JPH11189596A - メタボトロピックグルタメート受容体作用薬及び新規イミダゾベンゾチアゾール誘導体 - Google Patents

メタボトロピックグルタメート受容体作用薬及び新規イミダゾベンゾチアゾール誘導体

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JPH11189596A
JPH11189596A JP9357552A JP35755297A JPH11189596A JP H11189596 A JPH11189596 A JP H11189596A JP 9357552 A JP9357552 A JP 9357552A JP 35755297 A JP35755297 A JP 35755297A JP H11189596 A JPH11189596 A JP H11189596A
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JP
Japan
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lower alkyl
benzothiazole
compound
methyl
group
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Application number
JP9357552A
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English (en)
Inventor
Satoshi Hayashibe
敏 林辺
Hirotsune Itahana
弘恒 板鼻
Tetsuya Kimizuka
哲也 君塚
Kazuhito Tanabe
一仁 田邊
Masaji Okada
正路 岡田
Yoko Amada
陽子 天田
Shuichi Sakamoto
修一 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 メタボトロピックグルタメート受容体作用を
有し、てんかん,痛み,神経変性性疾患、不安、ストレ
ス性疾患等に有用なイミダゾベンゾチアゾール誘導体を
有効成分とする医薬及び新規化合物の提供。 【解決手段】 下記一般式(I)で示されるイミダゾベ
ンゾチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩
を有効成分とするメタボトロピックグルタメート受容体
作用薬、および新規イミダゾベンゾチアゾール誘導体又
はその塩。 (式中、R: 低級アルキル、シクロアルキル、ビシ
クロアルキルなどR及びR:H、低級アルキル、又
は下式で示される基など−A−O−R、−A−C
O−R、−A−CO−O−R、A:結合又は低
級アルキレン基 R:H又は低級アルキル基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は,イミダゾベンゾチ
アゾール誘導体又はその塩を有効成分とするメタボトロ
ピックグルタメート受容体作用薬に関する。更に,新規
なイミダゾベンゾチアゾール誘導体又はその塩に関す
る。
【0002】
【従来の技術】グルタミン酸は,ほ乳類の中枢神経系に
おいて神経伝達物質として働いている(Mayer M. L. an
d Westbrook G. L., Prog. Neurobiol., 28(1987)197-2
76)。最近の研究により,グルタミン酸の高次脳神経機
能における重要性が明らかにされてきている。グルタミ
ン酸は神経終末より放出され,シナプス後膜あるいは神
経終末に存在するグルタミン酸受容体を介して神経細胞
活性あるいは神経伝達物質の放出を調節している。グル
タミン酸受容体は,種々の薬理学的,生理学的研究か
ら,現在大きく二つのカテゴリーに分類されている。そ
の一つはイオンチャネル内蔵型であり,もう一つは代謝
調節型の受容体である(Hollmann M. and Heinemann
S., Annu. Rev. Neurosci., 17(1994)31-108)。 分子生
物学的研究により,メタボトロピックグルタメート受容
体(以下mGluRという)には,mGluR1乃至m
GluR8の異なる8種類のサブタイプが存在すること
が報告されている。mGluRは,Gタンパク質を介し
てホスホリパーゼ,イノシトール3リン酸(IP3),
カルシウムと情報を伝える受容体(mGluR1及びm
GluR5)と,Giタンパク質と共役しcAMP産生
を抑制する受容体(mGluR2,mGluR3,mG
luR4,mGluR6,mGluR7及びmGluR
8)とに分類される。これら受容体は,それぞれ異なる
脳内分布を示し,例えばmGluR6は脳内には存在せ
ず網膜上にのみ存在し,それぞれの受容体が異なる生理
的役割を担っているものと推察されている(Nakanishi
S., Neuron 13(1995)1031-1037)。
【0003】現在個々のmGluRに選択的かつ強力な
作動薬あるいは拮抗薬は存在しないが,イオンチャネル
内蔵型グルタミン酸受容体と比較してmGluRに選択
的な化合物が報告されている(Hayashi Y. et al., Br.
J. Pharmacol. 107(1992)539-543; Hayashi Y. et a
l., J. Neurosci. 14(1995)3370-3377)。これらの化合
物を用いた研究により,mGluRと種々の病態との関
連が以下乃至に報告されている。 mGluR作動薬である(1S,3R)−1−アミノ
シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸(以下(1S,
3R)−ACPDという)の投与により,てんかんが誘
発される(Tizzano J. P. et al., Neurosci. Lett., 1
62(1993)12-16; McDonald J. W. et al., J. Neurosc
i., 13(1993)4445-4455)。さらに,mGluR1の拮
抗薬で,かつmGluR2の作動薬である(S)−4−
カルボキシ−3−ヒドロキシフェニルグリシン(以下
(S)−CHPGという)の種々のてんかんモデルでの
有効性が報告されている(Dalby, N. O. & Thomsen, C.
J. Pharmacol. Exp. Ther., 276(1996)516-522)。 脊髄後角神経細胞への痛覚刺激の伝達にmGluRの
関与することが電気生理学的実験により証明されている
(Young, M. R. et al., Neuropharmacology, 33(1994)
141-144; ibid, 34(1995)1033-1041)。さらに,ラット
において,(S)−CHPGに熱及び機械的痛覚刺激の
回避反応を遅くさせる作用があることが報告されている
(Young, M. R. et al., Br. J. Pharmacol., 114(199
5)316P)。 (1S,3R)−ACPDや(RS)3,5−ジヒド
ロキシフェニルグリシン(以下3,5−DHPGとい
う)はマウスやラット脳実質に微量投与,又は全身投与
するとけいれんを伴って,神経細胞死を引き起こす(Li
partit, M. et al.,Life Sci., 52(1993)PL85-90; McDo
nald, J. W. et al., J. Neurosci., 13(1993)4445-445
5; Tizzano, J. P., et al., Neuropharmacology, 34(1
995)1063-1067)。これは,mGluR1及びmGlu
R5が活性化された結果によると考えられている。 ベンゾジアゼピンの慢性投与により,依存性が形成さ
れることがよく知られている。ベンゾジアゼピンの7日
間持続投与後の2日目と3日目に,(1S,3R)−A
CPDのmGluRを介したイノシトール・リン脂質の
代謝回転が上昇することが報告され,ベンゾジアゼピン
の退薬症候群の発現にmGluRが関与していることが
示唆されている(Mortensen, M. et al., J. Pharmaco
l. Exp. Ther., 274(1995)155-163)。
【0004】 すなわち以上の報告は,mGluR1に作
用する化合物が,てんかん,痛み,神経変性性疾患(心
臓バイパス手術及び移植術後の脳不全,発作,脳虚血,
脊髄外傷,頭部外傷,アルツハイマー病,ハンチングト
ン舞踏病,筋萎縮性側索硬化症,エイズに起因する痴
呆,周産期の低酸素症,心拍停止,低血糖性ニューロン
損傷,視力障害と網膜症,特発性及び薬品誘発性パーキ
ンソン病),不安、ストレス性疾患(ベンゾジアゼピン
退薬症候群、過敏性腸症候群)に有用であることを示
す。さらに,mGluR1に作用する化合物はグルタミ
ン酸による神経伝達の機能障害によって起こるけいれ
ん,偏頭痛,尿失禁,精神病,阿片耐性と禁断症状,コ
カイン禁断症状,不安,嘔吐,脳水腫,慢性疼痛,及び
晩発性ジスキニジーにも有用であると考えられる。
【0005】 従来、メタボトロピックグルタメート受容
体作用を有する化合物としては、アミノ酸又はペプチド
構造の化合物(特開平7−267908号参照)及びチ
エノ[2,3−b]インドール構造の化合物(WO95
/25110号参照)、シクロプロパクロメンカルボン
酸誘導体(特開平8−169884号参照)、3−ビニ
ルインドール誘導体(WO97/05109号参照)、
ピリジノ[2,3−b]インドール誘導体(WO97/
05137号参照)が報告されている。 一方、イミダゾ
[2,1−b]ベンゾチアゾール誘導体としては、これ
まで種々の化合物が知られている。即ち、2−メチルイ
ミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール誘導体として
は、他に置換基のない化合物(Bull.Chem.Soc.Jpn.,53
(11),3308-12,1980)、製造中間体として5位にヒドロ
キシ或いはメトキシ基置換の化合物(特開昭60−25
8184)、殺菌活性を有するとして5位にクロロ或い
はメチル基置換の化合物(Heterocycles,45(8),1579-8
8,1997)及び7位にブロモ、メチル、メトキシ或いはエ
トキシ基置換の化合物(Khim.Farm.Zh.,11(7),25-7,197
7)が報告されている。また、2−tブチルイミダゾ
[2,1−b]ベンゾチアゾール(Khim.Geterotsikl.S
oedin.,9,1149-52,1972)が公知である。更には、抗潰
瘍剤として7位にフルオロ又はメトキシ基置換の2−メ
チルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾールと2―エ
チルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール(EP3
47880号)が知られているがこれらのmGluRに
対する作用は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は強力な
メタボトロピックグルタメート受容体作用薬の創製、及
び強いメタボトロピックグルタメート受容体作用を有す
る新規化合物を提供すること、更にはこれらを含有する
医薬を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成すべく鋭意研究を行ったところ、イミダゾベンゾ
チアゾール誘導体がメタボトロピックグルタメート受容
体に強い活性を有することを見出し本発明を完成させる
に至った。即ち、本発明は下記一般式(I)で示される
イミダゾベンゾチアゾール誘導体又はその塩を有効成分
とするメタボトロピックグルタメート受容体作用薬に関
する。 ここで作用薬とはアンタゴニスト(antagonist)
及び/又はアゴニスト(agonist)を意味するものとす
る。
【0008】
【化3】 (式中の記号は以下の意味を表す。 R: 低級アルキル、シクロアルキル、ビシクロアル
キル、シクロアルキル−低級アルキル、又はビシクロア
ルキル−低級アルキル基 及びR:同一又は異なって、H、低級アルキル、
又は下式で示される基 (1) −A−O−R (2) −A−CO−
(3) −A−CO−O−R (4) −A
−O−A−O−R (5) −A−O−A−C
O−R (6) −A−O−A−CO−O−
(7) −A−N(R)−R (8) −A
−N(R)−A−O−R (9) −A−N
(R)−A−CO−R (10) −A−N
(R)−A−CO−O−R 及びA:同一又
は異なって結合又は低級アルキレン基 :低級アルキレン基 及びR:同一又は異なって、H又は低級アルキル
基)。 また、本発明は下記一般式(I')で示される新規イミダ
ゾベンゾチアゾール誘導体又はその塩に関する。
【0009】
【化4】 (式中の記号は以下の意味を表す。 R: 低級アルキル、シクロアルキル、ビシクロアル
キル、シクロアルキル−低級アルキル、又はビシクロア
ルキル−低級アルキル基 及びR:同一又は異なって、H、低級アルキル、
又は下式で示される基 (1) −A−O−R (2) −A−CO−
(3) −A−CO−O−R (4) −A
−O−A−O−R (5) −A−O−A−C
O−R (6) −A−O−A−CO−O−
(7) −A−N(R)−R (8) −A
−N(R)−A−O−R (9) −A−N
(R)−A−CO−R (10) −A−N
(R)−A−CO−O−R 及びA:同一又は異なって結合又は低級アルキレ
ン基 :低級アルキレン基 及びR:同一又は異なって、H又は低級アルキル
基 但し、2−メチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾ
ール、2−メチル−5−メチルイミダゾ[2,1−b]
ベンゾチアゾール、2−メチル−5−ヒドロキシイミダ
ゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール、2−メチル−5−
メトキシイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール、2
−メチル−7−メチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチ
アゾール、2−メチル−7−メトキシイミダゾ[2,1
−b]ベンゾチアゾール、2−メチル−7−エトキシイ
ミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール、2−エチルイ
ミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール、2−tブチル
イミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾールを除く)。
【0010】
【発明の実施の形態】一般式(I)乃び(I')で示され
る化合物についてさらに説明すると,次の通りである。
本明細書の一般式の定義において,特に断らない限り
「低級」なる用語は炭素数が1乃至6個の直鎖又は分岐
状の炭素鎖を意味する。 従って,「低級アルキル基」と
は,具体的に例えばメチル,エチル,プロピル,イソプ
ロピル, ブチル,ペンチル(アミル),ヘキシル基又
はこれらの構造異性体であるイソプロピル,イソブチ
ル,sec−ブチル,tert−ブチル,イソペンチ
ル,ネオペンチル,tert−ペンチル,1−メチルブ
チル,2−メチルブチル,1,2−ジメチルプロピル,
イソヘキシル,1−メチルペンチル,2−メチルペン
チル,3−メチルペンチル,1,1−ジメチルブチル,
1,2−ジメチルブチル,2,2−ジメチルブチル,
1,3−ジメチルブチル,2,3−ジメチルブチル,
3,3−ジメチルブチル,1−エチルブチル,2−エチ
ルブチル,1,1,2−トリメチルプロピル,1,2,
2−トリメチルプロピル,1−エチル−1−メチルプロ
ピル,1−エチル−2−メチルプロピル基等が挙げら
れ,好ましくは炭素数1〜4個のアルキル基である。
【0011】 「低級アルキレン基」とは,炭素数が1乃
至6個の直鎖又は分岐状のアルキレン基であり,具体的
に例えばメチレン,エチレン,トリメチレン,テトラメ
チレン,ペンタメチレン,ヘキサメチレン基又はアリル
基等のこれらの構造異性体が挙げられ、好ましくは炭素
数1又は2個のアルキレン基である。 「シクロアルキル
基」とは炭素原子3乃至8個の単環式飽和炭化水素基で
あり,具体的に例えば,シクロプロピル,シクロブチ
ル,シクロペンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチ
ル,シクロオクチル基が挙げられる。 「ビシクロアルキ
ル基」とは炭素原子4乃至11個の2環式飽和炭化水素
基であり、具体的に例えば,ビシクロ[2,2,1]ヘ
プチル,ビシクロ[2,2,2]オクチル(アダマンチ
ル),ビシクロ[3,3,0]オクチル,ビシクロ
[4,4,0]デキル基等が挙げられる。
【0012】本発明化合物は基の種類によっては,光学
異性体(光学活性体,ジアステレオマー等)が存在す
る。また、本発明化合物はアミド結合を有する化合物も
あり、アミド結合に基づく互変異性体も存在する。本発
明には,これらの異性体の分離されたもの,あるいは混
合物を包含する。本発明化合物は酸又は塩基と塩を形成
する。酸との塩としては塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水素
酸,硫酸,硝酸,リン酸等の鉱酸との無機酸や,ギ酸,
酢酸,プロピオン酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,
フマール酸,マレイン酸,乳酸,リンゴ酸,クエン酸,
酒石酸,炭酸,ピクリン酸,メタンスルホン酸,エタン
スルホン酸,グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩を挙
げることができる。塩基との塩としてはナトリウム,カ
リウム,マグネシウム,カルシウム,アルミニウム等の
無機塩基,メチルアミン,エチルアミン,メグルミン,
エタノールアミン等の有機塩基又はリジン,アルギニ
ン,オルニチン等の塩基性アミノ酸との塩やアンモニウ
ム塩が挙げられる。さらに,本発明化合物は水和物,エ
タノール等との溶媒和物や結晶多形を形成することがで
きる。
【0013】製造法 (第一製法)
【化5】 (式中、R,R,Rは前述の意味を示す。Xはハ
ロゲン原子又はスルホニルオキシ基を示す。) 本発明化
合物(I)又は(I')は、一般式(II)で表される2−
アミノベンゾチアゾール誘導体と一般式(III)で表さ
れるα-ハロケトン誘導体を反応させることにより製造
できる。反応は不活性溶媒中、好ましくはエタノール、
イソプロパノール等のアルコール系溶媒または2−ブタ
ノン、アセトン、クロロホルム等の溶媒中で、無添加若
しくは酸捕捉剤として適当な無機塩基又は有機塩基、例
えば炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム等を使用して、加熱反応させることにより製造でき
る。また、上記溶媒中、上記塩基存在下若しくは非存在
下で、室温から加熱条件にてN−アルキル化を行いこれ
を単離した後、中性又は酸性条件下にて不活性溶媒中加
熱して閉環することにより段階的に環化させることもで
きる。
【0014】(第2製法)
【化6】 (式中、R,R、Aは前述の意味を示す。R
低級アルキル基、Bは−A−、−A−O−A−、
−A−N(R)−A−を、RはR又はR
示す。) 本発明化合物の内、カルボキシル基を有する化合物(I
b)、アミノ基又はアルキルアミノ基を有する化合物
(Id)は、各々対応するエステル体(Ia)又はカルバ
ミン酸エステル体(Ic)を常法によりアルカリ又は酸
加水分解することにより製造できる。即ち、アルカリ加
水分解の場合は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸カリウム等を、また酸加水分解の場合は硫酸、塩酸、
硝酸、トリフルオロ酢酸等を用い、メタノール、エタノ
ール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸
エチル、水等の溶媒またはそれらの混合液中、室温から
加温することにより製造できる。
【0015】(第3製法)
【化7】 (式中、R、R、R、Bは前述の意味を示す。) 本発明化合物の内、分子内にヒドロキシ低級アルキル基
を有する化合物(Ie)は対応するエステル体(Ia)を
ヒドリド還元することにより製造できる。すなわち、本
発明化合物において分子内にエステル基を有する化合物
をテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の不活性溶
媒中、−78ーCから加温下、好ましくは氷冷下にて水
素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム等の
還元剤にて還元することにより製造できる。
【0016】(第4製法)
【化8】 (式中、R、R、R、R、B、Xは前述の意味
を示す。Rは低級アルキル基(Bが−A−である時
は更に−A−O−R又は−A−CO−O−R
を示す。) 本発明化合物の内、分子内に低級アルキルエーテル基又
は低級アルコキシカルボニル低級アルキルエーテル基又
は低級アルコキシ低級アルキル基を有する化合物(I
g)は対応するアルコール体(If)を常法に従いアル
キル化することにより製造できる。すなわち、本発明化
合物中、その分子内にアルコール、またはフェノール性
水酸基を有する化合物(If)をジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、アセ
トン、アセトニトリル等の不活性溶媒中、塩基として水
素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化カリウム、水
酸化ナトリウム、炭酸カリウム等を用い氷冷下から加温
条件下にてハロゲン化アルキル、スルホン酸アルキルエ
ステル等のアルキル化剤を反応させることにより製造で
きる。また、本発明化合物において分子内にアルコール
性水酸基を有する化合物(If)を塩酸、臭化水素酸、
塩化チオニル、三塩化リン、五塩化リン等のハロゲン化
剤を用いてハロゲン化物(Ih)とした後、あるいは塩
化メタンスルホニル等のスルホン化剤を用いてスルホン
酸エステルとした後、これを低級アルコールと塩化メチ
レン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフ
ラン等の不活性溶媒中または反応させるアルコールを溶
媒として用いて、上記塩基またはトリエチルアミン、ピ
リジン等の有機塩基の存在下または無添加にて、氷冷下
から加熱条件下に反応させることによっても製造でき
る。
【0017】(第5製法)
【化9】 (式中、R、A、R、R、 R、R、Xは
前述の意味を示す。RはR、−A−O−R、−
−CO−R又は−A−CO−O−Rを、 R
10は低級低級アルキル基( RがRである時は更
に−A−O−R又は−A−CO−O−R)を示
す。) 本発明化合物の内、分子内にN−低級アルキルアミノ
基、N−低級アルコキシカルボニル低級アルキルアミノ
基、あるいはN−低級アルコキシカルボニル−N−低級
アルキルアミノ基を有する化合物(Ij)はアミノ基、
低級アルコキシカルボニルアミノ基を有する化合物(I
i)を常法によりアルキル化することにより製造でき
る。すなわち、塩基として水素化ナトリウム、炭酸カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、n−ブチルリチウム等を用
い、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン
等の不活性溶媒中、ハロゲン化アルキル、スルホン酸ア
ルキルエステル等のアルキル化剤と氷冷から加温下にて
反応させることにより製造できる。
【0018】(第6製法)
【化10】 (式中、R、A、R、Rは前述の意味を示
す。) 本発明化合物の内、カルバメート化合物(Il)は対応
するカルボキシル基である化合物(Ik)をCruti
us転移することにより製造できる。反応は適当な不活
性溶媒中(特にジメチルホルムアミド、テトラヒドロフ
ラン等)、アジ化ジフェニルホスフォリル等のアジ化剤
を用いて、または塩化チオニル等で常法により酸塩化物
とした後アジ化ナトリウム等のアジ化剤を用いて酸アジ
ドとし、これを低級アルコール中で加熱する常法を適用
して実施できる。
【0019】このようにして製造された本発明化合物
は,遊離のまま,あるいはその塩として単離・精製され
る。単離・精製は,抽出,濃縮,留去,結晶化,濾過,
再結晶,各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を
適用して行われる。各種の異性体は,適当な原料化合物
を選択することにより,あるいは異性体間の物理的性質
の差を利用して分離することができる。例えば,光学異
性体は,適当な原料を選択することにより,あるいはラ
セミ化合物のラセミ分割法(例えば,一般的な光学活性
な塩基とのジアステレオマー塩に導き,光学分割する方
法等)により立体化学的に純粋な異性体に導くことがで
きる。
【0020】
【発明の効果】本発明化合物は,メタボトロピックグル
タメート受容体に強い作用を示す化合物である。従っ
て,本発明化合物は,てんかん,痛み,神経変性性疾患
(心臓バイパス手術及び移植術後の脳不全,発作,脳虚
血,脊髄外傷,頭部外傷,アルツハイマー病,ハンチン
グトン舞踏病,筋萎縮性側索硬化症,エイズに起因する
痴呆,周産期の低酸素症,心拍停止,低血糖性ニューロ
ン損傷,視力障害と網膜症,特発性及び薬品誘発性パー
キンソン病),不安、ストレス性疾患(ベンゾジアゼピ
ン退薬症候群、過敏性腸症候群)に有用である。さら
に,グルタミン酸による神経伝達の機能障害によって起
こるけいれん,偏頭痛,尿失禁,精神病,阿片耐性と禁
断症状,コカイン禁断症状,不安,嘔吐,脳水腫,慢性
疼痛,及び晩発性ジスキニジーにも有用である。
【0021】本発明化合物のメタボトロピックグルタメ
ート受容体に対する作用は,次の様にして評価され,確
認されたものである。mGluR1αは,Gタンパク質
と共役しイノシトール・リン脂質の代謝回転を促進する
グルタミン酸受容体としてクローニングされた受容体で
ある(Masu,M. et al., Nature, 349(1991)760-765)。
mGluR1のサブタイプの一つであるmGluR1α
をNIH3T3細胞に発現させると,100μMグルタ
ミン酸の添加により,細胞内カルシウム濃度は,4乃至
10倍上昇する(Kawabata,S. et al., Nature, submit
ted)。かかる性質を利用して本発明化合物を評価し
た。 1)細胞培養 mGluR1αを発現させたNIH3T3細胞は,10
%透析胎児牛血清,100units/ml, 0.1mg/ml streptomyc
in sulfateを含むDMEMで培養した。 2)細胞内カルシウムの濃度測定 細胞は,直径13.5mmガラスカバースリップに1×
10cellsで播種し,翌日実験に供した。Fura 2
-AMは,Balance salt solution(以下BSSという)中
最終濃度6μMにて室温で1時間細胞に負荷した。BS
Sで細胞を2度洗った後,蛍光分光光度計を用いて細胞
内カルシウム濃度を測定した。 3)評価 化合物は10mMの濃度にジメチルスルホキシド(以下
DMSOという)で溶解し,BSSにて1乃至は10μ
Mの濃度に希釈した。細胞に化合物を含むBSSを添加
し,グルタミン酸刺激前の細胞内カルシウム濃度を測定
した後,30μMグルタミン酸を添加した。化合物を含
まないBSS中で30μMグルタミン酸により上昇した
細胞内カルシウム濃度分を100%とし,化合物による
阻害の程度を阻害率(%)で表記した。その結果本発明
化合物は,メタボトロピックグルタメート受容体に強い
作用を示した。
【0022】本発明化合物又はその塩の1種又は2種以
上を有効成分として含有する製剤は,通常製剤化に用い
られる担体や賦形剤,その他の添加剤を用いて調製され
る。製剤用の担体や賦形剤としては,固体又は液体いず
れでも良く,例えば乳糖,ステアリン酸マグネシウム,
スターチ,タルク,ゼラチン,寒天,ペクチン,アラビ
アゴム,オリーブ油,ゴマ油,カカオバター,エチレン
グリコール等やその他常用のものが挙げられる。投与は
錠剤,丸剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,液剤等による
経口投与,あるいは静注,筋注等の注射剤,坐剤,経皮
等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。投
与量は症状,投与対象の年齢,性別等を考慮して個々の
場合に応じて適宜決定されるが,通常成人1人当たり,
1日につき1〜1,000mg,好ましくは50〜20
0mgの範囲で1日1回から数回に分け経口投与される
か又は成人1人当たり,1日につき1〜500mgの範
囲で,1日1回から数回に分け静脈内投与されるか,又
は,1日1時間〜24時間の範囲で静脈内持続投与され
る。もちろん前記したように,投与量は種々の条件で変
動するので,上記投与量範囲より少ない量で十分な場合
もある。
【0023】本発明による経口投与のための固体組成物
としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このよ
うな固体組成物においては、一つまたはそれ以上の活性
物質が、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば乳
糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセル
ロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロ
リドン、メタケイ酸、アルミン酸マグネシウムと混合さ
れる。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の
添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑
剤や繊維素グルコール酸カルシウムのような崩壊剤、ラ
クトースのような安定化剤、グルタミン酸又はアスパラ
ギン酸のような溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤
又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スフタレート等の胃溶性あるいは腸溶性物質のフィルム
で被膜してもよい。経口投与のための液体組成物は、薬
剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ
剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性
な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成
物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助
剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していても
よい。 非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性
又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性
の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留水及び生
理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤として
は、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、オリーブ油のような植物油、エタノールのような
アルコール類、ポリソルベート80等がある。このよう
な組成物はさらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安
定化剤(例えば、ラクトース)、溶解補助剤(例えば、
グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補助剤を含ん
でいてもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルタ
ーを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化さ
れる。また、これらは無菌の固体組成物を製造し、使用
前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用するこ
ともできる。
【0024】
【実施例】 次に、参考例、実施例を示し、本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。参考例及び実施例中、室温とは通常
約10〜30℃を示す。核磁気共鳴スペクトル(1H−
NMR)は内部標準としてテトラメチルシランを用いて
行い、ppmにて表示した。質量分析(MS)は高速原子
衝撃法(FAB)で行った。尚、略号は以下の意味を示
す。 Sal:塩、cHex:シクロヘキシル、cPen:シクロペンチ
ル、 Et:エチル、iPro:イソプロピル、cPr:シクロプ
ロピル、cBu:シクロブチル、cHep:シクロヘプチル、M
e:メチル、nHex:ノルマルヘキシル、sBu:sec−ブ
チル、tBu:tert−ブチル、EX:実施例、REX:参考
例;
【0025】参考例1 2−(N,N−ジ−tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−4−ニトロ安息香酸 メチルエステル 2−アミノ−4−ニトロ安息香酸メチルエステル(2
1.1g)、ジ−tert−ブチル ジカルボネート
(58.9g)、4−ジメチルアミノピリジン(2.4
6g)のテトラヒドロフラン(300ml)溶液を4時
間加熱環流した後、溶媒を減圧留去した。残留物を酢酸
エチルに溶解し、0.5N塩酸、0.5N水酸化ナトリ
ウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより参考例1
の化合物(51g)を油状物として得た。
【0026】参考例2 4−アミノ−2−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)安息香酸 メチルエステル 参考例1の化合物(7.3g)のメタノール(150m
l)溶液に10%パラジウム−炭素(700mg)を加
えて水素(1atom)雰囲気下、室温で12時間攪拌
した。不溶物を濾過して除き、溶媒を減圧留去した後、
残留物をアセトニトリル(100ml)に溶解し、これ
に過塩素酸マグネシウム(744mg)を加えて50ー
Cにて4時間加熱攪拌した。反応終了後、反応溶液を減
圧濃縮し、酢酸エチルで希釈、飽和食塩水で洗浄した。
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残
留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;
n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製することに
より参考例2の化合物(2.9g)を得た。
【0027】参考例3 2−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)ベンゾチアゾール−6−カルボン酸 メチルエステ
ル 参考例2の化合物(18g)、チオシアン酸カリウム
(26.3g)の酢酸(250ml)溶液に室温下、臭
素(10.8g)の酢酸(50ml)溶液をゆっくり滴
下して加え、同温にて2時間攪拌、さらに80ーCにて
3時間加熱攪拌した。反応溶液を150mlまで減圧濃
縮し、これに攪拌中300mlの水を加え、析出物を濾
取、28%アンモニア水で洗浄することにより参考例3
の化合物(9.20g)を黄色結晶として得た。
【0028】参考例4 2−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−6−ヒドロキシメチルベンゾチアゾール 水素化リチウムアルミニウム(1.88g)をテトラヒ
ドロフラン(300ml)に懸濁し、氷冷下、参考例3
の化合物(8.0g)のテトラヒドロフラン(300m
l)溶液を30分かけて滴下した。さらに同温にて1時
間攪拌後、硫酸ナトリウム10水和物を加えさらに1時
間攪拌した。不溶物をセライト濾過して除去し、溶媒を
減圧留去することにより参考例4の化合物(6.48
g)を淡黄色アモルファスとして得た。
【0029】実施例1 2−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−6−ヒドロキシメチルベンゾチアゾール(1.0
g)、1−ブロモ−3、3−ジメチルブタン−2−オン
(548ml)のエタノール(30ml)溶液を3時間
加熱環流した。溶媒を減圧留去後、残留物を酢酸エチル
に溶解し1N水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出液:酢酸エチル:n−ヘキサン=2:3)で精製する
ことにより6−(tert−ブトキシカルボニルアミ
ノ)−2−tert−ブチル−7−ヒドロキシメチルイ
ミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール(0.28g)を
淡黄色結晶として得た。実施例1と同様にして、実施例
2〜8の化合物は2−アミノ−6−メトキシベンゾチア
ゾールから、実施例9、10の化合物は2−アミノベン
ゾチアゾール−6−イルカルボン酸 エチルエステルか
ら、実施例11の化合物は2−アミノ−6−メトキシメ
チルベンゾチアゾールから、実施例32、35の化合物
は2−アミノ−5−(tert−ブトキシカルボニルア
ミノ)−6−ヒドロキシメチルベンゾチアゾールから各
々製造した。
【0030】実施例12 2−tert−ブチル−7−メトキシイミダゾ[2,1
−b]ベンゾチアゾール(2.70g)の酢酸(50m
l)溶液に48%臭化水素酸(50ml)を加えて24
時間加熱環流した。溶媒を減圧留去後、炭酸水素ナトリ
ウム水溶液を加えて攪拌した。不溶物を濾取してこれを
エタノールから再結晶することにより2−tert−ブ
チル−7−ヒドロキシイミダゾ[2,1−b]ベンゾチア
ゾール(912mg)を無色結晶として得た。
【0031】実施例13 2−tert−ブチル−7−ヒドロキシイミダゾ[2,
1−b]ベンゾチアゾール(842mg)のジメチルホ
ルムアミド(20ml)溶液にアルゴン雰囲気下、室温
にて60%油性水素化ナトリウム(205mg)を加
え、同温にて30分間攪拌した。次いでこれにブロモ酢
酸エチルエステル(569mg)を加えてさらに30分
間攪拌した。反応終了後、水を加え酢酸エチルで抽出
し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶媒を減圧留去後、残留物をエタノール(2m
l)、ジエチルエーテル(20ml)の混合溶媒に溶解
し、これに攪拌中、4N塩酸の酢酸エチル溶液(1m
l)を加え、析出物を濾取することにより[(2−te
rt−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール−
7−イル)オキシ]酢酸 エチルエステル塩酸塩(1.
23g)を無色結晶として得た。
【0032】実施例14 2−tert−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチア
ゾール−7−カルボン酸エチルエステル(906mg)
をメタノール(20ml)に懸濁し、これに1N水酸化
ナトリウム水溶液(20ml)を加えて室温下1.5時
間攪拌した。反応溶液を水で希釈した後、酢酸で中和、
析出物を濾取することにより2−tert−ブチルイミ
ダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール−7−カルボン酸
(820mg)を無色結晶として得た。
【0033】実施例15 2−tert−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチア
ゾール−7−カルボン酸(758mg)のジメチルホル
ムアミド(15ml)溶液にトリエチルアミン(580
ml)、ジフェニルホスホリルアジド(897ml)を加
えて室温下1時間攪拌した。次いで反応溶液にtert
−ブタノール(80ml)を加えて1時間加熱還流し
た。反応溶液を減圧濃縮した後、水を加えて酢酸エチル
で抽出し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。溶媒を減圧留去後、残留物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム)で精
製することにより7−(tert−ブトキシカルボニル
アミノ)−2−tert−ブチルイミダゾ[2,1−b]
ベンゾチアゾール(594mg)を淡黄色結晶として得
た。
【0034】実施例16 7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−t
ert−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール
(440mg)のメタノール(10ml)溶液に室温
下、4N塩酸酢酸エチル溶液(20ml)を加えて同温
にて1時間攪拌した。反応終了後、析出物を濾取するこ
とにより2−tert−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベ
ンゾチアゾール−7−イルアミン2塩酸塩(298m
g)を無色結晶として得た。
【0035】実施例17 2−tert−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチア
ゾール−6−イルアミン.2塩酸塩(320mg)を常
法により脱塩した後、これをジメチルホルムアミド(1
0ml)に溶解し、ブロモ酢酸 エチルエステル(0.
28ml)、炭酸カリウム(418mg)を加えて4時
間加熱環流した。反応終了後、水を加えて酢酸エチルで
抽出し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を減圧留去後、残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エ
チル=2:1)で精製することによりN−(2−ter
t−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール−7
−イル)グリシン エチルエステル(314mg)を得
た。さらにこれを塩酸塩とすることによりN−(2−t
ert−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール
−7−イル)グリシン エチルエステル塩酸塩を無色結
晶として得た。
【0036】実施例18 N−(2−tert−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベン
ゾチアゾール−7−イル)グリシン エチルエステル
(150mg)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液
にアルゴン雰囲気中、氷冷下、水素化リチウムアルミニ
ウム(34mg)を加えて同温にて1時間攪拌した。反
応終了後、硫酸ナトリウム10水和物を加えてさらに1
時間攪拌し、不溶物を濾過して除いた。濾液の溶媒を減
圧留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精
製した後、これを塩酸塩とすることによりN−(2−t
ert−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール
−7−イル)−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン2
塩酸塩(97mg)を淡黄色結晶として得た。
【0037】実施例19 7−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−2−t
ert−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール
(140mg)のジメチルホルムアミド(5ml)溶液
に室温下60%油性水素化ナトリウム(32mg)を加
えて1時間攪拌した後、ヨウ化メチル(0.063m
l)を加えて同温にてさらに1時間攪拌した。反応終了
後水を加えて酢酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗
浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去
後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製する
ことにより7−(N−メチル−N−tert−ブトキシ
カルボニルアミノ)−2−tert−ブチルイミダゾ
[2,1−b]ベンゾチアゾール(119mg)を黄色ア
モルファスとして得た。
【0038】実施例20 6−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−7−ヒ
ドロキシメチル−2−tert−ブチルイミダゾ[2,
1−b]ベンゾチアゾール(0.25g)の1,4−ジ
オキサン(5ml)溶液に1N塩酸(5ml)を加えて
2時間加熱環流した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を
加えて中和した後、酢酸エチルで抽出、水、飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧
留去後、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製
することにより7−ヒドロキシメチル−2−tert−
ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール−6−イ
ルアミン(56mg)を無色結晶として得た。
【0039】実施例21 7−ヒドロキシメチル−2−tert−ブチルイミダゾ
[2,1−b]ベンゾチアゾール−6−イルアミン(56
mg)のメタノール(5ml)溶液に4N塩酸酢酸エチ
ル溶液(5ml)を加えて5時間加熱還流した。溶媒を
減圧留去後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて酢
酸エチルで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;n−ヘキ
サン:酢酸エチル=3:2)で精製した後、これを塩酸
塩とすることにより7−メトキシメチル−2−tert
−ブチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール−6−
イルアミン.2塩酸塩(42mg)を無色結晶として得
た。実施例21と同様にして実施例32の化合物から実
施例33の化合物を、またその副生成物として実施例3
4の化合物を得た。さらに実施例21の4N塩酸酢酸エ
チル溶液を4N塩酸1,4−ジオキサン溶液に変更し、
実施例35の化合物から同様に行うことにより実施例3
6の化合物を得た。
【0040】実施例28 2−tert−ブチル−7−((2−ヒドロキシエトキ
シ)メチル)イミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール
(331mg)のジメチルホルムアミド(5ml)溶液
に室温下、60%油性水素化ナトリウム(121mg)
を加えて同温にて2時間攪拌した。ついでこれにヨウ化
メチル(188ml)を加えてさらに2時間攪拌した。
反応終了後、水を加え、酢酸エチルで抽出、水、飽和食
塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧
留去した。残留物をメタノールに溶解し、4N塩酸酢酸
エチル(1ml)を加えた後、溶媒を減圧留去し、残留
物をアセトンから再結晶することにより2−tert−
ブチル−7−((2−メトキシエトキシ)メチル)イミ
ダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール塩酸塩(187m
g)を無色結晶として得た。
【0041】 実施例14と同様にして、実施例22〜2
4の化合物を製造した。 実施例18と同様にして、実施
例25〜27の化合物を製造した。 実施例28と同様に
して、実施例29、30の化合物を製造した。 実施例1
6と同様にして、実施例31の化合物を製造した。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】 次の表6に前記した実施例化合物のほか
に、本発明化合物の代表的な化合物を示す。これらの化
合物は、前記の製造法及び実施例中に記載した合成方
法、及び通常の当業者にとって公知であるそれらの変法
を用いて合成できる。
【0048】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/425 AAM A61K 31/425 AAM AED AED (72)発明者 田邊 一仁 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 岡田 正路 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 天田 陽子 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内 (72)発明者 坂本 修一 茨城県つくば市御幸が丘21 山之内製薬株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)で示されるイミダゾベン
    ズチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩を
    含有するメタボトロピックグルタメート受容体作用薬。 【化1】 (式中の記号は以下の意味を表す。 R: 低級アルキル、シクロアルキル、ビシクロアル
    キル、シクロアルキル−低級アルキル、又はビシクロア
    ルキル−低級アルキル基 及びR:同一又は異なって、H、低級アルキル、
    又は下式で示される基 (1) −A−O−R (2) −A−CO−R (3) −A−CO−O−R (4) −A−O−A−O−R (5) −A−O−A−CO−R (6) −A−O−A−CO−O−R (7) −A−N(R)−R (8) −A−N(R)−A−O−R (9) −A−N(R)−A−CO−R (10) −A−N(R)−A−CO−O−R 及びA:同一又は異なって結合又は低級アルキレ
    ン基 :低級アルキレン基 及びR:同一又は異なって、H又は低級アルキル
    基)
  2. 【請求項2】てんかん、記憶障害、疼痛、神経変性疾
    患、又は不安およびストレス性疾患の予防又は治療剤で
    ある請求項2記載のメタボトロピックグルタメート受容
    体作用薬。
  3. 【請求項3】下記一般式(I')で示されるイミダゾベン
    ゾチアゾール誘導体又はその製薬学的に許容される塩。 【化2】 (式中の記号は以下の意味を表す。 R: 低級アルキル、シクロアルキル、ビシクロアル
    キル、シクロアルキル−低級アルキル、又はビシクロア
    ルキル−低級アルキル基 及びR:同一又は異なって、H、低級アルキル、
    又は下式で示される基 (1) −A−O−R (2) −A−CO−R (3) −A−CO−O−R (4) −A−O−A−O−R (5) −A−O−A−CO−R (6) −A−O−A−CO−O−R (7) −A−N(R)−R (8) −A−N(R)−A−O−R (9) −A−N(R)−A−CO−R (10) −A−N(R)−A−CO−O−R 及びA:同一又は異なって結合又は低級アルキレ
    ン基 :低級アルキレン基 及びR:同一又は異なって、H又は低級アルキル
    基、 但し、2−メチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾ
    ール、2−メチル−5−メチルイミダゾ[2,1−b]
    ベンゾチアゾール、2−メチル−5−ヒドロキシイミダ
    ゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール、2−メチル−5−
    メトキシイミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール、2
    −メチル−7−メチルイミダゾ[2,1−b]ベンゾチ
    アゾール、2−メチル−7−メトキシイミダゾ[2,1
    −b]ベンゾチアゾール、2−メチル−7−エトキシイ
    ミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール、2−エチルイ
    ミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾール、2−tブチル
    イミダゾ[2,1−b]ベンゾチアゾールを除く)
JP9357552A 1997-12-25 1997-12-25 メタボトロピックグルタメート受容体作用薬及び新規イミダゾベンゾチアゾール誘導体 Pending JPH11189596A (ja)

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JP9357552A Pending JPH11189596A (ja) 1997-12-25 1997-12-25 メタボトロピックグルタメート受容体作用薬及び新規イミダゾベンゾチアゾール誘導体

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001008705A1 (fr) * 1999-08-02 2001-02-08 Yamanouchi Pharmaceutical Co., Ltd. Remedes contre les douleurs neurogenes
WO2002062803A1 (fr) * 2001-02-08 2002-08-15 Yamanouchi Pharmaceutical Co., Ltd. Derive de thienopyrimidine
JP2013510162A (ja) * 2009-11-05 2013-03-21 アムビト ビオスシエンセス コルポラチオン イミダゾ[2,1−b][1,3]ベンゾチアゾール誘導体の調製方法

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