JPH11206899A - 防護マスク用の破過検知装置付吸収缶 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収缶の容積を増大させること無く、容易に
かつ正確に吸収缶の吸収能力を正確に検知する装置を有
する防護マスク用破過検知装置付吸収缶を提供する。 【解決手段】 フィルタ部２と吸収剤部３とからなる防
護マスクの破過検知装置付吸収缶であって、該吸収剤部
３に吸気経路とは別個のサンプリング用通路５を設け、
該通路５の一端を前記吸収剤部３のほぼ中心軸上に設置
して試料採取口とし、他端を吸収缶外に設置したセンサ
ーに接続するためのカプラ８を設けたことを特徴とする
防護マスク用の破過検知装置付吸収缶である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、防護マスク用の吸
収缶に関し、特に該吸収缶の吸収能力の低下を検知する
破過検知装置付吸収缶に関する。

【０００２】

【従来技術】防毒マスクなどの防護マスクの面口部には
環境空気中の有害物質を吸収する吸収缶が取り付けられ
ている。そして、この吸収缶は外側のフィルタと、その
内側のカーボン等の吸収剤が充填されている吸収剤部と
からなっている。

【０００３】環境空気はフィルタを通過する際に空気中
の塵埃が除去され、次いで、吸収剤部を通過する際に環
境空気中の有毒ガスが吸収され、これら有害物質が除去
された空気が着用者に供給される。

【０００４】しかし、この防護マスクを長時間にわたり
使用すると、吸収缶のガス吸収能カが次第に低下し、最
後には吸収缶の吸収能力が無くなり破過し、危険な状態
となる。

【０００５】従って、従来より使用中の吸収缶の吸収能
力をいろいろな方法で検知している。例えば、吸収剤の
質量を管理し、その重量変化で吸収能力を検知したり、
或いは吸収剤部を２層に分け、その中間部にセンサーの
ような物を挿入して検知したりしていた。

【０００６】しかしながら、吸収剤の重量変化によって
吸収能力を検知する前者の場合には、環境中の温湿度が
異なると、吸収剤が吸収してしまう水分量が異なり、こ
の吸収剤の重量変化は使用環境によって異なるため、正
確に検知することができなかった。また、重量変化によ
る管理では、吸収能力の低下を知るためには、マスクか
ら吸収缶を取り外さなければならなかった。後者の場合
には、センサーを挿入するため必然的に吸収缶が大きく
なる等の欠点があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
このような欠点を改良し、容易にかつ正確に吸収能力を
検知できる装置を設けた吸収缶について種々検討した結
果、本発明を完成したもので、本発明の目的は吸収缶の
容積を増大させること無く、マスクを装着して使用しな
がら容易にかつ正確に吸収缶の吸収能力を検知する装置
を有する防護マスク用吸収缶を提供する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本願発明の要旨は、フィ
ルタ部と吸収剤部とからなる防護マスク用の破過検知装
置付吸収缶であって、該吸収剤部に吸気経路とは別個の
サンプリング用通路を設け、該通路の一端を前記吸収剤
部のほぼ中心軸上に設置して試料採取口とし、他端を吸
収缶外に設置したセンサーに接続するためのカプラを設
けたことを特徴とする防護マスク用の破過検知装置付吸
収缶である。

【０００９】即ち、本発明においては吸収缶を透過する
空気を吸気とは別個のサンプリング用通路を設け、この
通路を通過した空気によって吸収缶の吸収能力の低下を
検知するので、吸収缶自体の体積及び質量の増加を低く
して、正確に検知することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、図面をもって本発明の防護
マスク用の破過検知装置付吸収缶を具体的に説明する。
図１は本発明の破過検知装置付吸収缶の一部断面の側面
図であり、図２は破過検知装置の側面図である。

【００１１】図面において、吸収缶の基部をなす缶体１
は、中間に隔板４が設けられ、この隔板４によって前方
（外側）と後方（面体側）とに２分されている。そし
て、前方（外側）にはフィルタ部２、後方（面体側）に
は吸収剤部３が設けられており、吸収剤部３には吸収剤
である活性炭が収容されている。

【００１２】また、吸収剤部３には、面体との接続部分
としての吸収経路とは別個にサンプリング用通路５が設
けられている。このサンプリング用通路５は、一端の吸
気側端部６が吸収剤部３の中心軸線上に到って試料採取
口をなし、他端の排気側端部７が缶体１（吸収剤部３）
の外側に通じている。そして、吸気側端部６には必要に
応じて吸気側端部６への吸収剤吸引を防止するためのサ
ブフィルタ１１がつけられており、排気側端部７には逆
止弁を内蔵したカプラ８が設置されている。

【００１３】破過検知装置は、図２に示されているよう
に、チューブ９が繋ながっており、その先端には前記サ
ンプリング用通路５の排気側端部７に設置されたカプラ
８に接続されるプラグ１０が設けられている。

【００１４】吸収缶の吸収能力を測定する場合には、カ
プラ８に対し、破過検知装置につながっているチューブ
９の先端にあるプラグ１０を接続する。

【００１５】このようにカプラ８とプラグ１０とを接続
した状態において、環境空気が吸収缶の外側より吸気さ
れると環境空気はフィルタ部２を通過し、続いて吸収剤
部３内を透過する。透過された空気の一部はサブフィル
タ１１を通過してサンプリング用通路５及びチューブ９
を通過し、この破過検知装置に到り、透過空気を分析す
ることによって吸収缶の吸収能力の低下（破過）を検知
する。

【００１６】また、破過検知装置を使用しないときは、
カプラ８を装着したままの状態で吸収缶を防護マスクに
取り付けて使用する。

【００１７】ところで、本発明における防護マスクの吸
収缶に設けるサンプリング用通路５としては直径２〜８
ｍｍ程度が好ましく、その一端は吸収剤部３の中心軸上
に約１〜１０ｍｍの位置に設置して吸収缶内を透過した
空気を採取する。また、サンプリング用通路５の他端は
吸収缶の外部に取り出し、これにカプラ８を取付けられ
て、破過検知装置から導かれているチューブを接続す
る。

【００１８】

【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、
吸収缶を透過してくる空気を、吸気とは別の経路でサン
プリングを行なうので従来のような吸収缶自体の体積及
び質量の増加を極力低くすることができ、測定精度につ
いても破過検知装置によって向上させることができる。
そして、吸収缶の容積を増大させること無く、マスクを
装着して使用しながら容易にかつ正確に吸収缶の吸収能
力を検知することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の防護マスク用の破過検知装置付吸収缶
の一部断面側面図。

【図２】破過検知装置の側面図。

【符号の説明】

１…缶体、２…フィルタ部、３…吸収剤部、４…隔板、
５…サンプリング用通路、６…吸気側端部、７…排気側
端部、８…カプラ、９…破過検知装置用チューブ、１０
…プラグ、１１…サブフィルタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルタ部と吸収剤部とからなる防護マ
   スク用の破過検知装置付吸収缶であって、該吸収剤部に
   吸気経路とは別個のサンプリング用通路を設け、該通路
   の一端を前記吸収剤部のほぼ中心軸上に設置して試料採
   取口とし、他端を吸収缶外に設置したセンサーに接続す
   るためのカプラを設けたことを待徴とする防護マスク用
   の破過検知装置付吸収缶。