JPH11194119A - 遠隔非破壊検査装置及び該装置を用いる原子炉圧力容器の非破壊検査方法 - Google Patents

遠隔非破壊検査装置及び該装置を用いる原子炉圧力容器の非破壊検査方法

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JPH11194119A
JPH11194119A JP10000958A JP95898A JPH11194119A JP H11194119 A JPH11194119 A JP H11194119A JP 10000958 A JP10000958 A JP 10000958A JP 95898 A JP95898 A JP 95898A JP H11194119 A JPH11194119 A JP H11194119A
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賢治 岡田
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宣夫 阿波村
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洋司 高須
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行装置の位置精度及び位置再現性を容易に
確保し、圧力容器の溶接部の非破壊検査精度を向上する 【解決手段】 無限軌道を有し磁力により圧力容器等の
壁面10に吸着して壁面10の溶接部と並走する走行装
置2a,2bを備え、走行装置2a,2bの車体本体1
に、超音波探触子9等の非破壊検査手段を搭載するとと
もに走行方向修正手段を付設し、走行方向修正手段は、
圧力容器の溶接部とほぼ平行にしかつ溶接部より離間し
て敷設される識別レール15と、走行装置2a,2bの
車体本体1に搭載され識別レール15を検出する複数の
検出器14とを具備してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力容器等の溶接
部の非破壊検査に係り、特に永久磁石により圧力容器等
の鉄鋼構造物に吸着して走行し、溶接部に沿って並走し
ながら溶接部の非破壊検査を行う遠隔非破壊検査装置及
び該装置を用いる原子炉圧力容器の非破壊検査方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の遠隔非破壊検査装置においては、
圧力容器等の溶接部の超音波探傷検査を行う場合、超音
波探触子の位置精度、すなわち走行装置の溶接部に対す
る位置制御及び再現性が必要になる。一般に圧力容器等
の非破壊検査装置(非破壊検査手段)は、圧力容器外周
部に軌道を設置し、軌道に走行駆動装置を取付けてラッ
クとピニオンとの歯合により走行し、位置制御を行うこ
とにより位置精度及び再現性は確保される。しかしなが
ら軌道式装置の場合、走行駆動装置を軌道に取り付ける
ため軌道の剛性を確保する必要があるとともに、軌道の
固定も堅固なものにする必要があり、さらに検査範囲が
増加するのに伴って大がかりな軌道を準備する必要があ
る。
【0003】また、無限軌道式磁気吸着走行装置(走行
装置)を使用した検査装置がそれぞれの目的に応じて開
発されている。無限軌道式磁気吸着走行装置は軌道が不
要であり、任意の場所を走行できる。この種の装置に関
する技術として、特開昭47−40635号公報「壁面
作業車の走行装置」、特開昭51−79498号公報
「磁力走行装置の操作方法」、特開昭56−79069
号公報「磁気付着性無軌道運搬器具」、特開昭60−1
8464号公報「走行機の磁石付無端軌道体」及び特開
平7−322837号公報「無限軌道式磁気走行装置」
等が開示されている。
【0004】しかし前記無限軌道式磁気吸着走行装置で
は、水平面の凹凸部の走行安定性あるいは垂直面の走行
安定性については優れた技術を有しているが、例えば、
溶接部に平行に精度良く走行させる方法については考慮
されていない。また原子炉圧力容器では、高放射線雰囲
気のため、位置決め部の構造や取付け方法及び走行装置
の取付け、取外しについても放射線雰囲気で行える考慮
が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の遠隔非破壊検査
装置にあっては、圧力容器等の溶接部の超音波探傷検査
を行う場合、超音波探触子の位置精度、すなわち走行装
置の溶接部に対する位置制御及び再現性が考慮されてい
なかった。
【0006】本発明の課題は、位置精度及び位置再現性
を容易に確保し、圧力容器の溶接部の非破壊検査を精度
良く実施することのできる遠隔非破壊検査装置及び該装
置を用いる原子炉圧力容器の非破壊検査方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を達成するた
め、本発明に係る遠隔非破壊検査装置は、無限軌道を有
し磁力により壁面に吸着して壁面の溶接部と並走する走
行装置を備え、走行装置に溶接部の非破壊検査手段を搭
載するとともに走行方向修正手段を付設した構成とす
る。
【0008】そして走行方向修正手段は、溶接部とほぼ
平行しかつ溶接部より離間して敷設される識別レール
と、走行装置に搭載され識別レールを検出する複数の検
出器とを具備してなる構成でもよい。
【0009】また原子炉圧力容器の遠隔非破壊検査方法
にあっては、前記いずれか一つの遠隔非破壊検査装置を
用い、原子炉運転前に予め走行方向修正手段の識別レー
ルを放射線量の低い場所まで延設し、非破壊検査の際、
放射線量の低い場所で走行装置を取付け又は取外し、走
行装置を放射線量の高い溶接部へ走行させる構成とす
る。
【0010】本発明によれば、走行装置に取付けた検出
器で識別レールの断面形状を認識し、認識した形状デー
タで走行装置のずれを検出することにより識別レールと
走行装置とのずれを検出できる。ずれ方向とは逆に走行
装置の位置を制御し走行方向の修正が行われる。又は、
2個以上の検出器で識別レールの両端を検出するように
構成することにより、走行方向のいずれかの検出器が識
別レールを検出しなくなると識別レールから走行装置が
離脱したことを検出する。離脱方向とは逆に走行装置の
位置を制御し走行方向の修正を行うことができる。また
原子炉圧力装置に適用することにより、走行装置の設置
から回収まで、放射線レベルの低い場所で作業すること
が可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1及び図
2を参照しながら説明する。図1及び図2に示すよう
に、無限軌道を有し磁力により圧力容器等の壁面(吸着
面)10に吸着して壁面10の溶接部と並走する走行装
置(無限軌道式磁気吸着走行装置)2a,2bを備え、
走行装置2a,2bの車体本体1に、超音波探触子9等
の非破壊検査手段を搭載するとともに走行方向修正手段
を付設した構成とする。そして走行方向修正手段は、圧
力容器の溶接部とほぼ平行にしかつ溶接部より離間して
敷設される識別レール15と、走行装置2a,2bの車
体本体1に搭載され識別レール15を検出する複数の検
出器14とを具備してなるものとする。
【0012】すなわち車体本体1の走行方向と直交する
両側に、磁気により吸着面10に吸着し吸着面10を走
行駆動する走行装置2a,2bを取付けてある。走行装
置2a,2bは各々に駆動モータ3a,3bを有してお
り、走行方向側に超音波探触子9と走査駆動装置8とが
配設されている。通常の前進走行では、左右の走行装置
2a,2bに取付けられた駆動モータ3a,3bは同じ
速度となるように速度制御されている。識別レール15
を円筒形状の管又は棒で形成し、圧力容器等の壁面10
より離間した位置に、吸着面10の図示しない溶接部と
平行になるようにサポート11で固定する。サポート1
1は着脱可能のマグネット台11aで吸着面10に固定
されている。識別レール15には走行距離補正のため、
長手方向に一定間隔で穴16を開けておく。一方、車体
本体1の走行方向側に取付けた各検出器14はイメージ
センサとし、識別レール15の断面形状を認識できるも
のとする。
【0013】検出器14の検出画像の例を図3に示す。
識別レール15断面の半円と穴16とを検出した状態で
あり、識別レール15の一方の端部と画面の端面との距
離をΔ1とし、同様に他方の端部と端面との距離をΔ2
とする。そして走行中にΔ1及びΔ2を検出器14によ
り計測する。走行方向修正は(Δ1−Δ2)=0となる
ように、走行中に(Δ1−Δ2)>0となった場合はΔ
1を小さくする方向に、逆の場合はΔ2を小さくする方
向に、走行装置2の位置を修正することにより容易に歩
行方向の修正が可能である。また識別レール15に穿設
した穴16を検出することにより、走行距離の補正が容
易に実施できる。
【0014】本実施の形態の動作を説明する。通常の前
進走行では、左右の走行装置に取付けられた駆動モータ
は同じ速度となるように速度制御されている。例えば図
2に示すように図面上部に向けて走行装置が前進し、前
進右方向に走行方向がずれた場合、右側の走行装置の駆
動モータに対して、左側の駆動モータよりわずかに走行
速度を上げるように指令を発することにより、右側の走
行装置がわずかに先行し、車体本体の走行方向が左側に
修正される。つまり走行装置に取付けた複数の検出器で
識別レールの断面形状を認識し、Δ1及びΔ2を図示し
ない制御装置の演算器により演算し、かつ比較器により
Δ1及びΔ2を比較し、Δ1あるいはΔ2がゼロになっ
た場合、識別レールから走行装置が離脱したことを検出
できる。離脱方向とは逆に各走行装置の位置を制御し走
行方向の修正を行う。走行中は常時識別レールの監視を
行い、走行方向の修正を行うことにより、識別レールに
沿った走行装置の安定走行が可能となる。識別レールを
溶接部に平行に取付けることにより、溶接部に沿った走
行制御が可能となる。また識別レールの長手方向に一定
の間隔で穿設した穴を前記の走行方向の検出器とは別に
設けた検出器で検出し、走行距離のデータの補正を行う
ことにより、走行距離の位置精度が確保できる。
【0015】超音波探傷検査を行う場合、車体本体を一
定のピッチで走行させ、車体本体が停止した状態で走査
駆動装置により超音波探触子を図1に示す矢印A方向に
走査させて探傷を行うことができる。そして超音波探触
子の走査終了後、車体本体を再度一定のピッチで走行さ
せる動作を繰り返す。走行装置の走行と超音波探触子の
走査とを交互に繰り返すことにより、圧力容器等の溶接
部等の非破壊検査を行うことができる。
【0016】本発明の他の実施の形態として原子炉圧力
容器の遠隔非破壊検査方法は、図4に示すように、前記
いずれか一つの遠隔非破壊検査を用いるために準備する
工程と、建設時等の原子炉運転前に予め走行方向修正手
段の識別レール25を放射線量の低い場所である例えば
溶接部23aまで延設する工程と、識別レール25を溶
接部23a近傍の構造物27にサポート26を用いて据
付ける工程と、非破壊検査の際に放射線量の低い溶接部
23aの位置(上端部)Bで走行装置を取付け又は取外
す工程と、走行装置を放射線量の高い炉心領域22近傍
の溶接部23bへ走行させる工程とを含む構成である。
【0017】すなわち原子炉圧力容器21では、原子炉
の運転により炉心領域22の周辺部の放射線量が高くな
るため、生体遮蔽体24が設置されている。原子炉圧力
容器21の溶接部23は原子力プラントの定期検査中に
検査を行うが、定期検査中でも炉心領域22の周辺は放
射線量が高いため容易に接近できない。そのため、識別
レール25を原子炉圧力容器21の設置時等の原子炉運
転前の放射線雰囲気のない時期に溶接部23に平行に離
間して設置する。特に生体遮蔽体24が設置されている
高放射線範囲の溶接部23bの部分に設置する。このと
き、識別レール25は生体遮蔽体24の内側にサポート
26により構造物27に固定する。溶接部23bを検査
する際は、比較的放射線量の低い生体遮蔽体24の上端
部Bで走行装置を原子炉圧力容器21の表面に取付け、
識別レール25の上端部Bで識別レール25を検出し、
溶接部23bまで走行装置を走行させて非破壊検査を実
行する。各検査対象部位まで達すると、前記と同様の操
作により検査を行うことができる。検査終了後は、識別
レール25に沿って走行装置を設置した上端部Bまで戻
し、走行装置を取外し回収する。
【0018】この他の実施の形態によれば、走行装置の
設置から回収まで、走行装置の取扱者は、放射線レベル
の低い場所で作業することができるため、作業員の被ば
く低減が可能である。また放射線レベルが低い領域にあ
る溶接部の検査を行う場合、前記の仮固定式の識別レー
ルを使用することにより、遠隔操作で溶接部の非破壊検
査を行うことができ、作業員の被ばく低減が可能とな
る。
【0019】本発明によれば、識別レールと検出器とを
組合せて使用することにより、無軌道式磁気吸着走行装
置の走行制御を容易に行うことが可能で、走行装置の位
置精度及び位置の再現性が容易に確保できる。したがっ
て圧力容器等の溶接部の超音波探傷検査を精度良く実現
することができる。また識別レールは構造が簡単で着脱
も容易であるとともに、持ち運びができる軽量構造であ
るため、原子炉圧力容器を含む圧力容器の溶接部のみな
らず母材の非破壊検査にも適用可能であり、かつ他の溶
接構造物の溶接部又は母材等の広い範囲での適用が可能
である。さらに本発明を原子炉圧力容器に適用すること
により、識別レールを圧力容器の周囲に設置された構造
物に予め建設時に取付けておき、検査時に低放射線雰囲
気の場所で圧力容器に走行装置を設置し、高放射線領域
にある溶接部まで移動させることにより、高放射線領域
にある溶接部の非破壊検査を、作業者が高放射線の炉心
領域に接近することなく行うことが可能となる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、溶接部と平行に識別レ
ールを設置し、検出器で検出しながら走行方向を修正す
ることにより、走行装置の位置精度及び位置の再現性が
確保でき、溶接部の非破壊検査精度を向上することがで
きる。また識別レールを予め原子炉運転前に設置してお
き、低放射線雰囲気の場所で原子炉圧力容器に走行装置
を取付け、走行装置を移動させて高放射線領域の溶接部
の非破壊検査を行うため、作業者の被ばく線量を低減す
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の検出器で検出した検出画像を示す図であ
る。
【図4】本発明の他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
1 車体本体 2 走行装置 3 駆動モータ 8 走査駆動装置 9 超音波探触子 11 サポート 11a マグネット台 14 検出器 15,25 識別レール 16 穴 21 原子炉圧力容器 22 炉心領域 23 溶接部 24 生体遮蔽体 26 サポート 27 構造物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無限軌道を有し磁力により壁面に吸着し
    て該壁面の溶接部と並走する走行装置を備え、該走行装
    置に前記溶接部の非破壊検査手段を搭載するとともに走
    行方向修正手段を付設したことを特徴とする遠隔非破壊
    検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の遠隔非破壊検査装置にお
    いて、走行方向修正手段は、溶接部とほぼ平行しかつ該
    溶接部より離間して敷設される識別レールと、走行装置
    に搭載され前記識別レールを検出する複数の検出器とを
    具備してなることを特徴とする遠隔非破壊検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の遠隔非破壊検査装
    置を用い、原子炉運転前に予め走行方向修正手段の識別
    レールを放射線量の低い場所まで延設し、非破壊検査の
    際、前記放射線量の低い場所で走行装置を取付け又は取
    外し、前記走行装置を放射線量の高い溶接部へ走行させ
    ることを特徴とする原子炉圧力容器の遠隔非破壊検査方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111916237A (zh) * 2020-08-03 2020-11-10 中核武汉核电运行技术股份有限公司 核反应堆压力容器检测装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101196826B1 (ko) 2010-11-18 2012-11-01 한국철도기술연구원 레일용 자동 초음파 탐지장치
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