JPH11181699A - 喫煙物品用巻紙 - Google Patents

喫煙物品用巻紙

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JPH11181699A
JPH11181699A JP34310897A JP34310897A JPH11181699A JP H11181699 A JPH11181699 A JP H11181699A JP 34310897 A JP34310897 A JP 34310897A JP 34310897 A JP34310897 A JP 34310897A JP H11181699 A JPH11181699 A JP H11181699A
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JP
Japan
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pulp
sidestream smoke
wrapping paper
paper
freeness
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JP34310897A
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English (en)
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Atsunari Hanada
淳成 花田
Tomoaki Ogawa
智亮 小川
Takeo To
健夫 塘
Kazuko Takeda
和子 武田
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Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】副流煙低減のための填料または添加物を使用す
ることなく、あるいは使用したとしても填料または添加
物の配合量または添加量を増加させることなく副流煙を
低減し得る喫煙物品用巻紙を提供する。 【解決手段】副流煙が低減される程度に高い叩解度で叩
解されたパルプ、換言すれば副流煙が低減される程度に
ろ水度が低いパルプで構成された巻紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、喫煙物品用巻紙に
関する。
【0002】
【従来の技術】たばこの喫煙に際して、たばこからは、
たばこ本体を通じて喫煙者により吸引される主流煙、お
よび、火が付いたたばこの先端部から立ち上がる副流煙
が発生する。
【0003】かかる副流煙量を低減するために、次のよ
うな填料を配合しまたは添加剤を添加した喫煙物品用巻
紙が提案されている。例えば、特開昭63−87967
号公報には、巻紙1m2 当たり約8m2 の外周表面を有
し、かつ、約15重量%のアルカリ金属塩を含有する添
加剤を添加した喫煙物品の包装用ウエブが記載されてい
る。
【0004】特開平1−1l2974号公報には、水酸
化アルミニウム、水酸化カルシウム等の無機金属塩を巻
紙に添加した喫煙物が記載されている。特開平2−15
6877号公報には、硫酸カルシウム、酒石酸カルシウ
ムを1〜50重量%を巻紙に添加した喫煙物が開示され
ている。
【0005】特開平3−43068号公報には、BET
法での表面積が20〜80m2 /gの炭酸カルシウム3
0〜40%、燃焼化学剤2〜10%、リン酸モノアンモ
ニウム0〜l%、ナトリウムカルボキシメチルセルロー
ス0〜1%を含有する巻紙が記載されている。
【0006】特開平3−180597号公報には、外周
表面積が20m2 /g以上の炭酸カルシウムを30重量
%と、コハク酸、マロン酸等の有機酸を0.5〜12重
量%添加した喫煙物品用巻紙が開示されている。
【0007】さらに、特開平5−279994号公報に
は、粒径が0.15μm以下の炭酸カルシウムの立方体
状一次粒子が凝集してなる炭酸カルシウムの二次粒子
と、セルロースベースウエブとを含有する喫煙物品用巻
紙が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のような副流煙低
減技術は、いずれも副流煙の低減のために通常の巻紙で
は使用されない種類の填料または添加物を配合または添
加したり、多量に填料または添加物を配合または添加し
ている。このため、巻紙のコストが上昇する不都合があ
る。また、これらの填料や添加物は、たばこの香喫味に
少なからず影響を与えることが予想されるために、香喫
味に影響を与えない範囲に配合量および添加量を抑える
必要がある場合がある。このような場合、副流煙の低減
効果を高めるために、填料および添加物の配合量および
添加量を単純に多くすることはできない。
【0009】また、同様に、填料や添加物を多量に配合
または添加することにより、巻紙に要求されるその他の
特性、すなわち、巻紙の光学特性並びに紙巻きたばこの
燃焼性および灰特性が悪化することも考えられる。以上
のような課題を解決するために、填料または添加物の使
用以外の副流煙の低減技術が望まれている。
【0010】すなわち、本発明は、副流煙低減のための
填料または添加物を使用することなく、あるいは、使用
したとしても填料または添加物の配合量または添加量を
増加させることなく副流煙を低減できる喫煙物品用巻紙
を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決すべく鋭意研究した結果、填料が未配合であり
かつ添加物も未添加である場合、パルプの叩解度が高い
ほど巻紙の副流煙量を低減できることを見出した。ま
た、填料および/または添加物が配合・添加されている
ときであっても、填料の配合量および添加物の添加量が
同一の場合には、パルプの叩解度が高いほど巻紙の副流
煙量を抑制できることを見出した。本発明は、この知見
に基づく。
【0012】すなわち、本発明は、第1の側面におい
て、副流煙が低減される程度に高い叩解度で叩解された
パルプで構成されていることを特徴とする喫煙物品用巻
紙を提供する。
【0013】ところで、パルプの叩解度が高いほど、こ
れに対応してパルプのろ水度は低下する。すなわち、パ
ルプのろ水度が低い方が副流煙低減効果が高い。このパ
ルプろ水度は一般にカナダ標準ろ水度試験器で測定され
る。
【0014】そこで、本発明は、第2の側面において、
副流煙が低減される程度にカナダ標準ろ水度が低いパル
プで構成されていることを特徴とする喫煙物品用巻紙を
提供する。
【0015】さらにまた、本発明者らは、パルプの叩解
度が高い程(CSFが低下する程)、それに対応して、
抄紙された巻紙製品における特定の大きさの細孔の合計
容積が低下することを見出した。
【0016】すなわち、本発明は、第3の側面におい
て、水銀圧入法で測定して1μm〜30μmの範囲内の
孔径を有する細孔の合計容積が0.25m3 /g以下で
あることを特徴とする喫煙物品用巻紙を提供する。
【0017】なお、本発明の喫煙物品用巻紙は、いずれ
も、填料が配合されていてもよいし、添加物が添加され
ていてもよい。添加・配合する填料および/または添加
物は、副流煙低減効果のあるものであってもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明の喫煙用巻紙に用いられるパ
ルプは特に限定されないが、亜麻パルプ、N−BKPま
たはL−BKPのような木材パルプ、大麻、ちょ麻、黄
麻、ケナフ等の草本靭皮パルプ、マニラ麻、ザイザル麻
などの葉繊維パルプ、わら、エスパルト等の禾本科植物
パルプ、木綿、リンター等の種毛繊維パルプ等の一般的
に巻紙に使用されるものである。
【0019】上にも述べたように、本発明者らは、使用
するパルプの叩解度が高いほど、それに対応して、当該
パルプから抄紙された巻紙製品を用いた喫煙物品からの
副流煙量が低減することを見出したものである。従っ
て、本発明に基づき、副流煙低減剤(副流煙低減性填料
および/または添加物)を含有しない通常のシガレット
巻紙の叩解度よりも高い程度に叩解したパルプを用いて
抄紙した巻紙を用いることにより、当該通常のシガレッ
ト巻紙を用いるよりも副流煙量が低減される。また、同
一量の副流煙低減剤を配合・添加した場合でも、本発明
に基づきより高い程度に叩解したパルプから抄紙した巻
紙を用いることにより、そうでない巻紙よりもより一層
副流煙量が低減される。換言すると、従来の副流煙低減
巻紙と同等の副流煙低減効果を得るためには、本発明の
巻紙に配合・添加する副流煙低減剤の量は従来よりも一
層減少させることができる。
【0020】ところで、パルプの叩解度を表す指標の一
つとしてパルプのろ水度があり、パルプのろ水度の一つ
としてカナダ標準ろ水度(CSF)が挙げられる。CS
Fは、日本工業規格(JIS)・P8121で規定され
た紙のろ水度測定法に従って測定された値である。カナ
ダ標準ろ水度の他に、ジョッパーリグラー法がJISで
規定されている。
【0021】CSFは、より具体的には、カナダ標準ろ
水度試験器でパルプ懸濁液(濃度0.3%、1000m
l)の瞬間的な脱水性を測定した値である。パルプの叩
解が進むと脱水性が悪くなり、CSFが低下する。従っ
てCSFは叩解の程度を示す指標として用いられる。
【0022】また、このような叩解の程度を示す指標で
あるCSFは、叩解されたパルプから抄紙された巻紙製
品における細孔構造と相関関係があることがわかった。
すなわち、パルプの叩解度が高い程(CSFが低下する
程)、抄紙された巻紙製品における特定の大きさの細孔
の合計容積が低下するのである。本発明において、当該
細孔は、1μm以上、30μm以下の大きさを有する細
孔であって、水銀圧入法によって測定されるものであ
る。水銀圧入法は、それ自体既知のように、測定試料の
空隙内に水銀を圧入し、その時の圧力と、空隙に圧入さ
れた水銀の容積とから細孔の分布を求める方法であっ
て、粒子、多孔体の分析に用いられている一般的な方法
である。本発明において、抄紙された巻紙製品における
測定対象たる細孔の大きさを1μm〜30μmとしたこ
とにより、より小さい粒子径を有するたばこ巻紙用の填
料等の影響を受けることがなく(通常の填料は、一般
に、副流煙低減効果を有するものであるか否かにかかわ
りなく、いずれも1μmよりも十分に小さい径を有す
る)、また巻紙の表面の粗さ(凹凸)の影響も受けるこ
とがない。従来通常の巻紙は、このような細孔の合計容
積は0.4m3 /g以上(細孔比表面積にして0.5m
2 /g以上)であり、本発明に従いさらに叩解度を高め
ることにより、この細孔の合計容積(以下、単に、細孔
容積ということがある)を0.25m3 /g以下とする
ことにより明確な副流煙低減効果が達成される。
【0023】本発明の喫煙物品用巻紙は、パルプを叩解
した後に抄紙することにより得られる。パルプの叩解は
通常の方法に従って行われる。すなわち、例えば、ビー
ターや、円錐型リファイナー、ドラム型リファイナー、
ディスクリファイナー等を用いて、離解し水に懸濁させ
た原料パルプ繊維に、機械的な処理を施すことにより、
パルプの叩解が行われる。
【0024】本発明の喫煙物品用巻紙は、巻紙の特性や
紙巻きたばこの特性を改善するための填料が配合されて
いてもよい。例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、
タルク、炭酸マグネシウムまたは有機系の合成填料等で
ある。
【0025】また、本発明の喫煙物品用巻紙は、巻紙の
特性や紙巻きたばこの特性を改善するための添加物が添
加されていてもよい。例えば、クエン酸、酒石酸、コハ
ク酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸塩、炭酸塩、硝酸塩等
である。
【0026】また、本発明の喫煙物品用巻紙は、副流煙
低減効果のある填料または添加物が配合または添加され
ていてもよい。この場合、同量の填料または添加物であ
っても、パルプの叩解度が高い、すなわちパルプのろ水
度が低い方が副流煙低減効果が高い。副流煙低減効果の
ある填料としては、例えば、水酸化マグネシウム、酸化
マグネシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。副流煙
低減効果のある添加物としては、リン酸アンモニウム、
リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ヘキサメタリン酸
ナトリウム等のリン酸塩、塩化アルミニウム、塩化ナト
リウム等の塩化物、また、カルボキシメチルセルロー
ス、デンプン等が挙げられる。
【0027】なお、巻紙を除くシガレットの仕様を同じ
とした場合、本発明の喫煙物品用巻紙は、通常の巻紙
(坪量20〜30g/m3 、炭酸カルシウム填料(平均
粒径約0.2〜0.5μm)15〜40重量%配合、細
孔容積0.4m3 /g以上)と比べると、当該炭酸カル
シウムを配合しない状態で、少なくとも30%の副流煙
低減率を達成することができる。本発明の喫煙物品用巻
紙は、上記炭酸カルシウムを通常巻紙と同程度に配合し
た場合でも、通常巻紙に対して有意(15%以上)の副
流煙低減率を達成し得る。
【0028】
【実施例】以下、本発明の喫煙物品用巻紙の副流煙低減
効果を確認するために行った実験について説明する。な
お、以下の実験において、ろ水度の測定は、以下の方法
により行った。
【0029】<ろ水度の測定方法>亜麻パルプおよび巻
紙用木材パルプは通常の製紙用パルプと比較して著しく
ろ水性が悪く、カナダ標準法に準じたろ水度測定は困難
である。そこで、パルプ懸濁液の濃度をカナダ標準法で
規定される0.3%から0.1%に下げ、さらに測定器
のろ水筒下部に取り付けられた小穴のあいたプレートを
80メッシュのメッシュプレートに変更して測定し、こ
の値をCSFとした。この測定方法は、1gワイヤー法
として製紙業界の当業者に知られている。
【0030】実験1 未叩解の亜麻パルプおよび叩解された亜麻パルプを用意
した。これらのパルプのろ水度(CSF)は、下記表1
に示すように、それぞれ220および80であった。こ
れらのパルプをそれぞれTAPPI標準型手抄き抄紙機
で抄紙して試験用巻紙1−1および1−2を得た。
【0031】実験2 木材パルプとしてグランドプレーリー(針葉樹晒クラフ
トパルプ;N−BKP)であって叩解度が異なる3種を
用意した。3種類の木材パルプのろ水度(CSF)は、
下記表1に示すように、それぞれ419、352および
256であった。これらの3種類の木材パルプをそれぞ
れTAPPI標準型手抄き抄紙機で抄紙して試験用巻紙
2−1〜2−3を得た。
【0032】実験3 未叩解の亜麻パルプを、ダブルディスクリファイナーに
7、8および9回(リファイナー処理回数)通して叩解
した3種類のパルプを得た。これらのパルプのろ水度
(CSF)は、下記表1に示すように、それぞれ17
8、150および131であった。これらのパルプに、
副流煙低減効果のある、一次粒子が立方体状であって
0.03〜0.15μmの粒径を有する炭酸カルシウム
(以下、微粒子径炭酸カルシウムという)を、抄紙後の
巻紙全体に対して10重量%の配合率で配合した。この
後、これらのパルプをそれぞれTAPPI標準型手抄き
抄紙機で抄紙して試験用巻紙3−1〜3−3を得た。
【0033】<試験用シガレットの製造>実験1〜3で
得た8種の試験用巻紙を用いて、市販たばこ用刻みを下
記の条件で巻き上げてシガレットを製造した。
【0034】長さ:59mm 円周:25mm 巻重量:0.695g
【0035】<1本当たりの副流煙量の測定>上述の各
試験用シガレットについて、巻重量が0.695±0.
02gで、かつ、巻通気抵抗が平均値±5mmH2 Oの
ものを選別した後、副流煙中のタール量をフィッシュテ
ール法に従って測定した。すなわち、図1に示すよう
に、喫煙器11に試験用シガレット12を装着し、標準
喫煙条件(35cc/2秒間、1分当たり1回吸引、残
り時間58秒間静止)で燃焼長40mmまで燃焼させ
た。その間、フィッシュテール型捕集器13を用いて3
リットル/分で副流煙を吸引し、フィッシュテール型捕
集器13の吸引方向の先端部に備えられたケンブリッジ
フィルター(直径44mm)14の重量変化を測定して
ケンブリッジフィルター14上に付着した副流煙中の粒
子相成分の重量を算出した。一方、ケンブリッジフィル
ター14上およびフィッシュテール型捕集器13の内壁
に付着した粒子相成分を各々溶媒抽出して、吸光度を測
定した。得られた各吸光度の比と、先に算出したケンブ
リッジフィルター14上に付着した副流煙中の粒子相成
分の重量の値から、フィッシュテール型捕集器13の内
壁に付着した粒子相成分の重量を算出した。ケンブリッ
ジフィルター14上に付着した副流煙中の粒子相成分の
重量と、フィッシュテール型捕集器13の内壁に付着し
た粒子相成分の重量とを加算したものを、シガレット1
本当たりの副流煙量(mg/cig)とした。また、通常の市
販巻紙を使用して上記と同様に巻き上げたシガレットを
対照品として、各試験用たばこの1本当たりの副流煙の
低減率(%)を求めた。これらの結果を表1に併記す
る。また、実験1〜3の結果に基づいてパルプのろ水度
および巻紙の副流煙低減率の関係を示す特性図を図2に
示す。
【0036】
【表1】
【0037】以上の結果から、実験1については、表1
および図2から明らかなように、未叩解の亜麻パルプを
用いた試験用巻紙1−1よりも、叩解した亜麻パルプを
用いた試験用巻紙1−2の方が副流煙低減率が高かっ
た。言い換えれば、未叩解の亜麻パルプよりも叩解され
てろ水度が低くなった亜麻パルプの方が副流煙低減率が
高かった。この結果から亜麻パルプを叩解してろ水度を
低くすることにより副流煙低減効果が高くなることが確
認された。
【0038】また、実験2については、表1および図2
から明らかなように、試験用巻紙2−1〜2−3は、ろ
水度が低くなるほど副流煙低減率が高くなっている。こ
の結果から、木材パルプのろ水度が低くなるほど、言い
換えれば木材パルプの叩解度が高くなるほど副流煙低減
効果が高くなることが確認された。
【0039】実験3は、副流煙低減効果のある填料であ
る微粒子径炭酸カルシウムを亜麻パルプに同量配合した
ときにパルプの叩解度を変更した場合である。この場合
にも、表1および図2から明らかなように、試験用巻紙
3−1〜3−3は、リファイナー処理回数を多くしてパ
ルプの叩解度を高めるほど、すなわちパルプのろ水度が
低くなるほど副流煙低減率が高くなっている。この結果
から、副流煙低減効果がある填料の配合量を増加させる
ことなく、パルプの叩解度を高くする、言い換えればパ
ルプのろ水度を低くすることにより副流煙低減効果がよ
り高くできることが確認された。
【0040】なお、表1において、未叩解パルプから抄
紙された巻紙試料1−1について対照に比べて19.5
%の副流煙低減率が示されているが、これは、白色度・
不透明度付与、燃焼促進等のため通常の巻紙(対照)に
含まれている平均粒子径0.3μm程度の炭酸カルシウ
ムの影響によると考えられる。
【0041】実験例4 ろ水度74に叩解された巻紙製造用亜麻パルプ試料を3
つ用意した。このうち、2つの叩解亜麻パルプ試料をパ
ルプ濃度10重量%、ウエットパルプ重量300gの条
件でラボ試験器であるPFIミルによりPFIミルの回
転数を変えてさらに叩解した。PFIミルで処理した2
つのパルプ試料のろ水度は、下記表2に示すように、そ
れぞれ、48および38であった。
【0042】PFIミルで処理しなかったパルプ試料お
よびPFIミルで処理した2つのパルプ試料から実験1
〜3と同様の手法によりそれぞれ巻紙を抄紙して試験用
巻紙4−1〜4−3を得た。
【0043】実験例5 ろ水度74に叩解された巻紙製造用亜麻パルプ試料を3
つ用意した。このうち、2つの叩解亜麻パルプ試料をパ
ルプ濃度10重量%、ウエットパルプ重量300gの条
件でラボ試験器であるPFIミルによりPFIミルの回
転数を変えてさらに叩解した。PFIミルで処理した2
つのパルプ試料のろ水度は、下記表2に示すように、そ
れぞれ、48および38であった。PFIミルで処理し
なかったパルプ試料およびPFIミルで処理した2つの
パルプ試料に、それぞれ、副流煙低減効果を有する立方
体微粒子径炭酸カルシウム(平均粒子径0.05μm)
を巻紙中に10重量%(通常巻紙と同等レベル)配合さ
れるように添加した。
【0044】これら3種のパルプ試料から実験1〜3と
同様の手法によりそれぞれ巻紙を抄紙して試験用巻紙5
−1〜5−3を得た。 実験例6 ろ水度74に叩解された巻紙製造用亜麻パルプ試料を3
つ用意した。このうち、2つの叩解亜麻パルプ試料をパ
ルプ濃度10重量%、ウエットパルプ重量300gの条
件でラボ試験器であるPFIミルによりPFIミルの回
転数を変えてさらに叩解した。PFIミルで処理した2
つのパルプ試料のろ水度は、下記表2に示すように、そ
れぞれ、48および38であった。PFIミルで処理し
なかったパルプ試料およびPFIミルで処理した2つの
パルプ試料に、それぞれ、通常の巻紙に配合されている
紡錘体炭酸カルシウム(平均粒子径0.3μm)を巻紙
中に25%(通常巻紙と同等レベル)配合されるように
添加した。
【0045】これら3種のパルプ試料から実験1〜3と
同様の手法により巻紙を抄紙して試験用巻紙6−1〜6
−3を得た。 <細孔容積等の測定>上記実験4〜6で得られた各試験
用巻紙について、島津製作所(株)製オートポア922
0型水銀圧入細孔分布測定装置を用い、孔径1μm〜3
0μmの範囲内の細孔の合計細孔容積、細孔比表面積、
平均細孔径および水銀圧入退出比について測定した。結
果を表2に併記する。表2には、対照である通常シガレ
ットの通常巻紙についての測定結果も示されている。ま
た、実験4〜6におけるパルプのろ水度と上記合計細孔
容積・細孔比表面積との関係を図3に示す。
【0046】
【表2】
【0047】<試験用シガレットの製造>実験4〜6で
得た9種の試験用巻紙を用いて、市販たばこ用刻みを上
に述べた条件で巻き上げてシガレットを製造した。得ら
れた各シガレットについて、上記と同様の条件で1本当
りの副流煙量および上記対照シガレットに対するその低
減率、燃焼時間、並びに時間当たりの副流煙量および対
照シガレットに対するその低減率を測定した。結果を下
記表3に示す。また、巻紙の細孔合計細孔容積と副流煙
量(TPM:総粒子状物質)との関係を図4に示す。
【0048】
【表3】
【0049】表2および図3に示す結果から、叩解度が
高く(ろ水度が低く)なるにつれ、細孔容積が小さくな
り、細孔比表面積も小さくなり、反面、平均細孔径は大
きくなる傾向にあることがわかる。しかも、填料配合の
有無に拘わらずそれらの値はほぼ同じであることから、
孔径が1ないし30μmの範囲内の細孔を測定すると、
添加した填料の影響を受けないことも確認された。
【0050】また、表3および図4に示す結果から、巻
紙の細孔容積が小さくなるにつれ、副流煙低減率が高く
なることもわかる。また、表3に示される試料6−2、
6−3に関する結果からもわかるように、本発明の巻紙
は、通常の巻紙と同等レベルの紡錘体炭酸カルシウムを
配合した場合でも、通常巻紙に対して有意の副流煙低減
率を示す。
【0051】これらの結果から、実験1〜3において述
べたと同様、副流煙低減効果がある填料の配合量を増加
させることなく、パルプの叩解度を高くする、言い換え
れば巻紙製品の細孔容積を小さくすることにより副流煙
低減効果がより高くできることが確認された。
【0052】実験7 実験4〜6で得た各試験用巻紙に助燃剤としてクエン酸
ナトリウムとクエン酸カリウムとの重量比7:3の混合
物を各試験用巻紙に対して2重量%(通常使用される量
と同等レベル)の割合となるように添加し、この助燃剤
添加巻紙を用いて上記条件でシガレットを製造した。得
られた各シガレットについて、上記と同様の条件で1本
当りの副流煙量および対照シガレットに対するその低減
率、燃焼時間、並びに時間当たりの副流煙量および対照
シガレットに対するその低減率を測定した。結果を下記
表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】表4に示す結果から、副流煙低減効果を有
する添加剤を配合した場合でも、細孔容積と副流煙量と
の関係は、表3および図4に示す関係と同様であり、従
って、副流煙低減効果がある填料の配合量を増加させる
ことなく、パルプの叩解度を高くする、言い換えれば巻
紙製品の細孔容積を小さくすることにより副流煙低減効
果がより高くできることが確認された。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の喫煙物品
用巻紙は、いずれも、填料または添加物を配合または添
加することなく副流煙を低減できるという効果を奏し、
従って巻紙のコストを削減できるとともに、副流煙低減
効果のある填料または添加物を配合または添加している
場合にも、その配合量または添加量を増加させることな
く副流煙をより低減できる。これにより、填料または添
加物の増加による巻紙およびたばこの特性への悪影響を
受けずに、副流煙をより低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を確認するための実験に用いた副
流煙中のタール量を測定するための装置を示す説明図。
【図2】実験1〜3におけるパルプのろ水度および巻紙
の副流煙低減率の関係を示す特性図。
【図3】実験4〜6におけるパルプのろ水度と巻紙の細
孔容積との関係を示す特性図。
【図4】実験4〜6における巻紙の細孔容積と副流煙低
減率の関係を示す特性図。
【符号の説明】
11…喫煙器 12…紙巻たばこ 13…フィッシユテール型捕集器 14…ケンブリッジフィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 和子 神奈川県横浜市青葉区梅が丘6−2 日本 たばこ産業株式会社たばこ中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 副流煙が低減される程度に高い叩解度で
    叩解されたパルプで構成されていることを特徴とする喫
    煙物品用巻紙。
  2. 【請求項2】 副流煙が低減される程度に低いろ水度を
    有するパルプで構成されていることを特徴とする喫煙物
    品用巻紙。
  3. 【請求項3】 水銀圧入法で測定して1μm〜30μm
    の範囲内の孔径を有する細孔の合計容積が0.25m3
    /g以下であることを特徴とする喫煙物品用巻紙。
  4. 【請求項4】 填料が配合されている請求項1ないし3
    のいずれか1項記載の喫煙物品用巻紙。
  5. 【請求項5】 填料が、副流煙低減効果を有する請求項
    4記載の喫煙物品用巻紙。
  6. 【請求項6】 添加物が添加されている請求項1ないし
    5のいずれか1項記載の喫煙物品用巻紙。
  7. 【請求項7】 添加物が、副流煙低減効果を有する請求
    項6記載の喫煙物品用巻紙。
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