JPH11196696A - 海藻の着床部材として金属体を使用する養殖、移植、栽培法 - Google Patents
海藻の着床部材として金属体を使用する養殖、移植、栽培法Info
- Publication number
- JPH11196696A JPH11196696A JP3950098A JP3950098A JPH11196696A JP H11196696 A JPH11196696 A JP H11196696A JP 3950098 A JP3950098 A JP 3950098A JP 3950098 A JP3950098 A JP 3950098A JP H11196696 A JPH11196696 A JP H11196696A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】磯焼け等によって荒廃した海域及び海底に海藻
を移植し、その回復と活性化を求めるものである。これ
により沿岸漁業の発展を促し、併せて地域、ひいては日
本の漁業の発展を促進させる。 【解決手段】次の二つの請求項目により成り立つ。即
ち、鉄を主とした金属体を着床部材として使用し、海
藻の繁茂にとって必要な鉄イオン等を供給する、上記
着床部材に着床させた海藻を繁茂の必要とする海底へ直
に移植する、ものである。
を移植し、その回復と活性化を求めるものである。これ
により沿岸漁業の発展を促し、併せて地域、ひいては日
本の漁業の発展を促進させる。 【解決手段】次の二つの請求項目により成り立つ。即
ち、鉄を主とした金属体を着床部材として使用し、海
藻の繁茂にとって必要な鉄イオン等を供給する、上記
着床部材に着床させた海藻を繁茂の必要とする海底へ直
に移植する、ものである。
Description
【0017】
【産業上の利用分野】本発明は、金属体を着床部材とし
て育成した海草の苗を、海草を必要とする海域底に移植
し繁茂させ、その海域の活性化を図る。それにより、コ
ンブ、ワカメ等の生産、ひいてはウニ等の生産による産
業の発展を図る。
て育成した海草の苗を、海草を必要とする海域底に移植
し繁茂させ、その海域の活性化を図る。それにより、コ
ンブ、ワカメ等の生産、ひいてはウニ等の生産による産
業の発展を図る。
【0018】
【磯焼けにみる沿岸漁業の課題】沿岸漁業は、種々の養
殖技術の開発により発展して来た。しかし、近年沿岸海
域の汚染は、「赤潮」、「磯焼け」等の現象が示す通り
著しく進んでいる。その一つ「赤潮」の対策について
は、世論の高まりや行政機関、関係諸氏の努力により改
善される方向にあることは極めて好ましい。
殖技術の開発により発展して来た。しかし、近年沿岸海
域の汚染は、「赤潮」、「磯焼け」等の現象が示す通り
著しく進んでいる。その一つ「赤潮」の対策について
は、世論の高まりや行政機関、関係諸氏の努力により改
善される方向にあることは極めて好ましい。
【0019】しかし、「磯焼け現象」については、その
発生のメカニズムが複雑であることに起因して対策が遅
々として進まない状況にある。それによって起こる沿岸
漁業の被害額は甚大であるばかりでなく、加えて貴重な
自然を失うことの大きさは計り知れないものがある。本
発明は、その「磯焼け現象」の根本的な解決を図り、沿
岸海域の活性化を図るを目的とする。加えて、それに付
加される多くの恩恵をもたらすことを確信する。
発生のメカニズムが複雑であることに起因して対策が遅
々として進まない状況にある。それによって起こる沿岸
漁業の被害額は甚大であるばかりでなく、加えて貴重な
自然を失うことの大きさは計り知れないものがある。本
発明は、その「磯焼け現象」の根本的な解決を図り、沿
岸海域の活性化を図るを目的とする。加えて、それに付
加される多くの恩恵をもたらすことを確信する。
【0020】
【従来の技術】「磯焼け」の害を克服するために、従来
から行われている方法には、・海域に各種の養殖装置を
用いる、・石灰分を取り除く為に、機械的にはぎ取る方
法や爆破による除去、・栄養分の補給などがある。従来
の各種養殖装置の発明は、海水中に設置しその目的を遂
げるものである。又、「石灰分の除去」については、当
面の現象を除去しその活性化を計るものとして試みられ
ている。
から行われている方法には、・海域に各種の養殖装置を
用いる、・石灰分を取り除く為に、機械的にはぎ取る方
法や爆破による除去、・栄養分の補給などがある。従来
の各種養殖装置の発明は、海水中に設置しその目的を遂
げるものである。又、「石灰分の除去」については、当
面の現象を除去しその活性化を計るものとして試みられ
ている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、沿岸漁業に
甚大な影響を与える「磯焼け」といわれる現象を解決す
ることにある。海域の回復と活性化を計ることは、漁業
の発展のみならず自然を守り育てることに連なる重要な
課題である。
甚大な影響を与える「磯焼け」といわれる現象を解決す
ることにある。海域の回復と活性化を計ることは、漁業
の発展のみならず自然を守り育てることに連なる重要な
課題である。
【0022】課題解決の糸口として、「磯焼け発生のメ
カニズム」を考察すると、次のような原因が考えられ
る。即ち、・海水の汚染及び成分の変化、・海水塩分の
減少等海水濃度の変化、・藻食性動物(ウニ等)による
海藻(コンブ等)の食害、・石灰藻類の発生による石灰
の堆積等、それらの単一若しくは複合的作用によって発
生する。
カニズム」を考察すると、次のような原因が考えられ
る。即ち、・海水の汚染及び成分の変化、・海水塩分の
減少等海水濃度の変化、・藻食性動物(ウニ等)による
海藻(コンブ等)の食害、・石灰藻類の発生による石灰
の堆積等、それらの単一若しくは複合的作用によって発
生する。
【0023】見方を転じると、「磯焼け」は、「従前の
海藻繁茂に適する海域環境」から、「磯焼け」を生じせ
しめる「新しい海域環境への変化」による当然の帰結と
して発生したと押さえられる。従って、その「海水を含
めた海域環境の復元」がなされなければその根本的解決
が得られない。
海藻繁茂に適する海域環境」から、「磯焼け」を生じせ
しめる「新しい海域環境への変化」による当然の帰結と
して発生したと押さえられる。従って、その「海水を含
めた海域環境の復元」がなされなければその根本的解決
が得られない。
【0024】更に、「磯焼け」を引き起こす背景には、
前記四点に加えて「森林の伐採との因果関係」が指摘さ
れて久しい。森林資源の作り出す腐葉土成分の海域への
流入が海藻をはじめ海産資源の成育を促して来た。先人
が守り育ててきた「魚付林」の保護育成が叫ばれる昨今
の動きは蓋し当を得ている。
前記四点に加えて「森林の伐採との因果関係」が指摘さ
れて久しい。森林資源の作り出す腐葉土成分の海域への
流入が海藻をはじめ海産資源の成育を促して来た。先人
が守り育ててきた「魚付林」の保護育成が叫ばれる昨今
の動きは蓋し当を得ている。
【0025】
【発明が解決しようとする手段】本発明は、
【0024】記述「魚付林」の生成する成分を分析・考
察し、海藻を繁茂させる金属イオンの働きに着目した。
即ち、「磯焼け」の起因する要素の一つに海域の金属イ
オンの減少が指摘出来ることである。
察し、海藻を繁茂させる金属イオンの働きに着目した。
即ち、「磯焼け」の起因する要素の一つに海域の金属イ
オンの減少が指摘出来ることである。
【0026】本発明は、この不足する金属イオンを効率
よく、しかもやがて自然界に戻る形で海藻に供給する技
術と方法を示すものである。
よく、しかもやがて自然界に戻る形で海藻に供給する技
術と方法を示すものである。
【0027】本発明は、「海藻を直接海底に移植出来
る」という点で、従来の技術に比してより自然に近い養
殖栽培技術及び方法であり、自然そのものを復元・活性
化させ得るものである。
る」という点で、従来の技術に比してより自然に近い養
殖栽培技術及び方法であり、自然そのものを復元・活性
化させ得るものである。
【0028】本発明は、石灰分の堆積する海底にも移植
・栽培することにより、自然を破壊することなく海域そ
のものを復元・活性化するものである。
・栽培することにより、自然を破壊することなく海域そ
のものを復元・活性化するものである。
【0029】
【0030】
【図1】着床部材となる金属体を示す図である。
【0031】イ.多様に考えられる形状、大きさの例を
示す。
示す。
【0032】ロ.金属体に空洞を設け、表面積を大きく
する工夫がある。
する工夫がある。
【0033】ハ.点線及び斜線は空洞を示す。
【0034】
【図2】海藻の苗を移植する模式図である。
【0035】(a)は、海底岩礁等を示す。
【0036】(b)は、着床部材としての金属体を示
す。
す。
【0037】(c)は、海藻を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 海藻の着床部材として金属体(鉄及び鉄
を主とする金属)を使用すること。 【0004】1.金属体の大きさは、1cm3以上1m
3以内とするが、移植する海藻の種類及び移植海域・海
底の条件により望ましい大きさ、及び形状とする。基本
的な大きさ、形状については、図1に示す。 【0005】2.金属体の材質及びその組成について
は、海中に於て「主として鉄(Fe)イオン」、加えて
「マグネシュウム(Mg)イオン」等、海藻繁茂を促す
金属イオンを海域において発生し得るものであるものと
する。 【0006】3.金属体の製造については、公知の技術
及び方法による。 【0007】4.着床部材としての金属体への着床と
は、「金属体表面への着床」及び「金属体を海藻の根が
取り込む形」及び「開けられた空洞に海藻が入り込む
形」を云う。 【0008】5.海藻の天然種菌及び適当に成長した海
草の苗(幼芽)の採集・着床及び栽培は、公知の技術及 【0009】 - 【請求項2】 着床部材の金属体に着床した海藻を海底
へ移植すること。 【0010】1.数cm乃至は数十cmに育成させた海
藻の苗を、海藻の繁茂を必要とする海底に、数cm乃至
は数十cm間隔に移植する。海藻の大きさ及び移植間隔
は、その海域の海水成分、海底の地形及び海底地質成
分、海流、季節的特質等の諸条件に合致した最も効率的
なものとする。 【0011】2.養殖する海藻の種類は、その海域に適
するものであることを基本とすると同時にその地域の産
業上求められるものとする。 【0012】3.移植の方法は、移植する海底に船上か
らの作業若しくは海中での作業によって移植する。 【0013】ア.移植の方法は、岩盤に数cm2の穴を
適当な長さのドリルなどで穿ち、その穴へ海藻の着床し
た着床部材の金属体を埋め込む。 【0014】イ.岩盤が比較的柔い海底には、海藻の着
床した着床部材の金属体を特製のハンマーで打ち込む。 【0015】ウ.移植の模式図については、図2に示
す。 【0016】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3950098A JPH11196696A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 海藻の着床部材として金属体を使用する養殖、移植、栽培法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3950098A JPH11196696A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 海藻の着床部材として金属体を使用する養殖、移植、栽培法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11196696A true JPH11196696A (ja) | 1999-07-27 |
Family
ID=12554776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3950098A Pending JPH11196696A (ja) | 1998-01-13 | 1998-01-13 | 海藻の着床部材として金属体を使用する養殖、移植、栽培法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11196696A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005333960A (ja) * | 2004-05-24 | 2005-12-08 | Yoshimi Imoto | 高床式藻場造成(マリン・コロニー) |
DE102004010652B4 (de) * | 2004-02-29 | 2006-07-27 | Stiftung Alfred-Wegener-Institut Für Polar- Und Meeresforschung | Trägervorrichtung zur Kultur von Makroorganismen in marinen Gewässern |
WO2017113285A1 (zh) * | 2015-12-31 | 2017-07-06 | 浙江大学 | 一种高效海藻养殖设备 |
-
1998
- 1998-01-13 JP JP3950098A patent/JPH11196696A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004010652B4 (de) * | 2004-02-29 | 2006-07-27 | Stiftung Alfred-Wegener-Institut Für Polar- Und Meeresforschung | Trägervorrichtung zur Kultur von Makroorganismen in marinen Gewässern |
US7587991B2 (en) | 2004-02-29 | 2009-09-15 | Stiftung Alfred - Wegener - Institut Fuer Polar - und Meeresforschung | Support device for the cultivation of macro organisms in marine waters |
JP2005333960A (ja) * | 2004-05-24 | 2005-12-08 | Yoshimi Imoto | 高床式藻場造成(マリン・コロニー) |
WO2017113285A1 (zh) * | 2015-12-31 | 2017-07-06 | 浙江大学 | 一种高效海藻养殖设备 |
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