JPH11188228A - 空気清浄用フィルタ - Google Patents

空気清浄用フィルタ

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JPH11188228A
JPH11188228A JP9366777A JP36677797A JPH11188228A JP H11188228 A JPH11188228 A JP H11188228A JP 9366777 A JP9366777 A JP 9366777A JP 36677797 A JP36677797 A JP 36677797A JP H11188228 A JPH11188228 A JP H11188228A
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JP
Japan
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air
ceramic body
filter
infrared rays
holes
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JP9366777A
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Toshio Ikeda
俊雄 池田
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 遠赤外線を放出するセラミック体を利用し
た空気清浄器等に備えるフィルタ。 【解決手段】 陶土を所望形状にすると共に、空気が流
通し易い多数の透孔を成形した後、焼成して作製され
る。陶土を高温で焼成したセラミック体は、遠赤外線を
放出するようになる。遠赤外線を放出するセラミック体
は、空気が流通する際に臭いを除去したり、あるいは殺
菌作用があるため、空気清浄用フィルタとして効果があ
る。上記セラミック体からなる空気清浄用フィルタは、
空気清浄機等の出入り口に配置しておくことにより、上
記効果を一層向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気を活性化する
ことにより、空気中に含まれる臭いを除去したり、ある
いは殺菌作用を持たせる活性機能を備えた空気清浄用フ
ィルタに関するものである。本発明は、家庭、学校、工
場、ビルディング、その他各種施設および装置等の出入
口、あるいは空気調和機、空気清浄機等に設置するのに
適した空気清浄用フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の空気清浄機は、たとえば、繊維製
フィルタ、活性炭フィルタ、高電圧を印加して空気中の
塵をイオン化することにより吸着する静電フィルタ等が
ある。図13(イ)は従来例における空気清浄機を説明
するための断面図で、(ロ)は空気清浄機の正面図であ
る。図13(イ)および(ロ)において、ハウジング1
31には、一方に開口132、他方に開孔133が設け
られている。一方の開口132において、フィン134
は、その中心部が連結棒135に可動的に取り付けら
れ、一端が方向変換器136として同じく可動的に取り
付けられている。また、開孔133の近傍には、たとえ
ば、不織布等からなるフィルタ137が取り付けられて
いる。さらに、ハウジング131の略中央部には、ファ
ン159を回転させて空気を取り込む、または追い出す
回転機158が取り付けられている。
【0003】上記空気清浄機は、方向変換器136によ
って、フィン134を所定の方向に設定してファン15
9を回転させる。ファン159の回転により、空気は、
開孔133から吸い込まれ、フィルタ137によって清
浄化された後、開口132から所定の方向に排気され
る。フィルタ137は、たとえば、不織布のような繊維
製のフィルタ、活性炭フィルタ、高電圧を印加するタイ
プの静電フィルタ等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の空気清浄機
に使用するフィルタは、空気中の微粒子となる塵を除去
することが主であり、脱臭や消毒をするものが少なかっ
た。また、脱臭作用や殺菌作用を有するフィルタは、特
殊なフィルタとなり、高価であったり、交換の時期や手
間に神経を使う必要があるものであった。
【0005】以上のような課題を解決するために、本発
明は、長期間にわたって脱臭効果や殺菌効果を有する空
気清浄用フィルタを提供することを目的とする。本発明
は、家庭、学校、工場、ビルディング、その他各種施設
および装置等の出入口、あるいは空気調和機、空気清浄
機等に設置するのに適した空気清浄用フィルタを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】(第1発明)本発明の空
気清浄用フィルタは、多数の透孔12を有し、遠赤外線
を放出するセラミック体11から構成された部材に空気
を流通させて、空気を清浄化させることを特徴とする。
【0007】(第2発明)本発明の空気清浄用フィルタ
は、多数の透孔23を有する収納部21、22と、当該
収納部21、22に収納されている遠赤外線を放出する
セラミック体24とを備え、上記多数の透孔23に空気
を流通させて、空気を清浄化させることを特徴とする。
【0008】(第3発明)本発明の空気清浄用フィルタ
は、多数の透孔を有すると共に、空気流通方向に狭くま
たは広く傾斜している部材82から構成された少なくと
も二つの収納部83、83′と、上記収納部83、8
3′の少なくとも一方に収納された遠赤外線を放出する
セラミック体84とを備え、上記多数の透孔に空気を流
通させて、空気を清浄化させることを特徴とする。
【0009】(第4発明)本発明の空気清浄用フィルタ
は、多数の透孔を有し、空気流通方向に狭くまたは広く
傾斜している遠赤外線を放出するセラミック体から構成
された部材92からなる少なくとも二つの収納部93、
93′を備え、上記多数の透孔に空気を流通させて、空
気を清浄化させることを特徴とする。
【0010】(第5発明)本発明の空気清浄用フィルタ
は、第1発明ないし第4発明のフィルタと、繊維製フィ
ルタ、無機質製フィルタ、静電フィルタのうちの少なく
とも一つとを組み合わせたことを特徴とする。
【0011】(第6発明)本発明の空気清浄用フィルタ
における遠赤外線を放出するセラミック体は、アルミニ
ウムおよび珪素を主成分とし、ナトリウム、カリウム、
カルシウム、チタン、マンガン、バリウムの内の少なく
とも4種類が微量含有しているものからなることを特徴
とする。
【0012】(第7発明)本発明の空気清浄用フィルタ
における収納部は、パイプ状であり出入り口に空気が流
通する多数の透孔を有することを特徴とする。
【0013】(第8発明)本発明の空気清浄用フィルタ
における収納部は、複数のパイプが直列および/または
並列に連続して接続されていることを特徴とする。
【0014】(第9発明)本発明の空気清浄用フィルタ
におけるパイプ状の収納部は、遠赤外線を放出する複数
のセラミック体を一つの群として、複数に分けて設けら
れるような多数の透孔を有する隔壁を備えていることを
特徴とする。
【0015】(第10発明)本発明の空気清浄用フィル
タにおけるパイプ状の収納部は、非直線から構成されて
いることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】(第1発明)本発明の空気清浄用
フィルタは、たとえば、陶土を所望形状にすると共に、
空気が流通し易い多数の透孔を成形した後、高温、たと
えば、1300度Cないし1500度C程度で約48時
間焼成して作製される。陶土を高温で焼成したセラミッ
ク体は、遠赤外線を放出するようになる。遠赤外線を放
出するセラミック体は、空気が流通する際に臭いを除去
したり、あるいは殺菌作用があるため、空気清浄用フィ
ルタとして効果がある。上記透孔は、空気が流通し易い
と共に、成形および焼成が容易である大きさである。上
記セラミック体からなる空気清浄用フィルタは、建物や
装置等の出入り口、あるいは空気清浄機等の出入り口に
配置しておくことにより、上記効果を一層向上させる。
【0017】(第2発明)合成樹脂または金属、その他
の部材から構成される収納部には、空気が流通し易い形
状の多数の透孔が設けられている。そして、上記収納部
には、遠赤外線を放出するセラミック体が収納されてい
る。また、上記収納部を遠赤外線を放出するセラミック
体から構成することもできる。さらに、上記収納部は、
遠赤外線を放出するセラミック体の出し入れが容易なよ
うにすることもできる。
【0018】(第3発明)第3発明の収納部は、多数の
透孔を有すると共に、空気流通方向に狭くまたは広く傾
斜している部材から構成されている。また、上記収納部
は、少なくとも二つからなるが、並列およびまたは直列
に多数設けることもできる。上記傾斜した部材を有する
少なくとも二つの収納部の少なくとも一つには、遠赤外
線を放出するセラミック体が収納される。第3発明は、
上記構成とすることで、空気と遠赤外線を放出するセラ
ミック体との接触時間が長くなるようにして、空気の清
浄化を向上させている。
【0019】(第4発明)第4発明は、多数の透孔を有
すると共に、空気流通方向に狭くまたは広く傾斜してい
る遠赤外線を放出するセラミック体によって少なくとも
二つの収納部から構成されている。上記遠赤外線を放出
するセラミック体から構成された収納部は、傾斜してい
る遠赤外線を放出するセラミック体によって、流通する
空気と接触する面積が多くなるため、空気を清浄化させ
る効率を向上させる。
【0020】(第5発明)第1発明ないし第4発明のフ
ィルタは、遠赤外線を放出するセラミック体のみによっ
て、空気の清浄化を図っているが、不織布のような繊維
製フィルタ、活性炭や岩石のような無機質製フィルタ、
高圧を印加した静電フィルタのうちの少なくとも一つを
組み合わせることにより、これらの相乗効果を得ようと
するものである。
【0021】(第6発明)本発明に使用されるセラミッ
ク体は、アルミニウムおよび珪素を主成分とし、ナトリ
ウム、カリウム、カルシウム、チタン、マンガン、バリ
ウムの内の少なくとも4種類を微量含有した遠赤外線を
放出するセラミック体から構成されている。上記遠赤外
線を放出するセラミック体は、たとえば、1300度C
から1500度C程度の高温で焼成されることにより、
遠赤外線が放出することが判明している。本発明は、上
記遠赤外線により、空気の脱臭および殺菌効果を奏する
ものである。
【0022】(第7発明)第7発明の収納部は、出入り
口に空気が流通する多数の透孔を有するパイプ状部材か
ら構成される。パイプ状の収納部は、遠赤外線を放出す
るセラミック体を多数収納できるため脱臭および殺菌効
果を向上させることができる。上記パイプ状の収納部
は、太さおよび長さを自由に設計できる。
【0023】(第8発明)大口径のパイプは、高価とな
るため、第7発明の収納部は、複数のパイプを直列およ
び/または並列に連続して接続して、所定の効果を達成
している。
【0024】(第9発明)長いパイプ状の収納部は、多
数の空気流通孔である透孔が設けられている隔壁によっ
て複数に分けることができる。上記隔壁によって分けら
れた部分には、全部遠赤外線を放出するセラミック体を
収納するのではなく、たとえば、一つ置きに遠赤外線を
放出する複数のセラミック体とその他のフィルタとを組
み合わすように収納することができる。
【0025】(第10発明)本発明の空気清浄用フィル
タにおけるパイプ状の収納部は、たとえば、曲げたり螺
旋状とした非直線から構成されているため、装置あるい
は建物の空間に合わせることができる。
【0026】
【実 施 例】図1は本発明の第一実施例である活性機
能を備えた空気清浄用フィルタを説明するための図であ
る。図1において、活性機能を備えた空気清浄用フィル
タは、セラミック体焼成品11に多数の透孔12が備え
られている。セラミック体焼成品11は、後述の陶土に
空気が流通する際に好適な大きさの透孔12を成形した
後、乾燥させ、たとえば、1300度Cないし1500
度Cで、約48時間焼成される。上記セラミック体焼成
品11は、遠赤外線を放出するため、脱臭効果および殺
菌効果等を有する。また、上記遠赤外線を放出するセラ
ミック体は、一つまたは複数個によって一つの空気清浄
用フィルタが構成されている。
【0027】セラミック体焼成品11の形状および透孔
12の形状は、正方形である必要がなく、任意である。
上記遠赤外線を放出するセラミック体から構成された空
気清浄用フィルタは、各種建物、工場、ビルディング、
その他各種施設や装置等の出入り口、あるいは空気調和
機、空気清浄機に設けられ、空気の脱臭および/または
殺菌を行うことができる。その理由は、実験データを示
しながら後述する。
【0028】図2は本発明の第二実施例となる活性機能
を備えた空気清浄用フィルタを説明するための図であ
る。図2において、第二実施例における空気清浄用フィ
ルタは、たとえば、上側収納部21と下側収納部22と
からなる収納部が構成されている。そして、上記上側お
よび下側収納部21、22は、たとえば、プラスチック
部材または金属部材等からなると共に、空気が流通する
のに適した形状と大きさの透孔23が設けられている。
上記上側および下側収納部21、22には、たとえば、
陶土を1300度Cないし1500度Cで、約48時間
程度焼成されたセラミック体が収納される。上記セラミ
ック体は、第一実施例と同様に、遠赤外線を放出すると
共に、その形状を略球形のものを使用したが、如何なる
形状とすることも可能である。また、上側および下側収
納部21、22は、一方に透孔を有する蓋体とすること
もできる。なお、上記上側および下側収納部21、22
は、両者の固着手段を示していないが、公知または周知
の手段を使用することができる。
【0029】図3は本発明の第三実施例となる空気清浄
用フィルタを説明するための図である。図3において、
フィルタは、たとえば、不織布31のような繊維製から
構成されている。繊維製フィルタは、図1および図2に
示す実施例のフィルタと組み合わせることによって、相
乗効果を奏する空気清浄用フィルタとなる。上記フィル
タは、繊維製に限らず、活性炭や岩石のような無機質製
フィルタとすることができる。上記フィルタの組合せと
材質の選択は、空気清浄機の目的によって行うことがで
きる。
【0030】図4は本発明の第四実施例となる空気清浄
用フィルタの電極、あるいは収納部の一部を説明するた
めの図である。図5は本発明の第四実施例となる空気清
浄用フィルタの電極を説明するための図である。図4お
よび図5において、金網41および電極51は、高電圧
が印加されることにより、放電が発生し、殺菌・脱臭作
用のあるオゾンと、塵や雑菌等を吸着する静電気を発生
させる。空気中の塵や雑菌等は、上記金網41および電
極51の近傍でマイナス電位に帯電されて、図示されて
いないフィルタに吸引される。空気に含まれた塵や雑菌
は、たとえば、静電気が発生した際に出るオゾンによっ
て殺菌すると共に、他のフィルタによって除去される。
図4および図5に示す金網41および電極51は、一実
施例であり、空気が流通する透孔が設けられていれば、
どの様な形状でもよい、たとえば、図2に示す上側収納
部21および下側収納部22の一方を金属電極とするこ
ともできる。また、金網41は、第二実施例における収
納体における空気流通部に設けることもできる。
【0031】図6は本発明の第五実施例となる空気清浄
用フィルタを説明するための図である。図6において、
枠体61は、略中央部に設けられた繊維製フィルタ31
と、当該繊維製フィルタ31を挟むように設けられた多
数の透孔を有するセラミック体11、11′とから構成
されている。第五実施例は、上記繊維製フィルタ31の
代わりに活性炭を使用することもできる。第五実施例
は、セラミック体11、11′による殺菌、脱臭作用の
他に、塵等を除去することができる。すなわち、第五実
施例は、上記組み合わせによる相乗効果を奏するもので
ある。
【0032】図7は本発明の第六実施例となる空気清浄
用フィルタを説明するための図である。図7において、
枠体71は、略中央部に設けられたセラミック体収納部
72と、当該セラミック体収納部72の両側に設けられ
た電極51、51′と、そのまた両側に設けられた繊維
製フィルタ31、31′とから構成されている。そし
て、セラミック体収納部72には、遠赤外線を放出する
セラミック体が収納されている。第六実施例は、セラミ
ック体フィルタ、静電フィルタ、繊維製フィルタによ
り、殺菌、脱臭、塵の除去を同時に行うことができる。
【0033】図8は本発明の第七実施例となる空気清浄
用フィルタを説明するための図である。図8において、
枠体81は、空気の流通する前後に多数の透孔を有す
る。上記枠体81の内部には、透孔を有する少なくとも
一つの傾斜した部材によって少なくとも二つの収納部8
3、83′が構成されている。また、上記収納部83、
83′は、空気の流通方向の前後に形成される。上記傾
斜した部材は、固定突起85によって固定することがで
きるが、他の手段によって固定することも可能である。
たとえば、空気の流通方向に対して、一方の収納部83
には、遠赤外線を放出するセラミック体84が収納さ
れ、他方の収納部83′には、繊維製フィルタが収納さ
れる。
【0034】図9は本発明の第七実施例となる空気清浄
用フィルタを説明するための図である。図9において、
枠体91は、空気が流通する前後に多数の透孔を有す
る。上記枠体91の内部には、空気が流通する多数の透
孔を有すると共に、セラミック体から構成された少なく
とも一つの傾斜した部材からなる少なくとも二つの収納
部93、93′が構成されている。また、上記収納部9
3、93′は、空気の流通方向の前後に形成される。上
記遠赤外線を放出するセラミック体からなる傾斜した部
材は、固定突起95によって固定することができるが、
他の手段によって固定することも可能である。収納部9
3、93′には、同じ性質のフィルタ94を設けても良
く、異なる性質のフィルタを設けても良い。上記傾斜し
た部材が傾斜している分、空気と接する面積が多くな
り、脱臭および殺菌効果が向上する。また、図8および
図9に示すフィルタに電極を設けることもできる。
【0035】次に、セラミック体の効果について述べ
る。図10(イ)および(ロ)は本実施例で使用した二
種類のセラミック体の成分を示した図である。本実施例
のセラミック体は、陶土を1300度Cないし1500
度Cで48時間加熱し、直径5mmないし15mm程度
のセラミックボールとした。そして、上記陶土に含まれ
る成分は、図10(イ)および(ロ)に示すように、珪
素およびアルミニウムを主成分とするものであり、ナト
リウム、カリウム、カルシウム、チタン、マンガン、バ
リウムの内の少なくとも4種類を微量含有している。本
出願人は、上記陶土を長時間焼成されたセラミック体が
微量の遠赤外線を発生することに気づき、空気の活性化
に応用した。
【0036】図11は本実施例で使用したセラミック体
と黒体との遠赤外線領域における放射吸収特性を比較し
た図である。図11に示す遠赤外線領域である4.0μ
mないし24.0μmにおいて、試料であるセラミック
体は、黒体に近い特性を有していることが判る。図12
は本実施例で使用したセラミック体の遠赤外線領域にお
ける放射特性を示した図である。本実施例に使用したセ
ラミック体は、遠赤外線放射率が黒体の90%であるこ
とが判る。すなわち、本実施例のセラミック体は、黒体
に近い性質を有するため、多くの波長を吸収すると共
に、遠赤外線を多く放出するものである。
【0037】次に、セラミック体の活性化について説明
する。セラミック体は、空気中で遠赤外線を発生するこ
とが知られている。セラミック体から放出した遠赤外線
は、酸素および水素から水素イオン「H+ 」と水酸イオ
ン「OH- 」に解離させる。また、空気中の酸素
「O2 」の微量が活性酸素「O2 - (スーパーオキサイ
ドアニオン)」として発生する。この活性酸素は、空気
と反応することにより、分子酸化物「HO2 」となり、
これが「H+ 」イオンと反応して微量の「H2 2 」が
生成される。
【0038】上記を式で表すと、 (1) H2 O+e- → H+ +OH- (2) O2 +e- → O2 - (スーパーオキサイドアニオン) (3) O2 - +H2 O→ OH- +HO2 (分子酸化物) (4) HO2 +2H+ → H+ + H2 2 (過酸化水素) 上記式から判るように、セラミック体から発生する遠赤
外線は、最終的に過酸化水素を生成し、この過酸化水素
が空気を殺菌するという効果がある。
【0039】また、一部のH2 2 は、次の反応式のよ
うに分解して、O2 - (スーパーオキサイドアニオン)
を生成する。 (5) H2 2 → HO2 + H+ (6) HO2 → O2 - +H+ スーパーオキサイドアニオンおよび水素イオンは、(3)
式および(4) 式に戻り、過酸化水素を発生する。
【0040】塩素が空気中の微量の水と反応した場合
は、塩化水素と次亜塩素酸、および塩素酸が生成され
る。 (7) Cl2 +H2 O → HCl + HClO (次亜塩素酸) (8) HClO + 2HClO → HClO3 + 2HCl (塩素酸)
【0041】悪臭を発生するアンモニアまたは硫化水素
と水が反応した場合は、窒素または硫黄と水になる。 (9) 2NH3 + 3H2 2 → N2 ↑ +6H2 O (10) H2 S + H2 2 → 2H2 O + S 以上のように、本実施例の空気清浄機から出た空気は、
セラミック体の活性作用より、脱臭、抗菌、浄化等の効
果を有することが判る。
【0042】以上、本実施例を詳述したが、本発明は、
前記実施例に限定されるものではない。そして、特許請
求の範囲に記載された本発明を逸脱することがなけれ
ば、種々の設計変更を行なうことが可能である。本発明
の収納部は、出入り口に空気が流通する多数の透孔を有
するパイプ状部材から構成することもできる。パイプ状
の収納部は、遠赤外線を放出するセラミック体を多数収
納できるため、脱臭および殺菌効果を向上させることが
できる。上記パイプ状の収納部は、形状、太さおよび長
さを自由に設計できるため、曲げたり螺旋状として、装
置あるいは建物の空間に合わせることができる。
【0043】本発明の収納部は、複数のパイプを直列お
よび/または並列に連続して接続することができる。こ
のようにすることにより、本発明の収納部は、大口径の
パイプより安価に作製することができると共に、所定の
効果が達成できるように設計することが容易である。本
発明の収納部は、長いパイプ状として、多数の空気流通
孔である透孔が設けられている隔壁によって複数に分け
ることができる。上記隔壁によって分けられた部分に
は、全部遠赤外線を放出するセラミック体を収納するの
ではなく、たとえば、一つ置きに遠赤外線を放出する複
数のセラミック体を収納することができる。
【0044】本発明のフィルタを構成する枠体は、実施
例以外に異なる形状あるいは材質のものも含まれる。セ
ラミック体は、任意の大きさとすることができる。本発
明の空気清浄機は、フィルタ以外について説明していな
いが、いかなる装置にも適用することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、遠赤外線を放出するセ
ラミック体を収納したフィルタによって空気を活性化で
きるため、脱臭、殺菌、および浄化することができる。
本発明によれば、遠赤外線を放出するセラミック体を収
納したフィルタと、既製のフィルタとを組み合わせるこ
とにより、なお一層脱臭、殺菌、および浄化の効果を向
上させることができた。本発明によれば、遠赤外線を放
出するセラミック体を傾斜した収納部に収納すること
で、空気と接する表面積を大きくして、脱臭、殺菌、お
よび浄化の効果を向上させることができた。本発明によ
れば、既製のフィルタを収納する収納部を遠赤外線を放
出するセラミック体によって構成したため、従来のもの
より小型で性能を向上させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例である活性機能を備えた空
気清浄用フィルタを説明するための図である。
【図2】本発明の第二実施例となる活性機能を備えた空
気清浄用フィルタを説明するための図である。
【図3】本発明の第三実施例となる空気清浄用フィルタ
を説明するための図である。
【図4】本発明の第四実施例となる空気清浄用フィルタ
の電極、あるいは収納部の一部を説明するための図であ
る。
【図5】本発明の第四実施例となる空気清浄用フィルタ
の電極を説明するための図である。
【図6】本発明の第五実施例となる空気清浄用フィルタ
を説明するための図である。
【図7】本発明の第六実施例となる空気清浄用フィルタ
を説明するための図である。
【図8】本発明の第七実施例となる空気清浄用フィルタ
を説明するための図である。
【図9】本発明の第七実施例となる空気清浄用フィルタ
を説明するための図である。
【図10】(イ)および(ロ)は本実施例で使用した二
種類のセラミック体の成分を示した図である。
【図11】本実施例で使用したセラミック体と黒体との
遠赤外線領域における放射吸収特性を比較した図であ
る。
【図12】本実施例で使用したセラミック体の遠赤外線
領域における放射特性を示した図である。
【図13】(イ)は従来例における空気清浄機を説明す
るための断面図で、(ロ)は空気清浄機の正面図であ
る。
【符号の説明】
11、11′・・・セラミック体焼成品 12、23・・・透孔 21・・・上側収納部 22・・・下側収納部 24、73、83・・・セラミック体 31、31′、84、94・・・繊維製フィルタ(不織
布) 41・・・金網 51、51′・・・電極 61、71、81、91・・・枠体 72・・・セラミック体収納部 82・・・傾斜部 83、83′、93、93′・・・収納部 85、95・・・固定突起 92・・・セラミック体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 53/04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の透孔を有し、遠赤外線を放出する
    セラミック体から構成された部材に空気を流通させて、
    空気を清浄化させることを特徴とする空気清浄用フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 多数の透孔を有する収納部と、 当該収納部に収納されている遠赤外線を放出するセラミ
    ック体と、 を備え、上記多数の透孔に空気を流通させて、空気を清
    浄化させることを特徴とする空気清浄用フィルタ。
  3. 【請求項3】 多数の透孔を有すると共に、空気流通方
    向に狭くまたは広く傾斜している部材から構成された少
    なくとも二つの収納部と、 上記収納部の少なくとも一方に収納された遠赤外線を放
    出するセラミック体と、 を備え、上記多数の透孔に空気を流通させて、空気を清
    浄化させることを特徴とする空気清浄用フィルタ。
  4. 【請求項4】 多数の透孔を有し、空気流通方向に狭く
    または広く傾斜している遠赤外線を放出するセラミック
    体から構成された部材からなる少なくとも二つの収納部
    を備え、 上記多数の透孔に空気を流通させて、空気を清浄化させ
    ることを特徴とする空気清浄用フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4記載のフィルタ
    と、繊維製フィルタ、無機質製フィルタ、静電フィルタ
    のうちの少なくとも一つと組み合わせたことを特徴とす
    る空気清浄用フィルタ。
  6. 【請求項6】 上記遠赤外線を放出するセラミック体
    は、アルミニウムおよび珪素を主成分とし、ナトリウ
    ム、カリウム、カルシウム、チタン、マンガン、バリウ
    ムの内の少なくとも4種類が微量含有しているものから
    なることを特徴とする請求項1ないし請求項4記載の空
    気清浄用フィルタ。
  7. 【請求項7】 上記収納部は、パイプ状であり出入り口
    に空気が流通する多数の透孔を有することを特徴とする
    請求項2記載の空気清浄用フィルタ。
  8. 【請求項8】 上記収納部は、複数のパイプが直列およ
    び/または並列に連続して接続されていることを特徴と
    する請求項2記載の空気清浄用フィルタ。
  9. 【請求項9】 上記パイプ状の収納部は、遠赤外線を放
    出する複数のセラミック体を一つの群として、複数に分
    けて設けられるような多数の透孔を有する隔壁を備えて
    いることを特徴とする請求項7または請求項8記載の空
    気清浄用フィルタ。
  10. 【請求項10】 上記パイプ状の収納部は、非直線から
    構成されていることを特徴とする請求項7ないし請求項
    9記載の空気清浄用フィルタ。
JP9366777A 1997-12-26 1997-12-26 空気清浄用フィルタ Pending JPH11188228A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007293201A (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置
KR200456775Y1 (ko) 2010-02-25 2011-11-21 주식회사 원일공기정화 충돌과 와류를 이용한 유체 액적 필터

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JP2007293201A (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Ricoh Co Ltd 光走査装置及び画像形成装置
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