JPH11201889A - 比重測定用試験紙及びその製造方法 - Google Patents
比重測定用試験紙及びその製造方法Info
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- JPH11201889A JPH11201889A JP742498A JP742498A JPH11201889A JP H11201889 A JPH11201889 A JP H11201889A JP 742498 A JP742498 A JP 742498A JP 742498 A JP742498 A JP 742498A JP H11201889 A JPH11201889 A JP H11201889A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】液体試料中のpHの影響を受けることなく、該
液体試料の比重を半定量的に測定することのできる簡便
で信頼性のある試験紙を提供する。 【解決手段】少なくとも緊度1.1〜1.7g/cm3
の水溶紙から構成される比重測定用試験紙の水溶紙の片
面に支持層を設けることで、液体試料が付着した際、試
験紙の片面の膨潤を抑え、厚みを測定する際、厚みの把
握をしやすくすることができ、さらに、比重測定用試験
紙の膨潤した厚み、もしくは吸収した尿量を測定するこ
とで尿の比重を知ることができる。
液体試料の比重を半定量的に測定することのできる簡便
で信頼性のある試験紙を提供する。 【解決手段】少なくとも緊度1.1〜1.7g/cm3
の水溶紙から構成される比重測定用試験紙の水溶紙の片
面に支持層を設けることで、液体試料が付着した際、試
験紙の片面の膨潤を抑え、厚みを測定する際、厚みの把
握をしやすくすることができ、さらに、比重測定用試験
紙の膨潤した厚み、もしくは吸収した尿量を測定するこ
とで尿の比重を知ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体試料の比重を
精度良く、かつ簡易に測定するための乾式試験紙に関す
るものである。
精度良く、かつ簡易に測定するための乾式試験紙に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】尿や血清の比重は、これら試験試料の全
体積に対する溶解した固体物質の相対的比率の尺度であ
り、一般に、濃縮の相対的程度または、希釈の相対的程
度の尺度となる。尿の比重は、尿中のイオン強度または
イオン濃度、浸透圧や尿素量などと相関性を有する。尿
試料の比重の測定は、ルーチンの尿分析で実施される他
の分析結果を解釈するのに役立つものである。
体積に対する溶解した固体物質の相対的比率の尺度であ
り、一般に、濃縮の相対的程度または、希釈の相対的程
度の尺度となる。尿の比重は、尿中のイオン強度または
イオン濃度、浸透圧や尿素量などと相関性を有する。尿
試料の比重の測定は、ルーチンの尿分析で実施される他
の分析結果を解釈するのに役立つものである。
【0003】一般に、液体試料の比重は、試験試料の密
度に関係する測定値である。比重は、標準化された条件
下での与えられた体積の水の重量に対する、同体積の液
体試料の重量比率から導かれる値である(式1)。
度に関係する測定値である。比重は、標準化された条件
下での与えられた体積の水の重量に対する、同体積の液
体試料の重量比率から導かれる値である(式1)。
【0004】 比重=液体試料の重量/水の重量 (1)
【0005】水の比重は1.000であり、例えば尿は
水に無機物、塩類および有機化合物を含む溶液であるか
ら、尿の比重は1.000より大きい。一般的な尿の比
重は約1.005〜約1.030の範囲にあり、通常、
約1.010〜約1.025の範囲内にある。ただし、
起床直後の尿の比重は約1.025またはそれ以上の場
合もあるが、この場合は腎臓の正常な濃縮能力を示して
いる。
水に無機物、塩類および有機化合物を含む溶液であるか
ら、尿の比重は1.000より大きい。一般的な尿の比
重は約1.005〜約1.030の範囲にあり、通常、
約1.010〜約1.025の範囲内にある。ただし、
起床直後の尿の比重は約1.025またはそれ以上の場
合もあるが、この場合は腎臓の正常な濃縮能力を示して
いる。
【0006】尿試料の比重は人の腎臓濃縮能力及び希釈
能力の尺度となり、尿比重が通常の範囲を著しくはずれ
るときは腎臓の働きに異常をきたしていることを示して
いる。例えば、尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH)が
正常に機能していないために生じる疾病であり、腎臓の
濃縮能力欠陥の例である。この疾病は、低い比重の尿を
大量に排泄することが特徴的である。通常、尿崩症に罹
患した人の尿比重は1.001〜1.003の範囲であ
る。その他に低い比重の尿を排出する場合としては、糸
球体腎炎、腎盂腎炎症および他の各種の腎異常に罹患し
たときである。これらの場合、腎臓は、尿細管損傷のた
め、その尿濃縮能力を失っている。
能力の尺度となり、尿比重が通常の範囲を著しくはずれ
るときは腎臓の働きに異常をきたしていることを示して
いる。例えば、尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH)が
正常に機能していないために生じる疾病であり、腎臓の
濃縮能力欠陥の例である。この疾病は、低い比重の尿を
大量に排泄することが特徴的である。通常、尿崩症に罹
患した人の尿比重は1.001〜1.003の範囲であ
る。その他に低い比重の尿を排出する場合としては、糸
球体腎炎、腎盂腎炎症および他の各種の腎異常に罹患し
たときである。これらの場合、腎臓は、尿細管損傷のた
め、その尿濃縮能力を失っている。
【0007】異常に高い比重の尿もまた、病的状態の指
標である。例えば、糖尿病、副腎機能不全、肝臓病また
は鬱血性心不全に罹患した人では、尿比重が異常に高
い。尿比重は、例えば発汗、発熱、嘔吐および下痢によ
って、過剰量の水を体外に失ったときに上昇する。加え
て、糖尿病またはネフローゼに罹患した人では異常に大
量のブドウ糖や蛋白質などの非イオン性成分を尿中に有
するため、尿比重は1.050またはそれ以上にまで増
大することがある。
標である。例えば、糖尿病、副腎機能不全、肝臓病また
は鬱血性心不全に罹患した人では、尿比重が異常に高
い。尿比重は、例えば発汗、発熱、嘔吐および下痢によ
って、過剰量の水を体外に失ったときに上昇する。加え
て、糖尿病またはネフローゼに罹患した人では異常に大
量のブドウ糖や蛋白質などの非イオン性成分を尿中に有
するため、尿比重は1.050またはそれ以上にまで増
大することがある。
【0008】これまで、尿比重を測定するためにいくつ
かの方法が開発されている。なかでも精度は低いが代表
的な方法は、尿比重計を用いる方法である。尿比重計は
重みをつけた球根状の器具であって、比重の読みに換算
された目盛りを有する円筒状の茎部を備えており、尿試
料を容れた円筒内にこの尿比重計を浮遊させ、これが尿
試料中に沈む深さによって尿比重を測定する。尿の比重
の値は、尿と空気との接点での尿比重計の目盛りから直
接読み取る。
かの方法が開発されている。なかでも精度は低いが代表
的な方法は、尿比重計を用いる方法である。尿比重計は
重みをつけた球根状の器具であって、比重の読みに換算
された目盛りを有する円筒状の茎部を備えており、尿試
料を容れた円筒内にこの尿比重計を浮遊させ、これが尿
試料中に沈む深さによって尿比重を測定する。尿の比重
の値は、尿と空気との接点での尿比重計の目盛りから直
接読み取る。
【0009】この尿比重計法は面倒であり、次のような
短所がある:(a)大量(通常200ml以上)の尿試
料を必要とする。(b)尿比重計の目盛りを読み取るの
が困難かつ不正確である。(c)尿比重計は規則正しく
再較正されないことから、信頼できない評価法である。
短所がある:(a)大量(通常200ml以上)の尿試
料を必要とする。(b)尿比重計の目盛りを読み取るの
が困難かつ不正確である。(c)尿比重計は規則正しく
再較正されないことから、信頼できない評価法である。
【0010】さらに、滴下法は、比重を測定する方法で
あって、比重計のように尿比重を直接測定する。この方
法は、既知の比重を有する溶媒混合物を満たした一連の
カラムのそれぞれに1滴の尿を導入する。尿滴が、静止
状態に達し、上昇も下降もしなくなったとき、この尿の
比重はその特定カラムの溶媒混合物の比重と同一である
と判定する。しかしながら、滴下法は、そのような測定
を準備するのに長時間を必要する。
あって、比重計のように尿比重を直接測定する。この方
法は、既知の比重を有する溶媒混合物を満たした一連の
カラムのそれぞれに1滴の尿を導入する。尿滴が、静止
状態に達し、上昇も下降もしなくなったとき、この尿の
比重はその特定カラムの溶媒混合物の比重と同一である
と判定する。しかしながら、滴下法は、そのような測定
を準備するのに長時間を必要する。
【0011】上記の滴下法を、機器を用いて実施するこ
ともできる。機器に基づく測定は、制御された比重およ
び粘性を有するシリコーン油を満たした特別に設計され
たカラムを用いる。カラムは、尿試料よりやや低密度の
水不混和性シリコーン油を満たした、温度が制御された
カラム内に一方が他方の上になるように取り付けられた
2個の光学ゲート(ランプ−光トランジスタ対)が規定
する距離を、尿試料の厳密に計量された1滴が落下する
のに要する時間を測定するよう設計されている。落下時
間は電気的に測定され、比重の単位に換算される。この
比重法は非常に厳密であるが、評価機器の価格、および
機器を操作するのに要する熟練が必要である。
ともできる。機器に基づく測定は、制御された比重およ
び粘性を有するシリコーン油を満たした特別に設計され
たカラムを用いる。カラムは、尿試料よりやや低密度の
水不混和性シリコーン油を満たした、温度が制御された
カラム内に一方が他方の上になるように取り付けられた
2個の光学ゲート(ランプ−光トランジスタ対)が規定
する距離を、尿試料の厳密に計量された1滴が落下する
のに要する時間を測定するよう設計されている。落下時
間は電気的に測定され、比重の単位に換算される。この
比重法は非常に厳密であるが、評価機器の価格、および
機器を操作するのに要する熟練が必要である。
【0012】上記の尿比重測定方法は、大量の尿を必要
としたり、不正確であったり、測定準備に熟練が必要で
あったりする。屈折率測定法は、尿比重を測定する間接
的な方法である。尿の屈折率は、尿中に溶解した溶質の
量に関係し、そのため尿比重に関係付けられる。その結
果、尿の屈折率の測定値を尿比重に相関させることがで
きる。尿比重を測定する屈折計の方法は、多少の熟練を
要し、また一般に行われる尿定性検査(試験紙法による
スクリーニング検査)と同時に行うことは煩雑である。
としたり、不正確であったり、測定準備に熟練が必要で
あったりする。屈折率測定法は、尿比重を測定する間接
的な方法である。尿の屈折率は、尿中に溶解した溶質の
量に関係し、そのため尿比重に関係付けられる。その結
果、尿の屈折率の測定値を尿比重に相関させることがで
きる。尿比重を測定する屈折計の方法は、多少の熟練を
要し、また一般に行われる尿定性検査(試験紙法による
スクリーニング検査)と同時に行うことは煩雑である。
【0013】前記した種々の比重測定法の課題を解決
し、従来行われていた試験紙法による尿定性検査と同時
にかつ簡易に尿比重を測定するために、尿比重測定用の
試験紙が開発された。この試験紙による比重測定法は間
接的な評価方法であって、試験紙は尿試料のイオン強度
に応じて変色するものである。尿試料のイオン強度は、
尿試料中に存在するイオンのタイプおよび量の尺度とな
り、尿試料の比重は尿試料のイオン強度に比例する。し
たがって、尿試料のイオン強度を測定することにより、
尿試料のイオン強度を尿試料の比重に相関させることに
よって、比重を間接的かつ半定量的に測定することがで
きる。
し、従来行われていた試験紙法による尿定性検査と同時
にかつ簡易に尿比重を測定するために、尿比重測定用の
試験紙が開発された。この試験紙による比重測定法は間
接的な評価方法であって、試験紙は尿試料のイオン強度
に応じて変色するものである。尿試料のイオン強度は、
尿試料中に存在するイオンのタイプおよび量の尺度とな
り、尿試料の比重は尿試料のイオン強度に比例する。し
たがって、尿試料のイオン強度を測定することにより、
尿試料のイオン強度を尿試料の比重に相関させることに
よって、比重を間接的かつ半定量的に測定することがで
きる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上記の比重試験紙は、
例えば部分的に中和されたポリ(メチルビニルエーテル
/マレイン酸)のような高分子電解質、ブロモチモール
ブルーのような色原性指示薬、および緩衝剤を含有する
試薬組成物等を含浸させたものである。例えば、尿中で
の高分子電解質はイオン交換を受け、尿中に存在するカ
チオンと引き換えに、尿試料のイオン強度に関係付けら
れた量の水素イオンを尿試料中に放出するというよう
に、試薬組成物は尿中のイオンまたは電解質の数に応じ
た感度を示す。
例えば部分的に中和されたポリ(メチルビニルエーテル
/マレイン酸)のような高分子電解質、ブロモチモール
ブルーのような色原性指示薬、および緩衝剤を含有する
試薬組成物等を含浸させたものである。例えば、尿中で
の高分子電解質はイオン交換を受け、尿中に存在するカ
チオンと引き換えに、尿試料のイオン強度に関係付けら
れた量の水素イオンを尿試料中に放出するというよう
に、試薬組成物は尿中のイオンまたは電解質の数に応じ
た感度を示す。
【0015】したがって、尿中の電解質の濃度が上昇
し、比重が高くなるにつれて、より多くのカチオンが、
試薬組成物の高分子電解質上に存在する水素イオンと交
換する。その結果、水素イオンが色原性指示薬であるブ
ロモチモールブルーと結合し色が青から緑、さらには黄
色へ遷移する。この色遷移はイオン強度の増大、すなわ
ち比重の上昇を示し目視的又は光学的に色遷移を読み取
ることで、尿比重を測定することができる。しかし、こ
の方法は、ブロモチモールブルーの様な色原性指示薬を
用いるために、尿自体のpHの影響を受け、正確な測定
結果が得られない。
し、比重が高くなるにつれて、より多くのカチオンが、
試薬組成物の高分子電解質上に存在する水素イオンと交
換する。その結果、水素イオンが色原性指示薬であるブ
ロモチモールブルーと結合し色が青から緑、さらには黄
色へ遷移する。この色遷移はイオン強度の増大、すなわ
ち比重の上昇を示し目視的又は光学的に色遷移を読み取
ることで、尿比重を測定することができる。しかし、こ
の方法は、ブロモチモールブルーの様な色原性指示薬を
用いるために、尿自体のpHの影響を受け、正確な測定
結果が得られない。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも緊
度1.1〜1.7g/cm3 の水溶紙から構成される比
重測定用試験紙である。
度1.1〜1.7g/cm3 の水溶紙から構成される比
重測定用試験紙である。
【0017】また、本発明は緊度1.1〜1.7g/c
m3 の水溶紙の片面に支持層を設けることで、液体試料
が付着した際、試験紙の片面の膨潤を抑え、厚みを測定
する際、厚みの把握をしやすくすることができる。さら
に、本発明は、比重測定用試験紙の膨潤した厚み、もし
くは吸収した尿量を測定することで尿の比重を知ること
ができるものである。
m3 の水溶紙の片面に支持層を設けることで、液体試料
が付着した際、試験紙の片面の膨潤を抑え、厚みを測定
する際、厚みの把握をしやすくすることができる。さら
に、本発明は、比重測定用試験紙の膨潤した厚み、もし
くは吸収した尿量を測定することで尿の比重を知ること
ができるものである。
【0018】本発明は、水溶紙を金属ロールと金属ロー
ルによって形成されるニップ部にニップ線圧200〜3
500kg/cmの条件で通し、緊度を1.1〜1.7
g/cm3 とした試験紙基材を用いた比重測定用試験紙
の製造方法である。
ルによって形成されるニップ部にニップ線圧200〜3
500kg/cmの条件で通し、緊度を1.1〜1.7
g/cm3 とした試験紙基材を用いた比重測定用試験紙
の製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、緊度が1.1〜1.7
g/cm3 の水溶紙に液体試料が適量付着すると、水溶
紙が溶解することなく液体試料中の塩濃度に反比例し
て、水溶紙の膨潤の度合いが変化することを見出し、本
発明を完成するに至った。
g/cm3 の水溶紙に液体試料が適量付着すると、水溶
紙が溶解することなく液体試料中の塩濃度に反比例し
て、水溶紙の膨潤の度合いが変化することを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0020】本発明で使用される水溶紙はセルロース繊
維をカルボキシメチル化した繊維状カルボキシメチルセ
ルロース(以下繊維状CMCと呼ぶ)をパルプに配合し
抄紙した後、アルカリ剤でCMCをそのアルカリ金属塩
に変換した紙である。変換後の水溶紙の緊度は0.6〜
0.7g/cm3 程度である。この水溶紙は、カルボキ
シメチル基の量により水分散溶解性を調節することがで
きる。繊維状CMCアルカリ金属塩は水に浸漬すると膨
潤し、その後溶解する性質を備えている。繊維状CMC
アルカリ金属塩が紙に配合された水溶紙を水に浸漬した
場合、繊維状CMCアルカリ金属塩がまず膨潤し、次に
溶解することにより、同じく水と接したパルプ繊維同士
の結着が容易にはずれて、水溶紙が水分散溶解性を示す
と考えられる。このような繊維状CMCアルカリ金属塩
はイオン濃度の高い溶液中では膨潤し難く、また、2価
や3価のカチオンと不溶性の塩を形成しやすい。それ
故、液体試料の塩濃度によって膨潤の度合が変化する。
しかしながら、上述のような緊度の低い水溶紙は水に浸
漬すると、膨潤、分散、溶解の状態に進む。膨潤の程度
で水を拭き取ったとしても剛度が著しく低下し、かつ膨
潤の度合いが少ないので、厚み変化の認知が困難であ
る。そこで、この水溶紙を加圧等の手段で緊度を上げる
と、膨潤の度合いが大きくなる。加圧の手段としては種
々あるが、金属ロールと金属ロールとからなるニップ部
に通して高線圧で処理すると簡単に密度、剛度が高めら
れる。高線圧処理した密度の高い水溶紙、特に緊度が
1.1〜1,7g/cm3 の水溶紙は水に浸漬した場
合、膨潤度合の変化が著しくなり、厚みの変化の認知が
可能となる。緊度が1.1g/cm3 未満であると、膨
潤の度合いがすくなく、緊度が1.7g/cm3 を超え
ると、このような緊度をもつ水溶紙を得るには非常に大
きな圧力が必要となり、経済的にも現実的でない。
維をカルボキシメチル化した繊維状カルボキシメチルセ
ルロース(以下繊維状CMCと呼ぶ)をパルプに配合し
抄紙した後、アルカリ剤でCMCをそのアルカリ金属塩
に変換した紙である。変換後の水溶紙の緊度は0.6〜
0.7g/cm3 程度である。この水溶紙は、カルボキ
シメチル基の量により水分散溶解性を調節することがで
きる。繊維状CMCアルカリ金属塩は水に浸漬すると膨
潤し、その後溶解する性質を備えている。繊維状CMC
アルカリ金属塩が紙に配合された水溶紙を水に浸漬した
場合、繊維状CMCアルカリ金属塩がまず膨潤し、次に
溶解することにより、同じく水と接したパルプ繊維同士
の結着が容易にはずれて、水溶紙が水分散溶解性を示す
と考えられる。このような繊維状CMCアルカリ金属塩
はイオン濃度の高い溶液中では膨潤し難く、また、2価
や3価のカチオンと不溶性の塩を形成しやすい。それ
故、液体試料の塩濃度によって膨潤の度合が変化する。
しかしながら、上述のような緊度の低い水溶紙は水に浸
漬すると、膨潤、分散、溶解の状態に進む。膨潤の程度
で水を拭き取ったとしても剛度が著しく低下し、かつ膨
潤の度合いが少ないので、厚み変化の認知が困難であ
る。そこで、この水溶紙を加圧等の手段で緊度を上げる
と、膨潤の度合いが大きくなる。加圧の手段としては種
々あるが、金属ロールと金属ロールとからなるニップ部
に通して高線圧で処理すると簡単に密度、剛度が高めら
れる。高線圧処理した密度の高い水溶紙、特に緊度が
1.1〜1,7g/cm3 の水溶紙は水に浸漬した場
合、膨潤度合の変化が著しくなり、厚みの変化の認知が
可能となる。緊度が1.1g/cm3 未満であると、膨
潤の度合いがすくなく、緊度が1.7g/cm3 を超え
ると、このような緊度をもつ水溶紙を得るには非常に大
きな圧力が必要となり、経済的にも現実的でない。
【0021】本発明は、緊度1.1〜1.7g/cm3
の水溶紙を試験紙基材として用い、この基材から比重測
定用試験紙を得るものである。本発明でいう試験紙基材
とは、そのもの自体に比重測定可能な性質を持つシート
をさし、試験紙基材を所定の形状に切断し、他の基材に
貼付する等の工程を経て、実際の測定用スティックの状
態になったものを比重測定用試験紙という。
の水溶紙を試験紙基材として用い、この基材から比重測
定用試験紙を得るものである。本発明でいう試験紙基材
とは、そのもの自体に比重測定可能な性質を持つシート
をさし、試験紙基材を所定の形状に切断し、他の基材に
貼付する等の工程を経て、実際の測定用スティックの状
態になったものを比重測定用試験紙という。
【0022】また、本発明の試験紙基材をスティック状
に切断して比重試験紙とすることも可能であり、また、
四角形に切断して、ブドウ糖、潜血等の測定可能なステ
ィックに貼付して、他の測定項目と組み合わせた尿試験
紙としても使用することが可能である。本発明の、緊度
が1.1〜1.7g/cm3 の水溶紙を得る方法として
は加圧方式が一般的な方法であるが、中でも金属ロール
と金属ロールによって形成されるニップ部に水溶紙を通
すことが、簡便で均一な緊度をもつ試験紙基材を得る方
法として好ましい。
に切断して比重試験紙とすることも可能であり、また、
四角形に切断して、ブドウ糖、潜血等の測定可能なステ
ィックに貼付して、他の測定項目と組み合わせた尿試験
紙としても使用することが可能である。本発明の、緊度
が1.1〜1.7g/cm3 の水溶紙を得る方法として
は加圧方式が一般的な方法であるが、中でも金属ロール
と金属ロールによって形成されるニップ部に水溶紙を通
すことが、簡便で均一な緊度をもつ試験紙基材を得る方
法として好ましい。
【0023】金属ロールと金属ロールによって形成され
るニップ部にて処理される線圧の条件は、200〜35
00kg/cmが好ましい。この条件で処理すると配合
されている繊維状CMCアルカリ金属塩の繊維間や、パ
ルプ繊維間または、繊維状CMCアルカリ金属塩の繊維
とパルプの繊維間の空隙が極度に少なくなり、抄紙段階
で絡み合った各繊維同士が密接にくっつき、その結果、
剛弾性の高い基材が得られる。本発明の加圧条件のニッ
プ線圧が200kg/cm未満の場合は本発明の所望す
る効果は得られず、3500kg/cmを越えると、一
部分だけが伸びる現象が発生し、液体試料に浸漬した場
合、膨潤度合が不均一になり、比重を正確に測定するこ
とが困難になる。
るニップ部にて処理される線圧の条件は、200〜35
00kg/cmが好ましい。この条件で処理すると配合
されている繊維状CMCアルカリ金属塩の繊維間や、パ
ルプ繊維間または、繊維状CMCアルカリ金属塩の繊維
とパルプの繊維間の空隙が極度に少なくなり、抄紙段階
で絡み合った各繊維同士が密接にくっつき、その結果、
剛弾性の高い基材が得られる。本発明の加圧条件のニッ
プ線圧が200kg/cm未満の場合は本発明の所望す
る効果は得られず、3500kg/cmを越えると、一
部分だけが伸びる現象が発生し、液体試料に浸漬した場
合、膨潤度合が不均一になり、比重を正確に測定するこ
とが困難になる。
【0024】本発明で処理される金属ロール温度は、2
0℃〜300℃が好ましい。ロール温度が20℃未満で
あると、外気温度の影響もあるが、概してロールの表面
が結露し、操業上問題が起きやすく、また得られる効果
も少ない。ロール温度の最適温度域は通紙速度より、紙
へ伝えられる熱量が変化するので、300℃以下の温度
でも、通紙速度が遅ければ、ブリスターが発生すること
もあるが、概して300℃を越えると、水溶紙中の水分
が一気に気体となり、紙中で急激に体積が膨れることに
より紙層が部分的に剥離し、表面が膨れるブリスター現
象を起こし、均一な試験紙基材が得られにくい。
0℃〜300℃が好ましい。ロール温度が20℃未満で
あると、外気温度の影響もあるが、概してロールの表面
が結露し、操業上問題が起きやすく、また得られる効果
も少ない。ロール温度の最適温度域は通紙速度より、紙
へ伝えられる熱量が変化するので、300℃以下の温度
でも、通紙速度が遅ければ、ブリスターが発生すること
もあるが、概して300℃を越えると、水溶紙中の水分
が一気に気体となり、紙中で急激に体積が膨れることに
より紙層が部分的に剥離し、表面が膨れるブリスター現
象を起こし、均一な試験紙基材が得られにくい。
【0025】通紙時の水溶紙の水分は2〜20%が好ま
しく、より好ましくは5〜15%の範囲のときに効果的
に水溶紙が圧縮される。ちなみに、2%未満であると繊
維と繊維の絡まりが悪く、効果が得られず、20%を超
えると繊維が膨潤し過ぎ、一部分が伸ばされるような現
象がおき、均一な試験紙基材が得られにくい。
しく、より好ましくは5〜15%の範囲のときに効果的
に水溶紙が圧縮される。ちなみに、2%未満であると繊
維と繊維の絡まりが悪く、効果が得られず、20%を超
えると繊維が膨潤し過ぎ、一部分が伸ばされるような現
象がおき、均一な試験紙基材が得られにくい。
【0026】本発明の試験紙基材に使用される水溶紙の
厚みは抄紙条件を調整することにより、任意の厚さのも
のが可能である。しかしながら一般に抄紙機では最低量
を1回抄紙しても生産される水溶紙の量は大量となるた
め、経済的に好ましくない。任意の厚さの水溶紙を得よ
うとする場合、水溶紙を重ねて高圧処理すると水溶紙を
貼りあわすことができ、任意の厚さの基材を得ることが
できる。高圧処理の方法としては、水溶紙を重ねて、金
属ロールと金属ロールによって形成されるニップ部に線
圧が200〜3500kg/cmの条件で通紙すること
が好ましい。重ねる水溶紙は2枚以上が可能である。水
溶紙を重ねて高圧処理した際の貼り合わされる理由とし
ては定かでないが、水溶紙表面の繊維状CMCアルカリ
金属塩の繊維同士や紙のパルプ繊維同士、または、繊維
状CMCアルカリ金属塩の繊維とパルプ繊維とが、高圧
によって接触し、お互いに絡まりあうとともに各繊維中
の分子間の水素結合が働き、水溶紙が接着されると考え
られる。
厚みは抄紙条件を調整することにより、任意の厚さのも
のが可能である。しかしながら一般に抄紙機では最低量
を1回抄紙しても生産される水溶紙の量は大量となるた
め、経済的に好ましくない。任意の厚さの水溶紙を得よ
うとする場合、水溶紙を重ねて高圧処理すると水溶紙を
貼りあわすことができ、任意の厚さの基材を得ることが
できる。高圧処理の方法としては、水溶紙を重ねて、金
属ロールと金属ロールによって形成されるニップ部に線
圧が200〜3500kg/cmの条件で通紙すること
が好ましい。重ねる水溶紙は2枚以上が可能である。水
溶紙を重ねて高圧処理した際の貼り合わされる理由とし
ては定かでないが、水溶紙表面の繊維状CMCアルカリ
金属塩の繊維同士や紙のパルプ繊維同士、または、繊維
状CMCアルカリ金属塩の繊維とパルプ繊維とが、高圧
によって接触し、お互いに絡まりあうとともに各繊維中
の分子間の水素結合が働き、水溶紙が接着されると考え
られる。
【0027】本発明の試験紙基材の厚みは特に限定され
ないが、50〜1000μmが望ましい。因みに50μ
m未満であると、基材の厚み変化を認識するのが困難で
ある。また、1000μmを越えるような基材は、剛弾
性については問題無いが、試料を吸収する際に均一に吸
収しがたく、膨潤性に不均一な部分ができて好ましくな
い。
ないが、50〜1000μmが望ましい。因みに50μ
m未満であると、基材の厚み変化を認識するのが困難で
ある。また、1000μmを越えるような基材は、剛弾
性については問題無いが、試料を吸収する際に均一に吸
収しがたく、膨潤性に不均一な部分ができて好ましくな
い。
【0028】高圧処理時のロール温度が高い場合、試験
紙基材の温度も上がっているので、基材の温度を下げる
ため、通紙後にクーリングロール等で高圧処理した基材
を冷却するとよい。
紙基材の温度も上がっているので、基材の温度を下げる
ため、通紙後にクーリングロール等で高圧処理した基材
を冷却するとよい。
【0029】また、水溶紙を高圧処理した試験紙基材の
片面に支持層を積層すると、積層面の膨潤を抑えられる
ので、厚み測定する際の厚みの把握がしやすいので好ま
しい。また、両面に支持層を設け液体試料が断面から浸
入する構造としてもよい。支持層の材料としては、例え
ば、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エス
テル澱粉、エーテル澱粉等の澱粉類、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース、完全(ま
たは部分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性
ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共
重合体、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニル
アルコール類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナ
イロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、
アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アク
リル酸アミドアクリル酸エステル・メタクリル酸共重合
体、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、
イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、カ
ゼイン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレー
ト、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体スチレン・ブタジエン・アクリル系共重
合体等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中で水溶性
樹脂は発明の効果を阻害させない範囲で使用される。
片面に支持層を積層すると、積層面の膨潤を抑えられる
ので、厚み測定する際の厚みの把握がしやすいので好ま
しい。また、両面に支持層を設け液体試料が断面から浸
入する構造としてもよい。支持層の材料としては、例え
ば、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱粉、エス
テル澱粉、エーテル澱粉等の澱粉類、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
メトキシセルロース、ヒドロキシセルロース、完全(ま
たは部分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性
ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共
重合体、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニル
アルコール類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナ
イロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、
アクリル酸アミド・アクリル酸エステル共重合体、アク
リル酸アミドアクリル酸エステル・メタクリル酸共重合
体、スチレン・無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、
イソブチレン・無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、カ
ゼイン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレー
ト、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体スチレン・ブタジエン・アクリル系共重
合体等の樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中で水溶性
樹脂は発明の効果を阻害させない範囲で使用される。
【0030】好ましい樹脂としてはポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリビニルアルコール、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・
ビニルアルコール共重合体、ナイロン等が挙げられる。
これら樹脂の他に、紙、金属、木材など液体試料中で膨
潤又は溶解しないものであれば、支持層として用いるこ
とができる。支持層の積層方法としては、ラミネートや
コーティング、接着、粘着など公知の積層手段が上げら
れる。
プロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリビニルアルコール、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン・
ビニルアルコール共重合体、ナイロン等が挙げられる。
これら樹脂の他に、紙、金属、木材など液体試料中で膨
潤又は溶解しないものであれば、支持層として用いるこ
とができる。支持層の積層方法としては、ラミネートや
コーティング、接着、粘着など公知の積層手段が上げら
れる。
【0031】本発明の比重測定用試験紙を使った比重の
測定方法は、予め、比重のわかっている液体試料を用い
て試験紙の膨潤した厚み又は吸収した液体試料量を測定
しておいて、次に未知の液体試料に対する試験紙の膨潤
厚みまたは吸収した液体試料量を測定し、予め求めてお
いた試験紙の膨潤厚みと比重、または吸収液体試料量と
比重の関係から、未知試料の比重を知るものである。
測定方法は、予め、比重のわかっている液体試料を用い
て試験紙の膨潤した厚み又は吸収した液体試料量を測定
しておいて、次に未知の液体試料に対する試験紙の膨潤
厚みまたは吸収した液体試料量を測定し、予め求めてお
いた試験紙の膨潤厚みと比重、または吸収液体試料量と
比重の関係から、未知試料の比重を知るものである。
【0032】厚みや吸収量を測定する方法としては、目
視的にゲージを用いて測定する方法や天秤等を用いて重
量を測定する方法の他に、反射光量や透過光量を測定し
て厚さや吸収量に変換する方法や被検試料の表面を電気
伝導や圧力センサーで検知し、センサーの移動距離から
厚さを求める方法など種々の測定方法が上げられる。
視的にゲージを用いて測定する方法や天秤等を用いて重
量を測定する方法の他に、反射光量や透過光量を測定し
て厚さや吸収量に変換する方法や被検試料の表面を電気
伝導や圧力センサーで検知し、センサーの移動距離から
厚さを求める方法など種々の測定方法が上げられる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。 実施例1 米坪120g/m2 の水溶紙(商品名;120MDP
三島製紙株式会社製)を2枚重ねて金属ロールと金属ロ
ールで形成されるニップ部に線圧2000kg/cm、
金属ロール温度100℃、通紙速度10m/分の条件下
で通紙した。処理後の試験紙基材の厚みは160μm
で、緊度は1.50g/cm3 であった。その後片面に
PE樹脂を溶融ラミネートした。得られた基材の厚みは
193μmであった。
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。 実施例1 米坪120g/m2 の水溶紙(商品名;120MDP
三島製紙株式会社製)を2枚重ねて金属ロールと金属ロ
ールで形成されるニップ部に線圧2000kg/cm、
金属ロール温度100℃、通紙速度10m/分の条件下
で通紙した。処理後の試験紙基材の厚みは160μm
で、緊度は1.50g/cm3 であった。その後片面に
PE樹脂を溶融ラミネートした。得られた基材の厚みは
193μmであった。
【0034】実施例2 米坪120g/m2 の水溶紙(商品名;120CD−2
三島製紙株式会社製)を2枚重ねて実施例1と同様な
条件で高圧処理した。得られた試験紙基材の厚みは16
9μmで、緊度は1.42g/cm3 であった。
三島製紙株式会社製)を2枚重ねて実施例1と同様な
条件で高圧処理した。得られた試験紙基材の厚みは16
9μmで、緊度は1.42g/cm3 であった。
【0035】比較例1 実施例1で使用した水溶紙を試験紙基材とした。水溶紙
の緊度は0.61g/cm3 であった。この基材を5×
110mmに断裁し試験紙として試料を滴下したとこ
ろ、試験紙の腰がなくなり測定が困難であった。また、
試料中に浸漬すると試験紙が溶解してしまい、原形を留
めなかった。
の緊度は0.61g/cm3 であった。この基材を5×
110mmに断裁し試験紙として試料を滴下したとこ
ろ、試験紙の腰がなくなり測定が困難であった。また、
試料中に浸漬すると試験紙が溶解してしまい、原形を留
めなかった。
【0036】比較例2 実施例2で処理圧力条件を線圧100kg/cmとした
以外は実施例2と同様の方法で試験紙基材を得た。得ら
れた基材の厚みは253μmであり、緊度は0.95g
/cm3 であった。この基材を5×110mmに断裁し
試験紙として試料を滴下したところ、試験紙の腰がなく
なり測定が困難であった。また、試料中に浸漬すると試
験紙が溶解してしまい、原形を留めなかった。
以外は実施例2と同様の方法で試験紙基材を得た。得ら
れた基材の厚みは253μmであり、緊度は0.95g
/cm3 であった。この基材を5×110mmに断裁し
試験紙として試料を滴下したところ、試験紙の腰がなく
なり測定が困難であった。また、試料中に浸漬すると試
験紙が溶解してしまい、原形を留めなかった。
【0037】1)試験方法 精製水で高比重の尿を薄めて表1および表2にあるよう
な各レベルの比重に調整し試料とした。
な各レベルの比重に調整し試料とした。
【0038】2)厚さ測定法 実施例1で得られた試験紙基材を打ち抜き治具で直径1
3mmの円形に打ち抜いた試験紙に250μlの表1に
示す比重の試料を滴下し1分間放置後マイクロメーター
で試験紙の膨潤した厚みを測定した。
3mmの円形に打ち抜いた試験紙に250μlの表1に
示す比重の試料を滴下し1分間放置後マイクロメーター
で試験紙の膨潤した厚みを測定した。
【0039】3)重量測定法 5×110mmのPETフィルム(250μm)上に、
実施例2で得られた試験紙基材を5×5mm角に切って
接着剤で貼付し尿比重測定用試験紙を作成した。この試
験紙を表2に示す試料に10秒間浸漬して、引き上げた
後、余剰の水分をペーパータオルで吸い取って試験紙の
吸収重量を天秤により測定した。 4)pHの影響 実施例1についてpHの影響を0.2Mの硼酸、0.0
5Mのクエン酸、0.1Mのリン酸ナトリウム・12水
塩からなる広域緩衝液にてpH4.0、7.0、9.0
の3試料を調製し、評価した。各調製液の比重はそれぞ
れ、1.006、1.007、1.008であった。 5)試験結果 試験結果を表1〜3及び図1、2に示す。
実施例2で得られた試験紙基材を5×5mm角に切って
接着剤で貼付し尿比重測定用試験紙を作成した。この試
験紙を表2に示す試料に10秒間浸漬して、引き上げた
後、余剰の水分をペーパータオルで吸い取って試験紙の
吸収重量を天秤により測定した。 4)pHの影響 実施例1についてpHの影響を0.2Mの硼酸、0.0
5Mのクエン酸、0.1Mのリン酸ナトリウム・12水
塩からなる広域緩衝液にてpH4.0、7.0、9.0
の3試料を調製し、評価した。各調製液の比重はそれぞ
れ、1.006、1.007、1.008であった。 5)試験結果 試験結果を表1〜3及び図1、2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】表1および2より、試験紙の厚み変化、
吸収重量は比重と良好な反比例の関係にあることがわか
る。また、表3よりpHの影響はほとんど受けないこと
がわかる。
吸収重量は比重と良好な反比例の関係にあることがわか
る。また、表3よりpHの影響はほとんど受けないこと
がわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の結果の図示。
【図2】実施例2の結果の図示。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 5/14 B (72)発明者 福永 悟志 京都市南区東九条西明田町57 株式会社京 都第一科学開発生産本部内
Claims (4)
- 【請求項1】少なくとも緊度1.1〜1.7g/cm3
の水溶紙から構成される比重測定用試験紙。 - 【請求項2】前記水溶紙の少なくとも片面に支持層を設
けた請求項1記載の比重測定用試験紙。 - 【請求項3】測定対象試料が尿である請求項1または2
記載の比重測定用試験紙。 - 【請求項4】水溶紙を金属ロールと金属ロールによって
形成されるニップ部にニップ線圧200〜3500kg
/cmの条件で通し、緊度を1.1〜1.7g/cm3
とした試験紙基材を用いた比重測定用試験紙の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP742498A JPH11201889A (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | 比重測定用試験紙及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP742498A JPH11201889A (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | 比重測定用試験紙及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11201889A true JPH11201889A (ja) | 1999-07-30 |
Family
ID=11665496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP742498A Pending JPH11201889A (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | 比重測定用試験紙及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11201889A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010005442A (ja) * | 2001-05-20 | 2010-01-14 | Given Imaging Ltd | 生体内画像化装置 |
US8444554B2 (en) | 2001-05-20 | 2013-05-21 | Given Imaging Ltd. | Floatable in vivo sensing device and method for use |
CN111691220A (zh) * | 2020-06-23 | 2020-09-22 | 杭州特种纸业有限公司 | 一种体外生命检测材料及其制备方法 |
-
1998
- 1998-01-19 JP JP742498A patent/JPH11201889A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010005442A (ja) * | 2001-05-20 | 2010-01-14 | Given Imaging Ltd | 生体内画像化装置 |
US8444554B2 (en) | 2001-05-20 | 2013-05-21 | Given Imaging Ltd. | Floatable in vivo sensing device and method for use |
CN111691220A (zh) * | 2020-06-23 | 2020-09-22 | 杭州特种纸业有限公司 | 一种体外生命检测材料及其制备方法 |
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