JPH11196576A - 多相電圧形コンバータ - Google Patents

多相電圧形コンバータ

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JPH11196576A
JPH11196576A JP31380197A JP31380197A JPH11196576A JP H11196576 A JPH11196576 A JP H11196576A JP 31380197 A JP31380197 A JP 31380197A JP 31380197 A JP31380197 A JP 31380197A JP H11196576 A JPH11196576 A JP H11196576A
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Junichi Ito
淳一 伊東
Koetsu Fujita
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 出力電圧に関係なく電源電流を高力率の正弦
波状とする。 【解決手段】 電源6とダイオードブリッジ3の入力部
間に交流スイッチ2を設け、ダイオードブリッジ3の入
力部には星形結線されたリアクトル1を接続し、リアク
トル1の電流が不連続となるように交流スイッチ2をオ
ン,オフすることにより、従来より低い直流電圧でも入
力電流を正弦波状にし得るようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交流電圧を直流
電圧に変換し、かつ交流入力電流を高力率の正弦波状の
波形とする、いわゆる高力率正弦波コンバータ装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】図9にこの種の従来例を示す。以下の説
明では、多相回路として3相回路を例として説明する。
同図の回路は1石昇圧コンバータと言われるもので、ダ
イオードブリッジ3の入力にリアクトル51を接続し、
半導体スイッチとダイオードからなる昇圧チョッパ52
を接続して構成される。この変換器では、半導体スイッ
チをオンにすると、リアクトル51を通して電源6を短
絡することにより入力電流の波形を形成する。その動作
波形は後述するが、ダイオードブリッジ3の入力に接続
されたリアクトル51の電流が不連続になるように、ス
イッチを制御することにより、交流から直流を得るとと
もに、入力電流を正弦波状に制御するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の回路では、スイ
ッチオフ時の電流が入力電圧に比例しないため、出力電
圧を電源電圧の最大値の2〜3倍にしなくては、入力電
流が正弦波状にならないという問題がある。また、この
ためスイッチ素子やダイオードブリッジに高耐圧のもの
が必要となり、コストアップの原因ともなっている。さ
らに、出力電圧は600〜900V程度となり、低い出
力電圧を必要とする用途には適用することができない。
加えて、起動時には平滑コンデンサ4に電荷が蓄えられ
ていないため、突入電流の発生に備えて初期充電回路を
必要とする、などの問題がある。したがって、この発明
の課題は、簡単かつ安価な構成で電源電流を高力率の正
弦波状にすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
べく、この発明では、ダイオードブリッジの入力部と電
源との間に交流スイッチを接続し、ダイオードブリッジ
の入力に星形結線したリアクトルを接続するようにして
いる。すなわち、電源短絡によってリアクトルに蓄えた
エネルギーを放出する際に、電源を通らない構成にし
た。つまり、交流スイッチをオンすると電源電圧はリア
クトルを介して短絡され、リアクトルにエネルギーが蓄
えられる。リアクトルに蓄えたエネルギーは、交流スイ
ッチをオフすることによりダイオードブリッジを通して
負荷へ供給される。この際、電流が電源を通過しないの
で、電源電流はスイッチの短絡時に流れる電源電圧に比
例する電流のみとなり、出力電圧に関係なく正弦波電流
が得られる。
【0005】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の第1の実施の形
態を示す回路図である。同図の回路は、エネルギー蓄積
リアクトル1と、交流スイッチ群2と、ダイオードブリ
ッジ3と、平滑コンデンサ4と、直流負荷5と、3相電
圧源6と、高周波フィルタ7とから構成される。なお、
高周波フィルタ7は必ずしも必要なものではなく、場合
によっては省略されることもある。また、交流スイッチ
は半導体スイッチを組み合わせたものから構成される。
【0006】すなわち、3相電圧源6に高周波フィルタ
7を介して交流スイッチ群2を接続し、交流スイッチ群
2の他端にダイオードブリッジ3の入力部を接続する。
また、ダイオードブリッジ3の入力部には星形結線した
リアクトル1を接続する。ダイオード整流回路3の出力
には平滑コンデンサ4を接続し、平滑コンデンサ4と並
列に直流負荷5を接続する。
【0007】交流スイッチ群2の3つのスイッチは、同
一のパルスにてリアクトル1の電流が不連続となるよう
に制御される。3つのスイッチがすべてオンのときは、
電源電圧はリアクトル1によって短絡される。このと
き、交流スイッチ群2の入力電流(フィルタ7の出力電
流)iu ' ,iv ' およびiw ' は、電源電圧をvu
v ,vw 、リアクトル1のインダクタンスをL、スイ
ッチがオンの時間をTonとすると、 iu ' =vu ・Ton/L iv ' =vv ・Ton/L iw ' =vw ・Ton/L …(1) となり、電源電圧に比例する傾きで各相の入力電流は増
加する。一方、スイッチがオフすると、リアクトル1に
蓄えられたエネルギーはダイオードブリッジ3を通して
負荷へ放出される。このとき、電流が電源6を通過しな
いため、電源に流れる電流は結局(1)式で示され、高
周波フィルタ7により平滑すれば電源と同期した正弦波
状の電流となる。
【0008】ここで、電源電流iu ,iv およびiw
ダイオードブリッジ3の入力電流(フィルタ7の出力電
流)iu ' ,iv ' およびiw ' 等の関係について、こ
の発明の場合と図9に示す従来例の場合について比較,
検討する。図2(a)は従来例の場合のU相電流波形例
を示す。すなわち、フィルタ7の出力電流iu ' は高調
波フィルタ7によってiu のような連続電流にされる。
つまり、iu はiu ' の平均値となる。いま、図9で昇
圧チョッパ52の半導体スイッチをオンすると、電源は
リアクトル51を介して短絡され、リアクトル51にエ
ネルギーが注入される。このとき、例えばU相電流iu
は、(1)式と同様に、 iu =vu ・Ton/L …(2) と表わされ、1回のスイッチングによる電流のピーク値
は電源電圧に比例する。したがって、図2(a)のA1
部分の面積は、 A1=vu ・Ton 2 /2L …(3) となり、Tonを一定とすれば電源電圧に比例する。
【0009】これに対し、図9で昇圧チョッパ52の半
導体スイッチがオフしたときの電流は、出力電圧をVd
c、電流が零になるまでの時間をTdとすると、 iu =vu ・Ton/L−(Vdc−vu )Td/L …(4) となり、これをTdについて解くと、 Td=vu ・Ton/(Vdc−vu ) …(5) となる。したがって、図2(a)のA2部分の面積は、 A2=vu 2 ・Ton 2 /2L(Vdc−vu ) …(6) となる。この場合、A2の面積はVdcに依存し、vu
には比例しない。したがって、従来ではVdcを大きく
することでA2の面積をA1に対して十分小さくし、電
流の正弦波化を図っていた。
【0010】一方、図1のこの発明では、電源と直列に
交流スイッチ群2を接続することにより、スイッチをオ
フしたときの電流が電源を通過しないようにした。これ
により、図2(b)のようにiu ' はA1部分のみとな
り、フィルタ7の入力電流、すなわち電源電流iu はV
dcが小さくても正弦波となる。スイッチがオフのとき
U相から負荷に出力される電流iLは図2(c)のよう
になり、A2の部分がリアクトル1から直接ダイオード
整流器3を通して負荷に供給される。
【0011】図3は図1における直流電圧の制御方式を
示す概念図である。すなわち、検出される直流電圧Vdc
をその指令値Vdc * と比較し、その差を電圧調節器(A
VR)に入力する。その出力と三角波とを比較して、パ
ルス幅変調(PWM)パルスを得る。なお、3つのスイ
ッチのオン,オフのタイミングは3つとも同時で良い。
また、PWMパルスは三角波の代わりに台形波などを用
いても得ることができ、パルス幅変調方式の代わりに他
の方式を用いるようにしても良い。
【0012】図4はこの発明の第2の実施の形態を示す
回路図である。同図からも明らかなように、図1に示す
交流スイッチ群2の代わりに、2つのスイッチからなる
交流スイッチ群8を用いた点が特徴である。つまり、3
相3線式の回路で2相を制御すれば、他の1相は2相の
合成により決定されるという原理にもとづくもので、そ
の他の点は図1と同様である。
【0013】図5はこの発明の第3の実施の形態を示す
回路図である。ここでは、交流スイッチを用いずにダイ
オードと半導体スイッチからなる半導体スイッチ群9を
設けた点が特徴である。この場合、使用する半導体スイ
ッチは各相1つで良い。なお、制御方法は図1と同様で
ある。図6はこの発明の第4の実施の形態を示す回路図
である。これは、図5の半導体スイッチ群9の代わりに
半導体スイッチ群10を用いたもので、図5に比べて半
導体スイッチを1つ節約することができる。
【0014】図7はこの発明の第5の実施の形態を示す
回路図である。これは、図1の交流スイッチ群2の代わ
りに、半導体スイッチ群20で構成した点が特徴であ
る。つまり、半導体スイッチ群20の各素子のスイッチ
ングのタイミングを同じとすると、すべての素子がオフ
のときは電源電流は流れず、また、すべての素子がオン
のときはどの相の電流も任意の方向に流れることが可能
なので、半導体スイッチ群20の各素子は交流スイッチ
群2と等価ということができる。なお、各素子の向きは
電源側をエミッタとしても、ダイオードブリッジ3の入
力側をエミッタとしても良い。
【0015】図8はこの発明の第6の実施の形態を示
す。これは、図4に示すものに対してコンデンサ11,
12の直列回路を設け、その中点にリアクトル1の他端
を接続することで、スイッチ8をオフしたときにリアク
トル1のエネルギーが半波整流によってコンデンサ1
1,12に蓄えられるので、図4の場合に比べて効率の
向上が期待できる。
【0016】
【発明の効果】この発明によれば、スイッチオン時には
電源リアクトルを介して短絡し、オフ時には電源を介す
ることなくリアクトルのエネルギーを負荷へ供給するよ
うにしたので、従来より低い直流電圧でも入力電流を正
弦波状とすることができる。制御も、各スイッチのオ
ン,オフのタイミングは同時で良く、非常に簡単であ
る。その結果、安価で出力電圧範囲の広い高入力力率コ
ンバータを提供することができるという利点が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図2】図1の場合の電流波形例を従来の場合と対比し
て説明する説明図である。
【図3】この発明の制御方式例を示す概念図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図5】この発明の第3の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図6】この発明の第4の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図7】この発明の第5の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図8】この発明の第6の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図9】従来例を示す回路図である。
【符号の説明】
1…リアクトル、2,8…交流スイッチ群、3…ダイオ
ードブリッジ、4…平滑コンデンサ、5…直流負荷、6
…3相電圧源、7…高周波フィルタ、9,10,20…
半導体スイッチ群、11,12…コンデンサ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n(2以上の整数)相交流電圧源を電源
    とし、ダイオードブリッジを通して直流電圧に変換する
    多相電圧形コンバータにおいて、 前記電源とダイオードブリッジの入力間にはn個の交流
    スイッチからなる交流スイッチ群を設けるとともに、ダ
    イオードブリッジの入力には星形結線してなるリアクト
    ルを接続し、前記交流スイッチ群を制御することによ
    り、各相の入力電流を正弦波状とすることを特徴とする
    多相電圧形コンバータ。
  2. 【請求項2】 前記n個の交流スイッチ群を(n−1)
    個の交流スイッチ群で置き換えることを特徴とする請求
    項1に記載の多相電圧形コンバータ。
  3. 【請求項3】 n(2以上の整数)相交流電圧源を電源
    とし、これを直流電圧に変換する多相電圧形コンバータ
    において、 ダイオードを4つ直列に接続した第1ダイオード群と、
    2つのダイオードの直列回路からなり、前記第1ダイオ
    ード群の第2番目と第3番目のダイオードに並列に接続
    される第2ダイオード群と、この第2ダイオード群と並
    列に接続される半導体スイッチング素子とからなるアー
    ム群を電源の相数nと同じ数だけ有する半導体スイッチ
    群を設け、前記第1ダイオード群の中点を電源の一端
    に、前記第2ダイオード群の中点をリアクトルの一端に
    それぞれ接続し、リアクトルの他端は共通に接続し、前
    記半導体スイッチング素子を制御することにより、各相
    の入力電流を正弦波状とすることを特徴とする多相電圧
    形コンバータ。
  4. 【請求項4】 前記アーム群を電源の相数nに対し(n
    −1)個で構成し、残りの1相を2つのダイオードの直
    列回路とし、その中点を電源とリアクトルにそれぞれ接
    続したことを特徴とする請求項3に記載の多相電圧形コ
    ンバータ。
  5. 【請求項5】 前記交流スイッチ群を半導体スイッチン
    グ素子とこれに並列接続されたダイオードとからなるス
    イッチ群で置き換えたことを特徴とする請求項1に記載
    の多相電圧形コンバータ。
  6. 【請求項6】 前記リアクトルの中性点を、直流出力部
    に設けた直列コンデンサの中点に接続したことを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれかに記載の多相電圧形コ
    ンバータ。
  7. 【請求項7】 前記リアクトルの電流が不連続になるよ
    う、交流スイッチまたは半導体スイッチング素子を制御
    することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
    載の多相電圧形コンバータ。
  8. 【請求項8】 前記交流スイッチまたは半導体スイッチ
    ング素子のオン,オフのタイミングを同一にすることを
    特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の多相電
    圧形コンバータ。
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