは、主として服装について種々のバリエーションが
準備されるが、それのみでなく、人気スターを模したも
の、種々の漫画キャラクタ又は空想の人物を模したも
の、種々の動物を模したもの、種々の前景を配したもの
などが用いられる。図17(B)の胴体部材料AMbの
例では、それぞれ、制服姿、ミッキーマウス、体操服
姿、はっぴ姿、及び水着姿が用いられている。
【0097】操作者HMは、これら各5種類の中からそ
れぞれ1種類づつ、つまり合計25の組み合わせの中か
ら好みの組み合わせを選択することができ、色々なバリ
エーションを楽しむことができる。
【0098】図19によく示されるように、頭部材料A
Mhでは、顔AMfの部分に加工しろとなる凸状部fp
が設けられている。凸状部fpが、刃物により切削加工
され、髪の毛及び耳などの他の部分と連続した顔HMf
に形成される。したがって、頭部材料AMhとして、切
削が容易であり且つ高精度の加工ができるような材質の
材料が用いられる。例えば、ABSなどの合成樹脂、又
は木材などが用いられる。また、加工方法に応じて、他
の材質、例えば、紙、粘土、金属、合成ゴムなどを用い
ることも可能である。
【0099】これに対して、胴体部材料AMbとして
は、成形が容易で柔らかい材質の材料、例えば、合成ゴ
ム又は軟質の合成樹脂などが用いられる。また、胴体部
材料AMbの内部に針金などを埋め込み、手足の形を自
由に変えられるようにする機能を付加することもでき
る。このように、頭部材料AMhと胴体部材料AMbと
にそれぞれ目的に合った異なる材質のものを使用するこ
とにより、操作者HMにとって満足度の高い立体模型を
提供することができる。
【0100】図18に示すように、頭部材料AMhの首
hnの部分には下方へ突出する突起hpが設けられ、胴
体部材料AMbの上端には平面部bne、及び上述の突
起hpの外径よりも小さい内径の穴bhが設けられる。
頭部材料AMhと胴体部材料AMbとの接合に当たって
は、突起hpを穴bhに嵌め込み、首hnの下端面hn
eと胴体部材料AMbの平面部bneとが当接するよう
に圧入される。いずれの種類の頭部材料AMh又は胴体
部材料AMbが選択されても、首hnと胴体部材料AM
bとが旨く連続して不自然とならないように接合され
る。
【0101】このように、頭部材料AMhと胴体部材料
AMbとが嵌め込みによって一体化され、立体模型MS
が製造される。なお、頭部材料AMhのひな型部分ha
及び胴体部材料AMbには、予め適当な色及び模様に着
色しておいてもよい。その場合に、凸状部fpの色を、
顔HMfのと同じ色つまり肌色又は白色にしておくと、
加工後に着色しなくても他の着色した部分と調和する。
【0102】さらに、顔HMfの眉の部分は黒い毛であ
り且つ余り突出していないため、3次元計測において平
坦に撮影され、3次元データには眉としてのデータが含
まれないことが多い。そのため、立体模型MSで眉のな
い状態となってしまうのを防ぐため、2次元データに基
づいて眉の部分を検出し、検出した部分を黒く着色する
こととすればよい。
【0103】また、嵌め込まれた頭部材料AMhと胴体
部材料AMbとは、人の力で引っ張ることにより抜いて
分解することができる。つまり、突起hpと穴bhと
は、操作者HMが捩って引き抜くことができる程度の嵌
め合いとなっている。これによって、複数の立体模型M
Sの相互間で、頭部材料AMhと胴体部材料AMbとを
着せ替え人形のように交換することができる。
【0104】なお、嵌め込まれた頭部材料AMhと胴体
部材料AMbとを分解する必要のないとき、又は突起h
pと穴bhとの嵌め合いが緩くてそのままでは簡単に外
れてしまうような場合には、接着剤を併用することが可
能である。また、本実施形態においては、加工部17に
おいて頭部材料AMhと胴体部材料AMbとを接合して
一体化された立体模型MSを排出したが、それらを接合
することなく、頭部材料AMhと胴体部材料AMbとが
分離した状態で商品として排出し、操作者HMの側でそ
れらを嵌め込むようにしてもよい。
【0105】さて、図19において、上述したように、
頭部材料AMhは、予め所定のひな型形状に形成された
ひな型部分haと、顔面の部分に設けられた凸状部fp
とからなる。ひな型部分haは、3次元計測部111の
撮影によって操作者HMの3次元データの得られない領
域に対応する部分である。ひな型部分haは、髪、耳、
頬の一部、おでこの一部などである。凸状部fpは、3
次元計測部111により得られた3次元データに基づい
て加工を行うことにより、顔AMfとなる。
【0106】このように、頭部HMhのうち、顔AMf
の部分のみを加工し、他の部分はひな型部分haとする
ことによって、3次元計測部111による3次元データ
の取得が容易となり、人物模型製造装置3の大型化を避
けることができる。
【0107】すなわち、髪の毛は反射率が低いため正確
な3次元データを得ることができない。髪の毛は細いた
め、それを忠実に再現するには高精度の3次元計測部が
必要であり、3次元データのデータ量が増大して撮影及
びデータ処理に多くの時間を要することとなる。また、
頭部HMhの全部について3次元データを得ようとする
と、複数の3次元計測部が必要になったり、また操作者
HMを回転させるための装置が必要になるなど、装置が
複雑化且つ大型化し、しかも撮影に時間がかかる。3次
元データの得難い部分をひな型部分haとしておくこと
によって、例えば髪の毛のデータ不足による不具合を解
消することができ、また、正面からの一方向のみの撮影
で必要な3次元データを取得することが可能であるた
め、装置の複雑化及び大型化を回避することができる。
【0108】なお、3次元データが得られる部分であっ
ても、その3次元データによる加工を行わずに、ひな型
を使用することも可能である。ところで、凸状部fpを
加工して顔AMfを形成する際には、加工後の顔AMf
とひな型部分haとが滑らかに連続するように加工され
る。そのために、顔AMfの3次元データに対するスム
ージングのための補正処理が行われる。スムージング補
正を行うことによって、顔AMfと頬又は髪などとの繋
ぎが目立たなくなり、違和感をなくすことができる。
【0109】また、加工精度を高めるために、頭部材料
AMhの加工の際のチャックング、つまり位置決めが高
精度で行われる。そこで、次にスムージング補正及びチ
ャッキングについて説明する。
【0110】図20は頭部材料AMhにおける顔AMf
の領域を示す図、図21は補間処理によってスムージン
グ加工される状態を説明するための図、図22は頭部材
料AMhのチャッキング時の位置を精密測定するための
位置測定装置310の構成の例を示す図、図23は他の
形態の頭部材料AMh1とそれをチャッキングするため
のチャック装置320の構成の例を示す図、図24は図
23に示す頭部材料AMh1と胴体部材料AMb1との
接合による立体模型MS1を示す図である。なお、図2
1(B)は違和感があって好ましくない例を示す。
【0111】図20において、凸状部fpは、加工機構
172によって加工されるが、凸状部fpの周縁部に設
けられる緩衝領域fprに対応して、凸状部fpの周辺
部との間が滑らかになるようにスムージング補正が行わ
れる。
【0112】すなわち、操作者HMの顔HMfの形状は
それぞれ異なる。例えば、おでこの形状はそれぞれ異な
るので、3次元計測部111で得られたままの3次元デ
ータに基づいて凸状部fpを加工すると、図21(B)
に示すように、ひな型部分haとの境界分DERに線が
入るなどして違和感の生じる可能性がある。
【0113】そのような違和感をなくすために、緩衝領
域fprについては、図21(A)に示すごとく、その
両側の間が滑らかにつながるように、3次元データに対
して補正を加えた補正データが用いられる。
【0114】3次元データの補正処理においては、図2
1(A)に示すように、まず、緩衝領域fprの両側に
あるおでこの曲線LBの端部と顔の曲線LCの端部とを
線分LA1でつなぐ。次に、曲線LB、曲線LC、及び
線分LA1をつなぐ1つの曲線が滑らかに違和感なくつ
ながるように、線分LA1を変形して曲線LAとする。
その際に、必要に応じて曲線LCに対しても補正を行
う。
【0115】また、スムージング補正の他の方法とし
て、緩衝領域fprを設けない方法がある。これは、図
21(B)のように曲線LBと曲線LCとを直接につな
いだ後で、曲線LCに対して滑らかにつながるように補
正を行う。
【0116】なお、各頭部材料AMhのひな型部分ha
の3次元データは、制御部12に予め記憶されており、
操作者HMによって選択された頭部材料AMhのひな型
部分haについての3次元データが用いられる。その3
次元データに基づいて、上述の曲線LBのデータなどが
得られる。
【0117】このように、画像処理によって適切な曲線
を計算し、補正された3次元データによって実際の加工
を行う。補正データの作成つまり3次元データの補正
は、制御部12において、3次元データ顔データを加工
部17のためのNCデータに変換する際に行われる。
【0118】そして、そのような補正データによる加工
によって滑らかに仕上げるには、頭部材料AMhを高精
度でチャッキングしておく必要がある。次に加工精度を
上げる方法について説明する。
【0119】頭部材料AMhの加工において最も精度を
出す方法としては、頭部材料AMhをチャッキングした
後、被接触式又は接触式の位置センサによって、X,
Y,Zの3方向の全て又はいずれかについて、頭部材料
AMhの位置を検出し、それを加工機構172の刃物の
初期位置及び加工基準面の傾きにフィードバックする方
法がある。この方法によって、加工機構172における
加工の基準面と頭部材料AMhの基準面(切削面)とに
おける、固体間のばらつき又は頭部材料AMhのチャッ
キングの誤差など、精度劣化につながる要因を排除する
ことができる。
【0120】図22において、チャッキングされた頭部
材料AMhに対して、刃物台FRに取り付けられた各方
向のセンサSX,SY,SZから構成される位置測定装
置310によって、凸状部fpの各面の位置が測定され
る。凸状部fpの位置が測定されると、それらの基準位
置からのずれが求められ、刃物BTの初期位置にフィー
ドバックされる。なお、刃物BTは刃物台FRに固定さ
れ、センサSX,SY,SZと一体的に移動する。
【0121】これによって、頭部材料AMhの位置決め
に誤差が生じても、刃物BTの初期位置を凸状部fpの
切削面のある決められた位置にもっていくことができ
る。なお、切削時には、各センサSX,SY,SZが頭
部材料AMh及び周辺部と干渉しないようにするため、
それらを切削領域から待避させるためのスペースを確保
しておく。
【0122】センサSX,SY,SZを使用すると、加
工精度を向上させることができるが、コストの上昇とス
ペースの確保の問題がある。センサSX,SY,SZを
使用しないで加工精度を向上させるには、頭部材料AM
hを高精度でチャッキングする必要がある。そのために
は、頭部材料AMhの形状を高精度のチャッキングが容
易なようにしておく必要がある。
【0123】図23において、頭部材料AMh1には、
頭の中心から首にかけた鉛直方向に、位置合わせのため
の金物hhが貫通し、互いに一体的に結合している。金
物hhは、頭部材料AMh1の加工基準位置に対して高
精度で位置決めされている。金物hhの上端部hhaに
は、キーホルダーとして使用する際のリングを取り付け
るための穴が設けられている。
【0124】チャック装置320は、装置を保持するた
めのチャッキングユニット321、X方向に沿って開閉
する上側チャック部322及び下側チャック部323、
Y方向ストッパー324、Z方向ストッパー325,3
26、及びスプリング327からなる。
【0125】チャック装置320では、頭部材料AMh
1を高精度でチャッキングするため、X,Y,Zの全て
の方向に対して位置決めを行う。すなわち、上側チャッ
ク部322及び下側チャック部323により金物hhを
挟み込むことによって、X方向の位置決めを行う。Y方
向ストッパー324に金物hhの下端縁を押し当てるこ
とにより、Y方向の位置決めを行う。スプリング327
によって金物hhをZ方向ストッパー325,326に
押し当てることにより、Z方向の位置決めを行う。この
ように、頭部材料AMh1を高精度でチャッキングした
チャック装置320の全体が、刃物を有した切削ユニッ
トに対して高精度で位置決めされ、切削加工が行われ
る。金物hhがチャッキングされるので、頭部材料AM
hの他の部分には傷が付かないという利点がある。
【0126】図24に示すように、切削加工の完了した
頭部材料AMh1は、胴体部材料AMb1と接合されて
一体化される。胴体部材料AMb1の上端には平面部b
ne1が設けられ、そのほぼ中央にスリット状の穴bh
1が設けられる。金物hhの下端部を穴bh1に差し込
み、首hn1の下端面を平面部bne1に当接させる。
これによって立体模型MS1が組立てられる。
【0127】このように、3次元計測部111で得られ
た3次元データにスムージング補正を行い、且つ高精度
の加工を行うことにより、顔とその周辺部分とのつなぎ
目の目立たない加工品が得られ、操作者HMの個々人の
顔HMfの表情を再現した立体模型MSを得ることがで
きる。
【0128】図25は他の形態の頭部材料AMh2とそ
のチャッキング状態を示す図、図26は図25の頭部材
料AMh2と胴体部材料AMb2とを接合した立体模型
MS2を示す図である。
【0129】図25において、頭部材料AMh2は、首
hn2の部分には、下方へ突出する六角柱又は四角柱な
どの形状の突起hp2が設けられる。突起hp2は、コ
レットチャック331によりチャッキングを行う。首h
n2の下端面2をコレットチャック331の端面331
aに当接することにより、Y方向の位置決めを行って精
度を確保する。
【0130】図26において、胴体部材料AMb2の上
端には平面部bne2、及び上述の突起hp2が嵌入す
る六角形の穴bh2が設けられる。突起hp2を穴bh
2に差し込むことによって、それらが互いに接合され、
立体模型MS2が組み立てられる。首hn2の下端面h
ne2が平面部bne2に当接することによって高さ方
向の位置決めが行われる。突起hp2及び穴bh2が六
角形であるので、差し込むことによって顔AMf2の向
きについての位置決めが行われる。
【0131】上述の実施形態においては、頭部材料AM
hと胴体部材料AMbとを接合することによって立体模
型MSを組み立てたが、図25に示す頭部材料AMh2
のみをそのまま立体模型MS3とすることもできる。
【0132】加工機構172として、切削加工を行う場
合には、例えばフライス盤が用いられる。加工機構17
2には、上述したように、工作物である頭部材料AMh
を固定するためのチャック装置やテーブルが備えられ
る。刃物として、エンドミル、スローアウエイフライス
などが用いられる。切削加工によらない場合には、積層
造形法(光造形法を含む)、レーザ加工(熱加工)、放
電加工、成型加工(加圧など)などの手法を用いること
が可能である。
【0133】材料供給機構173として、例えば合計1
0種類の材料を収納するストッカーを備え、選択された
材料を押し出しロッドにより移送路に送り出し、これを
チャック付き移送ロッドによりチャック装置又はテーブ
ルに送り込む装置が用いられる。各材料については、複
数個の材料を準備しておき、例えばエレベータによって
順次送りだせばよい。また、多関節のロボット又はマニ
ピュレータを用い、材料を把持してチャック装置に持っ
ていくようにしてもよい。刃物台を固定しておき、ロボ
ットで把持した材料を3次元データに基づいて移動させ
るようにロボットを制御し、ロボットが材料を把持した
状態で加工を行うようにしてもよい。
【0134】加工を終えた頭部材料AMhは、ロボット
又は他の自動化装置により胴体部材料AMbと接合され
る。接合により組み立てられた立体模型MSは、排出部
18から排出される。なお、上述したように、頭部材料
AMhと胴体部材料AMbとを別々に排出してもよい。
【0135】次に、計測部11及び制御部12の動作
を、フローチャートを参照して計測の手順と合わせて説
明する。図27〜図29は制御部12の処理動作を示す
フローチャート、図30は制御部12における3次元位
置演算の処理手順を示すフローチャートである。
【0136】図27において、電源が投入されると、ま
ず、制御部12の初期化が行われ(#11)、計測部1
1及び加工部17に電源が供給されて初期化が行われる
(#12)。モニタ部14には、ユーザの興味を引きつ
けるための画像がデモ表示され、スピーカ15から音楽
が流される(#13)。人物模型製造装置3の機能の説
明及び注意を行う画面も表示される。この状態で、コイ
ン投入部16にコインの投入されるのを待つ(#1
4)。
【0137】コインが投入されると、表示面14aに髪
形選択画面が表示される(#15)。髪形選択画面で
は、複数種類の髪形の画像が表示されるので、操作者H
Mは、操作部13を操作してその中から自分の好みの髪
形を選択する(#16)。髪形を既成のものから選ぶの
は、髪の毛の3次元データを得るのが容易ではなく且つ
加工も困難であるからである。
【0138】髪形の選択の次に、胴部選択画面が表示さ
れる(#17)。胴部選択画面では、複数種類の胴体部
の画像が表示されるので、操作者HMは、操作部13を
操作してその中から自分の好みの胴体部を選択する(#
18)。3次元データを撮影して新たに模型を製作する
のは操作者HMの顔HMfの部分のみであるから、胴体
部は既成のものから選択してもらう。髪形選択画面に表
示される髪形及び胴部選択画面に表示される胴体部は、
加工部17において準備されている頭部材料AMh及び
胴体部材料AMbに対応している。
【0139】次に、モード選択画面が表示される(#1
9)。モードとして、「うるさいモード」と「うるさく
ないモード」がある。「うるさいモード」では、以降に
おける全ての判定及び警告のための処理が実行される。
「うるさくないモード」は、操作者HMに対してお好き
なように撮って下さいというモードであり、以降におけ
る全ての判定及び警告は一切行われない。操作者HM
は、操作部13を操作していずれかのモードを選択する
(#20)。「うるさいモード」が選択された場合には
(#21でイエス)、「うるさいフラグ」がセットされ
る(#22)。「うるさいフラグ」がない場合には、以
降の判定処理及び警告処理は全てジャンプする。
【0140】次に、選択内容確認画面が表示される(#
23)。選択内容確認画面は、これまでに操作者HMが
選択した内容を一覧表示する画面である。操作者HM
は、それに対応して操作部13を操作する。キャンセル
ボタン133が押されると(#24でイエス)、ステッ
プ#15に戻って選択をやり直す。確認ボタン132が
押されると(#25でイエス)、ステップ#31に進
む。また、コイン投入部16の返却ボタンが押されると
(#26でイエス)、コイン返却処理が実行され(#2
7)、ステップ#13に戻る。なお、キャンセルボタン
133を押して選択をやり直すことのできる回数は限定
されている。
【0141】図28において、ステップ#31で、選択
された髪形の情報をメモリに記憶し、その髪形を表示面
14aに表示する。また、髪形の情報を加工部17に送
ってそれに応じた頭部材料AMhを選択するようにセッ
トする。「うるさいフラグ」が立っている場合には(#
32でイエス)、プリ3次元計測を行う(#33)。プ
リ3次元計測では、3次元計測部111による撮影を行
って大まかな3次元データを得る。ここで、後述する3
次元位置演算処理が行われる。得られた3次元データ
は、以降の判定に用いられ、これによって各種の警告の
要否が決定される。
【0142】次に、2次元撮影部112によって、操作
者HMを撮影する(#34)。2次元撮影部112によ
って、操作者HMの頭部HMhの全体及び胴体部HMb
の一部が撮影され、2次元データ(カラー画像データ)
が得られる。撮影した2次元データの中の顔HMfの部
分を、表示面14aに表示された髪形の中に張り付けて
表示する(#35)。
【0143】以下に説明するステップ#37からステッ
プ#50の処理は、「うるさいフラグ」が立っている場
合にのみ実行される。「うるさいフラグ」がない場合は
ステップ#61にジャンプする(#36)。
【0144】まず、遠近判定が行われる(#37)。こ
の判定では、撮影された操作者HMの顔が予め設定され
た基準範囲の大きさであるか否かが判断される。撮影さ
れた顔が大きすぎたり小さすぎたりすると、頭部材料A
Mhを加工したときにひな型部分haと旨くつながら
ず、違和感が生じてしまうからである。その判断の方法
として、3次元データを用いる方法と2次元データが用
いる方法とがある。2次元データを用いる方法では、例
えば、2次元データの中の操作者HMの領域と背景幕4
の領域とを区画し、2次元データの全体の中で顔HMf
の部分の占める割合を求めて判断を行う。2次元データ
を用いて遠近判定を行うようにすると、プリ3次元計測
を一層簡略化することが可能である。
【0145】操作者HMの位置が遠すぎる場合には(#
38でイエス)、表示面14aに「近づいて下さい」と
警告を表示する(#39)。近すぎる場合には(#40
でイエス)、「離れて下さい」と警告を表示する(#4
1)。警告を表示した後は、再度の撮影を行うためにス
テップ#32に戻る。しかし、遠近判定を2次元データ
に基づいて行う方法を採用した場合には、ステップ#3
4にジャンプするようにしてもよい。
【0146】メガネ判定が行われる(#42)。この判
定では、原則として、撮影された操作者HMの目の周辺
に異常データが検出された場合に、操作者HMがメガネ
を着用していると判断する。メガネを着用している場合
には(#43)、表示面14aに「メガネをとって下さ
い」と警告を表示する(#44)。
【0147】髪の判定が行われる(#45)。この判定
は、3次元計測部111では髪の3次元データが得られ
ず、髪が顔HMfの部分に掛かっている場合にはその部
分の加工が不可能であるので、それを警告するために行
われる。また、3次元データを補間したとしても、違和
感が生じることが多いからである。ここでの判定の方法
として、次に述べる方法がある。なお、先の遠近判定に
よる処理を通過することによって顔の大きさが適切に調
整されているので、顔の3次元データとしてほぼ一定の
大きさのデータが取り込まれるはずである。
【0148】第1の方法は、その3次元データの量が極
端に少ない場合に、髪が顔に掛かっていると判断する。
第2の方法は、3次元データの中で欠落データが多いこ
とによって判定する。第3の方法は、2次元データから
肌の色を分析し、髪の部分のみを抽出する。第3の方法
によると、2次元データから3次元データの欠陥を予測
できることとなるので、プリ3次元計測を一層簡略化す
ることが可能である。髪が顔に掛かっている場合には警
告が必要であると判断し(#46でイエス)、表示面1
4aに「髪をかきあげて下さい」と警告を表示する(#
47)。
【0149】顔横向き判定が行われる(#45)。ここ
では、操作者HMの顔が正しく正面を向いているか否か
を判定する。通常、立体模型MSとしては正面を向いて
いるものが望まれるので、別の方向を向いていると失敗
作となるからである。判定のために、3次元データによ
り、鼻の先端と口の先端から顔の中心軸が抽出される。
3次元データの顔における中心軸の位置から、顔が正面
を向いているのか横を向いているのかか判定される。横
を向いている場合には警告が必要であると判断し(#4
9でイエス)、表示面14aに「正面を向いて下さい」
と警告を表示する(#50)。顔の中心軸が検出できな
かった場合は正面を向いていると判断し、警告不必要と
判定する。
【0150】図29において、選択内容を確認するため
に「これでいいですか」と表示する(#61)。操作者
HMは、それに対応して操作部13を操作する。キャン
セルボタン133が押されると(#62でイエス)、ス
テップ#32に戻ってやり直す。確認ボタン132が押
されると(#63でイエス)、投光窓20a及び受光窓
20bの近傍に設けられたランプが点滅する(#6
4)。「点滅を見て下さい」と表示面14aに表示し
(#65)、且つスピーカ15から音声を流す(#6
6)。これによって、操作者HMの目線が正面を向くよ
うに誘導され、顔HMfを正面に近い位置から撮影する
ことができる。
【0151】3次元本計測を行う(#67)。3次元本
計測では、3次元計測部111による撮影を行って3次
元データを得る。ここでも後述する3次元位置演算処理
が行われる。得られた3次元データに基づいて頭部材料
AMhの加工が行われる。撮影は1回でもよいが、複数
回行ってもよい。複数回の撮影を行う場合には、撮影の
方法、及び得られた複数の3次元データの使用方法など
について、種々の実施形態が考えられる。
【0152】第1の例は、同じ位置から複数回の撮影を
行い、得られた3次元データの中で最もよい3次元デー
タ、例えば欠落データの最も少ない3次元データを用い
る。複数回の撮影を行うには、例えば、撮影回数のカウ
ンタに回数をセットし、3次元計測を行う度毎にカウン
タをデクリメントし、カウンタが0になれば撮影を終了
する。第2の例は、同じ位置から複数回の撮影を行い、
得られた3次元データのよいとこどりを行う。つまり、
データの欠落する部分を互いに補い合って欠落のない3
次元データを作成する。
【0153】第3の例は、3次元計測部111を複数個
設置しておき、それらによって操作者HMの顔HMfを
異なる角度から撮影する。得られた複数の3次元データ
をデータ処理によって繋ぎ合わせて1つの完全な3次元
データとする。第4の例は、1つの3次元計測部111
を移動可能に設置しておき、異なる位置から操作者HM
の顔HMfを撮影する。第5の例は、操作者HMの位置
の床面に回転テーブルを設置しておき、回転テーブルを
左右に回動させて操作者HMの顔HMfを左右に向けさ
せ、色々な角度から操作者HMの顔HMfを撮影する。
【0154】次に、得られた3次元データに、予め準備
された3次元データである髪データ及び胴体データをは
りつける(#68)。はりつけのために、必要な演算が
行われる。できあがった全体の3次元データを、特性デ
ータ記憶部123に記憶し、それを表示面14aに表示
する(#69)。同時に、操作者HMの確認のために
「これでいいですか」と表示面14aに表示する(#7
0)。操作者HMは、それに対応して操作部13を操作
する。キャンセルボタン133が押されると(#71で
イエス)、ステップ#32に戻ってやり直す。確認ボタ
ン132が押されると(#722イエス)、顔の3次元
データを加工のためのNCデータに変換する(#7
3)。変換処理においては、倍率変換及び解像度変換が
行われ、また顔HMfとその周辺部分との境界部分であ
る緩衝領域fprについてスムージング補正が行われ
る。変換されたNCデータは加工部17に送られる(#
74)。加工部17において、加工が開始される(#7
5)。
【0155】表示面14aには、顔の3次元データに髪
データ及び胴体データをはりつけたものを表示し(#7
6)、加工が完了するまでそれを回転させて表示する
(#77)。加工が完了すると、加工された頭部材料A
Mhと選択されて供給された胴体部材料AMbとを接合
して組み立てた後(#79)、完成した立体模型MSを
排出部18に排出する(#80)。そして「うるさいフ
ラグ」をクリアする(#81)。
【0156】図30に示すように、制御部12において
は、3次元位置演算処理が実行され、これによって20
0×200個のサンプリング点(画素)の3次元位置
(座標X,Y,Z)が算定される。サンプリング点はカ
メラ視線(サンプリング点と前側主点Hとを結ぶ直線)
とスリット面(サンプリング点を照射するスリット光U
の光軸面)との交点である。
【0157】まず、計測部11から送られてきたxiの
総和Σxiが所定値を上回っているかどうかを判定する
(#111)。xiが小さい場合、つまりスリット光成
分の総和Σxiが所定の基準に満たない場合には誤差を
多く含んでいるので、その画素については3次元位置の
算出を実行しない。そして、その画素については「エラ
ー」を示すデータを設定して記憶する(#117)。Σ
xiが所定値を上回っている場合には十分な精度が得ら
れるので、3次元位置の算出を実行する。
【0158】3次元位置の算出に先立って、スリット光
Uの通過タイミングnopを算出する(#112)。通
過タイミングnopは、i=1〜32について(Σi・
xi)/(Σxi)を計算して重心ip(時間重心Np
eak)を求め、これにライン番号を加算することによ
って算出される。
【0159】すなわち、算出された重心ipは、その画
素の出力が得られている32フレーム内のタイミングで
あるので、ライン番号を加えることによって走査開始か
らの通過タイミングnopに変換する。具体的には、ラ
イン番号は、最初に算出されるライン32の画素につい
ては「32」、次のライン33については「33」とな
る。注目画素gのラインが1つ進む毎にライン番号は1
つ増大する。しかし、これらの値は他の適当な値とする
ことが可能である。その理由は、3次元位置を算出する
際に、係数であるX軸周りの回転角及びX軸周りの角速
度などをキャリブレーションにより適切に設定すること
ができるからである。
【0160】そして3次元位置算出を行う(#11
3)。算出された3次元位置は、その画素に対応するメ
モリ領域に記憶し(#114)、次の画素について同様
の処理を行う(#116)。総ての画素についての処理
が終わると終了する(#115でイエス)。
【0161】上述の実施形態においては、計測部11に
よって操作者HMのみの3次元データを得るために、背
景幕4を計測可能距離範囲の外側に配置し、また背景幕
4の色を参照光の波長域に対して低反射率としたが、こ
の他、次に述べる変形例のように構成することもでき
る。
【0162】図31は第1の変形例の背景幕4bを示す
図である。図31に示すように、背景幕4bは、3次元
計測部111の投光窓20aから照射される参照光に対
して拡散反射率の低いものであり、且つ、参照光の背景
幕4bによる正反射光が受光窓20bに受光されない位
置に配置されている。このようにすると、背景幕4bか
らの反射光はほとんど受光窓20bに入射しないため、
背景幕4bの3次元データは得られない。しかし、操作
者HMの顔HMf又などは充分に拡散反射を行うので、
3次元計測部111による3次元データの計測が可能で
ある。したがって、操作者HMが撮影範囲内に位置する
ことによって、操作者HMのみの3次元データを得るこ
とができる。
【0163】また、3次元計測部111によって得られ
た3次元データから、背景幕4の配置された距離位置の
近傍の3次元データを削除する手段を設けておいてもよ
い。例えば、図30のフローチャートに対応する図32
のフローチャートに示すように、ステップ#113aで
3次元位置が背景幕4の距離の近傍であるか否かを判断
し、幕距離近傍であればステップ#117にジャンプ
し、エラー情報と同等に扱うように処理を行えばよい。
なお、この例は、アクティブ方式に限定されるものでは
なく、パッシブ方式(例えばステレオ視方式)にも適用
可能である。
【0164】第2の変形例は、上述のように背景幕4を
青色とすることに加えて、背景幕4に対する反射光強度
を予め測定しておき、その強度以下の受光出力を使用し
ないように構成する。
【0165】そのための具体的な構成を説明すると、図
27に示すフローチャートのステップ#12の次に、背
景幕4に対する反射光強度を測定するための「幕測定」
の処理ブロックを追加する。この場合には、電源が投入
されて各部の初期化が終わった後、幕測定処理が行われ
る。幕測定処理が終わった後にデモ表示を行う。
【0166】図33は幕測定処理のフローチャートであ
る。幕測定処理では、通常の3次元計測を行うのと同様
に、背景幕4に対してスリット光を走査して照射し、そ
の反射光を受光する(#121)。受光出力は一旦メモ
リに記憶する。これによって、メモリには、各画素につ
いて図12に示すようなデータが揃う。その内の最大値
の受光データを検出し、検出した最大値のデータと図1
1の元の定常光データ731との和の値を定常光データ
731として設定する(#122)。定常光データ73
1は各画素毎に設定される。これによって、以降の3次
元計測において、背景幕4からの反射光成分はカットさ
れる。なお、計測対象である操作者HMの反射率は背景
幕4よりも高いので、計測のためのスリット光成分は十
分に受光される。
【0167】なお、背景幕4,4bとして種々の材料か
らなる幕及び壁が含まれる。例えば、織布、不織布、
紙、合成樹脂、合成ゴム、又は金属などからなる幕、材
木、土、コンクリートなどからなる壁などを用いること
ができる。
【0168】次に、立体模型MSのための材料につい
て、その形態及び加工方法に関する種々の他の例を説明
する。なお、上に述べた例と類似するものも含まれる。
上に述べた実施形態では、加工された頭部材料AMh
と、予め準備された胴体部材料AMbとを接合して立体
模型MSとしたが、次に示す例では、顔の部分とそれ以
外の全体部分とに分割しておき、顔の部分の材料である
顔材料AMfmについて切削加工を行い、加工された顔
材料AMfmを、全体部分の材料である全体材料AMA
に接合することによって立体模型MSを作製する。
【0169】まず、顔材料AMfmの形態及び輪郭形状
の種々の例について説明する。 〔第1の形態例〕図34及び図35に示すように、胴体
部AMb及び頭部HMhを有する標準的な人物模型を、
全体材料AMA1として予め準備する。全体材料AMA
1の頭部HMhには、耳及び頭髪(後頭部を含む)が予
め形成されており、顔AMfに対応する部分には、結合
面JF1,JF2が形成されている。
【0170】顔材料AMfm1は、加工に適した材質か
らなり、3次元データに基づいて顔AMfの形状に切削
される。顔AMfの切削領域の周辺に、エンドミルなど
の切削工具の逃げのための空間である逃げ領域Mrを容
易に設けることができる。
【0171】加工された顔材料AMfm1は、結合面J
F1,JF2において接触して位置決めされ、全体材料
AMA1と結合される。顔材料AMfmは本発明におけ
る第1部の材料に相当し、全体材料AMAは本発明にお
ける第2部の材料に相当する。
【0172】この例による利点は次のとおりである。 (1)顔材料AMfm1を全体材料AMA1から分離し
て切削加工することにより、切削に必要な工具の逃げ領
域Mrを容易に確保できる。
【0173】因みに、顔AMfの部分を分離することな
く、頭部HMhの中で顔AMfの部分を切削する場合に
は、図52(A)に示すように、顔AMfの部分の周辺
に髪型及び頭部の既製の形状が存在するため、逃げ領域
を設定できず加工できない領域WEができてしまう場合
がある。これを防止するためには、図52(B)に示す
ように、頭部HMhにおける顔AMfの周辺に、加工を
行わない逃げ領域Mrを設ける必要がある。逃げ領域M
rとしては、切削工具の直径寸法以上の幅が必要であ
る。そうすると、その逃げ領域Mrの分だけ無用の領域
を設けることとなり、人物模型として好ましくない。
【0174】これに対して、第1の形態例の顔材料AM
fm1及び全体材料AMA1を用いた場合には、顔材料
AMfm1を単独で加工することができるので、その周
辺の自由空間を逃げ領域Mrとして利用して顔材料AM
fmを顔AMfの形状そのものに加工することができ
る。その上、全体材料AMA1に逃げ領域Mrのような
無用の領域を設ける必要がない。つまり、顔材料AMf
mは、図35に示すようにその周囲を端部まで加工する
ことができ、また、全体材料AMAの頭部HMhは、顔
材料AMfmを嵌め込んだときの端部が結合面JF2に
接するようにすればよく、それらの間に余計な領域を設
ける必要がない。 (2)顔材料AMfm1と全体材料AMA1との結合面
を2面に限定することにより、3次元的面合わせ(形状
合成)が簡略化できる。 (3)頭部材料AMhにおいて顔AMfの形状を形成す
る場合と比較して、3次元的な面合わせが容易である。 〔第2の形態例〕 この例では、顔の部分とそれ以外の全体部分とに分割す
ることは第1の形態例と同様であるが、顔材料AMfm
2が前頭部をも含んでいる点が異なる。
【0175】つまり、図36に示すように、全体材料A
MA2として、胴体部、耳、及び後頭部を有する標準的
な人物模型を用いる。全体材料AMA2の頭部HMhは
後頭部のみであり、前頭部は顔材料AMfm2に設けら
れる。したがって、顔材料AMfm2には、顔AMf、
前頭部、前髪、額、及び顎が含まれる。顔AMfについ
ては、操作者HMを3次元計測して得られた3次元デー
タを用い、前頭部、前髪、額、及び顎については、標準
形状として準備されているデータを用い、それらを合成
したデータによって顔材料AMfm2を加工する。
【0176】加工された顔材料AMfm2は、結合面J
F1において全体材料AMA1と結合される。この例に
よる利点は次のとおりである。 (1)全体材料AMA2と顔材料AMfm2との結合面
を1面に限定することにより、面合わせ(形状合成)が
2次元的面合わせとなり、面合わせがより簡略化され
る。 〔第3の形態例〕図37に示すように、全体材料AMA
3の形状を、人物以外のもの、例えば、動物、擬似動
物、又は縫いぐるみとする。顔材料AMfm3には、額
から顎までの部分を含み、顔AMfを加工した後に、結
合面JF1において全体材料AMA3と結合する。
【0177】この例による利点は次のとおりである。 (1)上に述べた第1の形態例の利点(1)と同じ利点
を有する。 (2)上に述べた第2の形態例の利点(1)と類似する
利点が得られる。つまり、額から顎までの顔形状と全体
材料AMA3との結合面JF1を平面とすることがで
き、全体材料AMA3のデザイン化によってこれと顔材
料AMfm3との面合わせが2次元的面合わせとなり、
より簡略化される。 (3)全体材料AMA3を着色する場合に、着色しない
部分を顔AMfの部分のみに限定することができ、着色
が容易である。 〔第4の形態例〕図38に示すように、全体材料AMA
4の形状を、人物以外のもの、例えば、動物、擬似動
物、又は縫いぐるみとする。全体材料AMA4の顔AM
fに対応す部分には、顔AMfの周辺を若干覆うための
弾力性を有するひだ部GD1を設ける。顔材料AMfm
4には、額から顎までの部分を含み、顔AMfの部分を
加工する。顔材料AMfm4と全体材料AMA4との結
合面JF1を平面とする。
【0178】顔材料AMfm4と全体材料AMA4との
結合に当たっては、加工された顔材料AMfm4をひだ
部GD1内に嵌まり込むようにする。全体材料AMA4
に対する顔材料AMfm4の上下方向の位置を調整する
ことによって、顔AMfの縦方向の長さをLf1,Lf
2,Lf3のように調整することができる。したがっ
て、顔AMfの横方向の寸法は結合面JF1の寸法と一
致させておき、顔材料AMfm4の固定位置を調整する
ことによって、顔AMfの縦横比率を調整することがで
きる。
【0179】この例による利点は次のとおりである。 (1)上に述べた第1の形態例の利点(1)と同じ利点
を有する。 (2)上に述べた第3の形態例の利点(2)(3)と同
じ利点を有する。 (3)顔AMfの周辺がひだ部GD1によって隠れるた
め、顔AMfの周辺部分の測定誤差が表面に現れない。
【0180】すなわち、顔AMfの周辺の形状のうち、
髪の毛の形状及び傾斜の急な側面は測定し難い。そのた
め、顎より上方の顔AMfの周辺形状は測定誤差又は測
定エラーを多く含む歪んだ形状となる。そのような部分
をひだ部GD1で覆うデザインとすることにより、測定
誤差部分又はエラー部分の形状補正を行う必要なくな
る。 (4)操作者HMによって顔AMfの縦横比率が異なる
が、上に説明したように顔材料AMfm4の位置を調整
することによって顔AMfの縦横比率を容易に調整でき
るので、顔材料AMfm4を現寸比率て製作できる。 〔第5の形態例〕図40に示すように、基本的には第4
の形態例と同じであるが、ひだ部GD1が顔AMfの全
周を覆うように、しかも顔AMfの縦横比率を吸収でき
る大きさとされる。顔材料AMfm5は全体材料AMA
5のひだ部GD1の内側に嵌め込まれる。
【0181】この例による利点は次のとおりである。 (1)上に述べた第1の形態例の利点(1)と同じ利点
を有する。 (2)上に述べた第3の形態例の利点(2)(3)と同
じ利点を有する。 (3)上に述べた第4の形態例の利点(3)(4)と同
じ利点を有する。 (4)ひだ部GD1は、それ自体によって顔材料AMf
m5を保持する機能を果たすことかできる。
【0182】次に、顔材料AMfmと全体材料AMAと
の結合方法について説明する。上に述べた顔材料AMf
mは、以下に説明する結合方法を適宜採用することによ
り、全体材料AMAと結合することが可能である。 〔第1の結合例〕図41に示すように、顔材料AMfm
に、結合面JF1,JF2、及び結合爪JN1を設け
る。全体材料AMAの頭部HMhに、顔材料AMfmの
結合面JF1,JF2に対応する結合面JF1,JF
2、及び抜け止め面JX1を設ける。結合爪JN1は弾
力性を有する材料からなり、操作者HMが自分の指先で
全体材料AMAに挿入することが可能である。顔材料A
Mfmと全体材料AMAとは、結合面JF1,JF2を
当たり面とし、結合爪JN1が抜け止め面JX1に係合
することによって保持される。
【0183】なお、顔材料AMfm及び全体材料AMA
のいずれにも、それらの結合によって隠れる部分に、適
当な中空部が設けられている。顔材料AMfmの中空部
は、加工の際のチャック用として用いられるチャック溝
JC1となっている。
【0184】結合面JF1,JF2、結合爪JN1、及
び抜け止め面JX1は、本発明における接合部に相当す
る。 〔第2の結合例〕図42に示すように、顔材料AMfm
に、結合面JF1,JF2、及び抜け止め面JX1を設
ける。全体材料AMAの頭部HMhに、顔材料AMfm
の結合面JF1,JF2に対応する結合面JF1,JF
2、及び結合爪JN1を設ける。第1の結合例と同様
に、結合爪JN1は弾力性を有する材料からなり、指先
で全体材料AMAに挿入することが可能である。顔材料
AMfmと全体材料AMAとは、結合面JF1,JF2
を当たり面とし、結合爪JN1が抜け止め面JX1に係
合することによって保持される。 〔第3の結合例〕図43に示すように、全体材料AMA
の頭部HMhに、結合面JF1,JF2、及び抜け止め
突起JX1を設ける。顔材料AMfmに、結合面JF
1,JF2、及び嵌め込み部JG1を設ける。嵌め込み
部JG1に、顔材料AMfmを切削加工する際のチャツ
ク用皿もみ形状を持つ四角穴JH1、及びV字形状の溝
JV1を設ける。
【0185】抜け止め突起JX1は弾力性を有し、指先
で顔材料AMfmを全体材料AMAに挿入することが可
能である。顔材料AMfmと全体材料AMAとは、結合
面JF1,JF2を当たり面とし、抜け止め突起JX1
が四角穴JH1に嵌入することにより保持される。
【0186】四角穴JH1及び溝JV1は、顔材料AM
fmを加工する際のチャック用にも用いられる。このよ
うに、四角穴JH1及び溝JV1が、顔材料AMfmを
全体材料AMAに取り付けるためと、顔材料AMfmの
加工の際のチャックのためとに兼用して用いられる。こ
れによって、顔材料AMfmの構造及び形状が簡素化さ
れ、コストの低減が図られる。 〔第4の結合例〕この例は、上に述べた第3の形態例に
対応する。結合方法は、上に述べた第1の結合例と同様
である。
【0187】つまり、図44に示すように、全体材料A
MAの頭部HMhに、結合面JF1,JF2、及び抜け
止め溝JD1を設ける。顔材料AMfmに、結合面JF
1,JF2、及び結合爪JN1を設ける。
【0188】結合爪JN1は弾力性を有し、指先で抜け
止め溝JD1に挿入することが可能である。顔材料AM
fmと全体材料AMAとは、結合面JF1,JF2を当
たり面とし、結合爪JN1が抜け止め溝JD1に嵌入す
ることにより保持される。 〔第5の結合例〕この例は、上に述べた第3の形態例に
対応する。結合方法は、上に述べた第2の結合例と同様
である。
【0189】つまり、図45に示すように、全体材料A
MAの頭部HMhに、結合面JF1,JF2、及び結合
爪JN1,JN2を設ける。顔材料AMfmに、結合面
JF1,JF2、及び抜け止め溝JD1を設ける。
【0190】結合爪JN1は弾力性を有し、指先で抜け
止め溝JD1に挿入することが可能である。顔材料AM
fmと全体材料AMAとは、結合面JF1,JF2を当
たり面とし、結合爪JN1が抜け止め溝JD1に嵌入す
ることにより保持される。 〔第6の結合例〕この例は、上に述べた第4の形態例に
対応する。
【0191】つまり、図46に示すように、顔材料AM
fmには、その上側の半周部分にひだ部GD1に対応す
るU字形状のつば部GS1、及び抜け止めのための結合
爪JN1を設ける。全体材料AMAの頭部HMhには、
U字状のひだ部GD1、及び抜け止め用の結合爪当たり
面JZ1を設ける。
【0192】つば部GS1及びひだ部GD1は弾力性を
有し、指先でそれらを互いに嵌め込むことが可能であ
る。顔材料AMfmと全体材料AMAとは、つば部GS
1とひだ部GD1との係合、及び結合爪JN1が結合爪
当たり面JZ1で規制されることにより保持される。 〔第7の結合例〕この例は、上に述べた第5の形態例に
対応する。
【0193】全体材料AMAの頭部HMhに、顔AMf
との結合面JF1の周辺に弾力性のあるひだ部GD1を
設ける。顔材料AMfmには、その周辺に、弾力性のあ
るつば部GS1を設ける。つば部GS1をひだ部GD1
に嵌め込むことにより、顔材料AMfmを保持する。 〔第8の結合例〕この例は、上に述べた第3の形態例に
対応する。結合方法は、上に述べた第3の結合例と同様
である。
【0194】図48に示すように、全体材料AMAの頭
部HMhに、弾力性を有する抜け止め突起JX1,JX
1を設ける。顔材料AMfmに嵌め込み部JG1を設け
る。嵌め込み部JG1に、突起JX1,JX1がそれぞ
れ係合する四角穴JH1及び溝JV1を設ける。四角穴
JH1及び溝JV1は、顔材料AMfmを加工する際の
チャック用としても用いられる。
【0195】これら第1〜第8の結合例によると、頭部
HMhを2つの部分から構成し、それらの結合によって
隠れる部分に中空部を設けることにより、材料の節約、
軽量化、及び成型品質の向上を図ることができる。
【0196】次に、顔材料AMfmに切削加工を行う際
のチャック方法について説明する。上に述べた顔材料A
Mfmは、以下に説明するチャック方法を適宜採用する
ことによって加工することが可能である。〔第1のチャ
ック例〕図49に示すように、チャック装置320Bの
チャック爪CHN1,2が、顔材料AMfmのチャック
溝JC1内において互いに外方へ向かって開く方向に移
動することにより、顔材料AMfmを保持する。つま
り、いわゆる張りチャックを用いた例である。顔材料A
Mfmは、チャック爪CHN1,2で保持された状態
で、図の上下方向(Y方向)に移動可能である。刃物B
T1は、X方向及びZ方向に移動可能であり、これによ
って顔材料AMfmの前面が切削される。
【0197】切削は、例えば、真空吸引パイプ中で行わ
れる。これによって、切り粉を容易に回収することが可
能である。チャック装置320Bは、そのチャック爪C
HN1,2の存在によって切り粉の回収に妨げにならな
い構造であり、また、切り粉の残らない形状である。 〔第2のチャック例〕この例は、いわゆるピンチャック
を用いた例である。図50及び図51に示すように、チ
ャック装置320Cには、先端部分が円錐形状である位
置決めのための角ピンCHP2、及び先端部分がテーパ
であるテーパ押さえピンCHP1が設けられる。テーパ
押さえピンCHP1は、ワークである顔材料AMfmを
着脱するために、所定のストロークのスライド機構によ
り支持されている。
【0198】角ピンCHP2が四角穴JH1に嵌まり込
み、テーパ押さえピンCHP1が溝JV1に嵌まり込ん
で強く押しつけることによって、顔材料AMfmを保持
する。このチャック装置320Cにおいても、切り粉の
回収に妨げにならず、また、切り粉が残らない。
【0199】チャック装置320Cを用いた切削動作
は、例えば次のとおりである。 (1)ワーク装着位置において、操作者HMが、角ピン
CHP2が四角穴JH1に嵌まり込むように、顔材料A
Mfmの方向を確認しながら挿入する。 (2)テーパ押さえピンCHP1が下降し、溝JV1に
嵌まり込んで強く押しつける。 (3)チャック装置320Cが移動して顔材料AMfm
を切り粉吸引パイプのある加工位置に移動させ、そこで
吸引しながら切削を行う。 (4)切削が終わると、顔材料AMfmをワーク装着位
置に移動する。 (5)テーパ押さえピンCHP1が上昇する。 (6)操作者HMが角ピンCHP2から加工済の顔材料
AMfmを取り外す。
【0200】上述の実施形態において、操作者HMの状
態の分析、つまり操作者HMの遠近判定、メガネ判定、
及び髪が顔に掛かっていないかどうかなどの判定のため
に、2次元データを用いることによって、プリ3次元計
測を一層簡略化し、又はプリ3次元計測を省略すること
が可能である。プリ3次元計測を省略することができれ
ば、それだけ3次元計測部111の寿命が延びるととも
に、3次元計測及びデータ処理に要する時間が短縮さ
れ、全体の処理時間が短縮される。
【0201】また、2次元データに基づいて3次元計測
の条件を設定することもでき、その場合もプリ3次元計
測を一層簡略化し又は省略することが可能である。その
例を挙げると、2次元データに基づいて、計測対象であ
る操作者HMの反射率を予測し、その結果に基づいて3
次元計測のためのレーザ光強度を設定し、この設定に基
づいて半導体レーザ41を制御する。また、2次元デー
タに基づいて操作者HMの位置を検出し、3次元計測の
必要な部分を抽出して設定する。この場合に、3次元計
測部111は、設定された部分のみについて3次元計測
を行う。本実施形態に当てはめれば、2次元データに基
づいて顔HMfの部分又は頭部HMhのみを抽出してそ
れを3次元計測領域として設定し、顔HMfの部分又は
頭部HMhのみの3次元計測を行うようにする。その場
合に、3次元計測の不要な部分については、3次元計測
部111におけるスリット光の走査、受光、及び演算処
理などを実行しないようにすればよい。
【0202】上述の実施形態においては、頭部材料AM
hと胴体部材料AMbとを接合することによって立体模
型MSを組み立て、又は顔材料AMfmと全体材料AM
Aとを接合することによって立体模型MSを組み立て、
これらを完成品として販売するが、これらを接合するこ
となく、別々に分離した状態で販売してもよい。また、
加工された頭部材料AMh又は顔材料AMfmのみを立
体模型MSの完成品として販売してもよい。立体模型M
Sは、そのままで又は適当な金具などを取り付けること
により、キーホルダー、ペンダント、又はブローチなど
のアクセサリーとなる。
【0203】上述の実施形態では、自動販売機としての
使用を想定した人物模型製造システム1を例示したが、
製造した立体模型MSを無償で配付するものであっても
よい。立体模型MSのサイズは、縮小サイズに限らず、
実物大でも拡大サイズでもよい。計測対象は人物以外の
生物でも無生物でもよい。
【0204】
【発明の効果】本発明によると、対象人物の立体模型を
製造するに当たって、3次元データを得るための撮影及
び材料の加工に要する時間を低減することができる。ま
た、頭部の材料と胴体部の材料とは材質が異なるので、
加工の有無などに応じて適切な材質を選定することがで
き、加工を行う場合に加工精度を向上させることができ
る。
【0205】請求項3の発明によると、多数の組み合わ
せの中から好みの組み合わせを選択することができ、色
々なバリエーションを楽しむことができる。請求項4乃
至9の発明によると、複数の模型の相互間で、頭部と胴
体部とを着せ替え人形のように交換することができる。
【0206】請求項7の発明によると、第1部の材料の
構造及び形状が簡素化され、コストの低減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る人物模型製造システムの外観を示
す図である。
【図2】人物模型製造装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】操作部を示す正面図である。
【図4】背景幕の位置を示す図である。
【図5】計測部の機能構成を示すブロック図である。
【図6】ビームスプリッタ及びセンサの構成を模式的に
示す図である。
【図7】計測部による3次元計測の原理を説明するため
の図である。
【図8】計測部における3次元データの算出の原理を説
明するための図である。
【図9】センサの読出し範囲を示す図である。
【図10】センサの撮像面におけるラインとフレームと
の関係を示す図である。
【図11】重心演算回路の構成を示すブロック図であ
る。
【図12】時間重心Npeakの概念を示す図である。
【図13】撮像面のフレームと計測可能距離範囲との関
係を説明する図である。
【図14】投光窓及び受光窓を表示面の周辺に配置した
例を示す図である。
【図15】投光窓及び受光窓の配置可能な位置を説明す
る図である。
【図16】投光窓及び受光窓を表示面と同一の視線上に
配置した例を示す図である。
【図17】頭部材料及び胴体部材料の例を示す図であ
る。
【図18】加工された頭部材料と胴体部材料とを接合す
る状態を示す図である。
【図19】頭部材料の加工前及び加工後の形状の相違を
示す図である。
【図20】頭部材料における顔の領域を示す図である。
【図21】補間処理によってスムージング加工される状
態を説明するための図である。
【図22】頭部材料の位置を測定するための位置測定装
置の構成の例を示す図である。
【図23】他の形態の頭部材料とそのチャック装置の構
成の例を示す図である。
【図24】図23の頭部材料と胴体部材料とによる立体
模型を示す図である。
【図25】他の形態の頭部材料とそのチャッキング状態
を示す図である。
【図26】図25の頭部材料と胴体部材料とによる立体
模型を示す図である。
【図27】制御部の処理動作を示すフローチャート図で
ある。
【図28】制御部の処理動作を示すフローチャート図で
ある。
【図29】制御部の処理動作を示すフローチャート図で
ある。
【図30】制御部における3次元位置演算の処理手順を
示すフローチャートである。
【図31】第1の変形例の背景幕を示す図である。
【図32】制御部における3次元位置演算の処理手順の
変形例を示すフローチャートである。
【図33】幕測定処理のフローチャートである。
【図34】顔材料の第1の形態例を示す図である。
【図35】顔材料の加工のための逃げ領域を説明する図
である。
【図36】顔材料の第2の形態例を示す図である。
【図37】顔材料の第3の形態例を示す図である。
【図38】顔材料の第4の形態例を示す図である。
【図39】第4の形態例における顔材料の位置の調整状
態を示す図である。
【図40】顔材料の第5の形態例を示す図である。
【図41】顔材料と全体材料との第1の結合例を示す図
である。
【図42】顔材料と全体材料との第2の結合例を示す図
である。
【図43】顔材料と全体材料との第3の結合例を示す図
である。
【図44】顔材料と全体材料との第4の結合例を示す図
である。
【図45】顔材料と全体材料との第5の結合例を示す図
である。
【図46】顔材料と全体材料との第6の結合例を示す図
である。
【図47】顔材料と全体材料との第7の結合例を示す図
である。
【図48】顔材料と全体材料との第8の結合例を示す図
である。
【図49】顔材料を加工する際の第1のチャック例を示
す図である。
【図50】顔材料を加工する際の第2のチャック例を示
す図である。
【図51】図50に示すチャック装置の斜視図である。
【図52】頭部に顔を加工する場合の逃げ領域の必要性
を説明する図である。
【符号の説明】
3 人物模型製造装置 11 計測部 12 制御部 111 3次元計測部(3次元計測装置) AMh 頭部材料(第1部の材料、頭部の材料) AMb 胴体部材料(第2部の材料、胴体部の材料) hp 突起(嵌め合い部) bh 穴(嵌め合い部) AMfm 顔材料(第1部の材料) AMA 全体材料(第2部の材料) GD1 ひだ部(覆う部分) GS1 つば部(第1部の材料の端部) JH1 四角穴(チャック用部分) JV1 溝(チャック用部分) MS 立体模型(模型) HM 操作者(対象)
フロントページの続き (72)発明者 萩森 仁 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 近藤 尊司 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 佐藤 友則 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3次元計測装置を用いて撮影することによ
    り得られる対象の3次元データに基づいて前記対象の模
    型を製造する方法であって、 前記模型の第1部と第2部とを互いに異なる材質の材料
    によってそれぞれ準備し、 前記3次元計測装置による撮影で前記対象の一部分の3
    次元データを得て、 得られた3次元データに基づいて前記第1部の材料に対
    して加工を行い、 加工された第1部と前記第2部とを互いに接合すること
    によって一体化する、 ことを特徴とする模型の製造方法。
  2. 【請求項2】前記第1部は人物の頭部であり、前記第2
    部は人物の胴体部である、 請求項1記載の模型の製造方法。
  3. 【請求項3】前記頭部の材料及び前記胴体部の材料とし
    て、それぞれ互いに形状の異なる複数の材料を準備して
    おき、それらのうちの使用する材料を前記3次元計測装
    置により撮影される対象人物により選択可能とする、 請求項2記載の模型の製造方法。
  4. 【請求項4】3次元計測装置の撮影により得られる対象
    の3次元データに基づいて前記対象の模型を製造するた
    めに用いられる材料であって、 前記3次元データに基づく加工に適した材質からなる前
    記模型の第1部の材料と、 第1部の材料とは異なる材質からなる前記模型の第2部
    の材料と、を有し、 前記第1部及び前記第2部には互いの接合のための接合
    部が設けられてなる、ことを特徴とする模型の製造に用
    いられる材料。
  5. 【請求項5】前記接合部は、突起と穴とからなる嵌め合
    い部である、 請求項4記載の模型の製造に用いられる材料。
  6. 【請求項6】前記第2部の材料には、前記第1部の材料
    が取り付けられたときに前記第1部の材料の端部を覆う
    部分が設けられてなる、 請求項4記載の模型の製造に用いられる材料。
  7. 【請求項7】前記第1部の材料は、加工装置に固定する
    ためのチャック用部分を有し、前記チャック用部分は、
    前記第2部の材料への取り付けのために兼用される、 請求項4記載の模型の製造に用いられる材料。
  8. 【請求項8】前記第1部の材料は、その少なくとも一部
    が端部まで加工されるものであり、前記端部から前記端
    部に接する前記第2部の材料の形状の盛り上がり部分ま
    での幅寸法が、加工を行うために必要な幅寸法より狭い
    ものである、 請求項4記載の模型の製造に用いられる材料。
  9. 【請求項9】前記第1部は人物の頭部であり、前記第2
    部は人物の胴体部である、 請求項4又は請求項5記載の模型の製造に用いられる材
    料。
  10. 【請求項10】前記第1部は人物の顔部であり、前記第
    2部は人物の頭部及び胴体部である、 請求項6乃至請求項8のいずれかに記載の模型の製造に
    用いられる材料。
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