JPH11209746A - 磁気ディスク基盤用アルミニウム合金板用研削加工液及び研削加工方法 - Google Patents

磁気ディスク基盤用アルミニウム合金板用研削加工液及び研削加工方法

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JPH11209746A
JPH11209746A JP1450998A JP1450998A JPH11209746A JP H11209746 A JPH11209746 A JP H11209746A JP 1450998 A JP1450998 A JP 1450998A JP 1450998 A JP1450998 A JP 1450998A JP H11209746 A JPH11209746 A JP H11209746A
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grinding
aluminum alloy
alloy plate
magnetic disk
disk substrate
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JP1450998A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Sugita
知之 杉田
Hideo Fujimoto
日出男 藤本
Takakazu Imai
堯一 今井
Koichi Naruse
公一 成瀬
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Kobe Steel Ltd
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が高く、処理コストが低い磁気ディス
ク基盤用アルミニウム合金板用研削加工液及び研削加工
方法を提供する。 【解決手段】 磁気ディスク基盤用アルミニウム合金板
用研削加工液は、下記一般式で示される化合物(A)
と、炭素数8乃至22の分岐脂肪酸(B)とを含有す
る。R[O−{(AO)p/(CH2CH2O)q}−Q]
r但し、Rは炭素数1〜22の炭化水素基、Qは−CH2
COOM又は−CH2CH2COOM、Aは炭化水素3乃
至4のアルキレン基、pは10乃至300の整数、qは
0又は1乃至40の整数、rは1又は2、Mはアルカリ
金属、アルカリ土類金属又はアミン塩、{(AO)p/
(CH2CH2O)q}はランダム付加又はブロック付加
である。また、好ましくは、前記化合物(A)/分岐脂
肪酸(B)が重量比で70/30乃至99/1であり、
前記化合物(A)の数平均分子量が800乃至1500
0であり、削液中に占める水以外の有効成分の割合であ
る希釈率(重量%)が0.03%以上、1%未満であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録媒体としての磁
気ディスク基盤に使用されるアルミニウム合金板の研削
加工液及び研削加工方法に関し、更に詳述すれば、研削
加工後に製品となるサブストレートの表面粗度を小さく
し、スクラッチによる製品サブストレートの不良発生を
防止し、更に凝集沈殿法による排水処理性が優れた磁気
ディスク基盤用アルミニウム合金板用研削加工液及び研
削加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピューターの記憶装置であるハード
ディスクドライブ(以下、HDD)に使用される一般的
な磁気ディスクの製造方法を以下に示す。先ず、JIS
5086系のアルミニウム合金の薄板をプレスでドーナ
ツ状に打ち抜く。打ち抜いたワークの平坦度を出すため
にワークを重ねて加圧焼鈍を行い、所謂ブランクを作成
する。
【0003】焼鈍後のブランクは、疵防止のため、その
内縁部及び外縁部を切削除去する。この端面加工を経た
後、ブランクは砥石でグラインド加工して表面粗度を小
さくし、所謂サブストレートとする研削加工をおこな
う。研削加工にはPVA砥石に代表される多孔質の砥石
を使用する。そして、水平に固定されたブランクの両面
に砥石を押圧してブランクの研削面を砥石で加圧し、上
側砥石からグラインド加工用の水溶性研削液を一定量供
給しながら、研削加工機を回転することによりブランク
表面を砥粒により研削除去し、目的の板厚まで加工する
ことによりおこなわれる。
【0004】サブストレート加工後はサブストレート表
面に膜厚5〜20μm程度のNi−Pメッキを施して更
に遊離砥粒を含んだ研磨液を供給しながらクロスポリッ
シング加工を行ってメッキ面を研磨し、Ni−Pメッキ
基盤を作成する。
【0005】このNi−Pメッキ基盤を作成した後、最
後に磁性膜をスパッタリングにて付与して磁気ディスク
は完成する。
【0006】近時、磁気ディスクの高記録密度化の要求
がますます高くなり、磁気ヘッドの浮上量を小さくする
傾向にある。このため、磁気ディスクの表面粗度を小さ
くする必要がある。その一環としてNi−Pメッキ前の
サブストレート表面の粗度を低下させる要求が高まって
いる。その一方でHDDの低価格化の影響により、サブ
ストレートの製造コストを低減するため、製品歩留まり
を向上させるという要望がある。
【0007】このような背景の下で、グラインド加工用
の研削液としては、従来、水溶性の脂肪酸塩、脂肪酸ア
ミド、アルキルリン酸エステル塩、アルカノールアミン
を主成分としたものを、水に希釈して使用されていた。
そして、加工が終わった研削液は排水処理槽へ運ばれ、
硫酸バンド等に代表される凝集剤及び凝集助剤を添加さ
れ、排水の中に含まれる研削液の成分を凝集沈殿させて
液中から取り除き、法律等で定められた排水に関する規
制値を下回っていることが確認された後、排水処理され
る。
【0008】しかし、これらのグラインド加工用の研削
液では磁気ディスクの高密度化の要求にともない、サブ
ストレート表面の粗度の低下に対して十分な性能を示す
ものでは無かった。そこで、潤滑性が高いノニオン系の
界面活性剤などの使用が試みられるようになり、これら
のものはサブストレート表面の粗度の低下に対して効果
が認められた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ノニオン系の界面活性剤は凝集処理による排水処理が困
難であり、処理後の排水が高CODを示し、上述の方法
では処分できないという欠点を有している。
【0010】サブストレート表面の粗度の低下 グラインド加工後、サブストレートの表面粗度が大きい
場合、Ni−Pメッキ後の粗度も大きくなることが分か
っている。粗度が高いサブストレートを使用することで
粗度が大きくなってしまったNi−Pメッキ後の基盤
で、高記録密度化対応の低粗度磁気ディスクを製造する
には、ポリッシュ工程で、ポリッシュにかける時間を長
くする必要があり、磁気ディスクの生産性の劣化を招
く。
【0011】サブストレート表面の微小疵(以下、ス
クラッチという)の低減 スクラッチはサブストレート加工中にアルミニウム合金
板の研削屑、脱落した砥石の砥粒、及び研削機の錆びた
部分の鉄粉などが、加工中のサブストレートの表面を擦
ることにより発生する。スクラッチのあるサブストレー
トは不良品として捨てられるため、生産歩留りを低下さ
せ、生産性を劣化させる原因になる。
【0012】凝集沈殿法による排水処理性が良好 排水処理方法には凝集沈殿方式のほか、バクテリアによ
る微生物分解の方法があり、これなら高CODの廃液で
も処理が可能である。しかしながら、その方法は処理コ
ストがかかること、廃液処理の時間がかかり、単位時間
に限られた量の廃液しか処理できないこと等の問題点が
あり、生産性及び処理コストの面で凝集沈殿法に及ばな
い。
【0013】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、加工後のサブストレートの品質が良好であ
ると共に、生産性が高く、処理コストが低い磁気ディス
ク基盤用アルミニウム合金板用研削加工液及び研削加工
方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、前記目
的を達成するため磁気ディスク基盤用アルミニウム合金
研削用研削液について研究を重ねた結果、以下のカルボ
ン酸塩を有するポリエーテル系化合物である一般式
(1)で示される化合物(A)を基剤とし、炭素数8〜
18の分岐脂肪酸(B)を含有してなることを特徴とす
る磁気ディスク用アルミニウム基盤研削用加工液によ
り、本願発明の目的を達成できることを見いだした。
【0015】 R[O−{(AO)p/(CH2CH2O)q}−Q]r …(1) 但し、式中、Rは炭素数1〜22の炭化水素基 Qは−CH2COOM又は−CH2CH2COOM Aは炭化水素3〜4のアルキレン基 pは10〜300の整数 qは0又は1〜40の整数 rは1又は2 Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアミン塩 {(AO)p/(CH2CH2O)q}はランダム付加又は
ブロック付加である。
【0016】本発明において、一般式(1)で示される
化合物(A)としては、水酸基を有する化合物数(a)
のアルキレンオキサイド付加物に更にプロピオン酸塩又
は酢酸塩を付加したものがあげられる。このようなアル
キレンオキサイド付加物としては、例えば、下記〜
に示すものがある。
【0017】プロピレンオキサイド(PO)又はブチ
レンオキサイド(BO)を単独付加したもの POとBOをランダム付加又はブロック付加したもの 又はに更にエチレンオキサイド(EO)をブロッ
ク付加したもの POとBOとEOをランダム付加したもの EOと共に他のアルキレンオキサイドを用いる付加様式
は、ランダム付加でもブロック付加でもよい。
【0018】水酸基を有する化合物(a)としては、一
価又は二価のアルコール、フェノール、アルキルフェノ
ールがあげられる。例えば、アルコールとしてはメチル
アルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、
ブチルアルコール、ヘプチルアルコール、ヘキシルアル
コール、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、パ
ルミチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリル
アルコールなどの一価アルコールと、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルアルコール、
ヘキサメチレングリコールなどの二価アルコールがあ
る。また、フェノールとしては、ビスフェノール、クレ
ゾールなどがある。アルキルフェノールとしては、オク
チルフェノール、ノニルフェノール、カテコール、レゾ
ルシノールなどがあげられる。なお、これらのうち、炭
素数8〜18の一価又は二価アルコール類を使用するこ
とが好ましい。
【0019】(A)としては、好ましくは一価アルコー
ルのPO・EOブロック付加体の酢酸塩付加物及びプロ
ピオン酸塩付加物、一価アルコールのPO/EOランダ
ム付加体に酢酸塩付加物及びプロピオン酸塩付加物、二
価アルコールのPO・EOブロック付加体に酢酸塩及び
プロピオン酸塩付加物、二価アルコールのPO付加体に
酢酸塩及びプロピオン酸塩付加物、二価アルコールのP
O/EOランダム付加体に酢酸塩及びプロピオン酸塩付
加物、アルキルフェノールのPO/EOランダム付加体
に酢酸塩付加物及びプロピオン酸塩付加物である。特に
好ましくは、一価アルコール類のPO・EOブロック付
加体にプロピオン酸塩又は酢酸塩付加物である。
【0020】一般式(1)におけるAは、炭素数3乃至
4のアルキレン基であり、例えば、プロピレンオキサイ
ド、1.2−ブチレンオキサイド、インブチレンオキサ
イド、2.3−ブチレンオキサイドがあげられる。
【0021】pはアルキレンオキサイドの付加モル数を
表し、10〜300の整数であり、好ましくは、20〜
100である。pが10未満であると、サブストレート
の研削加工性が悪くなり、生産を劣化させ、300を超
えると粘性が大きくなり、取扱いが難しくなる。
【0022】qはエチレンオキサイドの付加モル数を表
し、qは0又は1乃至40の整数である。好ましくは、
qは0又は1乃至15である。qが40を超えると、凝
集沈殿処理性が悪くなる。qが2以上の場合のアルキレ
ンオキサイドの付加形式は、単独付加でも、EO、PO
及びBOからなる群から選択された2種類以上のランダ
ム付加又はブロック付加でもよい。好ましくは、PO付
加へのEOのブロック付加である。rは1又は2の整数
である。
【0023】本発明の化合物(A)の重量平均分子量
は、通常、800乃至15000であり、好ましくは1
000乃至5000である。化合物(A)の重量平均分
子量が800未満ではサブストレートの研削加工性が悪
くなり生産を劣化させ、15000以上では粘度が大き
くなり、取扱が難しくなる。
【0024】一般式(1)の化合物(A)の製法として
は、例えば、ラウリルアルコールにプロピレンオキシド
等のアルキレンオキシドを付加重合させ、苛性ソーダの
存在下でクロル酢酸Na又はクロルプロピレン酸Naで
カルボキシルアルキル化させ水洗又はろ過などにより脱
食塩して得られる。又は、例えはへキサメチレングリコ
ールのEO/POランダム付加体にアクリルニトリルを
付加させ、過酸化水素等で酸化することにより水和アミ
ド化した後、KOH等のアルカリで過水分解させてカル
ボン酸塩含有のポリエーテルを得る。
【0025】本発明の分岐脂肪酸(B)としては、炭素
数が通常8乃至22、好ましくは8乃至20の飽和又は
不飽和の分岐脂肪酸であり、例えはイソノナン酸、イソ
デカン酸、2−エチルヘキサン酸、イソトリデシル酸、
イソステアリン酸等が上げられる。これらのうち、好ま
しくは、イソノナン酸である。
【0026】一般式(1)の化合物(A)と分岐脂肪酸
(B)との割合は、重量比で通常70/30〜99/1
であり、好ましくは、80/20〜95/5である。化
合物(A)/分岐脂肪酸(B)が70/30未満では潤
滑性が不足し、加工後のサブストレートの粗度が大きく
なり、99/1を超えると研削液の防錆性が悪くなり、
研削機に使用されている鉄製部品の寿命が低下するのみ
ならず、発生した錆が研削液の中に入り、サブストレー
トのスクラッチの原因となる。
【0027】以上の成分を含むアルミニウム合金板用研
削加工液は粗度の低減に効果があるポリエーテル系化合
物を使用しているのみならず、凝集沈殿法による廃液処
理が可能である。また上記成分は研削加工中にアルミニ
ウム表面に吸着し易いため、表面に厚い油膜をつくり、
それが、スクラッチの原因となる砥石から脱落した砥粒
及びアルミニウムの研削屑が、被加工中のサブストレー
トを傷つけることを防止する。なお、研削中に吸着した
研削液の成分は、サブストレート加工後の洗浄工程時に
除去することができるため、後工程で問題をおこすこと
はない。
【0028】なお、本発明のアルミニウム合金板用研削
加工液はそれ自体で十分な性能を具備しているが、必要
により、本発明の成分以外に、他の油性向上剤、防錆
剤、消泡剤又は防腐剤等を配合し、ソリューション型の
アルミニウム基板用研削加工液として、水に希釈して使
用することができる。また、水を含有する潤滑剤に溶解
又は分散させることによって使用することも可能であ
る。
【0029】防錆剤としては、例えば、有機アミン(モ
ノエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリ
ン、シクロへキシルアミン、N−ジメチルアミノエタノ
ールアミン、イソブロパノールアミン、ブチルアミン、
オクチルアミン、ラウリルアミン、オレイルアミン
等);有機アミン誘導体(上記アミンのアルキレンオキ
シド付加物等):脂肪族カルボン酸(カプリル酸、ラウ
リル酸、デカン酸、オレイン酸等);二塩基酸(アゼラ
イン酸、セバシン酸、ドデカン2酸、ダイマー酸等);
アルケニルコハク酸(オクテニルコハク酸、ドデセニル
コハク酸、ペンタデセニルコハク酸等):芳香族カルボ
ン酸(安息香酸、p−tert.ブチル安息香酸、ニト
ロ安息香酸等)等のアミン塩、アルカリ金属塩、シクロ
ヘキシルアミンナイトライト又はベンゾトリアゾール等
があげられる。
【0030】防腐剤としては、トリアジン系防腐剤又は
チアゾリン系防腐剤等があげられる。
【0031】油性向上剤としては、前述の脂肪族カルボ
ン酸、アルケニルコハク酸及びこれらのアミド化合物が
あげられる。
【0032】消泡剤としては、シリコン系消泡剤があげ
られる。
【0033】次に、本願発明の加工方法における数値限
定理由について説明する。多孔質砥石から磁気ディスク
基盤用アルミニウム合金板の研削面に印加される加圧力
を30g/cm2以上150g/cm2未満とする。加圧
力が30kg/cm2未満では加圧力が低いため、砥石
の砥粒がアルミニウム合金板の表面に食い込まず、研削
速度が低下し、サブストレートの生産性が劣化する。1
50kg/cm2以上の加圧力が印加されると、逆に砥
粒が大きくアルミニウム合金板の表面に食い込むため、
加工後のアルミニウム表面の凸凹が大きくなり、粗度が
高くなる。
【0034】研削液の希釈率は0.03%以上、1%未
満に規定することが好ましい。この希釈率とは、研削液
中に占める水以外の有効成分の割合(重量%)である。
希釈率が0.03%未満では有効成分が少なく、潤滑性
が劣化し、製品サブストレートの粗度が高くなる。ま
た、油膜の形成が充分に行われず、スクラッチの低減効
果が少なくなる。一方、希釈率が1%以上では、粗度低
減効果・スクラッチの低減効果が飽和するのみならず、
潤滑性が向上しすぎるため、砥粒が加工中のサブストレ
ート表面に食い込まず、研削速度が低下する。
【0035】
【実施例】次に、本願発明の実施例について本願発明の
範囲から外れる比較例と比較して説明する。 [第1実施例]先ず、本願発明に係る研削加工液の実施
例について説明する。実施例1乃至7及び比較例1乃至
5の研削加工液を以下のようにして製造し、評価を行っ
た。即ち、以下の(A−1)乃至(A−7)のカルボン
酸塩を有するポリエーテル系化合物を使用し、下記表1
に示すような分岐脂肪酸との併用で、アルミニウム合金
基板の研削加工液を作成した。
【0036】<カルボン酸塩を有したポリエーテル> (A−1):ポリプロピレングリコール(数平均分子
量:1700)にEO10モル付加させ、クロル酢酸N
aで力ルボキシルメチル化したもの。 (A−2):ブタノールにPO/E0(重量比:70/
30)をランダムに30モル付加させ、クロル酢酸Na
でカルボキシルメチルしたもの。 (A−3):オレイルアルコールに先ずPOを30モル
付加させた後に、更にEOを10モルブロック付加さ
せ、クロル酢酸Naでカルボキシルメチル化したもの。 (A−4):オクチルアルコールに、POを45モル、
EOを15モルランダムに付加させ、クロルプロピオン
酸Naで力ルボキシルエチル化したもの。 (A−5):ポリプロピレングリコール(数平均分子
量:3000)にアクリルニトリルを付加し、過酸化水
素により水和アミド化させ、KOHで加水分解させたも
の。 (A−6):へキシレングリコールに、先ず、POを3
0モルとEOを10モル付加した後、アクリルニトリル
を付加し、過酸化水素により水和アミド化させ、KOH
で加水分解させたもの。 (A‐7):ノニルフェノールに、PO/EO(重量
比:70/30)をランダムに30モル付加した後、ア
クリルニトリルを付加し、過酸化水素で水和アミド化さ
せ、KOHで加水分解したもの。
【0037】<比較例のポリエーテル> (C−1):n−ブタノールのEO/PO(重量比:5
0/50、数平均分子量:2500)。 (C−2):ポリプロピレングリコールにEOを30モ
ル付加させたもの。 (C−3):ノニルフェノールにEOを20モル付加さ
せたもの。
【0038】カルボン酸塩を有したポリエーテル(A−
1)〜(A−7)と分岐脂肪酸を用いた実施例1〜7
(本発明のアルミニウム基板用研磨加工液)と、(C−
1)〜(C−3)を用いた比較例1〜3と、分岐脂防酸
を併用しない比較例4とを下記表1に示す。また比較例
として現在市販されている研削液を比較例5として示
す。
【0039】
【表1】
【0040】本発明で規定された化合物(A−1)〜
(A−7)を使用した実施例1〜7のアルミニウム基盤
用研削加工液及び比較例1〜5の加工液を、1%水溶液
として、研削加工した後の製品サブストレートの表面粗
度とスクラッチ発生率及び凝集沈殿による廃液処理性
(COD)を測定した。
【0041】図1は本実施例で使用した研削機を示す模
式図、図2はそのA−A方向にみた平面図である。研削
機1の下定盤3は、回転及び昇降可能に保持されてお
り、かつその上面にドーナツ状の砥石2が取り付けられ
ている。上定盤5は、下定盤3の上方位置に下定盤3と
同軸上で対向するように配置されている。また、この上
定盤5は回転及び昇降可能に保持されており、その下面
にドーナツ状の砥石4が取り付けられている。砥石2、
4の間には、その軸芯位置に太陽歯車7が配置されてお
り、太陽歯車7の径方向外方位置には、内歯歯車9が太
陽歯車7と同心状に配置されている。また、ワークキャ
リア6は内歯歯車9と太陽歯車7の両歯車に噛合された
状態で砥石2、4の間に保持されるようになっている。
【0042】そして、ブランク8をワークキャリア6の
保持孔6aに配置し、ブランク8を砥石2、4に押し当
てた状態で、実施例及び比較例の研削液を供給しなが
ら、太陽歯車7を回転駆動することにより、ワークキャ
リア6を自転させつつ、太陽歯車7の回りで公転させ、
更に定盤1、3を相互逆方向に回転駆動することによ
り、ブランク8の両面の研削加工をおこなう。なお、本
試験で用いた研削機では、1バッチの研削でサブストレ
ートを16個製造することができる。なお、本発明の対
象は上記遊星歯車機構式の研削機に限定されるものでは
ない。
【0043】研削条件は以下に示すとおりである。
【0044】研削条件 砥石 ;市販のPVA砥石、砥粒#4000 研削液 ;表1の研削液を1%水道水で希釈 加圧力 ;20g/cm2で1分間一次加工した後、6
0g/cm2で所定の板厚まで二次加工を行う。
【0045】 使用材料;JIS5086 サイズ ;3.5インチのブランク 板厚 ;加工前0.83mm、加工後0.78mm 加工枚数;各条件に付き、80枚(5バッチ)加工 その他 ;1つの研削液のテストが終了すると、次にテ
ストする研削液を砥石に供給しながら、研削装置を5分
間ほど空回転させることにより、前回テストした研削液
を砥石から除去してから試験した。
【0046】(1)粗度 研削試験にて製造されたサブストレートを各実施例及び
比較例について無作為に10枚サンプリングし、市販の
触針式接触法による粗度計を使用してRaを測定した。
評価はRaの平均値により行い、平均が200Å未満の
ものを合格(○)とした。
【0047】(2)スクラッチ発生率 各条件につき製造したサブストレートを全て目視検査
し、スクラッチが発生しているサブストレートの数をカ
ウントした。評価はスクラッチの発生率で調査し、発生
率が10%未満(8枚未満)のものを合格(〇)とし
た。サブストレート表面のスクラッチの発生率を調査し
た。
【0048】(3)凝集沈殿処理性 1%水溶液にポリ塩化アルミニウム(無機系凝集剤)を
3000ppm添加した。次に、水酸化カルシウムで希
釈液のpHを6〜8に調整した後、高分子凝集剤:サン
フロックAH−200P(三洋化成工業(株)製)を2
ppm添加した。最後に、沈殿物をろ別し、ろ過した液
体をJIS K 102 17に従ってCOD値を測定
し、1000以下のものを合格(〇)とした。これらの
試験結果を下記表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】この表2から明らかなように、実施例1乃
至7の研削加工液の場合は、処理後のCODも低く、表
面粗度も十分に小さく、また、スクラッチも少ないた
め、低粗度のサブストレートを低いスクラッチ発生率で
製造することができ、同時に凝集沈殿による排水処理が
容易であることがわかる。これに対し、比較例1乃至5
の研削加工液の場合は、少なくとも上記特性のいずれか
が劣るものであった。 [第2実施例]次に、本願発明の研削加工方法の実施例
についてその比較例と比較して説明する。下記表3は実
施例及び比較例の加工条件を示す。研削液は第1実施例
の実施例3を用いた。
【0051】
【表3】
【0052】表3に示すように、9種類の加工条件でサ
ブストレートを加工し、各加工条件における製品サブス
トレートの粗度、平坦度、研削速度を夫々測定した。こ
の測定結果を下記表4に示す。
【0053】(1)粗度 粗度の測定方法は第1実施例と同一であり、評価は以下
のとおりである。 150Å未満 〇 200Å未満150Å以上 △ 200Å以上 ×
【0054】(2)研削速度 研削加工前後の供試ブランクを1枚選択し、その重量を
電子天秤で測定し、研削前後の重量を夫々測定し、その
重量差から計算した。1バッチ毎に測定した。評価は5
バッチの平均でおこない、以下のとおりとした。 15μm/min以上 ○ 15μm/min以上、10μm/min以下 △ 10μm/min以下 ×
【0055】(3)平坦度 市販のレーザー干渉計による平坦度測定器にて測定し
た。各実施例及び比較例について、無作為に10枚のサ
ブストレートを抽出して測定した。評価は、10枚の平
均値が5μm以下のものを合格とした。 5μm未満 ○ 5μm以上、6μmm未満 △ 6μm以上 ×
【0056】
【表4】
【0057】この表4に示すように、本発明の実施例に
係る研削加工方法の場合は、研削速度を低下させること
なく、サブストレートの品質(粗度・平坦度)を維持す
ることができることがわかる。これに対し、比較例の場
合は、粗度又は平坦度が悪いか、又は研削速度が低いも
のであった。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る磁気
ディスク基盤用アルミニウム合金板用研削加工液は、研
削加工後のアルミニウム合金板の粗度を低下させること
ができ、凝集沈殿による廃水処理性が良好であり、か
つ、油性効果によるスクラッチの低減効果を有している
ため、磁気ディスク基盤用アルミニウム合金の研削加工
液として良好な性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にて使用した研削機を示す模式
図である。
【図2】同じくそのA−A方向にみた平面図である。
【符号の説明】
1:研削機 2、4:砥石 3:下定盤 5:上定盤 6:ワークキャリア 7:太陽歯車 8:ブランク 9:内歯歯車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/304 622 H01L 21/304 622C // C10N 20:04 40:22 (72)発明者 今井 堯一 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 成瀬 公一 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で示される化合物(A)と、
    炭素数8乃至22の分岐脂肪酸(B)とを含有すること
    を特徴とする磁気ディスク基盤用アルミニウム合金板用
    研削加工液。 R[O−{(AO)p/(CH2CH2O)q}−Q]r 但し、Rは炭素数1〜22の炭化水素基、Qは−CH2
    COOM又は−CH2CH2COOM、Aは炭化水素3乃
    至4のアルキレン基、pは10乃至300の整数、qは
    0又は1乃至40の整数、rは1又は2、Mはアルカリ
    金属、アルカリ土類金属又はアミン塩、{(AO)p/
    (CH2CH2O)q}はランダム付加又はブロック付
    加。
  2. 【請求項2】 前記化合物(A)/分岐脂肪酸(B)が
    重量比で70/30乃至99/1であることを特徴とす
    る請求項1に記載の磁気ディスク基盤用アルミニウム合
    金板用研削加工液。
  3. 【請求項3】 前記化合物(A)の数平均分子量が80
    0乃至15000であることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の磁気ディスク基盤用アルミニウム合金板用研
    削加工液。
  4. 【請求項4】 研削液中に占める水以外の有効成分の割
    合である希釈率(重量%)が0.03%以上、1%未満
    であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項
    に記載の磁気ディスク基盤用アルミニウム合金板用研削
    加工液。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の研削加工液を磁気ディ
    スク基盤用アルミニウム合金板の研削加工面に供給しつ
    つ、前記アルミニウム合金板を多孔質砥石で挟み込んで
    加圧し、磁気ディスク基盤用アルミニウム合金板と多孔
    質砥石とを相対運動させることによって、砥石で磁気デ
    ィスク基盤用アルミニウム合金板を所定の板厚まで研削
    加工する工程を有し、多孔質砥石から磁気ディスク基盤
    用アルミニウム合金板の表面にかかる加圧力が、30g
    /cm2以上150g/cm2未満であることを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気ディスク
    基盤用アルミニウム合金板の加工方法。
  6. 【請求項6】 研削液中に占める水以外の有効成分の割
    合である希釈率(重量%)が砥石に供給する際に0.0
    3%以上、1%未満であることを特徴とする請求項5に
    記載の磁気ディスク基盤用アルミニウム合金板の加工方
    法。
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