JPH11201430A - 直接溶融炉 - Google Patents
直接溶融炉Info
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- JPH11201430A JPH11201430A JP1791098A JP1791098A JPH11201430A JP H11201430 A JPH11201430 A JP H11201430A JP 1791098 A JP1791098 A JP 1791098A JP 1791098 A JP1791098 A JP 1791098A JP H11201430 A JPH11201430 A JP H11201430A
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- Japan
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- melting furnace
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- direct melting
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- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 排気部から排出される排ガス中の媒塵同伴量
を低減化させることができ、よってごみ処理設備から排
出除去される飛灰の減量化を達成することが可能になる
直接溶融炉を得る。 【解決手段】 上部または側胴部に廃棄物の投入口2が
設けられ、底部10aに酸素含有気体の導入管3が接続
されることにより、内部に投入口から下方に向けて、順
次乾燥、熱分解、燃焼および溶融の各帯域6〜9が形成
され、投入口の上部に廃棄物から生成された熱分解ガス
を排出する排気部4が設けられた直接溶融炉10におい
て、乾燥帯域6から排気部4に至る間にフリーボード部
12を形成し、かつこのフリーボード部12の断面積A
2 を、その下方に位置する少なくとも乾燥帯域6におけ
る断面積A1 よりも大きく形成した。
を低減化させることができ、よってごみ処理設備から排
出除去される飛灰の減量化を達成することが可能になる
直接溶融炉を得る。 【解決手段】 上部または側胴部に廃棄物の投入口2が
設けられ、底部10aに酸素含有気体の導入管3が接続
されることにより、内部に投入口から下方に向けて、順
次乾燥、熱分解、燃焼および溶融の各帯域6〜9が形成
され、投入口の上部に廃棄物から生成された熱分解ガス
を排出する排気部4が設けられた直接溶融炉10におい
て、乾燥帯域6から排気部4に至る間にフリーボード部
12を形成し、かつこのフリーボード部12の断面積A
2 を、その下方に位置する少なくとも乾燥帯域6におけ
る断面積A1 よりも大きく形成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物をガス化溶
融技術を用いてスラグ化処理する際に用いられる直接溶
融炉に関するものである。
融技術を用いてスラグ化処理する際に用いられる直接溶
融炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生ごみ等を含む都市ごみやスラッ
ジ等を含む一般廃棄物や産業廃棄物を処理するために、
各種のガス化溶融プロセスを用いた廃棄物処理設備が使
用されている。図2は、従来のこの種の処理設備に用い
られている熱分解ガス化溶融を利用した直接溶融炉を示
すもので、図中符号1が直接溶融炉である。この直接溶
融炉1は、いわゆる竪型のシャフト炉であって、その上
部側壁に廃棄物を粉砕することによって得られた粉砕ご
みを投入するための投入口2が設けられている。また、
この直接溶融炉1の底部1aには、助燃剤やPSA分離
器等によって空気から分離された酸素富化空気を、ごみ
の熱分解によって得られたチャーに供給して内部を高温
に保持する酸素富化空気を供給するための導入管3が接
続されている。そして、この直接溶融炉1の上部には、
排気部4を介して、ごみの熱分解によって生成した還元
雰囲気にある熱分解ガスを完全燃焼させるためのガス燃
焼炉5が配設されている。
ジ等を含む一般廃棄物や産業廃棄物を処理するために、
各種のガス化溶融プロセスを用いた廃棄物処理設備が使
用されている。図2は、従来のこの種の処理設備に用い
られている熱分解ガス化溶融を利用した直接溶融炉を示
すもので、図中符号1が直接溶融炉である。この直接溶
融炉1は、いわゆる竪型のシャフト炉であって、その上
部側壁に廃棄物を粉砕することによって得られた粉砕ご
みを投入するための投入口2が設けられている。また、
この直接溶融炉1の底部1aには、助燃剤やPSA分離
器等によって空気から分離された酸素富化空気を、ごみ
の熱分解によって得られたチャーに供給して内部を高温
に保持する酸素富化空気を供給するための導入管3が接
続されている。そして、この直接溶融炉1の上部には、
排気部4を介して、ごみの熱分解によって生成した還元
雰囲気にある熱分解ガスを完全燃焼させるためのガス燃
焼炉5が配設されている。
【0003】このような構成からなる直接溶融炉1にお
いては、先ず粉砕ごみを投入孔2から直接溶融炉1に投
入すると、当該粉砕ごみが内部で熱分解されることによ
り、熱分解ガスと炭素質で高カロリーなチャーとが生成
される。そして、上記チャーは、導入管3から供給され
た酸素富化空気および助燃剤と反応することにより、当
該直接溶融炉1の底部1aが1650℃程度の高温に保
持される。これにより、直接溶融炉1内は、投入口2か
ら底部1aに向けて、順次乾燥帯域6、熱分解帯域7、
燃焼帯域8および溶融帯域9各帯域が連続した状態で形
成される。そして、ごみ中の不燃物は、底部の燃焼・溶
融帯域8、9において無害の溶融スラグ(金属やガラス
の溶融物)となり、底部1aから連続的に排出されて行
く。これと並行して、直接溶融炉1の底部1aにおける
反応によって発生した高温ガスは、炉内を上昇して順次
投入された粉砕ごみを熱分解帯域7において熱分解し、
還元雰囲気の熱分解ガスとなり、さらにこの熱分解ガス
によって投入孔2から投入されたばかりの粉砕ごみが乾
燥される。
いては、先ず粉砕ごみを投入孔2から直接溶融炉1に投
入すると、当該粉砕ごみが内部で熱分解されることによ
り、熱分解ガスと炭素質で高カロリーなチャーとが生成
される。そして、上記チャーは、導入管3から供給され
た酸素富化空気および助燃剤と反応することにより、当
該直接溶融炉1の底部1aが1650℃程度の高温に保
持される。これにより、直接溶融炉1内は、投入口2か
ら底部1aに向けて、順次乾燥帯域6、熱分解帯域7、
燃焼帯域8および溶融帯域9各帯域が連続した状態で形
成される。そして、ごみ中の不燃物は、底部の燃焼・溶
融帯域8、9において無害の溶融スラグ(金属やガラス
の溶融物)となり、底部1aから連続的に排出されて行
く。これと並行して、直接溶融炉1の底部1aにおける
反応によって発生した高温ガスは、炉内を上昇して順次
投入された粉砕ごみを熱分解帯域7において熱分解し、
還元雰囲気の熱分解ガスとなり、さらにこの熱分解ガス
によって投入孔2から投入されたばかりの粉砕ごみが乾
燥される。
【0004】次いで、上記熱分解ガスは、排気部4から
ガス燃焼炉5に送られて完全燃焼された後、その廃熱が
下流側に配設された図示されないボイラで蒸気に熱交換
され、得られた蒸気によってタービンが駆動されること
により、発電機によって電力として回収される。このよ
うにして廃熱が回収された排ガスは、さらに下流側に配
設されたバグフィルタ等の集塵機に送られて、当該排ガ
ス中の飛灰等が捕集された後に、含有する亜硫酸ガス等
が除去されて無害化され、煙突から大気に放出されるよ
うになっている。このような直接溶融炉1は、ごみを直
接溶融炉1において熱分解することにより燃焼排ガスと
炭素質で高カロリーなチャーを得て、上記チャーに酸素
富化空気を供給してごみ中の不燃物を無害な溶融スラグ
として系外に排出するものであって、減容率が大きいた
めに埋立処分量を最小化できるとともに、高温で溶融処
理されたスラグは重金属の溶出がなく、再利用が可能で
あるという優れた利点を有する。
ガス燃焼炉5に送られて完全燃焼された後、その廃熱が
下流側に配設された図示されないボイラで蒸気に熱交換
され、得られた蒸気によってタービンが駆動されること
により、発電機によって電力として回収される。このよ
うにして廃熱が回収された排ガスは、さらに下流側に配
設されたバグフィルタ等の集塵機に送られて、当該排ガ
ス中の飛灰等が捕集された後に、含有する亜硫酸ガス等
が除去されて無害化され、煙突から大気に放出されるよ
うになっている。このような直接溶融炉1は、ごみを直
接溶融炉1において熱分解することにより燃焼排ガスと
炭素質で高カロリーなチャーを得て、上記チャーに酸素
富化空気を供給してごみ中の不燃物を無害な溶融スラグ
として系外に排出するものであって、減容率が大きいた
めに埋立処分量を最小化できるとともに、高温で溶融処
理されたスラグは重金属の溶出がなく、再利用が可能で
あるという優れた利点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
直接溶融炉1にあって、直接溶融炉1内において、粉砕
ごみ中に含まれる媒塵成分が、熱分解帯域7および燃焼
帯域8で生成して排気部4に向けて上昇する熱分解ガス
流に同伴して、下流側の集塵機によって捕集されること
になる。このようにして捕集された媒塵は、ケイ素、カ
ルシウム、塩素等を主成分とし、これに水銀、カドミウ
ム、鉛、クロム等の低沸点重金属を含むものであるた
め、近年における地球規模での環境保護の要請の高まり
から、法律上飛灰として分類され、例えば溶融法、セメ
ント固化法、薬剤処理法および溶媒溶出法のいずれかの
方法によって無害化することにより、厳しい排出基準に
基づいて埋立処理することが義務付けられている。
直接溶融炉1にあって、直接溶融炉1内において、粉砕
ごみ中に含まれる媒塵成分が、熱分解帯域7および燃焼
帯域8で生成して排気部4に向けて上昇する熱分解ガス
流に同伴して、下流側の集塵機によって捕集されること
になる。このようにして捕集された媒塵は、ケイ素、カ
ルシウム、塩素等を主成分とし、これに水銀、カドミウ
ム、鉛、クロム等の低沸点重金属を含むものであるた
め、近年における地球規模での環境保護の要請の高まり
から、法律上飛灰として分類され、例えば溶融法、セメ
ント固化法、薬剤処理法および溶媒溶出法のいずれかの
方法によって無害化することにより、厳しい排出基準に
基づいて埋立処理することが義務付けられている。
【0006】この結果、上記飛灰を無害化処理するため
の専用の大型設備を必要とするために、全体としての処
理設備が大型化して建設費用および保守管理費用の高騰
化を招くという問題点があり、その改善が望まれてい
る。また、特に直接溶融炉1から排出される排ガス中の
媒塵量が多い場合には、上述したバグフィルタ等の集塵
機における媒塵負荷を低減化させるために、当該集塵機
の上流側に、別途サイクロン等の予備的な集塵装置を増
設する方策も採られているが、かかる方策についても、
ごみ処理設備全体として、設備費用と消費電力との増大
を招くという欠点があり、その対策が要請されている。
の専用の大型設備を必要とするために、全体としての処
理設備が大型化して建設費用および保守管理費用の高騰
化を招くという問題点があり、その改善が望まれてい
る。また、特に直接溶融炉1から排出される排ガス中の
媒塵量が多い場合には、上述したバグフィルタ等の集塵
機における媒塵負荷を低減化させるために、当該集塵機
の上流側に、別途サイクロン等の予備的な集塵装置を増
設する方策も採られているが、かかる方策についても、
ごみ処理設備全体として、設備費用と消費電力との増大
を招くという欠点があり、その対策が要請されている。
【0007】本発明は、このような要請に対応すべくな
されたもので、排気部から排出される排ガス中の媒塵同
伴量を低減化させることができ、よってごみ処理設備か
ら排出除去される飛灰の減量化を達成することが可能に
なる直接溶融炉を提供することを目的とするものであ
る。
されたもので、排気部から排出される排ガス中の媒塵同
伴量を低減化させることができ、よってごみ処理設備か
ら排出除去される飛灰の減量化を達成することが可能に
なる直接溶融炉を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
に係る直接溶融炉は、上部または側胴部に廃棄物の投入
口が設けられ、底部に酸素含有気体の導入管が接続され
ることにより、内部に上記投入口から下方に向けて、順
次乾燥、熱分解、燃焼および溶融の各帯域が形成され、
上記投入口の上部に上記廃棄物から生成された熱分解ガ
スを排出する排気部が設けられ、さらに上記乾燥帯域か
ら排気部に至る間にフリーボード部が形成され、かつこ
のフリーボード部の断面積が、その下方に位置する少な
くとも乾燥帯域における断面積よりも大きく形成されて
いることを特徴とするものである。
に係る直接溶融炉は、上部または側胴部に廃棄物の投入
口が設けられ、底部に酸素含有気体の導入管が接続され
ることにより、内部に上記投入口から下方に向けて、順
次乾燥、熱分解、燃焼および溶融の各帯域が形成され、
上記投入口の上部に上記廃棄物から生成された熱分解ガ
スを排出する排気部が設けられ、さらに上記乾燥帯域か
ら排気部に至る間にフリーボード部が形成され、かつこ
のフリーボード部の断面積が、その下方に位置する少な
くとも乾燥帯域における断面積よりも大きく形成されて
いることを特徴とするものである。
【0009】ここで、請求項2に記載の発明は、上記フ
リーボード部の断面積を、その下方に位置する上記乾
燥、熱分解、燃焼および溶融の各帯域における断面積の
1.5〜4倍に形成したことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、上記フリーボード部上
下部の拡大部または縮小部における炉壁の傾斜角度を、
鉛直線に対して15゜〜60゜の範囲に設定したことを
特徴とするものである。
リーボード部の断面積を、その下方に位置する上記乾
燥、熱分解、燃焼および溶融の各帯域における断面積の
1.5〜4倍に形成したことを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、上記フリーボード部上
下部の拡大部または縮小部における炉壁の傾斜角度を、
鉛直線に対して15゜〜60゜の範囲に設定したことを
特徴とするものである。
【0010】さらに、請求項4に記載の発明は、上記フ
リーボード部の高さが、1〜6mの範囲であることを特
徴とするものである。
リーボード部の高さが、1〜6mの範囲であることを特
徴とするものである。
【0011】請求項1〜4のいずれかに記載の直接溶融
炉においては、乾燥帯域の上方にこれより下部よりも断
面積が大きいフリーボード部を形成しているので、当該
フリーボード部において、熱分解帯域および燃焼帯域で
生成して排気部に向けて上昇する熱分解ガス流の流速が
小さくなる。このため、熱分解ガスにおいて媒塵を同伴
する原動力となる運動エネルギーが、流速の減速比の2
乗で小さくなり、同伴してきた媒塵が徐々にその慣性力
を失って行く。
炉においては、乾燥帯域の上方にこれより下部よりも断
面積が大きいフリーボード部を形成しているので、当該
フリーボード部において、熱分解帯域および燃焼帯域で
生成して排気部に向けて上昇する熱分解ガス流の流速が
小さくなる。このため、熱分解ガスにおいて媒塵を同伴
する原動力となる運動エネルギーが、流速の減速比の2
乗で小さくなり、同伴してきた媒塵が徐々にその慣性力
を失って行く。
【0012】この結果、上記熱分解ガス中における限界
粒子径以上の粒子径を有する媒塵は、当該熱分解ガスと
の同伴が解かれて直接溶融炉の下方に向けて落下し、溶
融帯域で溶融されてスラグとして底部から排出されるこ
とになる。したがって、上記媒塵は、直接溶融炉下流側
の集塵機には到達しなくなるために、上述したようにご
み処理設備から排出除去されて法律上厳しい処理が要求
される飛灰の総量を低減化させることが可能になる。ま
た、直接溶融炉から排出される排ガス中の媒塵量が多い
場合においても、従来のように集塵機の上流側にサイク
ロン等の予備的な集塵装置を増設する必要がなく、よっ
てごみ処理設備全体としての設備費用と消費電力との削
減を図ることが可能になる。
粒子径以上の粒子径を有する媒塵は、当該熱分解ガスと
の同伴が解かれて直接溶融炉の下方に向けて落下し、溶
融帯域で溶融されてスラグとして底部から排出されるこ
とになる。したがって、上記媒塵は、直接溶融炉下流側
の集塵機には到達しなくなるために、上述したようにご
み処理設備から排出除去されて法律上厳しい処理が要求
される飛灰の総量を低減化させることが可能になる。ま
た、直接溶融炉から排出される排ガス中の媒塵量が多い
場合においても、従来のように集塵機の上流側にサイク
ロン等の予備的な集塵装置を増設する必要がなく、よっ
てごみ処理設備全体としての設備費用と消費電力との削
減を図ることが可能になる。
【0013】この際に、フリーボード部の断面積の増大
比率は、熱分解ガス中に含まれる媒塵の粒径分布、すな
わち粉砕ごみの種類によって適宜決定されるものである
が、一般的には、請求項2に記載の発明のようにその下
方に位置する各帯域の断面積の1.5〜4倍に設定する
ことが好ましい。ちなみに、上記増大比率を1.5倍に
設定すれば、当該フリーボード部における熱分解ガスの
流速は1/1.5になり、その運動エネルギーは、1/
2.25に減少することになる。また、逆に上記増大比
率が4倍を超えると、直接溶融炉自体が大型化して過度
の設置スペースを必要とすることになり、好ましくな
い。このような観点から、上記フリーボード部の断面積
の増大比率を2〜3倍に形成すれば、より優れた媒塵の
落下効果を得ることができるとともに、直接溶融炉の大
幅な大径化を招くことが無く一層好適である。
比率は、熱分解ガス中に含まれる媒塵の粒径分布、すな
わち粉砕ごみの種類によって適宜決定されるものである
が、一般的には、請求項2に記載の発明のようにその下
方に位置する各帯域の断面積の1.5〜4倍に設定する
ことが好ましい。ちなみに、上記増大比率を1.5倍に
設定すれば、当該フリーボード部における熱分解ガスの
流速は1/1.5になり、その運動エネルギーは、1/
2.25に減少することになる。また、逆に上記増大比
率が4倍を超えると、直接溶融炉自体が大型化して過度
の設置スペースを必要とすることになり、好ましくな
い。このような観点から、上記フリーボード部の断面積
の増大比率を2〜3倍に形成すれば、より優れた媒塵の
落下効果を得ることができるとともに、直接溶融炉の大
幅な大径化を招くことが無く一層好適である。
【0014】また、断面積が増大したフリーボード部を
形成するに際しては、その上下部との間に拡大部および
縮小部を形成する必要がある。そして、上記拡大部また
は縮小部の炉壁を、例えば水平に形成すると、拡大部に
ついてはフリーボード部から落下する媒塵が、当該炉壁
に積層してしまい、溶融部まで落下させてスラグ化させ
ることができなくなる。他方、縮小部についても、水平
状の炉壁によって熱分解ガスの円滑な流れが阻害される
ことになる。また、逆に上記拡大部または縮小部の炉壁
を、極力垂直に近く傾斜させると、媒塵を下方に向けて
落下させる際のガイドとしての機能や、あるいは熱分解
ガスの流れを円滑にさせる機能については大幅に向上す
るものの、フリーボード部の断面積を所定の増加比率ま
で増大させるためには、当該拡大部または縮小部におけ
る長さ寸法が極端に大きくなり、この結果直接溶融炉全
体の高さ寸法が不必要に大きくなり過ぎるという不都合
が生じる。
形成するに際しては、その上下部との間に拡大部および
縮小部を形成する必要がある。そして、上記拡大部また
は縮小部の炉壁を、例えば水平に形成すると、拡大部に
ついてはフリーボード部から落下する媒塵が、当該炉壁
に積層してしまい、溶融部まで落下させてスラグ化させ
ることができなくなる。他方、縮小部についても、水平
状の炉壁によって熱分解ガスの円滑な流れが阻害される
ことになる。また、逆に上記拡大部または縮小部の炉壁
を、極力垂直に近く傾斜させると、媒塵を下方に向けて
落下させる際のガイドとしての機能や、あるいは熱分解
ガスの流れを円滑にさせる機能については大幅に向上す
るものの、フリーボード部の断面積を所定の増加比率ま
で増大させるためには、当該拡大部または縮小部におけ
る長さ寸法が極端に大きくなり、この結果直接溶融炉全
体の高さ寸法が不必要に大きくなり過ぎるという不都合
が生じる。
【0015】このため、上記拡大部または縮小部におけ
る炉壁の傾斜角度としては、請求項3に記載の発明のよ
うに鉛直線に対して15゜〜60゜の範囲、望ましくは
30゜〜45゜の範囲に設定すれば、より好適である。
る炉壁の傾斜角度としては、請求項3に記載の発明のよ
うに鉛直線に対して15゜〜60゜の範囲、望ましくは
30゜〜45゜の範囲に設定すれば、より好適である。
【0016】さらに、断面積が増大したフリーボード部
の高さについては、熱分解ガスの流速やこの熱分解ガス
中に含まれる媒塵の粒径分布等の処理条件によって適宜
決定されるものであるが、概ね1m以下であると媒塵が
当該フリーボード部において徐々にその慣性力を失って
落下するために充分ではなく、逆に6mを超えると直接
溶融炉自体の高さ寸法が過大になり過ぎて不経済であ
る。かかる観点から、上記フリーボード部の高さ寸法に
ついては、請求項4に記載の発明のように、1〜6mの
範囲、より好ましくは1.5〜3mの範囲に設定する。
の高さについては、熱分解ガスの流速やこの熱分解ガス
中に含まれる媒塵の粒径分布等の処理条件によって適宜
決定されるものであるが、概ね1m以下であると媒塵が
当該フリーボード部において徐々にその慣性力を失って
落下するために充分ではなく、逆に6mを超えると直接
溶融炉自体の高さ寸法が過大になり過ぎて不経済であ
る。かかる観点から、上記フリーボード部の高さ寸法に
ついては、請求項4に記載の発明のように、1〜6mの
範囲、より好ましくは1.5〜3mの範囲に設定する。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の直接溶融炉の一
実施形態を示すもので、図2に示したものと同一構成部
分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図1に示すように、この直接溶融炉10においては、乾
燥帯域6、熱分解帯域7、燃焼帯域8および溶融帯域9
が形成される胴体部10bの上部に、拡大部11を介し
て断面積A2 が胴体部10bの断面積1 よりも大きなフ
リーボード部12が形成され、このフリーボード部12
の上部が縮小部13を介して排気部4に一体に接続され
ている。
実施形態を示すもので、図2に示したものと同一構成部
分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図1に示すように、この直接溶融炉10においては、乾
燥帯域6、熱分解帯域7、燃焼帯域8および溶融帯域9
が形成される胴体部10bの上部に、拡大部11を介し
て断面積A2 が胴体部10bの断面積1 よりも大きなフ
リーボード部12が形成され、このフリーボード部12
の上部が縮小部13を介して排気部4に一体に接続され
ている。
【0018】ここで、フリーボード部12は、その断面
積A2 が胴体部10bの断面積A1の1.5〜4倍、好
ましくは2〜3倍になるように形成されている。また、
このフリーボード部の高さ寸法は、1〜6mの範囲、よ
り好ましくは1.5〜3mの範囲になるように設定され
ている。さらに、拡大部11および縮小部13は、それ
ぞれの炉壁11a、13aの鉛直線に対する傾斜角度θ
1、θ2が15゜〜60゜の範囲、より好ましくは30゜
〜45゜の範囲になるように形成されている。
積A2 が胴体部10bの断面積A1の1.5〜4倍、好
ましくは2〜3倍になるように形成されている。また、
このフリーボード部の高さ寸法は、1〜6mの範囲、よ
り好ましくは1.5〜3mの範囲になるように設定され
ている。さらに、拡大部11および縮小部13は、それ
ぞれの炉壁11a、13aの鉛直線に対する傾斜角度θ
1、θ2が15゜〜60゜の範囲、より好ましくは30゜
〜45゜の範囲になるように形成されている。
【0019】以上の構成からなる直接溶融炉10によれ
ば、乾燥帯域6の上方に、断面積A 2 が胴体部10bの
断面積A1 よりも大きいフリーボード部12を形成して
いるので、熱分解帯域7および燃焼帯域8で生成して排
気部4に向けて上昇する熱分解ガス流の流速が、拡径さ
れた上記フリーボード部12において小さくなる。この
ため、熱分解ガスにおいて媒塵を同伴する原動力となる
運動エネルギーが、流速の減速比の2乗で小さくなり、
同伴してきた媒塵が徐々にその慣性力を失って行く。
ば、乾燥帯域6の上方に、断面積A 2 が胴体部10bの
断面積A1 よりも大きいフリーボード部12を形成して
いるので、熱分解帯域7および燃焼帯域8で生成して排
気部4に向けて上昇する熱分解ガス流の流速が、拡径さ
れた上記フリーボード部12において小さくなる。この
ため、熱分解ガスにおいて媒塵を同伴する原動力となる
運動エネルギーが、流速の減速比の2乗で小さくなり、
同伴してきた媒塵が徐々にその慣性力を失って行く。
【0020】そして、上記熱分解ガス中における限界粒
子径以上の粒子径を有する媒塵は、熱分解ガスとの同伴
が解かれて直接溶融炉10の下方に向けて落下し、最終
的に溶融帯域9で溶融されてスラグとして底部10aか
ら排出されることになる。したがって、上記媒塵は、直
接溶融炉10でスラグ化されることにより、その下流側
に設置されている集塵機には到達しなくなるために、当
該集塵機で捕集される飛灰の総量を低減化させることが
できる。また、直接溶融炉10から排出される排ガス中
の媒塵量が多い場合においても、従来のように集塵機の
上流側にサイクロン等の予備的な集塵装置を増設する必
要がなく、よってごみ処理設備全体としての設備費用と
消費電力との削減を図ることができる。
子径以上の粒子径を有する媒塵は、熱分解ガスとの同伴
が解かれて直接溶融炉10の下方に向けて落下し、最終
的に溶融帯域9で溶融されてスラグとして底部10aか
ら排出されることになる。したがって、上記媒塵は、直
接溶融炉10でスラグ化されることにより、その下流側
に設置されている集塵機には到達しなくなるために、当
該集塵機で捕集される飛灰の総量を低減化させることが
できる。また、直接溶融炉10から排出される排ガス中
の媒塵量が多い場合においても、従来のように集塵機の
上流側にサイクロン等の予備的な集塵装置を増設する必
要がなく、よってごみ処理設備全体としての設備費用と
消費電力との削減を図ることができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4のい
ずれかに記載の本発明に係る直接溶融炉によれば、乾燥
帯域の上方に断面積が大きいフリーボード部を形成して
いるので、このフリーボード部において、排気部に向け
て上昇する熱分解ガス流の流速を小さくすることにより
熱分解ガスにおける運動エネルギーを小さくし、同伴し
てきた媒塵の慣性力を減じることにより、当該媒塵を直
接溶融炉の下方に向けて落下させて溶融スラグとして底
部から排出することができる。この結果、上記媒塵を、
下流側の集塵機に排出することがないために、ごみ処理
設備から排出除去される飛灰の減量化を達成することが
できるとともに、直接溶融炉から排出される排ガス中の
媒塵量が多い場合においても、集塵機の上流側にサイク
ロン等の予備的な集塵装置を増設する必要がなく、よっ
てごみ処理設備全体としての設備費用と消費電力との削
減を図ることができるといった優れた効果が得られる。
ずれかに記載の本発明に係る直接溶融炉によれば、乾燥
帯域の上方に断面積が大きいフリーボード部を形成して
いるので、このフリーボード部において、排気部に向け
て上昇する熱分解ガス流の流速を小さくすることにより
熱分解ガスにおける運動エネルギーを小さくし、同伴し
てきた媒塵の慣性力を減じることにより、当該媒塵を直
接溶融炉の下方に向けて落下させて溶融スラグとして底
部から排出することができる。この結果、上記媒塵を、
下流側の集塵機に排出することがないために、ごみ処理
設備から排出除去される飛灰の減量化を達成することが
できるとともに、直接溶融炉から排出される排ガス中の
媒塵量が多い場合においても、集塵機の上流側にサイク
ロン等の予備的な集塵装置を増設する必要がなく、よっ
てごみ処理設備全体としての設備費用と消費電力との削
減を図ることができるといった優れた効果が得られる。
【図1】本発明に係る直接溶融炉の一実施形態を示す概
略構成図である。
略構成図である。
【図2】従来の直接溶融炉を示す概略構成図である。
2 投入口 3 導入管 4 排気部 6 乾燥帯域 7 熱分解帯域 8 燃焼帯域 9 溶融帯域 10 直接溶融炉 10a 底部 11 拡大部 11a、13a 炉壁 12 フリーボード部 13 縮小部 A2 フリーボード部の断面積 θ1、θ2 傾斜角度
Claims (4)
- 【請求項1】 上部または側胴部に廃棄物の投入口が設
けられ、底部に酸素含有気体の導入管が接続されること
により、内部に上記投入口から下方に向けて、順次乾
燥、熱分解、燃焼および溶融の各帯域が形成され、上記
投入口の上部に上記廃棄物から生成された熱分解ガスを
排出する排気部が設けられた直接溶融炉において、 上記乾燥帯域から上記排気部に至る間にフリーボード部
を形成し、かつこのフリーボード部の断面積を、その下
方に位置する少なくとも上記乾燥帯域における断面積よ
りも大きく形成したことを特徴とする直接溶融炉。 - 【請求項2】 フリーボード部の断面積を、その下方に
位置する上記乾燥、熱分解、燃焼および溶融の各帯域に
おける断面積の1.5〜4倍に形成したことを特徴とす
る請求項1に記載の直接溶融炉。 - 【請求項3】 上記フリーボード部上下部の拡大部また
は縮小部における炉壁の傾斜角度を、鉛直線に対して1
5゜〜60゜の範囲に設定したことを特徴とする請求項
1または2に記載の直接溶融炉。 - 【請求項4】 上記フリーボード部の高さは、1〜6m
の範囲であることを特徴とする請求項1ないし3のいず
れかに記載の直接溶融炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1791098A JPH11201430A (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | 直接溶融炉 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1791098A JPH11201430A (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | 直接溶融炉 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11201430A true JPH11201430A (ja) | 1999-07-30 |
Family
ID=11956917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1791098A Pending JPH11201430A (ja) | 1998-01-14 | 1998-01-14 | 直接溶融炉 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11201430A (ja) |
-
1998
- 1998-01-14 JP JP1791098A patent/JPH11201430A/ja active Pending
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