JPH1121205A - 塩化ビニル樹脂成形用組成物 - Google Patents

塩化ビニル樹脂成形用組成物

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JPH1121205A
JPH1121205A JP17856997A JP17856997A JPH1121205A JP H1121205 A JPH1121205 A JP H1121205A JP 17856997 A JP17856997 A JP 17856997A JP 17856997 A JP17856997 A JP 17856997A JP H1121205 A JPH1121205 A JP H1121205A
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JP
Japan
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acid
composition
vinyl chloride
chloride resin
ipbc
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Application number
JP17856997A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Tanaka
良典 田中
Nobuyuki Takahashi
宣行 高橋
Naoki Asashige
朝重  直樹
Mitsuo Nakamura
光雄 中村
Ryoichi Seki
亮一 関
Hideyuki Yamaguchi
秀幸 山口
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防菌防カビ剤に3-ヨード-2- プロピニルブチ
ルカーバメートが用いられてなる塩化ビニル樹脂成形用
組成物において、従前にも増してより安全性の高い可塑
剤を用い、過酷な条件の下でも変色現象や分解を起こし
にくい塩化ビニル樹脂成形用組成物を提供する。 【解決手段】 ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、またはこれらと飽和脂肪酸からなるエス
テル類に、3-ヨード-2- プロピニルブチルカーバメート
が含まれてなることを特徴とする塩化ビニル樹脂成形用
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル樹脂ま
たはこれを主体とする樹脂からなる成形物の防菌および
防カビ性能を付与することを目的とする塩化ビニル樹脂
成形用組成物に関する。より詳しくは可塑剤中に、3-ヨ
ード-2-プロピニルブチルカーバメート(以下、IPB
Cと略記する)および特定の成分が混入されてなる塩化
ビニル樹脂成形用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に建材分野においては塩化ビニ
ル樹脂からなる製品が盛んに用いられるようになり、例
えば家庭での壁紙または床材等においても、原材料が塩
化ビニル樹脂であるもの、またはこれを主体としてなる
ものが加工され、使用されている例が非常に多く見られ
る。
【0003】これらのような、塩化ビニル樹脂からなる
成形物には通常、菌類若しくはカビによる汚染および劣
化を防止するために、樹脂または成型物の製造過程にお
いて、防菌防カビ剤を添加するということが広く行われ
ている。
【0004】しかして、本出願における発明者らの一部
の者らによりすでに、塩化ビニル樹脂中にIPBCを含
有させることは、その成形物の防菌防カビ処理を行う上
において極めて有効であることを見出しており、先に出
願した(特願平7-331720号)。この方法における防菌防
カビ処理方法によれば、それまでの 砒素系の化合物で
ある、10,10'-オキシビスフェノキシアルシン(OBP
A)を用いた処理方法に比し安全性は極めて高く、ま
た、成形物が着色ないしは変色することも少ないという
特徴の見られるものである。
【0005】通常、IPBCを塩化ビニル樹脂中に含有
させる具体的な方法としては、成形加工を容易にするた
め、また塩化ビニル樹脂の全体にわたりIPBCを均一
に分散させるために、まずIPBCを可塑剤に溶解させ
た後、少なくともこれらのものからなる組成物を、塩化
ビニル樹脂に添加し混練するという方法が一般的には採
用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】塩化ビニル樹脂原料、
またはこれを主体としてなる成形物は、一般に人体に接
触する機会が非常に多く、また最終製品として扱われる
ことも多いため、防菌防カビ処理においては、単にその
効果を有すればよいというものではなく、人畜に対する
安全性および効果の持続性があり、しかも公害などの問
題が発生することのない処理方法が望まれるところであ
る。
【0007】しかし、上記の観点から、塩化ビニル樹脂
原料の可塑剤として用いられるジイソデシルフタレート
またはジオクチルフタレート等のフタル酸エステル類に
おいては、それらは変異原性が陽性であることや、難分
解性の化学物質であることが指摘されており、塩化ビニ
ル樹脂原料としてはより安全性の高いものであることが
望まれる。
【0008】また、上記したような、可塑剤にIPBC
が添加されてなる組成物においては、該組成物が光に照
射されたり、加熱されたり、あるいは長期にわたって保
存されたりすることにより、該組成物に含まれるIPB
Cが徐々に分解を始めるという傾向がある。
【0009】すなわち、可塑剤にIPBCが含まれてな
る組成物を長期保存しておく等の場合は、IPBCの分
解によりヨウ素が遊離し、このために組成物自身が着色
してしまうという問題がある。このような着色の問題は
上記組成物を冷暗所に保存している場合にも少なからず
見られ、当初は無色であった組成物も黄色に、さらには
褐色へと変色していく傾向がある。
【0010】通常、上記した組成物は、塩化ビニル樹脂
と混練される際に加熱処理されるため、着色の程度が比
較的軽度のうちはその加熱を受ける際にほとんど脱色さ
れるので、最終製品が着色されるような現象は皆無と言
ってよいほど見られない。
【0011】しかしながら上記の組成物が、長期保存等
により濃厚に着色したような場合は、最終製品をも着色
をさせてしまうことが懸念される。このため、IPBC
を含有する可塑剤組成物の保管状況の良否に関わらず、
有効成分であるIPBCの変質防止、および変質による
着色を防止することが強く要求される。
【0012】そこで本発明では、前記フタル酸エステル
類に替わる安全性の高い可塑剤を用い、IPBCが含ま
れてなる組成物であって、しかも着色ないしは変色を極
めて起こしにくい組成物を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明者らは、安全性が高く、塩化ビニル樹脂との
相溶性、可塑化効率、非移行性、無色、無臭、耐水性、
および耐油性等の塩化ビニル樹脂の可塑剤として望まれ
る特性を総合的に満足する物質として、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、またはこれらと
飽和脂肪酸とからのエステル類に着目し、これらを用い
た際における防菌防カビ剤の探索を鋭意行った。
【0014】その結果、防菌防カビ性能に優れ、また比
較的高温で塩化ビニルに混練しても成形物を着色するこ
とがなく、しかも効果の長期持続性および経時安定性を
満足する化合物としてはIPBCを用いるのが有効であ
ること、そしてポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、またはこれらと飽和脂肪酸とからのエス
テル類に上記IPBCを含ませ、組成物としたものは、
該組成物が比較的過酷な条件の下でも着色ないしは変色
することが顕著に抑制されるものであることを見出し
た。
【0015】さらに本発明者らは、上記した組成物と塩
化ビニル樹脂との混練時の相溶性ならびに成形物の物理
的特性をも阻害することのない方法および添加物につい
ても鋭意探索し、研究を行ってきた。その結果、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、または
これらの飽和脂肪酸とのエステル類とIPBCからなる
組成物に、さらにエポキシドまたは不飽和脂肪酸をも添
加した組成物とすることにより、前記着色現象ないしは
変色現象が、さらにより起こりにくく、前記の目的が十
分達成されるものであることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0016】すなわち本発明は、(1) ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、またはこれらと飽
和脂肪酸とのエステル類に、IPBCが含まれてなる塩
化ビニル樹脂成形用組成物であり、また、(2) さらにエ
ポキシドが含まれてなる上記(1) 記載の塩化ビニル樹脂
成形用組成物であり、また、(3) IPBCの1重量部当
たり、0.01〜1重量部のエポキシドが含まれてなる上記
(2) 記載の塩化ビニル樹脂成形用組成物であり、また、
(4) エポキシドが、エピクロロヒドリン、エピブロモヒ
ドリン、グリシドール、グリシジルメタクリレート、エ
ポキシスチレン、フェニルグリシジルエーテル、ブチル
グリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジル
エーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、お
よびポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの
群から選ばれる1種または2種以上のものである上記
(2) または(3) に記載の塩化ビニル樹脂成形用組成物で
あり、また、(5) さらに不飽和脂肪酸が含まれてなる上
記(1) 記載の塩化ビニル樹脂成形用組成物であり、ま
た、(6) IPBCの1重量部当たり、1〜10重量部の不
飽和脂肪酸が含まれてなる上記(5) 記載の塩化ビニル樹
脂成形用組成物であり、また、(7) 不飽和脂肪酸が、オ
レイン酸、エライジン酸、ワクセン酸、エルカ酸、ブラ
シジン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リノレン
酸、アラキドン酸、クルポノドン酸、ステアロル酸、ベ
ヘノル酸、およびキシメニン酸の群から選ばれる1種ま
たは2種以上のものである上記(5) または(6) に記載の
塩化ビニル樹脂成形用組成物である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の組成物は、塩化ビニル樹
脂のみならず、塩化ビニルを含む共重合樹脂、たとえば
塩化ビニルと酢酸ビニルからなる共重合樹脂などにも用
いられるものであり、必要に応じて充填剤、顔料、発泡
剤または安定剤などが加えられる。
【0018】本発明の組成物に用いられる可塑剤は、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ま
たはこれらの飽和脂肪酸エステル類であり、IPBCを
溶解して用いる必要があるため、常温において液体状で
あるものが使用される。
【0019】本発明において、可塑剤としてポリエチレ
ングリコールを用いる場合は平均分子量 200〜1000であ
るものが、ポリプロピレングリコールを用いる場合は平
均分子量 200〜4000であるものが、またこれらと飽和脂
肪酸とのエステル類を用いる場合は平均分子量が 200〜
4000であるものが使用される。
【0020】上記飽和脂肪酸の種類としては広い範囲か
ら選ばれるものについて有用であるが、より好適に用い
られるものとしては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草
酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン
酸、ウンデシル酸等の低級脂肪酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の
高級脂肪酸が挙げられる。
【0021】本発明において、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールまたはこれらと飽和脂肪
酸とのエステル類は、それら一種のみならず、二種以上
が用いられても何ら構わず、塩化ビニル樹脂の成形加工
性あるいは成形物への付加特性等が考慮されて随時選定
される。
【0022】一般に塩化ビニル樹脂成形物においては、
その製造目的に応じて可塑剤の配合割合および種類等が
決められるため、本発明の組成物においてもそれに含ま
れるIPBCの割合は変化するが、通常は、可塑剤の1
重量部当たり、IPBC0.05〜1重量部の範囲で配合さ
れる。
【0023】本発明の塩化ビニル樹脂成形用組成物にお
いて、エポキシドをも含ませた組成物とする場合、エポ
キシドの含有割合としては、それに含まれるIPBCの
1重量部に対し、0.01〜1重量部の範囲以内にあるのが
よく、さらには0.05〜0.5 重量部の範囲とするのがより
好ましい。
【0024】上記エポキシドの種類としては広い範囲か
ら選ばれるものについて有用であるが、より好適に用い
られるものとしてはエピクロロヒドリン、エピブロモヒ
ドリン、グリシドール、グリシジルメタクリレート、エ
ポキシスチレン、フェニルグリシジルエーテル、ブチル
グリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジル
エーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、お
よびポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等
が挙げられ、これらはその1種のみならず、2種以上が
用いられても何ら構わない。
【0025】本発明の塩化ビニル樹脂成形用組成物にお
いて、不飽和脂肪酸をも含ませた組成物とする場合、不
飽和脂肪酸の含有割合としては、あまりに少なければそ
れを添加する効果が見られず、また必要以上に多く使用
したりすると不飽和脂肪酸由来の着色が生じたりするこ
とがあるため、それに含まれるIPBCの1重量部に対
し、1〜10重量部の範囲内にあるのがよく、さらには2
〜5重量部の範囲とするのがより好ましい。
【0026】上記における不飽和脂肪酸の種類として
は、広い範囲から選ばれるものについて有用であるが、
より好適に用いられるものとしてはオレイン酸、エライ
ジン酸、ワクセン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リノー
ル酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、アラキドン
酸、クルパノドン酸、ステアロル酸、ベヘノル酸、およ
びキシメニン酸等が挙げられ、これらはその1種のみな
らず、2種以上が用いられても何ら支障ない。
【0027】本発明の塩化ビニル樹脂成形用組成物を製
造するに際し、構成物の添加の形態等には特に限定はな
く、通常は可塑剤とIPBCとを、さらにはこれに加え
てエポキシドあるいは不飽和脂肪酸の必要量を混合し、
溶解することにより得られる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の塩化ビニル樹脂成形用組成物
につき、実施例および比較例をあげて、さらに詳細に説
明するが、本発明がこれらによって何ら限定されるもの
ではない。以下、部および%の表示は全て重量基準であ
る。
【0029】・本発明の塩化ビニル樹脂成形用組成物の
製造例 製造例1 ポリプロピレングリコール(平均分子量2000)90部にI
PBC10部を加え、攪拌して溶解し、溶液となした。
【0030】製造例2 ポリエチレングリコール(平均分子量 600)89部にグリ
シドール1部を加え、よく混合した後、これにIPBC
10部を加え、攪拌して溶解し、溶液となした。
【0031】製造例3 ポリエチレングリコール(平均分子量 600)89.8部にエ
ピクロルヒドリン 0.2部を加え、よく混合した後、これ
にIPBC10部を加え、攪拌して溶解し、溶液となし
た。
【0032】製造例4 ポリプロピレングリコール(平均分子量4000)89部にグ
リシドール1部を加え、よく混合した後、これにIPB
C10部を加え、攪拌して溶解し、溶液となした。
【0033】製造例5 ポリエチレングリコール(平均分子量 600)70部にオレ
イン酸20部を加え、よく混合した後、これにIPBC10
部を加え、攪拌して溶解し、溶液となした。
【0034】製造例6 ポリプロピレングリコール(平均分子量4000)80部にオ
レイン酸10部を加え、よく混合した後、これにIPBC
10部を加え、攪拌して溶解し、溶液となした。
【0035】製造例7 ラウリン酸と1モルのポリエチレングリコール(平均分
子量 300)とのエステル89部にグリシドール1部を加
え、よく混合した後、これにIPBC10部を加え、攪拌
して溶解し、溶液となした。
【0036】製造例8 ラウリン酸と1モルのポリエチレングリコール(平均分
子量 300)とのエステル70部にオレイン酸20部を加え、
よく混合した後、これにIPBC10部を加え、攪拌して
溶解し、溶液となした。
【0037】製造例9 ポリプロピレングリコール(平均分子量4000)89部にグ
リシジルフェニルエーテルオレイン酸1部を加え、よく
混合した後、これにIPBC10部を加え、攪拌して溶解
し、溶液となした。
【0038】製造例10 ポリプロピレングリコール(平均分子量4000)89部にブ
チル-2,3- エポキシプロピルエーテル1部を加え、よく
混合した後、これにIPBC10部を加え、攪拌して溶解
し、溶液となした。
【0039】製造例11 ポリプロピレングリコール(平均分子量4000)70部にリ
ノール酸20部を加え、よく混合した後、これにIPBC
10部を加え、攪拌して溶解し、溶液となした。
【0040】実施例1(壁紙の作成) 壁紙用の成形試験片を作成すべく、ペースト状のポリ塩
化ビニルであるPSL-657(商品名、鐘淵化学(株)
製) 100部、IPBC濃度10%として製造した前記製造
例1〜11いずれかの組成物 0.5部、可塑剤としてポリプ
ロピレングリコール(平均分子量4000)46部、難燃可塑
剤のトリスクロロプロピルフォスフェート8部、充填剤
の炭酸カルシウム50部、顔料である1017−白(商品名、
日弘ビックス(株)製)16部、ホウ酸亜鉛3部、発泡剤
であるAZ−H25(商品名、大塚化学(株)製)4部、
安定剤としてLFX−110T−NA(商品名、大協化成
(株)製)4部、および希釈剤5部を混合した後、ゲル
化を温度 150℃で30秒間行った。次いで温度を 220℃と
して30秒間維持して発泡させ、成形物を作成した(この
成形物中のIPBC含量は0.02%である)。この成形物
を2cm×2cmの大きさに切断して試験片とし、以下に示
すハロー試験に供した。
【0041】試験例1(壁紙のハロー試験) 下記の真菌AおよびBを、斜面培地より界面活性剤入り
無菌水5mlに1白金耳量を接種して濾過したのち、これ
を45℃に冷却したポテトデキストロール寒天培地 100ml
に対し 0.3ml接種した。 真菌A:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus nige
r) 真菌B:ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citr
inum) 次いで、この培地を撹拌後、滅菌シャーレに20ml分注
し、凝固した後に、上記試験片を設置し、この試験片の
設置された培地を27℃で48時間培養したのち、試験片周
辺の真菌発育阻止帯の径を測定して評価を行った。な
を、本実施例ではこのハロー試験前後において、用いら
れた試験片に着色および変色などの変化は一切認められ
なかった。結果を表1に示す。
【0042】比較例1 実施例1において、IPBCを含有する組成物を何ら加
えることなく壁紙用の試験片を作成し、そして前記同様
ハロー試験を行った。結果を表1に示す。
【0043】比較例2 実施例1において、IPBC含有組成物としては、フタ
ル酸ジオクチルに溶解したIPBC濃度10%の組成物の
ものを使用し、また可塑剤は、ポリプロピレングリコー
ルではなくフタル酸ジオクチルを使用することとし、他
は実施例1と同様の条件にて、同じように壁紙用の試験
片を作成しハロー試験を行った。結果を表1に示す。
【0044】比較例3 実施例1において、IPBC含有組成物に代えて10,10'
- オキシビスフェノキシアルシン(OBPA)濃度17%
のフタル酸ジオクチル溶液を使用し、また可塑剤はポリ
プロピレングリコールに代えてフタル酸ジオクチルを用
い、試験片中のOBPA濃度が0.04%となるようにし、
他は実施例1と同様の条件にて、同じように壁紙用の試
験片を作成しハロー試験を行った。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】(壁紙のハロー試験)
【0046】試験例2(光に対する安定性試験) 前記製造例1〜11として調製された溶液30mlずつを、各
々内容 100mlの密閉することが可能なフラスコに入れ、
これら11ケに対し、温度25℃の条件下、光照射試験機内
において照度1000lux の蛍光灯の光を均等に14日間連続
的に照射し、これによる着色の程度を目視およびガード
ナーにより評価した。また、この試験後には、高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)による溶液中のIPB
Cの濃度測定を行い、IPBCの残存率を算出した。結
果を表2に示す。
【0047】
【表2】(光照射による安定性試験の結果)
【0048】試験例3(耐候性試験) 前記実施例1で作成した試験片を、フェゾメーターブラ
ックパネルFAC−5(商品名、スガ試験機(株)製)
を用い、温度83℃の条件下に50時間または 650時間かけ
て光照射し、その後、試験例1と同様に試験を行った。
なをこれらの例のいずれにおいても、試験前後における
試験片の着色および変色などは一切認められなかった。
結果を表3に示す。
【0049】
【表3】(耐候性試験結果)
【0050】実施例2 (床剤の作成)床剤用の成形試験片を作成すべく、ペー
スト状のポリ塩化ビニルR−1080(商品名、三菱化学
(株)製) 100部、IPBC濃度10%として製造した前
記製造例1〜8いずれかの組成物を 0.4部、可塑剤とし
てポリプロピレングリコール(平均分子量4000)60部、
および安定剤としてLX-520(商品名、大協化成(株)
製)3部を混合したのち、ゲル化を温度 150℃で30秒間
行い、次いで温度を 225℃として30秒間維持して発泡さ
せ、成形物を作成した(この成形物中のIPBC濃度は
0.02%である)。この成形物を直径36.1mmの円形に切り
とった後、前記試験例1と同様に防菌防カビ試験を行っ
た。なをこの試験前後においても、試験片の着色および
変色などは一切認められなかった。結果を表4に示す。
【0051】比較例4 実施例2において、IPBC含有組成物を加えることな
く床剤の試験片を製造した以外は実施例2と同様に試験
片を作成し、ハロー試験を行った。結果を表4に示す。
【0052】比較例5 実施例2において、IPBC含有組成物としては、フタ
ル酸ジオクチルに溶解したIPBC濃度10%の組成物の
ものを使用し、また可塑剤はポリプロピレングリコール
ではなくフタル酸ジオクチルを使用することとし、他は
実施例2と同様の条件にて、同じように床剤用の試験片
を作成しハロー試験を行った。結果を表4に示す。
【0053】
【表4】(床剤のハロー試験)
【0054】
【発明の効果】上記のように、可塑剤としてポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、またはこれ
らと飽和脂肪酸とからのエステル類を用い、これら可塑
剤にIPBCが含まれてなる本発明の塩化ビニル樹脂成
形用組成物は、強い抗菌・抗カビ効力が発揮されるとと
もに、光照射ならびに高温下のような過酷な条件の下で
も着色ないしは変色が極めて起こりにくいものであり、
さらにはIPBCの無用な分解が抑制されるものでもあ
る。
【0055】また、本発明の組成物に用いられる可塑剤
は安全性の高いものであることから、従前にも増して、
より優れた塩化ビニル樹脂成形用組成物を提供すること
が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 光雄 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 関 亮一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 山口 秀幸 千葉県茂原市茂原1579−206

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
    ングリコール、またはこれらと飽和脂肪酸とのエステル
    類に、3-ヨード-2- プロピニルブチルカーバメートが含
    まれてなる塩化ビニル樹脂成形用組成物。
  2. 【請求項2】 さらにエポキシドが含まれてなる請求項
    1記載の塩化ビニル樹脂成形用組成物。
  3. 【請求項3】 3-ヨード-2- プロピニルブチルカーバメ
    ートの1重量部当たり、0.01〜1重量部のエポキシドが
    含まれてなる請求項2記載の塩化ビニル樹脂成形用組成
    物。
  4. 【請求項4】 エポキシドが、エピクロロヒドリン、エ
    ピブロモヒドリン、グリシドール、グリシジルメタクリ
    レート、エポキシスチレン、フェニルグリシジルエーテ
    ル、ブチルグリシジルエーテル、エチレングリコールジ
    グリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジ
    ルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
    テル、およびポリプロピレングリコールジグリシジルエ
    ーテルの群から選ばれる1種または2種以上のものであ
    る請求項2または3に記載の塩化ビニル樹脂成形用組成
    物。
  5. 【請求項5】 さらに不飽和脂肪酸が含まれてなる請求
    項1記載の塩化ビニル樹脂成形用組成物。
  6. 【請求項6】 3-ヨード-2- プロピニルブチルカーバメ
    ートの1重量部当たり、1〜10重量部の不飽和脂肪酸が
    含まれてなる請求項5記載の塩化ビニル樹脂成形用組成
    物。
  7. 【請求項7】 不飽和脂肪酸が、オレイン酸、エライジ
    ン酸、ワクセン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、リノール
    酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、アラキドン酸、
    クルポノドン酸、ステアロル酸、ベヘノル酸、およびキ
    シメニン酸の群から選ばれる1種または2種以上のもの
    である請求項5または6に記載の塩化ビニル樹脂成形用
    組成物。
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