JPH11190205A - ロータ熱的安定性試験方法 - Google Patents

ロータ熱的安定性試験方法

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JPH11190205A
JPH11190205A JP35756697A JP35756697A JPH11190205A JP H11190205 A JPH11190205 A JP H11190205A JP 35756697 A JP35756697 A JP 35756697A JP 35756697 A JP35756697 A JP 35756697A JP H11190205 A JPH11190205 A JP H11190205A
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JP
Japan
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rotor
chamber
thermal
fluid
temperature
Prior art date
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Application number
JP35756697A
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English (en)
Inventor
Sunao Umemura
直 梅村
Atsushi Maekawa
篤 前川
Yoshiaki Tsukuda
嘉章 佃
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービン、蒸気タービンのロータの非定
常な熱曲りをロータ組込前に正確に調べる。 【解決手段】 ロータ11は軸受12、13により支持
され、カップリング14で駆動モータ15に連結され、
回転可能に支持される。ロータ11の中間部21及びフ
ランジ20Aの面を部分的にチャンバ10で覆い、シー
ル16、17で密閉する。熱伝達率の大きい流体19を
ポンプ70を介し、ヒータ61で加熱して弁18を介し
てチャンバ10内に噴射し、この部分を他の部分と大き
な温度差を付ける。これによりフランジ20Aと20B
との接合面の当り正常部と不良部とで温度差が著しくつ
き、この温度差が大きいと振動も発生するので熱的な不
つり合いによる不具合を調べることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスタービンや蒸気
タービンのロータを加熱し、熱的安定性試験を行う方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンや蒸気タービンのロータの
熱的安定性の検査を行う場合には、ロータを炉体の中に
入れて大気圧で空気加熱を行い、ロータの熱応力による
非定常な曲がりを起し、ロータに対する影響を調べてい
る。図5はこのようなロータの熱的試験を行う一般的な
装置構成を示す図であり、図において、50はチャンバ
で、試験供試体となるロータ51が軸受52、53を介
して配置されている。54はカップリング、55はモー
タであり、ロータ51とモータ55を連結してロータ5
1が回転する構成であり、チャンバ50とロータ51と
の回転部にはシール56、57が設けられ、チャンバ5
0内を密封し、熱が逃げないようにしている。
【0003】60はファン、61はヒータであり、空気
を加熱してチャンバ50内に送り、62は真空ポンプ
で、チャンバ50内の排気に用いられる。59は振動セ
ンサ、63はキーフェーサでありロータの計測に用いら
れる。
【0004】上記のような試験装置により、チャンバ5
0内の空気をヒータ61を制御して徐々に加熱してゆ
き、内部のロータ51を加熱してロータを必要に応じて
回転させ、主要部が熱応力により、非定常な熱曲りが生
じているか否かをチェックする。このような熱応力によ
る曲がりを正確にチェックしないと、ロータが単体では
正常であっても、組立て後に熱負荷を与えると、熱曲り
が生じて事故が発生する原因となるものである。
【0005】図6は蒸気タービンのロータの熱的アンバ
ランスを避けるためにロータを加熱する例であり、図に
おいて、40は蒸気タービンのロータ、41−1、41
−2、41−3、41−4、41−5、41−6は動
翼、42−1、42−2、42−3、42−4、42−
5、42−6はそれぞれ固定側の静翼である。43は電
源であり、44は制御装置、45は演算装置である。4
6、47、48、49はそれぞれ加熱装置である。
【0006】上記の蒸気タービンではロータ40の熱変
化に対してロータが安定した形状を保つように演算装置
45、制御装置44によりロータ40の両端部の加熱温
度を演算し、制御装置44の信号で電源43によりそれ
ぞれ加熱装置46、47、48、49を加熱し、これら
の熱によりロータ40の軸受側両端部を加熱して熱的バ
ランスを保つように制御している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のようにロータの
熱的な安定性をチェックする場合には、ロータを炉内に
入れて大気圧下において徐々に空気加熱しているが、単
にロータ全体を炉内に配置して加熱する方式であり、全
体を加熱しただけでは熱的勾配がつけにくく、ロータの
非定常的な熱曲がり現象を正確に再現することはむずか
しい。このためロータ単体では正常であってもロータを
ケーシング内に組立てて熱負荷を加えると熱曲がりを生
ずることがある。又、このような不具合を避けるため
に、図6に示すようにタービン装置に加熱装置を組込ん
でロータを加熱するようなシステムを装備させている
が、高温部に配線等を装備させるため、信頼性に問題が
あり、又、装置の制御も複雑となり、コストアップの原
因ともなってしまう。
【0008】そこで本発明は、ガスタービンや蒸気ター
ビンのロータの熱的安定性試験を行う場合に熱的な応力
が発生しやすい部分を特定し、この部分のみにロータの
温度と大きな温度差を与えて、熱的勾配がつくようにし
てロータの不具合の原因となる非定状な熱曲がり現象を
再現しやすいようにしたロータ熱的安定性試験方法を提
供することを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために次の(1)、(2)の手段を提供する。
【0010】(1)回転自在に支持されたタービンロー
タをチャンバ内に配置して密閉し、加熱することにより
熱応力を発生させてロータの熱的安定性を調べる試験方
法において、前記チャンバは前記ロータ軸方向の所定の
一部分の周囲のみを覆う構成とし、同チャンバには流体
を流入させて同チャンバで覆った一部分と他の部分とで
温度差を与えることを特徴とするロータ熱的安定性試験
方法。
【0011】(2)上記(1)の発明において、前記流
体は高温水又は蒸気の少くともいずれかであることを特
徴とするロータ熱的安定性試験方法。
【0012】ロータ単独で熱的安定性試験を行う場合
に、ロータ径の急変部やフランジの接合面等に構造的な
アンバランス部や非接合部分等が存在するとこれらの部
分に熱的な不つり合いが発生し、これら部分の振動も大
きくなる。従来はロータ全体を炉の中に配置し、ゆっく
りと大気圧下で空気加熱を行って熱応力の状態を調べて
いたが、このように単にロータ全体を加熱するのみでは
ロータに熱的な勾配がつかないのでロータの非定常な熱
曲がり現象を正確に再現することがむずかしかった。
【0013】本発明の(1)の試験方法では、ロータの
上記のような不つり合いを発生しやすい個所を特定し、
この部分の周囲のみをシールを含むチャンバで包み、そ
のチャンバ内にロータの現状の温度と大幅に異なった熱
伝達率の大きな流体を入れ、ロータの軸方向でこの部分
に温度差を与える。これにより、特定した部分に非定状
な熱曲りが生じているか、又、振動が大きくなっている
か否かを調べることができ、又、フランジ面の局部的な
当り不良部を調べることができ、タービン運転時に発生
する非定常な熱曲り振動を未然に防止することができ
る。
【0014】本発明の(2)ではチャンバ内に流入する
流体を高温水や水蒸気とすることによりロータの加熱や
温度調整が容易になされ、上記(1)の試験が一層正確
になされるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実
施の第1形態に係るロータ熱的安定性試験方法を実施す
る装置の構成図である。図において、11はロータであ
り、軸受12、13により回転自在に支持されている。
10はチャンバであり、20A、20Bはロータ11の
中間部21のフランジである。チャンバ10は図示のよ
うにロータ11の中間部21においてフランジ20A、
20Bのうち20Aの面を含むように部分的に設けら
れ、シール16、17によりロータ11の回転部から内
部を密閉している。14はカップリング、15は駆動モ
ータで、モータ15によりロータ11を回転させる構成
である。
【0016】19は熱伝達率の大きな流体であり、高温
水や蒸気等からなる。流体19はポンプ70で加圧さ
れ、ヒータ61で適正な温度に加熱され、弁18を介し
てチャンバ10内に噴射され、ロータの中間部21及び
フランジ20Aの部分を加熱する。又、必要に応じて7
1のポンプで流体を排出し、チャンバ10内の圧力を調
整することができる。なお、59は振動センサ、63は
キーフェーサで従来例と同じく測定用のものである。
【0017】上記のような試験装置において、チャンバ
10内には、弁18を制御することにより、高温の水又
は蒸気が噴射され、ロータ10の中間部21及びフラン
ジ20Aの面に部分的に噴射してこの部分にロータの軸
方向での温度差を与える。この際に、加熱温度の調節
は、ヒータ61、弁18を制御し、必要に応じてポンプ
71でチャンバ10内の流体を排出することにより行う
ことができる。
【0018】このように中間部21及びフランジ20B
に部分的に熱変化を与えると、この部分に熱による応力
が発生しやすくなり、非定常な熱曲りが発生すると軸方
向の温度差により振動が発生するので、これらをロータ
17を回転させながら測定し、正常か否かを判定するこ
とができ、運転時に発生する非定常な熱曲がりの振動を
事前に防止することができる。
【0019】図2は本発明の実施の第1形態における試
験方法による結果の一例を示し、フランジ20Aの面の
非定常な温度偏差とそれに伴う振動の例である。図にお
いて、(a)は縦軸にフランジの温度と振動を、横軸に
時刻を示し、上部が温度分布、下部に振動を示し、本例
では通常のロータ温度よりもフランジ20Aを低くして
温度差を付けている。(b)はフランジ20A、20B
の側面図、(c)は両フランジの接合面をそれぞれ示し
ている。
【0020】図2(a)において、フランジ接合面の当
りが正常な部分Ta(実線)と当り不良部Tb(点線)
とではバルブ18を開いた後に温度差ΔTが生じ、当り
不良部Tbの方が高くなっている。又、温度差ΔTの最
大の差の時点では振動が大きくなっている。このような
結果からフランジ20A、20Bの接合面に当り不良部
Tbが生じており、この部分に振動が発生することがわ
かる。
【0021】図3は本発明の実施の第2形態に係るロー
タ熱的安定性試験を実施する装置の構成図である。図に
おいて、符号50乃至57、60乃至62は図5に示す
従来例と同じ構成であるので詳しい説明は省略し、その
まま引用して説明するが、本実施の第2形態ではこの構
成に更に次の構成を付加したものである。
【0022】即ち、80はポンプであり、流体19を加
圧するもの、81はクーラであり、流体19を冷却し、
流体の温度調節をする。82は弁で、83はチャンバで
ありロータの軸51の51A部分を局部的に覆い、シー
ル84、85で回転部から密封している。86はポンプ
であり、必要に応じてチャンバ83内の流体を排出して
チャンバ83内の温度調節をする。
【0023】上記のような構成の装置において、ロータ
51は従来例と同様に、ファン60、ヒータ61を通っ
てチャンバ50内に空気が送られ、チャンバ50内に配
置されているロータ51を加熱しているが、従来例でも
説明したように熱的不つり合いを発生する部分に熱的勾
配が付けにくく、ロータの非定常な熱曲がりがつかめに
くい。
【0024】そこで、本実施の第2形態においては、熱
的不つり合いを発生しやすい軸部の51Aと51Bの境
界部分を特定し、ロータ51の51A部分をチャンバ8
3で部分的に覆い、この部分にチャンバ50内で加熱し
たロータの温度と大幅に異なった熱伝達率の大きい流体
19を噴射し、局部的に温度差を付け、非定常な軸曲り
が発生するようにする。これにより、この部分の温度変
化と軸曲り変化を調べ、ロータが異常か正常かを調べる
ことができる。
【0025】図4は上記の実施の第2形態の装置による
試験結果の一例であり、縦軸がロータ温度と軸曲り変化
を、横軸に時刻を示している。図中実線はロータ51の
大径部51Bの温度、一点鎖線は51Aの小径部分の温
度変化をそれぞれ示し、点線は軸曲り変化を示してい
る。
【0026】図4において、バルブ開の時刻まではロー
タはチャンバ50内の空気で加熱され、51A、51B
はわずかの温度差を保ち、51Bの方がわずかに高く、
途中でΔT1 max の最大の温度差をむかえるが、ほぼ同
じ傾向を保って上昇している。
【0027】バルブ82を開とし、チャンバ83に流体
19を噴射すると、51Aと51Bとでは51Aの方が
高温の流体により直接加熱されるので51Bよりも温度
が高くなり、この小径軸部分に不具合があると、その最
大の温度差ΔT2 max が所定の範囲を越えて大きくな
り、これにより、この部分の軸曲り変化も大きくなるの
でロータが正常か否かの判定ができる。
【0028】以上説明の実施の第1、第2形態によれ
ば、チャンバ10又は83を設け、このチャンバでロー
タ11又は51の熱的不つり合いの発生しやすい部分を
局部的に覆い、この部分に流体19を噴射し、ロータの
他の軸方向部分と大きな温度差を与え従来よりも明確に
熱曲がりを調べることができるので、ロータを組込んで
運転した時に発生する非定常な熱曲りによる振動を未然
に防止することが可能となる。
【0029】
【発明の効果】本発明の(1)のロータ熱的安定性試験
方法は、回転自在に支持されたタービンロータをチャン
バ内に配置して密閉し、加熱することにより熱応力を発
生させてロータの熱的安定性を調べる試験方法におい
て、前記チャンバは前記ロータ軸方向の所定の一部分の
周囲のみを覆う構成とし、同チャンバには流体を流入さ
せて同チャンバで覆った一部分と他の部分とで温度差を
与えることを特徴としている。このような構成により、
ロータに熱的不つり合いが発生しやすい個所を特定し、
この個所をチャンバで覆い、チャンバ内にロータの現状
の温度と大幅に異なった熱伝達率の大きな流体を入れ、
ロータの軸方向でこの部分に温度差を与え、これによ
り、特定した部分に非定状な熱曲りが生じているか、
又、振動が大きくなっているか否かを調べることがで
き、又、フランジ面の局部的な当り不良部を調べること
ができ、タービン運転時に発生する非定常な熱曲り振動
を未然に防止することができる。
【0030】本発明の(2)は、上記(1)の発明にお
いて、前記流体は高温水又は蒸気の少くともいずれかで
あることを特徴としている。このような構成により、チ
ャンバ内に流入する流体を高温水や水蒸気とすることに
よりロータの加熱や温度調整が容易になされ、上記
(1)の試験が一層正確になされるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態に係るロータ熱的安定
性試験方法を実施する装置構成図である。
【図2】本発明の実施の第1形態に係るロータの熱的安
定性試験方法による試験結果を示す図で、(a)は温度
変化とは振動特性を、(b)は試験対象のフランジの側
面図、(c)はフランジ接合面をそれぞれ示す。
【図3】本発明の実施の第2形態に係るロータ熱的安定
性試験方法を実施する装置構成図である。
【図4】本発明の実施の第2形態に係るロータ熱的安定
性試験方法による試験結果を示す図で、温度変化と軸曲
り変化を示す。
【図5】従来の一般的なロータ熱的安定性試験方法を実
施する装置構成図である。
【図6】従来の蒸気タービンロータに加熱装置を付加し
た蒸気タービンの断面図である。
【符号の説明】
10,50,83 チャンバ 11,51 ロータ 12,13,52,53 軸受 14,54 カップリング 15,55 駆動モータ 16,17,56,57,84,85 シール 18,82 弁 19 流体 20A,20B フランジ 60 ファン 61 ヒータ 62 真空ポンプ 70,71,80,86 ポンプ 81 クーラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在に支持されたタービンロータを
    チャンバ内に配置して密閉し、加熱することにより熱応
    力を発生させてロータの熱的安定性を調べる試験方法に
    おいて、前記チャンバは前記ロータ軸方向の所定の一部
    分の周囲のみを覆う構成とし、同チャンバには流体を流
    入させて同チャンバで覆った一部分と他の部分とで温度
    差を与えることを特徴とするロータ熱的安定性試験方
    法。
  2. 【請求項2】 前記流体は高温水又は蒸気の少くともい
    ずれかであることを特徴とする請求項1記載のロータ熱
    的安定性試験方法。
JP35756697A 1997-12-25 1997-12-25 ロータ熱的安定性試験方法 Pending JPH11190205A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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