JPH11180781A - 炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法及び炭素繊維強化炭素複合材料 - Google Patents

炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法及び炭素繊維強化炭素複合材料

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JPH11180781A
JPH11180781A JP9350901A JP35090197A JPH11180781A JP H11180781 A JPH11180781 A JP H11180781A JP 9350901 A JP9350901 A JP 9350901A JP 35090197 A JP35090197 A JP 35090197A JP H11180781 A JPH11180781 A JP H11180781A
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carbon fiber
composite material
softening point
high softening
pitch powder
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JP9350901A
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Akira Asari
明 浅利
Tetsuro Tojo
哲朗 東城
Toshiji Hiraoka
利治 平岡
Tadayoshi Ando
忠義 安藤
Fumiaki Yokoyama
文昭 横山
Hiroaki Koyama
博章 小山
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Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程の省略による短納期が可能であり、優れ
た性能を有する炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法を
提供する。 【解決手段】 炭素繊維織布と高軟化点ピッチ粉末を主
成分とするマトリックスの積層体を形成する第1工程
と、前記積層体を熱圧成形して熱圧成形体とする第2工
程と、前記熱圧成形体に最終熱処理を施す第3工程と、
を含んでなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維を補強材
とし炭素をマトリックスとしたC/C材コンポジットと
呼ばれる炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法及び炭素
繊維強化炭素複合材料に関し、特に製造工程の簡略化を
可能にするものに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のC/Cコンポジット材は、宇宙
往還機等のノーズキャップやリーディングエッジ等、航
空機,競技車両,高速列車,重量車両等のブレーキ、熱
処理炉用の炉内構造材,棚板,トレイ,ヒータ,ボルト
等、半導体製造用のインナーシールド,ロアーリング,
アッパーリング等の炉内部品、金属加工用の高温治具や
耐磨耗性治具、ガラス製造用のデッドプレート,テイク
アウトトング,スタッカーバー等の治具に用いられ、そ
の用途は一般工業用にも広がりつつある。
【0003】さらに、一般工業用にC/Cコンポジット
材を拡販するためには、短納期、低コストを実現する製
法が求められるようになっていているが、一般的な製法
はレジンチャー法である。
【0004】
【発明を解決しようとする課題】このレジンチャー法に
よるC/Cコンポジット材は、炭素繊維に熱硬化性樹脂
を塗工する工程、熱圧成形工程、焼成工程、ピッチ含浸
(または樹脂含浸)と含焼(焼結と同じ)による緻密化
工程、黒鉛化工程を経て製造される。特に緻密化工程に
おけるピッチ含浸と含焼とは3〜4回繰り返されるた
め、製造に日数がかかるという問題点があった。
【0005】また、特開平3−205360号公報に説
明されているように、通常の炭素繊維は熱硬化性樹脂と
の接着力を向上させるために表面処理を施し、官能基を
生成させている。しかし、この官能基を有する炭素繊維
でC/Cコンポジットを製造した場合、炭素繊維とマト
リックスが過度に結合する境界ができ、その境界で亀裂
が発生し、更にその亀裂が進展することにより、界面は
もとより層間が剥離する現象が発生する。また亀裂の進
展の過程でマトリックスと炭素繊維が強固に結合してい
るために、小さな亀裂でも容易に炭素繊維を切断してし
まう現象が発生する。そこで特開平3−205360号
公報の発明は、非表面処理炭素繊維を用いることを提案
しているが、非表面処理炭素繊維とするために、予め不
活性雰囲気中1500℃以上の温度で表面処理炭素繊維
を熱処理し、炭素繊維表面に生成された官能基(カルボ
キシル基,カルボニル基,水酸基,アミノ基等)を分解
除去してから使用することになり、熱処理工程が余分に
必要となってしまう。
【0006】また、一般的なレジンチャー法では、熱硬
化性樹脂が一度溶融してポアの非常に少ないマトリック
スを形成するため焼成時に層間剥離やクラックの発生が
多く、その使用量を増やすには限界があった。C/Cコ
ンポジットの製造において、高密度化を容易にするため
には、成形体を焼成する際になるべく収縮率を高め、か
さ比重の焼成体を得ることが必要である。このため高い
収縮率を示すマトリックス物質が必要であるが、前述し
たように熱硬化性樹脂の増量には限界がある。
【0007】そこで、本発明は、今までの製造方法にお
けるコストアップの原因及び納期延長の原因を見い出
し、工程の省略による短納期が可能であり、優れた性能
を有する炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マトリッ
クスとして熱硬化性樹脂と同等の収縮力を持ち、揮発物
が少なくて増量しやすく、焼成も容易な高軟化点ピッチ
粉末の使用に着目した。但し、高軟化点ピッチ粉末は熱
履歴温度が高く、成形性を賦与するには高温加熱してそ
れ自体を軟化、変形させる必要があるため、高温成形法
を併用することにして本発明を完成したものである。
【0009】前述した知見を基礎にした請求項1の発明
は、炭素繊維織布と高軟化点ピッチ粉末を主成分とする
マトリックスの積層体を形成する第1工程と、前記積層
体を熱圧成形して熱圧成形体とする第2工程と、前記熱
圧成形体に最終熱処理を施す第3工程とを含んでなる炭
素繊維強化炭素複合材料の製造方法である。
【0010】ただし、このような高軟化点ピッチ粉末は
微粉末であって取り扱いにくい。そこで、請求項2の発
明のように、請求項1において、前記第1工程は、熱可
塑性樹脂のシートに前記高軟化点ピッチ粉末を挟んだシ
ート成形体を形成する第1−1工程と、前記シート成形
体と前記炭素繊維織布を積層した積層体とする第1−2
工程とを含んでなるにすることが好ましい。
【0011】この場合、マトリックスは高軟化点ピッチ
粉末が主成分となり、高軟化点ピッチ粉末を包み込むた
めに最小限の熱可塑性樹脂が用いられる。シート成形体
のうちで高軟化点ピッチ粉末が占める比率は重量で70
%以上にすることが好ましい。30%を越える熱可塑性
樹脂を加えると高温成形時に発泡するからである。
【0012】高軟化点ピッチ粉末を主成分とするマトリ
ックスのシート成形体を炭素繊維と積層して熱圧成形す
ると、高温高圧になって高軟化点ピッチ粉末が軟化す
る。軟化した高軟化点ピッチ粉末は炭素繊維の隙間に入
る。そのため、得られた熱圧成形体は高密度なものにな
り、持っている気孔も小さくなる。そのため、必要に応
じて行われる適宜ピッチ含浸による高密度化を最小限に
止めることができる。このように優れた特性を有する高
軟化点ピッチ粉末であるため、その使用量を増大させ
て、マトリックスの全体に対する重量比を製品におい
て、70%以上更には80%以上に高めることができ
る。このように比率が高められたマトリックスの殆どが
高軟化点ピッチ粉末であり、高価の炭素繊維の使用比率
を下げることが可能になる。
【0013】熱可塑性樹脂は、熱圧成形による高温高圧
によって軟化して液状となり、炭素繊維織布内に含浸さ
れ、炭素繊維織布同士の大きな隙間には高軟化点ピッチ
粉末が入り込むことと相まって、機械的強度を向上する
とともに、見かけ密度を上げる。また、熱可塑性樹脂は
高温高圧化で軟化して液状となるため、表面処理によっ
て活性基を有する炭素繊維との結合力が高くても、最終
熱処理で液化し、炭素繊維を傷つけたり、マトリックス
部分に大きなクラックが発生しない。熱可塑性樹脂は一
般に残炭率が低く、このため焼成工程で炭素繊維と熱可
塑性樹脂の間で強固な結合が形成される割合が減少し、
炭素繊維の亀裂の進展も最小限に止めることができる。
【0014】以上の第1工程を図1により説明する。第
1工程は、熱可塑性樹脂フィルム(S1)の間に高軟化
点ピッチ粉末(S2)を挟んでシート状に成形(S3)
してシート成形体を得るための第1−1工程と、シート
形成体(S3)と炭素繊維織布(S4)の各々を裁断
(S5)して、交互に積層(S6)する第1−2工程と
からなる。
【0015】ここで、高軟化点ピッチ粉末は200℃以
上で350℃以下の軟化点を有するものである。このよ
うな高軟化点ピッチ粉末はメソフェーズ又は生コークス
粉末と呼ばれるものであり、高温高圧で互いに引っつく
性質がある。すなわち、揮発分を有しており、この揮発
分が拡散し更に収縮することにより、マトリックスとし
ての機能を果たすものである。揮発分は粒子径と逆比例
の関係にあることから、8〜15ミクロンのメソフェー
ズを用いることが好ましい。
【0016】熱可塑性樹脂は前記高軟化点ピッチ粉末よ
り低い融点を有するものが使用される。このような熱可
塑性樹脂としては、低温で溶融し炭化率の低いものが良
く、例えばフィルム状とすることが容易なポリエチレ
ン、ポリプロピレン等が例示できる。シートに成形する
具体例として、熱可塑性樹脂フィルムの間に高軟化点ピ
ッチ粉末を挟んで、加熱しながら圧着させる方法があ
る。すなわちシート成形は、熱ロール成形等の圧延によ
り行われる。すなわち、それ自体が取り扱いにくい高軟
化点ピッチ粉末が熱可塑性樹脂フィルムに挟み込まれ、
適宜裁断等で所望の大きさのシートにして、炭素繊維織
布と積層する自動化が可能になる。また、炭素繊維織布
は、PAN系、ピッチ系またはレーヨン系の炭素繊維の
平織り、朱子織り等の織物が使用できる。この一般的な
炭素繊維織布の製法が図3に示される。図3において、
炭素繊維(S21)に活性化のための表面処理(S2
2)が施され、更にサイジング剤としてエポキシ樹脂被
覆(S23)を経て、製織(S24)され、炭素繊維織
布(S25)となる。
【0017】また、前記熱圧形成体は、所定温度に加熱
できる金型を有するホットプレスで得る。高温で軟化す
る高軟化点ピッチ粉末(メソフェーズ、生コークス粉
末)は、軟化点以上の高温の熱圧成形により軟化し低い
成形圧力でも高い成形密度が得られるため、上述した熱
可塑性樹脂と相性がよい。このような機能を果たす熱圧
成形には、熱板間のサンドイッチ成形、熱板付き金型に
よる金型成形、特に高温まで加熱できる金型を有するホ
ットプレスなどがある。特に、ホットプレスは高軟化点
ピッチ粉末を軟化させ、炭素繊維の織目や大きな気孔に
軟化した高軟化点ピッチ粉末を押し込むのに有効であ
る。このホットプレスは、高軟化点ピッチ粉末を高圧下
で軟化させるために、高軟化点ピッチ粉末の軟化点プラ
ス20°C以上に加熱できる金型を有するものが好まし
い。
【0018】また、請求項3の発明は、請求項1又は2
において、前記最終熱処理は焼成行程を含み、この焼成
行程は、前記熱圧成形体の周囲を囲いながら2〜15g
/cm 2 の応力下で行われるものである。前記熱圧形成体
は、酸化による不融化処理を経ること無く焼成すること
が可能である。この場合、層間剥離等を生じさせないた
めに、2〜15g/cm2 の範囲内にある層方向の応力下
で焼成を行う。2g/cm2 未満であると層間剥離等の欠
陥が発生し、15g/cm2 を越えるとピッチの流出が多
くなる。また、2〜15g/cm2 という最小限の応力で
あっても、多少のピッチの流出が見られるので、前記熱
圧成形体の周囲を囲える治具を用い、層方向のみ可動な
治具に重しを載せて加熱することが好ましい。
【0019】また、請求項4の発明は、請求項1又は2
において、第3工程の前記最終熱処理は、焼成工程と、
この焼成に続く黒鉛化工程とからなるものである。ま
た、請求項5の発明は、請求項1又は2において、第3
工程の前記最終熱処理は、焼成工程と、含浸と含焼のそ
れぞれ一回からなる緻密化工程と、黒鉛化工程とからな
るものである。面倒な緻密化工程を省くか又は最小限に
する。図1の熱圧成形時(S7)、圧力をかけたまま高
温にすると、高軟化点ピッチ粉末が軟化し、軟化した高
軟化点ピッチ粉末が炭素繊維の隙間に入る。そのため、
得られた成形体は高密度なものになり、持っている気孔
も小さい。このため、ピッチ含浸による高密度化を最小
限に止めることが可能になるのである。
【0020】第3工程は最終熱処理を行う工程であり、
必要な特性に応じて処理の程度が異なる。図1の場合で
は、マトリックスである熱硬化性樹脂を炭化するための
焼成(S8)と、黒鉛化処理(S9)だけであり、ピッ
チ含浸と含焼とを繰り返す緻密化処理が省略されてい
る。なお、黒鉛化処理(S9)には、必要に応じてハロ
ゲンガスと金属不純物とを反応させて取り除く高純度化
処理が黒鉛化処理と一部並行又は別に行われることがあ
る。また用途によっては、黒鉛化処理(S9)も省き、
焼成(S8)までの場合もある。
【0021】図2は最終熱処理の焼成(S8)と黒鉛化
処理(S9)との間に緻密化処理を介在させたものであ
る。この緻密化処理は、ピッチ含浸(S81)と焼成と
同じ意味である含焼(S82)とからなるものの、ピッ
チ含浸(S81)と含焼(S82)とが一回限りになっ
ている。図1や図2のように最終熱処理を簡略化できる
のは、前述したように、マトリックスとして高軟化点ピ
ッチ粉末を主成分として用いたことによる。また必要に
応じて、熱可塑性樹脂の層を炭素繊維織布と自己焼結性
炭素粉との間に介在させることにより焼成時に炭素繊維
が傷むのを防止している。すなわち、自己焼結性炭素粉
と炭素繊維との間の熱可塑性樹脂は緩衝層としての役割
を果している。
【0022】このような製造方法による炭素繊維強化炭
素複合材料は、強度が高い割りには、炭素繊維の体積含
有率を下げることができる。すなわち、曲げ強さが80
0kg/cm2 以上、1200kg/cm2 以下の強度を有
するような炭素繊維強化炭素複合材料であって、炭素繊
維の体積含有率Vfを35%以下、30%以上とするこ
とが可能になった。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 〔実施例1〕強化炭素繊維クロスとしてPAN系高強度
炭素繊維の6k平繊クロスを用い、300×300mm
に裁断した。平均10μmで軟化点が280℃の高軟化
点ピッチ粉末をポリエチレンフィルムの上に均一に散布
し、その上からポリエチレンフィルムで覆う。その後、
加熱ロール成形機の間を通してシート状に成形し、厚さ
0.5mmの樹脂シート成形体を得た。この成形体に占
めるポリエチレン比率は20重量%であった。このシー
ト成形体を300×300mmに裁断し、市販の炭素繊
維織布20枚と前記樹脂シート成形体20枚を交互に重
ね合わせ、熱盤ホットプレス装置で300°C、10k
g/cm2 の加熱加圧条件で成形したところ、多少の樹
脂のわき出しが見られたが厚さ12mmの成形体が得ら
れた。この成形体に重りを載せて荷重を加えて5g/cm
2 の応力下とし、昇温速度10℃/Hrにて1000℃
まで焼成した。このとき成形体から溶融ピッチが流出し
やすいため成形体とほぼ同じ高さの壁を有する治具を成
形体の周囲に配置しておくと、歩留まりのよい炭化が実
現できた。この結果、焼成後かさ密度1.40,曲げ強
さ800kg/cm2 のC/Cコンポジットが得られ
た。更に常法によりピッチ含浸焼成を一回行った後、2
000°にて黒鉛化すると、かさ密度1.55,Vfを
35%,曲げ強さ1200kg/cm2 のC/Cコンポ
ジットが得られた。
【0024】〔実施例2〕実施例1に示される原料を用
い、成形方法だけを変更した。成形方法として300×
300mmの大きさの金型内に20枚の炭素繊維織布と
20枚の樹脂シート成形体を交互に積層したものを入
れ、300°C,10kg/cm2 で成形したところ、
厚さ13mmの成形体が得られた。この成形体を実施例
1と同方法で焼成したところ、かさ密度1.35、曲げ
強さ750kg/cm2 のC/Cコンポジットが得られ
た。更に同様に含浸焼成、黒鉛化を行ったところ、実施
例1のC/Cコンポジットより厚さは約1mm厚いが、
かさ密度1.5,Vf34%,曲げ強さ1150kg/
cm2 のほぼ同等のC/Cコンポジットが得られた。
【0025】〔比較例1〕実施例1に示される炭素繊維
織布にフェノール樹脂(液状)を浸漬含浸させた後、絞
りローラにて樹脂量を35mass%に調整した。更に
揮発分調整するために一晩風乾後、70°Cに加熱した
オーブン中で2時間乾燥させた。手触りもドライとなっ
たプリプレグシートを300×300mmに裁断して4
0枚積層し、熱圧プレスにて200°C、50kg/c
2 で成形したところ、厚さ11mmの成形体を得た。
この成形体を実施例1と同方法で焼成したところ、かさ
密度1.3,曲げ強さ450kg/cm2 で固くてもろ
い感じのC/Cコンポジットが得られた。この後、ピッ
チ含浸焼成黒鉛化を行って、かさ密度は1.4となった
が、曲げ強さは600kg/cm2 にしかならなかっ
た。炭素繊維と熱硬化性樹脂の濡れ性が良いと密度、強
度も発現しないことがわかった。
【0026】なお、上述した実施例と比較例の成形品の
かさ密度と曲げ強さの対比が表1に示される。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】以上の説明したように、請求項1記載の
発明によると、高軟化点ピッチ粉末が炭素織布の織目や
大きな気孔に押し込まれ、マトリック自体の収縮が大き
いため、緻密化工程を省略したり、緻密化工程を最小限
にすることができ、更に炭素繊維織布の表面の活性化を
下げるための熱処理も省くことができ、これら工程の省
略によって短納期で安価なC/Cコンポジット材を提供
することができるという効果を奏する。
【0029】請求項2の発明によると、請求項1の効果
に加えて、通常のディップ方式の樹脂塗工に比べ、炭素
繊維織布と樹脂シート成形体を別々に取り扱うことがで
きるためハンドリングが容易になるという効果を奏す
る。また、このように高軟化点ピッチ粉末入りのシート
を使用することにより、マトリックス部分を簡単に増量
することができ、高価な炭素繊維の使用割合が減って安
価なC/Cコンポジット材を容易に提供できる。また、
熱可塑性樹脂が炭素繊維と高軟化点ピッチ粉末の間で緩
衝層としての役割を果たし、焼成時に炭素繊維が傷むこ
とを防止することができる。また、熱可塑性樹脂は一般
に残炭率が低く、このため焼成工程で炭素繊維と熱可塑
性樹脂との間で強固な結合が形成される割合も減少し、
炭素繊維の亀裂の進展も最小限にとどめることができ
る。
【0030】請求項3の発明によると、請求項1又は2
の効果に加えて、緻密なマトリックス組成を維持しつ
つ、ピッチの流出を抑えるという効率的且つ高性能の焼
成ができるという効果を奏する。
【0031】請求項4の発明によると、請求項1又は2
の効果に加えて、緻密化工程を省略でき、短納期で安価
なC/Cコンポジット材を提供できる。
【0032】請求項5の発明によると、請求項1又は2
の効果に加えて、緻密化工程を最低限にでき、短納期で
安価なC/Cコンポジット材を提供できる。
【0033】請求項6の発明によると、強度の割りに
は、高価な炭素繊維の使用量を抑えた安価なC/Cコン
ポジット材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の炭素繊維強化炭素複合材料の特に熱可
塑性樹脂を使用した場合の製造工程図である。
【図2】最終熱処理の他の製造工程図である。
【図3】炭素繊維織布の製造工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 忠義 香川県三豊郡大野原大字中姫2181−2 東 洋炭素株式会社内 (72)発明者 横山 文昭 香川県三豊郡大野原大字中姫2181−2 東 洋炭素株式会社内 (72)発明者 小山 博章 香川県三豊郡大野原大字中姫2181−2 東 洋炭素株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維織布と高軟化点ピッチ粉末を主
    成分とするマトリックスの積層体を形成する第1工程
    と、 前記積層体を熱圧成形して熱圧成形体とする第2工程
    と、 前記熱圧成形体に最終熱処理を施す第3工程と、 を含んでなる炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1工程は、 熱可塑性樹脂のシートに前記高軟化点ピッチ粉末を挟ん
    だシート成形体を形成する第1−1工程と、 前記シート成形体と前記炭素繊維織布を積層した積層体
    とする第1−2工程とを含んでなる炭素繊維強化炭素複
    合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記最終熱処
    理は焼成行程を含み、この焼成行程は、前記熱圧成形体
    の周囲を囲いながら2〜15g/cm2 の応力下で行われ
    る炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、前記最終熱処
    理は、焼成工程と、この焼成に続く黒鉛化工程とからな
    る炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2において、前記最終熱処
    理は、焼成工程と、含浸と含焼のそれぞれ一回からなる
    緻密化工程と、黒鉛化工程とからなる炭素繊維強化炭素
    複合材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 炭素繊維織布と高軟化点ピッチ粉末を主
    成分とするマトリックスとから形成され、前記炭素繊維
    布の全体に占める体積比率が35%以下であって、曲げ
    強さが800kg/cm2 以上である炭素繊維強化炭素複
    合材料。
JP9350901A 1997-12-19 1997-12-19 炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法及び炭素繊維強化炭素複合材料 Pending JPH11180781A (ja)

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