JPH11213447A - 相変化光記録媒体 - Google Patents

相変化光記録媒体

Info

Publication number
JPH11213447A
JPH11213447A JP10012809A JP1280998A JPH11213447A JP H11213447 A JPH11213447 A JP H11213447A JP 10012809 A JP10012809 A JP 10012809A JP 1280998 A JP1280998 A JP 1280998A JP H11213447 A JPH11213447 A JP H11213447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical recording
layer
recording medium
phase change
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10012809A
Other languages
English (en)
Inventor
Sumio Ashida
純生 芦田
Katsutaro Ichihara
勝太郎 市原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP10012809A priority Critical patent/JPH11213447A/ja
Publication of JPH11213447A publication Critical patent/JPH11213447A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オーバーライト繰り返し特性、クロスイレー
ズ特性が良好で、マーク長記録に適したAa<Acの条
件を満足し、しかも結晶−非晶質間の反射率差が大き
く、コントラスト比も良好で高いCNRが得られ、高密
度記録に適した相変化光記録媒体を提供する。 【解決手段】 基板(1)上に相変化光記録層(4)お
よび相変化光記録層の光吸収率を調整する機能を有する
半透明層(2)を有する相変化光記録媒体において、半
透明層(2)が誘電体母材(21)中に金属微粒子(2
2)を分散させた分散膜からなり、金属微粒子(22)
の屈折率をnm 、消衰係数をkm 、誘電体母材(21)
の屈折率をns としたとき、nm <km 3 /100、お
よび1.3<ns /nm <12の条件を満たす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ビームを照射して
情報の記録・再生を行う相変化記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】相変化光記録媒体は、媒体可搬で、大容
量と高速アクセス性を兼ね備えたメモリ媒体として実用
化されており、今後もさらに高密度化することにより用
途を拡大するものと期待されている。相変化光記録媒体
では、以下のような原理に基づいて記録・再生を行う。
記録時には、結晶状態にある相変化光記録層に記録パワ
ーレベルの光ビームを照射してその部分を融点以上に加
熱し、記録層の結晶化時間よりも短い時間で冷却して非
晶質状態の記録マークを形成する。情報の再生は、非晶
質状態と結晶状態の光反射率が異なることを利用して行
う。消去時には、相変化光記録層に記録ビームよりも低
パワーの光ビームを照射して相変化光記録層を結晶化温
度以上融点未満の温度に結晶化時間よりも長い時間保持
して結晶状態にすることができるので、光ビーム変調オ
ーバーライトが可能である。
【0003】相変化光記録媒体において良好なオーバー
ライト特性(Γ特性、繰り返し特性など)を得る上で
は、急熱急冷可能な積層構造が好ましい。代表的な急熱
急冷可能な積層構造は、基板上に、100〜200nm
の比較的厚い第1干渉層、10〜30nmの薄い相変化
光記録層、10〜40nmの比較的薄い第2干渉層、5
0〜100nmの比較的厚い高熱伝導性金属からなる全
反射層を順次積層したものである。現在実用に供されて
いる相変化光記録媒体にはこのような積層構造が採用さ
れている。
【0004】相変化光記録媒体の高密度化技術として
は、記録マーク長を変調して情報を記録しマーク端位置
を再生するマーク長記録方式、ランドとグルーブの両方
に情報を記録するランド・グルーブ方式が提案されてい
る。
【0005】マーク長記録を実現する上では、マークエ
ッジ位置の変動を抑制しなければならない。このために
は、非晶質マークの光吸収率(Aa)を結晶質部の光吸
収率(Ac)よりも低く設定する必要がある。この理由
は、オーバーライト時に、非晶質マーク上に非晶質マー
クを記録する場合に比べて、結晶質部上に非晶質マーク
を記録する場合には溶融潜熱を投入しなければならない
ためである。
【0006】しかし、前述した良好なオーバーライト特
性を示す急熱急冷構成の相変化光記録媒体では、マーク
長記録を実現することは困難である。これは、記録層の
みに着目すると非晶質マークの反射率は結晶質部の反射
率よりも低いが、照射された光は反射層で全反射される
ため、実効的には非晶質マークの光吸収率(Aa)は結
晶質部の光吸収率(Ac)よりも高くなるためである。
【0007】この課題を解決する目的で、Aa<Acと
いう条件を実現するためには、前述した第1干渉層、相
変化光記録層、第2干渉層、全反射層という4層構造に
代えて、相変化光記録媒体の積層構造を改良することが
提案されている。たとえば、(i)全反射層の代わり
に、10nm程度の薄いAu、または動作波長(650
nm前後)で光吸収係数の低いSiからなり、光透過性
を有する半透明層を設けた積層構造、(ii)第2干渉層
の厚さを100〜200nm程度に厚くし、光学的干渉
作用を利用して非晶質マークと結晶質部との反射率を逆
転させた積層構造、(iii)以上のような改良に加えて、
さらに基板と第1干渉層との間に半透明層を設け、熱応
答を適正化した積層構造、が提案されている。いずれの
積層構造でも、Aa<Acという条件を満たすことがで
きるため、マーク長記録には適している。しかし、これ
らの積層構造では、熱応答特性が緩慢になり、クロスイ
レーズが起こりやすく、繰り返しオーバーライト特性が
劣化する。このように繰り返しオーバーライト特性とマ
ーク長記録特性とはトレードオフの関係にある。
【0008】また、相変化光記録では、反射光の強度変
化を電気信号に変換することにより再生を行う。この
際、非晶質マークからの反射光強度と結晶質部からの反
射光強度との差を大きくして強度変化を大きくする方法
(反射率差再生)と、非晶質マークからの反射光の位相
と結晶質部からの反射光の位相との差を大きくして検出
器への入射光強度差を大きくする方法(位相差再生)が
ある。後者の位相差再生はコンパクトディスクのような
穴開け記録と同様な再生方法であるが、ランド・グルー
ブ記録が困難になるため高密度記録に対応できない。こ
れは隣接トラックからのクロストークを低減できないた
めである。したがって、高密度記録を実現するために
は、位相差再生よりも反射率差再生が適している。しか
し、大きな反射率差を確保するためには積層構造および
膜厚を適切に選択する必要がある。このため、前述した
トレードオフの問題も絡んで、媒体の設計はさらに困難
になる。たとえば、すでに述べた(i)〜(iii)のよう
に光吸収率を調整するための積層構造を採用した媒体で
は、光吸収率比と反射率差とがトレードオフの関係にあ
る。
【0009】また、再生時のノイズは、初期化状態(結
晶質部)の反射率と密接な関係がある。一方、反射率差
は信号強度すなわち再生信号振幅に影響する。したがっ
て、再生時のCNRは結晶−非晶質間の反射率差を結晶
質部の反射率で割った値(以下、コントラスト比とい
う)と強い相関があり、良好な再生CNRを得るために
はコントラスト比を上げることが重要になることがわか
る。このように光吸収率比および反射率差に加えて、コ
ントラスト比というパラメータがもう1つの制約条件と
なるため、最適な媒体設計が困難になる。
【0010】さらに、相変化光記録媒体の動作原理から
考えると、記録層を結晶化温度領域に保持することがで
きないと書き込んだ非晶質マークを消去できないし、逆
に記録層の冷却速度が遅すぎると非晶質マークを形成す
ることができず記録ができなくなる。このため、記録層
の組成を最適に制御するとともに、他の膜の膜厚・組成
などを最適に選択して記録層が置かれる熱的条件を最適
化する必要がある。しかし、前述したように媒体の構成
は光学的条件によって制約を受けるため、熱的条件も考
慮した媒体設計は極めて困難になる。
【0011】以上のように従来の相変化光記録媒体で
は、光学的条件および熱的条件をすべて満足するように
設計することは極めて困難であり、オーバーライト繰り
返し特性、クロスイレーズ特性などの記録消去特性が犠
牲になるという問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、オー
バーライト繰り返し特性、クロスイレーズ特性が良好
で、マーク長記録に適したAa<Acの条件を満足し、
しかも結晶−非晶質間の反射率差が大きく、コントラス
ト比も良好で高いCNRが得られ、高密度記録に適した
相変化光記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の相変化光記録媒
体は、基板上に相変化光記録層および相変化光記録層の
光吸収率を調整する機能を有する半透明層を有する相変
化光記録媒体において、前記半透明層が誘電体母材中に
金属微粒子を分散させた分散膜からなり、前記金属微粒
子の屈折率をnm 、消衰係数をkm 、前記誘電体母材の
屈折率をns としたとき、nm <km 3 /100、およ
び1.3<ns /nm <12の条件を満たすことを特徴
とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。図1に本発明に係る相変化光記録層の構造の一例
を示す。この相変化光記録媒体は、基板1上に、誘電体
母材21中に金属微粒子22を分散させた金属微粒子/
誘電体母材の分散膜からなる半透明層2、透明誘電体か
らなる第1干渉層3、相変化光記録層4、透明誘電体か
らなる第2干渉層5、および金属からなる反射層6を有
する。
【0015】なお、この図は、基板と相変化光記録層と
の間に分散膜からなる半透明層を設けた例を示している
が、所定の光学的条件および熱的条件を満たすことがで
きれば、分散膜からなる半透明層の位置は特に限定され
ない。
【0016】図1に示したような金属微粒子/誘電体母
材という分散膜に光が入射すると、光により励起された
電磁場に対して金属微粒子が電気双極子として働く。こ
の結果、形成される電場と金属微粒子との相互作用によ
り、分散膜の光学的性質、具体的には屈折率nc と消衰
係数kc とが大幅に変化する。この変化は、金属および
誘電体母材の種類、ならびに金属微粒子の体積含有率、
大きさおよび形状などの要因に依存する。たとえば、ガ
ラス中に金の微粒子を分散させた分散膜は、赤色のみが
透過する特徴的なスペクトルを示す。この現象は、Maxw
ell-Garnett 吸収として知られている。したがって、こ
のような分散膜を設ければ、相変化光記録媒体の光学的
条件を最適に設計できる可能性が高くなる。また、媒体
の設計マージンが広くなるため、相変化光記録媒体の熱
的条件の設計も容易になる。
【0017】ここで、基板と相変化光記録層との間に半
透明層を設けた構造の相変化光記録媒体についての光学
シミュレーションによれば、半透明層(屈折率n、消衰
係数k)が k<0.25n−0.25 (A) の条件を満足する場合に、結晶質部と非晶質マークとの
間で十分な反射率差が得られ、再生信号強度が高くなる
ことがわかっている。
【0018】本発明者らは、金属微粒子/誘電体母材の
分散膜においてk<0.25n−0.25という式が成
立するように、金属微粒子の屈折率nm と消衰係数km
および誘電体母材の屈折率ns を最適化することを検討
した。これらの光学定数は、粒子状態の材料について相
変化光記録媒体の再生波長で測定される値である。Maxw
ell-Garnett 理論が成り立つためには、金属微粒子のサ
イズが波長よりも小さいことが必要である。この点に関
しては、相変化光記録媒体の場合には使用波長が可視光
に限られるため、金属微粒子のサイズが100nm以下
であれば、波長よりも小さいという条件が十分満たされ
る。ここで、金属微粒子/誘電体母材の分散膜の複素誘
電率の実部ε1cと虚部ε2cは次の式で与えられる。
【0019】
【数1】
【0020】これらの式は、混合物質の内部電場を考慮
したClausius-Mosottiの式を変形して得られる。上記の
式において、ε1 とε2 は金属の複素誘電率の実部と虚
部、ns は誘電体母材の屈折率、qは金属微粒子の体積
含有率である。なお、誘電体母材の消衰係数は0とす
る。
【0021】一方、一般に任意の物質の複素誘電率の実
部ε1 と虚部ε2 は、屈折率nおよび消衰係数kと次の
ような関係を有する。 ε1 =n2 −k2 ε2 =2nk (3) まず(3)式に基づいて、金属のnm 、km をε1 、ε
2 に変換する。これらの値を(1)および(2)式に代
入してε1c、ε2cを得る。得られたε1c、ε2cを(3)
式に代入して分散膜の光学定数nc 、kc を得る。
【0022】このような計算から、金属微粒子の屈折率
をnm 、消衰係数をkm 、誘電体母材の屈折率をns
したとき、nm <km 3 /100、および1.3<ns
/nm <12の条件を満たす分散膜を用いた場合に、k
c <0.25nc −0.25を満足する分散膜が得られ
ることがわかった。nm <km 3 /100という条件を
満たすには、屈折率の低い金属を用いることが有利であ
る。
【0023】図2に分散膜の光学定数nc 、kc を計算
により求めた結果を示す。この計算では、金属の屈折率
m を0.1、消衰係数km を2.5と仮定しており、
m<km 3 /100の条件を満たしている。誘電体母
材の屈折率ns は1.3〜2.3の範囲で変化させてい
る。また、分散膜中の金属微粒子の体積含有率qも変化
させており、図中の曲線に沿う矢印の方向に向かってq
が大きくなる。図2の直線(A)はkc =0.25nc
−0.25を表している。この直線とx軸に囲まれた領
域が、相変化光記録媒体に好適に用いることができる分
散膜の光学定数の領域である。
【0024】この図に示されるように、誘電体母材の屈
折率が小さいほど好適な光学定数の値の範囲が広く、誘
電体母材の屈折率が1.3または1.5の場合に直線
(A)とx軸に囲まれた領域に入るqの値が範囲が広い
ことがわかる。たとえば、誘電体母材としてns =1.
3のものを使用すると、q=0.36(36%)以下の
分散膜が上記の範囲に含まれる。なお、金属微粒子の体
積含有率qの値は5〜80%の範囲に設定される。
【0025】以上のように、kc <0.25nc −0.
25を満足する分散膜を用いれば大きな反射率差が得ら
れるので、その他の光学応答すなわち位相差や吸収率差
などの要求仕様を満たす可能性も広がる。このため、高
記録密度、高転送レートなどの要求仕様にも総合的に合
致する相変化光記録媒体を提供できる。また、相変化光
記録層を構成する各層の膜厚のマージンを広げることが
できるため、製造面からも好ましい。さらに、反射率差
の大きい相変化光記録媒体を設計できる膜材料の組み合
わせを選択した場合、反射率差を多少犠牲にして、好ま
しい熱特性が得られるように調整できる可能性が高い。
したがって、記録・消去特性の点でも最適の記録媒体を
設計できる。なお、分散膜からなる半透明層を設けれ
ば、相変化光記録層における結晶質部の実効的な光吸収
率Acと非晶質マークの実効的な光吸収率AaがAa<
Acという条件を満足するので、マーク長記録にも適し
ている。
【0026】次に、本発明において分散膜に使用される
好適な金属および誘電体母材の具体例について説明す
る。表1に本発明において用いることができる金属およ
び誘電体母材の屈折率nおよび消衰係数kの値を示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1の金属および誘電体母材において、
1.3<ns /nm <12の条件を満たすものが好まし
い組み合わせである。好ましい分散膜としては、Al/
TiO2 、Al/ZrO2 、Ag/MgF2 、Ag/C
aF2 、Cu/MgF2 などが挙げられる。一方、好ま
しくない組み合わせとしては、Al/CaF2 、Ag/
TiO2 、Ag/ZrO2 などが挙げられる。
【0029】本発明において、上記のような分散膜から
なる半透明層を形成するには、たとえば誘電体と金属と
のコンポジットターゲットをスパッタリングする方法、
誘電体ターゲットと金属ターゲットを同時スパッタリン
グする方法を用いることができる。同時スパッタリング
では、ターゲットに印加するパワーを制御することによ
って、分散膜中の金属微粒子の体積含有率を調整でき
る。これらの方法は、無機材料のみを用いるので、従来
から採用されている相変化光記録媒体の製造プロセスと
の整合性に優れている。なお、スピンコートなど、膜厚
を制御して成膜できれば、有機誘電体母材中に金属微粒
子を分散させてもよい。
【0030】本発明の相変化光記録媒体に用いられるそ
の他の材料について簡単に説明する。基板の材料として
は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(P
MMA)などを用いることができる。基板の表面にはト
ラッキングガイド用のグルーブが設けられる。干渉層の
材料としては、酸化物、窒化物、炭化物、ホウ化物、硫
化物もしくはフッ化物またはこれらの混合物を用いるこ
とができる。代表的な材料としては、ZnS−SiO2
が挙げられる。相変化光記録層には、GeSbTeやI
nSbTeを代表とする種々の材料を用いることができ
る。反射層としては、Al、AuもしくはCuまたはこ
れらを含有する合金を用い、光透過性を示さないように
厚い膜厚に形成したものが挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1に示す構造を有する相変化光記録媒体を製造
した。この相変化光記録媒体は、ポリカーボネート基板
1上に、ZrO2 母材21中にAl微粒子22を分散さ
せた厚さ45nmのAl/ZrO2 分散膜からなる半透
明層2、厚さ148nmのZnS−SiO2 からなる第
1干渉層3、厚さ10nmのGeSbTeからなる相変
化光記録層4、厚さ78nmのZnS−SiO2 からな
る第2干渉層5、および厚さ100nmのAlからなる
反射層6を有する。
【0032】これらの各層はスパッタリングで成膜し
た。半透明層2はAlターゲットとZrO2 ターゲット
を同時スパッタリングすることにより成膜した。波長6
40nmでのAl単体の光学定数は、nm =1.4、k
m =7.7である。この場合、km 3 /100=4.4
8であり、nm <km 3 /100を満足する。誘電体母
材ZrO2 の屈折率ns は2.2であり、1.3<ns
/nm <12を満足する。
【0033】図3に、分散膜中の金属微粒子の体積含有
率qに対して、分散膜のnc 、kcがとり得る範囲を調
べた結果を示す。図3に示すように、体積含有率qが
0.58(58%)以下の範囲で、kc <0.25nc
−0.25を満足することがわかった。
【0034】次に、図1の構造で体積含有率q=0.5
のAl/ZrO2 分散膜からなる半透明層2を有する相
変化光記録媒体を製造し、記録再生特性を評価した。こ
の分散膜の光学定数はnc =5.34、kc =0.11
6であり、kc <0.25nc −0.25を満足する。
【0035】この相変化光記録媒体について波長640
nmで反射率を測定した。その結果、結晶質部からの反
射率は7.2%、非晶質部からの反射率は30.2%で
あり、23.0%の反射率差が得られた。この場合、コ
ントラスト比(=反射率差/結晶質部の反射率)は3.
2である。結晶質部からの反射率が7.2%と低い値で
あるので、ノイズレベルが低下する。
【0036】この相変化光記録媒体を波長640nmの
ピックアップを有する評価装置に挿入し、線速9m/s
においてDVDの3T信号を記録して再生したところ、
CNRは52dBと良好であった。これは反射率差が大
きいことによる。ランダム信号パターンを10回オーバ
ーライトした後のジッタは9.5%と良好な値であっ
た。引き続き、ランダム信号を104 回オーバーライト
した後のジッタも10%以下にとどまり、実質的に信号
が劣化しないことがわかった。
【0037】比較のために、図1と同様な構造を有する
が、半透明層2としてZrO2 母材21中にCr微粒子
を分散させたCr/ZrO2 分散膜を用いた相変化光記
録媒体を作製した。なお、各層の膜厚はCr/ZrO2
分散膜に対応して最適化している。
【0038】波長640nmでのCr単体の光学定数
は、nm =2.1、km =2.9である。この場合、k
m 3 /100=0.24であり、nm <km 3 /100
を満足しない。誘電体母材ZrO2 の屈折率ns は2.
2であり、1.3<ns /nm<12を満足しない。
【0039】比較例の相変化光記録媒体について波長6
40nmで反射率を測定した。その結果、反射率差は2
3.0%で実施例と同等であったが、結晶質部からの反
射率が11.0%と高く、コントラスト比(=反射率差
/結晶質部の反射率)が2.1と低いため、ノイズレベ
ルが十分低下しないことが予測された。
【0040】比較例の相変化光記録媒体について、実施
例と同一の条件で記録・再生を行ったところ、CNRは
48dBであった。また、1回目の記録時のジッタは
9.7%と実施例と同等であったが、10回のオーバー
ライトによってジッタが12.4%となり、信号が大幅
に劣化した。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、オ
ーバーライト繰り返し特性、クロスイレーズ特性が良好
で、マーク長記録に適したAa<Acの条件を満足し、
しかも結晶−非晶質間の反射率差が大きく、コントラス
ト比も良好で高いCNRが得られ、高密度記録に適した
相変化光記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の相変化光記録媒体の一例を示す断面
図。
【図2】分散膜の光学定数nc 、kc の計算結果を示す
図。
【図3】本発明の実施例で製造された相変化光記録媒体
を構成する分散膜の光学定数nc 、kc の計算結果を示
す図。
【符号の説明】
1…基板 2…半透明層 21…誘電体母材 22…金属微粒子粒子 3…第1干渉層 4…相変化光記録層 5…第2干渉層 6…反射層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に相変化光記録層および相変化光
    記録層の光吸収率を調整する機能を有する半透明層を有
    する相変化光記録媒体において、前記半透明層が誘電体
    母材中に金属微粒子を分散させた分散膜からなり、前記
    金属微粒子の屈折率をnm 、消衰係数をkm 、前記誘電
    体母材の屈折率をns としたとき、 nm <km 3 /100、および1.3<ns /nm <1
    2の条件を満たすことを特徴とする相変化光記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記半透明層が、基板と相変化光記録層
    との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載
    の相変化光記録媒体。
JP10012809A 1998-01-26 1998-01-26 相変化光記録媒体 Pending JPH11213447A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10012809A JPH11213447A (ja) 1998-01-26 1998-01-26 相変化光記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10012809A JPH11213447A (ja) 1998-01-26 1998-01-26 相変化光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11213447A true JPH11213447A (ja) 1999-08-06

Family

ID=11815727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10012809A Pending JPH11213447A (ja) 1998-01-26 1998-01-26 相変化光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11213447A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7348124B2 (en) * 2002-09-28 2008-03-25 Samsung Electronics Co., Ltd. High-density readable only optical disk

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7348124B2 (en) * 2002-09-28 2008-03-25 Samsung Electronics Co., Ltd. High-density readable only optical disk

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0121426B1 (en) Optical recording medium and method of optical recording and erasing using same medium
US6140011A (en) Optical information recording medium
US6312780B1 (en) Optical recording medium
EP0784316B1 (en) Optical recording media and information recording and reproducing units
US5889756A (en) Phase change optical recording medium
JP2003045084A (ja) 高密度光情報の記録媒体
US5631895A (en) Optical information recording medium
JP2000229479A (ja) 光記録媒体
JPH08153339A (ja) 光ディスク
JP4018340B2 (ja) 書換可能型光学情報媒体
JPH04102243A (ja) 光学的情報記録媒体
US5514440A (en) Optical recording medium and optical recording method using the same
JP2003317315A (ja) 光記録媒体
JPH11213447A (ja) 相変化光記録媒体
WO1996017344A1 (fr) Support d'enregistrement optique
US6706360B2 (en) Optical recording medium
JP2001101707A (ja) 光記録媒体、光記録再生装置および光記録再生方法
JP3080844B2 (ja) 相変化型光ディスク
KR100601613B1 (ko) 상변화 광디스크
JPH11134713A (ja) 光学情報記録媒体
KR0161910B1 (ko) 상변화형 광디스크 구조
JP2001184722A (ja) 相変化光ディスク
JPH05159362A (ja) 相変化型光記録媒体
JP2004005920A (ja) 相変化型情報記録媒体
JP2877704B2 (ja) 光情報記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040127

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040622