JPH11201110A - シリンダ駆動機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の駆動シリンダを用いて１本の連結駆動
軸を回動するシリンダ駆動機構において、駆動シリンダ
の取付け誤差による不規則な力の発生、及びこれに起因
する駆動シリンダの寿命低下を防止する。 【解決手段】 連結駆動軸と、この連結駆動軸の長手方
向に間隔を置いて配設された複数のシリンダ２０と、シ
リンダ２０のピストンロッド２１先端のフォークエンド
３１を前記連結駆動軸にそれぞれ連接する複数のレバー
とを有するシリンダ駆動機構において、ピストンロッド
２１とフォークエンド３１とを、球形コマ２３、上部コ
マ受け２７、下部コマ受け２８及び締結ボルトからなる
ボールジョイント機構により揺動可能に接続している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、流体シリンダを駆
動力源とする駆動機構に関し、特に複数のシリンダを用
いて１個の被駆動体を駆動する駆動機構の構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】大きな駆動力を必要とするがシリンダの
大型化を避けたり、装置の信頼性を向上するために、屡
複数のシリンダを１本の連結駆動軸で作動的に連絡する
場合がある。例えば、図４は２個のシリンダ１を連結駆
動軸３に力伝達的に連結し、１本の出力レバー５により
図示しない適宜な被駆動体を駆動する駆動機構１０を分
解図的に示したものである。より詳しく説明すれば、シ
リンダ１の内部ピストンに連絡したピストンロッド７の
先端に端フォーク９が固定的に連結され、これは連結駆
動軸３の両端から延びた駆動レバー１１に連結ピン１３
を介して枢動自在に連接されている。駆動レバー１１の
ピン穴１１ａは、端フォーク９の直線移動軌跡と駆動レ
バー１１の回転移動軌跡との調和を図るため長孔となっ
ている。連結駆動軸３は、支持ブラケット１５により適
当な架台又は構造物の上に回転自在に取り付けられる。
そして、シリンダ１の直線的駆動力は、駆動レバー１１
により回転力として連結駆動軸３に伝えられ、更に出力
レバー５によって力と動きが再現される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような構造の駆動機構では次のような問題を生ずる。即
ち、個々のシリンダに三次元方向で取付け精度に誤差が
あると、シリンダの駆動力が駆動レバーに垂直に作用し
ないため、駆動レバーを介して連結駆動軸に捩り力が生
ずる。シリンダの駆動力が駆動レバーにサイドスラスト
も発生させるため、連結駆動軸に捩り力として伝わって
いく。逆に言えば、シリンダのピストンロッドに反力と
してサイドスラストが生ずるので、シリンダとピストン
ロッドとの間のシール等に偏摩耗などが生じてシリンダ
の機能低下が早期に起きることとなる。従って、本発明
は、複数のシリンダの取付け精度のばらつきが生じても
こじり力などの不規則な力が発生せず、シリンダの機能
が長期間保持できるシリンダ駆動機構を提供することを
課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】如上の課題を解決するた
め、本発明によれば、連結駆動軸と、この連結駆動軸の
長手方向に間隔を置いて配設された複数の駆動シリンダ
と、この駆動シリンダのピストンロッド先端のフォーク
エンドを前記連結駆動軸にそれぞれ連接する複数のレバ
ーとを有するシリンダ駆動機構において、前記ピストン
ロッドと前記フォークエンドとは、ボールジョイント機
構を介して揺動可能に接続される。このボールジョイン
ト機構は、具体的には、球形コマと、この球形コマに揺
動可能に取着された揺動接続具とから構成されるのが好
適である。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して本発
明の実施形態を説明する。先ず図１及び図２を参照して
シリンダ２０の構造を説明する。その力発生部分である
内部構造は通常のものであるので説明を省略するが、ピ
ストンロッド２１の先端部は細くなっていて、球形コマ
２３がナット２５により締め付けられて固定されてい
る。球形コマ２３を上下方向（図において）に挟んで長
板形上部コマ受け２７及び円板形下部コマ受け２８が配
設され、これらは締付ボルト２９により締結されてい
る。上部コマ受け２７及び下部コマ受け２８の球面座は
球形コマ２３の外面に隙間なく接触し、球形コマ２３の
中心の回りに所定角度で揺動できるようになっている。
このようにして、球形コマ２３、上部コマ受け２７、下
部コマ受け２８、及び締付ボルト２９が、所謂ボールジ
ョイント機構を形成している。更に、下部コマ受け２８
の下面にはフォークエンド３１のフランジ部が締付ボル
ト３３によって固定されている。フォークエンド３１の
フォーク部３１ａにはピン穴３１ｂが穿設されていて、
前述の従来のシリンダ駆動機構と同様に駆動レバーがピ
ンを介して連接される。このようなシリンダ２０は、図
３に示すような態様で取付け架台乃至枠体等の構造物に
取り付けられるが、取り付け面や取付け穴等の加工精度
により三次元方向（矢印Ａ，Ｂ，Ｃ）に変位し或いは傾
いて取り付けられる可能性がある。このようなシリンダ
２０には、図４に示す従来のものと同様の駆動レバー、
連結駆動軸及び出力レバー等が連接されてシリンダ駆動
機構が形成される。

【０００６】上述のようなシリンダ駆動機構において、
シリンダ２０のチューブ内への圧力流体の給排によりピ
ストンロッド２１が伸出し、駆動レバーに駆動力を伝え
る。そして、前述のような取付け誤差に起因する捩れが
駆動レバーに発生すると、反力としてフォークエンド３
１が回転力を受けるが、それに連結された下部コマ受け
２８が球形コマ２３の回りに回転揺動し、捩り力は逃げ
て伝わらない。

【０００７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シリンダ先端に連結され、シリンダのストローク中にピ
ン連結部に正常な方向以外に外力を生ずる構造を有して
いる場合、ピストンロッド先端部に球形コマを設け、揺
動を利用し発生する外力を逃し得る連結構造を採用して
いるので、ピストンロッドと軸受部の偏摩耗及びシリン
ダ作動圧の気密性のため装着されているシール類の偏摩
耗を防止してシリンダの耐久性と信頼性を向上すると共
に、連結駆動軸への捩りの伝達を発生させないため、出
力レバーに振動等の外乱の発生を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の要部を示す部分断面図であ
る。

【図２】図１に対応する部分側面図である。

【図３】前記実施例に係るピストンの取付け姿勢を示す
部分斜視図である。

【図４】従来装置の全体構造を示す一部分解斜視図であ
る。

【符号の説明】

２０ シリンダ ２１ ピストンロッド ２３ 球形コマ ２５ ナット ２７ 上部コマ受け ２８ 下部コマ受け ２９ 締結ボルト ３１ フォークエンド ３１ａ フォーク部 ３１ｂ ピン穴 ３３ 締結ボルト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 連結駆動軸と、同連結駆動軸の長手方向
   に間隔を置いて配設された複数の駆動シリンダと、同駆
   動シリンダのピストンロッド先端のフォークエンドを前
   記連結駆動軸にそれぞれ連接する複数のレバーとを有す
   るシリンダ駆動機構において、前記ピストンロッドと前
   記フォークエンドとを揺動可能に接続してなることを特
   徴とするシリンダ駆動機構。
2. 【請求項２】 球形コマと、同球形コマに揺動可能に取
   着された揺動接続具とにより前記ピストンロッドと前記
   フォークエンドとを接続してなることを特徴とする請求
   項１記載のシリンダ駆動機構。