JPH11211583A - 感熱発色材料の製造方法及びその装置 - Google Patents

感熱発色材料の製造方法及びその装置

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JPH11211583A
JPH11211583A JP1526598A JP1526598A JPH11211583A JP H11211583 A JPH11211583 A JP H11211583A JP 1526598 A JP1526598 A JP 1526598A JP 1526598 A JP1526598 A JP 1526598A JP H11211583 A JPH11211583 A JP H11211583A
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JP
Japan
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coloring material
thermosensitive coloring
light
light irradiation
luminance
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JP1526598A
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English (en)
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Naoki Obara
直樹 小原
Ichiro Tanahashi
一郎 棚橋
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発色特性の再現性ある感熱発色材料を容易か
つ大量に作製することができない。 【解決手段】 感熱発色材料の製造装置の容器に光照射
源と色変化測定装置を設置する。装置上部に光照射源と
して蛍光ランプを用い、色変化を測定するための装置と
して輝度計が設置されており、光照射を行いながら輝度
計により試料表面の輝度を観測することが可能になって
いる。輝度計は光照射源からの直達光を遮って試料表面
の輝度のみ測定することができるよう、取り込みレンズ
と光源との間に遮蔽板を設ける。また、輝度計にコンピ
ュータを接続して輝度計により測定された輝度値を読み
込み、輝度の変化に応じて光照射装置の電源ユニットへ
の停止信号を出力するフィードバックシステムを構築す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属微粒子の表面
プラズモン吸収を利用した感熱発色材料に関し、特に関
越発色材料の製造方法およびその装置に関するものであ
る。
【0002】なお、この感熱発色材料は不可逆的な反応
を用いたものであり、保冷システムや冷凍食品の温度管
理に用いることが可能なものである。
【0003】
【従来の技術】従来、感熱発色材料や感熱表示材料とし
ては、特開平7−149057号公報に開示されている
ものがある。その感熱表示材料は、温度によって光の散
乱が可逆的に変化する材料であり、具体的には、樹脂母
材とその樹脂母材中に分散された有機低分子物質とで構
成され、加熱によって白濁と透明な状態を可逆的に変化
する材料やサーモトロピック液晶性を備えた高分子液晶
から構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の感熱発色材料や
感熱表示材料では、次のような課題がある。すなわち、
感熱発色材料が加熱によって白濁と透明な状態を可逆的
に変化するため、感熱発色材料を種々の色に着色するこ
とが極めて困難である。また、比較的低温(〜15℃)
では無色透明であるが、室温以上の温度になると不可逆
的に効率良く発色させることが不可能である。
【0005】本発明は、金属微粒子をマトリックス中に
分散し感熱発色特性を示す複合材料を精度良く、しかも
特性の再現性よく製造するための製造装置を提供するこ
とにより、比較的低温(〜15℃)では無色透明であ
り、室温以上の温度になると不可逆的に効率良く発色す
る感熱発色材料を製造するために、発色特性に影響を与
える金属微粒子の粒径制御を行い、発色特性の再現性に
優れた感熱発色材料を作製するための製造装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明により製造される
感熱発色材料とは、例えば、マトリックス溶媒中の特殊
な配位状態をもつ金属イオンに光を照射すると、金属イ
オンが還元されてクラスター状態の微小金属微粒子とな
り、室温程度になると熱エネルギーを受けるにより凝集
を始め、粒成長した金属微粒子が表面プラズモン吸収を
することにより発色特性を示すものである。光還元され
たクラスター状態の微小金属微粒子は低温下では粒成長
速度が緩慢となり、発色特性が極めて遅くなる。しか
も、この発色特性は不可逆的な変化であることから、本
感熱発色材料を用いることにより冷凍食品の移送中にお
ける温度履歴、すなわち食品の温度が低温から一度でも
室温に上昇していないかどうか等を容易に知ることがで
きる。
【0007】本発明の感熱発色材料の製造装置は、少な
くとも感熱発色材料に光を照射する光照射装置と感熱発
色材料の色変化をモニターする測定装置から構成された
前記感熱発色材料の製造装置を提供する。
【0008】前記感熱発色材料の製造装置は、光照射装
置により感熱発色材料に光を照射しながら感熱発色材料
の色変化をモニターすることが可能な装置であることが
望ましい。
【0009】前記感熱発色材料の色変化をモニターする
装置が輝度測定装置、色差測定装置、反射率測定装置か
ら選ばれる少なくとも一つであることが望ましい。
【0010】また、前記光照射装置から照射された光の
強度をモニターする光強度測定装置があることが望まし
い。
【0011】また、前記製造装置において光照射される
感熱発色材料の温度をモニターする温度測定装置がある
ことが望ましい。
【0012】また、前記色変化をモニターする測定装置
により測定された感熱発色材料の色変化を演算処理ある
いは増幅演算処理する装置を有することが望ましい。
【0013】さらに、本発明の感熱発色材料の製造装置
は、光照射中に測定された感熱発色材料の輝度あるいは
反射率が光照射の開始と共に増大して極大値に達し、そ
の後減少して発色する過程において、極大値、あるいは
発色するまでの任意の設定値になると光照射を停止する
機構を有する感熱発色材料の製造装置を提供する。
【0014】あるいは、本発明の感熱発色材料の製造装
置は、光照射中に測定された感熱発色材料の色差が光照
射の開始と共に減少して極小値に達し、その後増加して
発色する過程において、極小値、あるいは発色するまで
の任意の設定値になると光照射を停止する機構を有する
感熱発色材料の製造装置を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例を用いて図
面を参照してさらに詳しく説明する。
【0016】(実施の形態1)図1は感熱発色材料の構
成と光吸収特性を示している。図1(a)、(b)、
(c)において、1は金属微粒子、2はマトリックスで
ある。図1(a)に示すように、光照射する前の状態で
はAuはイオン化した状態にあり、波長320nm付近
に光吸収を示す。このときの試料の色は淡黄色を呈す
る。光照射により還元が行われると、図1(b)に示す
ように、マトリックス中にクラスター状態のAu微粒子
が形成される。
【0017】この状態ではAuクラスターは微小な金属
微粒子のため、無色透明で光吸収を示さない。この段階
で光照射を停止した後、低温下(〜15℃)に保存する
とAuクラスターの凝集は極めて緩慢となり、長時間発
色特性を呈しない。ところが、室温付近の温度に放置す
ると熱エネルギーを受けることによりクラスターが凝集
し、図1(c)に示すように数分〜数時間程度で数nm
程度のAu微粒子に成長する。成長したAu微粒子は表
面プラズモン吸収と呼ばれる特有な光吸収を530nm
付近に示し、赤紫色を呈する。また、図1(b)の状態
で光照射を停止させずに光照射を継続すると、(b)の
状態で光照射停止後に室温放置した場合よりも急激な粒
成長を行い、より短時間で図1(c)の赤紫色の発色状
態に達する。
【0018】マトリックス中の金属微粒子の分散量は、
特に限定するものではないが、粒径制御の容易な、ま
た、微粒子の凝集等が生じ難い0.01〜20 wt%程
度、好ましくは0.05〜10 wt%程度がよい。
【0019】また、金属微粒子が、金、白金、銀、銅、
錫、ロジウム、パラジウムまたはイリジウムを用いるこ
とが好ましい。これらの金属は、表面プラズモン吸収に
基づく発色を示し、他の金属に比べて酸素やその他の不
純物による影響を受け難く、比較的純粋な金属微粒子を
析出させることができるので、優れた感熱発色特性を示
す材料を実現することが可能となる。
【0020】また、微小金属微粒子になる金属の塩とし
ては、AuHCl4、AuNaCl4、H2PtCl6、A
gClO4、CuCl2、SnCl2、IrCl3、RhC
3、PdCl2が好ましい。
【0021】マトリックス材料として、ゾルーゲル法に
より作製された化学的に安定でありかつ光学的に広い波
長範囲で透明なシリカゲル、アルミナゲル、チタニアゲ
ルであることが好ましい。前記ゾルーゲル法とは、ゾル
状の金属の低級アルコキシドを加水分解し、ゲル化さ
せ、加熱することによりガラスあるいはセラミックス状
にする方法である。代表的な金属アルコキシドの具体例
をあげると、シリコンのメトキシドやエトキシド等のシ
リコンの低級アルコキシド類、アルミニウムのメトキシ
ドやエトキシド等のアルミニウムの低級アルコキシド、
あるいはチタンのメトキシドやエトキシド等のチタンの
低級アルコキシド類類があげられる。また、ゾルの分散
媒としては水および/またはメタノール、エタノール、
プロパノールあるいは二価アルコールのエチレングリコ
ール、プロピレングリコールを用い、通常触媒として塩
酸やアンモニアを加えて加水分解する。また、ゲル体の
乾燥時に生ずる亀裂の発生や発泡を防止する乾燥抑制剤
としてフォルムアミドやジメチルフォルムアミドを用い
ることが好ましい。
【0022】あるいは、マトリックス材料としては、化
学的に安定でありかつ光学的に広い波長範囲で透明なポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリスチレン、アクリルニトリル−スチ
レンコポリマー、フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリア
クリル酸エステル類、ポリエチレンオキシド等の有機高
分子材料であることが好ましい。
【0023】また、感熱発色材料の形態としてはゾル−
ゲル法により作製したバルクのほか、感熱発色材料の溶
液をガラス、金属フィルム、プラスチックフィルム等の
基体上に塗布、乾燥させた形態、あるいは感熱発色材料
の溶液を布、紙に担持、乾燥させた形態であることが好
ましい。
【0024】次に、感熱発色材料の光照射装置の一例を
図2に示す。感熱発色材料の製造装置の容器3に光照射
源4と色変化測定装置5が装置上部に設置されている。
光照射源には波長254nm付近の紫外光を放出する蛍
光ランプを用いた。また、色変化を測定するための装置
として輝度計が設置されており、輝度計により試料6表
面の輝度を測定することが可能になっている。輝度計は
光照射源からの直達光を遮って試料表面の輝度のみ観測
することができるよう、取り込みレンズと光源との間に
遮蔽板7を設けている。また、輝度計にコンピュータ8
を接続して輝度計により測定された輝度値を読み込み、
輝度の変化に応じて光照射装置の電源ユニット9への停
止信号を出力するフィードバックシステムを構築してい
る。
【0025】光照射源は特に限定するものではないが、
感熱発色材料が効率よく光吸収するような蛍光ランプ、
水銀ランプ、キセノンランプ、あるいはエキシマレーザ
ー等の紫外線を放出するような光照射源を用いることが
好ましい。
【0026】また、光照射源の光の波長としては感熱発
色材料が効率よく光吸収するような320nm以下の紫
外線が好ましい。
【0027】光照射源は装置の大型化による同一ロット
内での試料間のばらつきを低減させるために、試料に一
定強度の光が照射されるよう光照射源を数多く設けた方
が好ましい。
【0028】また、輝度計に関しても、光照射源と同様
の理由にて数多く設けた方が好ましい。
【0029】測定された輝度値をコンピュータに取り込
む際、増幅器を通すことにより高感度に検出することが
可能であり、輝度値を増幅させることが望ましい。
【0030】次に、光照射を行いながら輝度計を用いて
測定したときの、光照射時間に対する試料表面の輝度の
変化を図3に示す。
【0031】光照射と同時に輝度は増大し、極大値に達
した後、徐々に減少している。図3中のA〜Dで示され
た各点で光照射を停止した直後のそれぞれの試料の光吸
収特性を評価した。A点では320nm付近に光吸収を
示し、Auイオンが完全に還元されていないことがわか
る。B点では測定した波長範囲内では光吸収特性を示さ
なかったことから、輝度が最高値を示したときにほぼす
べてのAuイオンが還元されて最小単位のAuクラスタ
ーが形成されたことがわかる。
【0032】また、C〜D点では新たに530nm付近
に光吸収特性を示したことから、Au微粒子が成長した
ことによって表面プラズモン吸収が増大したものと考え
られる。事実、B点、C点の各試料に対してTEMを用
いてAu微粒子の平均粒径の評価を行ったところ、B点
ではAu微粒子は観測されず、C点では1nm程度であ
った。
【0033】(実施の形態2)第2の実施の形態におけ
る感熱発色材料製造装置を図4に示す。第2の実施の形
態は、前記図2の光照射装置に光強度検出器10を試料
の横に設け、光強度モニター11により光の強度をモニ
ターし、常に一定強度の光強度が得られるよう光照射源
へ供給する電力を制御することにより一定強度の光が照
射可能なシステムを構築している。
【0034】その他、光強度を一定とするシステムとし
て、光照射源から放出される光強度の変動に応じて試料
表面に到達する光強度が一定となるように試料台を上下
させ、試料表面に一定強度の光が照射されるようなフィ
ードバックシステムを構築することも可能である。
【0035】また、光強度モニターに関しても、装置の
大型化に伴う同一ロット内での試料間のばらつきを低減
させるために光強度モニターを数多く設けた方が好まし
い。
【0036】さらに設置の際、光検出器が試料を遮らな
いように設置することが好ましい。以上のように構成さ
れた感熱発色材料の製造装置において、光照射と同時に
試料表面の輝度の変化を測定したとき、図3と同様の結
果を得ることができた。
【0037】(実施の形態3)第3の実施の形態におけ
る感熱発色材料製造装置を図5に示す。第3の実施の形
態は、前記図2の光照射装置に温度計12を試料表面の
端部に接するように設置し、温度モニター13により試
料表面の温度をモニターしている。
【0038】試料表面温度を一定にするために水冷式試
料台14を用い、常に試料表面温度が25℃一定となる
ように制御している。試料表面温度は熱電対を用いて測
定している。試料表面温度の測定には赤外線放射温度計
を用いることも可能である。
【0039】温度計に関しても、装置の大型化に伴う同
一ロット内での試料間のばらつきを低減させるために数
多く設けた方が好ましい。
【0040】また、設置の際、温度計が試料を遮らない
ように設置することが好ましい。また、試料表面温度を
一定とするための試料台は水冷式に限定されるものでな
い。また、水冷式試料台を用いるだけでなく、紫外線照
射装置内部の温度が一定となるような空調システムを構
築することが好ましい。
【0041】以上のように構成された感熱発色材料の製
造装置において、光照射と同時に試料表面の輝度の変化
を測定したとき、図3と同様の結果を得ることができ
た。
【0042】(実施の形態4)第4の実施の形態は、前
記輝度計にコンピュータ8を接続して輝度値を読み込
み、輝度の変化に応じて光照射装置の電源ユニット9に
停止信号を出力するフィードバックシステムを用いて、
図3の輝度変化において発色開始する前の任意の点で光
照射を停止するようにプログラムした。
【0043】なお、検出感度を高くするために演算処理
回路に増幅器を挿入し、輝度計により測定された輝度値
を増幅させることが好ましい。また、光照射源、輝度計
は装置の大型化による同一ロット内での試料間のばらつ
きを低減させるために、試料に一定強度の光が照射され
るよう光照射源を数多く設けた方が好ましい。さらに、
各輝度計により測定された輝度の変化に対応して、所望
の輝度に到達したときに光照射を停止するように制御す
ることが好ましい。
【0044】以上のように構成された感熱発色材料の製
造装置において、輝度計に接続されたコンピュータによ
り輝度を測定し、輝度の変化が極大値を示したB点、光
を照射する前と同一の輝度値を示すC点、あるいは発色
開始する前で光照射前の輝度値よりもさらに低い輝度値
を示すD点で自動的に光照射を停止するよう制御したと
ころ、所望の輝度値を示した点で紫外線照射を停止する
ことができた。
【0045】なお、B点は金属イオンが光還元した金属
の最小クラスター形成状態、またC点、D点はB点より
もさらに粒成長した状態であり、D点はC点の輝度値よ
りも低くかつ発色開始するときの輝度値よりも高い値で
あれば任意の設定が可能である。
【0046】従って、本発明の感熱発色材料の製造装置
を用いることにより、感熱発色材料の初期輝度値を任意
の値に設定することが可能であり、輝度計に接続された
コンピュータを用いて自動製造することができる。
【0047】以下本発明の具体的実施例について説明す
る。 [実施例1]1wt%AuHCl4水溶液を10wt%
ポリビニルアルコール水溶液中に分散した感熱発色材料
を表面積1cm2のスライドガラス上に塗布した試料を
100℃の乾燥器内にて1時間乾燥した試料を用いた。
【0048】この試料を100個作製し、光照射装置内
で光照射した。光照射装置の外寸は一辺が50cmの立
方体であり、容器の内側は黒く塗られている。光照射源
は波長254nm付近の紫外光を放出する蛍光ランプを
用いた。蛍光ランプの大きさは断面が直径2cmの円形
で、直径40cmの円状である。光強度は10mW/c
2である。装置上部に設置された輝度計により光照射
を行いながら試料表面の輝度を観測した。なお、光照射
の停止ポイントは、図3のB点を停止ポイントとした。
また、比較として輝度モニターシステムのない装置でも
光強度を10mW/cm2一定とし、光照射時間を5分
間一定とした。
【0049】ここで、1度に20試料を本発明の輝度モ
ニターシステムのある装置、および輝度モニターシステ
ムのない装置を用いてそれぞれ5回ずつ感熱発色材料に
光照射を行って作製した100試料に対する発色開始時
間の分布を図6に示す。
【0050】本発明の輝度モニターシステムを用いて作
製した感熱発色材料は、光照射後に室温に放置すると5
5分から65分の間に全試料の90%が発色を開始した
のに対し、輝度モニターシステムのない装置で作製した
試料では同一時間内に発色を開始した試料は全試料の5
8%であった。
【0051】また、本発明の輝度モニターシステムを用
いて作製した試料では55分から75分の間に全て発色
しているが、輝度モニターシステムのない装置で作製し
た試料では発色開始時間が25分から95分と大きくば
らついていることがわかる。従って、本発明の感熱発色
材料の装置を用いることにより発色開始時間のばらつき
を低減することが可能となり、感熱発色材料の発色特性
の再現性に優れ、しかも高信頼性の感熱発色材料の製造
歩留まりを向上することができる。
【0052】なお、微小金属微粒子になる金属の塩とし
て、AuHCl4の代わりにAuNaCl4、H2PtC
6、AgClO4、CuCl2、SnCl2、IrC
3、RhCl3、PdCl2を用いても同様の効果を確
認することができた。ただし、種々の金属微粒子中で
は、Au微粒子を用いた感熱発色材料による発色が最も
コントラストが高く鮮明であった。
【0053】また、マトリックス材料として、ポリビニ
ルアルコールの代わりにポリビニルブチラール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリスチレン、アクリルニトリル−ス
チレンコポリマー、フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル類、ポリエチレンオキシドを用いて
も同様の効果を確認することができた。特に、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸エステル類を用いた場合、室温
での発色時間が他の材料に比べて早く、感度の高い感熱
発色材料を製造することが可能である。
【0054】また、マトリックス材料として、ゾル−ゲ
ル法により作製されたシリカゲル、アルミナゲル、チタ
ニアゲルを用いても同様の効果を確認することができ
た。
【0055】また、前記感熱発色材料の溶液をガラス、
金属フィルム、プラスチックフィルム等の基体上に塗
布、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0056】さらに、感熱発色材料の溶液を布、紙に担
持、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0057】[実施例2]本実施例は、前記図2の感熱
発色材料製造装置の色変化を測定する装置として、輝度
計の代わりに色差計を装置上部に設け、色差計により光
照射時における試料表面の色差変化を観測した。感熱発
色材料としては、実施例1と同様の試料を用いた。色差
測定は感熱発色材料となる溶液を塗布する前の基板表面
の色を基準色とし、光照射に対する感熱発色材料表面の
色差変化を測定した。また、比較として色差モニターシ
ステムのない装置でも光強度を10mW/cm2一定と
し、光照射時間を5分間一定とした。
【0058】以上のように構成された感熱発色材料の製
造装置において、光照射と同時に試料表面の色差の変化
を図7に示す。光照射と同時に色差は減少し、極小値に
達した後、徐々に増大している。
【0059】ここで、1度に20試料を本発明の色差モ
ニターシステムのある装置、および色差モニターシステ
ムのない装置を用いてそれぞれ5回ずつ感熱発色材料に
光照射を行って100試料作製し、発色開始時間の分布
を調査した。なお、光照射の停止ポイントは、図7のB
点を停止ポイントとした。実験の結果、実施例1の図6
と同様の結果を得ることができた。従って、本発明の感
熱発色材料の製造装置を用いることにより発色開始時間
のばらつきを低減することが可能となり、感熱発色材料
の発色特性の再現性に優れ、しかも高信頼性の感熱発色
材料の製造歩留まりを向上することができる。
【0060】なお、微小金属微粒子になる金属の塩とし
て、AuHCl4の代わりにAuNaCl4、H2PtC
6、AgClO4、CuCl2、SnCl2、IrC
3、RhCl3、PdCl2を用いても同様の効果を確
認することができた。ただし、種々の金属微粒子中で
は、Au微粒子を用いた感熱発色材料による発色が最も
コントラストが高く鮮明であった。
【0061】また、マトリックス材料として、ポリビニ
ルアルコールの代わりにポリビニルブチラール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリスチレン、アクリルニトリル−ス
チレンコポリマー、フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル類、ポリエチレンオキシドを用いて
も同様の効果を確認することができた。特に、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸エステル類を用いた場合、室温
での発色時間が他の材料に比べて早く、感度の高い感熱
発色材料を製造することが可能である。
【0062】また、マトリックス材料として、ゾル−ゲ
ル法により作製されたシリカゲル、アルミナゲル、チタ
ニアゲルを用いても同様の効果を確認することができ
た。
【0063】また、前記感熱発色材料の溶液をガラス、
金属フィルム、プラスチックフィルム等の基体上に塗
布、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0064】さらに、感熱発色材料の溶液を布、紙に担
持、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0065】[実施例3]本実施例は、前記図2の感熱
発色材料製造装置の色変化を測定する装置として、輝度
計の代わりに反射計を装置上部に設け、反射計により光
照射時における試料表面の反射率変化を観測している。
感熱発色材料としては、実施例1と同様の試料を用い
た。反射率測定は光照射を行いながら感熱発色材料表面
の反射変化を測定している。また、比較として反射率モ
ニターシステムのない装置でも、光強度を10mW/c
2一定とし、光照射時間を5分間一定とした。
【0066】以上のように構成された感熱発色材料の製
造装置において、光照射と同時に試料表面の反射の変化
を図8に示す。光照射と同時に反射率は増大し、極大値
に達した後、徐々に減少している。なお、反射率測定は
輝度測定に比べ検出感度が悪いため、輝度測定以上に検
出された反射率を演算増幅している。
【0067】ここで、1度に20試料を本発明の反射率
モニターシステムのある装置、および反射率モニターシ
ステムのない装置を用いてそれぞれ5回ずつ感熱発色材
料に光照射を行って100試料作製し、発色開始時間の
分布を調査した。なお、光照射の停止ポイントは、図8
のB点を停止ポイントとした。実験の結果、実施例1の
図6と同様の結果を得ることができた。従って、本発明
の感熱発色材料の製造装置を用いることにより発色開始
時間のばらつきを低減することが可能となり、感熱発色
材料の発色特性の再現性に優れ、しかも高信頼性の感熱
発色材料の製造歩留まりを向上することができる。
【0068】なお、微小金属微粒子になる金属の塩とし
て、AuHCl4の代わりにAuNaCl4、H2PtC
6、AgClO4、CuCl2、SnCl2、IrC
3、RhCl3、PdCl2を用いても同様の効果を確
認することができた。ただし、種々の金属微粒子中で
は、Au微粒子を用いた感熱発色材料による発色が最も
コントラストが高く鮮明であった。
【0069】また、マトリックス材料として、ポリビニ
ルアルコールの代わりにポリビニルブチラール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリスチレン、アクリルニトリル−ス
チレンコポリマー、フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル類、ポリエチレンオキシドを用いて
も同様の効果を確認することができた。特に、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸エステル類を用いた場合、室温
での発色時間が他の材料に比べて早く、感度の高い感熱
発色材料を製造することが可能である。
【0070】また、マトリックス材料として、ゾル−ゲ
ル法により作製されたシリカゲル、アルミナゲル、チタ
ニアゲルを用いても同様の効果を確認することができ
た。
【0071】また、前記感熱発色材料の溶液をガラス、
金属フィルム、プラスチックフィルム等の基体上に塗
布、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0072】さらに、感熱発色材料の溶液を布、紙に担
持、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0073】[実施例4]本実施例は、前記図4の感熱
発色材料製造装置を用いて、光強度のモニターを行いな
がら光照射源へ供給する電力を制御し、感熱発色材料に
照射される光強度を一定とした。光強度は10mW/c
2一定である。感熱発色材料としては、実施例1と同
様の試料を用いた。なお、感熱発色材料への光照射の停
止ポイントは、図3のB点を停止ポイントとした。ま
た、比較として光強度モニターシステムのない装置でも
同様の実験を行った。
【0074】ここで、1度に20試料を本発明の光強度
モニターシステムのある装置、および光強度モニターシ
ステムのない装置を用いてそれぞれ5回ずつ感熱発色材
料に光照射を行って100試料作製し、発色開始時間の
分布を調査したところ、光強度モニターシステムのない
装置では光照射後に室温に放置すると55分から65分
の間に全試料の90%が発色を開始したのに対し、光強
度モニターシステムを装備した装置では光照射後に室温
に放置すると55分から65分の間に全試料の93%が
発色を開始した。従って、本発明の感熱発色材料の製造
装置を用いることにより発色開始時間のばらつきを低減
することが可能となり、感熱発色材料の発色特性の再現
性に優れ、しかも高信頼性の感熱発色材料の製造歩留ま
りを向上することができる。また、光強度をモニターす
ることにより光源の故障による規格外製品の早期発見が
可能になる。
【0075】なお、微小金属微粒子になる金属の塩とし
て、AuHCl4の代わりにAuNaCl4、H2PtC
6、AgClO4、CuCl2、SnCl2、IrC
3、RhCl3、PdCl2を用いても同様の効果を確
認することができた。ただし、種々の金属微粒子中で
は、Au微粒子を用いた感熱発色材料による発色が最も
コントラストが高く鮮明であった。
【0076】また、マトリックス材料として、ポリビニ
ルアルコールの代わりにポリビニルブチラール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリスチレン、アクリルニトリル−ス
チレンコポリマー、フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル類、ポリエチレンオキシドを用いて
も同様の効果を確認することができた。特に、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸エステル類を用いた場合、室温
での発色時間が他の材料に比べて早く、感度の高い感熱
発色材料を製造することが可能である。
【0077】また、マトリックス材料として、ゾル−ゲ
ル法により作製されたシリカゲル、アルミナゲル、チタ
ニアゲルを用いても同様の効果を確認することができ
た。
【0078】また、前記感熱発色材料の溶液をガラス、
金属フィルム、プラスチックフィルム等の基体上に塗
布、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0079】さらに、感熱発色材料の溶液を布、紙に担
持、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0080】[実施例5]本実施例は、前記図5の感熱
発色材料製造装置を用いて、光照射時における試料温度
を一定とした。試料温度は25℃に設定した。感熱発色
材料としては、実施例1と同様の試料を用いた。なお、
感熱発色材料への光照射の停止ポイントは、図3のB点
を停止ポイントとした。また、比較としての温度モニタ
ーシステムのない装置でも同様の実験を行った。
【0081】ここで、1度に20試料を本発明の温度モ
ニターシステムを装備した装置、および温度モニターシ
ステムのない装置を用いてそれぞれ5回ずつ感熱発色材
料に光照射を行って100試料作製し、発色開始時間の
分布を調査したところ、温度モニターシステムのない装
置では光照射後に室温に放置すると55分から65分の
間に全試料の90%が発色を開始したのに対し、温度モ
ニターシステムのある装置では光照射後に室温に放置す
ると55分から65分の間に全試料の95%が発色を開
始した。従って、本発明の感熱発色材料の製造装置を用
いることにより発色開始時間のばらつきを低減すること
が可能となり、感熱発色材料の発色特性の再現性に優
れ、しかも高信頼性の感熱発色材料の製造歩留まりを向
上することができる。また、測定温度をモニター、制御
することにより気象条件に影響されない安定した感熱発
色材料の製造が可能となる。
【0082】なお、微小金属微粒子になる金属の塩とし
て、AuHCl4の代わりにAuNaCl4、H2PtC
6、AgClO4、CuCl2、SnCl2、IrC
3、RhCl3、PdCl2を用いても同様の効果を確
認することができた。ただし、種々の金属微粒子中で
は、Au微粒子を用いた感熱発色材料による発色が最も
コントラストが高く鮮明であった。
【0083】また、マトリックス材料として、ポリビニ
ルアルコールの代わりにポリビニルブチラール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリスチレン、アクリルニトリル−ス
チレンコポリマー、フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル類、ポリエチレンオキシドを用いて
も同様の効果を確認することができた。特に、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸エステル類を用いた場合、室温
での発色時間が他の材料に比べて早く、感度の高い感熱
発色材料を製造することが可能である。
【0084】また、マトリックス材料として、ゾル−ゲ
ル法により作製されたシリカゲル、アルミナゲル、チタ
ニアゲルを用いても同様の効果を確認することができ
た。
【0085】また、前記感熱発色材料の溶液をガラス、
金属フィルム、プラスチックフィルム等の基体上に塗
布、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0086】さらに、感熱発色材料の溶液を布、紙に担
持、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0087】[実施例6]本実施例は、前記図4、5の
感熱発色材料の製造装置を合わせて、光照射時における
光照射強度と試料温度を一定とした。光強度は10mW
/cm2一定、試料温度は25℃一定とした。感熱発色
材料としては、実施例1と同様の試料を用いた。なお、
感熱発色材料への光照射の停止ポイントは、図3のB点
を停止ポイントとした。また、比較として光強度モニタ
ーシステムと温度モニターシステムのない装置でも同様
の実験を行った。
【0088】ここで、1度に20試料を本発明の光強度
モニターシステムと温度モニターシステムのある装置、
および光強度モニターシステムと温度モニターシステム
のない光照射装置を用いてそれぞれ5回ずつ感熱発色材
料に光照射を行って100試料作製し、発色開始時間の
分布を調査したところ、光強度モニターシステムと温度
モニターシステムのない装置では光照射後に室温に放置
すると55分から65分の間に全試料の90%が発色を
開始したのに対し、本実施例の光強度モニターシステム
と温度モニターシステムのある装置では光照射後に室温
に放置すると55分から65分の間に全試料の98%が
発色を開始した。従って、本発明の感熱発色材料の製造
装置を用いることにより発色開始時間のばらつきを低減
することが可能となり、感熱発色材料の発色特性の再現
性に優れ、しかも高信頼性の感熱発色材料の製造歩留ま
りを向上することができる。
【0089】なお、微小金属微粒子になる金属の塩とし
て、AuHCl4の代わりにAuNaCl4、H2PtC
6、AgClO4、CuCl2、SnCl2、IrC
3、RhCl3、PdCl2を用いても同様の効果を確
認することができた。ただし、種々の金属微粒子中で
は、Au微粒子を用いた感熱発色材料による発色が最も
コントラストが高く鮮明であった。
【0090】また、マトリックス材料として、ポリビニ
ルアルコールの代わりにポリビニルブチラール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリスチレン、アクリルニトリル−ス
チレンコポリマー、フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル類、ポリエチレンオキシドを用いて
も同様の効果を確認することができた。特に、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸エステル類を用いた場合、室温
での発色時間が他の材料に比べて早く、感度の高い感熱
発色材料を製造することが可能である。
【0091】また、マトリックス材料として、ゾル−ゲ
ル法により作製されたシリカゲル、アルミナゲル、チタ
ニアゲルを用いても同様の効果を確認することができ
た。
【0092】また、前記感熱発色材料の溶液をガラス、
金属フィルム、プラスチックフィルム等の基体上に塗
布、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0093】さらに、感熱発色材料の溶液を布、紙に担
持、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0094】[実施例7]本実施例は、前記図2の感熱
発色材料製造装置において、輝度計に接続されたコンピ
ュータにより輝度値を読み込み、フィードバックシステ
ムにより図3中の輝度変化が極大値を示したB点、光を
照射する前と同一の輝度値を示すC点、あるいは発色開
始する前で光照射前の輝度値よりもさらに低い輝度値を
示すD点で自動的に光照射を停止した。光強度は10m
W/cm2一定、試料温度は25℃一定とした。また、
感熱発色材料としては、実施例1と同様の試料を用い
た。
【0095】図3中のB、C、Dで示された点で光の照
射を停止し、それぞれ室温に放置したときの発色特性を
図9に示す。B、C、Dの各点で光照射を停止した試料
の発色特性をそれぞれ実線、点線、波線で示している。
なお、図9のグラフの縦軸を表す輝度変化率は、試料の
光照射前の輝度を基準として光照射後に室温にて放置し
ている試料の表面を輝度計により測定した輝度の値から
算出したものである。それぞれの発色開始時間は1時
間、30分、5分であった。
【0096】また、本装置を用いてB、C、Dの各点で
光照射を停止した試料をそれぞれ100個作製し、それ
ぞれの発色開始時間が1時間、30分、5分となった試
料の個数を表1に示す。なお、発色開始時間の測定誤差
は±5分とした。この表から、本実施例の光照射装置を
用いて初期輝度値を設定することにより、感熱発色材料
の発色開始時間を制御することが可能であることがわか
る。
【0097】
【表1】
【0098】従って、本実施例の感熱発色材料の製造装
置を用いることにより、さまざまな発色開始時間を示す
ような感熱発色材料を精度良く作製することができ、発
色特性の再現性に優れた感熱発色材料の製造歩留まりを
向上させることができる。また、これら初期輝度値を任
意の値に設定して輝度計に接続されたコンピュータを用
いて制御することにより自動製造が可能になる。なお、
本装置に光強度モニター、温度モニターを接続し、それ
ぞれ制御することにより、さらに感熱発色材料の発色特
性の再現性を向上させることができる。
【0099】なお、微小金属微粒子になる金属の塩とし
て、AuHCl4の代わりにAuNaCl4、H2PtC
6、AgClO4、CuCl2、SnCl2、IrC
3、RhCl3、PdCl2を用いても同様の効果を確
認することができた。ただし、種々の金属微粒子中で
は、Au微粒子を用いた感熱発色材料による発色が最も
コントラストが高く鮮明であった。
【0100】また、マトリックス材料として、ポリビニ
ルアルコールの代わりにポリビニルブチラール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリスチレン、アクリルニトリル−ス
チレンコポリマー、フッ素樹脂、ポリアクリル酸、ポリ
アクリル酸エステル類、ポリエチレンオキシドを用いて
も同様の効果を確認することができた。特に、ポリアク
リル酸、ポリアクリル酸エステル類を用いた場合、室温
での発色時間が他の材料に比べて早く、感度の高い感熱
発色材料を製造することが可能である。
【0101】また、マトリックス材料として、ゾル−ゲ
ル法により作製されたシリカゲル、アルミナゲル、チタ
ニアゲルを用いても同様の効果を確認することができ
た。
【0102】また、前記感熱発色材料の溶液をガラス、
金属フィルム、プラスチックフィルム等の基体上に塗
布、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0103】さらに、感熱発色材料の溶液を布、紙に担
持、乾燥させた試料についても同様の効果を確認するこ
とができた。
【0104】
【発明の効果】前記した本発明方法によれば、少なくと
も感熱発色材料に光を照射する光照射装置と感熱発色材
料の色変化をモニターする測定装置から構成された感熱
発色材料の製造装置を用いることにより、試料に光を照
射しながら試料の色変化を測定することが可能となり、
同一ロット試料間での発色特性のばらつきを低減するこ
とができる。
【0105】前記光照射装置により感熱発色材料に光照
射しながら感熱発色材料の色変化をモニターすることに
より、試料に光を照射しながら試料の色変化を測定する
ことで一定の発色特性を示す感熱発色材料を作製するこ
とが可能となり、同一ロット試料間での発色特性のばら
つきを低減することができる。
【0106】前記感熱発色材料の色変化をモニターする
装置が輝度測定装置、色差測定装置、反射率測定装置か
ら選ばれる少なくとも一つを用いることにより、試料に
光を照射しながら試料の色変化を測定することが可能に
なり、発色特性の再現性に優れた感熱発色材料を容易に
製造することができる。
【0107】また、前記光照射装置から照射された光の
強度をモニターする光強度測定装置を装備することによ
り常に一定強度の光を感熱発色材料に照射することが可
能になり、発色特性の再現性に優れた感熱発色材料を容
易に製造することができる。
【0108】また、前記製造装置において光照射される
感熱発色材料の温度をモニターする温度測定装置を装備
することにより気象条件に左右されない感熱発色材料の
作製状況を構築することが可能であり、発色特性の再現
性に優れた感熱発色材料を精度良く製造することができ
る。
【0109】また、前記色変化をモニターする測定装置
により測定された感熱発色材料の色変化を演算処理ある
いは増幅演算処理する装置を装備することにより感熱発
色材料の自動製造が可能となり、発色特性の再現性に優
れた感熱発色材料を精度良く大量に製造することができ
る。
【0110】さらに、光照射中に測定された感熱発色材
料の輝度あるいは反射率が光照射の開始と共に増大して
極大値に達し、その後減少して発色する過程の極大値、
あるいは発色するまでの任意の設定値になると光照射を
停止する機構、あるいは光照射中に測定された感熱発色
材料の色差が光照射の開始と共に減少して極小値に達
し、その後増加して発色する過程の極小値、あるいは発
色するまでの任意の設定値になると光照射を停止する機
構を有する感熱発色材料の製造装置を用いることによ
り、任意の設定時間で発色特性を示すような感熱発色材
料の製造が可能になり、様々な発色特性を示す感熱発色
材料を再現性よく容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の感熱発色材料の発色過程を
示す模式図
【図2】本発明の実施の形態1の感熱発色材料の製造装
置を示す断面図
【図3】本発明の実施の形態1の感熱発色材料の光照射
に対する輝度の変化を示す図
【図4】本発明の実施の形態2の感熱発色材料の製造装
置を示す断面図
【図5】本発明の実施の形態3の感熱発色材料の製造装
置を示す断面図
【図6】本発明の実施例1の感熱発色材料の発色特性の
ばらつきを示す図
【図7】本発明の実施例2の感熱発色材料の光照射に対
する色差の変化を示す図
【図8】本発明の実施例3の感熱発色材料の光照射に対
する反射率の変化を示す図
【図9】本発明の実施例7の感熱発色材料の発色開始時
間の変化を示す図
【符号の説明】
1 Au微粒子 2 マトリックス 3 容器 4 光照射源 5 色変化測定装置 6 試料 7 遮蔽板 8 コンピュータ 9 電源ユニット 10 光強度計 11 光強度モニター 12 温度計 13 温度モニター 14 水冷式試料台

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感熱発色材料に光を照射し、前記感熱発
    色材料の色変化をモニターしながら前記感熱発色材料の
    初期状態を決定することを特徴とする感熱発色材料の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 感熱発色材料に光を照射する光照射装置
    と、前記感熱発色材料の色変化をモニターする測定装置
    を備えた感熱発色材料の製造装置。
  3. 【請求項3】 光照射装置により感熱発色材料に光照射
    しながら感熱発色材料の色変化をモニターすることが可
    能な請求項1記載の感熱発色材料の製造装置。
  4. 【請求項4】 感熱発色材料の色変化をモニターする装
    置が輝度測定装置、色差測定装置、反射率測定装置から
    選ばれる少なくとも一つである請求項1記載の感熱発色
    材料の製造装置。
  5. 【請求項5】 光照射装置から照射された光の強度をモ
    ニターする光強度測定装置を具備した請求項1記載の感
    熱発色材料の製造装置。
  6. 【請求項6】 製造装置で光照射される感熱発色材料の
    温度をモニターする温度測定装置を具備した請求項1記
    載の感熱発色材料の製造装置。
  7. 【請求項7】 色変化をモニターする測定装置により測
    定された感熱発色材料の色変化を演算処理あるいは増幅
    演算処理する装置を具備することを特徴とする請求項1
    記載の感熱発色材料の製造装置。
  8. 【請求項8】 光照射中に測定された感熱発色材料の輝
    度あるいは反射率が光照射の開始と共に増大して極大値
    に達した後に減少して発色する過程で極大値あるいは発
    色するまでの任意の設定値になると光照射を停止する機
    構を有する請求項1記載の感熱発色材料の製造装置。
  9. 【請求項9】 光照射中に測定された感熱発色材料の色
    差が光照射の開始と共に減少して極小値に達した後に減
    少して発色する過程で極小値あるいは発色するまでの任
    意の設定値になると光照射を停止する機構を有する請求
    項1記載の感熱発色材料の製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009017191A1 (ja) * 2007-07-31 2009-02-05 Hoya Corporation プラスチックレンズ及びその製造方法
CN102214529A (zh) * 2011-04-27 2011-10-12 俞善锋 超负荷致热变色监测闸刀及其制造方法

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WO2009017191A1 (ja) * 2007-07-31 2009-02-05 Hoya Corporation プラスチックレンズ及びその製造方法
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