JPH11195605A - 露光装置及び方法 - Google Patents

露光装置及び方法

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JPH11195605A
JPH11195605A JP10294869A JP29486998A JPH11195605A JP H11195605 A JPH11195605 A JP H11195605A JP 10294869 A JP10294869 A JP 10294869A JP 29486998 A JP29486998 A JP 29486998A JP H11195605 A JPH11195605 A JP H11195605A
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Takechika Nishi
健爾 西
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度、高速なアライメントを可能とする。 【解決手段】 投影光学系の外部に設けたオフ・アクシ
ス・アライメント系とTTL(又はTTR)アライメン
ト系との両方によって同時に検出可能な基準マークの対
を、感光基板保持用のステージ上に並置して、ベースラ
イン計測を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体ウェハや液晶
用ガラスプレート等の基板に塗布された感光層を露光す
る投影露光装置に関し、特にオフ・アクシス方式のアラ
イメント系のベースラインを高精度に管理する機能を備
えた投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オフ・アクシス・アライメント系
を備えた投影露光装置(以下、便宜上ステッパーと呼
ぶ)では、特開昭53−56975号公報、特開昭56
−134737号公報等に開示されているように、感光
基板(以下ウェハとする)を保持してステップ・アンド
・リピート方式で2次元移動するウェハステージ上に基
準となるマーク板を固設し、この基準マーク板を使って
オフ・アクシス・アライメント系と投影光学系との間の
距離、所謂ベースライン量を管理していた。図1は上記
各公報に開示されたベースライン計測の原理を模式的に
表わした図である。図1において、主コンデンサーレン
ズICLは、露光時にレチクル(マスク)Rを均一に照
明するものである。レチクルRはレチクルステージRS
Tに保持され、このレチクルステージRSTはレチクル
Rの中心CCが投影レンズPLの光軸AXと合致するよ
うに移動される。一方ウェハステージWST上には、ウ
ェハ表面に形成されたアライメントマークと同等の基準
マークFMが付設され、この基準マークFMが投影レン
ズPLの投影視野内の所定位置にくるようにステージW
STを位置決めすると、レチクルRの上方に設けられた
TTL(スルーザレンズ)方式のアライメント系DDA
によって、レチクルRのマークRMと基準マークFMと
が同時に検出される。マークRMとレチクルRの中心C
Cとの距離Laは設計上予め定まった値であり、投影レ
ンズPLの像面側(ウェハ側)におけるマークRMの投
影点と中心CCの投影点との距離は、La/Mとなる。
ここでMは、ウェハ側からレクチル側を見たときの投影
レンズPLの倍率であり、1/5縮小投影レンズの場合
はM=5である。
【0003】また投影レンズPLの外側(投影視野外)
には、オフ・アクシス方式のウェハ・アライメント系O
WAが固設されている。ウェハ・アライメント系OWA
の光軸は、投影像面側では投影レンズPLの光軸AXと
平行である。そしてウェハ・アライメント系OWAの内
部には、ウェハ上のマーク、又は基準マークFMをアラ
イメントする際の基準となる指標マークTMが、ガラス
板に設けられ、投影像面(ウェハ表面、又は基準マーク
FMの面)とほぼ共役に配置されている。
【0004】さて、ベースライン量BLは、図1に示す
ようにレチクルマークRMと基準マークFMとがアライ
メントされたときのステージWSTの位置X1と、指標
マークTMと基準マークFMとがアライメントされたと
きのステージWSTの位置X2とをレーザ干渉計等で計
測し、その差(X1−X2)を計算することで求められ
る。このベースライン量BLは、後でウェハ上のマーク
をウェハ・アライメント系OWAでアライメントして投
影レンズPLの直下に送り込むときの基準量となるもの
である。すなわちウェハ上の1ショット(被露光領域)
の中心とウェハ上のマークとの間隔をXP、ウェハマー
クが指標マークTMと合致したときのウェハステージW
STの位置をX3とすると、ショット中心とレチクル中
心CCとを合致させるためにはウェハステージWSTを
次式の位置に移動させればよい。
【0005】X3−BL−XP、又はX3−BL+XP 尚、この計算式は原理的に1次元方向のみを表している
だけで、実際には2次元で考える必要があり、さらにT
TLアライメント系DDA(すなわちマークRM)の配
置、ウェハ・アライメント系OWAの配置等によっても
計算方法が異なる。
【0006】いずれにしろ、オフ・アクシス方式のウェ
ハ・アライメント系OWAを用いてウェハ上のマーク位
置を検出した後、一定量だけウェハステージWSTを送
り込むだけで、ただちにレチクルRのパターンをウェハ
上のショット領域に正確に重ね合わせて露光することが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
では、オフ・アクシス方式のアライメント系OWAの検
出中心点(指標マークTMの中心)と、レチクルRのマ
ークRMの投影レンズPLによる投影点との位置関係
(ベースライン量BL)を計測する際、その相対距離
は、ウェハステージWSTを移動させてレーザ干渉計を
求めている。このため、ウェハステージWSTの走り精
度、レーザ干渉計のレーザビーム光路の空気ゆらぎ等の
必然的にさけられない要因によって、ベースライン計測
の精度向上には自ずと限界が生じていた。また基準マー
クFMを、TTLアライメント系DDAの検出領域内に
位置決めするためのウェハステージWSTの移動と、基
準マークFMをオフ・アクシス・アライメント系OWA
の検出中心点に位置決めするためのウェハステージWS
Tの移動とが必要であり、ベースライン計測処理の速度
を高めることにも自ずと限界があった。
【0008】本発明は、この様な従来の問題点に鑑みて
なされたもので、ベースライン計測精度の向上と処理速
度の向上を計った投影露光装置を得ることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、感光基板を
保持するステージ上に、オフ・アクシス・アライメント
系(OWA)によって検出可能な第1基準マーク(FM
1)と投影光学系を介したアライメント系によって検出
可能な第2基準マーク(FM2)とを、予め定められた
設計上の位置関係で並置した。そして投影光学系を介し
たアライメント系によってレチクル(マスク)上のマー
ク(RM1、RM2)とステージ上の第2基準マーク
(FM2)との位置ずれを検知するのと同時に、オフ・
アクシス・アライメント系(OWA)によってステージ
上の第1基準マーク(FM1)の検出中心からの位置ず
れを検知する。さらに、第1基準マーク(FM1)と第
2基準マーク(FM2)との設計上の間隔(製造誤差を
含む)と、検知した各位置ずれ量とに基づいて、レチク
ル上のマークの投影光学系による投影点と、オフ・アク
シス・アライメント系OWAの検出中心点との相対距
離、すなわちベースラインを算出するようにした。
【0010】本発明では、投影光学を介したアライメン
ト系とオフ・アクシス・アライメント系とを同時に使っ
て、基準板上の各基準マークを検出するため、ステージ
の走り精度、位置決め精度に左右されずに、極めて正確
なベースライン計測が可能になる。従来のようにウェハ
ステージを移動させて、その移動量からベースライン量
を計測するのではないので、ステージ位置計測用のレー
ザ干渉計の測定値に依存しないという利点がある。
【0011】さらに本発明は、ステージ上に設けた基準
板の各マークを基準にして、レチクル(マスク)の位置
検出、位置ずれ量検出、あるいはレチクルアライメント
を行なうと同時に、基準板を基準としてベースライン計
測をするので、全ての基準が統一されているとともに、
一連の処理が短時間のうちに終了するという利点すなわ
ち高精度、高スループットの両方の効果が得られる。
【0012】
【発明の実施形態】図2は、本発明の実施例による投影
露光装置の構成を示す斜視図であり、図1の従来装置と
同じ部材には同一の符号をつけてある。図2において、
レチクルR上にはウェハW上に露光すべき回路パターン
等が形成されたパターン領域PAとアライメント用のレ
チクルマークRM1、RM2とが設けられている。この
レチクルマークRM1、RM2は、それぞれ投影光学系
を介したアライメント系の対物レンズ1A、1Bを介し
て光電的に検出される。またレチクルステージRST
は、図2中には不図示のモータ等の駆動系によって2次
元(X、Y、θ方向)に移動可能であり、その移動量、
又は移動位置は3つのレーザ干渉計IRX、IRY、I
Rθによって遂次計測される。レチクルステージRST
のZ軸(光軸AXと平行な座標軸)回りの回転量は、干
渉計IRYとIRθの計測値の差で求められ、Y軸方向
の平行移動量は干渉計IRYとIRθの計測値の平均値
で求められ、X軸方向の平行移動量は干渉計IRXで求
められる。
【0013】本実施例では、投影レンズPLのみを介し
てウェハW上のマークを検出するために投影光学系を介
した第2のアライメント系が、X方向用とY方向用とで
分離して設けられている。X方向用の第2の投影光学系
を介するアライメント系は、レチクルステージRSTと
投影レンズPLとの間に固定したミラー2Xと対物レン
ズ3X等で構成され、Y方向用の第2のアライメント系
は、同様にして配置されたミラー2Yと対物レンズ3Y
等で構成される。本実施例では、対物レンズ1A、1B
を含む第1のアライメント系を以降、TTR(スルーザ
レチクル)アライメント系と呼び、対物レンズ3X、3
Yを含む第2のアライメント系は単にTTLアライメン
ト系と呼ぶことにする。
【0014】さて、ウェハWが載置されるウェハステー
ジWSTの2辺上には、レーザ干渉計IFXからのビー
ムを反射する移動鏡IMxと、レーザ干渉計IFY1、
IFY2の各々からのビームを反射する移動鏡IMyと
が固定されている。干渉計IFXからのビームはY方向
に伸びた移動鏡IMxの反射面と垂直であり、そのビー
ムの延長線は投影レンズPLの光軸AXの延長線と直交
する。干渉計IFY2からのビームは、X方向に伸びた
移動鏡IMyの反射面と垂直であり、そのビームの延長
線も光軸AXの延長線と直交する。もう1つの干渉計I
FY1からのビームは、移動鏡IMyの反射面と垂直で
あり、干渉計IFY2のビームと平行になっている。
【0015】またオフ・アクシス方式のウェハ・アライ
メント系は、投影レンズPLの下端部の直近に固定され
た反射プリズム(又はミラー)4Aと対物レンズ4B等
で構成される。ウェハアライメント系の受光系4Cは内
部に共役指標マークTMを含み、プリズム4Aと対物レ
ンズ4Bを介して指標マーク板に結像されたウェハ上の
マーク等をCCDカメラで撮像する。
【0016】本実施例では、プリズム4Aを介してウェ
ハステージWST上に落ちる対物レンズ4Bの光軸と、
投影レンズPLの光軸AXとがX方向のみに一定間隔だ
け離れ、Y方向については位置座標差がほとんどないよ
うに設定されている。さらに対物レンズ4Bのウェハス
テージWSTに落ちる光軸の延長線は、干渉計IFXの
ビームの延長線と干渉計IFY1のビームの延長線の各
々と直交する。このような干渉計の配置は、詳しくは特
開平1−309324号公報に開示されている。
【0017】ウェハステージWST上には、ベースライ
ン計測のための2つの基準マークFM1、FM2を付設
した基準板FPが固設されている。基準板FPは、ウェ
ハステージWST上の2つの移動鏡IMx、IMyで囲
まれた角部に配置され、石英板等の低膨張係数の透明材
料の表面にクロム等の遮光層を形成し、その一部を基準
マークFM1、FM2の形状にエッチングしたものであ
る。基準マークFM1はオフ・アクシス方式のウェハ・
アライメント系(4A、4B、4C)で検出可能であ
り、基準マークFM2はTTRアライメント系(1A、
1B)、又はTTLアライメント系(2X、3X;2
Y、3Y)によって検出可能である。これら基準マーク
FM1、FM2のX方向の間隔は、サブミクロンの精度
で正確に作られている。
【0018】図3は、ウェハステージWST上の各部材
の配置を示す平面図で、ウェハWはウェハステージWS
T上で微小回転可能なウェハホルダWHに配置され、真
空吸着される。本実施例では、ウェハWの直線状の切り
欠きOFがX軸と平行になるように機械的にプリアライ
メントされてからウェハホルダWH上に載置される。図
3の示すように、投影レンズPLの鏡筒下端部の直径の
中心(光軸AX)と対物レンズ4Bの視野とは極力接近
するように配置される。このように、投影レンズPLと
基準板FPとを配置したとき、ウェハWは投影レンズP
Lの直下の位置から図中、右斜め下へ最も移動している
ため、この状態でウェハWのローディング、アンローデ
ィングが可能である。この配置は、例えば特開昭63−
224326号公報に開示されている。
【0019】図4は、基準板FP上の基準マークFM
1、FM2の詳細なマーク配置を示す平面図である。図
4において、X軸と平行な直線LXとY軸と平行な直線
LY2との交点が基準マークFM2の中心であり、ベー
スライン計測時には、その交点が投影レンズPLの光軸
AXとほぼ一致する。本実施例では、その交点上に発光
型の十字状スリットマークIFSが配置され、露光光と
同一波長の照明光が基準板FPの裏側から発光スリット
マークIFSを含む局所領域ISaのみを照明する。ま
た直線LX上で発光スリットマークIFSを挟む対照的
な2ヶ所には、レチクルマークRM1、RM2 の夫々
の配置に対応した基準マークFM2A、FM2Bが設け
られている。このマークFM2A、FM2Bは基準板F
P上のクロム層を十字状のスリットでエッチングしたも
ので、マークFM2AはレチクルマークRM1とアライ
メントされ、マークFM2BはレチクルマークRM2と
アライメントされる。
【0020】発光スリットマークIFSの中心(交点)
を原点とする円形領域PIFは投影レンズPLの投影視
野領域であり、本実施例の場合、図2に示したX方向用
のTTLアライメント系(2X、3X)によって検出可
能なマークLIMxが視野領域PIF内の直線LY2上
に配置され、Y方向用のTTLアライメント系(2Y、
3Y)によって検出可能な2つのマークLIMyとLS
Myが視野領域PIFの直線LX上に配置される。各マ
ークの詳しい配置関係については、さらに後で述べる
が、本実施例では2つのTTRアライメント系1A、1
BがそれぞれレチクルマークRM1、RM2と基準マー
クFM2A、FM2Bとを同時に検出している状態で、
X方向用のTTLアライメント系(2X、3X)がマー
クLIMxを検出し、Y方向用のTTLアライメント系
(2Y、3Y)がマークLIMyを検出することができ
るように、各マークFM2A、FM2B、LIMx、L
IMyを配置した。
【0021】一方、直線LY2からX方向に一定距離だ
け離れて設定された直線LY1はY軸と平行であり、こ
の直線LY1と直線LXの交点上には、オフ・アクシス
・アライメント系の対物レンズ4Bの視野MIF内に包
含され得る大きさの基準マークFM1が形成される。マ
ークFM1は2次元のアライメントが可能なように、X
方向とY方向の夫々と平行に設けた複数のラインパター
ンの集合体である。尚、以上の説明からあきらかなよう
に、基準板FPは、直線LY1がX−Y平面内で、干渉
計IFY1 のビームの中心線と極力一致し、直線LY
2が干渉計IFY2のビームの中心線と極力一致するよ
うに、ウェハステージWST上に固定される。
【0022】さらに、直線LXとLY1との交点を挟ん
で直線LX上の対称的な位置に、2つの基準マークFM
2C、FM2Dが設けられている。基準マークFM2
C、FM2Dは基準マークFM2A、FM2Bと全く同
じ形状、大きさの十字状スリットパターンであり、その
X方向の間隔も、マークFM2A、FM2Bの間隔と全
く同一である。尚、図4中のマークLSMxはX方向用
のTTLアライメント系(2X、3X)で検出されるも
ので、基準マークFM2BのX座標値と同一位置に設け
られる。
【0023】図5は、基準板FP上の基準マークFM2
側の各マーク配置のみを拡大したもので、投影レンズP
Lの投影視野領域PIFの中心を発光スリットマークI
FSの交点に合致させた状態を示す。図5には、さらに
その状態で理想的に位置決めされたレチクルRの外形と
パターン領域PAの外形との位置関係を2点鎖線で表し
てある。
【0024】TTLアライメント系用のマークLIM
x、LIMyは投影視野PIFの最外周に位置するが、
これはTTLアライメント系の先端のミラー2X、2Y
がパターン領域PAの投影領域を遮光しないように配置
したからである。この状態で、基準マークFM2Aはレ
チクルマークRM1と整合され得るが、レチクルマーク
RM1(RM2も同じ)は、図6に示したように、X方
向に延びたダブルスリットマークRM1yとY方向に延
びたダブルスリットマークRM1xとで構成され、これ
らマークRM1y、RM1xは矩形の遮光帯SBに囲ま
れた透明窓部に暗部として作られる。
【0025】基準マークFM2Aの十字状スリットのう
ち、X方向に延びたスリットがダブルスリットマークR
M1yに挾み込まれ、Y方向に延びたスリットがダブル
スリットマークRM1xに挾み込まれることで、理想的
なアライメントが達成されたことになる。ここで、基準
マークFM2Aの中心とマークLIMyの中心とのX方
向の間隔K1と、発光スリットマークIFSの中心とマ
ークLSMyの中心とのX方向の間隔K2とは、図6に
示した発光スリットマークIFSがレチクルマークRM
1をY方向走査するときのX方向のオフセット量ΔXk
(ウェハ側換算値)だけ差をもつように設定されてい
る。すなわち、K1=K2+ΔXk、あるいはK1=K
2−ΔXkに設定されている。
【0026】さらに、X方向用のTTLアライメント系
で検出可能なマークLSMxのX方向の中心位置は、基
準マークFM2BのX方向の中心位置と一致する。これ
は、2ヶ所の基準マークFM2A、FM2Bの各中心点
と発光スリットマークIFSの中心とのX方向の間隔K
3が、ともに等しいときに成り立つ条件である。またマ
ークLSMxのY方向の位置は、マークLIMxのY方
向の位置とほぼ等しいが、厳密には、発光マークIFS
の中心とマークLIMxの中心とのY方向の間隔をK
4、発光マークIFSの中心とマークLSMxの中心と
のY方向の間隔をK5としたとき、K4=K5+ΔY
k、又はK4=K5−ΔYkの関係に設定される。ここ
で、ΔYkは図6に示すように発光スリットマークIF
SがレチクルマークRM1のダブルスリットマークRM
1xをX方向に走査するときのY方向のオフセット量で
ある。
【0027】次に、図7を参照してTTRアライメント
系(1A)の詳細な構成を説明する。レチクルマークR
M1の上方には全反射ミラー100が45°で斜設さ
れ、水平に配置された対物レンズ101の光軸をレチク
ルRに対して垂直にする。このTTRアライメント系は
同軸落射照明のために、ビームスプリッタ102、露光
波長の光を発生する光源103、照明光の遮断、通過を
切り替えるシャッター104、照明光を導びく光ファイ
バー105、光ファイバー105の射出端からの照明光
を集光して照明視野絞り107を均一照明するための集
光レンズ106、及び視野絞り107からの照明光をケ
ーラー照明条件で対物レンズ101へ送光するレンズ系
109で構成された自己照明系を有する。こうして、対
物レンズ101はレチクルRのマークRM1が形成され
た遮光帯SBの内側のみを照明する。これによってマー
クRM1からの反射光がミラー100、対物レンズ10
1を介してビームスプリッタ102で反射され、結像レ
ンズ110に入射する。マークRM1の像光束は、ハー
フミラー111で2つに分割され、結像レンズ110に
よってX方向検出用のCCDカメラ112XとY方向検
出用のCCDカメラ112Yの夫々の撮像面上に拡大結
像される。CCDカメラ112Xと112Yとは、マー
クRM1の拡大像に対する水平走査線の方向が互いに直
交するように配置されている。
【0028】この際、マークRM1を含む遮光帯SBの
内側領域の直下に、基準板FP上の基準マークFM2A
が位置すると、CCD112X、112Yは基準マーク
FM2Aの十字状のスリットを黒線として撮像する。画
像処理回路113Xは、CCDカメラ112Xからの画
像信号をデジタル波形処理し、基準マークFM2AのY
方向に延びたスリットと、レチクルマークRM1のダブ
ルスリットマークRM1xとのX方向(水平走査線方
向)の位置ずれ量を求める。画像処理回路113YはC
CDカメラ112Yからの画像信号をデジタル波形処理
して、基準マークFM2AのX方向に延びたスリット
と、レチクルマークRM1のダブルスリットマークRM
1yとのY方向(水平走査線方向)の位置ずれ量を求め
る。主制御系114は、処理回路113X、113Yで
求められた基準マークFM2AとレチクルマークRM1
とのX、Y方向の位置ずれ量が予め設定した許容範囲外
のときには、レチクルステージRSTの駆動系115を
制御して、レチクルRの位置を補正する。駆動系115
は、図2に示した3つの干渉計IRX、IRY、IRθ
によってレチクルステージRSTの補正前の位置(X、
Y、θ)を検出しており、補正後に3つの干渉計IR
X、IRY、IRθが検出すべき計測値を演算によって
求めている。
【0029】従って駆動系115は、3つの干渉計IR
X、IRY、IRθの各々の計測値が、補正後に検出さ
れるべき計測値になるように、レチクルステージRST
を位置サーボ制御によって位置決めする。また主制御系
114は、ウェハステージWSTの移動を、干渉計IF
X、IFY1、又はIFY2の計測値に基づいて位置サ
ーボ制御する駆動系116も制御する。
【0030】さて、図7に示したTTRアライメント系
1Aには、基準板FP上の発光マークIFSからの照明
光を、投影レンズPL、レチクルRの遮光帯SBの内部
の透明部、ミラー100、対物レンズ101、ビームス
プリッタ102、レンズ系109及びビームスプリッタ
108を介して検出する発光マーク受光系が設けられ
る。この発光マーク受光系はレンズ系120と光電セン
サー(フォトマルチプライヤー)121等で構成され、
光電センサー121の受光面は投影レンズPLの瞳E
P、及び対物レンズ101とレンズ系109との間の共
役に配置される。光電センサー121は、発光マークI
FSがレチクルマークRM1(又はRM2)を走査した
ときに変化する透過光量を光電検出し、その変化に応じ
た光電信号SSDを出力する。この光電信号SSDの処
理は、ウェハステージWSTの走査に伴って干渉計IF
X、IFY1から出力されるアップダウンパルス(例え
ば0.02μmの移動量毎に1パルス)に応答して信号
波形をデジタルサンプリングし、メモリに記憶すること
で行なわれる。
【0031】次に、図8を参照して図2中のTTLアラ
イメント系(2Y、3Y)の構成の一例を説明する。本
実施例で使用するTTLアライメント系は、He−Ne
レーザ光源130からの赤色光をマーク照明光として利
用し、ウェハWのレジスト層によるマーク反射光検出時
の影響、及びレジスト層の感光を防止している。さらに
このTTLアライメント系には、マーク検出原理の異な
る2つのアライメントセンサーが組み込まれており、対
物レンズ3Yを共有化して2つのアライメントセンサー
を択一的に使うようにしてある。このような構成は、特
開平2−272305号公報、又は特開平2−2830
11号公報に詳細に開示されているので、ここでは簡単
に説明する。
【0032】レーザ光源130からのHe−Neレーザ
光はビームスプリッタ131で分割され、相補的に開閉
されるシャッター132A、132Bに至る。図8では
シャッター132Aが開き、シャッター132Bが閉じ
た状態にあり、レーザ光は2光束干渉アライメント(以
下、LIAとする)方式の送光系133Aへ入射する。
この送光系133Aは、入射したビームを2本のレーザ
ビームに分割し、音響光学変調素子を用いて2本のレー
ザビームに一定の周波数差を与えて出力するものであ
る。図8の場合、送光系133Aから出力される2本の
レーザビームは同図の紙面と垂直な方向に平行に並んで
いる。この2本のレーザビームはハーフミラー134で
反射され、さらにビームスプリッタ135で2つに分割
される。ビームスプリッタ135で反射した2つのレー
ザビームは対物レンズ3Yによってウェハ共役面の絞り
APA上で交差する。絞りAPAを通った2本の平行な
レーザビームはミラー2Yで反射して投影レンズPLに
入射し、ウェハW上、又は基準板FP上で再度交差す
る。この2本のレーザビームが交差する領域内には、1
次元の干渉縞が作られ、その干渉縞は2本のビームの周
波数差に応じた速度で干渉縞のピッチ方向に流れる。そ
こで、図4、図5に示したマークLIMy、LIMxを
干渉縞と平行な回折格子とすると、その回折格子状のマ
ークLIMx、LIMyからは周波数差に応じたビート
周波数で強度変化する干渉ビート光が発生する。マーク
LIMx、LIMyの回折格子のピッチと干渉縞のピッ
チとを、ある一定の関係にすると、その干渉ビート光は
ウェハW、又は基準板FPから垂直に発生し、投影レン
ズPLを介して2本の送光ビームの光路に沿って、ミラ
ー2Y、絞りAPA、及び対物レンズ3Yの順に戻って
くる。干渉ビート光はビームスプリッタ135を一部透
過して、光電検出器139に達する。光電検出器139
の受光面は投影レンズPLの瞳面EPとほぼ共役に配置
される。また光電検出器139の受光面には複数の光電
素子(フォトダイオード、フォトトランジスタ等)が互
いに分離して配置され、干渉ビート光は光電検出器13
9の中心(瞳面の中心)に位置する光電素子で受光され
る。その光電信号はビート周波数と等しい周波数の正弦
波状の交流信号となり、位相差計測回路140に入力す
る。
【0033】また、ビームスプリッタ135を透過した
2本の送光ビームは、逆フーリエ変換レンズ136によ
って透過型の基準格子板137上で平行光束となって交
差する。従って基準格子板137上には、1次元の干渉
縞が形成され、この干渉縞はビート周波数に応じた速度
で一方向に流れる。光電素子138は基準格子板137
から同軸に発生する±1次元回折光の干渉光、又は0次
光と2次回折光との干渉光のいずれか一方を受光する。
これら干渉光も、ビート周波数と等しい周波数で正弦波
状に強度変化し、光電素子138はビート周波数と等し
い周波数の交流信号を、基準信号として位相差計測回路
140に出力する。
【0034】位相差計測回路140は、光電素子138
からの基準信号を基準として、光電検出器139からの
交流信号の位相差Δφ(±180°)を求め、その位相
差Δφに対応した基準板FP上のマークLIMy(又は
同等のウェハ上のマーク)のY方向、すなわち格子ピッ
チ方向の位置ずれ量の情報SSBを、図7中の主制御系
114へ出力する。位置ずれ検出の分解能は、マークL
IMyのピッチと、このマーク上に照射される干渉縞の
ピッチとの関係、及び位相差検出回路の分解能によって
決まるが、位相差検出分解能が±1°であるとすると、
マークLIMyの格子ピッチPgを8μm、干渉縞のピ
ッチPfをPg/2としたとき、位置ずれ検出分解能
は、±(1°/180°)×(Pg/4)で表わされ、
約±0.01μmとなる。
【0035】図7の主制御系114は、このような高分
解能のLIA方式のTTLアライメント系からの位置ず
れ情報SSBに基づいて、ウェハステージWSTの駆動
系116をサーボ制御し、基準板FP上のマークLIM
yが基準格子板137に対して常に一定の位置関係に追
い込まれるようにウェハステージWSTをサーボロック
することができる。
【0036】ただし、サーボロックを行なう場合は、光
電素子138と光電検出器139の夫々からの信号の位
相差が所定の値に安定していればよいので、ことさら、
位相差を位置ずれ量に変換する必要はなく、位相差の目
標値からの変化量のみを検出するだけでサーボロックが
可能である。TTLアライメント系のもう1つの検出方
式は、先に掲げた特開平2−233011号公報にも開
示されているように、マーク検出方向と直交する方向に
延びたスリット状のレーザスポット光に対してマークを
走査し、そのマークから発生する回折、散乱光を光電検
出して得られる信号レベルを、マーク走査のためのウェ
ハステージWSTの移動に伴って生ずる干渉計IFX、
IFY1からのアップダウンパルスに応答してデジタル
サンプリングする方式である。
【0037】図8中のレーザステップアライメント(L
SA)方式の送光系133Bには、シャッター132A
が閉じて、シャッター132Bが開いているときにレー
ザビームが入射する。入射したビームは、ビームエクス
パンダとシリンドリカルレンズの作用で、集光点のビー
ム断面が一方向に延びたスリット状に成形され、ビーム
スプリッタ134、135、レンズ系3Y、及びミラー
2Yを介して投影レンズPLに入射する。この際、絞り
APAはHe−Neレーザ光の波長のもとでウェハ面
(基準板FPの面)と共役となっており、ビームはここ
にスリット状に集光される。図8に示したTTLアライ
メント系の場合、LSA方式で作られるビームスポット
は、投影視野PIF内の静止した位置でX方向に延びた
スリット状に成形される。ウェハステージWSTをY方
向に走査して、基準板FP上のマークLSMyがビーム
スポットを横切るとき、このマークLSMyから発生し
た回折光、又は散乱光が、投影レンズPL、ミラー2
Y、対物レンズ3Y、およびビームスプリッタ135を
介して光電検出器139に達し、中央の光電素子以外の
周囲の光電素子に受光される。この光電素子からの光電
信号はLSA処理回路142に入力され、ウェハステー
ジWST用の干渉計IFY1(又はIFY2)からのア
ップダウンパルス信号UDPに応答してデジタルサンプ
リングされる。処理回路142はデジタルサンプリング
された信号波形をメモリに記憶し、デジタル演算を用い
た高速波形処理によって、メモリ上の波形からLSA方
式のスリット状スポット光のY方向の中心点とマークL
SMyのY方向の中心点とが精密に合致するときのウェ
ハステージWSTのY座標値を算出し、マーク位置情報
SSAとして出力する。この情報SSAは図7中の主制
御系114へ送られ、ウェハステージWSTの駆動系1
16の駆動制御に使われる。
【0038】またLSA処理回路142内には、図7の
光電センサー121からの光電信号SSDを、アップダ
ウンパルス信号UDPに応答してデジタルサンプリング
するメモリと、メモリ内の信号波形を高速演算処理する
回路とを有し、レチクルマークRM1の投影レンズPL
による投影像と発光マークIFSとが一致するときのウ
ェハステージWSTの座標値を、レチクルマークRM1
の投影位置情報SSCとして主制御系114へ出力す
る。
【0039】次に、図9、図10を参照してオフ・アク
シス・アライメント系OWAの詳細な構成を説明する。
図10はオフ・アクシス・アライメント系OWAの構成
を示し、IMPはウェハ表面、又は基準板FPの表面を
表す。また、対物レンズ4Bの視野MIF内に位置した
表面領域の像は、プリズムミラー4A、対物レンズ4
B、ミラー4C、レンズ系4D、及びハーフミラー4E
を介して指標板4F上に結像する。表面IMPを照明す
る光は、ハーフミラー4Eを介してレンズ系4D、ミラ
ー4C、対物レンズ4B、及びプリズム4Aを介して表
面IMPへ進む。照明光はウェハのレジスト層への感度
が極めて低い波長域で300nm程度のバンド幅を有す
る。
【0040】指標板4Fは、図9に示すように透明ガラ
スの上に、遮光部による複数本(例えば4本)のライン
パターンからなる指標マークTMX1、TMX2、TM
Y1、TMY2を形成したものである。図10は、基準
板FP上に設定した直線LXとLY1との交点と指標板
4Fの中心とが一致した状態を表わす。指標マークTM
X1、TMX2は基準板FP上の基準マークFM1をX
方向に挾み込むように設けられ、指標マークTMY1、
TMY2は基準マークFM1をY方向に挾み込むように
設けられている。
【0041】さて、指標板4F上の各指標マークと基準
マークFM1(又はウェハ上のマーク)の像とは、撮像
用の結像レンズ4Gとハーフミラー4Hを介して2つの
CCDカメラ4X、4Y上に拡大結像される。CCDカ
メラ4Xの撮像領域は、指標板4F上では図9中の領域
40Xに設定され、CCDカメラ4Yの撮像領域は、領
域40Yに設定される。
【0042】そして、CCDカメラ4Xの水平走査線
は、指標マークTMX1、TMX2のラインパターンと
直交するX方向に定められ、CCDカメラ4Yの水平走
査線は指標マークTMY1、TMY2のラインパターン
と直交するY方向に定められる。CCDカメラ4X、4
Yの各々からの画像信号は、画素毎に信号レベルをデジ
タルサンプリングする回路、複数の水平走査線毎に得ら
れる画像信号(デジタル値)を換算平均する回路、指標
マークTMと基準マークFM1とのX方向、Y方向の各
位置ずれ量を高速に演算する回路等を含む波形処理回路
で処理され、その位置ずれ量の情報は図7の主制御系1
14へ情報SSEとして送られる。
【0043】尚、本実施例の場合、オフ・アクシス・ア
ライメント系OWAの検出中心点とは、一例としてX方
向については2つの指標マークTMX1、TMX2の中
心点であり、Y方向については2つの指標マークTMY
1、TMY2の中心点である。ただし場合によっては、
2つの指標マークTMX1、TMX2のうち、例えばマ
ークTMX2のみのX方向の中心点を検出中心とするこ
ともある。
【0044】図11は基準板FP上に形成された基準マ
ークFM1の拡大図であり、Y方向に延びたラインパタ
ーンをX方向に一定ピッチで複数本配列するとともに、
X方向に延びたラインパターンをY方向に一定ピッチで
複数本配列した2次元パターンとして形成される。この
基準マークFM1のX方向の位置検出にあたっては、C
CDカメラ4Xからの画像信号を波形処理回路で解析
し、X方向に並んだ複数本のラインパターンの各検出位
置(画素位置)の平均位置を基準マークFM1のX方向
位置とし、指標マークTMX1、TMX2の中心位置と
のずれ量を求めればよい。
【0045】Y方向に関する基準マークFM1の検出、
位置ずれ量の検出についてもCCDカメラ4Yによって
同様に行なわれる。ところで、先に図5で説明したよう
に、TTRアライメント系とTTLアライメント系とで
検出される基準板FP上の各種マークの配置は、一定の
位置関係に定められているが、このことについて、さら
に図12を参照して説明する。図12は直線LX上に位
置した各マークの拡大図であり、マークLIMyはY方
向に一定ピッチ(例えば8μm)で格子要素を配列した
回折格子であり、マークLSMyは円形内に拡大して示
すように微小な正方形のドットパターンをX方向にピッ
チPSxで配列し、Y方向にピッチPSyで配列した2
次元の格子パターンである。マークLSMyはY方向用
のLSA方式のTTLアライメント系のビームスポット
で検出されるものであり、ビームスポットはX方向にス
リット状に延び、Y方向のビーム幅はドットパターンの
Y方向の寸法とほぼ等しい。尚、X方向のピッチPSx
がマーク検出時の回折光発生に寄与するものであり、Y
方向のピッチPSyはY方向に複数の格子マークを配列
してマルチマーク化するためのものである。したがって
マルチマーク化する必要のないときは、直線LX上に並
ぶ一列のドットパターン群のみがあればよい。
【0046】また、X方向のピッチPSxは、ビームス
ポットの波長と必要とされる1次回折光の回折角とによ
って一義的に決まるが、Y方向のピッチPSyはPSx
と等しいか、もしくはそれよりも大きければよい。さ
て、図5で説明したように、マークLIMyのX方向の
中心点と基準マークFM2AのX方向の中心点との間隔
K1と、発光マークIFSのX方向の中心点とマークL
SMyのX方向の中心点との間隔K1とは、K1=K2
±ΔXkの関係にある。この条件は、本実施例における
LIA方式のTTLアライメント系のマーク検出領域
(干渉縞の照射領域)の中心と、LSA方式のTTLア
ライメント系のマーク検出中心点(ビームスポット)と
がほぼ一致しているために必要となったものであり、必
ずしも上記条件に限定されるものではない。
【0047】以上の図8で説明したTTLアライメント
系は、X方向用についても全く同様に構成され、各マー
クのX方向の位置情報は主制御系114へ送られる。次
に、本実施例の装置によるベースライン計測の動作につ
いて説明するが、ここで説明する動作は代表的なもので
あり、いくつかの変形動作については後でまとめて述べ
る。
【0048】図13、図14は、代表的なシーケンスを
説明するフローチャート図であり、そのシーケンスは主
に主制御系114によって統括制御される。まず、所定
の保管場所に収納されていたレチクルRは、自動、又は
手動搬送され、レチクルステージRST上に機械的な位
置決めと受け渡し精度のみに依存した形でローディング
される。(ステップ500)。
【0049】この場合、レチクルRのローディング精度
は、図6に示したレチクルマーク用の窓領域(遮光帯S
Bの内側)の大きさを5mm角程度にしてダブルスリット
マークRM1x、RM2yの長さを4mm程度にしたとす
ると、±2mm以下が望ましい。次に主制御系114は、
レチクルRのマークRM1、RM2がTTRアライメン
ト系1A、1Bによって正常に検出されるように、レチ
クルRの位置を予備的にラフにアライメントするための
レチクルサーチを行なう。このレチクルサーチには、図
13のステップ504、506に示すようにSRA方式
とIFS方式の2つがあり、ステップ502でどちらの
モードにするかが選ばれる。ステップ504のIFS方
式によるプリアライメントとは、図6に示すように、レ
チクルステージRSTの位置を固定したまま、発光マー
クIFSがレチクルマークRM1、又はRM2が存在し
そうな位置を探索するようにウェハステージWSTを大
きなストローク(例えば数mm)で、X、Y方向にサーチ
移動させて、レチクルマークRM1、RM2の位置をラ
フに検出し、その検出位置の設計上の位置からのずれ量
を求めて、レチクルステージRST用の干渉計IRX、
IRY、IRθを頼りにレチクルステージRSTを微動
させる方式である。
【0050】これに対して、ステップ506のSRA方
式によるプリアライメントは以下のように実行される。
レチクルマークRM1、RM2が存在しそうな位置の直
下に基準板FPの無地の面を配置し、その状態でTTR
アライメント系1A、1Bを用いて、CCDカメラ11
2X、112Y(図7)によってレチクルR上のパター
ンを撮像して1画面内の水平走査線に応じた画像信号波
形をメモリに取り込む。次にレチクルステージRSTを
干渉計IRX、IRY、IRθの計測値に基づいて駆動
系115により一定量だけX方向、又はY方向に移動さ
せてから、2画面目の画像信号波形をCCDカメラから
取り込み、1画面目の信号波形とつなぎ合わせる。その
後、つなぎ合わせた画像信号波形を解析してレチクルマ
ークRM1 、RM2 の各位置を求め、設計上の位置から
のずれ量を求めてからレチクルステージRSTの位置を
移動させる方式である。
【0051】いずれのサーチモードであっても、レチク
ルRのマークRM1 、RM2 の各中心を、2つのTTR
アライメント系1A、1Bの夫々に設けられたCCDカ
メラ112X、112Yの撮像領域内の中心に数μm程
度の精度でプリアライメントできる。次に主制御系11
4は、ステップ508からのレチクルアライメント動作
に入るが、その前に、2つの基準マークFM2A、FM
2Bの夫々が投影レンズPLの視野PIF内の設計上の
位置にくるよう駆動系116を干渉計IFX、IFY2
(又はIFY1)の計測値に応じて制御してウェハステ
ージWSTを位置決めする。ウェハステージWSTが位
置決めされると、基準マークFM2A(FM2B)はレ
チクルマークRM1(RM2)とおおむね整合された状
態でCCDカメラ112X、112Yで撮像される。
【0052】この段階で図7中の処理回路113X、1
13Yを作動させて、基準マークFM2Aに対するレチ
クルマークRM1のX、Y方向の位置ずれ量(ΔXR
1、ΔYR1)と、基準マークFM2Bに対するレチク
ルマークRM2のX、Y方向の位置ずれ量(ΔXR2
、ΔYR2)と計測する。次にステップ510で、各
位置ずれ量が許容値以内か否かを判定し、許容値よりも
はずれているときはステップ512へ進む。
【0053】このとき、2つのレチクルマークRM1、
RM2の形状、配置から明らかなように、レチクルRの
X方向のアライメントは、基準マークFM2A、FM2
Bの各中心点に対して各レチクルマークRM1、RM2
の中心点の夫々がレチクル中心CCに向けてずれている
ときを正、逆方向にずれているときを負とすると、X方
向のずれ量ΔXR1とΔXR2の極性と絶対値とを等し
くすることで達成される。
【0054】同様に、レチクルRのY方向とθ方向のア
ライメントは、各レチクルマークRM1、RM2の中心
点が静止座標系のY軸の正方向にずれたときを正とする
と、Y方向のずれ量ΔYR1、ΔYR2の極性と絶対値
とを等しくすることで達成される。レチクルRのθ方向
(回転方向)のずれ量ΔθRは、レチクルマークRM1
とRM2のX方向の間隔をLrmすると、Y方向のずれ量
ΔYR1、ΔYR2(レチクル上での実寸)から次式で
求められる。
【0055】 ΔθR=sin-1((ΔYR1−ΔYR2)/Lrm) ≒(ΔYR1−ΔYR2)/Lrm ただし、間隔Lrmはどのレチクルについても一定である
から、θ方向のレチクルRのずれ量の評価は、単純には
ΔYR1−ΔYR2の絶対値の大小を求めるだけでよ
い。以上のことから、X、Y、θ方向のレチクルRのず
れ量が許容値よりも大きいときは、ステップ512でレ
チクルステージRSTを微動させる。このとき、X方
向、Y方向、θ方向についてどれぐらいレチクルステー
ジRSTを微動させればよいかが各ずれ量(ΔXR1、
ΔYR1)、(ΔXR2、ΔYR2)に基づいて算出さ
れるから、レチクルステージRSTの位置を3つの干渉
計IRX、IRY、IRθでモニターしながら補正すべ
き位置へ微動させる。
【0056】この駆動方式は、所謂オープン制御方式と
呼ばれ、駆動系115の制御精度、レチクルステージR
STの位置決め精度が十分に高く、かつ、安定していれ
ば、1回の位置ずれ計測(ステップ508)と1回の位
置補正(ステップ512)だけでレチクルRを目標位置
に正確にアライメントすることができる。しかしなが
ら、位置補正によって目標位置に正確にアライメントさ
れたか否かを確認する必要があるため、主制御系114
は、再度ステップ508からの動作を繰り返す。
【0057】以上のステップ508〜510によって、
レチクルRは基準板FP上の2つの基準マークFM2
A、FM2Bの設計上の座標位置に対してアライメント
されたことになる。次に主制御系114は、図4に示し
たステップ516からの動作を実行する。ステップ51
6は、基準板FPの位置をウェハステージWST用の干
渉計IFX、IFY2(又はIFY1)による計測値に
基づいてサーボロックするか、TTLアライメント系の
LIA方式でサーボロックするかを選択するものであ
る。
【0058】干渉計を用いたサーボロックが選択されて
いる場合は、ステップ518へ進み、レチクルアライメ
ントが達成された時点でのウェハステージWSTの座標
値を記憶し、干渉計IFX、IFY2(又はIFY1)
の計測値が、常にその記憶値と一致するように、ウェハ
ステージWSTの駆動系116をサーボ制御する。LI
A方式のサーボロックが選択されている場合は、ステッ
プ520へ進み、図8に示したシャッター132A、1
32Bを図中の状態に設定し、基準板FP上のマークL
IMx、LIMyの夫々の上に干渉縞を照射する。そし
て位相差測定回路140によって、X方向とY方向の夫
々について、基準信号との位相差が常に所定値になるよ
うにウェハステージWSTをサーボ制御する。
【0059】LIA方式の場合、基準板FP上の2つの
マークLIMx、LIMyは、TTLアライメント系の
内部に固定された基準格子板138に対してアライメン
トされることになる。ウェハステージWSTのサーボロ
ックは、干渉計IFX、IFY2(又はIFY1)の計
測値に基づく干渉計モードでも、TTLアライメント系
に基づくLIAモードでもほぼ同等の精度で制御するこ
とができるが、実験やシュミレーションによると、LI
Aモードの方が干渉計モードよりも安定していることが
確かめられている。一般に、ウェハステージWSTの
X、Y方向の移動ストロークはウェハの直径よりも大き
く、一例として30cm以上は必要である。このため干渉
計IFX、IFY2からのレーザビームのうち大気中に
露出する光路長は数十cm以上におよび、その間の空気に
局所的な屈折率ゆらぎが生じると、ウェハステージWS
Tが厳密に静止しているにもかかわらず、干渉計内部の
カウンタの値が1/100μm〜1/10μmのオーダ
で変動する。従って、干渉計のカウント値が一定になる
ようにサーボロックすると、屈折率のゆらぎによってウ
ェハステージWSTの位置が、例えば±0.08μm程
度の範囲内で微動することがある。屈折率のゆらぎは、
干渉計からのレーザビームの光路内を、温度差を持つ空
気のかたまりがゆっくり通過した時等に生ずる。ウェハ
ステージ用の干渉計には、このように環境上の不利な点
があり、LIA方式よりも安定性に欠けることがある。
LIA方式で使われるビームはほとんど大気中に露出す
ることがないように、カバーを設けることができ、さら
にビームの露出がさけられないレチクルと投影レンズと
の空間、及び投影レンズとウェハとの空間は、せいぜい
数cm程度しかないため、屈折率のゆらぎは起りにくい。
【0060】以上のことからTTRアライメント系によ
って基準マークFM2A、FM2Bを検出している状態
で、TTLアライメント系を使って基準板FB(ウェハ
ステージWST)の位置サーボが行なえる場合は、極力
そのようにした方が好ましい。次に主制御系114は、
ステップ522でTTRアライメント系とオフ・アクシ
ス・アライメント系とを同時に使って基準マーク検出を
行なう。
【0061】一般に、先のステップ510でレチクルス
テージRSTが目標位置に微動され、アライメントが達
成されると、レチクルステージRSTは、そのベースと
なるコラム側へ真空吸着等で固定される。この吸着の
際、レチクルステージRST微小量横ずれすることがあ
る。この横ずれは微小なものではあるが、ベースライン
管理上は誤差要因の1つであり、十分に認識しておく必
要がある。その認識は、TTRアライメント系のCCD
カメラ112X、112Yを使って、再度ステップ50
8の計測動作を行なうこと、又は、干渉計IRX、IR
Y、IRθの計測値のレチクルアライメント達成時点か
らの変化量をモニターすること等で可能である。しかし
ながら本実施例では、その横ずれも含めてベースライン
量として管理するようにしたため、特別に横ずれ量のみ
を個別に求めなくてもよい。
【0062】さて、ステップ522の段階では、すでに
オフ・アクシス・アライメント系OWAの検出領域内に
基準板FP上の基準マークFM1が位置している。そこ
で主制御系114は、図10に示したオフ・アクシス・
アライメント系のCCDカメラ4X、4Yを使って指標
板4F内の指標マークTMと基準マークFM1とのX、
Y方向の位置ずれ量(ΔXF、ΔYF)をウェハ上の実
寸として求める。同時にTTRアライメント系のCCD
カメラ112X、112Yを使ってレチクルマークRM
1と基準マークFM2Aとの位置ずれ量(ΔXR1、Δ
YR1)と、レチクルマークRM2と基準マークFM2
Bとの位置ずれ量(ΔXR2、ΔYR2)とをウェハ側
の実寸として計測する。このとき、TTR方式もオフ・
アクシス方式も、ともにCCDカメラを光電センサーと
しているため、撮像したマーク像に対応した画像信号波
形のメモリへの取り込みタイミングを極力一致させるよ
うに、処理回路113X、113Y等を制御する。
【0063】尚、基準板FPの位置を干渉計でサーボロ
ックしている場合は、TTR方式での画像信号の波形の
取り込みとオフ・アクシス方式での画像信号波形の取り
込み時間差を、空気の屈折率のゆらぎによるウェハステ
ージ位置の変動の時間よりも十分に短い間隔にする必要
がある。次に主制御系114は、ステップ524でウェ
ハステージWSTのサーボロックを解除してステップ5
26の動作に移り、LSA方式、IFS方式を同時に使
って基準板FP上の各マークを検出するためにウェハス
テージWSTの移動(走査)を開始する。
【0064】このステップ526は、先に図6、図5で
説明したように、発光スリットマークIFSがレチクル
マークRM1を2次元に走査するようにウェハステージ
WSTを移動させるもので、ウェハステージWSTは、
まず発光スリットマークIFSが図6に示した位置関係
になるように位置決めされる。このときTTLアライメ
ント系のLSA方式によるX方向に延びたスリット状の
ビームスポットは基準板FP上のマークLSMyに対し
てY方向にずれて位置する。その状態からウェハステー
ジWSTをY方向に走査すると、LSA方式の光電検出
器139からの光電信号とIFS方式の光電素子121
からの光電信号SSDとの両波形は、図15に示すよう
になる。図15(A)は、LSA方式によってメモリ上
に取り込まれたマークLSMyの検出波形であり、ここ
ではマークLSMyを5本の回折格子パターンとしたの
で、信号波形上で5つのピークが発生している。図8に
示した処理回路142は、その5つのピーク波形の各々
の重心位置を求め、その平均値をマークLSMyのY座
標、位置YLsとして算出する。
【0065】一方、IFS方式で得られる信号SSD
は、図15(B)に示すように、レチクルマークRM1
のダブルスリットマークRM1yに対して、2つのボトム
波形部分を含む。処理回路142は図15(B)の信号
波形中の2つのボトム波形の夫々の中心点を求め、その
中点をダブルスリットマークRM1yの投影像のY方向の
中心座標位置YIfとして算出する。
【0066】同様に、図6中のX方向の矢印のように発
光スリットマークIFSを移動させて、レチクルマーク
RM1のダブルスリットマークRM1xを走査する。こ
のとき、X方向用のTTLアライメント系のLSA方式
によるスリット状スポットが、基準板FP上のマークL
SMxによって同時に走査され、図15と同様の波形が
得られる。この際、X方向用のLSA方式によって検出
されたマークLSMxのX座標値はXLsであり、IF
S方式によって検出されたダブルスリットマークRM1
xのX座標値はXIfである。
【0067】図15で示すように、座標位置YLSとY
Ifとの差が、Y方向用のLSA方式によるTTLアラ
イメント系の検出中心点とレチクルRの中心CCの投影
点とのY方向のベースライン量である。次に主制御系1
14は、ステップ528でベースライン量を求めるため
の演算を行なう。この演算に必要なパラメータは、図1
6に表で示すように計測した実測値に設計上予め定めら
れた定数値とに分けられる。図16の表中の実測値にお
いて、「TTR−A」は図2中のTTRアライメント系
1Aのことであり、「TTR−B」はTTRアライメン
ト系1Bのことである。また各アライメント系による実
測値は、X方向とY方向とについて位置ずれ量、又はマ
ーク位置を分けて表示してある。一方、設計上の定数値
としては、基準マークFM1の中心点と基準マークFM
2AとのX、Y方向の各距離(ΔXfa、ΔYfa)と基準
マークFM1 の中心点と基準マークFM2BとのX、Y
方向の各距離(ΔXfb、ΔYfb)とがウェハステージW
ST用の干渉計IFX、IFY2(又はIFY1)で決
まる静止座標系上の値として記憶されている。従ってこ
の距離(ΔXfa、ΔYfa)、(ΔXfb、ΔYfb)には、
基準板FPのウェハステージWSTへの取り付け誤差に
よって生ずる基準板FP上の直線LXと移動鏡IMyの
反射面とのX−Y座標系内での相対的な傾き量と、各基
準マークの基準板FP上での配置誤差とが予め含まれて
いるものとする。
【0068】主制御系114は、定数値ΔXfa、ΔXfb
に基づいて、基準マークFM2A、FM2Bの各中心点
を結ぶ線分の2等分点と、基準マークFM1の中心点と
のX方向距離LFを算出する。 LF=(ΔXfa+ΔXfb)/2 ………(1) 次に主制御系114は、TTR−Aで求めたX方向のず
れ量ΔXR1とTTR−Bで求めたX方向のずれ量ΔX
R2との差ΔXccの1/2をウェハ側の寸法として求め
る。
【0069】 ΔXcc=(ΔXR1−ΔXR2)/2 ………(2) ここでΔXR1、ΔXR2はレチクルマークRM1、R
M2が基準マークFM2A、FM2Bの夫々に対してレ
チクル中心の方向にずれているときは正、逆方向にずれ
ているときは負の値をとるものとする。この式(2)で
求まった値ΔXccが零のとき、レチクルRの中心CCの
投影点は、2つの基準マークFM2A、FM2Bの各中
心点のX方向の2等分点上に精密に合致していることに
なる。
【0070】次に主制御系114は、実測値ΔXFと計
算値LF、ΔXccとに基づいて、レチクルRの中心CC
のXY座標平面への投影点と、オフ・アクシス・アライ
メント系OWAの指標板4FのX方向の中心点(指標マ
ークTMX1とTMX2との間の2等分点)のXY座標
平面への投影点とのX方向の距離BLOxを、オフ・ア
クシス・アライメント系OWAに関するX方向ベースラ
イン量として算出する。
【0071】 BLOx=LF−ΔXcc−ΔXF ………(3) ここでΔXFは、指標マークTMX1、TMX2のX方
向の2等分点に対して基準マークFM1が投影レンズP
L(基準マークFM2A、FM2B)の方向にずれて検
出されたときは正の値をとり、逆方向にずれて検出され
たときは負の値をとるものとする。
【0072】次に主制御系114は、実測値ΔYR1と
ΔYR2に基づいて、レチクルRの中心点CCの投影点
と、基準マークFM2Aの中心点とFM2Bの中心点と
を結ぶ線分の2等分点(ほぼ直線LY2上にある)との
Y方向のずれ量ΔYccを求める。 ΔYcc=(ΔYR1−ΔYR2)/2 ………(4) ここで、ΔYR1、ΔYR2は、レチクルマークRM1
、RM2の夫々が対応する基準マークFM2A、FM
2Bに対して、図4上でYの正方向(図4の紙面内で上
方)にずれているときは正、逆方向にずれているときは
負の値をとるものとする。このずれ量Yccは、レチクル
Rの中心CCの投影点と、基準マークFM2A、FM2
Bの各中心点を結ぶ線分の2等分点とが精密に一致した
とき零になる。さらに主制御系114は、定数値ΔYf
a、ΔYfbに基づいて基準マークFM2A、FM2Bの
各中心点を結ぶ線分の2等分点と基準マークFM1の中
心点とのY方向のずれ量ΔYf2を求める。
【0073】 ΔYf2=(ΔYfa−ΔYfb)/2 ………(5) 以上の計算値ΔYcc、ΔYf2と実測値ΔYFとに基づい
て、主制御系114はレチクルRの中心CCの投影点
と、オフ・アクシス・アライメント系OWAの指標板4
FのY方向の中心点(指標マークTMY1とTMY2と
の間の2等分点)の投影点とのY方向の距離BLOy
を、オフ・アクシス・アライメント系OWAのY方向ベ
ースライン量として算出する。
【0074】 BLOy=ΔYcc−ΔYf2−ΔYF ………(6) 以上の演算により、オフ・アクシス・アライメント系O
WAのベースライン量(BLOx、BLOy)が求ま
り、次に主制御系114はLSA方式のTTLアライメ
ント系のベースライン量(BLTx、BLTy)を求め
る。Y方向用のLSA方式TTLアライメント系のベー
スライン量BLTyは、スリット状のビームスポットの
Y方向の中心点とレチクルRの中心CCの投影点とのY
方向のずれ量であり、次式によって求められる。
【0075】 BLTy=YIf−YLs ………(7) 同様にして、X方向用のLSA方式TTLアライメント
系のベースライン量BLTxは、スリット状のビームス
ポットのX方向の中心点とレチクルRの中心CCの投影
点とのX方向のずれ量であり、次式によって求められ
る。 BLTx=XIf−XLs ………(8) ただし、式(7)、(8)で求めた値には、発光マーク
IFSの中心と基準板FP上のマークLSMyとのY方
向の配置誤差ΔYsmと、発光マークIFSとマークLS
MxとのX方向の配置誤差ΔXsmとが含まれているた
め、これらの誤差が無視できないときは、予め定数値と
して記憶しておき、式(7)、(8)をそれぞれ式
(7’)、(8’)のように変更すればよい。
【0076】 BLTy=YIf−YLs−ΔYsm ………(7’) BLTx=XIf−XLs−ΔXsm ………(8’) 以上のシーケンスによって、ベースライン計測が修了
し、ウェハステージWST上にはプリアライメントされ
たウェハWが載置される。ウェハW上には複数の被露光
領域、すなわちレチクルRのパターン領域PAが投影さ
れるショット領域が2次元に配置されている。そして各
ショット領域には、オフ・アクシス・アライメント系O
WA、又はTTLアライメント系(2X、3X;2Y、
3Y)によって検出されるアライメントマークが、ショ
ット領域の中心点に対して一定の位置関係で形成されて
いる。多くの場合、それらウェハ上のアライメントマー
クはストリートライン内に設けられる。
【0077】実際のウェハアライメントの方法には、従
来よりいくつもの方式、又はシーケンスが知られている
ので、ここではそれら方式、シーケンスの説明は省略
し、基本的なウェハアライメントのみについて説明す
る。図17は、ウェハW上のショット領域とマークの配
置を示し、ショット領域SAnの中心SCnとX方向用
マークWMxとのX方向の間隔がΔXwm、中心SCnと
Y方向用のYマークWMyとのY方向の間隔がΔYwmと
して設計上定められている。まず、オフ・オクシス・ア
ライメント系OWAを使う場合は、任意のショット領域
SAnのマークWMxがオフ・アクシス・アライメント
系OWAの検出領域内で指標マークTMX1、TMX2
に挾み込まれるようにウェハステージWSTを位置決め
する。ここでマークWMx、WMyは、基準マークFM
1と同様にマルチラインパターンであるものとする。
【0078】そして、主制御系114は、位置決めされ
たウェハステージWSTのX方向の座標位置Xmを干渉
計IFXから読み込む。さらにオフ・アクシス・アライ
メント系OWA内のCCDカメラ4Xからの画像信号を
処理して、指標板4Fの中心点とマークWMxの中心点
とのX方向のずれ量ΔXpを検出する。次にウェハステ
ージWSTを動かして、オフ・アクシス・アライメント
系の指標マークTMY1、TMY2によってウェハのマ
ークWMyが挾み込まれるようにウェハステージWST
を位置決めする。このときのY方向の座標位置Ymを干
渉計IF1から読み取る。そしてCCDカメラ4Yの撮
像によって、指標板4Fの中心点とマークWMyの中心
点とのY方向のずれ量ΔYpを求める。
【0079】以上のマーク位置検出が終ると、あとは次
式の計算のみによって、露光時にショット領域SAnの
中心SCnをレチクルRの中心CCの投影点に合致させ
るためのウェハステージWSTの座標位置(Xe、Y
e)が求められる。 Xe=Xm−ΔXp+(BLOx−ΔXwm) ………(9) Ye=Ym−ΔYp+(BLOy−ΔYwm) ………(10) 尚、LSA方式のTTLアライメント系でマークWM
x、WMyを検出する場合、LSA方式によるマークW
Mx、WMyの各検出位置をXm、Ymとして次式で露
光時のステージ座標位置が求まる。
【0080】 Xe=Xm+BLTx−ΔXwm ………(11) Ye=Ym+BLTy−ΔYwm ………(12) 以上、本発明の実施例を説明したが、本実施例ではオフ
・アクシス・アライメント系OWAの静止座標系内での
検出中心点でも、干渉計IFX、IFY1の両測定軸が
直交するように定めてあるから、オフ・アクシス・アラ
イメント系OWAを用いた2次元のマーク位置検出に、
2つの干渉計IFX、IFY1の計測値を使うと、マー
ク検出時のウェハステージWSTの座標、位置Xm、Y
m、及びマーク位置のずれ量ΔXp、ΔYpにはアッベ
誤差が含まれないことになる。
【0081】従って、オフ・アクシス・アライメント系
OWAを使ってウェハマークや基準マークを検出すると
きには、投影レンズPLに対してアッベ条件を満す干渉
計IFY2ではなく、アライメント系OWAに対してア
ッベ条件を満す干渉計IFY1を使うことが重要であ
る。尚、オフ・アクシス・アライメント系OWAのベー
スライン計測に基準板FPの位置をサーボロックする手
段として、レチクルマークRM1、RM2と基準マーク
FM2A、FM2Bを同時に検出するTTRアライメン
ト系を用い、これによって検出される位置ずれ量が常に
所定値になるようにウェハステージWSTをサーボ制御
してもよい。
【0082】次に、本実施例の変形例について述べる。
先の図13、14で述べたシーケンス中のステップ50
8〜512では、TTRアライメント系1A、1Bを使
ってレチクルアライメントを完全に達成するようにした
が、その動作はある程度省略することが可能である。図
2にも示したように、本実施例の装置では、レチクルR
のX、Y、θ方向の位置ずれを干渉計IRX、IRY、
IRθで逐次モニターしているため、ステップ504の
IFS方式のサーチ動作によって、レチクルマークRM
1、RM2の夫々の投影点座標をウェハステージ側の干
渉計で検出したら、その座標値に基づいて演算によって
レチクルRのX、Y、θ方向の設計上の配置からのずれ
量を求め、そのずれ量が補正されるようにレチクル側の
干渉計を頼りにレチクルステージRSTを微動させても
よい。この場合、レチクル側の干渉計IRX、IRY、
IRθの計測分解能が十分に高い(例えば0.005μ
m)とすれば、レチクルRの位置決めは極めて正確に行
なわれることになる。
【0083】また本実施例で使用したオフ・アクシス・
アライメント系OWAは、ウェハステージWSTが静止
した状態でマーク検出を行なう静止型アライメント方式
であったが、LSA方式のTTLアライメント系、又は
IFS方式のように、ウェハステージWSTが移動する
ことでマーク検出を行なう走査型アライメント方式にし
ても同様の効果が得られる。例えばオフ・アクシス・ア
ライメント系OWAを、レーザビームのスポットをスリ
ット状にしてウェハWへ投射し、ウェハ上のマークをス
テージWSTの走査によって検出する方式にした場合、
基準板FP上の基準マークFM1がそのビームスポット
を横切るようにウェハステージWSTを移動させたと
き、同時に発光マークIFSがレチクルマークRM1、
又はRM2を走査するように、基準板FP上の各マーク
の配置を定めればよい。
【0084】さらにオフ・アクシス・アライメント系O
WAにLIA方式を組み込み、基準板FP上の基準マー
クFM1をマークLIMx、LIMyと同じ回折格子に
しておくと、オフ・アクシス・アライメント系OWAに
よって検出される基準マークFM1が、オフ・アクシス
・アライメント系内のLIA用の基準格子に対して常に
アライメントされるように、位相差計測回路の検出結果
に基づいてウェハステージWSTをサーボロックするこ
とができる。この場合は、オフ・アクシス・アライメン
ト系OWAの検出中心を基準マークFM1の中心に精密
に合致させた状態で、TTRアライメント系1A、1B
によって基準マークFM2A、FM2Bとレチクルマー
クRM1、RM2との各位置ずれ量を求めるだけで、ベ
ースライン量を算出することができる。この場合、TT
Rアライメント系で検出した位置ずれ量は、ベースライ
ンの誤差量であり、この値がメモリに記憶される。
【0085】また、TTLアライメント系として、CC
Dカメラを用いてウェハ上、又は基準板FP上のマーク
像と、TTLアライメント系の光路内に設けた指標マー
クの像との両方を撮像し、その位置ずれ量を検出するこ
とで、マークの位置検出を行なう方式を使用してもよ
い。この方式の場合は、TTLアライメント系の光路中
の指標マークの中心点(検出中心点)のウェハ側への投
影点と、レチクルマークRM1、RM2の中心(又はレ
チクルの中心CC)の投影点との間でもベースライン量
を管理すればよい。
【0086】ところで、本実施例に示したIFS方式
は、専らステージスキャン、すなわち走査型アライメン
ト方式として説明したが、静止型アライメント方式にす
ることもできる。そのためには、基準板FP上の発光マ
ークIFSをスリット状から矩形状の発光面に変更し、
図6に示したレチクルマークのダブルスリットRM1y
(又はRM1x)の直下にダブルスリットの幅よりも十
分大きな矩形状の発光面を位置決めし、レチクルRの上
方からTTRアライメント系等を使ってマークRM1y
(又はRM1x)の部分をCCDカメラ等で撮像するよう
にすれば、図15(B)で示した波形と同等の波形をも
つ画像信号を得ることができる。この際、指標となるマ
ークがTTRアライメント系内にない場合は、CCDカ
メラの特定の画素位置を基準としてダブルスリットマー
クRM1y(又はRM1x)のずれ量を求めることもで
きる。またこの方式では、レチクルマークRM1(又は
RM2)の中心の投影点は、そのずれ量と、矩形状の発
光面を位置決めしたときのウェハステージWSTの座標
値とに基づいて算出される。尚、図19に示すように、
矩形状の発光面PIFの一部に、ダブルスリットマーク
RM1y(RM1x)とのずれ量を計測するための遮光
性のスリットパターンSSPを設けておき、TTRアラ
イメント系のCCDカメラによって発光面PIFを撮像
し、ダブルスリットマークRM1yによる暗線とスリッ
トパターンSSPによる暗線との位置ずれ量を求めても
よい。
【0087】図18は、ウェハステージWST上の基準
板FPの配置とオフ・アクシス・アライメント系の配置
との変形例を示し、オフ・アクシス・アライメント系の
対物レンズ4Bの位置を同図中の紙面内で投影レンズP
Lの下にした場合の構成図である。この位置は装置本体
の正面側であり、ウェハのローディング方向にあたる。
図18中の符号のうち、ウェハステージWSTの位置測
定の干渉計IFY、IFX1、IFX2をのぞいて、他
は図3のものと同じである。図18の場合、投影レンズ
PLの光軸位置と、オフ・アクシス・アライメント系O
WAの検出中心(ほぼ対物レンズ4Bの光軸位置)とを
結ぶ線分は、Y軸と平行になるため、Y方向の干渉計I
FYは1本とし、X方向の干渉計IFX1、IFX2を
2本とした。これに合わせて、基準板FP上の各マーク
配置を変更し、基準マークFM1と基準マークFM2の
各中心点を結ぶ線分をY軸と平行にしてある。
【0088】この図18に示した場合も、オフ・アクシ
ス・アライメント系OWAによってウェハ上のマーク、
又は基準マークFM1等を検出するときは、アッベ条件
を満足している干渉計IFX1とIFYを用い、露光時
のウェハステージ位置決めには、干渉計IFX2、IF
Yを用いる。すなわち、オフ・アクシス・アライメント
系OWAによってマーク検出を行なったときに干渉計I
FX1で計測されるのでX方向の位置座標値は、干渉計
IFX2で計測される位置座標値と対応付けられる。こ
の対応付けは、図3に示した干渉計IFY1、IFY2
の間でも同様に行なわれる。
【0089】ところで、以上に例示したベースライン計
測の動作は、図13、図14に示したように、精密なレ
チクルアライメントが終了した後に行なわれているが、
レチクルをラフにアライメントした段階でベースライン
計測を行なうようにしてもよい。例えば、図13中のス
テップ504、又は506によって、レチクルマークR
M1、RM2がTTRアライメント系1A、1Bによっ
て検出可能な位置にくるまで、SRA方式、又はIFS
方式でレチクルをラフにアライメントする。その後、図
13中のステップ508と図14中のステップ522と
を同時に実行して、基準マークFM2Aとレチクルマー
クRM1との位置ずれ量(ΔXR1、ΔYR1)、基準
マークFM2BとレチクルマークRM2との位置ずれ量
(ΔXR2、ΔYR2)、及び基準マークFM1とオフ
・アクシス・アライメント系の指標マークとの位置ずれ
量(ΔXF、ΔYF)を求める。
【0090】このとき、基準板FPは干渉計モード、又
はLIAモードでサーボロックされるが、ウェハステー
ジWSTの微動を考慮して、TTRアライメント系、オ
フ・アクシス・アライメント系の夫々による位置ずれ量
検出は何回か繰り返し実行し、その平均値を求めるよう
にする。この平均化によって、ランダムに発生する誤差
量は減少する。こうして、各位置ずれ量が求まると、後
は計算によってレチクルRの中心CC(又はマークRM
1、RM2)の投影点とオフ・アクシス・アライメント
系OWAの検出中心点との相対位置関係がわかる。さら
に、この状態におけるレチクルステージRSTの位置
(ラフ・アライメント位置)を、干渉計IRX、IR
Y、IRθの計測値から読み取って記憶しておく。この
読み取りについても、平均化を行なうのが望ましい。そ
して、先に計測した位置ずれ量(ΔXR1、ΔYR
1)、(ΔXR2、ΔYR2)、(ΔXF、ΔYF)と
予め設定されている定数値とに基づいて、オフ・アクシ
ス・アライメント系OWAの検出中心点が基準マークF
M1の中心と一致し(ΔXF=0、ΔYF=0)したと
きに生ずるべき、レチクルの中心CCの投影点と基準マ
ークFM2の中心点(マークFM2AとFM2Bとの間
の2等分点)との位置ずれ量(X、Y、θ方向)を算出
する。その後、この位置ずれ量だけレチクルステージR
STを、記憶しておいたラフ・アライメント位置から干
渉計IRX、IRY、IRθを頼りに微動させる。こう
してレチクルRはオフ・アクシス・アライメント系OW
Aの検出中心に対して精密にアライメントされ、以後、
主制御系114は図14のステップ524からのシーケ
ンスを続ける。
【0091】以上の通り、レチクルステージRST(す
なわちレチクルR)の位置変化量を比較的長い範囲(例
えば±数mm)に渡って高精度に計測できるセンサー(干
渉計、又はアライメント系)がある場合は、ラフ・アラ
イメント位置を記憶するとともに、ベースライン計測の
ための各基準マーク検出の動作を行ない、その後にレチ
クルRをファイン・アライメントすることができ、図1
3、14のシーケンスよりもスループットを向上させる
ことができる。
【0092】本発明の実施例では、LIA方式のTTL
アライメント系を基準板FPのサーボロック用として使
ったが、このLIA方式のTTLアライメント系自体に
関しても、レチクルRの中心CCとの間でベースライン
管理を行なう必要がある。ウェハW上のマークを検出す
る際にLIA方式のTTLアライメント系を使うものと
すると、TTRアライメント系1A、1Bで検出される
レチクルマークRM1、RM2と基準マークFM2A、
FM2Bの夫々とが精密に合致したときに、LIA方式
のTTLアライメント系1A、1Bで検出されるマーク
LIMx、LIMyの夫々の位相誤差Δφx、Δφy
を、レチクルRの中心CCに対するベースライン誤差量
の相当分として記憶しておけばよい。
【0093】以上の実施例で説明した露光装置は、レチ
クルR上のパターン領域PAの投影像を、ステップ・ア
ンド・リピート方式でウェハW上に露光するステッパー
であったが、本発明はレチクルとウェハとを投影光学系
の光軸と垂直な方向に同時に走査するステップ・スキャ
ン方式の露光装置においても同様に適用できる。また、
SOR等のX線源を用いたX線アライナー、X線ステッ
パー等にも同様の位置合わせシステムを適用することが
できる。
【0094】
【発明の効果】以上、本発明によれば、基板ステージの
各種精度に左右されずにベースライン計測が行なわれる
ので、ベースライン計測の精度向上が期待できる。ま
た、レチクル(マスク)のアライメントとベースライン
計測とをほぼ同時に実行できること、マスクのローテー
ション誤差(θ方向の誤差)をチェックするためにステ
ージを移動させたり、ベースライン計測のためにステー
ジを移動させたりする必要がないこと等から、トータル
の処理速度が向上するといった効果も得られる。さら
に、本発明によれば、レチクルアライメントとベースラ
イン計測とがほぼ同時に可能であることから、ウェハ交
換毎にベースライン計測を行なうシーケンスを組んだと
しても、スループットを悪化させることはなく、ベース
ラインの長期ドリフトや、レチクルへの露光光の照射に
よるレチクルホルダーの位置ドリフト等を高速に確認し
て補正することができる。
【0095】また実施例によれば、TTLアライメント
系、又はTTRアライメント系(第2マーク検出手段)
を使って基準板の位置をサーボロックした状態で、基準
板上のマークをオフ・アクシス・アライメント系(第1
マーク検出手段)で検出してベースライン計測するた
め、従来のように基板ステージの位置計測用の干渉計を
使うことがなく、干渉計の光路の空気ゆらぎ(屈折率ゆ
らぎ)による影響で生ずる計測誤差が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投影露光装置におけるベースライン計測
の様子を示す図。
【図2】本発明の実施例による投影露光装置の構成を示
す斜視図。
【図3】ウェハステージ上の基準マーク板の配置を示す
平面図。
【図4】基準マーク板上の各種マークの配置を示す平面
図。
【図5】投影レンズのイメージフィールド、レチクルパ
ターン、及び基準マークの配置関係を示す平面図。
【図6】レチクルアライメントマークの形状の一例を示
す図。
【図7】TTRアライメント系の構成を示す図。
【図8】TTLアライメント系の構成を示す図。
【図9】オフ・アクシス・アライメント系の指標板のパ
ターン配置を示す図。
【図10】オフ・アクシス・アライメント系の構成を示
す図。
【図11】オフ・アクシス・アライメント系によって検
出される基準マーク板上の基準マークのパターン例を示
す図。
【図12】TTRアライメント系、TTLアライメント
系の夫々で検出される基準マークのパターン例を示す
図。
【図13】本装置のベースライン計測の動作の前半を示
すフローチャート図。
【図14】本装置のベースライン計測の動作の後半を示
すフローチャート図。
【図15】アライメント系によって得られる信号波形の
一例を示す波形図。
【図16】ベースライン演算に必要とされるパラメータ
を表にまとめた図。
【図17】ウェハ上のショット配列とマーク配列とを示
す平面図。
【図18】オフ・アクシス・アライメント系の他の配置
を示す平面図。
【図19】基準マーク板上の発光マークの他のパターン
例を示す図。
【符号の説明】
R レチクル W ウェハ PL 投影レンズ RST レチクルステージ WST ウェハステージ 1A、1B TTRアライメント系 2X、3X X方向用TTLアライメント系 2Y、3Y Y方向用TTLアライメント系 OWA オフ・アクシス・アライメント系 FP 基準板 FM1 オフ・アクシス・アライメント系用の基準マー
ク FM2 TTRアライメント系用の基準マーク IFX、IFY ウェハステージ用のレーザ干渉計 RM1、RM2 レチクルマーク
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光すべきパターンとアライメント用の
    複数のマークとを有するマスクを保持して、移動可能な
    マスクステージと、前記マスクのパターンが露光される
    被露光領域に対して一定の位置関係で設けられた複数の
    マークを有する感光基板を保持して移動可能な基板ステ
    ージと、前記マスクのパターンを前記感光基板の被露光
    領域に結像投影するための投影光学系と、該投影光学系
    の投影視野の外側であって、該投影光学系の光軸から一
    定間隔だけ離れた第1位置に検出中心を有し、前記感光
    基板上のマークを光学的に検出可能な第1のマーク検出
    手段と、前記マスクの複数のマークのうち、前記投影光
    学系の視野内のほぼ一定した第2位置に存在する特定の
    マークを光学的に検出する第2のマーク検出手段とを備
    えた投影露光位置において、 前記基板ステージの一部に設けられ、前記第1のマーク
    検出手段によって検出可能な第1基準マークと、前記投
    影光学系を介して前記第2のマーク検出手段によって検
    出可能な第2基準マークとを、前記第1位置と第2位置
    の間隔に応じた一定の位置関係で並設した基準マーク板
    と;前記第2のマーク検出手段によって前記第2基準マ
    ークが検出されるように、前記基板ステージを位置決め
    する第1位置決め手段と;前記第2のマーク検出手段に
    よって前記マスクの特定のマークと前記第2基準マーク
    との両方を検出し、該2つのマークが所定の位置関係に
    なるように前記マスクステージを位置決めする第2位置
    決め手段と;前記第1のマーク検出手段によって前記検
    出中心と前記第1基準マークとの位置ずれ量を検出し、
    該位置ずれ量をベースライン誤差量として記憶する記憶
    手段とを備えたことを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 露光すべきパターンとアライメント用の
    マークとを有するマスクを保持して2次元に移動可能な
    マスクステージと、前記マスクのパターンを所定の被転
    写面上に結像投影するための投影光学系と、前記マスク
    のパターンが露光される被露光領域とアライメント用の
    マークとを有する感光基板及び基準マークを有する基準
    板を保持して、前記被転写面に沿って2次元移動させる
    基板ステージと、前記投影光学系の投影視野の外側の所
    定位置に検出中心を有し、前記感光基板のマーク、又は
    前記基準板の基準マークと前記検出中心との位置関係を
    検出する第1マーク検出手段と、前記投影光学系の投影
    視野内の所定位置に検出領域を有し、該検出領域内で前
    記マスクのマークと前記基準板の基準マークとの相対位
    置関係を検出するための第2マーク検出手段とを備えた
    投影露光装置において、前記基準板は、前記第1マーク
    検出手段によって検出可能な第1基準マークと、前記第
    2マーク検出手段によって検出可能な第2基準マークと
    を、前記被転写面上における前記第1マーク検出手段の
    検出中心と前記第2マーク検出手段の検出領域との間隔
    に応じた一定の位置関係で並設して成り;前記第1基準
    マークが前記第1マーク検出手段によって検出されると
    ともに、前記第2基準マークが前記第2マーク検出手段
    によって検出されるように、前記基板ステージの移動を
    制御する基板ステージ制御手段と;前記第1マーク検出
    手段によって検出される前記検出中心と前記第1基準マ
    ークとの位置関係、前記第2マーク検出手段によって検
    出される前記マスクのマークと前記第2基準マークとの
    位置関係、及び前記第1基準マークと第2基準マークと
    の位置関係に基づいて、前記被転写面における前記マス
    クのマークの位置と前記第1マーク検出手段の検出中心
    の位置との間隔をベースライン量として計測する計測手
    段とを備えたことを特徴とする投影露光装置。
  3. 【請求項3】 マスクのパターンを感光基板上に結像投
    影するための投影光学系と、前記マスクを該投影光学系
    の光軸とほぼ垂直に保持するマスクステージと、前記感
    光基板を前記光軸とほぼ垂直に保持する基板ステージ
    と、前記マスクステージと前記基板ステージとを前記光
    軸とほぼ垂直な方向に相対的に移動させる駆動手段と、
    前記投影光学系の外側に固設され、前記感光基板に付設
    されたマークを検出するオフ・アクシス方式の第1アラ
    イメント系と、前記投影光学系の投影視野内の所定位置
    に検出領域を有し、該検出領域内で前記投影光学系の像
    面に位置した物体のパターンを前記投影光学系を介して
    検出する第2アライメント系とを備え、前記第1アライ
    メント系の所定の検出中心点と前記第2アライメント系
    の検出領域内の所定の基準点との相対位置関係をベース
    ラインとして計測する投影露光装置において、 前記基板ステージ上に固設され、前記第1アライメント
    系の検出中心点と前記第2アライメント系の基準点との
    設計上の間隔に応じた一定の位置関係で配置された第1
    基準マークと第2基準マークとが付設された基準板と;
    前記第1アライメント系によって前記第1基準マークが
    検出されるのと同時に、前記第2アライメント系によっ
    て前記第2基準マークが検出されるように、前記駆動手
    段を制御する制御手段と;前記第1アライメント系で検
    出される前記第1基準マークの検出位置、前記第2アラ
    イメント系で検出される前記第2基準マークの検出位
    置、及び前記第1基準マークと第2基準マークの配置関
    係に基づいて、前記ベースラインを計測する計測手段と
    を備えたことを特徴とする投影露光装置。
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JP2010062263A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Canon Inc 露光装置およびデバイス製造方法
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