JPH11179575A - 光加工機及びそれを用いたオリフィスプレートの製造方法 - Google Patents

光加工機及びそれを用いたオリフィスプレートの製造方法

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JPH11179575A
JPH11179575A JP9363689A JP36368997A JPH11179575A JP H11179575 A JPH11179575 A JP H11179575A JP 9363689 A JP9363689 A JP 9363689A JP 36368997 A JP36368997 A JP 36368997A JP H11179575 A JPH11179575 A JP H11179575A
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Hitoshi Tachikawa
仁 立川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コヒーレント光を用いて被加工物にパターン
を高精度に微細加工する光加工機及びそれを用いたオリ
フィスプレートの製造方法を得ること。 【解決手段】 光源から放射された光でマスク面上に設
けたパターンを照明し、該パターンを光学系によって加
工物に投影し、アブレーション加工するようにした光加
工機において、該加工物面上に投影される該マスクのパ
ターン像の位置と該加工物との相対的位置を変えて該加
工物上を複数の領域に分けて分割加工していること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光加工機及びそれ
を用いたオリフィスプレートの製造方法に関し、特に光
源からの光束を所定のパターン形状を有するマスクを介
して加工物に照射し、該加工物に、例えば複数の開口を
配列した周期構造のパターンを物理的に微細加工し、イ
ンクジェット方式のプリンタに使用するオリフィスプレ
ート等を製造する際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】エキシマレーザ等からのコヒーレント光
を利用した光加工は、他の化学反応応用加工や、機械的
加工物等と共に広い分野で利用されている。特に、近年
の技術革新により、材料,光学技術,生産技術等の要件
が整い、微細加工の分野でコヒーレント光を利用した光
加工法が盛んに用いられるようになってきた。光加工機
としてオリフィスプレートの製造をマスク投影方式でレ
ーザ加工にて行う光加工機が種々と提案されている。
【0003】図10は従来のマイクロマシン光加工機の
光学系の概略図である。同図の光加工機は基板103に
周期的な穴や溝等を光加工して穿孔している場合を示し
ている。
【0004】図10において104はレーザ光である。
101はマスクであり、その面上には複数の開口部を所
定の周期で配列したマスクパターン101aを形成して
いる。102は投影レンズ、103は加工物(基板)で
あるサンプルである。レーザ光100はマスク101の
パターン101aに基づいて加工形状に切り出される。
このレーザ光は、投影レンズ102で幾何光学的に、サ
ンプル103に所定倍率にて結像され、マスク101の
パターン101aの形状をサンプル103に光加工して
いる。
【0005】このようなコヒーレント光を用いた光加工
の種類として、光加工原理が熱による溶解や燃焼によら
ず、また、レジストと他のプロセスを組み合わせたリソ
グラフィによるパターニングなどとも異なり、光エネル
ギー自体による原子、分子結合の切断により加工を行う
アブレーション加工と呼ばれる方法がある。
【0006】アブレーション加工は、熱プロセスよりも
微細な加工ができること、レジストプロセスよりも簡便
であること等により、主にプラスチック加工等の分野に
おいて成果をあげている。
【0007】主な光は紫外線であり、この紫外線は各種
エキシマレーザや窒素レーザ等の気体レーザ、Ndレー
ザ等の固体レーザの高調波、Arレーザや銅蒸気レーザ
等の放電励起気体レーザの高調波、色素レーザやチタン
−サファイアレーザ等波長可変レーザの高調波等を利用
して得ている。
【0008】将来的には半導体レーザや、その高調波
等、または、自由電子レーザやシンクロトロン放射光な
ど従来より工業利用が困難であった光源の利用まで期待
されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図10で示す光加工機
で加工物103上にパターンを非熱的なアブレーション
加工で行うとき、加工物103上に熱が全く発生しない
わけではない。
【0010】図9は本発明者が考える熱の発生の概念図
である。アブレーション加工においては推定されるだけ
でも熱の発生しない原因として、照明光97が加工物9
6に入射したときの (ア-1) 光解離時の反作用91 (ア-2) 光学系の収差や光の回折による、加工に寄与しな
い、加工閾値以下の光照射位置92からの発生 (ア-3) 加工斜面(テーパ)93による加工閾値以下の光
の吸収 (ア-4) 加工片(デブリ)94の再衝突や落下 (ア-5) 加工片95や、ラジカル、放電プラズマ等による
光の吸収、散乱等が考えられる。尚、98は照明光97
の光強度分布の曲線を示している。
【0011】これらにより、加工物は光加工の際の照射
量に即して、徐々に熱膨張する。そして部分的に溶融す
る等の不良が発生する。
【0012】特に、プラスチックは熱膨張率が高く、加
工中に大きく膨張するため、μm程度の加工において
は、膨張の寄与が無視できず、テーパの増加、パターン
幅増減、エッジ加工性の悪化等パターン転写性の劣化が
顕著である。これらの問題を解決するため、従来より次
に示す数々の対策が取られている。
【0013】(イ-1) 光学系の分解能の向上 光学系の分解能を向上させ、加工に寄与しない閾値以下
の光照射範囲を減少させれば、熱化するエネルギーが減
少し、加工テーパも減少するため、熱変形が減少する。
このため、エキシマレーザでも短波長であるArFエキ
シマレーザ(波長193nm)等を使用したり、光学系
のNAやNA比を向上させる、また幾何光学的な収差を
減少させる設計を行ったり、波動光学的マスキングやフ
ィルタリングを行ったりしている。しかし、この設計変
更には、多大な労力と、経費がかかり、期待される成果
の割りには、必ずしも効率的ではない場合が多い。
【0014】(イ-2) 大パワーの加工 光加工エネルギーを極端に増加させ、熱伝導現象が起き
る以前(〜ミリ秒以下)で光加工を終了させる手法があ
る。しかしながら、この手法はレーザエネルギーを向上
させるため、レーザ光源を巨大化するのにも、経費的、
技術的に限度があり、必ずしも現実的ではない。また、
エネルギーによっては、加工エッジの特性の劣化や、部
分溶融による転写性の悪化が発生する。
【0015】(イ-3) 短パルス光の利用 同じエネルギー照射でも、光パルスの時間幅が狭いほ
ど、電場が強い為、主に2格子吸収反応が支配的なアブ
レーション加工では効率が向上し、熱化が防げる。又、
プラズマや加工片等が発生する以前に、光吸収が終了す
るので、エネルギ散乱が少なくて済む効果も大きい。し
かしながら、短パルス光用のレーザは一般的に以下の欠
点を持っている。
【0016】(イ-3-1) パルスの総エネルギーが小さいこ
と (イ-3-2) 高価なこと (イ-3-3) 調整が困難で、扱いが不便なこと (イ-3-4) 加工用の結像光学系自体の寿命現象を招くこと (イ-3-5) 波長の自然広がりにより、色収差が拡大するこ
と 従って、将来的には期待されているが、特殊な用途にし
か、使用できない現状がある。
【0017】(イ-4) 冷却 光により発生した熱に相当する量だけ冷却すれば、膨張
や溶融が防げる。能動的に冷却するには、加工治具にペ
ルチェ素子など冷却媒体を使用したり、冷却した気体を
吹き付けたり、温度管理された箱に入れたりすることが
考えられる。受動的に冷却するためには、加工治具の熱
容量を大きくしたり、加工治具との接触面積を大きくし
たり、希ガスなど熱伝導率の高い気体中で加工すること
が考えられる。また、温度上昇分を見込んで、予め加工
物を冷却しておけば、熱膨張にる転写性の悪化を半減す
ることも可能である。しかし、μm程度の加工精度を求
める場合、温度安定性も1度以下が求められる場合が多
く、冷却しすぎても精度劣化を招く。総合的にインプロ
セス中に温度を制御することは、経済的にも技術的にも
困難が伴う場合が多い。
【0018】(イ-5) 材料の選択 加工する材料自体に熱伝導率の良いものや、熱膨張率の
低いものを用いたり、熱伝導の良いものや、熱膨張率の
低いものを材料に混合したり、熱伝導率の良い表面処理
をしたりすることも考えられる。また、表面積や、加工
治具に接触する面積を大きくして、熱の逃げ道を確保す
る設計も考えられる。しかしながら、これら材料や形状
の問題は、光加工とは関係ない問題で決定される場合が
多く、必ずしも適用できるとは限らない。
【0019】本発明は、レーザ光源からのレーザ光で照
明系によってマスク面上のパターンを照明し、該パター
ンを投影系で加工物に結像してアブレーション加工を行
う際に、加工条件を適切に設定することによって、熱膨
張や溶融による加工物の劣化や変形を防止し、加工物を
容易かつ高精度に光加工することができる光加工機及び
それを用いたオリフィスプレートの製造方法の提供を目
的とする。
【0020】
【課題を解決する為の手段】本発明の光加工機は、 (1-1) 光源から放射された光でマスク面上に設けたパタ
ーンを照明し、該パターンを光学系によって加工物に投
影し、アブレーション加工するようにした光加工機にお
いて、該加工物面上に投影される該マスクのパターン像
の位置と該加工物との相対的位置を変えて該加工物上を
複数の領域に分けて分割加工していることを特徴として
いる。
【0021】特に、 (1-1-1) 前記マスク面上のパターンは周期構造をしてお
り、前記加工物上を該周期的なパターンの配列方向に分
割加工していること。
【0022】(1-1-2) 前記マスク面上のパターンは周期
構造をしており、前記加工物上を該周期的なパターンの
配列方向と直交する方向に分割加工していること。
【0023】(1-1-3) 前記分割加工は、前記加工物の光
吸収による温度上昇に基づく熱的変化が許容される範囲
内で複数の領域に分割していること。
【0024】(1-1-4) 前記加工物に光加工されるパター
ンの形状は、周期的な円形開口又は溝状開口であるこ
と。等を特徴としている。
【0025】本発明のオリフィスプレートの製造方法
は、 (2-1) 構成(1-1) の光加工機を用いて前記マスク面上の
複数の開口を一方向に配列したパターンを基板上に転写
して、該基板上に複数の小孔を穿孔してオリフィスプレ
ートを製造したことを特徴としている。
【0026】本発明のバブルジェットプリンタは、 (3-1) 構成(1-1) の光加工機を用いて製造したオリフィ
スプレートを有していることを特徴としている。
【0027】(3-2) 構成(2-1) のオリフィスプレートの
製造方法により製造したオリフィスプレートを有してい
ることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は本発明の光加工機の実施形
態1の要部概略図である。図2は図1の加工物5の加工
進行に伴う断面形状の変化を示す説明図である。
【0029】本実施形態は加工物に平行溝(1つ1つの
溝の長さは極めて短い)をアブレーション加工(穿孔)
するものである。
【0030】尚、本実施形態においてアブレーション加
工とは、光エネルギーによる電子、分子結合の切断によ
って被加工物を加工することをいう。
【0031】図中、1は光源であり、例えばエキシマレ
ーザより成り、コヒーレント光を放射している。2は照
明光学系(照明系)であり、光源1からの光束を集光し
てマスク3を照明している。マスク3はその面上にオリ
フィスプレート等の加工物5を光加工する為のZ方向に
複数の透過スリット列3aを配置した周期構造のマスク
パターンを設けている。
【0032】4は投影レンズ(投影系)であり、マスク
3面上のマスクパターンを加工物5上に投影結像してい
る。尚、照明光学系2と投影レンズ4は通常は複数のレ
ンズより構成されているが、同図では便宜上1枚のレン
ズで示している。
【0033】本実施形態ではエキシマレーザ1により照
射された紫外領域のレーザ光で、照明光学系2により照
度分布を均一化にしてマスク3を照明している。マスク
3に刻まれた図2のようなパターン3aにより切り出さ
れた光は、投影レンズ4により所定の縮小率(通常5〜
10分の一)で加工物(サンプル)5上に投影し、加工
物5上にパターン3aの像を加工している。
【0034】通常は、マスク3面上のパターンには、加
工したいパターン幅に応じた幅で溝を刻むべきである
が、本実施形態では図2に示す如く、加工全幅より細い
線(ピッチの約1/6)より成る溝の集合体より構成し
ている。
【0035】次に、このマスク3で、溝のピッチ(周
期)の1/3程度の幅の溝を加工することを想定した原
理を説明する。
【0036】マスク3を利用して基板5に、まず初期位
置にて加工すると、加工した溝5aの断面形状は図3
(A)のようになる。光学系の分解能と光の散乱に依存
したテーパはやむを得ず形成される。この加工中、光の
照射量は加工全幅を一括加工の場合の約半分であり、基
板5の温度上昇は少ない。また加工表面積は広く放熱し
やすい。また精度が必要な部分は図3(A)の表面5b
だけであり、あの面は、溶融したり、膨張して位置精度
が出なくても問題はない。
【0037】この加工終了後、マスク3を図示されてい
ないステージにより加工ピッチの1/6だけ横方向に
(周期構造のパターンの配列方向)に移動して光を照射
すると、図3(B)に示すような溝5cの加工が開始さ
れる。
【0038】このとき、精度が必要なのは面5dだけで
あり、他の面は徐々にアブレーションされていく。発生
した熱は主に凸部5fを通って一旦、溝底部に到達して
から拡散していくので、一部に熱が集中したり、精度の
必要な面が過度に高温になる現象が避けられる。また表
面積が大きいので、雰囲気による冷却効果もある。
【0039】マスク3のパターン幅はテーパを考慮した
分、加工全幅の1/6より広く製作してオーバーラップ
するようにしてある為、加工残り5eは図3(c)の如
く僅少となる。なお、この実施形態ではマスク3を移動
して、加工メカニズムを説明したが、加工物5を等価な
量だけ移動しても、全く同一の効果を得ることができ
る。
【0040】実施形態1の特有の効果として以下の点が
ある。
【0041】(ウ-1) 同じマスクで複数回(本実施形態で
は2回)加工するのみで、その移動距離もパターン幅の
数分の一であるため、移動機構やマスク周辺の機器が複
雑化せず、かつ高速にマスクの移動ができる。
【0042】(ウ-2) 2回以上の複数回の分割を行うこと
も可能である。この場合、精度の必要なエッジ面(側面
5g,側面5d)の加工のみ、先行して行うことも可能
である。
【0043】(ウ-3) テーパの効果を予め見込んで加工域
を広げてあるため、溝底面の凸凹が少ない。
【0044】(ウ-4) 加工域を複数に分割することによ
り、光加工の熱膨張による形状精度の劣化を防止するこ
とができる。
【0045】(ウ-5) 加工光が照射される場所を限定する
ことにより、アブレーション加工時に発生した熱が加工
対象中を伝導する経路、及び熱が空間に伝導、放射する
表面積が確保できる。特に、近接した箇所に低温域を確
保しやすい為、熱の流量が増加し、冷却効率が向上す
る。
【0046】(ウ-6) ある部位が加工終了後、他の部分に
加工域が移動する為、加工終了の部位は冷えることがで
きる。このため全体の熱膨張や温度上昇は軽減される。
【0047】(ウ-7) 分割した分、単位時間に照射される
エネルギーが減少し、熱膨張や温度上昇が減少する。
【0048】(ウ-8) 形状内の一部を先に加工する為、他
の部位が熱伝導の為の体積や熱放射の為に利用される表
面積を持つことにより、温度上昇が軽減される。
【0049】(ウ-9) 加工部位が元々平面に近い場合、加
工終了後、表面積は一般に増加する。このため熱放射
や、空気への伝導に寄与する表面積が増加し、加工が進
行するに従って、冷却効率が向上する。
【0050】例えば、回折格子のような溝列を加工する
ことを考える。この溝の各々の、幅方向の右半分をまず
一括加工し、後から左半分を加工する。
【0051】又は、この溝を更に幅方向に10等分し、
その10等分した奇数番目を先に加工し、偶数番目を後
から加工する。又は、この溝の長手方向の半分を先に加
工し、もう半分を後から加工する。または、この溝を更
に長手方向に10等分し、奇数番目を先に、偶数番目を
後に加工する。これによって、前述した効果を得てい
る。
【0052】図4は本発明の実施形態2で用いるマスク
6の説明図である。本実施形態は実施形態1と同様の平
行溝を加工する場合である。本実施形態と実施形態1と
では図1のマスクのパターン形状が異なっており、又分
割加工する条件が異なっているだけであり、その他の構
成は同じである。
【0053】実施形態1では、光加工するときの分割加
工を溝の幅方向に行ったが、本実施形態では、溝を1つ
おきに加工することで、分割加工を実現している。図4
に示すマスク6において、溝の幅は加工から要求される
とおりの幅であるが、溝の本数は半分になり、従って溝
のピッチは倍になっている。
【0054】例えば100個の穴を開けるときはマスク
6で最初に50個の穴をあけ、次にマスク6で残りの5
0個の穴を前に開けた穴と穴との間に開けている。この
マスク6を用いて基板5にまず初期位置にて加工する
と、加工した溝の断面形状は図5(A)に示すようにな
る。光学系の分解能と光の散乱に依存したテーパはやむ
を得ず形成される。この加工中、光の照射量は加工全幅
を一括加工の場合の約半分であり、この為、基板5の温
度上昇は少ない。
【0055】この加工終了後、マスク6を図示されてい
ないステージにより加工ピッチだけ移動して光を照射す
ると、図5(B)に示すような加工が開始される。
【0056】このとき、発生した熱は主に凸部5fを通
って拡散していくので、一部に熱が集中したり、精度の
必要な面が過度に高温になる現象が避けられる。また表
面積が大きいので、雰囲気による冷却効果もある。尚、
この実施形態ではマスク6を移動して、加工メカニズム
を説明したが、加工物5を等価な量だけ移動しても、全
く同一の効果を得ることができる。
【0057】実施形態2特有の効果として以下の点があ
る。
【0058】(エ-1) 同じマスクで複数回(本実施形態で
は2回)加工するのみで、その移動距離もパターンのピ
ッチ程度である為、移動機構やマスク周辺の機器が複雑
化せず、かつ高速にマスクの移動ができる。
【0059】(エ-2) パターンの並び方向に分割加工して
いる為、温度上昇が避けられる。特にパターンの並び方
向の熱伝導の為の体積や、熱放射の為に利用される表面
積が広がる為、温度上昇が軽減される。
【0060】図6は本発明の実施形態3の要部概略図で
ある。本実施形態は加工物65に溝を加工する際、溝の
長手方向に分割して加工する場合を示している。図6に
おいて、61は光源であり、例えばエキシマレーザから
成っている。62は照明光学系(照明系)、63は加工
像を決定するマスクであり、紙面に垂直方向に、図7に
示されるような透過のスリット列が設けられている。6
4はマスク63のマスク像を加工物65上に結像する投
影レンズ(投影系)、65は加工物である所のサンプ
ル、66はマスク63を半分程度覆う補助マスクであ
る。
【0061】照明系62及び投影系64は、通常理想レ
ンズに近い収差設計がなされており、複数のレンズより
成っているが、同図では1枚のレンズとして示してい
る。
【0062】本実施形態ではエキシマレーザ61により
照射された紫外領域のレーザ光で、照明光学系62によ
り照度分布を均一化にしてマスク63を照明している。
マスク63に刻まれた図7に示すようなパターン63a
により切り出された光は、補助マスク66で長手方向に
半分にされ、投影レンズ64により所定の縮小率(通常
5〜10分の一)で加工物(サンプル)65上に投影
し、加工物65にパターン63aの像を光加工してい
る。
【0063】このマスク63を用いて基板65にまず初
期位置にて加工すると、溝はまず図8(A)に示すよう
に長手方向に半分だけ加工される。この加工終了後、補
助マスク66を図示されていないステージにより溝の長
さの半分程度移動して光を照射すると、図8(B)に示
すような溝加工が施される。
【0064】このとき、照射される光エネルギー熱は主
に形成された溝と溝との間の凸部を通って拡散していく
ので、一部に熱が集中したり、精度の必要な面が過度に
高温になる現象が避けられる。また表面積が大きいの
で、雰囲気による冷却効果もある。
【0065】実施形態3の特有の効果として以下の点が
ある。
【0066】(オ-1) 移動が補助マスクの1軸のみで、マ
スク本体を移動する必要がない為、安定度が高い。
【0067】(オ-2) 補助マスクの形状を変えるだけで、
加工分割数が得ることができる。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば以上のように、レーザ光
源からのレーザ光で照明系によってマスク面上のパター
ンを照明し、該パターンを投影系で加工物に結像してア
ブレーション加工を行う際に、加工条件を適切に設定す
ることによって、熱膨張や溶融による加工物の劣化や変
形を防止し、加工物を容易かつ高精度に光加工すること
ができる光加工機及びそれを用いたオリフィスプレート
の製造方法を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光加工機の実施形態1の要部概略図
【図2】図1の一部分の説明図
【図3】本発明の光加工機の実施形態1の光加工の進行
の説明図
【図4】本発明の光加工機の実施形態2のマスクの説明
【図5】本発明の光加工機の実施形態2の光加工の進行
の説明図
【図6】本発明の光加工機の実施形態3の要部概略図
【図7】本発明の光加工機の実施形態3の一部分の説明
【図8】本発明の光加工機の実施形態3の光加工の進行
の説明図
【図9】光加工時の加工物における熱発生の概念図
【図10】従来の光加工機の概略図
【符号の説明】
1,11 光源 2,62 照明系 3,63 マスク 4,64 投影系 5,65 加工物 66 補助マスク

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から放射された光でマスク面上に設
    けたパターンを照明し、該パターンを光学系によって加
    工物に投影し、アブレーション加工するようにした光加
    工機において、該加工物面上に投影される該マスクのパ
    ターン像の位置と該加工物との相対的位置を変えて該加
    工物上を複数の領域に分けて分割加工していることを特
    徴とする光加工機。
  2. 【請求項2】 前記マスク面上のパターンは周期構造を
    しており、前記加工物上を該周期的なパターンの配列方
    向に分割加工していることを特徴とする請求項1の光加
    工機。
  3. 【請求項3】 前記マスク面上のパターンは周期構造を
    しており、前記加工物上を該周期的なパターンの配列方
    向と直交する方向に分割加工していることを特徴とする
    請求項1の光加工機。
  4. 【請求項4】 前記分割加工は、前記加工物の光吸収に
    よる温度上昇に基づく熱的変化が許容される範囲内で複
    数の領域に分割していることを特徴とする請求項1,2
    又は3の光加工機。
  5. 【請求項5】 前記加工物に光加工されるパターンの形
    状は、周期的な円形開口又は溝状開口であることを特徴
    とする請求項1〜4の何れか1項記載の光加工機。
  6. 【請求項6】 請求項1から5の何れか1項記載の光加
    工機を用いて前記マスク面上の複数の開口を一方向に配
    列したパターンを基板上に転写して、該基板上に複数の
    小孔を穿孔してオリフィスプレートを製造したことを特
    徴とするオリフィスプレートの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5の何れか1項記載の光加工
    機を用いて製造したオリフィスプレートを有しているこ
    とを特徴とするバブルジェットプリンタ。
  8. 【請求項8】 請求項6のオリフィスプレートの製造方
    法により製造したオリフィスプレートを有していること
    を特徴とするバブルジェットプリンタ。
JP9363689A 1997-12-16 1997-12-16 光加工機及びそれを用いたオリフィスプレートの製造方法 Pending JPH11179575A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7880117B2 (en) 2002-12-24 2011-02-01 Panasonic Corporation Method and apparatus of drilling high density submicron cavities using parallel laser beams

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