JPH11211086A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

ガスタービン燃焼器

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JPH11211086A
JPH11211086A JP929098A JP929098A JPH11211086A JP H11211086 A JPH11211086 A JP H11211086A JP 929098 A JP929098 A JP 929098A JP 929098 A JP929098 A JP 929098A JP H11211086 A JPH11211086 A JP H11211086A
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JP
Japan
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air
fuel
supply pipe
combustor
combustion chamber
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Application number
JP929098A
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English (en)
Inventor
Satoshi Tsukahara
聰 塚原
Takeo Saito
武雄 斉藤
Yoji Ishibashi
洋二 石橋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はガスタービン燃焼器に係り、NOx生
成の少ない液体燃料燃焼器構造の提供を目的とする。 【解決手段】予混合バーナ91は燃料と噴霧用第2空気
を流す第1管状噴口50の出口外周に第3空気を流す第
1空気孔51を設け、これらの燃料粒子と空気の流れを
交差する形に空気旋回器10からの第1空気を流して環
状通路45内部で蒸発予混合し、出口端では一旦通路を
急拡大した後に燃焼室20へ接続する。このバーナ91
と、中心に拡散燃焼を追加したバーナ90を組み合せて
1つのガスタービン燃焼器を構成する。 【効果】この結果、予蒸発予混合燃焼に必要な微細粒子
と均一混合気が得られ、広範囲でNOx生成の少ない運
転ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービン燃焼器
に関し、希薄予混合燃焼ができ低NOxの燃焼器に係
る。
【0002】
【従来の技術】液体燃料焚ガスタービン燃焼器に関して
は、特開平5−87340号公報には、空気の強烈なせん断層
を含む流れに、燃料を噴出して空気と燃料との混合を図
ることが記載されている。
【0003】また、特開昭63−204008号公報には、液体
燃料を霧化用気体と合流させ、合流後に更に、霧化気体
と混合して噴出する液体燃料燃焼装置が記載されてい
る。
【0004】また、THE AMERICAN SOCIETY OF MECANICA
L ENGINEERS 96−GT−195 には、空気旋回器下流の空気
通路内に燃焼用空気の一部と液体燃料を混合して噴射す
る構成を有する予混合燃焼器が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ガスタービンは熱効率
を高めるために燃焼器入口空気の圧力,温度を高くし、
燃焼器出口ガス温度も高くする方向にあり、液体燃料を
噴射した後に自己発火するまでの遅れ時間は圧力が1.
5MPaから2.5MPaに上昇することによって約1
/3にまで短くなる。
【0006】燃焼排ガスの温度が高くなる条件下で(い
わゆる1500℃級燃焼器)、液体燃料を使用すると、
燃焼器では、高温高圧状況となるため燃料の自己発火等
が起こりやすくなる。このため、自己発火等を燃焼器バ
ーナ内で起こさないように容易にコントロールする構造
であることが望まれる。
【0007】更に、燃料の円滑な気化及び、十分に混合
された燃料と空気との予混合気を燃焼室に導入して局所
的な高温部等が生じることを抑制して、十分な低NOx
化を図ることが望まれる。
【0008】特開平5−87340号公報は、燃焼器に入る空
気の流路構造が複雑化し、調整が容易ではない。また、
特開昭63−204008号公報は、霧化に際して記載されてい
るに過ぎず、ガスタービン燃焼器で良好な燃焼を得るた
めの気化,混合手段については記載されていない。ま
た、THE AMERICAN SOCIETY OF MECANICAL ENGINEERS 96
−GT−195は、良好な混合気体を得るには十分ではな
い。
【0009】そこで、本発明は、高温で燃焼される燃焼
器であっても、容易に良好な液体燃料の気化,混合が図
れ、低NOxの排ガスが排出されるコンパクトなガスタ
ービン燃焼器を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、高温で燃焼さ
れる燃焼器であっても、容易に良好な液体燃料の気化,
混合が図れ、燃料の流路等に炭素付着等を抑制するコン
パクトなガスタービン燃焼器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、燃料と空気と
が供給されて燃焼する燃焼室と、燃料と空気とを燃焼室
に供給する燃焼器バーナとを備え、前記燃焼排ガスがタ
ービンに排出されるガスタービン用燃焼器であって、前
記燃焼器バーナは、燃焼器に空気を供給する空気供給管
と、空気供給管の内周側に位置し、自身の外方であって
燃焼室側に向けて開口する液体燃料噴出口を自身の外周
面に備える燃料ノズルとを備え、前記燃料ノズルの燃焼
室側端より燃焼室軸方向に見た燃焼室側に前記空気供給
管の燃焼室側端が位置するよう配置されることを特徴と
する。
【0012】これにより、燃料ノズルから噴出される液
体燃料粒子の燃焼室側に傾斜して燃料粒子のバーナの半
径方向速度成分を減少し、液体燃料粒子が空気供給管の
内周壁に衝突して液膜を形成することを抑制し、係る粒
子を含んで第1空気と混合して流下中に急速に液体燃料
粒子は気化し、燃料ノズルの燃焼室側端を過ぎたところ
で、急激に燃料と空気とを混合させて良好な混合気を燃
焼室に供給でき、低NOx燃焼を図る。
【0013】または、燃料と空気とが供給されて燃焼す
る燃焼室と、燃料と空気とを燃焼室に供給する燃焼器バ
ーナとを備え、1450℃〜1650℃の前記燃焼排ガ
スがタービンに排出されるガスタービン用燃焼器であっ
て、前記燃焼器バーナは、燃焼器に空気を供給する空気
供給管と、空気供給管の内周側に位置し、自身の外方で
あって燃焼室側に向けて開口する液体燃料噴出口を自身
の外周面に備える燃料ノズルとを備え、前記燃焼ノズル
近傍を流れる前記空気の流速は、80m/s以上140
m/s以下であって、前記燃料噴出口から噴出される燃
料の粒径は平均粒径3μm以上30μm以下であって、
前記燃料噴出口と前記空気供給管の燃焼室側出口までの
距離が50mm以上200mm以下である、ことを特徴とす
る。
【0014】これにより、燃料ノズルから噴出される液
体燃料粒子の燃焼室側に傾斜して燃料粒子のバーナの半
径方向速度成分を減少し、併せて高速の空気流を流し
て、液体燃料粒子が空気供給管の内周壁に衝突して液膜
を形成することを抑制しつつ逆火自己発火を抑制し、さ
らに、空気流では係る粒子を含んで流下中に急速に液体
燃料粒子を気化・混合させて、50mm以上200mm以下
程度のコンパクトな流路で良好な混合気を燃焼室に供給
でき、逆火等を防ぎつつ、コンパクトな構造の低NOx
燃焼器を得る。
【0015】これらにより、高温で燃焼される燃焼器で
あっても、容易に良好な液体燃料の気化,混合が図れ、
低NOxの排ガスが排出されるコンパクトなガスタービ
ン燃焼器を得ることができる。
【0016】または、燃料と空気とが供給されて燃焼す
る燃焼室と、燃料と空気とを燃焼室に供給する燃焼器バ
ーナとを備え、前記燃焼排ガスがタービンに排出される
ガスタービン用燃焼器であって、前記燃焼器バーナは、
燃焼器に第1の空気を供給する第1空気供給管と、該空
気供給管の内周側に位置し、前記第1の空気に燃料と空
気との混合体を噴出する噴出口を自身の外周面に備える
燃料ノズルとを備え、前記燃料ノズルは、液体燃料が噴
出される燃料供給管と、前記噴出口近傍を流下する第1
の空気より低温の第2の空気を供給する第2空気供給管
と、前記燃料と前記第2の空気との混合体を前記噴出口
に導く連絡経路と、を備えることを特徴とする。
【0017】これにより、燃料ノズルから噴出される燃
料液体と第2空気との混合体は第1空気により微粒化さ
れ、係る粒子を含んで第1空気と混合して流下中に急速
に液体燃料粒子は気化し、燃料と空気とを混合させて良
好な混合気を燃焼室に供給して、低NOx燃焼を図る。
【0018】併せて、燃料ノズル内部を流れる霧化空気
を効率良く利用して燃料ノズルの過熱を抑制して燃料ノ
ズル等の炭素付着を抑制して燃焼器の健全性を維持す
る。燃料ノズル内部の燃料供給を停止した場合であって
も第2空気を流すよう構成することにより、再燃料供給
時の炭素付着を抑制して円滑な運転ができる。
【0019】または、燃料と空気とが供給されて燃焼す
る燃焼室と、燃料と空気とを燃焼室に供給する燃焼器バ
ーナとを備え、前記燃焼排ガスがタービンに排出される
ガスタービン用燃焼器であって、前記燃焼器バーナは、
燃焼器に第1の空気を供給する第1空気供給管と、該空
気供給管の内周側に位置し、自身の燃焼器側端面に拡散
燃焼用燃料噴出口と該拡散燃焼用燃料噴出口より燃焼器
軸方向に見て燃焼室と反対側の外周面に予混合燃焼用燃
料噴出口を有する燃料ノズルとを備え、前記燃料ノズル
は、第1の液体燃料が噴出される第1の燃料供給管と、
第1の空気より低温の拡散用空気が供給される拡散用空
気供給管と、前記第1の燃料と前記拡散用空気を有する
混合体を前記拡散燃焼用燃料噴出口に導く連絡経路と、
第2の液体燃料が噴出される第2の燃料供給管と、第1
の空気より低温の予混合用空気が供給される予混合用空
気供給管と、前記第2の燃料と前記予混合用空気を有す
る混合体を前記予混合燃焼用燃料噴出口に導く連絡経路
と、を備えることを特徴とする。
【0020】これらにより、高温で燃焼される燃焼器で
あっても、容易に良好な液体燃料の気化,混合が図れ、
燃料の流路等に炭素付着等を抑制するコンパクトなガス
タービン燃焼器を提供することができる。
【0021】例えば、燃焼器バーナは、具体的には、一
端を燃焼室に開口し、他端を第1の空気を供給する空気
供給手段に連絡する第1空気供給管と、該第1空気供給
管と同軸であって内周に位置し、自身の外周部に前記空
気供給管を流れる空気に燃料及び空気を噴出する噴出口
を有する燃料ノズルと、前記燃料ノズルより空気流れの
上流側に位置する旋回装置と、を備え、前記燃料ノズル
の燃焼器側端部は前記第1空気供給管の燃焼器側端部よ
り内側に位置し、前記噴出口は、前記第一空気供給管の
燃焼器側端部側に傾斜して、燃料ノズルの外周から突き
出して配置され、前記燃料ノズルは、前記空気旋回装置
より上流側の第1の空気より圧力が高く、温度が低い第
2空気を供給する第2空気供給管と、液体燃料が供給さ
れて燃料液滴を噴出する燃料供給管と、を備えることを
特徴とする。これによれば、燃料ノズル壁面から第1空
気送給管出口方向に傾斜して突き出した複数の第1管状
噴口から、空気旋回器入口の第1空気より圧力が高く、
温度の低い第2空気を流すと、第1管状噴口入口と出口
の圧力差は空気旋回器の入口と出口の圧力差よりも大き
く、第1管状噴口出口空気流速は空気旋回器出口空気流
速よりも大きくでき、この第1管状噴口内部に液体燃料
を供給すれば、液体燃料は第2空気によって加速され、
微細粒子として大部分が噴霧される。そして液体燃料の
一部分は第1管状噴口壁面に沿って膜状に噴射される場
合であっても、空気旋回器から流れる第1空気によって
微細粒子として噴霧されるので、液体燃料が微細粒子と
して噴霧される。一方、第1管状噴口から噴射される液
体燃料粒子速度が大きい場合であっても、第1管状噴口
を第1空気送給管出口方向に傾斜したことにより、燃料
粒子の半径方向速度成分を減少することができ、第1空
気送給管への衝突を防止できる。また、燃料ノズル先端
部が第1空気送給管出口の上流側にあることにより、空
気旋回器下流の環状空気通路が急拡大することになり、
予混合気流の流線が突然乱れるので混合促進効果があ
る。
【0022】また、さらに燃料ノズル燃焼器側先端部に
空気と燃料とを噴出する第2噴出口を備え、前記燃料ノ
ズルは、前記空気旋回装置より上流側の第1の空気より
圧力が高く、温度が低い第2空気を供給する第3空気供
給管と、液体燃料が供給されて燃料液滴を噴出する第2
の燃料供給管と、を備えることを特徴とする。
【0023】または、燃料と空気とが供給されて燃焼さ
れる燃焼室と、燃料と空気を燃焼室に供給する燃焼器バ
ーナとを備え、前記燃焼排ガスがタービンに排出される
ガスタービン用燃焼器であって、前記燃焼器バーナは、
燃焼器に第1の空気を供給する第1空気供給管と、空気
供給管の燃焼器軸心側に位置し、外周面に燃料と空気と
の混合体を前記第1の空気に噴出する噴出部を有する燃
料ノズルとを備え、該燃料ノズルは、液体燃料が供給さ
れる燃料供給管と、第2の空気が供給される第2空気供
給管と、前記燃料と前記空気とを有する混合体を供給す
る混合体供給配管と、第3の空気が供給される第3空気
供給配管とを備え、前記噴出部は前記混合体と前記第3
の空気とを噴出することを特徴とする。また更に、前記
燃料ノズルの燃焼室側端は、前記第1空気供給管の燃焼
室側端部より上流側に位置し、前記噴霧部の前記混合体
の噴出口は第1の空気の流れる流路を構成する燃料ノズ
ルの外周面より軸心側に位置することが好ましい。ま
た、前記空気供給管の前記噴出部より軸方向上流側に旋
回装置が配置され、前記旋回装置の上流側の第1の空気
の一部が分岐されて前記第3空気供給管に供給され、前
記第2空気は前記第1空気より低温に構成されることが
好ましい。これらにより、高温で燃焼される燃焼器であ
っても、容易に良好な液体燃料の気化,混合が図れ、燃
料の流路等に炭素付着等を抑制するコンパクトなガスタ
ービン燃焼器を得ることができる。より円滑な気化を図
ることができ、安定した燃料と空気との予混合気が供給
できる。
【0024】また、燃料と空気とが供給されて燃焼され
る燃焼室と、燃料と空気を燃焼室に供給する燃焼器バー
ナとを備え、前記燃焼排ガスがタービンに排出されるガ
スタービン用燃焼器であって、前記燃焼器バーナは、燃
焼器に第1の空気を供給する第1空気供給管と、空気供
給管の燃焼器軸心側に位置し、自身の燃焼器側端面に拡
散燃焼用の燃料噴出口と、該拡散燃焼用燃料噴出口より
燃焼器軸方向の燃焼器と反対側の外周面に予混合燃焼用
の燃料噴出口を有する燃料ノズルとを備え、該燃料ノズ
ルは、第1の液体燃料が供給される第1の燃料供給管
と、予混合燃焼用空気が供給され予混合用空気供給管
と、前記燃料と前記空気とを有する混合体を供給する予
混合用混合体供給配管と、前記混合体と共に前記予混合
燃焼用の燃料噴出口から噴出される空気が供給される空
気供給配管と、第2の液体燃料が供給される第2の燃料
供給管と、拡散燃焼用空気が供給される拡散用空気供給
管と、前記燃料と前記空気とを有する混合体を供給する
拡散用混合体供給配管と、前記混合体と共に前記拡散燃
焼用の燃料噴出口から噴出される空気が供給される空気
供給配管と、を備えるようにしてもよい。
【0025】燃焼器バーナは、具体的には、例えば、一
端を燃焼室に開口し、他端を第1の空気を供給する空気
供給手段に連絡する第1空気供給管と、該第1空気供給
管と同軸であって内周に位置し、自身の外周部に前記空
気供給管を流れる空気に燃料及び空気を噴出する噴出口
を有する燃料ノズルと、前記燃料ノズルより空気流れの
上流側に位置する旋回装置と、を備え、前記燃料ノズル
の燃焼器側端部は前記第1空気供給管の燃焼器側端部よ
り内側に位置し、前記噴出口は、前記第一空気供給管の
燃焼器側端部側に傾斜して、燃料ノズルの外周から突き
出して配置され、前記燃料ノズルは、前記空気旋回装置
より上流側の第1の空気より圧力が高く、温度が低い第
2空気を供給する第2空気供給管と、液体燃料が供給さ
れて燃料液滴を噴出する燃料供給管と、前記燃料と、前
記第2空気との混合体を前記噴出口に供給し、前記噴出
口より小径の前記混合体の噴出部を有する連絡経路と、
前記旋回装置より上流側の第1の空気の一部を分岐して
前記噴出口に供給する第3の空気供給管と、を備えるこ
とを特徴とする。これによれば、燃料ノズル壁面に接待
された複数の噴出口から、第2空気の高速流によって加
速された液体燃料の大部分が第2空気と共に微細粒子と
して噴射され、残りの液体燃料が連絡経路壁に沿って膜
状に噴射されるが、この膜は第3空気によって加速さ
れ、微細化される。そして空気旋回器を流れる第1空気
は前記第3空気による微細化が不十分な場合であっても
液体燃料を更に微細化し、燃料全体と混合する。噴出口
は、連絡経路から噴出される燃料及び第2空気と第3空
気とを第1空気流れに噴出させて、液体燃料と第2空気
とが噴出される連絡経路の出口を空気旋回器下流の空気
通路内へ突き出さないようにし、連絡経路の出口端部と
第1空気送給管壁との距離を長くすることができるの
で、燃料粒子の第1空気送給管への衝突を更に防止でき
る。
【0026】また、更に、前記燃料ノズルは、燃料ノズ
ルの燃焼器側先端部に空気と燃料とを噴出する第2噴出
口を備え、前記燃料ノズルは、前記空気旋回装置より上
流側の第1の空気より圧力が高く、温度が低い第2噴出
口から噴出される第2空気を供給する空気供給管と、第
2噴出口から噴出される液体燃料を供給する燃料供給管
と、第2噴出口に供給される前記燃料と前記第2空気と
の混合体を前記噴出口に導き混合体を噴出し、前記第2
噴出口より小径の第2の該混合体噴出口を有する第2の
連絡経路と、前記旋回装置より上流側の第1の空気の一
部を分岐して前記第2の噴出口に導く第4の空気供給管
と、を備えることを特徴とする。
【0027】尚、以上の発明は、前記のように高温で燃
焼される高温型のガスタービン燃焼器に適応して前記目
的を得ることもできるため、前記温度より低温で使用さ
れる油等の液体燃料を使用するガスタービンに適応する
こともできる。このような場合であっても、同様の効果
が得られ、急激な気化・十分な燃料と空気との混合をコ
ンパクトな構造で得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施例を図1を用
いて説明する。
【0029】図1は、ガスタービン燃焼器バーナや燃焼
室を備えるガスタービン燃焼器110の一部を拡大したも
のである。同図のガスタービンは、圧縮機111と、該
圧縮機111で昇圧された圧縮空気と燃料とが供給され
るガスタービン燃焼器110,該ガスタービン燃焼器1
10の排ガスが供給されるタービン112とを備える。
タービン112の軸に発電機113を連結しており、タ
ービンの駆動力に基づいて電気を発生させる。
【0030】以下同図に基づいて説明する。同拡大図で
は、燃焼器全体を収納する圧力容器である図示しない円
筒状の外筒1の内周に、円筒状の内筒3と、その一端を
閉止する内筒キャップ4で形成される燃焼室20を形成
し、前記内筒キャップ4を一部開口して、燃料及び空気
を燃焼室に供給するバーナ90が配置される。該バーナ
90は、円筒状の第1空気供給管9を差し込んでいる。
第1空気供給管は一端を燃焼室20に開口しており、他
端から圧縮空気が供給される。
【0031】前記第1空気供給管9の内周には燃料ノズ
ル100が配置される。燃料ノズル100は外周部には
第2空気供給管を構成している。燃料ノズル100の先
端位置は前記第1空気供給管9の燃焼器側出口端55よ
りも上流である。先端は小径の冷却空気孔53を有する
閉止構造である。前記第1空気供給管9と第2空気供給
管35によって形成される環状通路45の途中には空気
旋回器10を設けている。
【0032】前記第2空気供給管35の内周には円筒状
の燃料供給ノズル34を設け、その壁面には前記第2空
気供給管35の第1空気孔51と中心軸を同じくして、
前記出口端55方向に傾斜した複数の第1管状噴口50
bが突き出している。前記第1空気孔51は前記空気旋
回器10の下流に設けられ、その内径は前記第1管状噴
口50の内径よりも大きい。前記第1管状噴口50bの
出口先端位置は前記第2空気供給管の内周である。前記
第2空気供給管35には自身の内周と前記燃料供給ノズ
ル34とで形成される第3空気通路44,前記空気通路
44と前記空気旋回器10よりも上流側の外周とを連通
する空気孔52を設けている。
【0033】前記燃料供給ノズル34の内周には前記第
1管状噴口50bに連絡する連絡経路50aの入口端と
対応した第1燃料噴口47を有する管状の第1燃料供給
管33を設けている。前記燃料供給ノズル34の内周等
と第1燃料供給管33によって形成される環状通路43
には第2空気配管11が接続している。前記環状通路4
3は前記第1管状噴口50と連通している。
【0034】前記第1燃料供給管33によって形成され
る第1燃料通路41には第1燃料配管19が接続してお
り、途中の流量制御弁16,逆止弁72の上流の図示し
ない液体燃料ポンプへと接続している。
【0035】前記第1燃料配管19の逆止弁72の下流
には第1パージ空気配管66が接続しており、その途中
には逆止弁68,遮断弁67を有し、上流の図示しない
空気タンクへと接続している。尚、圧縮機111から吐
出した圧縮空気の一部は冷却装置114を経て圧縮機1
15で更に圧縮されて第2空気配管に連絡する。圧縮機
111から吐出した圧縮空気の多くは環状通路45へ導
かれる。また、第1管状噴口50bの下流側の燃料ノズ
ル100と第1空気供給管9とで構成される流路では下
流(燃焼室側)に向かうに従い幅が狭くなる領域を有し
ていてもよい。前記第1空気供給管9を含む燃料及び空
気供給構造を総称してバーナと呼ぶ。第1燃料供給管3
3に設けた第1燃料噴口47から液体燃料が噴出され
る。また、圧縮機吐出空気(例えば、490より高く5
00℃以下、25ata )を一旦冷却装置114で冷却し
(例えば80より高く100℃以下)、その後圧縮機1
15で昇圧し(例えば、100より高く130℃以下、
27より高く29ata以下)、該空気が第2空気として
環状通路43を通って第1燃料噴口47付近に供給され
る。第2空気は第1空気より温度が低くなっている。前
記噴出燃料と前記空気との混合体は第1管状噴口50b
に連絡する連絡経路50aの入口にはいり、環状通路4
3を通って供給される第2空気を混合することによって
加速され、大部分が微細粒子となって第1管状噴口50
bの出口から噴射される。
【0036】一方、液体燃料の一部は第1管状噴口50
の壁面に沿った液膜となって出口から噴射され、環状通
路44を通って第3空気が供給される。そして、第1管
状噴口50bの出口から噴出される燃料及び空気との混
合体と第3空気とが第1空気孔51を通過する。
【0037】第1空気孔51を通過する際に、環状通路
44を通って供給される第3空気によって加速され、微
細液滴粒子となって環状通路45内へ噴射される。環状
通路45には空気旋回器10によって旋回させられた空
気が流れており、燃料粒子は第1空気供給管9に衝突す
る前に流れ方向を変えられ、また、第1空気孔51内で
の微細粒子化機能が不十分な場合には再度微細粒子に分
裂され、第1空気と混合しながら流れる。その際、急激
な燃料液滴微細粒子の気化が起こる。そして、液体燃料
が自己発火する前に蒸発が完了するとともに空気との予
混合気を形成する。そして第2空気供給管35の先端で
ある燃料ノズル100の先端部に達すると、環状通路4
5の軸心側が急拡大して管状通路(断面が円状流路)と
なることにより、予混合気に適切に作用する強いせん断
層が形成されて予混合気を大きく混合する働きをし、予
混合気を供給する第1空気供給管9の出口55付近では
予混合気の濃度不均一性が大幅に改善される。そして、
燃焼室20へ燃料と空気の予混合気体が供給される。燃
焼室では良好な予混合燃焼がされる。
【0038】これにより、液体燃料を用いるいわゆる燃
焼温度1500℃級のガスタービンであっても、液体燃
料の自己発火,燃焼器バーナへの逆火を防ぎつつ、急速
な燃料の気化及び空気との混合を図り、ドライで(燃焼
室内で水或いは水蒸気の噴出装置を用いなくてもよい)
低NOxのガスタービン燃焼器を得ることができる。具
体的には、例えば、液体燃料を3段階で微細粒子に分裂
することができ、少ない空気流量で微粒化ができ、第1
空気と接触後は短時間で蒸発予混合させることができ、
良好な状態で燃焼室20に予混合気を供給して燃焼させ
ることができるので、NOx生成の少ない燃焼が可能で
ある(例えば、出力25MW級で25ppm 以下である。
但し、これに限られるものではない)。また、燃料供給
管及び管状噴口の温度上昇を抑制できるので、炭化物堆
積を防止できる。更にまた、ガスタービンの低負荷から
高負荷までの広い運転範囲でNOx生成が少なく、燃焼
効率の高い運転が可能である。
【0039】燃料と第2の空気との混合体を前記第3の
空気と共に第1の空気流路に噴出することにより、容易
に微細液滴を製造して燃焼器バーナ内を流下中に急速な
燃料の気化空気との混合を図ることができる。
【0040】第1の空気流れの中に、第1管状噴口50
bを吐出させず、第2空気供給管35の外周面から内側
に同噴口50bを配置し、円滑な第1空気流れへの燃料
の飛散を図り、第1空気流路壁面への液滴の付着を抑制
することができると共に、バーナの組立分解が容易な構
造とすることができるので、メンテナンス性を向上させ
ることができる。更に、第1空気の流路での圧力損失を
抑制して効率良いガスタービン燃焼器にすることができ
る。
【0041】本実施例のガスタービン燃焼器では、尚、
燃焼室に供給される旋回装置を経た第1空気に供給され
る燃料液滴粒径は、表面積基準の平均粒径(S.M.
D.)で30μm以下であることが急速な気化の点から
好ましい。より安全を考慮すると20μm以下であるこ
とが好ましい。粒径は微細であるほうが好ましいが、微
細粒径にするための構造設備等を考慮すると3μm以上
程度でよい。
【0042】また、本ガスタービン燃焼器では、第一空
気の流速は、80m/秒以上であることが逆火抑制の点
から好ましい。流速を速める方が逆火の点からは好まし
いが、ガスタービン燃焼器の制御容易性或いは流路内の
圧力圧損等を考慮すると140m/秒以下程度でもよい。
【0043】また、第1管状噴口50b或いは第1空気
孔51の燃焼室側端と第1空気供給管9の燃焼室出口端
までの距離は、自己発火及び良好な気化を考慮して20
mm以上200mm以下程度にすることが好ましい。
【0044】また、燃料ノズル100外周部の第1管状
噴口50b或いは第1空気孔51の数は8個以上である
ことが好ましい。多く設置した方が均一混合の点からは
好ましいが、構造の複雑化を考慮すると20個程度以下
であってよい。
【0045】また、燃料ノズル100の燃焼室側端部が
その外周側に位置する第1空気供給管の燃焼室側端部よ
り燃焼室側と離れるよう配置されるので、予混合気の逆
火等を抑制し、強力な混合が図れ、安定に良好な混合気
を燃焼室に供給でき、安定した低NOx燃焼ができる。
【0046】尚、燃焼ノズル100の燃焼室側端部は、
例えば、第1管状噴口50b或いは第1空気孔51の燃
焼室側端部から第1空気供給管9の燃焼室20出口側端
部まで距離の1/10以上1/2以下だけ、第1空気供
給管9の燃焼室20出口側端部から離れた位置に配置す
る。第1管状噴口50b或いは第1空気孔51の燃焼室
側端部から第1空気供給管9の燃焼室20出口側端部ま
で距離を100mmとすると同出口端部から10mm以上5
0mm以下遡った位置となる。
【0047】燃料と空気との混合体を噴出する第1管状
噴口50bが燃焼室側に傾斜していることにより、燃料
ノズルから噴出される液体燃料粒子は燃焼室側に傾斜し
て燃料粒子のバーナの半径方向速度成分を減少し、液体
燃料粒子が空気供給管の内周壁に衝突して液膜を形成す
ることを抑制し、係る粒子を含んで第1空気と混合して
流下中に急速に液体燃料粒子は気化し、燃料と空気とを
混合させて良好な混合気を燃焼室に供給でき、低NOx
燃焼を図ることができる。
【0048】燃料と空気との混合体を噴出する第1管状
噴口50bが燃焼室側に傾斜して配置されると共に、燃
焼室出口構造を燃料ノズル側が第1空気供給管9の燃焼
室側端部より燃焼室から離れた側にあるので、液体燃料
の気化及び混合をコンパクトな第1空気の流路構造であ
っても得ることができる。具体的には例えば、傾斜して
液体燃料を噴射して、燃料微粒子或いは気化した燃料を
第1空気流れの比較的燃料ノズル側を流れる。このた
め、燃焼室の出口部で、燃料ノズルの燃焼室端部で生じ
るせん断層が広範囲に及ぶものではない場合であっても
燃料と空気とを良く混合させることができる。さらに、
液体燃料の第1空気への噴口の数がガス燃料のそれ程多
く設けなくとも良好に液体燃料の気化及び混合効果が得
られる。
【0049】また、前記第2空気には第1空気より圧力
の高い空気を用い、燃料と高圧の第2空気との混合体を
低圧の第1空気流れに噴出することにより、噴出流速を
高めてより急激な燃料の気化を図る。
【0050】さらに、噴出する際に、燃焼器側に傾斜し
た噴口を形成することにより、前記混合体を第1空気に
噴出する際の噴霧空気流量を少なくすると共に、第1空
気流れに対する噴出流の角度を小さくし、第1空気の流
れの損失を低く押さえることができる。第1空気の流れ
に前記混合体の噴出口が突出している場合は、噴出口の
径を小型化できるので、抵抗をこの分抑制できる。
【0051】また、予混合気が旋回していることによ
り、混合を促進することができる。更に、再循環流が形
成され、保炎性能の高い燃焼が実現できるので燃空比の
低い、低温均一燃焼が可能である。
【0052】前記環状通路43を流れる第2空気は第1
空気より低温であることが好ましい。
【0053】これにより、良好な混合気を燃焼室に供給
して、低NOx燃焼を図りつつ、燃料ノズル内部を流れ
る霧化空気を効率良く利用して燃料ノズルの過熱を抑制
して燃料ノズル等の炭素付着を抑制して燃焼器の健全性
維持することができる。また、燃料ノズル内部の燃料供
給を停止した場合であっても第2空気を流すよう構成す
ることにより、再燃料供給時の炭素付着を抑制して円滑
な運転ができる。
【0054】例えば、液体燃料、特に一般的に使用され
る灯油,軽油等の炭化水素系液体燃料が炭化して供給管
等に堆積しやすい温度である130℃よりも低いことが
望ましい。
【0055】また、第1管状噴口50については環状通
路44を流れる第3空気の温度は第1空気と同様に高温
(例えば、300℃から500℃)であるが、流速を遅
く設計することが可能であり、第3空気から燃料供給ノ
ズル34への入熱量は少なく抑えることができる。ま
た、低温の第2空気を高速で流すことによって放熱量は
多くなり、壁面温度を低く保つことができ、より安定し
て炭化物堆積を防止できる。
【0056】また、燃料供給停止毎に第1燃料配管19
の逆止弁72直後に接続している第1パージ空気配管6
6から、130℃よりも低いパージ空気を流して逆止弁
72よりも下流に残留する液体燃料を排出することによ
り、第1燃料供給管33内への炭化物堆積を防止でき
る。
【0057】また、本実施例の構造は現在記載されたも
のに限られるものではない。例えば、燃焼温度が前記よ
り低いガスタービン燃焼器に適応することもできる。以
下の実施例においても同様である。
【0058】本発明に係る第2の実施例を図2を用いて
説明する。第2の実施例の基本的構造は図1の第1の実
施例と同様である。この実施例では、図1の実施例にも
設置される燃料供給ノズル34の燃焼室側に面する先端
にカバープレートを設け、複数の第2管状噴口48bを
突き出し、カバープレートには前記第2管状噴口48と
中心軸を同じくする第2空気孔49を設けている。ま
た、第1燃料供給管33の内周には前記第2管状噴口4
8bに連絡する連絡経路48aの入口に対応した位置に
第2燃料噴口46を有する第2燃料供給管31を設け、
図示しない燃料タンク,液体燃料ポンプとを接続する第
2燃料配管17を設け、途中に流量制御弁14と逆止弁
70を設けている。そして逆止弁70の下流には第2パ
ージ空気配管63が接続しており、その途中には逆止弁
65,遮断弁64を有し、上流の図示しない空気タンク
へと接続している。
【0059】前記第1燃料供給管33の内周に第1燃料
供給内管32を設け、第1燃料通路41を形成してい
る。この第1燃料供給内管32と前記第2燃料供給管3
1とで形成する環状通路42は第2空気配管11と第2
管状噴口(第2燃料噴口)46出口側とを接続してい
る。
【0060】図2の燃焼器は前記のように2つの燃料系
統を持つが、図1と同様の構成を有する1系統は図1と
同じ機能を有することができ、同様の作用効果を得るこ
とができる。他の1系統の動作について以下に説明す
る。
【0061】バーナ中心の第2燃料供給管31に設けた
第2燃料噴口46から噴射された液体燃料は第3供給管
である環状通路42を通って供給される第2空気と共に
第2管状噴口48bに連絡する連絡経路48aの入口に
はいり、第2空気と混合することによって加速され、大
部分が微細粒子となって、この燃料と空気の混合体が第
2管状噴口48bの出口から噴射される。一方、液体燃
料の一部は第2管状噴口48b或いは連絡経路48aの
壁面に沿った液膜となって出口から噴射され、第2空気
孔49を通過する際に、環状通路44を通って供給され
る第3空気によって加速され、微細粒子となって燃焼室
20へ噴射される。燃焼室20で安定した拡散燃焼がさ
れる。この燃料粒子が噴射される第1空気供給管9の出
口近傍には空気旋回器10によって旋回させられた第1
空気が再循環流を形成しており、この内部に燃料粒子を
噴射して保炎性能の高い拡散燃焼が可能となる。
【0062】これにより、液体燃料を用いるいわゆる燃
焼温度1500℃級のガスタービンであっても、液体燃
料の自己発火,燃焼器バーナへの逆火を防ぎつつ、急速
な燃料の気化及び空気との混合を図り、ドライで(燃焼
室内で水或いは水蒸気の噴出装置を用いなくてもよい)
低NOxのガスタービン燃焼器を得ることができる。具
体的には、前記図1に示した実施例と同様の効果に加え
て、拡散燃焼させる系統にも液体燃料を微細粒子に分裂
することができ、少ない空気流量で微粒化ができ、燃焼
室20で安定して燃焼させることができる。
【0063】また、拡散燃焼は火炎温度が高く、放射率
も高いために放射伝熱量が多いが、前記第2管状噴口4
8bは先端部を、冷却された第2空気供給管35やカバ
ープレートで覆われているので拡散火炎から直接加熱さ
れることはなく、第1管状噴口50b近傍だけでなく第
2管状噴口48等燃焼室に近い領域まで壁面温度を低く
保つことができ、より良好に炭化物堆積を防止できる。
【0064】さらに、図2の燃焼器は空気旋回器10を
流れる第1空気を用いて、第1燃料供給管33から燃料
を供給する予混合燃焼と、第2燃料供給管31から燃料
を供給する拡散燃焼とを、各々単独又は同時燃焼が可能
である。
【0065】例えば、起動時、予混合燃焼し難い温度低
い状態において、先ず、第2管状噴口48bから噴出さ
れる燃料により拡散燃焼させる。
【0066】次に、第1管状噴口50bに燃料を供給し
て燃料を噴出させ、燃焼器バーナ流下中に気化第1空気
等と混合し燃焼室20に予混合気を供給して予混合燃焼
させる。
【0067】そして、徐々に拡散燃焼に対する予混合燃
焼の割合を高める。例えば、定格負荷時は、燃焼器バー
ナに供給される燃料の内、拡散燃焼させるために第2管
状噴口48bに導く燃料の割合を2〜3wt%、予混合燃
焼させるために第1管状噴口50bに導く燃料の割合を
97〜98wt%となるようにしてもよい。
【0068】また、1系統の燃料を停止する場合には燃
料配管途中の逆止弁下流からパージ空気を流して逆止弁
下流の残留燃料を排出して、燃料供給管への炭化物堆積
を防止できる。
【0069】本発明に係る第3の実施例を図3を用いて
説明する。第3の実施例は基本的構造は図1の第1の実
施例と同様である。この実施例では、図1の実施例の第
2空気供給管35を燃料供給ノズル34と一体化した構
造であり、第1管状噴口50が空気旋回器10の下流環
状通路45に直接突き出しており、第1空気供給管9の
出口方向に傾斜している。
【0070】一端を燃焼室に開口し、他端から圧縮機か
ら吐出された空気が導かれる第1空気供給管9と、第1
空気供給管9と同軸であって内周に位置し、自身の外周
部に前記空気供給管を流れる空気に燃料及び空気を噴出
する第1管状噴口50bを有する燃料ノズル100と、
前記燃料ノズルより空気流れの上流側に位置する空気旋
回器を備える。また、前記燃料ノズル100の燃焼器側
端部は前記第1空気供給管9の燃焼器側端部より内側に
位置している。前記噴口50bは、前記第1空気供給管
9の燃焼器側端部側(燃焼室20側)に傾斜して、燃料
ノズル100の外周から第1空気の流れる流路内に突き
出して配置される。
【0071】また、前記燃料ノズル100は、前記空気
旋回器10より上流側の第1の空気より圧力が高く温度
が低い第2空気を供給する第2空気配管11から第2空
気が供給される燃料供給ノズル34内に形成される環状
通路43と、液体燃料が供給されて燃料液滴を噴出する
第1燃料供給管33を備える。環状通路43からの第2
空気と第1燃料供給管33からの燃料との混合体が前記
第1管状噴口50bに連絡する連絡経路50aが配置さ
れる。
【0072】第1管状噴口50bの下流側の燃料ノズル
100と第1空気供給管9とで構成される流路では下流
(燃焼室側)に向かうに従い幅が狭くなる領域を有して
いてもよい。
【0073】第1燃料供給管33に設けた第1燃料噴口
47から液体燃料が噴出される。また、圧縮機吐出空気
(例えば、490より高く500℃以下、25ata )を
一旦冷却装置114で冷却し(例えば80より高く10
0℃以下)、その後圧縮機115で昇圧し(例えば、1
00より高く130℃以下、27より高く29ata以
下)、該空気が第2空気として環状通路43を通って第
1燃料噴口47付近に供給される。第2空気は第1空気
より温度が低くなっている。前記噴出燃料と前記空気と
の混合体は第1管状噴口50bに連通する連絡経路50
aの入口にはいり、環状通路43を通って供給される第
2空気と混合することによって加速され、大部分は微細
粒子となって燃料と空気との混合体を第1管状噴口50
bの出口から噴射される。
【0074】一方、液体燃料の残りは第1管状噴口50
b或いは連絡経路50aの壁面に沿った液膜となって出
口から噴射され、空気旋回器10によって旋回させられ
た第1空気によって流れ方向を変えられながら加速され
て微細粒子に分裂され、液体燃料全量が第1空気と混合
しながら流れる。その際、急激な液滴微細粒子の気化が
起こる。液体燃料が自己発火する前に蒸発を完了すると
ともに空気との予混合気を形成する。そして、燃料ノズ
ル100の先端部に達すると、環状通路45の軸心側が
急拡大して円形通路となることにより、予混合気に適切
に作用する強いせん断層が形成されて予混合気を大きく
混合する働きをし、予混合気が供給される第1空気供給
管9の出口付近では予混合気の濃度不均一性が大幅に改
善される。燃焼室20では良好な予混合燃焼がされる。
【0075】燃料供給ノズル34の先端には冷却孔53
を設けたカバープレート54を取り付けており、この冷
却孔53は燃料供給ノズル34の内部に形成される空気
通路80に連通し、空気通路80は、その入口の空気孔
81を通して空気旋回器10よりも上流の燃料供給ノズ
ル34の外周と連通している。このため、第3空気が流
出してカバープレート54を冷却する。
【0076】これにより、液体燃料を用いるいわゆる燃
焼温度1500℃級のガスタービンであっても、液体燃
料の自己発火,燃焼器バーナへの逆火を防ぎつつ、急速
な燃料の気化及び空気との混合を図り、ドライで(燃焼
室内で水或いは水蒸気の噴出装置を用いなくてもよい)
低NOxのガスタービン燃焼器を得ることができる。具
体的には、例えば、液体燃料を2段階で微細粒子に分裂
することができ、少ない空気流量で微粒化ができ、第1
空気と接触後は短時間で蒸発予混合させることができ、
良好な状態で燃焼室20に予混合気を供給して燃焼させ
ることができるので、NOx生成の少ない燃焼が可能で
ある(例えば、出力25MW級で25ppm 以下である。
但しこれに限られるものではない)。また、燃料供給管
及び管状噴口の温度上昇を抑制できるので、炭化物堆積
を防止できる。更にまた、ガスタービンの低負荷から高
負荷までの広い運転範囲でNOx生成が少なく、燃焼効
率の高い運転が可能である。
【0077】燃料と第2の空気との混合体を第1の空気
流路に噴出することにより、容易に微細液滴を製造して
燃焼器バーナ内を流下中に急速な燃料の気化空気との混
合を図ることができる。
【0078】また、燃焼器バーナの内部構造自体をより
シンプル簡素化することができるので、メンテナンス性
を向上させることができる。
【0079】本実施例のガスタービン燃焼器では、尚燃
焼室に供給される旋回装置を経た第1空気に供給される
燃料液滴粒径は、表面積基準の平均粒径(S.M.D.)
で30μm以下であることが急速な気化の点から好まし
い。より燃焼器の安全を考慮すると20μm以下である
ことが好ましい。粒径は微細であるほうが好ましいが、
微細粒径にするための構造設備等を考慮すると3μm以
上程度でよい。
【0080】また、本ガスタービン燃焼器では、第一空
気の流速は、80m/秒以上であることが逆火抑制の点
から好ましい。流速を速める方が逆火の点からは好まし
いが、ガスタービン燃焼器の制御容易性、或いは燃焼器
内の圧力圧損等を考慮すると140m/秒以下程度でも
よい。
【0081】また、第1管状噴口50b或いは第1空気
孔51の燃焼室側端と第1空気供給管9の燃焼室出口端
までの距離は、逆火、及び良好な気化を考慮して20mm
以上200mm以下程度にすることが好ましい。
【0082】また燃料ノズル100外周部の第1管状噴
口50b或いは第1空気孔51の数は8個以上であるこ
とが好ましい。多く設置した方が均一混合の点からは好
ましいが、構造の複雑化を考慮すると20個程度以下で
あってよい。
【0083】また、燃料ノズル100の燃焼室側端部が
その外周側に位置する第1空気供給管の燃焼室側端部よ
り燃焼室側と離れるよう配置されるので、予混合気の逆
火等を抑制し、強力な混合が図れ、安定に良好な混合気
を燃焼室に供給でき、安定した低NOx燃焼ができる。
【0084】尚、燃焼ノズル100の燃焼室側端部は、
例えば、第1管状噴口50bの燃焼室側端部から第1空
気供給管9の燃焼室20出口側端部まで距離の1/10
以上1/2以下だけ、第1空気供給管9の燃焼室20出
口側端部から離れた位置に配置する。第1管状噴口50
bの燃焼室側端部から第1空気供給管9の燃焼室20出
口側端部まで距離を100mmとすると同出口端部から1
0mm以上50mm以下遡った位置となる。
【0085】燃料と空気との混合体を噴出する第1管状
噴口50bが燃焼室側に傾斜し第1空気流路中に突出し
ていることにより、燃料ノズルから噴出される液体燃料
粒子の燃焼室側に傾斜して燃料粒子のバーナの半径方向
速度成分を減少し、液体燃料粒子が空気供給管の内周壁
に衝突して液膜を形成することを抑制し、また噴口付近
での液膜付着を抑制し、係る粒子を含んで第1空気と混
合して流下中に急速に液体燃料粒子は気化し、燃料と空
気とを混合させて良好な混合気を燃焼室に供給でき、低
NOx燃焼を図ることができる。
【0086】燃料と空気との混合体を噴出する第1管状
噴口50bが燃焼室側に傾斜して配置されると共に、燃
焼室出口構造を燃料ノズル側が第1空気供給管9の燃焼
室側端部より燃焼室から離れた側にあるので、液体燃料
の気化及び混合をコンパクトな第1空気の流路構造であ
っても得ることができる。具体的には例えば、傾斜して
液体燃料を噴射して、燃料微粒子或いは気化した燃料を
第1空気流れの比較的燃料ノズル側を流れる。このた
め、燃焼室の出口部で、燃料ノズルの燃焼室端部で生じ
るせん断層が広範囲に及ぶものではない場合であっても
燃料と空気とを良く混合させることができる。さらに、
液体燃料の第1空気への噴口の数がガス燃料のそれ程多
く設けなくとも良好に液体燃料の気化及び混合効果が得
られる。
【0087】また、前記第2空気には第1空気より圧力
の高い空気を用い、燃料と高圧の第2空気との混合体を
低圧の第1空気流れに噴出することにより、噴出流速を
高めてより急激な燃料の気化を図る。
【0088】さらに、噴出する際に、燃焼器側に傾斜し
た噴口を形成することにより、前記混合体を第1空気に
噴出する際の噴霧空気流量を少なくすると共に、第1空
気流れに対する噴出流の角度を小さくし、第1空気の流
れの損失を低く押さえることができる。第1空気の流れ
に前記混合体の噴出口が突出している場合は、噴出口の
径を小型化できるので、抵抗をこの分抑制できる。
【0089】また、予混合気が旋回していることによ
り、混合を促進することができる。更に、再循環流が形
成され、保炎性能の高い燃焼が実現できるので燃空比の
低い、低温均一燃焼が可能である。
【0090】前記環状通路43を流れる第2空気は第1
空気より低温であることが好ましい。
【0091】これにより、良好な混合気を燃焼室に供給
して、低NOx燃焼を図りつつ、燃料ノズル内部を流れ
る霧化空気を効率良く利用して燃料ノズルの過熱を抑制
して燃料ノズル等の炭素付着を抑制して燃料器の健全性
維持することができる。また、燃料ノズル内部の燃料供
給を停止した場合であっても第2空気を流すよう構成す
ることにより、再燃料供給時の炭素付着を抑制して円滑
な運転ができる。
【0092】例えば、液体燃料、特に一般的に使用され
る灯油,軽油等の炭化水素系液体燃料が炭化して供給管
等に堆積しやすい温度である130℃よりも低いことが
望ましい。
【0093】また、燃料供給停止毎に第1燃料配管19
の逆止弁72直後に接続している第1パージ空気配管6
6から、130℃よりも低いパージ空気を流して逆止弁
72よりも下流に残留する液体燃料を排出することによ
り、第1燃料供給管33内への炭化物堆積を防止でき
る。
【0094】本発明に係る第4の実施例を図4を用いて
説明する。第4の実施例は基本的構造は図3の第3の実
施例と同様である。この実施例では、図3の実施例にも
設置される燃料供給ノズル34の燃焼室側に面する先端
にカバープレートを設け、複数の第2管状噴口48bを
突き出し、カバープレートには前記第2管状噴口48bと
中心軸を同じくする第2空気孔49を設けている。ま
た、第1燃料供給管33の内周には前記第2管状噴口4
8bに連絡する連絡経路48aの入口に対応した位置に
第2燃料噴口46を有する第2燃料供給管31を設け、
図示しない燃料タンク,液体燃料ポンプとを接続する第
2燃料配管17を設け、途中に流量制御弁14と逆止弁
70を設けている。そして逆止弁70の下流には第2パ
ージ空気配管63が接続しており、その途中には逆止弁
65,遮断弁64を有し、上流の図示しない空気タンク
へと接続している。
【0095】バーナ中心の第2燃料供給管31に設けた
第2燃料噴口46から噴射された液体燃料は環状通路4
2を通って供給される第2空気と共に第2管状噴口48
bに連絡する連絡経路48aの入口にはいり、環状通路
42を通って供給される第2空気と混合することによっ
て加速され、大部分が微細粒子となって、この燃料と空
気の混合体が第2管状噴口48bの出口から噴射され
る。一方、液体燃料の一部は第2管状噴口48b或いは
連絡経路48aの壁面に沿った液膜となって出口から噴
射され、第2空気孔49を通過する際に、空気通路80
を通って供給される第3空気によって加速され、微細粒
子となって燃焼室20へ噴射される。燃焼室20で安定
した拡散燃焼がされる。この燃料粒子が噴射される第1
空気供給管9の出口近傍には空気旋回器10によって旋
回させられた第1空気が再循環流を形成しており、この
内部に燃料粒子を噴射して保炎性能の高い拡散燃焼が可
能となる。
【0096】これにより、液体燃料を用いるいわゆる燃
焼温度1500℃級のガスタービンであっても、液体燃
料の自己発火,燃焼器バーナへの逆火を防ぎつつ、急速
な燃料の気化及び空気との混合を図り、ドライで(燃焼
室内で水或いは水蒸気の噴出装置を用いなくてもよい)
低NOxのガスタービン燃焼器を得ることができる。具
体的には、前記図1に示した実施例と同様の効果に加え
て、拡散燃焼させる系統にも液体燃料を微細粒子に分裂
しすることができ、少ない空気流量で微粒化ができ、燃
焼室20で安定して燃焼させることができる。
【0097】また、拡散燃焼は火炎温度が高く、放射率
も高いために放射伝熱量が多いが、前記第2管状噴口4
8bは先端部を、カバープレートで覆われているので拡
散火炎から直接加熱されることはなく、第1管状噴口5
0b近傍だけでなく第2管状噴口等燃焼室に近い領域ま
で壁面温度を低く保つことができ、より良好に炭化物堆
積を防止できる。
【0098】さらに、図4の燃焼器は空気旋回器10を
流れる第1空気を用いて、第1燃料供給管33から燃料
を供給する予混合燃焼と、第2燃料供給管31から燃料
を供給する拡散燃焼とを、各々単独又は同時燃焼が可能
である。図2に記載と同様の運転ができる。
【0099】本発明に係る第5の実施例を図5,図6を
用いて説明する。
【0100】図5はガスタービン燃焼器の一部の拡大し
た縦断面を示しており、図6はガスタービン燃焼器の一
部を拡大した横断面を示している。
【0101】燃焼器全体を収納する圧力容器である円筒
状の外筒1とエンドカバー2の内周に円筒状の内筒3と
その一端を閉止する内筒キャップ4と、前記内筒キャッ
プ4に出口開口端を有し、空気旋回器10からの第1空
気と燃料ノズル6からの燃料を燃焼室20へ供給するバ
ーナ90と、前記内筒キャップ4の出口開口端を有し、
空気旋回器10からの第1空気と燃料ノズル8からの燃
料を燃焼室20へ供給するバーナ90と、各バーナへ燃
料を供給する燃料配管17,18,19と、その途中の
流量計13,流量制御弁14,15,16と、逆止弁7
0,71,72と、燃料配管にパージ空気を供給するパ
ージ空気配管60,63,66と、その途中の逆止弁6
2,65,68と、遮断弁61,64,67から成る。
前記内筒キャップ4には冷却空気を導入する冷却空気孔
22と、衝突冷却によって内筒キャップ4の先端面を冷
却するための冷却空気を噴射する衝突冷却孔23を設け
た衝突冷却板5と、冷却に使用した空気を燃焼室20へ
吹き出して内筒キャップ4の先端面の冷却効果を高める
ための吹き出し孔24とが設けられている。そして、バ
ーナ90の先端は内筒キャップ4の先端からキャップ4
の軸方向位置から燃焼室20へわずかに突き出し、バー
ナ91の先端はバーナ90の先端よりも燃焼室20へ長
く突き出している。
【0102】バーナ90は予混合燃焼と拡散燃焼ができ
るバーナであり、起動点火から低負荷までは拡散燃焼単
独で運転し、燃焼器入口空気温度が上昇して液体燃料の
蒸発予混合が可能となると、拡散燃焼と予混合燃焼を組
み合せて運転する。したがって、バーナ90には図2又
は図4のバーナを使用できる。このバーナ90の単独燃
焼時に、バーナ91の出口がバーナ90の出口よりも下
流にあることにより、バーナ90の火炎がバーナ91か
らの空気と混合して冷却され始めるまでに、バーナ90
の燃焼が進行しており、燃焼効率の低下が少ない。
【0103】次にガスタービン負荷が上昇すると、バー
ナ91にも燃料を供給するが、NOx生成を抑制するため
にバーナ91は予混合燃焼バーナであり、燃空比の低い
状態では保炎できないが、その下流でバーナ90の燃焼
ガスと混合することによって燃焼が進行するので燃焼効
率の低下はほとんどない。したがってバーナ91には図
1又は図2のバーナを使用できる。
【0104】そして高負荷時にはバーナ90,バーナ9
1ともに予混合燃焼単独でも安定燃焼できる燃空比とな
るが、負荷遮断他の急激な燃料流量変化に対しても保炎
ができるように最小の拡散燃焼を残して運転する。
【0105】運転途中又は停止時の燃料供給一部停止又
は全系統停止時には停止する燃料系統に対応するパージ
空気配管からパージ空気を流し、燃料供給管に残留する
燃料を完全に排出して炭化物堆積を防止する。
【0106】本発明に係る第6の実施例を図7を用いて
説明する。
【0107】第6の実施例は基本構造は図1の第1の実
施例と同様である。この実施例では、図1の実施例の第
2空気供給管35と燃料供給ノズル34を第1燃料供給
管33と一体化した構造であり、燃料噴射管85が空気
旋回器10の下流環状通路45に直接突き出している。
この燃料噴射管85の側面には第1燃料噴口47を有し
ており、噴射方向は燃料供給ノズルの外方であって第1
空気供給管9の出口方向に傾斜している。一端を燃焼室
20に開口し、他端から圧縮機から吐出された空気が導
かれる第1空気供給管9と、第1空気供給管と同軸であ
って内周に位置し、燃料を噴出する第1燃料噴口47を
有する燃料ノズル100と、前記燃料ノズルより空気流
れの上流側に位置する空気旋回器を備える。また、前記
燃料ノズルの燃焼器側端部は前記第1空気供給管9の燃
焼器側端部より内側に位置している。前記第1燃料噴口
47を有する燃料噴射管85は前記燃料供給ノズル34
から直角に環状通路45を突き出している。また、前記
燃料噴射管85は第1空気供給管9の出口方向に傾斜し
てもよい。前記第1燃料噴口47の下流側の燃料ノズル
100と第1空気供給管9とで構成される流路では下流
(燃焼室側)に向かうに従い、幅が狭くなる領域を有し
ていてもよい。
【0108】第1燃料配管19から図示しない昇圧ポン
プ等の昇圧装置により超高圧(たとえば100ataより
高く1000ata以下)まで昇圧した燃料を供給して第
1燃料噴口47から噴射する。例えば、このように空気
旋回器を経た空気の流れる空気流路に、燃料ノズル10
0の外方であって燃焼室側に向けてこれにより、平均粒
子径3μm以上30μm以下の微細粒子に分裂し、液体
燃料全量が第1空気と混合しながら流れる。その際、急
激な液滴微細粒子の気化が起こる。液体燃料が自己発火
する前に蒸発を完了するとともに空気との予混合気を形
成すると考えられる。そして、燃料ノズル100の先端
に達すると、環状通路45の軸心側が急拡大して円形通
路となることにより、予混合気に適切に作用する強いせ
ん断層が形成されて予混合気を大きく混合する働きを
し、予混合気が供給される第1空気供給管9の出口付近
では予混合気の濃度不均一性が大幅に改善される。燃焼
室20では良好な予混合燃焼がされる。
【0109】これにより、液体燃料を用いるいわゆる燃
焼温度1500℃級のガスタービンであっても、液体燃
料の自己発火,燃焼器バーナへの逆火を防ぎつつ、急速
な燃料の気化及び空気との混合を図り、ドライで(燃焼
室内で水或いは水蒸気の噴出装置を用いなくてもよい)
低NOxのガスタービン燃焼器を得ることができる。具
体的には液体燃料を1段階で微細粒子に分裂することが
でき、第1空気と接触後は短時間で蒸発予混合させるこ
とができ、良好な状態で燃焼室20に予混合気を供給し
て燃焼させることができるので、NOx生成の少ない燃
焼が可能である(例えば25MW級で25ppm 以下)。
【0110】また、燃焼器バーナの内部構造自体をシン
プル簡素化することができるので、メンテナンス性を向
上させることができる。
【0111】
【発明の効果】本発明により、高温で燃焼される燃焼器
であっても、容易に良好な液体燃料の気化,混合が図
れ、低NOxの排ガスが排出されるコンパクトなガスタ
ービン燃焼器を得ることができる。
【0112】また、高温で燃焼される燃焼器であって
も、容易に良好な液体燃料の気化,混合が図れ、燃料の
流路等に炭素付着等を抑制するコンパクトなガスタービ
ン燃焼器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るガスタービン燃焼器の
縦断面図。
【図2】本発明の他の実施例に係るガスタービン燃焼器
の縦断面図。
【図3】本発明の他の実施例に係るガスタービン燃焼器
の縦断面図。
【図4】本発明の他の実施例に係るガスタービン燃焼器
の縦断面図。
【図5】本発明の他の実施例に係るガスタービン燃焼器
の縦断面図。
【図6】本発明の他の実施例に係るガスタービン燃焼器
の横断面図。
【図7】本発明の他の実施例に係るガスタービン燃焼器
の縦断面図。
【符号の説明】
6,8…燃料ノズル、9…第1空気供給管、10…空気
旋回器、11…第2空気配管、20…燃焼室、31…第
2燃料供給管、33…第1燃料供給管、34…燃料供給
ノズル、35…第2空気供給管、46…第2燃料噴口、
47…第1燃料噴口、48…第2管状噴口、49…第2
空気孔、50…第1管状噴口、51…第1空気孔、60
…第1パージ空気配管、90…バーナ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料と空気とが供給されて燃焼する燃焼室
    と、燃料と空気とを燃焼室に供給する燃焼器バーナとを
    備え、前記燃焼排ガスがタービンに排出されるガスター
    ビン燃焼器であって、 前記燃焼器バーナは、 燃焼器に空気を供給する空気供給管と、 空気供給管の内周側に位置し、自身の外方であって燃焼
    室側に向けて開口する液体燃料噴出口を自身の外周面に
    備える燃料ノズルとを備え、 前記燃料ノズルの燃焼室側端より燃焼室軸方向の燃焼室
    側に前記空気供給管の燃焼室側端が位置するよう配置さ
    れることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  2. 【請求項2】燃料と空気とが供給されて燃焼する燃焼室
    と、燃料と空気とを燃焼室に供給する燃焼器バーナとを
    備え、1450℃〜1650℃の前記燃焼排ガスがター
    ビンに排出されるガスタービン燃焼器であって、 前記燃焼器バーナは、 燃焼器に空気を供給する空気供給管と、 空気供給管の内周側に位置し、自身の外方であって燃焼
    室側に向けて開口する液体燃料噴出口を自身の外周面に
    備える燃料ノズルとを備え、 前記燃焼ノズル近傍を流れる前記空気の流速は、80m
    /s以上140m/s以下であって、 前記燃料噴出口から噴出される燃料の粒径は平均粒径3
    μm以上30μm以下であって、 前記燃料噴出口と前記空気供給管の燃焼室側出口までの
    距離が50mm以上200mm以下である、ことを特徴とする
    ガスタービン燃焼器。
  3. 【請求項3】燃料と空気とが供給されて燃焼する燃焼室
    と、燃料と空気とを燃焼室に供給する燃焼器バーナとを
    備え、前記燃焼排ガスがタービンに排出されるガスター
    ビン燃焼器であって、 前記燃焼器バーナは、 燃焼器に第1の空気を供給する第1空気供給管と、 該空気供給管の内周側に位置し、前記第1の空気に燃料
    と空気との混合体を噴出する噴出口を自身の外周面に備
    える燃料ノズルとを備え、 前記燃料ノズルは、 液体燃料が噴出される燃料供給管と、 前記噴出口近傍を流下する第1の空気より低温の第2の
    空気を供給する第2空気供給管と、 前記燃料と前記第2の空気との混合体を前記噴出口に導
    く連絡経路と、を備えることを特徴とするガスタービン
    燃焼器。
  4. 【請求項4】燃料と空気とが供給されて燃焼する燃焼室
    と、燃料と空気とを燃焼室に供給する燃焼器バーナとを
    備え、前記燃焼排ガスがタービンに排出されるガスター
    ビン燃焼器であって、 前記燃焼器バーナは、 燃焼器に第1の空気を供給する第1空気供給管と、 該空気供給管の内周側に位置し、自身の燃焼器側端面に
    拡散燃焼用燃料噴出口と該拡散燃焼用燃料噴出口より燃
    焼器軸方向に見て燃焼室と反対側の外周面に予混合燃焼
    用燃料噴出口を有する燃料ノズルとを備え、 前記燃料ノズルは、 第1の液体燃料が噴出される第1の燃料供給管と、 第1の空気より低温の予混合用空気が供給される予混合
    用空気供給管と、 前記第1の燃料と前記予混合用空気を有する混合体を前
    記予混合燃焼用燃料噴出口に導く連絡経路と、 第2の液体燃料が噴出される第2の燃料供給管と、 第1の空気より低温の拡散用空気が供給される拡散用空
    気供給管と、 前記第2の燃料と前記拡散用空気を有する混合体を前記
    拡散燃焼用燃料噴出口に導く連絡経路と、を備えること
    を特徴とするガスタービン燃焼器。
  5. 【請求項5】燃料と空気とが供給されて燃焼される燃焼
    室と、燃料と空気を燃焼室に供給する燃焼器バーナとを
    備え、前記燃焼排ガスがタービンに排出されるガスター
    ビン燃焼器であって、 前記燃焼器バーナは、 燃焼器に第1の空気を供給する第1空気供給管と、 空気供給管の燃焼器軸心側に位置し、外周面に燃料と空
    気との混合体を前記第1の空気に噴出する噴出部を有す
    る燃料ノズルとを備え、 該燃料ノズルは、 液体燃料が供給される燃料供給管と、第2の空気が供給
    される第2空気供給管と、前記燃料と前記空気とを有す
    る混合体を供給する混合体供給配管と、第3の空気が供
    給される第3空気供給配管とを備え、 前記噴出部は前記混合体と前記第3の空気とを噴出する
    ことを特徴とするガスタービン燃焼器。
  6. 【請求項6】燃料と空気とが供給されて燃焼される燃焼
    室と、燃料と空気を燃焼室に供給する燃焼器バーナとを
    備え、前記燃焼排ガスがタービンに排出されるガスター
    ビン燃焼器であって、 前記燃焼器バーナは、 燃焼器に第1の空気を供給する第1空気供給管と、 空気供給管の燃焼器軸心側に位置し、自身の燃焼器側端
    面に拡散燃焼用の燃料噴出口と、該拡散燃焼用燃料噴出
    口より燃焼器軸方向の燃焼器と反対側の外周面に予混合
    燃焼用の燃料噴出口を有する燃料ノズルとを備え、 該燃料ノズルは、 第1の液体燃料が供給される第1の燃料供給管と、予混
    合燃焼用空気が供給され予混合用空気供給管と、前記燃
    料と前記空気とを有する混合体を供給する予混合用混合
    体供給配管と、前記混合体と共に前記予混合燃焼用の燃
    料噴出口から噴出される空気が供給される空気供給配管
    と、 第2の液体燃料が供給される第2の燃料供給管と、拡散
    燃焼用空気が供給される拡散用空気供給管と、前記燃料
    と前記空気とを有する混合体を供給する拡散用混合体供
    給配管と、前記混合体と共に前記拡散燃焼用の燃料噴出
    口から噴出される空気が供給される空気供給配管と、を
    備えることを特徴とするガスタービン燃焼器。
  7. 【請求項7】一端を燃焼室に開口し、他端を第1の空気
    を供給する空気供給手段に連絡する第1空気供給管と、
    該第1空気供給管と同軸であって内周に位置し、自身の
    外周部に前記空気供給管を流れる空気に燃料及び空気を
    噴出する噴出口を有する燃料ノズルと、前記燃料ノズル
    より空気流れの上流側に位置する旋回装置と、を備え、 前記燃料ノズルの燃焼器側端部は前記第1空気供給管の
    燃焼器側端部より内側に位置し、 前記噴出口は、前記第一空気供給管の燃焼器側端部側に
    傾斜して、燃料ノズルの外周から突き出して配置され、 前記燃料ノズルは、前記空気旋回装置より上流側の第1
    の空気より圧力が高く、温度が低い第2空気を供給する
    第2空気供給管と、液体燃料が供給されて燃料液滴を噴
    出する燃料供給管と、を備えることを特徴とするガスタ
    ービン燃焼器バーナ。
  8. 【請求項8】請求項7のガスタービン燃焼器バーナにお
    いて、燃料ノズル燃焼器側先端部に空気と燃料とを噴出
    する第2噴出口を備え、 前記燃料ノズルは、第2噴出口に前記空気旋回装置より
    上流側の第1の空気より圧力が高く、温度が低い第2空
    気を供給する空気供給管と、第2噴出口に液体燃料が供
    給される燃料供給管と、を備えることを特徴とするガス
    タービン燃焼器バーナ。
  9. 【請求項9】一端を燃焼室に開口し、他端を第1の空気
    を供給する空気供給手段に連絡する第1空気供給管と、
    該第1空気供給管と同軸であって内周に位置し、自身の
    外周部に前記空気供給管を流れる空気に燃料及び空気を
    噴出する噴出口を有する燃料ノズルと、前記燃料ノズル
    より空気流れの上流側に位置する旋回装置と、を備え、 前記燃料ノズルの燃焼器側端部は前記第1空気供給管の
    燃焼器側端部より内側に位置し、 前記噴出口は、前記第一空気供給管の燃焼器側端部側に
    傾斜して、燃料ノズルの外周から突き出して配置され、 前記燃料ノズルは、前記空気旋回装置より上流側の第1
    の空気より圧力が高く、温度が低い第2空気を供給する
    第2空気供給管と、液体燃料が供給されて燃料液滴を噴
    出する燃料供給管と、 前記燃料と、前記第2空気との混合体を前記噴出口に供
    給し、前記噴出口より小径の前記混合体の噴出部を有す
    る連絡経路と、 前記旋回装置より上流側の第1の空気の一部を分岐して
    前記噴出口に供給する第3の空気供給管と、を備えるこ
    とを特徴とするガスタービン燃焼器バーナ。
  10. 【請求項10】請求項9のガスタービン燃焼器バーナに
    おいて、 前記燃料ノズルは、 請求項1のガスタービン燃焼器バーナにおいて、燃料ノ
    ズルの燃焼器側先端部に空気と燃料とを噴出する第2噴
    出口を備え、 前記燃料ノズルは、前記空気旋回装置より上流側の第1
    の空気より圧力が高く、温度が低い第2噴出口から噴出
    する第2空気を供給する空気供給管と、第2噴出口から
    噴出される液体燃料を供給する燃料供給管と、 第2噴出口に供給される前記燃料と前記第2空気との混
    合体を前記噴出口に導き混合体を噴出する、前記第2噴
    出口より小径の第2の該混合体噴出口を有する第2の連
    絡経路と、 前記旋回装置より上流側の第1の空気の一部を分岐して
    前記第2の噴出口に導く空気供給管と、を備えることを
    特徴とするガスタービン燃焼器バーナ。
  11. 【請求項11】空気を圧縮して吐出する圧縮機と、該圧
    縮機から吐出された空気と燃料が供給されて燃焼する燃
    焼器と、該燃焼器から排出される燃焼排ガスが供給され
    て駆動するタービンとを備えたガスタービンにおいて、 前記燃焼器は、燃料と空気とが供給されて燃焼する燃焼
    室と、該燃焼室に燃料と空気とを供給する燃焼器バーナ
    とを備え、 前記燃焼器バーナは請求項7或いは請求項9に記載の燃
    焼器バーナと請求項8或いは10に記載の燃焼器バーナ
    とを備えることを特徴とするガスタービン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021169913A (ja) * 2020-04-15 2021-10-28 マーベル−テック・リミテッド ガスタービンの燃焼装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021169913A (ja) * 2020-04-15 2021-10-28 マーベル−テック・リミテッド ガスタービンの燃焼装置
US11365885B2 (en) 2020-04-15 2022-06-21 Marvel-Tech Ltd. Gas turbine combustor with fuel injector including a downstream guide member

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