JPH1118624A - 魚の捕獲方法と魚の捕獲に使用する分離装置 - Google Patents

魚の捕獲方法と魚の捕獲に使用する分離装置

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JPH1118624A
JPH1118624A JP19772797A JP19772797A JPH1118624A JP H1118624 A JPH1118624 A JP H1118624A JP 19772797 A JP19772797 A JP 19772797A JP 19772797 A JP19772797 A JP 19772797A JP H1118624 A JPH1118624 A JP H1118624A
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fish
seawater
live fish
water
small
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JP19772797A
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English (en)
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Yoshiyuki Ikawa
義幸 井河
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 捕獲して有効に利用されない小魚を、死なせ
ることなく生きたままの状態で海に返し、魚資源を極め
て有効に利用する。極めて能率よく魚を捕獲、運搬す
る。 【解決手段】 魚の捕獲方法は、網1で捕獲した活魚を
海水と一緒に吸入して魚ポンプ2で船上に移送する吸入
工程と、船上に移送された活魚を海水と一緒に分離装置
の格子3に供給して、所定の大きさよりも小さい小活魚
を海水と一緒に格子3の間を通過させて、格子3の下方
に設けている水溜槽4に落下させ、所定の大きさよりも
大きい大活魚を格子3で分離して取り出す分離工程と、
選別して水溜槽4に供給された小活魚を、海水と一緒に
海に排出する排出工程とからなる。魚の捕獲方法は、網
1で捕獲された小活魚を死滅させることなく海に戻し
て、大活魚のみを捕獲する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、捕獲したサバ等の
魚を大小に選別し、選別された小さい魚を元気な活魚の
状態で海に返す魚の捕獲方法と、これに使用する分離装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】海で捕獲した魚は、種類別に選別し、さ
らに大小に選別して市場に出荷される。魚種によって
は、小さい魚はほとんど商品価値がない。魚の大小は、
漁船の船上で、あるいは陸上で選別される。船上で魚を
大小に選別すると、小さい魚を運搬する必要がないの
で、大きい魚を能率よく陸揚げできる。この用途に使用
する、分離装置は開発され、実際に船上に搭載して使用
されている。
【0003】この分離装置は、選別ロールの上面に、魚
をセパレータで水切りして供給する。供給された魚は、
選別ロールの選別隙間で大小に選別される。小さい魚は
選別隙間を落下し、大きい魚は選別隙間から落下せず
に、選別ロールの上面から排出される。
【0004】この分離装置は、小魚を生かした状態では
分離できない。選別隙間から落下した小魚は、水切りし
て選別ロールに供給される工程でショックを受け、さら
に、選別ロールの選別隙間から落下する衝撃で損傷を受
けて死滅する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】分離装置で選別された
小魚は、市場価格が極めて安価であるので、運搬船で輸
送できない。このため、やむなく海上に投棄される。投
棄された魚は、海を汚す原因となる。さらに、この漁獲
方法は、魚資源を有効に利用できない欠点もある。魚の
漁獲量は、たとえば、サンマのように、魚種によって
は、資源を保護するために、年間の捕獲量を制限されて
いる。大小の魚を捕獲して、小さい魚を死滅させて海上
に投棄する従来の方法は、制限された漁獲量の魚を捕獲
して、捕獲した全ての魚を有効に利用できない。このた
め、この捕獲方法は、魚資源を保護することから極めて
好ましくない方法である。
【0006】本発明は、このような欠点を解決すること
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、捕
獲して有効に利用されない小魚を、死なせることなく生
きたままの状態で海に返し、魚資源を極めて有効に利用
できる魚の捕獲方法と魚の捕獲に使用する分離装置を提
供することにある。
【0007】また、本発明の他の大切な目的は、極めて
能率よく魚を捕獲、運搬できる魚の捕獲方法と魚の捕獲
に使用する分離装置を提供することにある。
【0008】さらにまた、本発明の他の大切な目的は、
極めて簡単な装置を使用し、また、安価なランニグスコ
ストで、捕獲した魚の重量当りのコストを著しく高くし
て、極めて経済効果の高い魚の捕獲方法と魚の捕獲に使
用する分離装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
している魚の捕獲方法は、網1で捕獲した活魚を、海水
と一緒に吸入して魚ポンプ2で船上に移送する吸入工程
と、船上に移送された活魚を、海水と一緒に分離装置の
格子3に供給して、所定の大きさよりも小さい小活魚を
海水と一緒に格子3の間を通過させて、格子3の下方に
設けて所定の深さに海水を蓄えている水溜槽4に落下さ
せ、所定の大きさよりも大きい大活魚を格子3で分離し
て取り出す分離工程と、選別して水溜槽4に供給された
小活魚を、海水と一緒に海に排出する排出工程とからな
る。
【0010】この捕獲方法は、網1で捕獲された小活魚
を、海水と一緒に分離装置に移送して分離装置で分離
し、分離装置は、選別した小活魚を水を蓄えた水溜槽4
に落下させて生きたままの状態で死滅させることなく、
海に戻し、小活魚を除いた大活魚のみを捕獲することを
特徴とする。
【0011】さらに、本発明の請求項2の魚の捕獲方法
は、魚ポンプ2から分離装置の格子3に供給する途中
で、魚を移送する海水の一部を、魚から分離してバイパ
ス排水路に排水している。バイパス排水路の排水量は、
水溜槽4に所定の水深で海水を貯溜できる水量に調整し
ている。
【0012】さらに、本発明の請求項3の魚の捕獲に使
用する分離装置は、複数本のロール6を格子状に並べ
て、ロール6の間を選別隙間7としている選別ロール8
と、この選別ロール8の下方に配設されて、選別ロール
8を通過して落下する海水を所定の水面レベルで蓄える
水溜槽4とを備える。
【0013】この分離装置は、選別ロール8の選別隙間
7を通過して分離される活魚を、選別ロール8に供給し
て、海水と一緒に選別ロール8の選別隙間7に通過させ
て、水溜槽4の海中に落下させ、水溜槽4の小活魚を海
水と一緒に活魚の状態で海に排出するように構成してい
る。
【0014】さらに、本発明の請求項4の分離装置は、
魚ポンプ2から選別ロール8に供給される途中で、魚を
移送する海水の一部を魚から分離するバイパス排水路2
5を備えている。この装置は、バイパス排水路25から
排水される排水量を調整して、水溜槽4に所定の水深で
海水を貯溜するように構成されている。
【0015】さらに、本発明の請求項5の分離装置は、
選別ロール8を通過して供給される海水を、水溜槽4に
オーバーフローさせる。海水をオーバーフローさせる水
溜槽4は、一定の水面レベルに蓄えて、海水と一緒に落
下させる小活魚の損傷を少なくする。
【0016】さらにまた、本発明の請求項6の分離装置
は、生かして海に返す魚の大きさを調整するために、選
別ロール8を、ロール間隔の調整ができるように構成し
ている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための、魚の捕獲方法と、魚の
捕獲に使用する分離装置を例示するものであって、本発
明は捕獲方法と分離装置を下記のものに特定しない。
【0018】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0019】図1に示す魚の捕獲方法は、下記の工程で
活魚を漁船に吸い上げる。 網で捕獲したサバ等の活魚を、海水と一緒に吸入し
て、魚ポンプで船上に移送する吸入工程 この工程において、魚ポンプ2を網1の中の水中に吊り
込む。魚ポンプ2には、ブレードレスローターポンプ等
のロータリー式の水中ポンプを使用する。魚ポンプ2に
は、活魚を生かした状態で、海水を搬送媒体として移送
できる全てのタイプのものを使用できる。網1で捕獲し
た活魚がサンマである場合、たとえば、魚ポンプ2に
は、海水の移送能力を6トン/分とするものを使用す
る。魚ポンプ2に大容量のものを使用すると、魚の吸い
上げ時間を短縮できる。したがって、魚ポンプ2の容量
は、網1の大きさや活魚の種類を考慮して、最適なもの
を使用する。海水を搬送媒体として活魚を船上に移送す
る魚ポンプ2は、魚濃度を20重量%以下として移送す
る。魚濃度が濃過ぎると、活魚が互いに衝突し、あるい
は接触して損傷を受けやすくなるからである。魚ポンプ
2で移送する魚濃度は、網1を締める程度で調整する。
網1を小さく締めると、網中の魚濃度が高くなって、魚
ポンプ2で移送される魚濃度も高くなる。網1を大きく
して、網中の魚濃度を低くして、魚ポンプ2で移送され
る魚濃度を低くできる。魚濃度が低過ぎると、魚を吸い
上げるのに時間がかかる。このため、活魚を吸い上げる
時間と、活魚の損傷とを考慮して、魚ポンプ2で移送す
る魚濃度を調整する。
【0020】 魚ポンプで船上に移送された活魚を、
大小に分離する分離工程 この工程において、魚ポンプ2で船上に移送された活魚
は、海水と一緒に、分離装置の格子3の上面に供給され
る。分離装置は、格子3の上面に供給された活魚を、大
小に選別する。所定の大きさよりも小さい小活魚は、海
水と一緒に格子3の間を通過して、格子3の下方に設け
ている水溜槽4に落下する。水溜槽4は、落下する小活
魚の衝撃を少なくするために、所定の深さに海水を蓄え
ている。海水と一緒に移送されて、しかも、海水と一緒
に格子3の間を通過して落下する小活魚は、海水によっ
て、損傷されることがなく、また、空気中で窒息するこ
ともなく、生かした状態で移送される。とくに、海水中
に落下する小活魚は、衝撃が極めて少なく生きたままの
状態で分離される。格子3の間を通過できない大活魚
は、格子3の上面を滑動して、小活魚から分離して取り
出される。大活魚は、たとえば、その後に水氷の状態
で、漁船の魚槽5に入れられる。
【0021】 格子を通過して水溜槽に供給された小
活魚を、海水と一緒に海に排出して小活魚を海にもどす
排出工程 この工程で、格子3を通過して捕獲されない小活魚は、
元気に生きたままの状態で、水溜槽4の海水と一緒に海
に排出される。この状態で海に返させる小活魚は、網中
から、海に返されるまでの間において、ほとんどの時間
帯で海水中にある。わずかに、格子3の上に供給され、
格子3を通過して水溜槽4に落下するまでの極めて短い
時間は、海中を遊泳する状態とはならない。ただ、この
移送過程においても、小活魚は海水と一緒に移送され
て、滝のように流れる海水と一緒に移送されるので、こ
の過程で小活魚が死滅することはない。
【0022】以上の魚の捕獲方法に使用される分離装置
を図2〜図5に示している。これ等の図に示す分離装置
は、複数本のロール6を格子状に並べて、ロール6の間
を選別隙間7としている選別ロール8と、この選別ロー
ル8の下方に配設されて、選別ロール8を通過して落下
する海水を所定の水面レベルで蓄える水溜槽4とを備え
る。
【0023】選別ロール8は、複数本のロール6を同一
平面に並べて、活魚の移送方向に向かって下り勾配に配
設している。ロール6は、中心に回転軸を挿通し、この
回転軸を介して回転できるように、フレーム9に装着し
ている。さらに、それぞれのロール6は、上端に油圧モ
ーター10を連結して回転しながら、活魚を選別する。
ロール6は、図6の断面図に示すように、互いに隣接す
るものを反対方向に回転させる。
【0024】複数の選別ロール8は、選別隙間7を調整
できるようにフレーム9に装着される。選別隙間7を落
下させる活魚の大きさを調整するためである。選別隙間
7を広くすると、選別隙間7を通過して落下する活魚が
大きくなる。網で捕獲する活魚の種類によって、選別隙
間7を調整して、捕獲する大活魚と、捕獲しないで海に
返す小活魚の大きさを調整する。
【0025】複数のロール6を、選別隙間7が調整でき
るようにフレーム8に装着する構造を図6に示す。この
図に示す選別ロール8は、ロール6の回転軸11の両端
を支承するベアリング12を、ネジ棒13に沿って移動
する移動台14に、垂直脚15を介して連結している。
移動台14は、ネジ棒13にねじ込まれる雌ネジを設け
ている。ネジ棒13が回転されると、移動台14はネジ
棒12に沿って移動する。ネジ棒13は、これを回転さ
せると、移動台14がネジ棒13に沿って移動するよう
に、表面に雄ネジを設けている。ネジ棒13が一方に回
転されると、移動台14の間隔は広くなり、反対方向に
回転されると、移動台14の間隔を狭くするために、ネ
ジ棒13に設けられる雄ネジは、中央を境界としてその
両側に、互いに逆ピッチに設けられる。さらに、雄ネジ
は、中央から離れるにしたがって、ピッチを大きくして
いる。
【0026】選別ロール8は、2本のネジ棒13を別々
に回転させて、選別ロール8の両端の選別隙間7を自由
に調整する。選別ロール8の両端を装着している2本の
ネジ棒13は、選別ロール8を内側に配設しているケー
ス16の側板に、回転できるように装着されている。選
別ロール8の活魚供給側を装着しているネジ棒13は、
活魚の排出側を装着しているネジ棒13よりも高い位置
に配設されて、選別ロール8を活魚の移送方向に向かっ
て下り勾配に傾斜させている。
【0027】ネジ棒13は、両端をベアリングを介して
ケース16の側面に回転できるように装着し、一端をケ
ース16の外部に突出させている。ネジ棒13の突出端
には、ハンドル17を固定している。ハンドル17でネ
ジ棒13を回転させると、移動台14がネジ棒13に沿
って移動して、選別ロール8の選別隙間7を調整する。
【0028】ネジ棒13を装着しているケース16は、
上面を開口して、開口部に選別ロール8を配設してい
る。ケース16は、選別ロール8の周囲を囲み、選別ロ
ール8の下方に水溜槽4を設けている。
【0029】水溜槽4は、選別ロール8の選別隙間7を
通過して落下する小活魚を、水中に落下させるために、
活魚と一緒に魚ポンプで移送されてくる海水を所定の水
面レベルで蓄える。水溜槽4は、側面にオーバーフロー
口18を、底面に排水口19を開口している。図の装置
は、排水口19に排水調整弁20を設けている。水溜槽
4は、オーバーフロー口18と排水口19から海水を排
水して、水面レベルを一定にする。
【0030】オーバーフロー口18と排水口19は、海
水と一緒に小活魚を排出する。したがって、オーバーフ
ロー口18と排水口19は、ホース21を介して海に連
結される。ただ、オーバーフロー口18と排水口19
は、いずれか一方から小活魚を排出させることもでき
る。たとえば、オーバーフロー口18には分離された小
活魚を通過させない多孔板を固定し、排水口19から小
活魚を海水と一緒に排水することもできる。排水口19
から小活魚を排出させる装置は、排水調整弁20を省略
して、排水口19を通過する小活魚の損傷を少なくする
こともできる。さらに、排水口19には小活魚を通過さ
せない多孔板を固定して、オーバーフロー口18から小
活魚を海水と一緒に排出することもできる。
【0031】水溜槽4から小活魚を排出するために、オ
ーバーフロー口18や排水口19に連結されるホース2
1は、海に連結して小活魚を海に放流できるが、これを
船上の水切セパレータに連結して、小活魚を放流しない
で回収することもできる。この使用方法は、たとえば、
漁獲量の少ないとき、あるいは、捕獲した活魚が高級魚
であって、小活魚を海に放流しないで、回収するときに
限って使用される。オーバーフロー口と排水口の一方か
ら小活魚を排出する装置は、この用途に便利に使用でき
る。小活魚を排出する一方のホースを水切セパレータに
連結して、小活魚を回収できるからである。
【0032】水溜槽4は、オーバーフロー口18、又は
排水口19のいずれか一方から排水して、水面レベルを
一定にすることもできる。したがって、水溜槽4はオー
バーフロー口18と排水口19の何れか一方を設ける構
造とすることもできる。排水口19のみから排水すると
き、排水調整弁20の開度を調整して、水溜槽4の水面
レベルを一定に制御する。ただ、排水口19とオーバー
フロー口18の両方から排水するときも、排水調整弁2
0の開度を調整して、水面レベルを一定にすることもで
きる。
【0033】水溜槽4は、排水量を制御して、水面レベ
ルを一定に制御することもできるが、流入する水量を制
御して、水面レベルを一定に制御することもできる。図
に示す分離装置は、水溜槽4への海水の流入量を調整す
るために、魚ポンプと選別ロール8との間に、水切セパ
レータ22を連結している。
【0034】図2の水切セパレータ22は、底板の両側
と左側縁に側壁を固定して、上方を開口している。底板
は、供給された活魚と海水を選別ロール8に流下させる
ために、選別ロール8に向かって、図において右に向か
って下り勾配に傾斜している。この図の水切セパレータ
22は、供給ダクト23を左側に連結している。供給ダ
クト23は、ホース24を介して魚ポンプに連結され、
活魚と海水を水切セパレータ22に供給する。
【0035】水切セパレータ22は、底板にバイパス排
水路25を連結している。バイパス排水路25の上端開
口部は、活魚を排出させないように、底板と同一平面に
通水板26を固定している。通水板26は、海水を通過
させるが、活魚を通過させない、多孔板、格子、網等で
ある。バイパス排水路25は、排水量を調整するため
に、途中に、開度を調整できる排水調整弁27を連結し
ている。
【0036】排水調整弁27は、魚と一緒に供給される
海水の一部をバイパス排水路25に分離して、ロール6
に供給する海水量を調整する。排水調整弁27は、バイ
パス排水路25の内形にほぼ等しい円板(図示せず)を
回転させて、開度を調整する。円板は、回転軸を介して
バイパス排水路25の内部に配設されている。回転軸
は、バイパス排水路25を直径方向に、回転できるよう
に貫通しており、一端にはハンドル28を固定してい
る。ハンドル28は、回転させた位置で停止できるよう
にストッパ29を連結している。図2のストッパ29
は、円弧状のスリットを有する金属板である。ストッパ
29のスリットを通過して、ハンドル28に止ネジをね
じ込んでいる。止ネジは、ハンドル28を回転させると
きに緩め、ハンドル28を停止するときに、ねじ込まれ
る。ねじ込まれた止ネジは、ストッパ29を挟着してハ
ンドル28を回転しないように停止させる。この構造の
排水調整弁27は、所定の開度に調整して、その開度に
停止できる。
【0037】ハンドル28で回転軸を回転させて、円板
を回転させると、排水調整弁27の開度が調整される。
円板がバイパス排水路25を流れる海水と平行になる
と、排水調整弁27は完全に開弁される。円板が海水の
流れの方向と直角になると、排水調整弁27は完全に閉
弁される。円板を流れに対して、平行な姿勢と直角な姿
勢との間に配設して、排水調整弁27の開度を調整す
る。
【0038】排水調整弁27は、開度を調整して、バイ
パス排水路25に分離して排水する海水量を制御する。
排水調整弁27の開度は、水切セパレータ22に所定の
水面レベルで海水を貯溜できるように調整する。排水調
整弁27の開度が大きすぎると、水溜槽4の水面レベル
が低下する。水面レベルの低下した水溜槽4は、ローラ
ー6を通過してここに落下する小活魚の損傷を大きくす
る。小活魚は、選別した後に元気な状態で海に返すの
で、損傷を少なくすることが大切である。
【0039】小活魚の損傷を少なくするためには、水溜
槽4の水面レベルを高くするのがよい。ただ、水溜槽4
の水面レベルが高すぎると、ロール6で魚を大小別の能
率よく分離できなくなる。ロール6が水溜槽4の海水に
潜没して、ロール6間を小活魚が落下できなくなるから
である。したがって、排水調整弁27の開度は、水溜槽
4に所定量の海水を貯溜して、ロール6を通過した小活
魚を海水中に落下させるが、ロール6が水溜槽4に潜没
しないように調整される。
【0040】排水調整弁27で、バイパス排水路25に
分流させる海水量を調整する装置は、水溜槽4の排水口
19の排水調整弁20を省略し、あるいは、排水調整弁
20を完全に開いた状態で、水溜槽4の水面レベルを一
定の範囲に制御できる。とくに、排水口の排水調整弁を
省略した分離装置は、海に返される小活魚が、魚ポンプ
で吸入されてから、海に返されるまでの間、一度も弁を
通過することがない。このため、小活魚は弁で損傷を受
けることがない。したがって、小活魚を、元気な状態で
海に返すことができる特長がある。
【0041】本発明の魚の捕獲方法と魚の捕獲に使用す
る分離装置は、水溜槽4に一定の海水を蓄えて、海水中
にローラー6を通過した小活魚を落下させる。水溜槽4
の水面レベルは、排水調整弁20と排水調整弁27とオ
ーバーフロー口18の全てで調整し、あるいは、いずれ
かひとつで調整する。魚ポンプ2から分離装置に供給さ
れる海水量は、魚ポンプ2の回転数を変化させない限
り、それほど変化しない。したがって、排水調整弁20
や排水調整弁27等の開度を調整して、水溜槽4の水面
レベルを一定に制御できるようにした後は、魚ポンプ2
の回転数を変化させないかぎり、頻繁に調整する必要は
ない。したがって、実際に本発明の装置を運転する場合
においては、魚ポンプ2で海水を分離装置に供給して、
水溜槽4の水面レベルが所定の水深になるように、排水
調整弁27や排水調整弁20を調整した後は、これ等の
弁の開度を頻繁に細かく調整する必要ない。
【0042】以上のように、排水調整弁27と排水調整
弁20で水溜槽4の水面レベルを所定の範囲に調整でき
る装置は、分離する小活魚の損傷を少なくできることに
加えて、選別ロール8で能率よく活魚を大活魚と小活魚
とに分離できる。活魚と多量の海水を選別ロール8に供
給すると、選別ロール8の上面を、小活魚が海水と一緒
に移送されて、大活魚に小活魚が混ざって排出されてや
すくなる。この弊害を防止するには、選別ロール8を長
くする必要がある。しかしながら、海水の一部をバイパ
ス排水路25で排水して選別ロール8に供給する装置
は、活魚の選別に理想的な量であって、しかも、活魚、
とくに小活魚の損傷が最も少ない量の海水を選別ロール
8に供給して、活魚を能率よく、また、損傷を与えるこ
となく大小に分離できる。
【0043】
【発明の効果】本発明の魚の捕獲方法は、捕獲された小
魚を、死なせることなく生きたままの状態で海に返し、
魚資源を極めて有効に利用できる特長がある。それは、
本発明の魚の捕獲方法が、網で捕獲した活魚を海水と一
緒に吸入して魚ポンプで船上に移送する吸入工程と、所
定の大きさよりも小さい小活魚を海水と一緒に格子の間
を通過させて、海水を蓄えている水溜槽に落下させ、所
定の大きさよりも大きい大活魚を格子で分離して取り出
す分離工程と、選別して水溜槽に供給された小活魚を、
海水と一緒に海に排出する排出工程とからなるからであ
る。このように、海水と一緒に吸入されて、大小に選別
された後、海水と一緒に海に返させる小活魚は、網中か
ら、海に返されるまでの間において、ほとんどの時間帯
で海水中にある。格子の上から水溜槽に落下するまでの
時間においても、小活魚は滝のように流れる海水と一緒
に移送されるので、この過程で小活魚が死滅することは
ない。このため、捕獲されない小活魚は、元気に生きた
ままの状態で、水溜槽の海水と一緒に海に排出される。
したがって、本発明の捕獲方法は、網で捕獲された小活
魚を死滅させることなく海に戻して、大活魚のみを捕獲
でき、魚資源を有効に利用できる特長がある。
【0044】さらに、本発明の請求項3の魚の捕獲に使
用する分離装置は、数本のロールを格子状に並べた選別
ロールと、この選別ロールの下方に配設されて、海水を
所定の水面レベルで蓄える水溜槽とを備え、海水と一緒
に選別ロールの選別隙間を通過して分離される活魚を、
水溜槽の海中に落下させて、水溜槽の小活魚を海水と一
緒に排出している。したがって、この分離装置は、網で
捕獲されて、選別ロールで分離された小活魚を、死滅さ
せることなく海に戻して、大活魚のみを捕獲でき、魚資
源を有効に利用できる特長がある。とくに、この分離装
置は、複数本のロールを格子状に並べて、ロールの間を
選別隙間として小活魚を通過させて、捕獲された魚を分
離している。したがって、分離された小活魚が体表に受
ける損傷を少なくして、より元気な状態で海に返すこと
ができる特長がある。しかも、この分離装置は、極めて
簡単な構造として、捕獲した魚を理想の状態に分離でき
るので、捕獲した魚の重量当りのコストを低くして、高
い経済効果が期待できる特長もある。
【0045】さらに、本発明の魚の捕獲方法と魚の捕獲
に使用する分離装置は、網で捕獲した魚を、漁場で大小
に分離して、分離された小魚を生きたままの状態で海に
返し、大きい魚だけを捕獲して陸揚げできる。このよう
に、捕獲したその場で、ほとんど商品価値のない小魚を
海に返すので、能率よく大きな魚だけを捕獲できると共
に、小さい魚を運搬する必要がなく、捕獲された大きな
魚だけを効率よく運搬できる特長もある。
【0046】さらに、本発明の請求項5の魚の捕獲に使
用する分離装置は、水溜槽が、極めて簡単に一定の水面
レベルに海水を蓄えることができる特長がある。それ
は、この分離装置の水溜槽が、選別ロールを通過して供
給される海水をオーバーフローさせるオーバーフロー口
を備え、このオーバーフロー口から海水を排水している
からである。このように、常に一定量の海水を蓄える水
溜槽を有する分離装置は、選別ロールの選別隙間を通過
して落下する小活魚を、確実に水中に落下させることが
でき、魚が落下する衝撃で損傷を受けて死滅するのを防
止できる特長がある。
【0047】さらにまた、本発明の請求項6の魚の捕獲
に使用する分離装置は、選別隙間を落下させる活魚の大
きさを調整できる特長がある。それは、この分離装置の
選別ロールが、ロール間隔を調整できるように構成され
ているからである。このように、ロール間隔を変更し
て、選別隙間を調整できる分離装置は、網で捕獲する活
魚の種類に応じて選別隙間を調整し、捕獲する大活魚
と、捕獲しないで海に返す小活魚の大きさを極めて簡単
に調整できる。すなわち、種々の魚の捕獲に使用して、
便利に、しかも能率よく魚を捕獲できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の魚の捕獲方法を示す概略図
【図2】本発明の実施例の魚の捕獲に使用する分離装置
の側面図
【図3】図2に示す分離装置の平面図
【図4】図2に示す分離装置の背面図
【図5】図5に示す分離装置の概略断面図
【図6】本発明の実施例の分離装置の選別ロールの拡大
断面図
【符号の説明】
1…網 2…魚ポンプ 3…格子 4…水溜槽 5…魚槽 6…ロール 7…選別隙間 8…選別ロール 9…フレーム 10…油圧モーター 11…回転軸 12…ベアリング 13…ネジ棒 14…移動台 15…垂直脚 16…ケース 17…ハンドル 18…オーバーフロー口 19…排水口 20…排水調整弁 21…ホース 22…水切セパレータ 23…供給ダクト 24…ホース 25…バイパス排水路 26…通水板 27…排水調整弁 28…ハンドル 29…ストッパ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 網(1)で捕獲した活魚を、海水と一緒に
    吸入して魚ポンプ(2)で船上に移送する吸入工程と、船
    上に移送された活魚を、海水と一緒に分離装置の格子
    (3)に供給して、所定の大きさよりも小さい小活魚を海
    水と一緒に格子(3)の間を通過させて、格子(3)の下方に
    設けている水溜槽(4)に落下させ、所定の大きさよりも
    大きい大活魚を格子(3)で分離して取り出す分離工程
    と、選別して水溜槽(4)に供給された小活魚を、海水と
    一緒に海に排出する排出工程とからなり、網(1)で捕獲
    された小活魚を死滅させることなく、海に戻して大活魚
    のみを捕獲することを特徴とする魚の捕獲方法。
  2. 【請求項2】 魚ポンプ(2)から分離装置の格子(3)に供
    給される途中で、魚を移送する海水の一部を魚から分離
    してバイパス排水路(25)に排水すると共に、バイパス排
    水路(25)の排水量を、水溜槽(4)に所定の水深で海水を
    貯溜できる水量に調整することを特徴とする請求項1に
    記載される魚の捕獲方法。
  3. 【請求項3】 複数本のロール(6)を格子状に並べて、
    ロール(6)の間を選別隙間(7)としている選別ロール(8)
    と、この選別ロール(8)の下方に配設されて、活魚と一
    緒に魚ポンプ(2)で移送されてくる海水を所定の水面レ
    ベルで蓄える水溜槽(4)とを備え、 選別ロール(8)の選別隙間(7)を通過して分離される活魚
    が、選別ロール(8)に供給されて、海水と一緒に選別ロ
    ール(8)の選別隙間(7)を通過して、水溜槽(4)の海中に
    落下し、水溜槽(4)の小活魚が海水と一緒に活魚の状態
    で排出されるように構成されてなる魚の捕獲に使用する
    分離装置。
  4. 【請求項4】 魚ポンプ(2)から選別ロール(8)に供給さ
    れる途中で、魚を移送する海水の一部を魚から分離する
    バイパス排水路(25)を備えており、このバイパス排水路
    (25)で、水溜槽(4)に所定の水深で海水を貯溜するよう
    に海水の排水量を調整するように構成されてなる請求項
    3に記載される魚の捕獲に使用する分離装置。
  5. 【請求項5】 水溜槽(4)が、選別ロール(8)を通過して
    供給される海水をオーバーフローさせるオーバーフロー
    口(18)を有し、このオーバーフロー口(18)から排水し
    て、一定の水面レベルに蓄える請求項3に記載される魚
    の捕獲に使用する分離装置。
  6. 【請求項6】 選別ロール(8)が、ロール間隔を調整で
    きるように構成されてなる請求項3に記載される魚の捕
    獲に使用する分離装置。
JP19772797A 1997-07-07 1997-07-07 魚の捕獲方法と魚の捕獲に使用する分離装置 Pending JPH1118624A (ja)

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