JPH11209292A - 皮膚疾患治療剤 - Google Patents

皮膚疾患治療剤

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JPH11209292A
JPH11209292A JP2510398A JP2510398A JPH11209292A JP H11209292 A JPH11209292 A JP H11209292A JP 2510398 A JP2510398 A JP 2510398A JP 2510398 A JP2510398 A JP 2510398A JP H11209292 A JPH11209292 A JP H11209292A
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Japan
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water
hydrochloric acid
therapeutic agent
electrolyzed water
electrolytic
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JP2510398A
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Inventor
Hiroki Hayasawa
宏紀 早沢
Makoto Kato
良 加藤
Hiroshi Iwamoto
洋 岩本
Teiichi Nakamura
悌一 中村
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 治療の際に患者に、痛み、痒み、その他の苦
痛を与えることがなく、医療現場においても好適に使用
できる皮膚疾患治療剤を提供する。 【解決手段】 ナトリウムイオン濃度が200ppm以
下、pH値が5.6〜6.8の範囲である電解水からな
る皮膚疾患治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚疾患治療剤に
関する。更に詳しくは、本発明は、ナトリウムイオン濃
度が低く、pH値が中性付近である電解水からなる皮膚
疾患治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚疾患に対しては種々の外用療法が行
われているが、これは外用剤を経皮的に投与して病変の
治癒をはかる治療法であり、患部に選択的に薬剤を投与
できるので、薬剤の作用の調節が容易であり、また患部
の変化を観察しながら治療できるので、皮膚疾患の治療
法としては主流をなしている。
【0003】このような外用療法における外用剤として
は、例えば、ステロイド外用剤、抗真菌剤、抗生物質等
が知られており、外用療法においては、これらの外用剤
を皮膚疾患の患部に直接接触させる(西岡清著、「皮膚
外用剤の選び方と使い方」改定第2版、株式会社南江
堂、1992年)。
【0004】近年、これらの外用剤の副作用が問題視さ
れており、例えば、アトピ−性皮膚炎の治療において
は、前記副腎皮質ステロイド外用剤を塗布し、また抗ヒ
スタミン剤を内服させることが行われるが、このような
治療法においては、副腎機能及び免疫力の低下等の副作
用が生じることが知られている。このために、最近で
は、副作用のない外用療法として、電解水を使用する方
法が提案されており、殺菌作用を有する電解水を利用し
て皮膚疾患を治療する臨床試験が試みられている(芝紀
代子ら著、「強電解水ハンドブック」、医学情報社、平
成7年)。
【0005】従来、皮膚疾患の治療に使用される電解水
は、例えば、特開平1−180293号に開示された技
術(以下、従来技術1と記載する。)により製造される
ものであった。この技術においては、食塩を添加した水
を隔膜付きの電解槽に通水し、これを電気分解し、陰極
側に生成する強酸性水を電解水として取得するものであ
り、この電解水のpHは1.5以上3.2以下であり、
単なる低pH液に比して殺菌効果が高いとされている。
【0006】また、特許第2627100号に開示され
た技術(以下従来技術2と記載する。)によって製造さ
れる電解水は、塩化ナトリウムを添加した水と、塩酸を
添加した水とを混合し、これを無隔膜電解槽によって電
気分解して得られるものであり、この塩化ナトリウムを
添加した水は、電解する際の電解効率を上げるために不
可欠の添加物とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術1により製造された電解水は、pH1.5以上
3.2以下の強酸性水であるため、皮膚疾患治療剤とし
て患部に接触させた場合には、患部を極度に刺激し、患
者に痛み、痒み、その他の苦痛を与えるという問題点が
あった。
【0008】また、前記従来技術1及び従来技術2によ
り製造された電解水は、いずれも食塩を含有しているの
で、患部に接触させた後、水分が蒸発すれば、時間の経
過とともに濃縮されることになり、結局、食塩が患部を
刺激し、患者に痛み、痒み、その他の苦痛を与えるとい
う問題点があった。
【0009】また、前記従来技術1及び2により製造さ
れた電解水は、食塩を含有しており、特に従来技術1の
電解水は低pHであるため、いずれも金属を腐食する性
質があり、医療現場にて使用されるステンレス机、ピン
セット、鉗子等の金属器具の腐食等の問題があった。
【0010】換言すれば、従来の電解水を外用剤として
使用した場合には患者に苦痛を与えることになり、また
医療現場での使用は望ましくなかったのである。
【0011】本発明の目的は、実質的にナトリウムを添
加せず、ほぼ中性のpHを有する電解水からなる皮膚疾
患治療剤であって、患者に、痛み、痒み、その他の苦痛
を与えることがなく、医療現場においても好適に使用で
きる皮膚疾患治療剤を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、ナトリウムイオン濃度が200ppm以
下、pHが5.6〜6.8の範囲である電解水からなる
皮膚疾患治療剤、である。
【0013】また、前記本発明は、電解水が、塩化ナト
リウムを含有しない水に塩酸を添加し、塩酸添加水を無
隔膜電解槽に通水し、通水した塩酸添加水を電気分解
し、取得した電気分解水を水で希釈し、製造されるこ
と、及び、皮膚疾患が、外科的疾患、湿疹様疾患、寒熱
性若しくは放射線皮膚疾患、真菌性皮膚疾患、又は動物
性皮膚疾患の中のいずれかであること、を望ましい態様
としている。
【0014】次に本発明について詳記する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、前記従来技術1及び2
とは異なる電解水を使用するものである。即ち、本発明
の皮膚疾患治療剤は、ナトリウムイオン濃度が、一般的
な上水の水質基準である200ppm以下、より好まし
くは10ppm以下の電解水からなることを一つの特徴
としている。また、電解水は、水を電気分解して得られ
るが、従来の電解水は、電解効率を上昇させるために塩
化ナトリウムを添加することが常識であった。即ち、ナ
トリウムイオン濃度が200ppm以下の電解水を皮膚
疾患の治療に使用するという着想は従来知られていなか
ったものである。
【0016】本発明の電解水は、食塩を添加していない
ので、金属を腐食する性質がない。従って、皮膚疾患治
療剤として医療現場で取り扱った場合でも、医療器具を
腐食する可能性がなく、長期間にわたって安全に使用す
ることができるのである。
【0017】また、前記従来技術1又は2の電解水から
なる皮膚疾患治療剤にあっては、医療現場で取り扱った
際に電解水が飛散し、これが乾燥して塩の結晶の汚れが
点在する状態になるが、このような結晶の汚れは除去す
ることが困難であった。本発明の電解水は、食塩を添加
していないので、このような汚れが発生することがな
く、この点においても、医療機関で使用するのに適して
いる。
【0018】また、本発明の皮膚疾患治療剤はpH値が
5.6〜6.8である中性付近の電解水からなることを
他の一つの特徴としている。
【0019】このような電解水を、皮膚疾患の患部に接
触させた場合、治療を有効に行うことができる。尚、こ
の場合の「接触」とは、患部に電解水を付着させる操作
であり、例えば、患部に電解水を塗布する操作、患部に
電解水を噴霧する操作、患部に電解水を振り掛ける操
作、患部を電解水中に浸漬する操作等が包含される。
【0020】本発明の皮膚疾患治療剤は、pHが中性付
近である電解水であるから、前記従来技術1の電解水
(強酸性)のように皮膚を刺激することがない。また、
食塩を含有していない電解水であるから、前記従来技術
1及び2の電解水のように、接触後に時間の経過ととも
に皮膚を刺激することもない。即ち、本発明の皮膚疾患
治療剤は、前記従来技術1及び2の場合のように、治療
の際に患者に苦痛を与えることがないのである。
【0021】このような電解水は、次の手順で製造され
るものであることが望ましい。
【0022】即ち、まず、塩化ナトリウムを含有しない
水に塩酸を添加し、塩酸添加水を調整する。ここに
「水」とは、水道水、地下水、伏流水、脱塩水、蒸留
水、精製水(RO水、膜処理水)、これらの混合水等で
あって、実質的に塩化ナトリウムを含有しないものを意
味している。「塩化ナトリウムを含有しない」とは、人
為的に塩化ナトリウムを添加することがないという意味
である。尚、本発明においては、塩化ナトリウムのみな
らず、全般的にアルカリ金属塩化物は添加しないことが
望ましい。
【0023】前記の塩酸添加水を無隔膜電解槽に通水
し、電気分解して電気分解水を取得する。無隔膜電解槽
であるため、電気分解した後に陰極水及び陽極水が分離
されることがなく、一括して電気分解水として取得する
ことができる。この電気分解水には、当然のことながら
塩化ナトリウムは全く添加されておらず、換言すれば、
ナトリウムイオン濃度が、前記「水」に含有されていた
ナトリウムイオン濃度を越えることがない。即ち、ナト
リウムイオン濃度200ppm以下となるのである。
【0024】以上の操作は、例えば、市販の電解水製造
装置であるピュアスタ−(商標。森永エンジニアリング
社製)に、21%(重量。以下、特に断りのない限り同
じ。)又は3%の濃度の塩酸を貯留したタンクを設置
し、塩酸と水道水とを供給し、連続的に電気分解するこ
とにより行うことが可能である。
【0025】得られた電気分解水は希釈してpHを5.
6〜6.8の範囲の電解水に調整する。このようにして
得られた電解水は、塩化ナトリウムが添加されておら
ず、しかもpHはほぼ中性の付近にあり、前記従来技術
1又は2による電解水に比して、より自然水に近い物性
を有しているのである。
【0026】以上のような本発明の皮膚疾患治療剤を適
用する皮膚疾患は、外科的疾患、湿疹様疾患、寒熱性若
しくは放射線皮膚症、真菌性皮膚疾患、又は動物性皮膚
疾患の中のいずれかであることが望ましい。
【0027】外科的疾患は、皮膚に対する物理的障害に
よる疾患であり、褥瘡(床ずれ)の他、切り傷、擦り傷
等の外傷であり、湿疹様疾患は、湿疹・皮膚炎に類する
疾患であり、アトピ−性皮膚炎、アレルギ−性皮膚炎、
接触皮膚炎、おむつかぶれ、にきび、あせも、その他各
種湿疹を包含するものである。また、寒熱性若しくは放
射線皮膚疾患は、凍傷、火傷、放射線火傷、日光皮膚
炎、ひび、あかぎれ等であり、真菌性皮膚疾患は、白癬
菌による各種疾患、例えば水虫、頑癬(インキンタム
シ)等、並びに分芽菌(カンジダ)による各種疾患、例
えば皮膚カンジダ症等であり、動物性皮膚疾患は、蚊、
蚤、ダニ、蜂等による虫さされの他、毒蛾皮膚炎、くら
げ、毒魚等による刺傷を包含する。
【0028】これらの皮膚疾患の中で、特に痛みを伴う
皮膚疾患については、本発明の皮膚疾患治療剤は好適に
使用することができる。即ち、後記試験例に記載したよ
うに、アトピ−性皮膚炎等の湿疹様疾患、褥瘡(床ず
れ)等の外科的疾患、火傷等の寒熱性又は放射線皮膚疾
患に特に好適である。
【0029】次に、試験例を示して、本発明を詳細に説
明する。
【0030】試験例1 この試験は、電解水と次亜塩素酸ソ−ダ溶液に関し、各
々の抗炎症効果を比較するために行った。
【0031】1)試料の調製 後記実施例1と同一の装置及び同一の条件により製造し
た電解水(有効塩素濃度30ppm)を本発明の試験試
料とした。
【0032】また、前記従来技術1を模して隔膜付きの
回分式電解槽を試作し、食塩水を電気分解して、陰極側
に生成した水を採取し、pH2.1、食塩濃度0.05
g/l、有効塩素濃度30ppmの電解水を製造し、こ
れを対照試料1とした。また、前記従来技術2を模して
回分式の無隔膜電解槽を試作し、これに塩酸を添加した
食塩水を貯留し、電解することによりpH5.8、食塩
濃度0.03g/l、有効塩素濃度30ppmの電解水
を製造し、これを対照試料2とした。
【0033】さらに、市販の次亜塩素酸ソ−ダを水に溶
解し、pH8.7、有効塩素濃度30ppmの次亜塩素
酸ソ−ダ溶液を調製し、対照試料3とした。
【0034】2)試験方法 ハ−トレイ系モルモット(オス、体重300〜400
g)25匹を1週間程予備飼育し、のち各々背部を除毛
し、24時間後にアラキドン酸の1%アセトン溶液をガ
−ゼに含ませ、除毛部位に塗布して人工的に炎症を惹起
させた。
【0035】このモルモット各5匹を1群として第1群
〜第5群に分け、1時間間隔で各5回づつ、第1群には
炎症部位に試験試料を、第2群には炎症部位に対照試料
1を、第3群には炎症部位に対照試料2を、第4群には
炎症部位に対照試料3を、それぞれ塗布し、第5群は何
の処置も行わず、24時間後に各群の炎症の程度を比較
した。
【0036】3)試験結果 この試験の結果は次のとおりであった。即ち、第5群に
は激しい発赤が認められ、第4群は、第5群よりも激し
い発赤が認められ、この原因は次亜塩素酸ソ−ダ溶液が
アルカリ性であることによると推定された。
【0037】これに対して、第1群乃至第3群は、とも
に発赤が認められたが、いずれも第5群に比べて明らか
に軽減されており、中でも第1群は極めて軽微な発赤が
認められたのみであり、第2群及び第3群よりも発赤が
有為に軽減されていることが判明した。尚、各試験体の
間には特段の差異はなかった。
【0038】以上の結果から、電解水からなる皮膚疾患
治療剤は、単なる次亜塩素酸ソ−ダ溶液とは異なり抗炎
症効果が高く、また本発明の皮膚疾患治療剤は、前記従
来技術1及び2の電解水以上に抗炎症効果があることが
判明した。
【0039】尚、電解水の有効塩素濃度、pH、対照試
料1及び2の食塩濃度等を種々変更して同様の試験を行
ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0040】試験例2 この試験は、本発明の電解水と、前記従来技術1及び従
来技術2による電解水とを、皮膚疾患治療剤として使用
した場合に、患者に与える影響を比較するために行っ
た。
【0041】1)試料の調製 前記試験例1と同一の本発明の試験試料、並びに対照試
料1及び対照試料2を調製した。
【0042】2)試験方法 表1に示す各種の皮膚疾患に羅患しているボランティア
の被検者23人に対し、患部に各試料を塗布し、塗布直
後、被検者に痛みの程度を評価させ、次の判定基準によ
り痛みの程度を点数化した。 激しい痛みがある 0 点 若干の痛みがある 1 点 痛みがない 2 点
【0043】また同様に、3時間経過後における痛み・
痒み等の不快感の程度を、次の判定基準により点数化し
た。 激しい不快感がある 0 点 若干の不快感がある 1 点 不快感がない 2 点 以上の点数を合計し、平均点を算出した。
【0044】3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなとおり、いずれの疾患においても試験試料が、
対照試料1又は2よりも高い平均点が得られた。即ち、
試験試料は、対照試料1又は2よりも被検者に与える苦
痛が少なく、特にアトピ−性皮膚炎、褥瘡(床ずれ)、
及び火傷においてはこの傾向が顕著であった。
【0045】尚、補足すれば、対照試料1及び2につい
ては、患部に各試料を塗布後、時間の経過により、痛
み、痒み等を訴える被検者が多くなったのに対して、試
験試料については、ほぼ全ての被検者が何の異常も訴え
なかった。
【0046】この試験の結果、本発明の皮膚疾患治療剤
は、前記従来技術1の電解水に比して、患者に与える苦
痛が少ないという効果を奏し、特に、アトピ−性皮膚
炎、褥瘡(床ずれ)、及び火傷について、効果が大きい
ことが判明した。
【0047】尚、他の皮膚疾患についても試験を行った
が、ほぼ同様の結果を得られた。
【0048】
【表1】
【0049】試験例3 この試験は、本発明の電解水、並びに前記従来技術1及
び2の電解水の、金属腐食に与える影響を比較するため
に行った。
【0050】1)試料の調製 前記試験例1と同様に本発明の試験試料、並びに対照試
料1及び2を調製した。
【0051】2)試験方法 表2に示す4種の金属片(50mm×50mm×3m
m)を用意し、3台のプラスチック性トレイ(53cm
×34.5cm×深さ6cm)に試験試料並びに対照試
料1及び2を各々4lづつ貯留し、前記金属片の半分が
液面より上に露出し、かつ半分が液面より下に浸漬され
る形でクリップにより固定し、7日間放置した。尚、ト
レイ中の各種試料を7日間に5回交換し、7日経過後
に、各金属片を取り出し、表面の状態を観察した。
【0052】3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2にお
いて、◎は変化がなかったこと、○は極めてわずかに変
色が認められたこと、×は錆が発生し表面の腐食が明ら
かであったこと、をそれぞれ示している。
【0053】表2から明らかなとおり、アルミニウムに
ついては、試験試料は対照試料1又は2よりも腐食の程
度は少なく、即ち、極めてわずかに腐食する程度でであ
り、試験試料は、ステンレス系の金属(SUS304、
SUS316、SUS316L)を全く腐食しないこと
が認められた。
【0054】この試験の結果、本発明の皮膚疾患治療剤
は、前記従来技術1又は2の電解水に比して金属を腐食
する程度が少なく、特に医療現場で多く用いられている
ステンレス製の医療器具については、全く腐食すること
がなく、医療現場における使用が極めて有効であること
が判明した。
【0055】尚、電解水の有効塩素濃度、pH、対照試
料1及び2の食塩濃度等を種々変更して同様の試験を行
ったが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0056】
【表2】
【0057】次に、実施例を示して本発明を詳記する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0058】
【実施例】実施例1 最初に、本発明の皮膚疾患治療剤を製造する装置の一例
の構造を説明する。電解水生成システムである「ピュア
スタ−」(商標。森永エンジニアリング社製)は、水道
水蛇口より水を導入する水管路と、塩酸容器及び塩酸ポ
ンプが設けられた塩酸供給管路とを備えており、両管路
は合流し、無隔膜電解槽に至る。無隔膜電解槽の排出側
には電解水管路が設けられ、この電解水管路には、前記
水管路より分岐した希釈用水管路が合流する。希釈水用
管路が合流した後の電解水管路は、水素ガスを分離除去
するガス分離器を介して、末端に電解水の吐出口が形成
されている。
【0059】以上の構造を備えた「ピュアスタ−」によ
り、本発明の皮膚疾患治療剤を次のようにして製造し
た。
【0060】前記水管路を介して水道水蛇口より流量
6.7l/mで水道水を採取した。これとは別に、予め
21%濃度塩酸を貯留した塩酸タンクから、これを塩酸
ポンプによって流量1.2ml/mで塩酸配管に流し、
水道水と塩酸とを混合し、塩酸添加水を連続的に調製し
た。この塩酸添加水のpHは0.55であった。
【0061】無隔膜電解槽に15Aの条件で通電し、塩
酸添加水を電気分解し、電解水管路より電気分解水を排
出させた。
【0062】希釈水配管より水を流して合流し、電気分
解水を希釈し、ガス分離器を介して不要な水素ガスを除
去し、ナトリウムイオン濃度が30ppm、pH値が
6.7である電解水よりなる皮膚疾患治療剤を得た。
【0063】実施例2 出発原料として蒸留水を用いたことを除き、実施例1と
同一の装置及び同一の方法により電気分解を行い、ナト
リウムイオン濃度が0ppm、pH値が5.6である電
解水よりなる皮膚疾患治療剤を得た。
【0064】
【発明の効果】本発明の皮膚疾患治療剤は、pHがほぼ
中性付近であって食塩を添加しない電解水からなってい
るので、治療に使用した場合、患者に痛み、痒み、その
他の苦痛を与えることがなく、また、医療現場における
各医療機器を腐食することがないという優れた効果を奏
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 悌一 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社栄養科学研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナトリウムイオン濃度が200ppm以
    下、pHが5.6〜6.8の範囲である電解水からなる
    皮膚疾患治療剤。
  2. 【請求項2】 電解水が、塩化ナトリウムを含有しない
    水に塩酸を添加し、塩酸添加水を無隔膜電解槽に通水
    し、通水した塩酸添加水を電気分解し、取得した電気分
    解水を水で希釈し、製造される請求項1に記載の皮膚疾
    患治療剤。
  3. 【請求項3】 皮膚疾患が、外科的疾患、湿疹様疾患、
    寒熱性若しくは放射線皮膚疾患、真菌性皮膚疾患、又は
    動物性皮膚疾患の中のいずれかである請求項1又は請求
    項2に記載の皮膚疾患治療剤。
JP2510398A 1998-01-22 1998-01-22 皮膚疾患治療剤 Pending JPH11209292A (ja)

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