JPH11183857A - 光周波数チャープ制御回路及びこれを用いた光強度変調回路 - Google Patents
光周波数チャープ制御回路及びこれを用いた光強度変調回路Info
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- JPH11183857A JPH11183857A JP35530097A JP35530097A JPH11183857A JP H11183857 A JPH11183857 A JP H11183857A JP 35530097 A JP35530097 A JP 35530097A JP 35530097 A JP35530097 A JP 35530097A JP H11183857 A JPH11183857 A JP H11183857A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 容易に光周波数チャープを制御でき、かつそ
の許容入力光強度範囲が広い光周波数チャープ制御回路
及びこれを用いた、優れた伝送特性を有する光強度変調
回路を提供すること。 【解決手段】 正の光周波数チャープを含む光信号31
を光周波数チャープ制御器32に入力すると、該光信号
がオンとなる際の電子キャリア密度の減少に基づく屈折
率の変化により低周波側への光周波数変動が発生し、こ
れによって負の光周波数チャープを有する光信号33と
なるが、さらにこれを光周波数弁別器34に入力するこ
とによって前記電子キャリア密度の減少に基づく利得係
数の変化により発生する波形歪みを補正した光信号35
とする。
の許容入力光強度範囲が広い光周波数チャープ制御回路
及びこれを用いた、優れた伝送特性を有する光強度変調
回路を提供すること。 【解決手段】 正の光周波数チャープを含む光信号31
を光周波数チャープ制御器32に入力すると、該光信号
がオンとなる際の電子キャリア密度の減少に基づく屈折
率の変化により低周波側への光周波数変動が発生し、こ
れによって負の光周波数チャープを有する光信号33と
なるが、さらにこれを光周波数弁別器34に入力するこ
とによって前記電子キャリア密度の減少に基づく利得係
数の変化により発生する波形歪みを補正した光信号35
とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体光増幅媒質
を用いた光周波数チャープ制御回路及びこれを用いた光
強度変調回路に関するものであり、光信号の光周波数チ
ャープを制御する回路及び光周波数チャープが制御され
た光強度変調信号を得る回路として光通信及び光情報処
理の分野で広く利用することができる。
を用いた光周波数チャープ制御回路及びこれを用いた光
強度変調回路に関するものであり、光信号の光周波数チ
ャープを制御する回路及び光周波数チャープが制御され
た光強度変調信号を得る回路として光通信及び光情報処
理の分野で広く利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体レーザ等からの連続的
な光信号を光強度変調して符号化するための外部光強度
変調器としては、ニオブ酸リチウムの電気光学効果を用
いたものと、半導体の電界吸収を用いたものとが知られ
ている。
な光信号を光強度変調して符号化するための外部光強度
変調器としては、ニオブ酸リチウムの電気光学効果を用
いたものと、半導体の電界吸収を用いたものとが知られ
ている。
【0003】電界吸収型半導体光強度変調器は、消費電
力が小さく、小型であり、直流電圧によるドリフトも生
じないことから有望と考えられている。しかし、電界吸
収型半導体光強度変調器の欠点は、電気光学効果型ニオ
ブ酸リチウム光強度変調器に比べて、符号が正でかつ大
きな光周波数チャープを与えることである。ここで、光
周波数チャープとは、外部光強度変調器等により誘発さ
れる時間的周波数変動のことをいう。
力が小さく、小型であり、直流電圧によるドリフトも生
じないことから有望と考えられている。しかし、電界吸
収型半導体光強度変調器の欠点は、電気光学効果型ニオ
ブ酸リチウム光強度変調器に比べて、符号が正でかつ大
きな光周波数チャープを与えることである。ここで、光
周波数チャープとは、外部光強度変調器等により誘発さ
れる時間的周波数変動のことをいう。
【0004】この光周波数チャープにより、変調後の光
信号のスペクトルは変調前に比べて広がることになる。
光周波数チャープが正の場合、即ち光信号がオンとなる
時に光周波数が高周波数側に変動し、光信号がオフとな
る時に光周波数が低周波数側に変動する場合、この変調
後の光信号を光ファイバで伝送すると、ファイバ媒質の
分散の効果による波形劣化が起こり、伝送特性に好まし
くない影響を及ぼす。
信号のスペクトルは変調前に比べて広がることになる。
光周波数チャープが正の場合、即ち光信号がオンとなる
時に光周波数が高周波数側に変動し、光信号がオフとな
る時に光周波数が低周波数側に変動する場合、この変調
後の光信号を光ファイバで伝送すると、ファイバ媒質の
分散の効果による波形劣化が起こり、伝送特性に好まし
くない影響を及ぼす。
【0005】これに対して、光周波数チャープが負の場
合、即ち光信号がオンとなる時に光周波数が低周波数側
に変動し、光信号がオフとなる時に光周波数が高周波数
側に変動する場合、光ファイバ伝送時の波形劣化を受信
系の高周波遮断フィルタで補正することが可能であり、
伝送特性に及ぼす影響が小さい。
合、即ち光信号がオンとなる時に光周波数が低周波数側
に変動し、光信号がオフとなる時に光周波数が高周波数
側に変動する場合、光ファイバ伝送時の波形劣化を受信
系の高周波遮断フィルタで補正することが可能であり、
伝送特性に及ぼす影響が小さい。
【0006】従って、光強度変調された光信号を光ファ
イバを用いて伝送する際には、光周波数チャープを制御
する回路が必要となる。
イバを用いて伝送する際には、光周波数チャープを制御
する回路が必要となる。
【0007】図1は従来の光周波数チャープ制御回路の
一例を示すもので、光周波数チャープを含む変調後の光
信号11を狭帯域の光フィルタ12を通過させることに
より、光周波数チャープの帯域をカットし、ほぼ変調前
の光周波数成分のみとなった光信号13を出力する如く
なっている。
一例を示すもので、光周波数チャープを含む変調後の光
信号11を狭帯域の光フィルタ12を通過させることに
より、光周波数チャープの帯域をカットし、ほぼ変調前
の光周波数成分のみとなった光信号13を出力する如く
なっている。
【0008】図2は従来の光周波数チャープ制御回路の
他の例を示すもので、光周波数チャープを含む変調後の
光信号21を半導体光増幅媒質22に入力し、入力光の
オン・オフ時に起こる電子キャリア密度変動により誘起
された位相変調が負の周波数チャープに相当することを
利用して、光周波数チャープが制御された光信号23を
出力する如くなっている。
他の例を示すもので、光周波数チャープを含む変調後の
光信号21を半導体光増幅媒質22に入力し、入力光の
オン・オフ時に起こる電子キャリア密度変動により誘起
された位相変調が負の周波数チャープに相当することを
利用して、光周波数チャープが制御された光信号23を
出力する如くなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た図1の構成では、微小な周波数変動を伴う光周波数チ
ャープだけを取り除いた透過光スペクトルを得るために
は、光フィルタ12の通過特性として、変調前の光信号
スペクトルにほぼ対応した、狭帯域性及び高い波長設定
確度が要求されることから、実際に用いるのは困難であ
った。
た図1の構成では、微小な周波数変動を伴う光周波数チ
ャープだけを取り除いた透過光スペクトルを得るために
は、光フィルタ12の通過特性として、変調前の光信号
スペクトルにほぼ対応した、狭帯域性及び高い波長設定
確度が要求されることから、実際に用いるのは困難であ
った。
【0010】また、図2の構成では、半導体光増幅媒質
22に入力される光強度が飽和入力光強度程度に達した
時、出力光23に波形歪みが生じるという欠点があっ
た。これは、光信号のオン・オフに伴う光強度の時間変
動に伴って、半導体光増幅器のキャリア密度がナノ秒程
度の時定数で変動し、その結果、利得飽和により増幅利
得が時間的に変動するためである。
22に入力される光強度が飽和入力光強度程度に達した
時、出力光23に波形歪みが生じるという欠点があっ
た。これは、光信号のオン・オフに伴う光強度の時間変
動に伴って、半導体光増幅器のキャリア密度がナノ秒程
度の時定数で変動し、その結果、利得飽和により増幅利
得が時間的に変動するためである。
【0011】光信号の信号速度がギガビット毎秒程度、
即ち光強度の時間変動がサブナノ秒程度の場合、この光
強度波形の歪みは伝送特性に好ましくない影響を与え
る。従って、図2の構成の光周波数チャープ制御回路を
実際に使用する場合においては、半導体光増幅媒質22
に入力する光強度を利得飽和の影響が現れない程度まで
減衰させる必要があり、そのために許容入力光強度範囲
が限定されるという問題があった。
即ち光強度の時間変動がサブナノ秒程度の場合、この光
強度波形の歪みは伝送特性に好ましくない影響を与え
る。従って、図2の構成の光周波数チャープ制御回路を
実際に使用する場合においては、半導体光増幅媒質22
に入力する光強度を利得飽和の影響が現れない程度まで
減衰させる必要があり、そのために許容入力光強度範囲
が限定されるという問題があった。
【0012】本発明の目的は、容易に光周波数チャープ
を制御でき、かつその許容入力光強度範囲が広い光周波
数チャープ制御回路及びこれを用いた、優れた伝送特性
を有する光強度変調回路を提供することにある。
を制御でき、かつその許容入力光強度範囲が広い光周波
数チャープ制御回路及びこれを用いた、優れた伝送特性
を有する光強度変調回路を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明者らは、前記問題を
解決するために鋭意検討を重ねた結果、光周波数チャー
プ制御回路において、入力光のオン・オフ時に半導体光
増幅媒質中で起こる電子キャリア密度変動により誘起さ
れた位相変調を利用した光周波数チャープ制御器と、光
周波数が負に変動した場合に出力光強度の減衰を与える
光周波数弁別器とを備えることにより、キャリア密度の
変動に伴う光強度波形の歪みを抑制できることを見い出
した。さらに、光強度変調回路において、電界吸収型半
導体光強度変調器と、前記光周波数チャープ制御回路と
を備えることにより、優れた伝送特性を有する光強度変
調回路を実現できることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
解決するために鋭意検討を重ねた結果、光周波数チャー
プ制御回路において、入力光のオン・オフ時に半導体光
増幅媒質中で起こる電子キャリア密度変動により誘起さ
れた位相変調を利用した光周波数チャープ制御器と、光
周波数が負に変動した場合に出力光強度の減衰を与える
光周波数弁別器とを備えることにより、キャリア密度の
変動に伴う光強度波形の歪みを抑制できることを見い出
した。さらに、光強度変調回路において、電界吸収型半
導体光強度変調器と、前記光周波数チャープ制御回路と
を備えることにより、優れた伝送特性を有する光強度変
調回路を実現できることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0014】本発明を概説すれば、請求項1の発明は、
光信号を光強度変調した際に生じる光周波数チャープを
制御する光周波数チャープ制御回路において、入力光の
オン・オフ時に半導体光増幅媒質中で起こる電子キャリ
ア密度変動により誘起された位相変調を利用した光周波
数チャープ制御器と、光周波数が負に変動した場合に出
力光強度の減衰を与える光周波数弁別器とを備え、光信
号を光周波数チャープ制御器に入力し、該光周波数チャ
ープ制御器の出力光を光周波数弁別器に入力することを
特徴とする。
光信号を光強度変調した際に生じる光周波数チャープを
制御する光周波数チャープ制御回路において、入力光の
オン・オフ時に半導体光増幅媒質中で起こる電子キャリ
ア密度変動により誘起された位相変調を利用した光周波
数チャープ制御器と、光周波数が負に変動した場合に出
力光強度の減衰を与える光周波数弁別器とを備え、光信
号を光周波数チャープ制御器に入力し、該光周波数チャ
ープ制御器の出力光を光周波数弁別器に入力することを
特徴とする。
【0015】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
において光周波数弁別器としてマッハツェンダ型光フィ
ルタを用いたことを特徴とする。
において光周波数弁別器としてマッハツェンダ型光フィ
ルタを用いたことを特徴とする。
【0016】また、請求項3の発明は、請求項1または
2の発明において光周波数チャープ制御器と光周波数弁
別器とが同一の半導体基板上に形成されてなることを特
徴とする。
2の発明において光周波数チャープ制御器と光周波数弁
別器とが同一の半導体基板上に形成されてなることを特
徴とする。
【0017】また、請求項4の発明は、波長の異なるN
個の光信号に対して光信号を光強度変調した際に生じる
光周波数チャープを制御する光周波数チャープ制御回路
において、入力光のオン・オフ時に半導体光増幅媒質中
で起こる電子キャリア密度変動により誘起された位相変
調を利用したN個の光周波数チャープ制御器と、波長の
異なるN値の光信号を合波する波長合波器と、光周波数
が負に変動した場合に出力光強度の減衰を与える光周波
数弁別器とを備え、N個の光信号をN個の光周波数チャ
ープ制御器にそれぞれ入力し、該N個の光周波数チャー
プ制御器の出力光を全て波長合波器に入力し、さらに該
波長合波器の出力光を光周波数弁別器に入力することを
特徴とする。
個の光信号に対して光信号を光強度変調した際に生じる
光周波数チャープを制御する光周波数チャープ制御回路
において、入力光のオン・オフ時に半導体光増幅媒質中
で起こる電子キャリア密度変動により誘起された位相変
調を利用したN個の光周波数チャープ制御器と、波長の
異なるN値の光信号を合波する波長合波器と、光周波数
が負に変動した場合に出力光強度の減衰を与える光周波
数弁別器とを備え、N個の光信号をN個の光周波数チャ
ープ制御器にそれぞれ入力し、該N個の光周波数チャー
プ制御器の出力光を全て波長合波器に入力し、さらに該
波長合波器の出力光を光周波数弁別器に入力することを
特徴とする。
【0018】また、請求項5の発明は、請求項4の発明
においてN個の光周波数チャープ制御器が波長合波器と
共通の基板上に集積化されてなることを特徴とする。
においてN個の光周波数チャープ制御器が波長合波器と
共通の基板上に集積化されてなることを特徴とする。
【0019】また、請求項6の発明は、光信号の強度を
変調する光強度変調回路において、電界吸収型半導体光
強度変調器と、請求項1記載の光周波数チャープ制御回
路とを備えたことを特徴とする。
変調する光強度変調回路において、電界吸収型半導体光
強度変調器と、請求項1記載の光周波数チャープ制御回
路とを備えたことを特徴とする。
【0020】また、請求項7の発明は、光信号の強度を
変調する光強度変調回路において、電界吸収型半導体光
強度変調器と、請求項2記載の光周波数チャープ制御回
路とを備えたことを特徴とする。
変調する光強度変調回路において、電界吸収型半導体光
強度変調器と、請求項2記載の光周波数チャープ制御回
路とを備えたことを特徴とする。
【0021】また、請求項8の発明は、請求項6または
7の発明において電界吸収型半導体光強度変調器が光周
波数チャープ制御器と同一の半導体基板上に形成されて
なることを特徴とする。
7の発明において電界吸収型半導体光強度変調器が光周
波数チャープ制御器と同一の半導体基板上に形成されて
なることを特徴とする。
【0022】また、請求項9の発明は、光信号の強度を
変調する光強度変調回路において、電界吸収型半導体光
強度変調器と、請求項3記載の光周波数チャープ制御回
路とを備えたことを特徴とする。
変調する光強度変調回路において、電界吸収型半導体光
強度変調器と、請求項3記載の光周波数チャープ制御回
路とを備えたことを特徴とする。
【0023】また、請求項10の発明は、請求項9の発
明において電界吸収型半導体光強度変調器が光周波数チ
ャープ制御回路と同一の半導体基板上に形成されてなる
ことを特徴とする。
明において電界吸収型半導体光強度変調器が光周波数チ
ャープ制御回路と同一の半導体基板上に形成されてなる
ことを特徴とする。
【0024】また、請求項11の発明は、波長の異なる
N個の光信号の強度を変調する光強度変調回路におい
て、N個の電界吸収型半導体光強度変調器と、請求項4
または5記載の光周波数チャープ制御回路とを備えたこ
とを特徴とする。
N個の光信号の強度を変調する光強度変調回路におい
て、N個の電界吸収型半導体光強度変調器と、請求項4
または5記載の光周波数チャープ制御回路とを備えたこ
とを特徴とする。
【0025】また、請求項12の発明は、請求項11の
発明においてN個の電界吸収型半導体光強度変調器及び
N個の光周波数チャープ制御器が波長合波器と共通の基
板上に集積化されてなることを特徴とする。
発明においてN個の電界吸収型半導体光強度変調器及び
N個の光周波数チャープ制御器が波長合波器と共通の基
板上に集積化されてなることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容をさらに詳細
に説明する。
に説明する。
【0027】図3は本発明の光周波数チャープ制御回路
の実施の形態の一例を示すもので、図中、31は入力光
信号、32は光周波数チャープ制御器、33はチャープ
制御された光信号、34は光周波数弁別器、35は出力
光信号である。
の実施の形態の一例を示すもので、図中、31は入力光
信号、32は光周波数チャープ制御器、33はチャープ
制御された光信号、34は光周波数弁別器、35は出力
光信号である。
【0028】光周波数チャープ制御器32は半導体光増
幅器からなり、その半導体活性層が入力光のオン・オフ
時に電子キャリア密度変動が誘起される媒質として用い
られ、この電子キャリア密度変動により誘起された位相
変調を利用して光周波数チャープを制御する。光周波数
弁別器34は、光周波数が負に変動した場合に出力光強
度の減衰を与える。
幅器からなり、その半導体活性層が入力光のオン・オフ
時に電子キャリア密度変動が誘起される媒質として用い
られ、この電子キャリア密度変動により誘起された位相
変調を利用して光周波数チャープを制御する。光周波数
弁別器34は、光周波数が負に変動した場合に出力光強
度の減衰を与える。
【0029】前記構成において、入力光信号31が光周
波数チャープ制御器32に入力されると、半導体光増幅
媒質内の電子キャリアと入力光との間の誘導放出過程に
より利得が生じる。入力光のオン・オフ時に、半導体光
増幅媒質内では電子キャリア密度変動ΔNが起こるた
め、媒質の屈折率n及び利得係数gが変化する。
波数チャープ制御器32に入力されると、半導体光増幅
媒質内の電子キャリアと入力光との間の誘導放出過程に
より利得が生じる。入力光のオン・オフ時に、半導体光
増幅媒質内では電子キャリア密度変動ΔNが起こるた
め、媒質の屈折率n及び利得係数gが変化する。
【0030】この屈折率変化に伴って位相変調が起こ
り、位相変調の時間的変化である光周波数変動が誘起さ
れる。光周波数変動量δfは、 δf=(αΓAgL/4π)・(ΔN/Δt) と表される。ここで、Agは微分利得係数、Γは閉じ込
め係数、Lは媒質長である。また、αは、 α=−(4π/λ)・[(Δn/ΔN)/(Δg/Δ
N)] で定義される線幅増大係数である。ここで、λは波長で
ある。
り、位相変調の時間的変化である光周波数変動が誘起さ
れる。光周波数変動量δfは、 δf=(αΓAgL/4π)・(ΔN/Δt) と表される。ここで、Agは微分利得係数、Γは閉じ込
め係数、Lは媒質長である。また、αは、 α=−(4π/λ)・[(Δn/ΔN)/(Δg/Δ
N)] で定義される線幅増大係数である。ここで、λは波長で
ある。
【0031】飽和状態の半導体光増幅媒質の場合、αは
正であって、光信号がオンとなりキャリア密度が減少す
ると、屈折率は増加する。それによって、負の光周波数
チャープ、即ち光信号がオンとなり、キャリア密度が減
少した時に低周波数側への光周波数変動が発生する。
正であって、光信号がオンとなりキャリア密度が減少す
ると、屈折率は増加する。それによって、負の光周波数
チャープ、即ち光信号がオンとなり、キャリア密度が減
少した時に低周波数側への光周波数変動が発生する。
【0032】これに対して、入力光信号31が電界吸収
型半導体光強度変調器により強度変調された光信号であ
る場合、入力光信号31は正の光周波数チャープを持っ
ている。即ち、光信号がオンとなる時に光周波数は高周
波数側へ変動する。従って、光周波数チャープ制御器3
2の負の光周波数チャープを用いて、該光周波数チャー
プ制御器32からの出力光33の周波数変動量を制御
し、光ファイバでの伝送上、好ましい負の光周波数チャ
ープを与えることができる。
型半導体光強度変調器により強度変調された光信号であ
る場合、入力光信号31は正の光周波数チャープを持っ
ている。即ち、光信号がオンとなる時に光周波数は高周
波数側へ変動する。従って、光周波数チャープ制御器3
2の負の光周波数チャープを用いて、該光周波数チャー
プ制御器32からの出力光33の周波数変動量を制御
し、光ファイバでの伝送上、好ましい負の光周波数チャ
ープを与えることができる。
【0033】ところが、半導体光増幅媒質中では、電子
キャリア密度変動ΔNに伴い、屈折率nだけでなく利得
係数gも変化する。光信号がオンとなり、キャリア密度
が減少した時に利得係数gは減少するから、出力光33
の光強度波形はオンの瞬間にピークとなり、その後、漸
減し、入力光信号31の光強度波形を再現せず、歪むこ
とになる。
キャリア密度変動ΔNに伴い、屈折率nだけでなく利得
係数gも変化する。光信号がオンとなり、キャリア密度
が減少した時に利得係数gは減少するから、出力光33
の光強度波形はオンの瞬間にピークとなり、その後、漸
減し、入力光信号31の光強度波形を再現せず、歪むこ
とになる。
【0034】この波形歪みは、光信号がオフになる時よ
りもオンになる時に顕著に現れる。これは、光信号がオ
ンになる時は入力光により誘導放出が起こり、キャリア
密度変動が促進されるからである。
りもオンになる時に顕著に現れる。これは、光信号がオ
ンになる時は入力光により誘導放出が起こり、キャリア
密度変動が促進されるからである。
【0035】図3の構成では、前記のように光強度波形
の歪んだ光信号33が、光周波数が負に変動した場合に
光強度の減衰を与える光周波数弁別器34に入力され
る。これにより、光信号がオンとなる時に負の光周波数
チャープの影響で光周波数が低周波数側へ変動すると、
光強度に減衰が与えられるので、光強度波形の歪みが補
正された光信号出力35が得られる。
の歪んだ光信号33が、光周波数が負に変動した場合に
光強度の減衰を与える光周波数弁別器34に入力され
る。これにより、光信号がオンとなる時に負の光周波数
チャープの影響で光周波数が低周波数側へ変動すると、
光強度に減衰が与えられるので、光強度波形の歪みが補
正された光信号出力35が得られる。
【0036】ここで、光周波数弁別器34としては、マ
ッハツェンダ型光フィルタ、誘電体干渉膜光フィルタ、
アレイ導波路格子型光フィルタ等を用いることができ
る。そのうち、マッハツェンダ型光フィルタは、その光
周波数弁別特性が急峻ではないので、光周波数弁別器の
設定精度に対する要求条件が緩い、という特徴がある。
以下では、光周波数弁別器34としてマッハツェンダ型
光フィルタを用いた場合について、より具体的に説明す
る。
ッハツェンダ型光フィルタ、誘電体干渉膜光フィルタ、
アレイ導波路格子型光フィルタ等を用いることができ
る。そのうち、マッハツェンダ型光フィルタは、その光
周波数弁別特性が急峻ではないので、光周波数弁別器の
設定精度に対する要求条件が緩い、という特徴がある。
以下では、光周波数弁別器34としてマッハツェンダ型
光フィルタを用いた場合について、より具体的に説明す
る。
【0037】この場合、マッハツェンダ型光フィルタの
透過中心光周波数は、入力光33の光周波数が負に変動
した時、光強度に減衰を与えるように設定しておく。よ
り好ましくは、図4に示すように、入力光33の中心光
周波数fが、透過中心光周波数fpの低周波側へ自由ス
ペクトル範囲(FSR)Δfの4分の1周期だけシフト
した点fp−Δf/4と一致するように、透過中心光周
波数を設定しておく。ここで、FSRとは、隣接する次
数に対応する透過ピークの周波数間隔のことをいう。こ
れは、マッハツェンダ型光フィルタでは、その点で光周
波数変動に対する減衰量変化が最大となるからである。
透過中心光周波数は、入力光33の光周波数が負に変動
した時、光強度に減衰を与えるように設定しておく。よ
り好ましくは、図4に示すように、入力光33の中心光
周波数fが、透過中心光周波数fpの低周波側へ自由ス
ペクトル範囲(FSR)Δfの4分の1周期だけシフト
した点fp−Δf/4と一致するように、透過中心光周
波数を設定しておく。ここで、FSRとは、隣接する次
数に対応する透過ピークの周波数間隔のことをいう。こ
れは、マッハツェンダ型光フィルタでは、その点で光周
波数変動に対する減衰量変化が最大となるからである。
【0038】この波形の歪みは、前述したように、光信
号がオフになる時に比べてオンとなる時に顕著に現れる
ので、入力光33の光周波数が正に変動した場合は減衰
を与える必要はない。従って、本発明の構成では、従来
の図1の構成とは異なり、狭帯域の光周波数フィルタを
用いる必要はなく、また、光周波数フィルタの設定精度
に対する要求条件も緩い、という特徴がある。
号がオフになる時に比べてオンとなる時に顕著に現れる
ので、入力光33の光周波数が正に変動した場合は減衰
を与える必要はない。従って、本発明の構成では、従来
の図1の構成とは異なり、狭帯域の光周波数フィルタを
用いる必要はなく、また、光周波数フィルタの設定精度
に対する要求条件も緩い、という特徴がある。
【0039】また、本発明の構成は、光周波数フィルタ
を用いていない図2の構成に比べて、入力光強度が大き
い場合でも光強度波形の歪んでいない光信号が得られる
ので、広い入力光強度に亘って使用できる、という特徴
がある。
を用いていない図2の構成に比べて、入力光強度が大き
い場合でも光強度波形の歪んでいない光信号が得られる
ので、広い入力光強度に亘って使用できる、という特徴
がある。
【0040】本発明に用いられる電界吸収型半導体光強
度変調器、光周波数チャープ制御器、光周波数弁別器
は、そのうちの連続する2つあるいは3つ全てを同一の
半導体基板上に集積化して用いることもできる。
度変調器、光周波数チャープ制御器、光周波数弁別器
は、そのうちの連続する2つあるいは3つ全てを同一の
半導体基板上に集積化して用いることもできる。
【0041】一般に、個別の光部品間の接続には光ファ
イバが用いられるが、半導体光部品は光ファイバとの接
続損失が大きいため、2つの半導体光部品を同一の基板
上に集積化することにより、接続損失を低減できるとい
う利点がある。
イバが用いられるが、半導体光部品は光ファイバとの接
続損失が大きいため、2つの半導体光部品を同一の基板
上に集積化することにより、接続損失を低減できるとい
う利点がある。
【0042】以下、光周波数チャープ制御器と光周波数
弁別器とを同一の基板上に集積化する場合について、よ
り具体的に説明する。
弁別器とを同一の基板上に集積化する場合について、よ
り具体的に説明する。
【0043】図5(a)は、個別の光周波数チャープ制
御器41及び光周波数弁別器42を光ファイバ43で接
続した場合の構成である。また、図5(b)は、いずれ
も半導体光導波路により構成された光周波数チャープ制
御器44及び光周波数弁別器45を、半導体の選択成長
により、同一の半導体基板46上に形成した場合の構成
である。
御器41及び光周波数弁別器42を光ファイバ43で接
続した場合の構成である。また、図5(b)は、いずれ
も半導体光導波路により構成された光周波数チャープ制
御器44及び光周波数弁別器45を、半導体の選択成長
により、同一の半導体基板46上に形成した場合の構成
である。
【0044】図5(b)の構成では、図5(a)の構成
に比べて、半導体光部品と光ファイバとの接続点を2個
減らすことができる。これにより、半導体光部品と光フ
ァイバとの接続に伴う損失を削減し、大きな出力光強度
を得ることができる。
に比べて、半導体光部品と光ファイバとの接続点を2個
減らすことができる。これにより、半導体光部品と光フ
ァイバとの接続に伴う損失を削減し、大きな出力光強度
を得ることができる。
【0045】本発明は、波長多重光通信システムにおい
て、波長の異なる複数の光信号に対して用いることもで
きる。その場合、波長の異なる複数の光信号の各々に対
して、図3の構成を用いることもできるが、図6に示す
ような構成を用いることもできる。図6の構成を用いた
場合、1個の光周波数弁別器によって、波長の異なる複
数の光信号の光強度波形の歪みを同時に補正することが
できるという特徴がある。
て、波長の異なる複数の光信号に対して用いることもで
きる。その場合、波長の異なる複数の光信号の各々に対
して、図3の構成を用いることもできるが、図6に示す
ような構成を用いることもできる。図6の構成を用いた
場合、1個の光周波数弁別器によって、波長の異なる複
数の光信号の光強度波形の歪みを同時に補正することが
できるという特徴がある。
【0046】図6の構成では、波長の異なるN個の光信
号51が各々、入力光のオン・オフ時に半導体光増幅媒
質中で起こる電子キャリア密度変動により誘起された位
相変調を利用したN個の光周波数チャープ制御器52に
入力される。光周波数チャープ制御器52から出力され
た波長の異なるN個の光信号53は、1個の波長合波器
54により合波され、波長多重された光信号55として
1個の光周波数弁別器56に入力される。
号51が各々、入力光のオン・オフ時に半導体光増幅媒
質中で起こる電子キャリア密度変動により誘起された位
相変調を利用したN個の光周波数チャープ制御器52に
入力される。光周波数チャープ制御器52から出力され
た波長の異なるN個の光信号53は、1個の波長合波器
54により合波され、波長多重された光信号55として
1個の光周波数弁別器56に入力される。
【0047】ここで、光周波数弁別器56は、波長の異
なるN個の光信号の全てに対して、光周波数が負に変動
した場合に出力光強度の減衰を与えるように設定してお
く。これにより、信号がオンとなる時に負の光周波数チ
ャープの影響で光周波数が低周波数側へ変動すると光強
度に減衰が与えられるので、波長多重されたN個の光信
号の全ての光強度波形の歪みが補正された光信号出力5
7が得られる。
なるN個の光信号の全てに対して、光周波数が負に変動
した場合に出力光強度の減衰を与えるように設定してお
く。これにより、信号がオンとなる時に負の光周波数チ
ャープの影響で光周波数が低周波数側へ変動すると光強
度に減衰が与えられるので、波長多重されたN個の光信
号の全ての光強度波形の歪みが補正された光信号出力5
7が得られる。
【0048】以下では、光周波数弁別器56としてマッ
ハツェンダ型光フィルタを用いた場合について、より具
体的に説明する。
ハツェンダ型光フィルタを用いた場合について、より具
体的に説明する。
【0049】N個の光信号51の中心光周波数が等間隔
の場合には、図7(a)に示すように、マッハツェンダ
型光フィルタのFSRが、光信号の中心光周波数間隔と
等しくなるように設定しておく。あるいはマッハツェン
ダ型光フィルタのFSRの整数倍が光信号の中心光周波
数間隔と等しくなるように設定しておいても良い。これ
により、N個の光信号の全てに対して同等の光周波数弁
別特性が与えられ、波長多重されたN個の光信号の全て
に対して同時に光強度波形の歪みが補正された光信号出
力が得られる。
の場合には、図7(a)に示すように、マッハツェンダ
型光フィルタのFSRが、光信号の中心光周波数間隔と
等しくなるように設定しておく。あるいはマッハツェン
ダ型光フィルタのFSRの整数倍が光信号の中心光周波
数間隔と等しくなるように設定しておいても良い。これ
により、N個の光信号の全てに対して同等の光周波数弁
別特性が与えられ、波長多重されたN個の光信号の全て
に対して同時に光強度波形の歪みが補正された光信号出
力が得られる。
【0050】N個の光信号51の中心光周波数が不等間
隔であり、中心光周波数の間隔が或る光周波数グリッド
の整数倍になっている場合には、図7(b)に示すよう
に、マッハツェンダ型光フィルタのFSRが光信号の中
心光周波数間隔と等しくなるように設定しておく。ある
いはマッハツェンダ型光フィルタのFSRの整数倍が光
信号の光周波数グリッドと等しくなるように設定してお
いても良い。これにより、N個の光信号の全てに対して
同等の光周波数弁別特性が与えられ、波長多重されたN
個の光信号の全てに対して同時に光強度波形の歪みが補
正された光信号出力が得られる。
隔であり、中心光周波数の間隔が或る光周波数グリッド
の整数倍になっている場合には、図7(b)に示すよう
に、マッハツェンダ型光フィルタのFSRが光信号の中
心光周波数間隔と等しくなるように設定しておく。ある
いはマッハツェンダ型光フィルタのFSRの整数倍が光
信号の光周波数グリッドと等しくなるように設定してお
いても良い。これにより、N個の光信号の全てに対して
同等の光周波数弁別特性が与えられ、波長多重されたN
個の光信号の全てに対して同時に光強度波形の歪みが補
正された光信号出力が得られる。
【0051】本発明を波長多重光通信システムにおける
波長の異なる複数の光信号に対して用いる場合、図6の
構成において、N個の光周波数チャープ制御器52を波
長合波器54と共通の基板上に集積化することもでき
る。共通の基板上に集積化することにより、回路全体を
小型化できるという特徴がある。図8に、その構成例を
示す。
波長の異なる複数の光信号に対して用いる場合、図6の
構成において、N個の光周波数チャープ制御器52を波
長合波器54と共通の基板上に集積化することもでき
る。共通の基板上に集積化することにより、回路全体を
小型化できるという特徴がある。図8に、その構成例を
示す。
【0052】図8において、半導体光増幅媒質からなる
N個の光周波数チャープ制御器61が、石英系光導波路
からなるアレイ導波路格子型波長合波器62と共通のシ
リコン基板63上に集積化されている。ここで、N個の
光周波数チャープ制御器61は同一の半導体基板上に形
成することもできる。この場合は、N個の光周波数チャ
ープ制御器61を一括してシリコン基板63上に搭載す
ることができるので、作製工程が簡略化できるという特
徴がある。
N個の光周波数チャープ制御器61が、石英系光導波路
からなるアレイ導波路格子型波長合波器62と共通のシ
リコン基板63上に集積化されている。ここで、N個の
光周波数チャープ制御器61は同一の半導体基板上に形
成することもできる。この場合は、N個の光周波数チャ
ープ制御器61を一括してシリコン基板63上に搭載す
ることができるので、作製工程が簡略化できるという特
徴がある。
【0053】さらに、光強度変調回路においては、N個
の電界吸収型半導体光強度変調器も、N個の光周波数チ
ャープ制御器及び波長合波器と共通の基板上に集積化す
ることもできる。これにより、回路全体を小型化できる
という特徴がある。
の電界吸収型半導体光強度変調器も、N個の光周波数チ
ャープ制御器及び波長合波器と共通の基板上に集積化す
ることもできる。これにより、回路全体を小型化できる
という特徴がある。
【0054】さらに、N個の電界吸収型半導体光強度変
調器とN個の光周波数チャープ制御器のうちの一部また
は全てを同一の半導体基板上に形成することもできる。
この場合は、複数の半導体光部品を基板上に一括して搭
載することができるので、作製工程が簡略化できるとい
う特徴がある。
調器とN個の光周波数チャープ制御器のうちの一部また
は全てを同一の半導体基板上に形成することもできる。
この場合は、複数の半導体光部品を基板上に一括して搭
載することができるので、作製工程が簡略化できるとい
う特徴がある。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0056】外部光変調器として電界吸収型半導体光変
調器を用いて、光周波数193.10THzの連続光を
信号速度2.5Gb/s、223−1擬似ランダムパター
ンで符号化した。この光信号の光強度波形を図9(a)
に示す。この光信号の瞬時光周波数を測定したところ、
信号がオンとなる時に光周波数が約4GHz高周波数側
へ変動していることがわかった。
調器を用いて、光周波数193.10THzの連続光を
信号速度2.5Gb/s、223−1擬似ランダムパター
ンで符号化した。この光信号の光強度波形を図9(a)
に示す。この光信号の瞬時光周波数を測定したところ、
信号がオンとなる時に光周波数が約4GHz高周波数側
へ変動していることがわかった。
【0057】この光信号を、3dB利得飽和となる入力
光強度が−9dBmの半導体光増幅器に平均光強度−2
dBmで入力した。この時、半導体光増幅器からの出力
光では信号がオンとなる時の光周波数変動量が低周波数
側へ約8GHzであり、正の光周波数チャープが負の光
周波数チャープに変換されていることがわかった。しか
し、図9(b)に示すように、光強度波形には歪みが起
こっていた。
光強度が−9dBmの半導体光増幅器に平均光強度−2
dBmで入力した。この時、半導体光増幅器からの出力
光では信号がオンとなる時の光周波数変動量が低周波数
側へ約8GHzであり、正の光周波数チャープが負の光
周波数チャープに変換されていることがわかった。しか
し、図9(b)に示すように、光強度波形には歪みが起
こっていた。
【0058】この光信号を、FSRが200GHzの石
英平面光波回路(PLC)型マッハツェンダ型光フィル
タに入力した。マッハツェンダ型光フィルタは基板温度
を調整することにより、透過中心光周波数を193.1
5THzに設定した。この時、信号光周波数193.1
0THzにおける挿入損失は、3dBの原理損失を含ん
で4dBであった。マッハツェンダ型光フィルタからの
出力光は、図9(c)に示すように光強度波形の歪みが
補正されていた。
英平面光波回路(PLC)型マッハツェンダ型光フィル
タに入力した。マッハツェンダ型光フィルタは基板温度
を調整することにより、透過中心光周波数を193.1
5THzに設定した。この時、信号光周波数193.1
0THzにおける挿入損失は、3dBの原理損失を含ん
で4dBであった。マッハツェンダ型光フィルタからの
出力光は、図9(c)に示すように光強度波形の歪みが
補正されていた。
【0059】以上の構成により、光強度波形と光周波数
チャープがともに良好な光信号を得ることができた。こ
の光信号を、シングルモード光ファイバ(SMF)を用
いて3段の線形中継で320km伝送したところ、符号
誤り率10-9時の受信感度は−40dBmであり、伝送
後のパワーペナルティは2dBであった。
チャープがともに良好な光信号を得ることができた。こ
の光信号を、シングルモード光ファイバ(SMF)を用
いて3段の線形中継で320km伝送したところ、符号
誤り率10-9時の受信感度は−40dBmであり、伝送
後のパワーペナルティは2dBであった。
【0060】これに対して、半導体光増幅器を用いず
に、外部光変調器からの光信号を、直接SMFに入力し
た場合には、1段の線形中継でl60km伝送後にエラ
ーフロアが見られ、伝送後のパワーペナルティは7dB
であった。
に、外部光変調器からの光信号を、直接SMFに入力し
た場合には、1段の線形中継でl60km伝送後にエラ
ーフロアが見られ、伝送後のパワーペナルティは7dB
であった。
【0061】さらに、半導体光増幅器への入力光強度を
変化させて同様の実験を行ったところ、平均入力光強度
−15dBmから+5dBmの広い範囲にわたって、パ
ワーペナルティの増大は見られなかった。
変化させて同様の実験を行ったところ、平均入力光強度
−15dBmから+5dBmの広い範囲にわたって、パ
ワーペナルティの増大は見られなかった。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
容易に光周波数チャープを制御でき、かつその許容入力
光強度範囲の広い光周波数チャープ制御回路を実現する
ことができる。また、該光周波数チャープ制御回路を備
えたことにより、優れた伝送特性を有する光強度変調回
路を実現することができる。これらの光周波数チャープ
制御回路及び光強度変調回路は、光通信及び光情報処理
の分野で広く利用することができる。
容易に光周波数チャープを制御でき、かつその許容入力
光強度範囲の広い光周波数チャープ制御回路を実現する
ことができる。また、該光周波数チャープ制御回路を備
えたことにより、優れた伝送特性を有する光強度変調回
路を実現することができる。これらの光周波数チャープ
制御回路及び光強度変調回路は、光通信及び光情報処理
の分野で広く利用することができる。
【図1】従来の光周波数チャープ制御回路の一例を示す
図
図
【図2】従来の光周波数チャープ制御回路の他の例を示
す図
す図
【図3】本発明の光周波数チャープ制御回路の実施の形
態の一例を示す図
態の一例を示す図
【図4】図3の光周波数弁別器の透過中心光周波数の設
定の一例を示す図
定の一例を示す図
【図5】本発明の光周波数チャープ制御回路の実施の形
態の他の例を示す図
態の他の例を示す図
【図6】本発明の光周波数チャープ制御回路の実施の形
態のさらに他の例を示す図
態のさらに他の例を示す図
【図7】図6の光周波数弁別器の透過中心光周波数の設
定の一例を示す図
定の一例を示す図
【図8】本発明の光周波数チャープ制御回路の実施の形
態のさらに他の例を示す図
態のさらに他の例を示す図
【図9】光強度波形の一例を示す図
31,51:入力光信号、32,41,44,52,6
1:光周波数チャープ制御器、34,42,45,5
6:光周波数弁別器、35,57:出力光信号、43:
光ファイバ、46:半導体基板、54:波長合波器、5
5:波長多重された光信号、62:アレイ導波路格子型
波長合波器、63:シリコン基板。
1:光周波数チャープ制御器、34,42,45,5
6:光周波数弁別器、35,57:出力光信号、43:
光ファイバ、46:半導体基板、54:波長合波器、5
5:波長多重された光信号、62:アレイ導波路格子型
波長合波器、63:シリコン基板。
フロントページの続き (72)発明者 古賀 正文 東京都新宿区西新宿3丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内
Claims (12)
- 【請求項1】 光信号を光強度変調した際に生じる光周
波数チャープを制御する光周波数チャープ制御回路にお
いて、 入力光のオン・オフ時に半導体光増幅媒質中で起こる電
子キャリア密度変動により誘起された位相変調を利用し
た光周波数チャープ制御器と、 光周波数が負に変動した場合に出力光強度の減衰を与え
る光周波数弁別器とを備え、 光信号を光周波数チャープ制御器に入力し、該光周波数
チャープ制御器の出力光を光周波数弁別器に入力するこ
とを特徴とする光周波数チャープ制御回路。 - 【請求項2】 光周波数弁別器としてマッハツェンダ型
光フィルタを用いたことを特徴とする請求項1記載の光
周波数チャープ制御回路。 - 【請求項3】 光周波数チャープ制御器と光周波数弁別
器とが同一の半導体基板上に形成されてなることを特徴
とする請求項1または2記載の光周波数チャープ制御回
路。 - 【請求項4】 波長の異なるN個の光信号に対して光信
号を光強度変調した際に生じる光周波数チャープを制御
する光周波数チャープ制御回路において、 入力光のオン・オフ時に半導体光増幅媒質中で起こる電
子キャリア密度変動により誘起された位相変調を利用し
たN個の光周波数チャープ制御器と、 波長の異なるN値の光信号を合波する波長合波器と、 光周波数が負に変動した場合に出力光強度の減衰を与え
る光周波数弁別器とを備え、 N個の光信号をN個の光周波数チャープ制御器にそれぞ
れ入力し、該N個の光周波数チャープ制御器の出力光を
全て波長合波器に入力し、さらに該波長合波器の出力光
を光周波数弁別器に入力することを特徴とする光周波数
チャープ制御回路。 - 【請求項5】 N個の光周波数チャープ制御器が波長合
波器と共通の基板上に集積化されてなることを特徴とす
る請求項4記載の光周波数チャープ制御回路。 - 【請求項6】 光信号の強度を変調する光強度変調回路
において、 電界吸収型半導体光強度変調器と、 請求項1記載の光周波数チャープ制御回路とを備えた ことを特徴とする光強度変調回路。 - 【請求項7】 光信号の強度を変調する光強度変調回路
において、 電界吸収型半導体光強度変調器と、 請求項2記載の光周波数チャープ制御回路とを備えたこ
とを特徴とする光強度変調回路。 - 【請求項8】 電界吸収型半導体光強度変調器が光周波
数チャープ制御器と同一の半導体基板上に形成されてな
ることを特徴とする請求項6または7記載の光強度変調
回路。 - 【請求項9】 光信号の強度を変調する光強度変調回路
において、 電界吸収型半導体光強度変調器と、 請求項3記載の光周波数チャープ制御回路とを備えたこ
とを特徴とする光強度変調回路。 - 【請求項10】 電界吸収型半導体光強度変調器が光周
波数チャープ制御回路と同一の半導体基板上に形成され
てなることを特徴とする請求項9記載の光強度変調回
路。 - 【請求項11】 波長の異なるN個の光信号の強度を変
調する光強度変調回路において、 N個の電界吸収型半導体光強度変調器と、 請求項4または5記載の光周波数チャープ制御回路とを
備えたことを特徴とする光強度変調回路。 - 【請求項12】 N個の電界吸収型半導体光強度変調器
及びN個の光周波数チャープ制御器が波長合波器と共通
の基板上に集積化されてなることを特徴とする請求項1
1記載の光強度変調回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35530097A JPH11183857A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 光周波数チャープ制御回路及びこれを用いた光強度変調回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35530097A JPH11183857A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 光周波数チャープ制御回路及びこれを用いた光強度変調回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11183857A true JPH11183857A (ja) | 1999-07-09 |
Family
ID=18443122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35530097A Pending JPH11183857A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 光周波数チャープ制御回路及びこれを用いた光強度変調回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11183857A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013149949A (ja) * | 2011-12-21 | 2013-08-01 | Sumitomo Electric Device Innovations Inc | 半導体光増幅器の制御方法及び測定方法、並びに半導体光増幅装置 |
US10298332B2 (en) | 2016-10-27 | 2019-05-21 | Sumitomo Electric Device Innovations, Inc. | Method of controlling semiconductor optical device that includes semiconductor optical amplifier |
-
1997
- 1997-12-24 JP JP35530097A patent/JPH11183857A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013149949A (ja) * | 2011-12-21 | 2013-08-01 | Sumitomo Electric Device Innovations Inc | 半導体光増幅器の制御方法及び測定方法、並びに半導体光増幅装置 |
US10298332B2 (en) | 2016-10-27 | 2019-05-21 | Sumitomo Electric Device Innovations, Inc. | Method of controlling semiconductor optical device that includes semiconductor optical amplifier |
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Legal Events
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040629 |