JPH11198147A - 表面がゴム組成物からなる球体の製造方法 - Google Patents

表面がゴム組成物からなる球体の製造方法

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JPH11198147A
JPH11198147A JP10009069A JP906998A JPH11198147A JP H11198147 A JPH11198147 A JP H11198147A JP 10009069 A JP10009069 A JP 10009069A JP 906998 A JP906998 A JP 906998A JP H11198147 A JPH11198147 A JP H11198147A
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JP
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rubber composition
mold
sphere
rubber
core material
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JP10009069A
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Kenichi Kamisaka
憲市 上坂
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面がゴム組成物からなる球体であって、表
面のゴム組成物に亀裂のない球体を確実に製造できるよ
うにする。 【解決手段】 予めゴム組成物により球体の表面層3と
なる半球状の椀状成形体2a、2bを成形し、これを球
形芯材1に上下両側から被せ、かかる球形芯材の上下に
椀状成形体を被せたものを金型20の型部21内に配置
して、2個の椀状成形体を加硫成形する。この加硫成形
により2個の椀状成形体2a、2bは互いの端面にて結
合すると同時に球形芯材1の表面に固着し、加硫ゴム組
成物からなる表面層3を有する球体4が完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面がゴム組成物か
らなる球体の製造方法に関し、詳しくは、表面のゴム組
成物に亀裂のない球体を確実に製造できるようにするも
のである。
【0002】
【従来の技術】複写機、レーザービームプリンター、フ
ァクシミリ等のOA機器におけるシート物の搬送機構で
シート物に圧接してシート物を送る送り部材や、コンピ
ュータのマウスの内部球体として、表面がゴム組成物か
らなる球体が用いられている。
【0003】上記表面がゴム組成物からなる球体は、通
常、上金型と下金型が合わさって球形の型部を形成する
金型を用い、球形の型部内にゴム組成物を注入充填し
て、該充填したゴム組成物を型部内で加硫成形すること
により製造している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来方法で製造した場合、加硫成形時の加熱によりゴム組
成物が膨張し、ゴム組成物が型部内から上金型と下金型
のパーティングライン部の合わせ面の隙間に浸入して、
成形して得られる球体の表面に段差を生じ、その結果、
金型をパーティングライン部より型開きする時や型開き
後の金型(下金型)から球体を取り出す時に、上記段差
部に歪みが集中して亀裂を生ずる場合がある。このよう
な表面に亀裂が生じたゴム球体を紙送り部材やマウス内
部の球体に使用すると、製品に要求される転がり特性等
の諸特性が安定せず、また、亀裂がより大きくなって充
分な耐久性が得られなくなるという問題を生じていた。
【0005】本発明は上記のような問題を解消するため
になされたもので、表面がゴム組成物からなる球体であ
って、表面のゴム組成物に亀裂のない球体を確実に製造
できるようにすることを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、請求項1で、金型の球形の型部内のほ
ぼ中央に球形芯材を配置し、該球形芯材の表面と型部の
内周面との間にゴム組成物層を形成して、該ゴム組成物
層を加硫成形することを特徴とする表面がゴム組成物か
らなる球体の製造方法を提供している。
【0007】具体的には、予めゴム組成物により球体の
表面層となる半球状の椀状成形体を2個成形し、これを
球形芯材に上下両側から被せ、かかる球形芯材の上下に
椀状成形体を被せたものを金型の型部内に配置して、2
個の椀状成形体を加硫成形する。この加硫成形により2
個の椀状成形体は互いの端面にて結合すると同時に球形
芯材の表面に固着し、加硫ゴム組成物からなる表面層を
有する球体が完成する。なお、半球状の椀状成形体は半
加硫状態に成形しておいてもよい。加硫が完全になされ
ていると、型部内で2個の椀状成形体が結合しなくな
る。
【0008】また、型部内の略中央に球形芯材を支持固
定し、型部内における球形芯材の表面と型部内周面間の
空間にゴム組成物を注入し、該注入したゴム組成物を加
硫成形するようにしてもよい。この加硫成形により球形
芯材の外周に加硫ゴム組成物からなる表面層が結合した
状態となり、加硫ゴム組成物からなる表面層を有する球
体が完成する。
【0009】上記本発明の方法を用いると、金型の型部
内で加硫するゴム組成物が球形芯材の表面と型部の内周
面との間に配設したゴム組成物のみであり、加硫時のゴ
ム組成物の熱膨張量を小さく抑えることができる。よっ
て、型部内から上金型と下金型のパーティングライン部
の合わせ面の隙間に浸入するゴム組成物の浸入量を低減
でき、その結果、成形後の球体の表面には段差が無くな
る、あるいは、段差が極めて小さくなり、金型をパーテ
ィングライン部より型開きする際や、型開き後に球体を
金型(下金型)から取り出す際に、亀裂が発生するのを
防止することができる。
【0010】球形芯材の外周を覆う加硫ゴム組成物層
(表面層)の硬度はJISA硬度で20〜60度、好ま
しくは25〜55度の範囲とするのがよい。かかる硬度
とすることにより、例えば、OA機器のシート物の搬送
機構における送り部材として用いた場合に、荷重下に得
られる被接触物への接触面積が充分に拡大して大きな摩
擦力が得られるとともに、充分なゴム強度が得られ、耐
損傷性が向上する。また、コンピュータのマウスの内部
球体として用いた場合に、スムーズな転がり性と耐久性
を得ることができる。JISA硬度が60度を越えた場
合は、変形しにくく、シート物の搬送機構における送り
部材として用いた場合に、荷重下に得られる被接触物へ
接触面積が小さくなり、また、JISA硬度が20度よ
り小さい場合は、ゴム強度が不足して耐損傷性等の耐久
性が低下する傾向となる。
【0011】球形芯材の硬度は加硫ゴム組成物層の硬度
よりも大きくするのが好ましい。これは、球形芯材の硬
度が表面層である加硫ゴム組成物層の硬度よりも大きい
と、球体を荷重下に被接触物へ接触させ時に、加硫ゴム
組成物層は荷重中心(接触中心)を中心に内側へ変形す
るが、この時の内側への変形力が硬い球形芯材の存在に
よりその他の方向へと分散し、その結果、荷重中心(接
触中心)の周りの球体表面に横外方向への変形力が作用
して、被接触物への接触面積より拡大するとともに接触
圧も上昇し、被接触物との間の摩擦力がより向上するた
めである。よって、球形芯材の硬度は、加硫ゴム組成物
層の硬度よりもJISA硬度で10度以上、好ましくは
20度以上大きくするのがよく、又、球形芯材の硬度は
JISA硬度で70度以上、さらに、JISC硬度で5
0度以上、更にJISC硬度で60度以上とするのが好
ましい。なお、JISA硬度及びJISC硬度は、JI
SK6301の5.2スプリング硬さ試験(A形及びC
形)に定められる加硫ゴムの硬度測定方法であって、こ
の規格にて『C形硬さ試験機(JISC)は、A形(J
ISA)による硬さが70以上の試料に用いるのに適し
ている。』と記載されているように、硬度が高すぎてJ
ISAによる測定が不適切となる場合にJISCによる
測定を行うものである。JISA硬度が70度のゴムの
JISC硬度を測定した場合、そのゴムの物性によって
JISC硬度の値は異なってくるが、一般的にそのJI
SC硬度は30〜40度の範囲内となる。
【0012】上記本発明の方法では、球体の外径をD1
、上記球形芯材の外径をD0 とした、D0 /D1 ≧
0.7を満たすように、目的とする球体の外径に応じて
球形芯材の外周を覆う加硫ゴム組成物層(表面層)の厚
みを調整するのが好ましい。これは、D0 /D1 が小さ
くなると球体全体に占める金型の型部内で加硫するゴム
組成物の量が多くなって、本発明の効果が得難くなる傾
向を示すためであり、D0/D1 ≧0.7を満たすこと
により、球体表面における亀裂(段差)の発生を確実に
防止することができる。また、D0 /D1 ≧0.7を満
たすことで、上記の球形芯材の硬度を加硫ゴム組成物層
の硬度よりも大きくした時の、球体の被接触物への接触
面積及び接触圧の拡大効果がより顕著に発現することと
なる。なお、D0 /D1 があまり大きくなりすぎると、
例えば、上記半球状の椀状成形体を用いる方法で球体を
製造した場合に、椀状成形体を球形芯材に被せる際に椀
状成形体に皺が発生したりしやすくなり、亀裂(段差)
のない球体を再現性良く得ることが困難な傾向を示すよ
うになる。また、上記型部内のほぼ中心に球形芯材を支
持固定してゴム組成物の注入し、該ゴム組成物を加硫成
形する方法では、ゴム組成物が均一に注入されず、再現
性良く亀裂(段差)のない球体を得ることが困難な傾向
を示すようになる。よって、D0 /D1 は0.7〜0.
95の範囲、好ましくは0.7〜0.9の範囲にするの
がより好適である。なお、球体の大きさ(直径)は使用
用途によって相違し、特に、限定されるものではない
が、OA機器のシート物の搬送機構における送り部材や
コンピュータのマウスの内部球体として用いる場合、5
〜100mm、好ましくは20〜80mmの範囲とする
のが一般的である。
【0013】上記球形芯材としては種々の材質のものを
用いることができ、例えば、加硫ゴム、セラミック、ガ
ラス、石、木材等を挙げることができる。加硫ゴムを用
いる場合、加硫度を調整することにより硬度を高める。
また、球形芯材として加硫ゴムを用いる場合、球形芯材
の外周表面に形成する加硫ゴム組成物層(表面層)と加
硫接着により強固に固着することができるので、球形芯
材として加硫ゴムを用いるのが好ましい。
【0014】加硫ゴム組成物層(表面層)に用いるゴム
材料としては種々のゴム材料を用いることができる。例
えば、エチレ−プロピレンージエン共重合ゴム(EPD
M)、アクリルニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NB
R)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、ス
チレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、アクリルニ
トリル−ブ夕ジエン共重合ゴムの水素化物、天然ゴム
(NR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(II
R)、ハロゲン化IIR、クロロプレンゴム(CR)、
クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、エピク
ロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム(CII
C)、エピクロルヒドリン単独重合ゴム(CHR)、ニ
トリルゴム(NBR)の水素化物、塩素化ポリエチレ
ン、ウレタンゴム、シリコ−ン−エチレンプロピレン混
合ゴム等を挙げることができ、これらは1種または2種
以上を混合して用いることができる。特に、球体をOA
機器のシート物の搬送機構における送り部材やコンピュ
ータに使用されるマウス内部の球体として用いる場合、
優れた耐オゾン性と小さい圧縮永久歪みが要求させれる
ため、EPDMゴムを使用するのが好ましい。EPDM
ゴムはゴム組成物中のゴムポリマー全体当たり50重量
%以上、好ましくは80重量%以上含有させるのがよ
く、より好ましくはゴムポリマー全体をEPDMゴムと
するのがよい。なお、EPDMゴムは耐オゾン性に優れ
圧縮永久歪みが小さいが、引き裂き強度が小さいため、
従来方法で球体を作成した場合に前記の亀裂が比較的生
じやすい傾向にあったので、EPDMゴムをゴム材料と
して用いる場合に本発明方法はより好適である。
【0015】本発明において、加硫ゴム組成物層には必
要に応じて、加硫剤とともに老化防止剤、補強剤、充填
剤等を必要に応じて配合することができる。
【0016】加硫剤としては、例えば、硫黄、有機含硫
黄化合物の他、過酸化物なども使用可能である。有機含
硫黄化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムジ
スルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等が挙げら
れる。過酸化物としてはべンゾイルペルオキシド、ジク
ミルペルオキシド等を挙げることができる。また、加硫
剤とともに加硫促進剤を配合するの好ましく、加硫促進
剤としては、例えば、消石灰、マグネシア(MgO)、
リサージ(PbO)等の無機促進剤や、以下に記す有機
促進剤を使用することができる。有機促進剤としては、
例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロ
ヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェン等のチアゾ
ール系加硫促進剤や、n−ブチルアミン、tert−ブ
チルアミン、プロピルアミン等の脂肪族第1アミンと2
−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物、ジシク
ロヘキシルアミン、ピロリジン、ピペリジン等の脂肪族
第2アミンと2−メルカプトベンゾチアゾールとの酸化
縮合物、脂環式第1アミンと2−メルカプトペンゾチア
ゾールとの酸化縮合物、モリフォリン系化合物と2−メ
ルカプトベンゾチアゾールとの酸化縮合物等のスルフェ
ンアミド系加硫促進剤や、テトラメチルチウラムモノス
ルフィド(TMTM)、テトラメチルチウラムジスルフ
ィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジモノスルフ
ィド(TETD)、テトラブチルチウラムジモノスルフ
ィド(TBTD)、ジペンタメチレンチウラムテトラス
ルフィド(DPTT)等のチウラム系加硫促進剤や、ジ
メチルジチオカルバミン酸亜鉛 (ΖnMDC) 、ジエチ
ルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnEDC)、ジ−n−ブ
チルカルバミン酸亜鉛(ΖnBDC)等のジチオカルバ
ミン酸塩系加硫促進剤などを使用することができる。ま
た、加硫促進助剤を配合することもでき、例えば、亜鉛
華などの金属化合物やステアリン酸、オレイン酸、綿実
脂肪酸等の脂肪酸を用いることができる。
【0017】充填剤としては、例えば、シリカ、クレ
ー、タルク、炭酸カルシウム、二塩基性亜リン酸塩(D
LP)、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ等の粉体を
挙げることができる。充填剤を配合すると加硫ゴム組成
物層の強度が向上する。
【0018】図1は上記した予めゴム組成物により半球
状の椀状成形体を2個作成しておき、これらを球形芯材
に上下両側から被せ、金型の型部内で2個の椀状成形体
を加硫成形して球体を作成する方法の具体的手順を示し
ている。すなわち、型部が半球状の椀状空間からなる金
型10(上金型10A、下金型10B)を用いて、ゴム
組成物からなる半球状の椀状成形体2を作成する(図1
(A))。ここで、上金型10Aの半球部11の直径は
後述の球形芯材1のそれに対応させ、下金型10Bの半
球状の凹部12の直径は形成すべき椀状成形体2の外径
(直径)に対応させている。また、ゴム組成物には加硫
剤を配合しており、加熱により椀状成形体2を半加硫状
態としている。また、半球状の椀状成形体2は同じもの
を2個(椀状成形体2A、2B)作成する。
【0019】次に、上記2個の椀状成形体2A、2Bを
球形芯材1の表面に上下両側から被せる(図1
(B))。
【0020】次に、2個の椀状成形体2A、2Bを被せ
た球形芯材1を型部21が球形空間からなる金型20
(上金型20A、下金型20B)を用意し、型部21内
に上記2個の椀状成形体2A、2Bを被せた球形芯材1
をセットして型締めし、加熱により2個の椀状成形体2
A、2Bを加硫成形する(図1(C))。ここで、金型
20(上金型20A、下金型20B)の半球状の凹部2
1A、21Bの直径は最終製品の球体3の直径に対応さ
せている。この加硫成形により2個の椀状成形体2A、
2Bは互いの端面で結合する同時に球形芯材1の表面に
固着する。そして、冷却後型開きし、球体の外周面を研
磨することにより外径の微調整を行って製品の外径に合
わせる。このようにして、加硫ゴム組成物からなる表面
層3に亀裂のない球体4を得ることができる(図1
(D))。
【0021】一方、図2は上記した型部内の略中央に球
形芯材を支持固定し、型部内における球形芯材の表面と
型部内周面間の空間にゴム組成物を注入し、該注入した
ゴム組成物を加硫成形して球体を作成する方法に用いる
金型装置の具体例を示している。金型30は上金型30
Aと下金型30Bとからなり、上金型30Aと下金型3
0Bが合わさって球形空間からなる型部31を形成す
る。また、上金型30Aには型部31内でゴム組成物を
注入するための注入路34が形成されている。更に、上
金型30Aと下金型30Bには、本体内より型部31内
へ進退可能に移動し、型部31内へ突出した時に球形芯
材を保持する保持ピン32を設けている。図は保持ピン
32により球形芯材1を型部31内のほぼ中央に保持し
た状態を示している。この保持ピン32は手動または自
動で進退するように、図示しない駆動機構に連結されて
おり、型部31内から退避した時は、格納室33に格納
されるようになっている。
【0022】本装置を用いて球体は以下の手順で作成す
る。先ず、球形芯材1が型部31内に配置されるよう
に、上金型30Aと下金型30Bを閉じ、保持ピン32
を突出させて、球形芯材1を型部31内のほぼ中央に配
置固定する。次に、ゴム注入路34を通して型部31内
にゴム組成物を注入し、型部31内の空間Rにゴム組成
物が充填されると同時に、保持ピン32を格納室33に
退避させ、ゴム組成物の加硫成形を進行させる。ここ
で、ゴム注入路34のゴム注入口には、図示しない、射
出装置の射出口が当接しており、溶融混練されたゴム組
成物がゴム注入路34と通して型部31内に注入され、
予め確認しているゴム組成物の空間Rへの充填時間の経
過後直ちに保持ピン32は格納室33に退避し、これと
同時に金型が昇温し、ゴム組成物の加硫成形が行われ
る。空間Rで加硫成形されたゴム組成物は球形芯材1の
表面に固着して、加硫ゴム組成物からなる表面層3を形
成する。冷却後型開きし、球体の外周面を研磨すること
により外径の微調整を行って製品の外径に合わせる。こ
のようにして、前記具体例と同様に、加硫ゴム組成物か
らなる表面層3に亀裂のない球体4を得ることができる
(図1(D)参照)。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例(実施形
態)及び比較例により更に詳細に説明する。 [実施例1〜9]下記の処方の原料を混練し、加硫成形
により直径が30mm、35mm、40mm、46mm
のJISC硬度77度の加硫ゴム組成物からなる球形芯
材を作成した。 ハイシスポリブタジエンゴム(日本合成ゴム製BR18) 100重量部 アクリル酸亜鉛 30重量部 酸化亜鉛 20重量部 ジクミルジクミルペルオキシド 1重量部 硫酸バリウム 16重量部
【0024】下記表1の処方からなる原料A、B、Cを
用意した。
【0025】
【表1】
【0026】表中の原料A、BにおけるEPDMはパラ
フィンオイルを50重量%含む油展EPDMゴム(住友
精化製、エスプレンE670F)であり、EPDMの欄
には油展EPDMゴム中のEPDMゴム成分の重量部を
記載し、オイルの欄にはパラフィンオイルの重量部を記
載している。また、原料Cにおけるブチルゴムはブチル
ゴム50(日本合成ゴム製Butyl−268)であ
り、オイルの欄にはブチルゴムとは別に配合したパラフ
ィンオイル(出光興産製、PW90)の重量部を記載し
ている。また、加硫促進剤(1)は大内新興化学工業
(株)製のノクセラーTETであり、加硫促進剤(2)
は大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZである。
【0027】実施例1〜9では上記原料A、B、Cのい
ずれかを用い、図1に示した製法により、上記予め作成
した球形芯材の外周に加硫ゴム組成物からなる表面層を
形成して外径(直径)が50mmの球体を完成させた。
実施例10、11では上記原料Aを用い、図2に示した
製法により、上記予め作成した球形芯材の外周に加硫ゴ
ム組成物からなる表面層を形成して外径(直径)が50
mmの球体を完成させた。上記表1の最下段には、原料
A、B、Cにより得られた加硫ゴム組成物からなる表面
層のJISA硬度を記載した。一方、下記表2の上段
に、各実施例毎に加硫ゴム組成物からなる表面層を構成
する原料の種類(A、B、C)、球形芯材の直径(D0
)、球体の直径(D1 )、球形芯材の直径(D0 )と
球体の直径(D1 )の比(D0 /D1 )を記載した。
【0028】上記各実施例により作成した球体について
下記の評価試験を行った。
【0029】(外観テスト)各実施例毎に30個の球体
を作成し、目視にて金型のパーティングライン部に対応
する部分の亀裂の有無を観察し、30個中の亀裂発生率
(亀裂発生個数/30個×100)%を求めた。
【0030】(摩擦係数)上記各実施例毎に作成した3
0個の球体のそれぞれについて図3に示す治具を用いて
紙に対する摩擦係数を測定し、30個の平均の摩擦係数
を求めた。治具100は、ドーナツ板状の上板41と下
板42を双方の内穴が上下で重なるように所定間隔を開
けて上下に配置し、上板41と下板42の対応する4か
所を4本の支柱43で連結し、4本の支柱43の上端部
43Aを上板41を貫通させて上板41の上方に突出さ
せている。ドーナツ板状の上板41と下板42はその中
心軸から左右に分割された、半ドーナツ板状の分割板4
4A、44Bからなり、2個の半ドーナツ板状の分割板
44A、44Bの各分割端面には棒状の平板45A、4
5Bのほぼ半分の長さ部分が接着している。棒状の平板
45A、45Bの残りのほぼ半分の長さ部分は上板41
と下板42の外周端面より外側に突出しており、その一
部に平板45Aと平板45B間を閉鎖または解放するた
めのネジ機構50が設けられている。上板41と下板4
2の分割ラインは両者間で同壱位置に配置しており、上
板41と下板42に取り付けているネジ機構50のネジ
を外すことにより、治具全体が分割される。
【0031】摩擦係数の測定は、先ず、分割状態にした
治具100の間に球体Kを挟み、両分割体を上板41と
下板42のそれぞれに設けたネジ機構50によりネジ締
めすることで合体させる。ここで、治具100の上板4
1と下板42の内穴の内周面のみで球体Kを支えた状態
になり、球体は治具100の内部で回転可能に保持され
る。そして、この状態で治具100とともに球体Kを作
業台上の紙Sの上に載せ、4本の支柱43の上端部43
Aの上にドーナツ板状の重り46を載せて、球体Kに荷
重Wをかけ、紙Sの端部に取り付けたロードセルを手で
引っ張って、紙Sを引く抜く(図3(B))。この時の
ロードセルにより測定される力をFとし、摩擦係数
(μ)をμ=F/Wより計算する。
【0032】以上の評価試験の結果は下記表2の下段に
記載した。 [比較例]比較例1〜3として、上記原料A、B、Cを
用い、従来方法、すなわち、金型の球形の型部内にゴム
組成物を注入して充填し、型部内で充填したゴム組成物
を球体となるように加硫成形する方法により、外径(直
径)が50mmの球体を作成した。そして、各比較例の
球体について、上記実施例と同様の評価試験を行った。
これらの結果を下記表2に記載した。
【0033】
【表2】
【0034】表2に示すように、従来の製法による比較
例1、2、3では、亀裂発生率が87〜100%である
のに対し、実施例では亀裂発生率は最高でも27%(実
施例2)で、表面のゴム組成物に亀裂の発生のない球体
を再現性良く製造することができた。また、実施例の製
法では、球形芯材の直径(D0 )と球体の直径(D1 )
の比(D0 /D1 )が0.7より大きい時に、より高い
摩擦係数が得られている。これは、加硫ゴム組成物から
なる表面層の厚みが小さいので、球形芯材の硬度が加硫
ゴム組成物からなる表面層の硬度より大きいことによる
球体の被接触物への接触面積及び接触圧の拡大効果がよ
り顕著に発現したものと考察した。
【0035】
【発明の効果】以上の説明より明かなように、本発明に
よれば、金型の型部内で加硫成形するゴム組成物を球体
の表面層を形成するゴム組成物に対してのみ行うように
したので、型部内における加硫ゴム組成物の熱膨張量を
小さく抑えることができ、型部内から上金型と下金型の
パーティングライン部の合わせ面の隙間に浸入するゴム
組成物の浸入量を従来よりも大きく低減することができ
る。よって、成形後の球体の表面にはパーティングライ
ン部に対応して段差を生じることが殆ど無くなり、型開
きして得られる球体の表面に亀裂が発生するのを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)(B)(C)(D)は本発明の球体の
製造方法の一具体例による製造手順を示した概略断面図
である。
【図2】 本発明の球体の製造方法の他の具体例に用い
る金型装置の概略断面図である。
【図3】 球体の摩擦係数測定用治具の上面図(A)と
該摩擦係数測定用治具の使用状態を示す平面図(B)で
ある。
【符号の説明】
1 球形芯材 3 加硫ゴム組成物からなる表面層 4 球体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G06F 3/033 340 G06F 3/033 340B B29K 9:00 105:24 B29L 9:00 31:32

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型の球形の型部内のほぼ中央に球形芯
    材を配置し、該球形芯材の表面と球形の型部の内周面と
    の間にゴム組成物層を形成して、該ゴム組成物層を加硫
    成形することを特徴とする表面がゴム組成物からなる球
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記球体の外径をD1 、上記球形芯材の
    外径をD0 とした時、D0 /D1 ≧0.7である請求項
    1に記載の表面がゴム組成物からなる球体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記ゴム組成物はゴムポリマー全体当た
    り50重量%以上のEPDMゴムを含むものである請求
    項1に記載の表面がゴム組成物からなる球体の製造方
    法。
JP10009069A 1998-01-20 1998-01-20 表面がゴム組成物からなる球体の製造方法 Withdrawn JPH11198147A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005005122A1 (ja) * 2003-07-11 2005-01-20 Kokoku Intech Co., Ltd. 基材入りゴム部材の製造方法及び基材入りゴム部材
WO2015029761A1 (ja) * 2013-09-02 2015-03-05 株式会社ポリテック・デザイン 中空体およびその製造方法

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