JPH11209830A - ビスマスの回収方法 - Google Patents
ビスマスの回収方法Info
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- JPH11209830A JPH11209830A JP10025225A JP2522598A JPH11209830A JP H11209830 A JPH11209830 A JP H11209830A JP 10025225 A JP10025225 A JP 10025225A JP 2522598 A JP2522598 A JP 2522598A JP H11209830 A JPH11209830 A JP H11209830A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 BiとFeとを含む水溶液中からBiを選択
的に抽出する方法を提供する。 【解決手段】 ビスマス及び鉄が溶解した水溶液からビ
スマスを回収する方法であって、ビス(2,4,4−ト
リメチルペンチル)ジチオホスフィン酸をケロシンに溶
解させてなるケロシン溶液を該水溶液と接触混合させて
ビスマスを該ケロシン溶液に抽出する抽出工程と、この
抽出工程からのケロシン溶液と硝酸溶液とを接触させて
ビスマスを該硝酸溶液に逆抽出する逆抽出工程と、によ
ってビスマスを回収することを特徴とする。
的に抽出する方法を提供する。 【解決手段】 ビスマス及び鉄が溶解した水溶液からビ
スマスを回収する方法であって、ビス(2,4,4−ト
リメチルペンチル)ジチオホスフィン酸をケロシンに溶
解させてなるケロシン溶液を該水溶液と接触混合させて
ビスマスを該ケロシン溶液に抽出する抽出工程と、この
抽出工程からのケロシン溶液と硝酸溶液とを接触させて
ビスマスを該硝酸溶液に逆抽出する逆抽出工程と、によ
ってビスマスを回収することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスマスと鉄とを
含む水溶液からビスマスを抽出法によって回収する方法
に関する。
含む水溶液からビスマスを抽出法によって回収する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ビスマスの水溶液からビスマスを抽出す
る方法として、塩酸酸性のビスマスの水溶液とビス
(2,4,4−トリメチルペンチル)ジチオホスフィン
酸(Bis(2,4,4-trimethylpentyl)dithiophosphinic aci
d) のトルエン溶液とを接触混合させて該水溶液中のビ
スマスをトルエン溶液に抽出する方法が公知である(Ana
lyst,June 1995, Vol.120) 。このビス(2,4,4−
トリメチルペンチル)ジチオホスフィン酸は、商標Cyan
ex 301としてカナダ国オンタリオのシアナミドカナダ社
(Cyanamid Canada Inc.)から市販されている。
る方法として、塩酸酸性のビスマスの水溶液とビス
(2,4,4−トリメチルペンチル)ジチオホスフィン
酸(Bis(2,4,4-trimethylpentyl)dithiophosphinic aci
d) のトルエン溶液とを接触混合させて該水溶液中のビ
スマスをトルエン溶液に抽出する方法が公知である(Ana
lyst,June 1995, Vol.120) 。このビス(2,4,4−
トリメチルペンチル)ジチオホスフィン酸は、商標Cyan
ex 301としてカナダ国オンタリオのシアナミドカナダ社
(Cyanamid Canada Inc.)から市販されている。
【0003】この方法は、基本的には金属としてビスマ
スのみを含む水溶液からのビスマスの抽出方法であり、
ビスマスと鉄とを含む水溶液からのビスマスの回収方法
ではない。
スのみを含む水溶液からのビスマスの抽出方法であり、
ビスマスと鉄とを含む水溶液からのビスマスの回収方法
ではない。
【0004】SOLVENT EXTRACTION AND ION EXCHANGE, 1
3(3), 503-523(1995) には、Sc,Zr,Th,Fe及
びLuの硝酸水溶液と上記Cyanamid 301のn−ヘキサン
溶液とを接触させる抽出実験が報告されており、Lu以
外には抽出能は殆どないことが記載されている(同文献
の第508頁)。
3(3), 503-523(1995) には、Sc,Zr,Th,Fe及
びLuの硝酸水溶液と上記Cyanamid 301のn−ヘキサン
溶液とを接触させる抽出実験が報告されており、Lu以
外には抽出能は殆どないことが記載されている(同文献
の第508頁)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、BiとF
eとを含む水溶液中からBiを選択的に抽出する方法は
知られていない。本発明は、これを可能とする方法の提
供を目的とする。
eとを含む水溶液中からBiを選択的に抽出する方法は
知られていない。本発明は、これを可能とする方法の提
供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1のビスマスの回
収方法は、ビスマス及び鉄が溶解した水溶液からビスマ
スを回収する方法であって、ビス(2,4,4−トリメ
チルペンチル)ジチオホスフィン酸をケロシンに溶解さ
せてなるケロシン溶液を該水溶液と接触混合してビスマ
スを該ケロシン溶液に抽出する抽出工程と、この抽出工
程からのケロシン溶液と硝酸溶液とを接触混合してビス
マスを該硝酸溶液に逆抽出する逆抽出工程と、によって
ビスマスを回収することを特徴とするものである。
収方法は、ビスマス及び鉄が溶解した水溶液からビスマ
スを回収する方法であって、ビス(2,4,4−トリメ
チルペンチル)ジチオホスフィン酸をケロシンに溶解さ
せてなるケロシン溶液を該水溶液と接触混合してビスマ
スを該ケロシン溶液に抽出する抽出工程と、この抽出工
程からのケロシン溶液と硝酸溶液とを接触混合してビス
マスを該硝酸溶液に逆抽出する逆抽出工程と、によって
ビスマスを回収することを特徴とするものである。
【0007】このビス(2,4,4−トリメチルペンチ
ル)ジチオホスフィン酸は、前記の通り、シアナミドカ
ナダ社から市販されている。
ル)ジチオホスフィン酸は、前記の通り、シアナミドカ
ナダ社から市販されている。
【0008】請求項2のビスマスの回収方法は、請求項
1において、前記水溶液のビスマスの濃度が1g/L以
上であり、鉄の濃度が10g/L以上であることを特徴
とするものである。
1において、前記水溶液のビスマスの濃度が1g/L以
上であり、鉄の濃度が10g/L以上であることを特徴
とするものである。
【0009】請求項3のビスマスの回収方法は、請求項
1又は2において、前記抽出工程に用いられるケロシン
溶液のビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ジチオ
ホスフィン酸の濃度が0.1〜1モル/Lであることを
特徴とするものである。
1又は2において、前記抽出工程に用いられるケロシン
溶液のビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ジチオ
ホスフィン酸の濃度が0.1〜1モル/Lであることを
特徴とするものである。
【0010】請求項4のビスマスの回収方法は、請求項
1ないし3のいずれか1項において、前記抽出工程にお
いて水溶液1容積部に対しケロシン溶液0.1〜0.5
容積部を接触混合することを特徴とするものである。
1ないし3のいずれか1項において、前記抽出工程にお
いて水溶液1容積部に対しケロシン溶液0.1〜0.5
容積部を接触混合することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で処理対象とする水溶液
は、BiとFeとを含むものであればよく、さらにその
他の金属を含んでいても良い。
は、BiとFeとを含むものであればよく、さらにその
他の金属を含んでいても良い。
【0012】このような水溶液としては、ビスマス含有
バリウムフェライトを硝酸で浸出処理した際に生じるB
i,Fe及びBaを含む水溶液が挙げられ、本発明はこ
の水溶液からBiを選択的に抽出して回収し、超電導材
料等に再利用する用途に適用するのにきわめて好適であ
る。
バリウムフェライトを硝酸で浸出処理した際に生じるB
i,Fe及びBaを含む水溶液が挙げられ、本発明はこ
の水溶液からBiを選択的に抽出して回収し、超電導材
料等に再利用する用途に適用するのにきわめて好適であ
る。
【0013】この水溶液(原料水溶液)のBi濃度は1
g/L(リットル)以上とりわけ1〜10g/Lが好ま
しく、Fe濃度は10g/L以上とりわけ10〜100
g/Lが好適である。
g/L(リットル)以上とりわけ1〜10g/Lが好ま
しく、Fe濃度は10g/L以上とりわけ10〜100
g/Lが好適である。
【0014】ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)
ジチオホスフィン酸のケロシン溶液としては、0.1〜
1モル/Lの濃度のものが好適である。
ジチオホスフィン酸のケロシン溶液としては、0.1〜
1モル/Lの濃度のものが好適である。
【0015】このケロシン溶液と上記原料水溶液との混
合割合は、原料水溶液1容積部に対しケロシン溶液0.
1〜0.5容積部とするのが好ましい。これらの液の接
触混合を行うには、該水溶液と溶液とを容器に入れて振
盪するなど適宜の手段を採用できる。なお、振盪時間は
10〜30分程度で十分である。
合割合は、原料水溶液1容積部に対しケロシン溶液0.
1〜0.5容積部とするのが好ましい。これらの液の接
触混合を行うには、該水溶液と溶液とを容器に入れて振
盪するなど適宜の手段を採用できる。なお、振盪時間は
10〜30分程度で十分である。
【0016】この接触混合の後、混合液を所要時間(例
えば3時間以上)静置し、抽出平衡を達成させると共
に、水相とケロシン相とを2相分離させる。
えば3時間以上)静置し、抽出平衡を達成させると共
に、水相とケロシン相とを2相分離させる。
【0017】その後、このケロシン相を取り出し、硝酸
溶液と接触混合する。この硝酸溶液としては1〜10N
の濃度のものが好ましい。硝酸濃度が過度に低いと、ケ
ロシン相に混和する硝酸溶液の体積が著しく多くなり、
硝酸濃度が過度に高いとビス(2,4,4−トリメチル
ペンチル)ジチオホスフィン酸が分解するおそれがあ
る。
溶液と接触混合する。この硝酸溶液としては1〜10N
の濃度のものが好ましい。硝酸濃度が過度に低いと、ケ
ロシン相に混和する硝酸溶液の体積が著しく多くなり、
硝酸濃度が過度に高いとビス(2,4,4−トリメチル
ペンチル)ジチオホスフィン酸が分解するおそれがあ
る。
【0018】この硝酸溶液とケロシン相との接触混合に
も、容器に入れて振盪させるなど適宜の手法を採用でき
る。なお、振盪時間は10〜30分程度で十分である。
も、容器に入れて振盪させるなど適宜の手法を採用でき
る。なお、振盪時間は10〜30分程度で十分である。
【0019】この接触混合の後、抽出平衡を達成させる
ために所要時間(例えば3時間以上)静置する。
ために所要時間(例えば3時間以上)静置する。
【0020】この逆抽出工程によりケロシン相と水相
(硝酸溶液相)とが分離し、Biは水相に移行するの
で、この水相とケロシン相とを分離し、Biを硝酸ビス
マス溶液として回収する。
(硝酸溶液相)とが分離し、Biは水相に移行するの
で、この水相とケロシン相とを分離し、Biを硝酸ビス
マス溶液として回収する。
【0021】なお、Biの純度を向上させるために、こ
の回収された硝酸ビスマス溶液を前記ビス(2,4,4
−トリメチルペンチル)ジチオホスフィン酸のケロシン
溶液と接触混合する抽出工程と、この抽出工程からのケ
ロシン溶液を硝酸水溶液と接触混合する逆抽出工程とか
らなるサイクルを1回又は2回以上繰り返しても良い。
これにより、Feの混入量がきわめて低いBiを回収で
きる。回収された硝酸ビスマス溶液を中和してビスマス
を水酸化物として沈殿させ、乾燥及び焼成することによ
り酸化ビスマスを得ることができる。
の回収された硝酸ビスマス溶液を前記ビス(2,4,4
−トリメチルペンチル)ジチオホスフィン酸のケロシン
溶液と接触混合する抽出工程と、この抽出工程からのケ
ロシン溶液を硝酸水溶液と接触混合する逆抽出工程とか
らなるサイクルを1回又は2回以上繰り返しても良い。
これにより、Feの混入量がきわめて低いBiを回収で
きる。回収された硝酸ビスマス溶液を中和してビスマス
を水酸化物として沈殿させ、乾燥及び焼成することによ
り酸化ビスマスを得ることができる。
【0022】
【実施例】以下、実験例と実施例について説明する。
【0023】[実験No.1〜5] (原料水溶液からの
Biのケロシン溶液への抽出) 試薬特級の硝酸ビスマス及び硝酸第2鉄をBi及びFe
として次に示す濃度となるように溶解させた5種類の原
料水溶液を用意した。各原料水溶液において、BiとF
eとの濃度比は1:10で同じである。
Biのケロシン溶液への抽出) 試薬特級の硝酸ビスマス及び硝酸第2鉄をBi及びFe
として次に示す濃度となるように溶解させた5種類の原
料水溶液を用意した。各原料水溶液において、BiとF
eとの濃度比は1:10で同じである。
【0024】 No.1〜5の水溶液中のBi及びFe濃度(g/L) No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 Bi濃度 5 1 0.1 0.01 0.001 Fe濃度 50 10 1 0.1 0.01 また、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ジチオ
ホスフィン酸として市販のCyanex 301(商標)を濃度
0.2モル/Lに溶解させたケロシン溶液を用意した。
ホスフィン酸として市販のCyanex 301(商標)を濃度
0.2モル/Lに溶解させたケロシン溶液を用意した。
【0025】各原料水溶液100mLに対しこのケロシ
ン溶液50mLを加え、10分間振盪、10時間静置
し、Biを原料水溶液からケロシン溶液に抽出した。
ン溶液50mLを加え、10分間振盪、10時間静置
し、Biを原料水溶液からケロシン溶液に抽出した。
【0026】静置により二相に分離したケロシン溶液を
分取したところ、その容積及び該ケロシン溶液中のBi
濃度、Fe濃度は次の通りであった。
分取したところ、その容積及び該ケロシン溶液中のBi
濃度、Fe濃度は次の通りであった。
【0027】 ケロシン溶液の回収量(mL)及びその中のBi,Fe濃度(g/L) No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 回収ケロシン溶液(mL) 52 51 49.5 49 66 Bi濃度(g/L) 9.61 1.96 0.2 0.018 0.00 Fe濃度(g/L) 4.75 2.00 1.18 0.184 0.01 そこで、原料水溶液中のBi及びFe量(g)と回収ケ
ロシン溶液中のBi及びFe量を(容積)×(濃度)よ
り算出したところ次の通りであった。なお、抽出率を併
せて示す。
ロシン溶液中のBi及びFe量を(容積)×(濃度)よ
り算出したところ次の通りであった。なお、抽出率を併
せて示す。
【0028】 原料水溶液及び回収ケロシン溶液中のBi量,抽出率 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 原料中Bi (mg) 500 100 10 1 0.1 ケロシン中Bi(mg) 499.8 99.7 9.9 0.9 0.00 抽 出 率 (%) 99.96 99.78 99.01 90.05 - この抽出率と原料水溶液のBi,Fe濃度との関係を図
1に示す。
1に示す。
【0029】この実験No.1〜5より、Bi濃度が1
g/L以上であり且つFe濃度が10g/L以上である
ときにはBiが選択的に原料水溶液から抽出されること
が認められる。また、Fe濃度が10g/Lよりも低く
なると、FeもBiと共に抽出され易くなる傾向が認め
られる。
g/L以上であり且つFe濃度が10g/L以上である
ときにはBiが選択的に原料水溶液から抽出されること
が認められる。また、Fe濃度が10g/Lよりも低く
なると、FeもBiと共に抽出され易くなる傾向が認め
られる。
【0030】なお、この実験No.1〜5の詳しいデー
タについて表1にまとめて示す。
タについて表1にまとめて示す。
【0031】[実験No.6〜10] (ケロシン溶液の
濃度を変えた実験) Bi濃度1g/L,Fe濃度10g/Lの原料水溶液に
対しCyanex 301の濃度が異なるケロシン溶液を用いてB
iの抽出実験を行った。この場合、原料水溶液100m
Lに対してCyanex 301が常に0.01モルだけ添加され
るように、混和するケロシン溶液の容積を変えた。即
ち、この場合のケロシン溶液の濃度及び混和量は次の通
りである。
濃度を変えた実験) Bi濃度1g/L,Fe濃度10g/Lの原料水溶液に
対しCyanex 301の濃度が異なるケロシン溶液を用いてB
iの抽出実験を行った。この場合、原料水溶液100m
Lに対してCyanex 301が常に0.01モルだけ添加され
るように、混和するケロシン溶液の容積を変えた。即
ち、この場合のケロシン溶液の濃度及び混和量は次の通
りである。
【0032】 ケロシン溶液の濃度及び混和量 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10 濃 度 (モル/L) 1 0.4 0.2 0.1 0.02 混和量 (mL) 10 25 50 100 500 Cyanex 301(ミリモル) 10 10 10 10 10 抽出実験の手順及びその他の条件は実験No.1〜5と
同一とした。この抽出実験結果を表2及び図2に示す。
同一とした。この抽出実験結果を表2及び図2に示す。
【0033】図2より、ケロシン中のCyanex 301の濃度
が0.1モル/L以上であるとBiを選択的に抽出でき
ることが認められる。なお、Cyanex 301の濃度を1モル
/Lよりも高くなるようにケロシンに溶解させたとこ
ろ、溶液の粘度が著しく高くなり、抽出の実用には適さ
ないことが認められた。
が0.1モル/L以上であるとBiを選択的に抽出でき
ることが認められる。なお、Cyanex 301の濃度を1モル
/Lよりも高くなるようにケロシンに溶解させたとこ
ろ、溶液の粘度が著しく高くなり、抽出の実用には適さ
ないことが認められた。
【0034】[実験No.11〜16] (ケロシン溶液
の濃度を一定にし、ケロシン溶液の混和量を変えた実
験) 実験No.6〜10と同じBi濃度1g/L、Fe濃度
10g/Lの原料水溶液に対して、濃度一定(0.2モ
ル/L)のケロシン溶液の混和量を変えてBi抽出を行
った。
の濃度を一定にし、ケロシン溶液の混和量を変えた実
験) 実験No.6〜10と同じBi濃度1g/L、Fe濃度
10g/Lの原料水溶液に対して、濃度一定(0.2モ
ル/L)のケロシン溶液の混和量を変えてBi抽出を行
った。
【0035】この場合のケロシン溶液の混和量は次の通
りである。
りである。
【0036】 No.11 No.12 No.13 No.14 No.15 No.16 混和量 (mL) 100 70 50 30 10 1 濃 度 (モル/L) 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2 Cyanex 301(ミリモル) 20 14 10 6 2 0.2 抽出実験の手順及びその他の条件は実験No.1〜10
と同一とした。この抽出実験結果を表3及び図3に示
す。
と同一とした。この抽出実験結果を表3及び図3に示
す。
【0037】図3より明らかな通り、ケロシン溶液をあ
る程度多量に(この実験では10mL以上)混和するこ
とによりBi抽出率が高くなるが、ケロシン溶液混和量
が過剰であると(この実験では50mL以上)Feの抽
出率まで高くなってしまうことが認められる。
る程度多量に(この実験では10mL以上)混和するこ
とによりBi抽出率が高くなるが、ケロシン溶液混和量
が過剰であると(この実験では50mL以上)Feの抽
出率まで高くなってしまうことが認められる。
【0038】[実験No.17〜22] (No.15に
おいてさらに逆抽出を行う実験) 実験No.15と同じ条件で原料水溶液からケロシン溶
液によってBiを抽出した。
おいてさらに逆抽出を行う実験) 実験No.15と同じ条件で原料水溶液からケロシン溶
液によってBiを抽出した。
【0039】この抽出工程で得られたBi含有ケロシン
溶液からBiを逆抽出した。なお、実験No.15の条
件とは次の通りである。
溶液からBiを逆抽出した。なお、実験No.15の条
件とは次の通りである。
【0040】 原料水溶液量(mL) 100 原料水溶液Bi濃度(g/L) 1 原料水溶液Fe濃度(g/L) 10 ケロシン溶液量(mL) 10 ケロシンCyanex 301濃度(モル/L) 0.2 これにより、次の濃度及び量のBi含有ケロシン溶液が
得られている。
得られている。
【0041】 回収ケロシン溶液量(mL) 11 回収ケロシン溶液Bi濃度(g/L) 9.081 回収ケロシン溶液Fe濃度(g/L) 5.86 この実験No.17〜22では、この回収ケロシンに対
し次のように濃度の異なる200mLの硝酸水溶液を混
和して逆抽出した。
し次のように濃度の異なる200mLの硝酸水溶液を混
和して逆抽出した。
【0042】 混和した200mLの硝酸の濃度 No.17 No.18 No.19 No.20 No.21 No.22 硝酸濃度(N) 12 10 5 1 0.1 0.01 逆抽出条件は、10分間振盪、10時間静置とした。こ
の実験結果を図4及び表4に示す。
の実験結果を図4及び表4に示す。
【0043】図4から明らかな通り、3Nとりわけ5N
以上の濃度の硝酸を用いることにより、ケロシン溶液中
からBiを選択的に逆抽出できる。なお、硝酸濃度が1
0N以上になると、Cyanex 301が硝酸と反応してしま
い、逆抽出できない。
以上の濃度の硝酸を用いることにより、ケロシン溶液中
からBiを選択的に逆抽出できる。なお、硝酸濃度が1
0N以上になると、Cyanex 301が硝酸と反応してしま
い、逆抽出できない。
【0044】[実験No.23] (ビスマス含有バリウ
ムフェライトからのBiの回収) ビスマスの回収対象とするスクラップとして、ビスマス
含有バリウムフェライトを使用した。その形態は、直径
2mm〜6mmの塊状で、Biの含有量は0.5wt%
であった。ビスマス含有バリウムフェライトを機械的に
粉砕し、45μm以下とした後に、0.0961gのビ
スマス含有バリウムフェライト粉末を60℃から80℃
に保温した200mlの1Nの硝酸溶液で60時間から
300時間かけてバッチ法で浸出を行った。ここで得ら
れた浸出液中の金属元素の濃度は、Biが2.0mg/
L、Baが1.6mg/L、Feが9.7mg/Lでそ
れぞれの浸出率はそれぞれ91%、2.7%、3.3%
であった。
ムフェライトからのBiの回収) ビスマスの回収対象とするスクラップとして、ビスマス
含有バリウムフェライトを使用した。その形態は、直径
2mm〜6mmの塊状で、Biの含有量は0.5wt%
であった。ビスマス含有バリウムフェライトを機械的に
粉砕し、45μm以下とした後に、0.0961gのビ
スマス含有バリウムフェライト粉末を60℃から80℃
に保温した200mlの1Nの硝酸溶液で60時間から
300時間かけてバッチ法で浸出を行った。ここで得ら
れた浸出液中の金属元素の濃度は、Biが2.0mg/
L、Baが1.6mg/L、Feが9.7mg/Lでそ
れぞれの浸出率はそれぞれ91%、2.7%、3.3%
であった。
【0045】次いで、各浸出液中のビスマスの濃度が1
g/L以上になるまで加熱濃縮を行い、溶媒抽出を行う
ための水相(原料水溶液)とした。ここで濃縮された水
相中の金属元素の濃度は、Biが1.0g/L、Baが
0.8g/L、Feが4.6g/Lであった。
g/L以上になるまで加熱濃縮を行い、溶媒抽出を行う
ための水相(原料水溶液)とした。ここで濃縮された水
相中の金属元素の濃度は、Biが1.0g/L、Baが
0.8g/L、Feが4.6g/Lであった。
【0046】次いで、100mLの水相と、ケロシン
0.2mol/Lに調製した10mLのCyanex 301のケ
ロシン溶液(有機相)を、10分間の振盪で接触混合
し、該接触混合液の抽出平衡を達成させるための24時
間の静置工程を行うことで抽出工程を行った。
0.2mol/Lに調製した10mLのCyanex 301のケ
ロシン溶液(有機相)を、10分間の振盪で接触混合
し、該接触混合液の抽出平衡を達成させるための24時
間の静置工程を行うことで抽出工程を行った。
【0047】次いで、この抽出工程で得られた有機相
(ケロシン溶液)とこの有機相の20倍容の容積である
200mLの5Nの硝酸溶液(水相)を、10分間の振
盪で接触混合し、該接触混合液の抽出平衡を達成させる
ための24時間の静置工程を行うことで逆抽出工程を行
った。浸出液を濃縮した前記原料水溶液(Bi:1.0
g/L、Ba:0.8g/L、Fe:4.6g/L)に
対して、1段目の溶媒抽出工程を行った結果、水相中の
濃度はBi:470mg/L、Fe:70mg/L(B
iに対するFeの濃度は、53.2at.%)となっ
た。Baは0.1mg/L以下であった。
(ケロシン溶液)とこの有機相の20倍容の容積である
200mLの5Nの硝酸溶液(水相)を、10分間の振
盪で接触混合し、該接触混合液の抽出平衡を達成させる
ための24時間の静置工程を行うことで逆抽出工程を行
った。浸出液を濃縮した前記原料水溶液(Bi:1.0
g/L、Ba:0.8g/L、Fe:4.6g/L)に
対して、1段目の溶媒抽出工程を行った結果、水相中の
濃度はBi:470mg/L、Fe:70mg/L(B
iに対するFeの濃度は、53.2at.%)となっ
た。Baは0.1mg/L以下であった。
【0048】[実験No.24]実験No.23の逆抽出
工程で得られた硝酸ビスマス水溶液について、実験N
o.23と同じ抽出−逆抽出処理をさらにもう1回施し
た。逆抽出で得られた硝酸ビスマス水溶液の濃度はB
i:430mg/L、Fe:16mg/L(Biに対す
るFeの濃度は、13.3at.%)であった。
工程で得られた硝酸ビスマス水溶液について、実験N
o.23と同じ抽出−逆抽出処理をさらにもう1回施し
た。逆抽出で得られた硝酸ビスマス水溶液の濃度はB
i:430mg/L、Fe:16mg/L(Biに対す
るFeの濃度は、13.3at.%)であった。
【0049】[実験No.25]実験No.24の逆抽出
工程で得られた硝酸ビスマス水溶液について、実験N
o.24と同じ抽出−逆抽出処理をさらにもう1回施し
た。逆抽出で得られた硝酸ビスマス水溶液の濃度はB
i:400mg/L、Fe:2mg/L(Biに対する
Feの濃度は、1.78at.%)であった。
工程で得られた硝酸ビスマス水溶液について、実験N
o.24と同じ抽出−逆抽出処理をさらにもう1回施し
た。逆抽出で得られた硝酸ビスマス水溶液の濃度はB
i:400mg/L、Fe:2mg/L(Biに対する
Feの濃度は、1.78at.%)であった。
【0050】[実験No.26]実験No.25の逆抽出
工程で得られた硝酸ビスマス水溶液について、実験N
o.25と同じ抽出−逆抽出処理をさらにもう1回施し
た。逆抽出で得られた硝酸ビスマス水溶液の濃度はB
i:380mg/L、Fe:0.6mg/L(Biに対
するFeの濃度は、0.56at.%)であった。
工程で得られた硝酸ビスマス水溶液について、実験N
o.25と同じ抽出−逆抽出処理をさらにもう1回施し
た。逆抽出で得られた硝酸ビスマス水溶液の濃度はB
i:380mg/L、Fe:0.6mg/L(Biに対
するFeの濃度は、0.56at.%)であった。
【0051】このように、抽出−逆抽出操作を4回繰り
返すことにより、Biに対するFeの濃度が0.56a
t.%ときわめて低い値となるようにBiを選択的に回
収することができた。
返すことにより、Biに対するFeの濃度が0.56a
t.%ときわめて低い値となるようにBiを選択的に回
収することができた。
【0052】一般にBi系超電導材料の製造原料におけ
るFeのBi中の許容濃度は0.85at.%(0.2
3wt%)であり、4回の抽出−逆抽出操作により超電
導材料の原料として用い得るが高純度ビスマスを回収で
きることが認められる。
るFeのBi中の許容濃度は0.85at.%(0.2
3wt%)であり、4回の抽出−逆抽出操作により超電
導材料の原料として用い得るが高純度ビスマスを回収で
きることが認められる。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、Biイオ
ンとFeイオンとを含む水溶液からBiを選択的に回収
することができる。
ンとFeイオンとを含む水溶液からBiを選択的に回収
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験結果を示すグラフである。
【図2】実験結果を示すグラフである。
【図3】実験結果を示すグラフである。
【図4】実験結果を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 ビスマス及び鉄が溶解した水溶液からビ
スマスを回収する方法であって、 ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ジチオホスフ
ィン酸をケロシンに溶解させてなるケロシン溶液を該水
溶液と接触混合してビスマスを該ケロシン溶液に抽出す
る抽出工程と、 この抽出工程からのケロシン溶液と硝酸溶液とを接触混
合してビスマスを該硝酸溶液に逆抽出する逆抽出工程
と、によってビスマスを回収することを特徴とするビス
マスの回収方法。 - 【請求項2】 請求項1において、前記水溶液のビスマ
スの濃度が1g/L以上であり、鉄の濃度が10g/L
以上であることを特徴とするビスマスの回収方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記抽出工程
に用いられるケロシン溶液のビス(2,4,4−トリメ
チルペンチル)ジチオホスフィン酸の濃度が0.1〜1
モル/Lであることを特徴とするビスマスの回収方法。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、前記抽出工程において水溶液1容積部に対しケロシ
ン溶液0.1〜0.5容積部を接触混合することを特徴
とするビスマスの回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10025225A JPH11209830A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | ビスマスの回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10025225A JPH11209830A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | ビスマスの回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11209830A true JPH11209830A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=12160035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10025225A Pending JPH11209830A (ja) | 1998-01-23 | 1998-01-23 | ビスマスの回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11209830A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104060106A (zh) * | 2014-06-09 | 2014-09-24 | 中南大学 | 从含铋溶液中用溶剂萃取法提取铋及制备氧化铋的方法 |
-
1998
- 1998-01-23 JP JP10025225A patent/JPH11209830A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104060106A (zh) * | 2014-06-09 | 2014-09-24 | 中南大学 | 从含铋溶液中用溶剂萃取法提取铋及制备氧化铋的方法 |
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